JPH09150039A - 排ガス浄化装置と方法 - Google Patents

排ガス浄化装置と方法

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JPH09150039A
JPH09150039A JP7314506A JP31450695A JPH09150039A JP H09150039 A JPH09150039 A JP H09150039A JP 7314506 A JP7314506 A JP 7314506A JP 31450695 A JP31450695 A JP 31450695A JP H09150039 A JPH09150039 A JP H09150039A
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JP
Japan
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catalyst
exhaust gas
denitration
boiler combustion
oxygen
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Application number
JP7314506A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Ishioka
正明 石岡
Masato Mukai
正人 向井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Publication of JPH09150039A publication Critical patent/JPH09150039A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない触媒量で未反応NH3の排出を抑えな
がら、高効率脱硝を実現すること。 【解決手段】 火炉8からのボイラ燃焼排ガスが垂直
(鉛直)方向に流れる脱硝装置1の内に誘導されるが、
脱硝装置1内では、ボイラ燃焼排ガスに対して上流側か
ら順に脱硝触媒4とNH3分解触媒2が配置されてい
る。脱硝触媒4の前流側にはNH3注入装置6が設けて
あり、脱硝触媒4とNH3分解触媒2の間にはエアヒー
ター7の出口空気を注入する空気注入装置5が設置され
ている。脱硝触媒4とNH3分解触媒2の間にエアヒー
ター出口空気注入装置5が設置されているため、NH3
分解触媒2の入口の酸素濃度が高くなる。そのためNH
3分解触媒2のNH3分解性能を高くできる。NH3分解
触媒2としては、NOxのNH3による還元活性を有す
る第一成分とNH3からNOxを生成させる活性を有す
る第2成分とからなる触媒が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排ガス浄化装置と方
法に係り、特に排ガス中の窒素酸化物を低減するのに好
適な脱硝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電所、各種工場、自動車などから排出
される排煙中の窒素酸化物(NOx)は光化学スモッグ
の原因物質であり、その効果的な除去方法として選択的
接触還元による排煙脱硝法が火力発電所を中心に幅広く
用いられている。近年、産業の発展からNOxを含む排
ガス量は増大する傾向にあり、環境基準を遵守するた
め、今後さらなる低NOx化が要求される趨勢にある。
排煙脱硝法に用いられる触媒には酸化チタン系のものが
多く使用され、還元剤としてはアンモニア(NH3)が
使用される。
【0003】またNOxの他、燃焼排ガス中に含まれる
一酸化炭素(CO)も非常に低レベルにまで抑えること
が望まれており、それらを除去するための触媒やプロセ
スの実現が重要な課題となっている。
【0004】従来の選択的接触還元法による排煙脱硝装
置は、脱硝触媒だけを配置したものが多い。脱硝触媒の
みを配置した脱硝装置を高効率脱硝に適用する際、NH
3/NOxモル比(以下、モル比と略す。)が1以下で
は当量反応線に従って急激に脱硝率が低下してしまうた
め高効率脱硝(ここで例えば95%以上の脱硝率をもっ
た脱硝を高効率脱硝と定義する。)は望めない。従って
高脱硝率を得るためにはモル比を1より大きくする必要
があったが、高モル比運転(前記モル比>1)を行うと
NH3過剰条件であるためモル比の増加にほぼ比例した
濃度の未反応NH3が脱硝装置から排出されるという問
題点があった。
【0005】ガス中に亜硫酸(SO3)が含有される場
合、前記未反応のNH3はSO3と反応して(NH42
4や(NH4)HSO4を生成する。これらの生成物は
後流のエアヒーターなどの熱交換器に付着し、排ガス流
路の閉塞に伴う圧力損失の増大を引き起すため、脱硝装
置やボイラの運転に支障をきたす。またLNGを燃料と
するボイラなどの排ガス中にSO3を含まない排ガスに
対してもNH3自体が臭気を伴うため高濃度排出には問
題がある。
【0006】これらの問題を解決するためには未反応N
3の排出を抑えなければならない。例えば未反応NH3
の排出濃度を5ppm以下に抑える事により、これらの
問題を解決する事ができる。
【0007】この間題を解決するために図6のような脱
硝装置1の中に、NH3分解性能と脱硝性能を有する触
媒2(窒素酸化物のNH3による還元活性を有する第一
成分とNH3から窒素酸化物を生成させる活性及びCO
からCO2を生成させる活性のうち少なくともいずれか
の活性を有する第二成分とからなる触媒)を単独で配置
した脱硝装置や図7のような脱硝装置1の中に、脱硝触
媒4とその後流側にNH3分解性能と脱硝性能を有する
触媒2またはNH3分解性能を有する触媒3(NH3から
窒素酸化物のみを生成させる活性を有する触媒)を配置
した排ガス浄化装置が提案されている。
【0008】このような触媒2や触媒3(以下、触媒2
や触媒3のようなNH3分解性能を有する触媒をNH3
解触媒2と称す。)を配置した脱硝装置1を用いると、
未反応NH3を分解する事ができるためモル比>1のよ
うな高モル比運転を行うことができる(特開平2−19
1527号、特願平4−138514号等)。
【0009】これらの脱硝装置1を用した場合は、モル
比>1のような高モル比運転を行っても、NH3分解触
媒2が配置されているため、(1)式または(2)式の
ようなNH3分解反応によって未反応NH3を分解する事
ができる。特に(2)式(触媒2)の場合は、NOxの
副生も抑える事ができるので、NOxとNH3の両方を
低レベルに抑えることが可能となる。
【0010】 4NH3+5O2→4NO+6H2O (1) 4NH3+3O2→2N2+6H2O (2) NH3分解反応には(1)式または(2)式のように酸
素が使われる。一般にボイラ燃焼排ガス中に含まれる酸
素の濃度は1〜5vol%であり、ガスタービン出口排
ガス中や空気中に含まれる酸素に比べると濃度が低い。
酸素濃度が低ければNH3分解触媒2のNH3分解性能は
低下するため、NH3を目的の濃度まで低減するために
必要なNH3分解触媒2の触媒量が増えてしまう。
【0011】このように、従来技術はボイラ燃焼排ガス
中の酸素は空気中等の酸素に比べて濃度が低いため、ボ
イラ燃焼排ガス中でNH3分解触媒2を使用した場合に
NH3分解活性が低下してしまうという点について配慮
がなされていなかった。また、従来技術はNH3分解活
性が低下することに伴い、NH3分解触媒2の触媒量が
増加してしまうという点について配慮がなされていなか
った。
【0012】また、脱硝触媒の脱硝活性を上げるため
に、脱硝触媒の前流に空気を注入する方法が提案されて
いる(実開昭56−98331号、特開昭57−716
24号)。しかし、これらの方法では、排ガス中のNO
xは効果的に低減することができるものの、NOxの低
減と同時にNH3の排出を抑えるという点については配
慮がなされていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、ボ
イラ燃焼排ガス中でNH3分解触媒2を使用した場合に
NH3分解活性が低下してしまうという点について、及
びそれに伴いNH3分解触媒2の触媒量が増加してしま
うという点について配慮がなされおらず、エアヒータ一
の閉塞やNH3の臭気、脱硝装置の巨大化等の問題があ
った。
【0014】本発明の課題は、少ない触媒量で未反応N
3の排出を抑えながら、高効率脱硝を実現する事にあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、次の構
成によって達成される。すなわち、ボイラ燃焼排ガス中
の窒素酸化物を、アンモニアの存在下、触媒を用いて除
去する排ガス浄化装置において、アンモニア分解性能と
脱硝性能を有する多元機能触媒を含む脱硝装置内の前記
多元機能触媒の前流にボイラ燃焼排ガス中の酸素よりも
濃度の高い酸素を含むガスを注入するガス注入装置を設
けた排ガス浄化装置である。
【0016】本発明の上記排ガス浄化装置において、ガ
ス注入装置にはボイラ燃焼排ガス中の酸素よりも濃度の
高い酸素を含むガスとして、ボイラ燃焼用加熱空気を用
いることが望ましい。また、用いる多元機能触媒は窒素
酸化物のアンモニアによる還元活性を有する第一成分と
アンモニアから窒素酸化物を生成させる活性及び一酸化
炭素から二酸化炭素を生成させる活性のうち少なくとも
いずれかの活性を有する第二成分とからなる触媒などで
ある。
【0017】本発明の課題は、次の構成によって達成さ
れる。すなわち、ボイラ燃焼排ガス中の窒素酸化物を、
アンモニアの存在下、触媒を用いて除去する排ガス浄化
方法において、アンモニア分解性能と脱硝性能を有する
多元機能触媒を含む脱硝装置内の前記多元機能触媒の前
流にボイラ燃焼排ガス中の酸素よりも濃度の高い酸素を
含むガスを注入する排ガス浄化方法である。本発明の上
記排ガス浄化方法において、排ガス中に注入するボイラ
燃焼排ガス中の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスと
して、通常、脱硝触媒の反応温度である最高400℃ま
での温度に加熱したガス、例えば、ボイラ燃焼用加熱空
気を用いることが望ましい。また、ボイラ燃焼排ガス中
の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスとして、常温の
大気を用いても良い。
【0018】本発明によれば、NH3分解触媒の前流に
ボイラ燃焼排ガス中の酸素濃度よりも高い濃度の酸素を
含むガスを注入する事により、NH3分解触媒入口の酸
素濃度を高くし、NH3分解触媒のNH3分解性能を上げ
ることができる。それによって未反応NH3は分解さ
れ、触媒量は低減できるようになるので、未反応NH3
が多量に流出することがなく、莫大な量の触媒を排ガス
浄化装置に積む必要がない。
【0019】また、酸素濃度が高くなるとNH3分解触
媒の脱硝性能も高くすることができる。そのため、より
少ない触媒量で高効率脱硝が実現できる。こうして、本
発明はNH3のリークをほとんど生じない脱硝装置、
COとNOxの両者を除去できる排ガス浄化装置、
NH3を無害な窒素にできる浄化装置などの高機能排ガ
ス浄化装置を実現することができる。
【0020】
【発明の実施する形態】次に本発明の実施の形態を示
す。垂直(鉛直)流型脱硝装置に適用された本発明の一
つの実施の形態を図1に示す。火炉8からのボイラ燃焼
排ガスが垂直(鉛直)方向に流れる脱硝装置1の内に誘
導されるが、脱硝装置1内では、ボイラ燃焼排ガスに対
して上流側から順に脱硝触媒4とNH3分解触媒2が配
置されている。脱硝触媒4の前流側にはNH3注入装置
6が設けてあり、脱硝触媒4とNH3分解触媒2の間に
はエアヒーター7の出口空気を注入する空気注入装置5
が設置されている。
【0021】本実施例の脱硝装置を用いれば、脱硝触媒
4とNH3分解触媒2の間にエアヒーター出口空気注入
装置5が設置されているため、NH3分解触媒2の入口
の酸素濃度が高くなる。そのためNH3分解触媒2のN
3分解性能を高くできる。
【0022】本実施例で使用される脱硝触媒4として
は、例えばバナジウム(V)、タングステン(W)ある
いはモリブデン(Mo)を活性成分にした酸化チタン系
触媒が使用される。具体的な脱硝触媒4としては主にガ
ス焚用触媒として使用されるTi/Mo/V=90/5
/5〜91/5/4、Ti/W/V=90/5/5〜9
1/5/4の組成比(原子比)となる触媒や、主に油焚
用触媒、石炭焚用触媒として使用されるTi/Mo/V
=92/5/3〜94/5/1、Ti/W/V=92/
5/3〜94/5/1の組成比(原子比)となる触媒が
挙げられる。
【0023】またNH3分解触媒2としては、NOxの
NH3による還元活性を有する第一成分とNH3からNO
xを生成させる活性を有する第二成分とからなる触媒が
用いられ、例えば、第一成分としてTi、V、W、Mo
から選ばれる1種以上の元素の酸化物からなる組成物を
用い、第二成分として白金(Pt)、パラジウム(P
d)、ロジウム(Rh)から選ばれる貴金属の塩類もし
くはゼオライト、アルミナ、シリカなどの多孔体担体に
あらかじめ担持された前記貴金属を含有する組成物を用
いて、これら第一成分と第二成分を混合した組成物から
なる触媒が使用される。
【0024】NH3分解触媒2は、さらに具体的には、
第一成分および第二成分は次のようなものを用い、貴金
属元素の濃度が1000ppm以下の範囲になるように
両成分を混合し、水を加えて混練後、公知の方法により
板状、ハニカム状、粒状に成形後所定温度で焼成したも
のを触媒にする。 (A)第一成分としてはTi−V、Ti−Mo、Ti−
W、Ti−V−WまたはTi−Mo−Vのいずれかの組
み合わせの酸化物または銅(Cu)または鉄(Fe)を
担持したモルデナイト等のゼオライトなどのNH3によ
る脱硝活性を有する組成物を用いる。 (B)第二成分としては塩化白金酸、硝酸パラジウム、
塩化ロジウム等の貴金属の塩類またはゼオライト、多孔
質シリカ、多孔質アルミナにあらかじめ上記貴金属元素
をイオン交換含浸等により担持させた組成物など、NH
3を酸素で酸化してNOxを生成する機能を有する組成
物を用いる。
【0025】本発明のNH3分解触媒2の調製法も次の
ような方法を用いれば性能に優れた触媒を得ることがで
きる。触媒成分の内、まず第一成分は、前記したような
各種のものを使用することができるが、特に触媒成分と
してTi−V、Ti−V−Mo、Ti−W−V等の元素
からなる酸化物触媒を用いた場合に好結果をもたらす。
これらは、メタチタン酸等の含水酸化チタンのスラリに
バナジウム、モリブデン、タングステンの酸素酸塩をは
じめとする塩類を添加し、加熱ニーダを用いて水を蒸発
させながらペースト状にし、乾燥後、400℃から70
0℃で焼成、必要に応じて粉砕することによって得られ
る。
【0026】また、第二成分の添加は、前述した貴金属
の可溶性塩類を水に溶かして上記第一成分粉末と混練し
て第一成分の有するミクロポア内に担持する方法によっ
ても良いが、望ましくは予めゼオライト、シリカ、アル
ミナ等の多孔体のミクロポア内にイオン交換や混練によ
り担持したものを調製し、第一成分に添加するのが良
い。第二成分に用いられるゼオライトはモルデナイト、
クリノプチロライト、エリオナイト、Y型ゼオライト等
の中から選ばれるゼオライトの水素置換型、ナトリウム
型、カルシウム型のものを用いることができる。また、
シリカ、アルミナは含水酸化物を低温で焼成した表面積
が100m2/gから500m2/gのものが用いられ
る。これらの粒径は1〜10μm程度であり、ゼオライ
ト等の構造が破壊されない程度に粉砕して用いることも
できる。これらに貴金属をその塩化物、硝酸塩、あるい
はアンミン錯体の形で溶解した水溶液中に浸漬してイオ
ン交換するか、水溶液と共に蒸発乾固し、貴金属を0.
01wt%〜0.1wt%担持した粉末を得て、第二成
分として用いる。
【0027】得られた第一、第二成分は第二成分/第一
成分重量比(以下第二成分/第一成分比)として20/
80〜0.5/99.5、望ましくは10/90〜1/
99の範囲に混合され、これに水、無機バインダ、成形
助剤、無機繊維等周知の成形性向上剤が添加されてニー
ダにより混練されてペースト状触媒混合物にされる。得
られたペースト状触媒は無機繊維製網状基材、溶射等に
より粗面化した金属基板等に塗布され、板状触媒に成形
されるか、押し出し成形機により柱状あるいはハニカム
状に成形される。
【0028】図2に本発明の他の実施の形態を示す。本
実施の形態は排ガスが水平方向に流れる水平流型脱硝装
置に係るものである。脱硝装置1の中に複数段の触媒層
が設けられ、ガス流れの上流側から順に脱硝触媒4、N
3分解触媒2、脱硝触媒4を配置している。反応器1
の前流にはNH3注入装置6が設けてあり、脱硝触媒4
とNH3分解触媒2の間には空気(大気)注入装置5が
設けてある。
【0029】本実施例の脱硝装置を用いれば、脱硝触媒
4とNH3分解触媒2の間に空気注入装置5が設置され
ているため、NH3分解触媒2の入口の酸素濃度を高く
することができる。そのためNH3分解触媒2のNH3
解性能を上げることができる。
【0030】NH3分解触媒2のNH3分解活性を上げる
ためには、できるだけ酸素濃度を高くし、できるだけ反
応温度を高くすることが望ましい。そのためには空気の
代わりに酸素濃度が21vol%以上含まれたガスを注
入した方がよく、また酸素含有ガスの温度を加熱して注
入した方がよい。しかしながら注入する酸素含有ガスの
温度を脱硝触媒4での反応温度よりも高くすると、NH
3分解触媒2での反応温度が脱硝触媒4での反応温度よ
りも高くなってしまう。NH3分解触媒2での反応温度
が高くなることによって、前述した(1)式の反応が促
進され、NOxの副生量が増えてしまう。通常、脱硝触
媒4での反応温度は300〜400℃が好ましいとされ
ている。そのため注入する酸素含有ガスの温度は、最高
400℃まで加熱することが好ましい。
【0031】本発明の脱硝装置は、前述したようなNH
3分解触媒2の前流にボイラ燃焼排ガスよりも酸素濃度
が高いガスを注入することに特徴があり、ガス流れ方向
が垂直(鉛直)流型、水平流型に限らず、どのような脱
硝装置においても採用できることは言うまでもない。
【0032】また、本発明の触媒はアンモニア含有排ガ
スの浄化に用いれば極めて効率良くNH3をN2に酸化分
解することができるだけでなく、排ガスに含有されるC
Oは速やかに酸化触媒成分と接触し、(3)式の如くC
2に酸化される。 CO+1/2O2 → CO2 (3) このため、本触媒は脱硝の他、排ガス中に含有されるC
Oの酸化分解による排ガス浄化も併せて行うことができ
る。
【0033】実施例1 触媒装置断面積が225cm2の小型の水平流型試験装
置にボイラ燃焼排ガスを通し、ガス流れ前流からNH3
注入装置6、脱硝触媒4、NH3分解触媒2の順に配置
し、脱硝触媒4とNH3分解触媒2の間に加熱空気を空
気注入装置5から注入し、以下の表1に示す条件で試験
を行った。図3に試験装置の概要及び触媒の配列を示
す。
【0034】
【表1】
【0035】図4に実施例1の脱硝装置出口のNOx濃
度(6%O2換算値)と触媒量比との関係及び図5に実
施例1の脱硝装置出口の未反応NH3濃度(6%O2換算
値)と触媒量比との関係を示す。図4に示す結果から何
も注入しない場合(実線A)に比べて、エアヒータ−出
口空気を模擬した加熱空気を注入した場合(点線B)の
ほうが、少ない触媒量で目的のNOx及びNH3濃度に
できることが分かる。
【0036】なお、本実施例ボイラ燃焼排ガス中にはC
Oがほとんど存在しない。上記NH3分解触媒2は次の
ようにして作製した。
【0037】メタチタン酸スラリ(TiO2含有量:3
0wt%、SO4含有量:8wt%)67kgにパラタ
ングステン酸アンモニウム((NH41010・W12
46・6H2O)3.59kg及びメタバナジン酸アンモ
ン1.29kgとを加え、加熱ニーダを用いて水を蒸発
させながら混練し、水分約36%のペーストを得た。こ
れを3mmφの柱状に押し出し、造粒後、流動乾燥機で
乾燥し、次に大気中550℃で2時間焼成した。得られ
た顆粒をハンマーミルで1μmの粒径が60%以上にな
るように粉砕し、第一成分である脱硝触媒粉末を得た。
このときの組成はV/W/Ti=2/5/3(原子比)
である。
【0038】一方、塩化白金酸(H2[PtC16]・6
2O)0.665gを水1リットルに溶解したもの
に、Si/Al原子比が約21、平均粒径約10μmの
H型モルデナイト500gを加え、砂浴上で蒸発乾固し
てPtを担持した。これを180℃で2時間乾燥後、空
気中で500℃で2時間焼成し、0.05wt%Pt−
モルデナイトを調製し第二成分とした。
【0039】これとは別に繊維径9μmのEガラス性繊
維1400本からなる撚糸を10本/インチの粗さで平
織りした網状物にチタニア40%、シリカゾル20%、
ポリビニールアルコール1%のスラリーを含浸し、15
0℃で乾燥して剛性を持たせ触媒基材を得た。
【0040】第一成分20kgと第二成分408gにシ
リカ・アルミナ系無機繊維5.3kg、水17kgを加
えてニーダで混練し、触媒ペーストを得た。上記触媒基
材2枚の間に調製したペースト状触媒混合物を置き、加
圧ローラを通過させることにより基材の編目間および表
面に触媒を圧着して厚さ約1mmの板状触媒を得た。得
られたNH3分解触媒2は、180℃で2時間乾燥後、
大気中で500℃で2時間焼成した。本触媒中の第一成
分と第二成分の第二成分/第一成分比は2/98で有
り、Pt含有量は触媒基材・無機繊維を除いて10pp
mに相当する。また、脱硝触媒4は触媒成分としてTi
−Mo−Vの元素からなる酸化物触媒で組成比(原子
比)としてTi/Mo/V=93/5/2となる触媒を
用いた。
【0041】
【発明の効果】本発明によればNH3分解触媒のNH3
解性能を高くできる。また、高効率脱硝を行う際に、よ
り少ない触媒量でNH3の排出濃度を5ppm以下に低
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 脱硝装置内の触媒としてボイラ燃焼ガス流れ
の上流側から順に脱硝触媒、NH3分解触媒、脱硝触媒
を配置した垂直流型脱硝装置の断面図で本発明の実施例
を示した図である。
【図2】 脱硝装置内の触媒としてボイラ燃焼排ガス流
れの上流側から順に脱硝触媒、NH3分解触媒を配置し
た水平流型脱硝装置の断面図で本発明の実施例を示した
図である。
【図3】 小型脱硝試験装置の概略と触媒の組合わせを
示した図である。
【図4】 実施例1の場合の脱硝装置出口のNOxと触
媒量比関係を示した図である。
【図5】 実施例1の場合の脱硝装置出口の未反応NH
3濃度と触媒量比関係を示した図である。
【図6】 脱硝装置内の触媒としてNH3分解性能と脱
硝性能を有する触媒を単独で配置した脱硝装置を示した
図である。
【図7】 脱硝装置内の触媒としてガス流れの上流側か
ら順に脱硝触媒、NH3分解触媒を配置した脱硝装置を
示した図である。
【符号の説明】
1 脱硝装置 2 NH3分解触媒 3 NH3分解触媒 4 脱硝触媒 5 空気注入装置 6 NH3注入装置 7 エアヒーター 8 火炉

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ燃焼排ガス中の窒素酸化物を、ア
    ンモニアの存在下、触媒を用いて除去する排ガス浄化装
    置において、 アンモニア分解性能と脱硝性能を有する多元機能触媒を
    含む脱硝装置内の前記多元機能触媒の前流にボイラ燃焼
    排ガス中の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスを注入
    するガス注入装置を設けたことを特徴とする排ガス浄化
    装置。
  2. 【請求項2】 ガス注入装置にはボイラ燃焼排ガス中の
    酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスとして、ボイラ燃
    焼用加熱空気を用いることを特徴とする請求項1記載の
    排ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 多元機能触媒は窒素酸化物のアンモニア
    による還元活性を有する第一成分とアンモニアから窒素
    酸化物を生成させる活性及び一酸化炭素から二酸化炭素
    を生成させる活性のうち少なくともいずれかの活性を有
    する第二成分とからなる触媒であることを特徴とする請
    求項1の排ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 ボイラ燃焼排ガス中の窒素酸化物を、ア
    ンモニアの存在下、触媒を用いて除去する排ガス浄化方
    法において、 アンモニア分解性能と脱硝性能を有する多元機能触媒を
    含む脱硝装置内の前記多元機能触媒の前流にボイラ燃焼
    排ガス中の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスを注入
    することを特徴とする排ガス浄化方法。
  5. 【請求項5】 排ガス中に注入するボイラ燃焼排ガス中
    の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスとして、最高4
    00℃までの温度に加熱したガスを用いることを特徴と
    する請求項4記載の排ガス浄化方法。
  6. 【請求項6】 排ガス中に注入するボイラ燃焼排ガス中
    の酸素よりも濃度の高い酸素を含むガスとして、ボイラ
    燃焼用加熱空気を用いることを特徴とする請求項4記載
    の排ガス浄化方法。
  7. 【請求項7】 ボイラ燃焼排ガス中の酸素よりも濃度の
    高い酸素を含むガスとして、常温の大気を用いることを
    特徴とする請求項4記載の排ガス浄化方法。
  8. 【請求項8】 多元機能触媒は窒素酸化物のアンモニア
    による還元活性を有する第一成分とアンモニアから窒素
    酸化物を生成させる活性及び一酸化炭素から二酸化炭素
    を生成させる活性のうち少なくともいずれかの活性を有
    する第二成分とからなる触媒であることを特徴とする請
    求項4の排ガス浄化方法。
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