JP2863723B2 - トンネルフィニッシャ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、トンネル状の通
路の内部で、洗濯衣類の蒸気むらしと乾燥仕上げを行う
トンネルフィニッシャに係り、詳しくはその蒸気むらし
手段の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】衣類は、アイロン工程前に布地表面のシ
ワを十分に伸ばしておくと、アイロンの仕上がりが非常
に美しくなる。この為、クリーニング作業においては、
洗濯後の衣類に蒸気と熱風を浴びせて蒸気むらしと乾燥
仕上げを行ない、布地表面のシワを伸ばすことが行われ
ている。この乾燥仕上げを行う装置がトンネルフィニッ
シャである。

【０００３】トンネルフィニッシャは、装置フレームの
内部に、直列に連結された蒸気室と熱風室を備え、ハン
ガーに掛けられた状態の洗濯衣類がチェーンコンベアに
よって両室内を通過するようになっている。その過程に
おいて、衣類に蒸気と熱風を浴びせるのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来この種
のトンネルフィニッシャでは、その蒸気室のむらし工程
において、蒸気吹き出しノズルや吹き出し穴を設けた蒸
気吹き出し管から出た蒸気を直接衣類に吹きつけている
ので、ノズルや吹き出し管内に発生したドレンが蒸気と
ともに衣類に吹きつけられ、このドレンが衣類に付着し
てシミが形成されるという問題が発生している。

【０００５】そこで、この発明の課題は、トンネルフィ
ニッシャの蒸気むらし工程における衣類へのドレンの付
着を防止することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、蒸気室と熱風室に洗濯後の衣類を通過
させ、その蒸気室の蒸気と熱風室の熱風を衣類に浴びせ
て、蒸気むらしと乾燥仕上げを行うトンネルフィニッシ
ャにおいて、上記蒸気室内に、互いに逆向きに蒸気を吹
き出す対の蒸気吹き出し管を、前記衣類の通過方向に平
行な平面内で、その吹き出す蒸気が衝突し合うように対
向させて設け、衝突し合った蒸気の散乱気を前記衣類に
浴びせるようにしたのである。

【０００７】このようにしたことにより、蒸気が衝突し
た際に蒸気に含まれているドレンが蒸気から分離され、
衣類には純粋な散乱蒸気だけが吹きつけられる。

【０００８】

【実施の形態】図１〜図４にこの発明の実施形態を示
す。図１に示すように、トンネルフィニッシャは蒸気を
吹き出す蒸気室１と熱風を吹き出す熱風室２が直列に設
けられており、両室内の上方には、衣類Ａを吊るして両
室１、２を移動させるチェーンコンベア４が水平に走行
している。

【０００９】このチェーンコンベア４は、図２および図
３に示すように、両室１、２の中央を貫通し、室外にお
いて繋がる矩形の環状走行路を形成している。その四隅
がスプロケット５で掛け渡されており、このスプロケッ
ト５が図１に示す電動機６で駆動されて回転することに
より循環するようになっている。そして、その走行路に
沿って所定の間隔で複数のハンガーフック７が吊るされ
ており、衣類Ａは、このハンガーフック７に吊るされた
ハンガー８に掛けられて両室１、２内の中央を移動す
る。

【００１０】蒸気室１には、図１、図３および図４に示
すように、前記チェーンコンベア４を挟んで対向する室
の側面のそれぞれに、上下方向に平行に走る対の蒸気吹
き出し管９、９が設けられている。各蒸気吹き出し管９
にはこれを加熱する加熱管１０が密着して設けられてい
る。

【００１１】そして、各側面の対の蒸気吹き出し管９、
９には、図３および図４に示すように、複数の蒸気の吹
き出し穴３が所定のピッチで対になって設けられてい
る。対の吹き出し穴３、３は、互いに相手の方を向いて
おり、各吹き出し穴３から蒸気が水平に吹き出すと、蒸
気は、蒸気室１の側面に平行に、すなわち、衣類Ａの進
行方向に平行な方向で互いに衝突するようになってい
る。

【００１２】なお、熱風室２は、図１および図２に示す
ように、加熱ヒーター１２を内蔵したダクトから送風ブ
ロワ１３で加熱空気を室内に導き、この加熱空気で衣類
Ａを乾燥させるものであるが、この発明の対象ではない
ので、詳細な図示および説明は省略する。

【００１３】この実施形態のトンネルフィニッシャは以
上のような構成であり、次にその作用を説明する。

【００１４】先ず、前記蒸気室１、熱風室２の外でチェ
ーンコンベア４に掛けられたハンガー８に洗濯直後の水
分を含んだ衣類Ａを吊り下げ、スプロケット５を回転さ
せてチェーンコンベア４を循環させる。

【００１５】衣類Ａが蒸気室１内を通過する時に、蒸気
室１側面の蒸気吹き出し管９、９…から蒸気を同時に吹
き出させる。対の蒸気吹き出し穴３、３から吹き出され
た蒸気は上記したように衣類Ａの進行方向に平行な方向
で衝突し合い、その際の散乱蒸気が衣類Ａに吹きつけら
れる。

【００１６】この時、蒸気が衝突し合った際に、蒸気に
含まれたドレン等の不純物が分離されるので、散乱蒸気
はこのような不純物が除去されたものになる。従って、
衣類Ａにはこの不純物の少ない散乱蒸気が吹きつけられ
るので、衣類Ａは不純物に基づくシミ等の付着が極めて
少ない。

【００１７】蒸気室１を出た衣類Ａは隣の熱風室２に運
ばれて乾燥される。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、トンネルフィニッシャの蒸気むらし工程において、
蒸気吹き出し口から吹き出された蒸気を直接衣類に浴び
せず、吹き出された蒸気を衝突させて、その散乱蒸気を
浴びせるようにしたので、この散乱蒸気には不純物がほ
とんど除去されており、衣類には不純物が付着せず、シ
ミが発生しないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態のトンネルフィニッシャの横断平面図

【図２】同上の正面図

【図３】蒸気室の縦断側面図

【図４】蒸気室の縦断正面図

【符号の説明】

１ 蒸気室 ２ 熱風室 ３ （蒸気の）吹き出し穴 ４ チェーンコンベア ５ スプロケット ６ 電動機 ７ ハンガーフック ８ ハンガー ９ 蒸気吹き出し管 １０ 加熱管 Ａ 衣類

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸気室と熱風室に洗濯後の衣類を通過さ
   せ、その蒸気室の蒸気と熱風室の熱風を衣類に浴びせ
   て、蒸気むらしと乾燥仕上げを行うトンネルフィニッシ
   ャにおいて、 上記蒸気室内に、互いに逆向きに蒸気を吹き出す対の蒸
   気吹き出し管を、前記衣類の通過方向に平行な平面内
   で、その吹き出す蒸気が衝突し合うように対向させて設
   け、衝突し合った蒸気の散乱気を前記衣類に浴びせるよ
   うにしたことを特徴とするトンネルフィニッシャ。