JP2863405B2 - 化粧品組成物 - Google Patents

化粧品組成物

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JP2863405B2 JP5072006A JP7200693A JP2863405B2 JP 2863405 B2 JP2863405 B2 JP 2863405B2 JP 5072006 A JP5072006 A JP 5072006A JP 7200693 A JP7200693 A JP 7200693A JP 2863405 B2 JP2863405 B2 JP 2863405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、適用した皮膚の水分含
量を増加させ、及び／又は皮膚からの水分の損失を防ぐ
効果を有する化粧品組成物に関する。前記組成物は、保
湿（ｍｏｉｓｔｕｒｉｚｉｎｇ）ローション、保湿クリ
ーム、又は単にモイスチャライザーと呼ばれることが多
い。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在様
々なモイスチャライザーが市販されており、それらは種
々の成分を含んでおり、それらの中にはポリオールがあ
る。多くのポリオール、そのうちでも特にグリセロール
が保湿剤として有効なことが知られている。
【０００３】本発明者らは２つの特定のポリオールを組
み合わせて使用すると、顕著な相乗効果があり、保湿剤
としての効力が予測できないほど改善されることを発見
した。
【０００４】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は１，３
−ブタンジオールと３−メチル−１，３−ブタンジオー
ルとを組み合わせて含む化粧品組成物を提供する。
【０００５】１，３−ブタンジオールは式：
【０００６】
【化１】
【０００７】を有し、１，３−ブチレングリコールとし
ても知られている。この物質の製造者の１つは協和醗酵
（日本）である。
【０００８】３−メチル−１，３−ブタンジオールは
式：
【０００９】
【化２】
【００１０】を有し、クラレ（日本）より“イソプレン
グリコール”という名称で市販されている。この名称は
これが製造される経路、すなわちイソプレンに水２分子
を付加することを表わしている。
【００１１】本明細書中所々で、１，３−ブタンジオー
ルを表わすのにＢＧという略号を使用し、３−メチル−
１，３−ブタンジオールを表わすのにＩＰＧという略号
を使用する。
【００１２】化粧品組成物は前記の物質をそれぞれ０．
１〜５０重量％、好適には０．１〜２０重量％、更に好
適にはそれぞれ０．５重量％以上ずつ含有し得る。量は
それぞれ１０重量％以下で良い。他の言い方をすると、
これら２つのジオールの総量は、好適には０．２〜５０
重量％であり、下限は０．５又は１重量％であるのが更
に好適であり、上限は２５又は４０重量％であるのが更
に好適である。
【００１３】前記２つの物質の相対量は、通常、重量比
５：１〜１：５の範囲であり、３：１〜１：３、特に
７：３〜３：７の範囲であるのが好適である。３−メチ
ル−１，３−ブタンジオール対１，３−ブタンジオール
の比は恐らく１：１〜３：７、特に７：１３〜９：１１
の範囲で良い。
【００１４】これら２つのポリオールが組成物中におけ
る唯一の保湿剤であっても良い。しかし、保湿効力を更
に高めるためには、他の保湿成分も含有していることが
好ましい。
【００１５】発明者らは、ある成分がＩＰＧ／ＢＧを組
み合わせて含む組成物の保湿効力を向上させるのに特に
有用であることを発見した。注目すべきことに、炭素原
子数１４〜２０のモノカルボン酸のエステルがこの点で
有用であることがわかった。特定の例にはオレイン酸オ
レイル、オレイン酸エチル、グリセリルモノオレエー
ト、グリセリルジオレエート及びグリセリルトリオレエ
ートがある。これらのうち、オレイン酸エチルが特に好
適である。従って、本発明は、前記のようにＩＰＧ／Ｂ
Ｇを組み合わせて含み、更にこれらのエステル１以上を
含む組成物も提供する。
【００１６】組成物中に含まれていても良い他の保湿成
分はグリセロール、尿素及びヒアルロン酸ナトリウムで
ある。
【００１７】他の保湿成分は通常、組成物中に０．１〜
３０又は５０重量％含まれ得る。
【００１８】ポリオール及び他の保湿成分以外に、本発
明の組成物は、希釈剤又は担体として作用する化粧品と
して許容し得る賦形剤を恐らく含むであろう。賦形剤は
水であっても、水以外の液体もしくは固体であっても良
い。どんな組成物でも残部は、他の化粧品成分及び化粧
品として許容し得る賦形剤であり得る。
【００１９】本発明の組成物は透明な等方性液体、不透
明な乳濁液、クリーム又はゲルの形態を取り得る。
【００２０】組成物の種類によって種々の任意の物質を
含んでいても良い。
【００２１】本発明の組成物の特に便利な形態は乳濁液
であり、この場合油又は油性物質が通常乳化剤と共に存
在し、主に使用する乳化剤の平均親水親油バランス（Ｈ
ＬＢ）によって油中水型乳濁液又は水中油型乳濁液が得
られる。
【００２２】適当な油の例には、鉱油及び植物油、並び
に前記したような油性エステルがある。他の油又は油性
物質には、揮発性及び不揮発性のシリコーン油、例えば
ポリジメチルシロキサンがある。
【００２３】乳濁液形成のために存在する場合、油又は
油性物質は通常、組成物の９０容量％以下、好ましくは
１０〜８０容量％を形成する。
【００２４】油中水型乳濁液を要する場合、通常、平均
ＨＬＢ値が１〜６の（１つまたは複数の）乳化剤を選択
すべきである。水中油型乳濁液を要する場合、通常、平
均ＨＬＢ値が６より大きい（１つまたは複数の）乳化剤
を選択すべきである。
【００２５】他の化粧品添加剤 任意に使用しても良い従来の添加剤の例には、ｐ−ヒド
ロキシ安息香酸エステルのような防腐剤；ブチルヒドロ
キシトルエンのような抗酸化剤；グリセロール、ソルビ
トール、２−ピロリドン−５−カルボキシレート、フタ
ル酸ジブチル、ゼラチン、ポリエチレングリコール（好
適にはＰＥＧ２００〜６００）のような調湿剤；トリエ
タノールアミンもしくは水酸化ナトリウムのような塩基
を伴った乳酸のような緩衝剤；グリセロールエステルの
ような界面活性剤；リン脂質；蜜臘、地臘、パラフィン
臘のような臘；アロエ（Ａｌｏｅ Ｖｅｒａ）、ヤグル
マギク（ｃｏｒｎｆｌｏｗｅｒ）、アメリカマンサク、
ニワトコの花（ｅｌｄｅｒｆｌｏｗｅｒ）、キュウリの
ような植物の抽出物；増粘剤；活性増強剤；着色剤；香
料；及び極微細な二酸化チタン及び有機日焼け止め（例
えばｐ−アミノ安息香酸及びそのエステル、ｐ−メトキ
シ桂皮酸エチルヘキシル、ｐ−メトキシ桂皮酸２−エト
キシエチル及びブチルメトキシジベンゾイルメタン）の
ような日焼け止め物質、及びそれらの混合物があげられ
る。
【００２６】本発明の組成物は、特に皮膚が乾燥してい
る又は荒れている時に、水分損失を低減させ、かつ通常
皮膚の質及び柔軟性を向上させるために、ヒトの皮膚に
局所的に適用する製品として主に意図されている。本組
成物は毛髪及び爪にも適用できる。
【００２７】使用する場合、少量、例えば１〜５ｍｌの
組成物を適当な容器又は塗布具から皮膚の露出した部分
に塗布し、必要ならば、手もしくは指、又は適当な道具
を使用して皮膚に広げる及び／又はすり込む。
【００２８】
【実施例】以下の実施例では、本発明によるポリオール
の組み合わせの保湿効力を他のポリオールと比較して評
価する試験をした。全ての部、及びパーセントは他に記
載がなければ重量によるものである。
【００２９】実施例１ 本実施例では、水溶液からの水の蒸発速度を測定するこ
とによってポリオールの保湿効力を評価した。
【００３０】脱イオン水中にポリオール又はポリオール
の組み合わせを５０重量％含む溶液を調製した。対照は
ポリオールを含まない水であった。各水溶液５ｇを直径
５０ｍｍの円形の皿の中に入れた（従って液体の表面は
５０ｍｍの円である）。皿の重量を計り、３５℃、相対
湿度２５％に放置し、再び重量を計り、その期間中に蒸
発した水分量を測定した。結果を１分当たりに蒸発した
水分（ｍｇ）で表わす。水分蒸発速度の値が低いという
ことは、保湿効力が高いことを示す。
【００３１】結果を以下の表１に記す。
【００３２】
【表１】 表１ ポリオール 水分蒸発速度（５０％水溶液） （ｍｇ／分） １．なし（脱イオン水対照） ８．０ ２．１，３−ブタンジオール（ＢＧ） ７．３４ ３．３−メチル−１，３−ブタンジオール（ＩＰＧ） ７．１３ ４．ＢＧとＩＰＧとの３：２混合物 ６．６８ ５．ソルビトール ７．５７６．グリセロール ６．９ この表のこれらの結果から、１，３−ブタンジオール又
は３−メチル−１，３−ブタンジオールを単独で使用し
た時より、グリセロールの方が効果的であることが示さ
れる。しかし、両方を３：２の比で含む混合物の方が蒸
発速度が低い（ＩＰＧ／ＢＧ混合物は、水中にポリオー
ルを総計５０重量％含むようにＢＧ３０重量％とＩＰＧ
２０重量％とを含む）。
【００３３】実施例２ 本実施例では生体内でコンダクタンスを測定することに
より、ポリオール水溶液の保湿効能を評価した。
【００３４】脱イオン水中にポリオール又はポリオール
の組み合わせを５０重量％含む溶液を調製した。これら
をヒトボランティアに試験した。肘の屈曲部の部分の皮
膚約２．５ｃｍ×２．５ｃｍの区域である試験区域の皮
膚を、試験を行う約２時間前に石鹸と水で洗浄した。被
検者は腕を評価条件（室温２０℃、相対湿度３０％）に
等しい状態に置いた。少量、例えば２５μｌのサンプル
溶液を約３０秒かけて円を描くような動作で試験区域に
すり込んだ。
【００３５】６０分後に、所定の間隔をおいて試験区域
に適用したプローブ間のコンダクタンスを測定した。試
験区域の皮膚に保持された水分が多い方がコンダクタン
スの値は高い。
【００３６】結果を以下の表２に記す。
【００３７】
【表２】 表２ ポリオール ６０分後のコンダクタンス（５０％水溶液） （Ω-1×１０6 ） １．なし（脱イオン水対照） ４０ ２．グリセロール ２２０ ３．１，３−ブタンジオール（ＢＧ） １９０ ４．３−メチル−１，３−ブタンジオール（ＩＰＧ） ６０５．ＢＧとＩＰＧの３：２混合物 ３４０ 表２は１，３−ブタンジオール（ＢＧ）又は３−メチル
−１，３−ブタンジオール（ＩＰＧ）単独よりもグリセ
ロールの方が生体内での保湿効力が高いが、これら２つ
を組み合わせると生体内での保湿効力が非常に改善され
ることを示す。この思いがけない高い保湿効力はＢＧ及
びＩＰＧの加算的効果からは予期されず、２つのポリオ
ール間の相乗効果を示す。
【００３８】実施例３ この実施例では、前述の実施例に記載のコンダクタンス
測定法を使用して、１，３−ブタンジオール３０％、３
−メチル−１，３−ブタンジオール２０％及び非イオン
性界面活性剤（ポリエチレングリコールオレイルエーテ
ル）４％と共に種々の脂肪アシルエステルを１％含有す
る水溶液の保湿効力を評価した。
【００３９】全ての溶液を脱イオン水中に調製した。対
照は脂肪アシル誘導体を除いた。３０分後にコンダクタ
ンスを測定した以外は、前述の実施例のような手順であ
った。
【００４０】グリセリルモノオレエートは日本油脂製の
グレードＧＯ９０１であった。グリセリルジオレエート
は日本油脂製のグレードＧＯ９０２であった。
【００４１】結果を以下の表３に記す。
【００４２】
【表３】 表３から、対照サンプルにグリセリルモノオレエート又
はグリセリルジオレエートを添加すると、コンダクタン
ス値が高くなるからわかるように、ＢＧ／ＩＰＧ混合物
の保湿効力が増加することが示される。
【００４３】実施例４ 前述の実施例に記載の手順に他の脂肪アシルエステルを
使用した。１つの溶液はエステルではなく液体パラフィ
ンを含んでいた。
【００４４】結果を以下の表４に記す。
【００４５】
【表４】 表４ 添加剤 ３０分後のコンダクタンス （１％） （Ω-1×１０6 ） １．なし（対照） １２１ ２．オレイン酸エチル ２６９ ３．オレイン酸オレイル １９９ ４．グリセリルトリオレエート １９７５．液体パラフィン １３７ 対照溶液にエステルを添加すると実質的に保湿効力が増
加することが再度示される。エステルは全て日本油脂製
である。その名称は： オレイン酸エチル ＥＯ−Ｐ オレイン酸オレイル ＯＯ−Ｐ グリセリルトリオレエート Ｇ９０３ であった。
【００４６】実施例５ 実施例２に記載の生体内コンダクタンス測定法を使用し
て、本発明を具体化した４つの組成物を評価した。これ
らの組成物のいくつかは界面活性剤としてポリエチレン
グリコールオレイルエーテルを含有した。ポリエチレン
グリコール中の平均エチレンオキシド残基数の異なる３
種の前記界面活性剤を使用した。
【００４７】組成物を以下の表５に記す。組成物を適用
してから僅か１０分後に測定した以外は、実施例２に記
載のようにコンダクタンスを測定した。
【００４８】結果を以下の表５に記す。表５ではＰＯＥ
（ｎ）オレイルエーテルは、平均エチレンオキシド残基
数ｎのポリエチレングリコールオレイルエーテルを表わ
す。
【００４９】
【表５】 表５ 成分 重量％（脱イオン水中） ＢＧ ９．０ ９．０ ９．０ ９．０ ＩＰＧ ６．０ ６．０ ６．０ ６．０ ＰＯＥ（２０）オレイルエーテル ２．０ ＰＯＥ（１０）オレイルエーテル １．４ １．４ ＰＯＥ（６）オレイルエーテル ０．８ ０．８ オレイルアルコール ０．１ ０．１ オレイン酸エチル １．０ １０分後のコンダクタンス （Ω-1×１０6 ） ４３ ５８ １５８ ５７ 実施例６ 完全に処方された保湿ローションは以下の組成である。
【００５０】
【表６】 成分 重量％ ポリエチレングリコールオレイルエーテル ４．５ （平均２０ＥＯ） ソルビタンモノオレエート ０．５ グリセリルトリオレエート ２０．０ ステアリルアリコール ２．０ １，３−ブタンジオール（ＢＧ） ３．０ ３−メチル−１，３−ブタンジオール（ＩＰＧ） ２．０ ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチル ０．２ ｐ−ヒドロキシ安息香酸プロピル ０．１ Ｃａｒｂｏｐｏｌ ９４１ ０．８水 １００％までの残量 Ｃａｒｂｏｐｏｌ ９４１は架橋ポリアクリレートであ
り、増粘剤として作用する。
【００５１】実施例７ 保湿ローションは以下の組成である。
【００５２】
【表７】 成分 重量％ ３−メチル−１，３−ブタンジオール（ＩＰＧ） ２．４ １，３−ブタンジオール １．６ グリセロール １．０ ポリエチレングリコールデシルエーテル ０．７ （平均１０ＥＯ） ポリエチレングリコールオレイルエーテル １．３ （平均２０ＥＯ） オレイン酸エチル ０．５ オレイルアルコール ０．４ クエン酸１水和物 ０．３５ リン酸１水素２ナトリウム ０．６５ メチルパラベン（防腐剤） ０．１水 １００％までの残量
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 １，３−ブタンジオールと３−メチル−
    １，３−ブタンジオールとを組み合わせて含む化粧品組
    成物。
  2. 【請求項２】 １，３−ブタンジオールと３−メチル−
    １，３−ブタンジオールとを、それぞれ０．１〜５０重
    量％含む請求項１に記載の化粧品組成物。
  3. 【請求項３】 １，３−ブタンジオールと３−メチル−
    １，３−ブタンジオールの量がそれぞれ１０重量％以下
    である請求項１に記載の化粧品組成物。
  4. 【請求項４】 １，３−ブタンジオールと３−メチル−
    １，３−ブタンジオールとの総量が０．２〜５０重量％
    の範囲である請求項１に記載の化粧品組成物。
  5. 【請求項５】 ３−メチル−１，３−ブタンジオールと
    １，３−ブタンジオールの相対量が重量比５：１〜１：
    ５の範囲である請求項１〜４のいずれか１項に記載の化
    粧品組成物。
  6. 【請求項６】 ３−メチル−１，３−ブタンジオールと
    １，３−ブタンジオールの相対量が重量比３：７〜７：
    ３の範囲である請求項５に記載の化粧品組成物。
  7. 【請求項７】 ３−メチル−１，３−ブタンジオールと
    １，３−ブタンジオールの相対量が重量比３：７〜１：
    １の範囲である請求項５に記載の化粧品組成物。
  8. 【請求項８】 ３−メチル−１，３−ブタンジオールと
    １，３−ブタンジオールの相対量が重量比７：１３〜
    ９：１１の範囲である請求項７に記載の化粧品組成物。
  9. 【請求項９】 炭素原子数１４〜２０のモノカルボン酸
    のエステルを含有する請求項１〜８のいずれか１項に記
    載の化粧品組成物。
  10. 【請求項１０】 オレイン酸エチルを含有する請求項９
    に記載の化粧品組成物。
  11. 【請求項１１】 該モノカルボン酸のエステルを１〜２
    ５重量％含有する請求項９又は請求項１０に記載の化粧
    品組成物。
  12. 【請求項１２】 グリセロール、グリセリルモノオレエ
    ート、グリセリルジオレエート、グリセリルトリオレエ
    ート又はオレイン酸オレイルから選択される物質１以上
    を含む請求項１〜８のいずれか１項に記載の化粧品組成
    物。
  13. 【請求項１３】 該グリセロール、グリセリルモノオレ
    エート、グリセリルジオレエート、グリセリルトリオレ
    エート又はオレイン酸オレイルを１〜２５重量％含有す
    る請求項１２に記載の化粧品組成物。
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GB929207191A GB9207191D0 (en) 1992-04-01 1992-04-01 Cosmetic compositions
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BR (1) BR9301375A (ja)
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DE (1) DE69300888T2 (ja)
ES (1) ES2081179T3 (ja)
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