JP2863051B2 - 化粧建材の製造方法 - Google Patents
化粧建材の製造方法Info
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Description
関し、特にオートクレーブ養生が施されるセメント系建
材に化粧を施す方法に関するものである。
耐水性や耐候性の向上や、美観を高める目的で、建材表
面に樹脂やセメント等からなる化粧材を塗装している。
この化粧方法には種々の方法があるが、オートクレーブ
養生が施されるセメント系建材に化粧を施す方法とし
て、シリコン変性アクリル樹脂等の耐オートクレーブ性
を有する樹脂を用いて、建材基材に化粧材を塗装して、
オートクレーブ養生により建材基材と化粧材を硬化、一
体化することが行われている。
化粧方法には種々の欠点があり、化粧材が樹脂のみの場
合には、化粧材が柔らかく、建材基材に対する付着力が
不充分である。この付着性を高めるために、化粧材中に
セメントを混入させて塗装する方法も採られているが、
化粧材中のセメントが、その硬化に伴い遊離石灰分等を
放出して、所謂エフロを発生し、塗装面の表面性を劣化
させて、美観を損なう原因となっている。セメント添加
によるエフロ発生を防止するために、無定形シリカを加
えてエフロ成分と反応させる方法も採られているが、効
果は不充分である。
は、化粧材自体のポットライフを短くし、保存性を低下
させて製造上の管理を困難にしたり、連続生産を阻害す
る要因となり生産性を低下させる。以上のように、従来
の建材基材に対する化粧処理は、下地処理程度の作用、
効果しか得られておらず、完全な仕上げ化粧を施すまで
には至っていないのが実情である。
面に、基材との付着が強固で、エフロ発生による表面汚
染の無い、美観に優れた化粧層を形成することにある。
同時に、ポットライフが長く保存性に優れ、製造上の管
理が容易で、連続生産に適した化粧材を提供することに
ある。
題を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、
耐オートクレーブ性を有する樹脂である変性アクリル樹
脂と、従来のセメントに代えて純度の高い粉末珪石を配
合した化粧材を、セメント系建材基材に塗装し、オート
クレーブ養生することにより、基材との付着が強固で、
エフロ発生による表面汚染の無い、美観に優れた化粧層
を形成することが出来ることを見出し、本発明に至っ
た。また、この化粧材は、ポットライフが長く保存性に
優れ、製造上の管理が容易で、連続生産に適することも
見出し、本発明に至った。
粧材とをオートクレーブ養生により硬化、一体化させて
化粧建材を製造する方法において、化粧材全量に対して
20〜50重量%の変性アクリル樹脂と、20〜40重
量%の粉末珪石とを含む化粧材を、セメント系建材基材
に塗装し、オートクレーブ養生することを特徴とする化
粧建材の製造方法により達成することができる。本発明
に係る化粧材と共にオートクレーブ養生処理されるセメ
ントとしては、普通ポルトランドセメント、白色ポルト
ランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポ
ルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐
硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセ
メント、フライアッシュセメントを挙げることができ
る。また、セメント以外の材料として、消石灰、生石灰
等の石灰系材料を挙げることができる。これらは、材料
中にカルシウム成分を含み、オートクレーブ養生処理に
より、後述される化粧材中に含まれるシリカとの間に強
固な結合を得ることができる。
有する樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂等のアク
リル樹脂の変性樹脂を挙げることができる。
は、より高純度なものが好ましいが、一般的には、Si
O2 (石英)含有量90重量%以上の粉末硅石が望まし
い。また、粒径については、特に限定はないが、平均粒
径が10μm以下が、反応性の点から考えて好ましい。
本発明の化粧材は、前記の変性アクリル樹脂と、平均粒
径7〜10μmの粉末珪石とを、変性アクリル樹脂20
〜50重量%、好ましくは30〜40重量%及び、粉末
珪石20〜40重量%の割合で配合して構成される。粉
末珪石の配合量が40重量%以上になると、樹脂による
耐水性の効果が低下し、逆に20重量%以下では、化粧
層の機械的強度が低下するとともに、化粧層と建材基材
との付着力即ち、化粧材中のシリカと建材基材であるセ
メント中に含まれるカルシウムとの間の結合力が不充分
となり、いずれの場合も化粧層としての実用性に欠け
る。
えば色素(顔料)や、硬化促進剤、結合剤、流動化剤、
炭酸カルシウム等のフィラー、砂等の骨材を、適量混和
することができる。化粧方法としては、一般的な塗料と
同様の方法により化粧が可能である。例えば、エアスプ
レイ、エアレススプレイ、フローコーター、ロールコー
ター等により化粧材を建材基材上に塗装することができ
る。また、化粧は基材の成形と同時の時点、もしくは基
材成形後オートクレーブ養生を行うまでの任意の時点を
選んで、塗装を行う。
する。尚、本発明は、これに限定されるものではなく、
種々の変更が可能である。 〔実施例1及び比較例1〜3〕水 性シリコン変性アクリル樹脂塗料(樹脂分50重量
%)70部と、SiO2含有量92重量%、平均粒径1
0μmの粉末硅石30部とを配合して本発明の化粧材を
得た。比較のために、同樹脂70部に、白色セメント及
びフィラー用炭酸カルシウムを各々30部配合した化粧
材、並びに同樹脂のみからなる化粧材を作成した(表1
参照)。
前の押出成形セメント板(普通ポルトランドセメント)
に、1m2当たり250gの割合になるように塗装し
て、150℃で5分間熱乾燥した後,9.0kg/cm
2の圧力で8時間オートクレーブ養生して、化粧建材を
得た。オートクレーブ養生後の化粧建材の仕上がり状
態、初期付着強度、耐水性及び耐候性を測定した。
り観察し、エフロの発生の有無を調べた。初期付着強度
は、引張剥離試験機により測定し、同時に基材、界面及
び塗膜の剥離状態を観察し、それぞれの部位からの剥離
面積を%表示した。耐水性に関しては、化粧建材を水中
に6ケ月浸漬後、その表面性を目視により観察するとと
もに、化粧層の付着状態を初期付着強度の測定と同様の
方法で測定した。
−メーター中に1000時間放置後、その表面性を目視
により観察するとともに、化粧層の付着状態を初期付着
強度の測定と同様の方法で測定した。各測定結果を、表
1に示す。
性アクリル樹脂と粉末珪石とからなる化粧材を備える化
粧建材は、エフロの発生も無く表面性も良好で、建材基
材と化粧材との付着力も高く、また耐水性、耐候性に優
れていることがわかる。 〔実施例2〜4及び比較例4〜6〕 次に、水性シリコン変性アクリル樹脂塗料(樹脂分45
重量%)を、SiO2含有量95%、平均粒径7μmの
粉末硅石を用い、表2に示される如く配合割合を変えて
化粧材を作成し、実施例1と同様にして、化粧建材を得
た。比較のために、粉末珪石の代わりに白色セメント、
白色セメントと平均粒径0.2μmのシリカヒュームの
混合物を、表2に示される割合で耐オートクレーブ性を
有する樹脂に配合して化粧材を作成し、同様の方法で化
粧建材を得た。
を行った。表面性の評価は、初期の仕上がり状態と、化
粧面に蒸留水5mlを滴下し、20℃、大気中で自然蒸
発させた後の滴下面の状態(2次エフロ発生試験)を、
目視により観察し、エフロの発生度を調べた。エフロ発
生度を、点数で表し、表2に併記する。
石を配合したものはエフロの発生が観測されず、表面状
態が良好であることがわかる。また、化粧材の安定性に
関して、水性シリコン変性アクリル樹脂塗料(樹脂分4
5重量%)70部と、SiO2 含有量95%、平均粒径
7μmの粉末硅石30部とを混合し、3000cps程
度の粘度になるように水で希釈して調整後、20℃、湿
度40%の雰囲気中に放置し、粘度変化を測定した。比
較のために、シリカの代わりにセメント30部を混合し
て、同様の測定を行った。
本発明は、混合直後と時間経過後の粘度の差が小さく、
経時安定性が高く、ポットライフが長いことがわかる。
の製造方法によると、エフロ発生による表面汚染の無
い、美観に優れた化粧層を形成することができる。ま
た、オートクレーブ養生時に、化粧材中に配合された耐
オートクレーブ性を有する樹脂の架橋並びに、シリカと
基材セメントとの反応により、化粧層と基材との付着が
非常に強固になる。更に、化粧材自体の経時安定性も高
いため、ポットライフが長く、製造上の管理を容易にす
ることができる。
い、美麗で付着力の高い化粧層を備える化粧建材を、長
時間連続して製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 セメント系建材基材と化粧材とをオート
クレーブ養生により硬化、一体化させて化粧建材を製造
する方法において、化粧材全量に対して20〜50重量
%の変性アクリル樹脂と、20〜40重量%の粉末珪石
とを含む化粧材を、セメント系建材基材に塗装し、オー
トクレーブ養生することを特徴とする化粧建材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35283792A JP2863051B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 化粧建材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35283792A JP2863051B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 化粧建材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183862A JPH06183862A (ja) | 1994-07-05 |
JP2863051B2 true JP2863051B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=18426780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35283792A Expired - Fee Related JP2863051B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 化粧建材の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2863051B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7060839B2 (ja) * | 2018-03-05 | 2022-04-27 | 株式会社リコー | 画像付き建材、画像付き建材の製造方法及び画像付き建材の製造装置 |
CN115521131B (zh) * | 2021-11-18 | 2023-11-03 | 武汉利驰隆新型材料有限公司 | 一种耐老化墙体装饰材料及其制备方法 |
-
1992
- 1992-12-14 JP JP35283792A patent/JP2863051B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06183862A (ja) | 1994-07-05 |
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