JP2862159B2 - 架空送電線の動揺防止方法 - Google Patents

架空送電線の動揺防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線の着氷雪に
よる動揺を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】架空送電線線の着氷雪を防止するため
に、磁性材を用いた発熱線を送電線に巻き付け、送電線
の送電電流の磁束で磁性発熱線に生ずるヒステリシス損
等により発熱線を発熱させて送電線に付着した着氷雪を
融かす方法が行われているが、この送電線に巻き付ける
発熱線は、従来は融雪を必要とする区域の送電線に一様
に巻き付けていた。たとえば図3に示したように、鉄塔
P、P間の送電線Aの直下に栽培物や建造物B等がある
場合にその上方の送電線部分A1の着氷雪が栽培物や建造
物B等に落下すると被害を生ずるので、少なくともこの
栽培物や建造物B等の直上の送電線部分A1の着氷雪を防
止する必要があり、このためこの送電線部分A1に一様に
発熱線Cを巻き付けて着氷雪を融雪し、この発熱線巻き
付け部分A1の両側における融雪を必要としない送電線部
分A2、A3には発熱線を巻き付けないで送電線に余分な重
量がかからないようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の方
法では、発熱線Cを巻き付けた送電線部分A1の着氷雪は
融雪されるが、発熱線が巻き付けられていない送電線部
分A2、A3の着氷雪は融雪されずに残り、この発熱線Cの
両側の送電線部分A2、A3に融雪されずに残った着氷雪は
一様に長く形成されるために、この送電線部分A2、A3の
一様な着氷雪が横風を受けると揚力を生じて送電線が動
揺し、この動揺が大きくなると事故を起こすことがあ
り、また、長い送電線部分A2、A3に形成された着氷雪長
さの長い大量の着氷雪が落雪すると、大なる重量の落雪
時の反動により送電線が大きく動揺して事故を起こすと
いう問題点がある。
【0004】本発明は、前記の課題を解決し、送電線に
着氷雪が一様に形成されないように発熱線条を巻き付け
て架空送電線の動揺を防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の架空送電線の動揺防止方法は、 (1)多導体送電線において、径間のスペーサ2a、2b間
のサブスパンSにおける各素導体1a、1b、1c、1dに、送
電電流の磁束により発熱して着氷雪を融かす発熱線条3
a、3b、3c、3dを巻き付けるとともに、この発熱線条3
a、3b、3c、3dを巻き付けない非巻付部分Na、Nb、Nc、N
dを形成し、この各素導体1a、1b、1c、1dに形成される
非巻付部分Na、Nb、Nc、Ndの各々の長さ位置等の態様
を、各素導体1a、1b、1c、1dごとに異なる態様に形成
し、かつ、各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付る各発熱線
条3a、3b、3c、3dのサブスパンSにおける全巻付け量
(全巻付け長さLa、Lb、Lc、Ld、もしくは全巻付け重量
ga、gb、gc、gd)を、各素導体1a、1b、1c、1dとも同等
にして発熱線条を巻き付けることを特徴とするものであ
る。
【0006】(2)また、本発明の架空送電線の動揺防
止方法は、単導体送電線において、送電電流の磁束によ
り発熱して着氷雪を融かす複数の発熱線条41、42、43・
・・を間隔をおいて単導体送電線1に巻き付け、この各
発熱線条41、42、43・・・の間に形成される発熱線条を
巻き付けない複数の非巻付部分N1、N2、N3、N4の各々の
長さを異なる長さにして発熱線条を巻き付けることを特
徴とするものである。
【0007】
【作用】送電線の外周に巻き付けられている発熱線条
は、送電電流の磁束により磁性発熱線に生ずるヒステリ
シス損等によって発熱し、この発熱線条が巻き付けられ
ている電線部分の着氷雪を融かして着氷雪の形成を防
ぐ。この発熱線条が巻き付けられていない非巻付部分の
着氷雪は融雪されずにそのまま電線に残る。発熱線条
は、送電線の全長にわたって巻き付けずに、間隔をおい
て部分的に巻き付けるので、送電線に過大な重量負担が
かからない。
【0008】多導体送電線において、各素導体1a、1b、
1c、1dの発熱線条を巻き付けない非巻付部分Na、Nb、N
c、Ndに残る着氷雪の各々は、その位置や長さ等の着氷
雪の態様が各素導体ごとに一様な態様ではなく異なる態
様に形成されるので、これら各素導体の各非巻付部分の
着氷雪が風を受けても、多導体送電線のサブスパンにお
ける素導体全体としては一様な大なる揚力は生ぜす、電
線の動揺が防止される。また、各素導体の非巻付部分に
残る着氷雪は送電線の長さ方向に分散しているので、風
による動揺の入力エネルギーが分散され、落雪による動
揺の入力エネルギーも分散され、送電線の動揺が防止さ
れる。
【0009】また、多導体送電線のサブスパンSにおい
て各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付ける各発熱線条3a、
3b、3c、3dは、そのサブスパンS内におけるそれぞれの
全巻付け量(全巻付け長さLa、Lb、Lc、Ld、または全巻
付け重量ga、gb、gc、gd)を同等としたことにより、各
素導体1a、1b、1c、1dのインピーダンスに差異が生じな
いから、スペーサとその間のサブスパンSにおける各素
導体間に無用の電流が流れず、スペーサには無用の電流
による発熱が生じない。
【0010】単導体送電線において、送電線に間隔をお
いて巻き付けた複数の発熱線条41、42、43・・・の間
に、発熱線条を巻き付けない複数の非巻付部分N1、N2、
N3、N4の各々を異なる長さにして送電線の長さ方向に分
散させて形成することにより、送電線の着氷雪部分が風
を受けても一様な揚力は生ぜず、風による動揺の入力エ
ネルギーが分散され、また落雪による動揺の入力エネル
ギーも分散され、架空送電線の動揺が防止される。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面により説明する。
図1は本発明の多導体送電線における1実施例を示し、
図2は本発明の単導体送電線における1実施例を示す。
多導体送電線として4導体の送電線における実施例を示
した図1において、10は多導体送電線、1a、1b、1c、1d
はその素導体であり、2a、2bはこの各素導体1a、1b、1
c、1d間の間隔を保持するスペーサである。このスペー
サ2aとスペーサ2bの間のスパン(サブスパン)Sにおけ
る各素導体1a、1b、1c、1dには、各素導体に流れる送電
電流の交番磁束によるヒステリシス損等により発熱する
磁性材の発熱線条、たとえば、低キュリー点材からなる
磁性線条またはこれに必要に応じて亜鉛メッキ、アルミ
ニウム被覆等を施した磁性線条等の発熱線条3a、3b、3
c、3dを巻き付ける。この各素導体に巻き付けた発熱線
条3a、3b、3c、3dは、着氷雪が生ずる冬季の低温季にな
ると、送電電流による磁束により発熱して導体の着氷雪
を融雪する。
【0012】前記の多導体送電線10の径間のスペーサ2
a、2bの間のサブスパンSにおける各素導体1a、1b、1
c、1dに巻き付ける各発熱線条3a、3b、3c、3dは、各素
導体1a、1b、1c、1dごとにそれぞれの巻き付け長さ、巻
き付け間隔等の巻き付け態様を異ならせて巻き付けるこ
とにより、サブスパンSにおける発熱線条を巻き付けな
い非巻付部分Na、Nb、Nc、Ndの配置を異ならせる。この
非巻付部分Na、Nb、Nc、Ndは同一もしくは近似の長さ、
または異なる長さに形成する。
【0013】また、前記の各素導体1a、1b、1c、1dに巻
き付ける各発熱線条3a、3b、3c、3dは、サブスパンSに
おける各素導体1a、1b、1c、1dの各発熱線条のそれぞれ
の全巻付け量(全巻付け長さ=合計巻付け長さ)を、各
素導体とも同等(同一または近似)にする。すなわち素
導体1aの各発熱線条3aの巻付け長さの合計の長さ(全巻
付け量)、および素導体1bの各発熱線条3bの巻付け長さ
の合計長さ(全巻付け量)、および素導体1cの各発熱線
条3cの巻付け長さの合計長さ(全巻付け量)、および素
導体1dの各発熱線条3dの巻付け長さの合計長さ(全巻付
け量)を、同等(同一または近似)にする。
【0014】このため図1に示したように、サブスパン
Sにおける素導体1aに対しては、これに巻き付ける発熱
線条3aは、4個の各発熱線条3a1 、3a2 、3a3 、3a4
(3aは3a1 、3a2 、3a3 、3a4 の総称)を巻き付け、こ
の4個の発熱線条の各々の巻付け長さは、同一もしくは
近似の長さ、または異なる長さにする。発熱線条3a1 の
巻付け長さをLa1 、発熱線条3a2 の巻付け長さをLa2 、
発熱線条3a3 の巻付け長さをLa3 、発熱線条3a4 の巻付
け長さをLa4 とすると、素導体1aのサブスパンSにおけ
る各発熱線条3a1 、3a2 、3a3 、3a4 の各巻付け長さを
合計した発熱線条3aの全巻付け長さ(全巻付け量)Laは
La=La1 +La2 +La3 +La4 である。
【0015】前記のようにサブスパンSにおいて4個の
発熱線条3a1 、3a2 、3a3 、3a4 を素導体1aに巻き付け
るとともに、各発熱線条3a1 、3a2 、3a3 、3a4 の間と
スペーサ2aまたは2bとの間に発熱線条を巻き付けない非
巻付部分Na1 、Na2 、Na3 、Na4 を4個所に分散して形
成する。この4個所の非巻付部分Na1 、Na2 、Na3 、Na
4 のそれぞれの長さLna1、Lna2、Lna3、Lna4は、同一も
しくは近似の長さ、または異なる長さにする。
【0016】また、サブスパンSにおける素導体1bに対
しては、これに巻き付ける発熱線条3bは1個の発熱線条
を巻付け、その全巻付け長さをLbとし、この発熱線条3b
の両側に発熱線条を巻き付けない非巻付部分Nb1 、Nb2
を形成する。この非巻付部分Nb1 、Nb2 のそれぞれの長
さLnb1、Lnb2は、同一もしくは近似の長さ、または異な
る長さにする。
【0017】また、サブスパンSにおける素導体1cに対
しては、これに巻き付ける発熱線条3cは、3個の発熱線
条3c1 、3c2 、3c3 (3cは3c1 、3c2 、3c3 の総称)を
巻き付け、この3個の発熱線条の各々の巻付け長さは、
同一もしくは近似の長さ、または異なる長さにする。発
熱線条3c1 の巻付け長さをLc1 、発熱線条3c2 の巻付け
長さをLc2 、発熱線条3c3 の巻付け長さをLc3 とする
と、素導体1cのサブスパンSにおける各発熱線条3c1 、
3c2 、3c3 の各巻付け長さを合計した発熱線条3cの全巻
付け長さ(全巻付け量)Lcは Lc=Lc1 +Lc2 +Lc3
である。
【0018】前記のように3個の発熱線条3c1 、3c2 、
3c3 を素導体1cに巻き付けるとともに、各発熱線条3c1
、3c2 、3c3 の各々の間とスペーサ2aまたは2bとの間
に発熱線条を巻き付けない非巻付部分Nc1 、Nc2 、Nc3
を3個所に分散して形成する。この3個の非巻付部分Nc
1 、Nc2 、Nc3 のそれぞれの長さLnc1、Lnc2、Lnc3は、
同一もしくは近似の長さ、または異なる長さにする。
【0019】また、サブスパンSにおける素導体1dに対
しては、これに巻き付ける発熱線条3dは、2個の発熱線
条3d1 、3d2 (3dは3d1 、3d2 の総称)を巻き付け、こ
の2個の発熱線条のそれぞれの巻付け長さは、同一もし
くは近似の長さ、または異なる長さにする。発熱線条3d
1 の巻付け長さをLd1 、発熱線条3d2 の巻付け長さをLd
2 とすると、素導体1dのサブスパンSにおける発熱線条
3d1 、3d2 の各巻付け長さを合計した発熱線条3dの全巻
付け長さ(全巻付け量)Ldは Ld=Ld1 +Ld2である。
【0020】前記のように各発熱線条3d1 、3d2 を素導
体1aに巻き付けるとともに、各発熱線条3d1 、3d2 の各
々の間とスペーサ2aまたは2bとの間に発熱線条を巻き付
けない非巻付部分Nd1 、Nd2 、Nd3 を3個所に分散して
形成する。この3個の各非巻付部分Nd1 、Nd2 、Nd3 の
それぞれの長さLnd1、Lnd2、Lnd3は、同一もしくは近似
の長さ、または異なる長さにする。この発熱線条3d1 、
3d2 の巻き付けは、素導体1dの3個所の非巻付部分Nd1
、Nd2 、Nd3 の位置が、前記の素導体1cの3個所の非
巻付部分Nc1 、Nc2 、Nc3 に対向しない異なる位置にな
るように巻き付ける。
【0021】前記の素導体1aに巻き付ける発熱線条3aの
各々(3a1 、3a2 、3a3 、3a4 )の長さ、および素導体
1bに巻き付ける発熱線条3bの長さ、および素導体1cに巻
き付ける発熱線条3cの各々(3c1 、3c2 、3c3 )の長
さ、および素導体1dに巻き付ける発熱線条3dの各々(3d
1 、3d2 )の長さは、同一もしくは近似の長さまたは異
なる長さにするが、各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付け
る発熱線条3a、3b、3c、3dの各々のサブスパンSにおけ
る全巻付け量(全巻付け長さ)La、Lb、Lc、Ldは同等に
する。すなわち素導体1aに巻き付ける発熱線条3aのサブ
スパンSにおける全巻付け長さLa=La1 +La2 +La3 +
La4 と、素導体1bに巻き付ける発熱線条3bのサブスパン
Sにおける全巻付け長さLbと、素導体1cに巻き付ける発
熱線条3cのサブスパンSにおける全巻付け長さLc=Lc1
+Lc2 +Lc3 と、素導体1dに巻き付ける発熱線条3dのサ
ブスパンSにおける全巻付け長さLd=Ld1 +Ld2 は、同
じ長さLa=Lb=Lc=Ld、または近似長さLa≒Lb≒Lc≒Ld
の同等の長さにして巻き付ける。このように多導体送電
線のスペーサ2a、2bの間のサブスパンSにおける各素導
体1a、1b、1c、1dに巻き付ける発熱線条3a、3b、3c、3d
の各々の全巻付け長さ(全巻付け量)La、Lb、Lc、Ldを
同等にすることにより、各素導体1a、1b、1c、1dのイン
ピーダンスに差異が生ぜず電気的特性が同等になる。
【0022】前記のように素導体に磁性金属の発熱線を
長く巻き付けると素導体のインピーダンスが増加し、そ
の発熱線の巻き付け長さが異なると各素導体のインピー
ダンスに差異が生じてサブスパンにおける各素導体とス
ペーサ2a、2bにより形成される閉回路に電流が流れスペ
ーサが過熱するが、本発明のように各素導体1a、1b、1
c、1dの発熱線条3a、3b、3c、3dの全巻付け長さ(全巻
付け量)La、Lb、Lc、Ldを同等にしてインピーダンスに
差異が生じないようにすることにより、前記のような電
流は流れずスペーサの過熱が生じない。なお前記の各素
導体1a、1b、1c、1dの少なくとも1条の電気的特性を他
の素導体と同等にしてもある程度の効果がある。
【0023】前記の各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付け
た磁性材の発熱線条3a、3b、3c、3dは各素導体に流れる
送電電流の磁束により磁性発熱線に生ずるヒステリシス
損等により発熱し、この発熱線条が巻き付けられている
電線部分の着氷雪を融かして着氷雪の形成を防ぐ。発熱
線条が巻き付けられない非巻付部分Na、Nb、Nc、Ndには
融雪されない着氷雪が残るが、この非巻付部分Na、Nb、
Nc、Ndは各素導体に長さ方向に分散して形成されている
ので、その着氷雪は分散して形成されることになる。ま
た、非巻付部分Na、Nb、Nc、Ndはその位置と数を各素導
体1a、1b、1c、1dごとに異ならせてあるので、各素導体
ごとの非巻付部分に形成される着氷雪もその位置や数等
の態様が異なる態様に形成される。素導体1aにおいては
4個所の非巻付部分Na1 、Na2 、Na3 、Na4 に分散して
着氷雪が形成され、素導体1bにおいては2個所の非巻付
部分Nb1 、Nb2 に分散して着氷雪が形成され、素導体1c
においては3個所の非巻付部分Nc1 、Nc2 、Nc3 に分散
して着氷雪が形成され、素導体1dにおいては前記素導体
1cの3個所の非巻付部分とは異なる位置において3個所
の非巻付部分Nd1 、Nd2 、Nd3 に分散して着氷雪が形成
される。
【0024】前記のように各素導体1a、1b、1c、1dの着
氷雪は、その長さや位置が各素導体ごとに異なり同じ態
様には形成されないので、この送電線の着氷雪部分が風
を受けても、多導体送電線の素導体全体としては一様な
大なる揚力が生ぜす、電線の動揺が防止される。また、
各素導体の非巻付部分に残る着氷雪は送電線の長さ方向
に分散して形成されるので、風による動揺の入力エネル
ギーが分散され、落雪による動揺の入力エネルギーも分
散され、送電線の動揺が防止される。なお、各素導体に
巻き付ける発熱線条の数、配置等は前記の図1に示した
実施例に限らず適宜に選定することができる。
【0025】前記の実施例では素導体に巻き付ける発熱
線条の所要巻付量の設定を巻付け長さにより設定するよ
うにしたが、巻付け長さのかわりに巻き付ける発熱線条
の重量により設定することもできる。この巻付け重量を
採用する場合は各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付ける発
熱線条3a、3b、3c、3dの巻付け重量を、サブスパンSに
おける各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付ける発熱線条3a
(3a1 、3a2 、3a3 、3a4 )、および3b、および3c(3c
1 、3c2 、3c3 )、および3d(3d1 、3d2 )のそれぞれ
の全巻付け量(全巻付け重量=合計巻付け重量)が、各
素導体とも同等(同一または近似)になるようにして発
熱線条を巻き付ける。すなわち素導体1aに巻き付ける全
発熱線条3a(3a1 +3a2 +3a3 +3a4 )の全巻付け重量
をga、素導体1bに巻き付ける発熱線条3bの全巻付け重量
をgb、素導体1cに巻き付ける全発熱線条3c(3c1 +3c2
+3c3 )の全巻付け重量をgc、素導体1dに巻き付ける全
発熱線条3d(3d1 +3d2 )の全巻付け重量をgdとする
と、各素導体1a、1b、1c、1dに巻き付ける発熱線条3a、
3b、3c、3dの各々の全巻付け重量(全巻付け量)ga、g
b、gc、gdを ga=gb=gc=gd にする。
【0026】前記のように各素導体1a、1b、1c、1dに巻
き付ける各発熱線条3a、3b、3c、3dの各々の全巻付け重
量を同等にすることにより、前記の各発熱線条の各々の
全巻付け長さを同等にした場合と同様に、各素導体のイ
ンピーダンスが同等になってサブスパンにおけるスペー
サ2a、2bの過熱が防止される。
【0027】また、サブスパンSにおける素導体1a、1
b、1c、1dに巻き付ける発熱線条3a、3b、3c、3dを前記
のように巻き付けるとともに、このサブスパンSに隣接
するサブスパンの素導体に巻き付ける発熱線条も、前記
のサブスパンSの発熱線条の巻付け長さや巻付け重量等
の巻付け態様とは異なる巻付け態様にして巻き付ける。
このように隣接する各サブスパンの発熱線条の各々の巻
付け態様を異ならせることにより発熱線条非巻付部分に
融雪されずに残る着氷雪の態様が隣接サブスパン相互で
異なる態様となり、したがって隣接サブスパンの各着氷
雪が風を受けて生ずる揚力が一様な揚力にならないから
送電線の動揺が防止される。
【0028】前記の実施例は多導体送電線における実施
例であるが、単導体送電線における本発明の実施例は、
図2に示したように、単導体送電線1に複数の発熱線条
41、42、43を間隔をおいて巻き付け、各発熱線条の巻付
け長さは、発熱線条41の巻付け長さL1と、発熱線条42の
巻付け長さL2と、発熱線条43の巻付け長さL3を異ならせ
て L1≠L2≠L3 にし、または同等 L1=L2=L3 にし
て巻き付け、この発熱線条を巻き付けない複数の非巻付
部分N1、N2、N3、N4の各々の長さLn1 、Ln2 、Ln3 、Ln
4 は、異なる長さ Ln1 ≠Ln2 ≠Ln3 ≠Ln4 になるよ
うに各発熱線条41、42、43を巻き付ける。
【0029】前記のように単導体送電線に発熱線条を巻
き付けることにより、着氷雪は発熱線条41、42、43が巻
き付けられている導体部分の着氷雪が融雪され、複数の
非巻付部分N1、N2、N3、N4に残る着氷雪は、それぞれ異
なる長さに形成されるとともに、電線の長さ方向に分散
して形成され、単導体送電線の長さ方向に一様に連続形
成される状態にはならないから、この送電線の着氷雪部
分が風を受けても一様な揚力は生ぜず、風による動揺の
入力エネルギーが分散され、落雪による動揺の入力エネ
ルギーも分散されて、架空送電線の動揺が防止される。
なお、前記の単導体送電線1に巻き付ける発熱線条の数
は説明の便宜上41、42、43の3箇所を例示したが、着氷
雪の防止を必要とする状況に応じて適宜に設定する。
【0030】前記の各実施例の素導体に巻き付ける各発
熱線条は、素導体の最外層のより方向と同方向もしくは
逆方向に巻付ける。また発熱線条は、丸線だけでなく、
平角線、楕円形、その他の断面形状等の異形線条にする
ことにより、送電線に発生する風音を低減することがで
き、また既に架設されている架空送電線に対する装着を
容易にするためにあらかじめ螺旋状にプレフォームして
おくこともできる。
【0031】
【発明の効果】前記のように本発明の架空送電線の動揺
防止方法は、多導体送電線において、サブスパンにおけ
る各素導体に、送電電流を利用して発熱し着氷雪を融か
す発熱線条を巻き付けるとともに、発熱線条を巻き付け
ない非巻付部分を各素導体ごとに異なる態様で形成し、
かつ各素導体ごとの各発熱線条のサブスパンにおける全
巻付け量を同等にして巻き付けるようにしたので、非巻
付部分の着氷雪は送電線の長さ方向に分散し、その位置
や長さ等が異なる態様に形成されることになり、したが
って送電線の着氷雪部分が風を受けても一様な揚力が生
ぜず、風による動揺の入力エネルギーが分散され、また
落雪による動揺の入力エネルギーも分散され、多導体送
電線の動揺を防止することができる。
【0032】また、多導体送電線のサブスパンにおける
各素導体の発熱線条の全巻付け量を同等にしたので、各
素導体インピーダンスに差異が生じないから、スペーサ
間のサブスパンの各素導体間に無用の電流が流れずスペ
ーサの過熱が生じない。
【0033】また単導体送電線において、複数の発熱線
条を間隔をおいて巻き付け、各発熱線条の間の発熱線条
を巻き付けない複数の非巻付部分の各々を異なる長さに
したので、送電線の着氷雪部分が風を受けても一様な揚
力が生ぜず、風による動揺の入力エネルギーが分散さ
れ、また落雪による動揺の入力エネルギーも分散され、
単導体送電線の動揺を防止することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多導体送電線における1実施例を示す
【図2】本発明の単導体送電線における1実施例を示す
【図3】従来例を示す図
【符号の説明】
S:サブスパン 1a、1b、1c、1d:多導体送電線の素導体 3a、3a1 、3a2 、3a3 、3a4 :素導体1aの発熱線条 3b:素導体1bの発熱線条 3c、3c1 、3c2 、3c3 :素導体1cの発熱線条 3d、3d1 、3d2 :素導体1dの発熱線条 Na、Na1 、Na2 、Na3 、Na4 :素導体1aの非巻付部分 Nb、Nb1 、Nb2 :素導体1bの非巻付部分 Nc、Nc1 、Nc2 、Nc3 :素導体1cの非巻付部分 Nd、Nd1 、Nd2 、Nd3 :素導体1dの非巻付部分 1:単導体送電線 41、42、43:単導体送電線の発熱線条 N1、N2、N3、N4:単導体送電線の非巻付部分 Ln1 、Ln2 、Ln3 、Ln4 :単導体送電線の非巻付部分の
長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−294208(JP,A) 特開 昭48−99687(JP,A) 特開 昭48−99688(JP,A) 実開 昭48−79278(JP,U) 実開 昭60−124223(JP,U) 実公 平1−34503(JP,Y2) 特公 昭45−20467(JP,B1) 実公 昭44−11786(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02G 7/00 - 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多導体送電線のサブスパンにおける各素導
    体に、送電電流の磁束により発熱して着氷雪を融かす発
    熱線条を巻き付けるとともに、発熱線条を巻き付けない
    非巻付部分を各素導体ごとに異なる態様で形成し、か
    つ、各素導体ごとの前記発熱線条のサブスパンにおける
    全巻付け量を同等にすることを特徴とする架空送電線の
    動揺防止方法。
  2. 【請求項2】単導体送電線に、送電電流の磁束により発
    熱して着氷雪を融かす複数の発熱線条を間隔をおいて巻
    き付け、前記各発熱線条の間に形成される発熱線条を巻
    き付けない複数の非巻付部分の各長さを異なる長さにす
    ることを特徴とする架空送電線の動揺防止方法。
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