JP2860004B2 - 電界放出型電子源装置 - Google Patents

電界放出型電子源装置

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JP2860004B2
JP2860004B2 JP20109492A JP20109492A JP2860004B2 JP 2860004 B2 JP2860004 B2 JP 2860004B2 JP 20109492 A JP20109492 A JP 20109492A JP 20109492 A JP20109492 A JP 20109492A JP 2860004 B2 JP2860004 B2 JP 2860004B2
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祐二 丸尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子を蛍光部に照射す
ることによって表示を行う表示素子に用いられ、電界放
出の原理に基づいて動作する電界放出型電子源装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路等で用いられている半導
体を中心とした微細加工技術によって、電界放出型電子
源装置の製造についてもかなりの進歩が見られ、特にサ
イズの極めて小さい構造の電界放出型電子源装置を得る
ことが可能となった。この極めて小さいサイズを利用
し、高電界の影響下で電子を放出する冷陰極を含む電界
放出型電子源装置は、例えば、三極管型の超小型電子
管、もしくは超小型電子銃等を形成する基本的な電子放
出デバイスとなり得る。
【0003】電界放出型電子源装置は、例えば薄型表示
装置や微小三極管の構成要素として考案されたもので、
その動作、及び製造方法は、特に、シー.エー.スピン
ト(C.A.Spindt)らによってスタンフォード・リサ
ーチ・インスティチュート(Stanford Research Ins
titute)で行われ、ジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジックス(Journal of Applied Physics)第47
巻、12号、5248〜5263頁(1976年12月)
を含む様々な雑誌等に発表された研究によって公知であ
る。また、エイチ.エフ.グレイ(H.F.Gray)らの
米国特許第4,307,507号、及び米国特許第4,5
13,308号等にも記載されている。
【0004】従来の公知の型の基本的な電界放出型電子
源装置を図6に示す。図6は、概略斜視図であり、上記
電子源装置の構造を容易に理解できるように、一部を切
除した電界放出型電子源装置を示している。この電界放
出型電子源装置は、蛍光体を塗布したアノード電極68
を含み、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色
の蛍光部に対応した3つの電子源としての冷陰極チップ
61,62,63を含む3ビームカラー表示素子を構成し
ている。
【0005】上記アノード電極68は、電子が照射され
ることによって夫々R(レッド)、G(グリーン)、B(ブ
ルー)に発光する蛍光部70、71、72が形成された
透明基板電極69で構成されている。また、基板電極6
0は、これまでの微細加工技術との互換性や低コスト
化、および他の電子素子とのモノリシック化などを考慮
して、低抵抗の単結晶シリコン基板で構成することが多
い。また、上記基板電極60上に形成された円錐状の冷
陰極チップ61は、基板電極60と同じく低抵抗の単結
晶シリコンで構成するか、あるいは、製造方法によって
は主としてモリブデンやタングステン等の高融点金属材
料で構成される。また、絶縁層64は、シリコン基板電
極を熱酸化して形成された絶縁特性に特に優れる二酸化
シリコンで構成されることが多い。
【0006】上記電子源装置の基板電極60上に形成さ
れた円錐状の冷陰極チップ61と、基板電極60上に絶
縁層64を挾んで形成されたゲート電極65との間に、
50〜150V程度のゲート電圧を印加すると、冷陰極
チップ61とゲート電極65との間に107V/cm程度
の強電界が発生し、電界放出の原理に基づいて冷陰極チ
ップ61から電子が放出される。ここで、上記冷陰極チ
ップ61からの電子放出量は、上記ゲート電圧を変化さ
せることにより増減させることが可能である。
【0007】さらに、アノード電極68に印加された2
00〜500Vのアノード電圧により、上記冷陰極チッ
プ61から放出された電子は、アノード電極68に達す
る。上記各蛍光部70,71,72の発光輝度制御は、上
記ゲート電圧を変化させることによる電子放出量の制御
や、上記アノード電圧を変化させることによる電子の移
動エネルギーの制御によって行なわれる。
【0008】現在、このような電界放出型電子源装置で
構成した表示素子を多数、アレイ状に作製した薄型表示
装置、あるいは、このような電子源装置のアノード電極
を金属膜等のアノード電極で構成した電界放出型の微小
三極管等が試作されている。そして、さらに、薄型表示
装置の高密度化、高性能化、あるいは、電界放出型の微
小多極管や発振管等の新機能電子管の作製を行っていく
上で、より高性能で、かつ、小型、高機能である電界放
出型電子源装置の開発が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
電界放出型電子源装置は、その構造上、電子放出量のみ
可変であり、電子放出方向を変化させることはできな
い。したがって、上述のように、従来の電界放出型電子
源装置でカラー表示素子を構成した場合、R、G、Bの
各々の蛍光部70,71,72に対応した、少なくとも3
つの電子源つまり冷陰極チップ61,62,63が必要で
ある。このため、上記従来の電子源装置で構成したカラ
ー表示素子は小型化が困難で、上記表示素子を多数含ん
だ表示装置の高密度化、高性能化が困難であるという問
題がある。
【0010】もっとも、単体のカラー表示素子に限るな
ら、アノード電極68をR、G、Bの各々の蛍光部7
0,71,72に対応する部分に分割しておき、分割した
各々のアノード電極への印加電圧を変えて電子の照射部
分を制御することによって、電子源からの電子の放出方
向を変えることができ、1つの電子源(冷陰極チップ)か
らの異なる3つの蛍光部に選択的に電子を照射できるよ
うになる。
【0011】しかしながら、この場合、カソード電極を
構成する基盤電極60と冷陰極チップ61およびアノー
ド電極68には、カソード電極−アノード電極間の放出
電子の移動に伴う大電流が流れるため、アノード電極配
線を微細化することは実際上困難である。そのため、ア
ノード電極配線を微細化する必要があるこの電子源装置
で構成したカラー表示素子は、アレイ状に作製して高密
度薄型表示装置を構成するのには適さないという問題が
ある。
【0012】また、電子源から放出された電子の放出方
向(移動方向)を変化させることができる他の電子源装置
としては、上記従来の電子源装置において、ゲート電極
65とアノード電極68との間に追加の複数の放出電子
偏向用電極を設けたものが考えられる。
【0013】しかしながら、上記追加の電極を設けた電
子源装置では、電極層、及び絶縁層の各々が多層構造に
なり、電極配線も複雑になるため、電界放出型電子源装
置が達成すべき微細化、高密度化に適さず、さらに、製
造プロセスも複雑になるという問題がある。
【0014】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解決できる電界放出型電子源装置を提供することにあ
る。すなわち、電極配線を複雑化することなく、単体で
電子放出方向の制御が可能であり、1つの電子源でフル
カラー表示を可能とする1ビームフルカラー表示素子を
構成でき、かつ、放出電子の移動に伴う大電流を流す必
要のあるカソード電極、及びアノード電極の配線を微細
化することなく、表示装置の高密度化、高性能化に対応
できる電界放出型電子源装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電界放出型電子源装置は、少なくとも1つ
の電子放出部を有するカソード電極と、
【0016】上記電子放出部から放出された電子が照射
されるアノード電極と、上記アノード電極と上記電子放
出部との間に、上記電子放出部から上記アノード電極へ
の電子が通過する電子通過領域と交差する平面に、上記
平面が含む電子通過領域を囲むように配置され、かつ、
互いに絶縁された複数のゲート電極とを備えたことを特
徴としている。
【0017】また、上記アノード電極は、上記電子放出
部から放出された電子が照射する領域に、電子が照射さ
れることによって発光する複数の蛍光部が形成されてい
ることが望ましい。
【0018】
【作用】上記構成によれば、電子通過領域を囲むように
配置された複数のゲート電極に電圧を印加することによ
り、上記電子放出部から電子を放出する。さらに、上記
複数のゲート電極にそれぞれ異なった値の電圧を印加す
ることで、電子放出方向を制御する。
【0019】また、上記アノード電極に複数の蛍光部を
形成した場合には、電子放出部からの電子放出方向を制
御し、複数の蛍光部へ選択的に電子を照射することによ
って、蛍光部の発光色度を制御する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の電界放出型電子源装置を図示
の実施例により詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の第1実施例である電界放
出型電子源装置が構成する表示素子の斜視図である。図
2は図1に示した表示素子の上面図であり、透明電極基
板17を透かして蛍光体領域26〜28、及び電子源で
ある冷陰極チップ11から放出される電子の電子放出領
域21を示した図である。また、図3は、図1の電界放
出型電子源装置のX−X断面、及び電子源である冷陰極
チップ11からの電子放出範囲を示した図である。
【0022】この実施例は、低抵抗シリコン基板からな
る基板電極10上に円錐形状の冷陰極チップ11が形成
されている。上記基板電極10と冷陰極チップ11がカ
ソード電極を構成し、上記冷陰極チップ11が電子放出
部を構成している。
【0023】冷陰極チップ11は、シリコン基板電極か
らエッチング法により形成されることから、図3に示す
冷陰極チップ高さhCは、1.0〜3.0μm程度が好
ましい。本実施例では、hCは1.7μm程度とした。
冷陰極チップ11の先端部の曲率半径は、先端部に電界
を集中させるために50nm以下が好ましく、本実施例で
はおよそ25nmとした。
【0024】また、基板電極10上に絶縁層12を挾ん
でそれぞれが互いに絶縁されたゲート電極13、14、
15が形成されている。上記絶縁層12はシリコン基板
を熱酸化することにより得られる二酸化シリコンからな
る。また、上記ゲート電極13〜15は、モリブデンか
らなる。図1および図3に示すように、上記ゲート電極
13,14,15は、円盤を周方向に3等分した扇形をし
ており、アノード電極16と上記冷陰極チップ11との
間に、上記冷陰極チップ11から上記アノード電極16
への電子通過領域と交差する平面に、上記平面が含む電
子通過領域の周囲を囲むように配置され、かつ、互いに
絶縁されている。また、図3に示すゲート電極開口部径
dGは1.0〜2.0μm程度、ゲート電極厚tGは0.
2〜1.0μm程度、ゲート電極高さhGは0〜0.5
μm程度が好ましく、本実施例においては、dG=1.
3μm程度、tG=0.5μm程度、hG=0.1μm程
度としている。
【0025】上記アノード電極16は、透明電極基板1
7と、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各々の
蛍光体領域を形成する蛍光部18、19、20とを有し
ている。上記蛍光部18、19、20はそれぞれ、上記
ゲート電極13,14,15に対向している。本実施例
のアノード電極16の透明電極基板17は、ガラス基板
上に透明電極膜を形成したものである。ここで、上記透
明電極膜には、In−Sn−O(ITO)、またはSnO2
用い、膜厚は0.2〜0.3μm程度とした。成膜方法
としては、ターゲットに酸化膜を用いるスパッタリング
法、または、In−Sn合金、あるいはSn金属のターゲ
ットを用いた反応性スパッタリング法を用いる。
【0026】また、R、G、Bの各蛍光体領域を形成す
る蛍光部18、19、20の蛍光体材料としては、R
(レッド,ピーク波長は626nm)に対応する蛍光部18
には稀土類系のY22S:Euを、G(グリーン,ピーク波
長は530nm)およびB(ブルー,ピーク波長は450nm)
に対応する蛍光部19および20には硫化亜鉛系でそれ
ぞれZnS:Cu,AlおよびZnS:Ag,Alを用い、膜厚は
0.3〜0.5μm程度とした。なお、蛍光体材料はこ
れに限るものではなく、低速電子線励起での発光効率が
高いものが好ましい。
【0027】また、蛍光部18〜20においては、電子
照射部のみが発光するのではなく、その周辺部も発光す
ることになる。そこで、飽和度の高い単色の発光を得る
ためには、R、G、Bに対応する各蛍光部18〜20の
発光を完全に分離するように、各蛍光部間の隙間に黒色
塗料を形成し、ブラックマトリックスを形成してもよ
い。
【0028】その他、蛍光部の発光領域が比較的大きい
場合には、白色発光する蛍光部とR(レッド)、G(グリ
ーン)、B(ブルー)の各カラーフィルターを組み合わせ
てアノード電極を形成することも可能である。
【0029】上記冷陰極チップ11と、ゲート電極1
3,14,15の間にゲート電圧として夫々、50〜1
50V程度の電圧VR、VG、VBを印加すると、冷陰
極チップ11とゲート電極13,14,15間に107
/cm程度の強電界が発生し、電界放出の原理に基づいて
冷陰極チップ11から電子が放出される。その後、放出
された電子は、アノード電極16に印加されている20
0〜500Vのアノード電圧により、アノード電極16
へと達する。アノード電極16には、R,G,Bの蛍光
体領域が形成されているため、放出電子が照射されるこ
とによって発光する。
【0030】また、上記実施例の電界放出型電子源装置
は、ゲート電極13、14、15に印加するゲート電圧
VR、VG、VBの電圧に傾斜をもたせることにより、
つまり上記ゲート電極13,14,15に互いに異なる
電圧を加えることによって、冷陰極チップ11からの電
子放出方向を変化させることができる。例えば、ゲート
電極13および14に印加するゲート電圧VRおよびV
Gを100Vとし、ゲート電極15に印加するゲート電
圧VBを105Vとすることにより、電子放出領域21
は図2に示す矢印25の方向へと移動する。同様に、ゲ
ート電圧を最大で±5%程度、傾斜印加することによっ
て図2に示す矢印23、及び矢印24の方向へと電子放
出領域21を移動させることができる。
【0031】次に、図3を参照して、この実施例の電界
放出型電子源装置における電極の位置と放出電子の関係
について説明する。
【0032】電界放出のためのゲート電圧の値、及び放
出電子領域の大きさは、図3に示した各部分の大きさに
より変化する。すなわち、ゲート電極開口部dGが小さ
いほど、電極開口部内の電界分布が急峻になるため、低
電圧のゲート電圧で電界放出が開始されるとともに、放
出された電子の直進性がよくなるため電子放出領域21
は小さくなる。同様に冷陰極チップ11の先端部からゲ
ート電極13〜15の内方の開口部にかけての電界分布
の点から、ゲート電極厚tG、及びゲート電極高さhGが
大きい方が、電子放出領域21は小さくなる傾向にあ
る。なお、ゲート電極厚tGはあまり影響しないが、ゲ
ート電極高さhGが大きいほど電界放出開始電圧は大き
くなる。
【0033】以上の如く構成された電界放出型電子源装
置において、各ゲート電極13〜15に対するゲート電
圧を97〜102Vの範囲で傾斜印加することによっ
て、電子放出方向角θe=5度程度の電子放出方向の制
御が可能となった。
【0034】上記実施例の電界放出型電子源装置が構成
する表示素子においては、アノード電極16が含むR、
G、Bの蛍光体領域を形成する蛍光部18〜20上で、
上記の如く電子放出領域21を移動させることによっ
て、カラー表示を行うことができる。放出された電子が
上記蛍光体領域の中央部に、すなわち、R、G、Bの各
蛍光体領域にほぼ均等に、照射されたときに、上記表示
素子は白色発光する。また、上記電子放出領域21を、
矢印23,24,あるいは25の方向へと移動させるこ
とによって、発光色は赤、緑、あるいは青へと変化す
る。つまり、上記電子放出領域21が、矢印23,2
4,25で表わされるベクトルの方向に移動させられる
ことによって、各蛍光体領域への電子照射面積比が連続
的に変化し、その結果、発光の色度が連続的に変化す
る。また、ゲート電極13〜15への印加電圧によって
制御される電子源(冷陰極チップ11)からの電子放出量
によって、発光の輝度を変化させることができる。
【0035】したがって、上記実施例によれば、従来例
と異なり、電極配線を複雑化することなく、1つの電子
源(冷陰極チップ)からの電子放出方向を移動させること
ができ、フルカラー表示を可能とする1ビームフルカラ
ー表示素子を構成でき、放出電子の移動に伴う大電流を
流す必要のあるカソード電極、及びアノード電極の配線
を微細化することなく、表示装置の高密度化、高性能化
に対応できる。
【0036】尚、上記実施例では、基板電極10として
低抵抗シリコン基板を用い、絶縁層12には二酸化シリ
コンを用いたが、上記基板電極10はシリコン基板以外
にガラス板等の絶縁基板上に金属膜を形成したものでも
よく、また、金属プレート等の導電性の基板を用いても
よい。この場合、絶縁層は、窒化シリコン、酸化シリコ
ン等をCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等の成
膜方法を用いて形成すればよいが、絶縁特性に優れるも
のであればこれらに限るものではない。
【0037】また、本実施例において、冷陰極チップ
は、基板電極となる低抵抗シリコン基板からエッチング
法により形成したが、モリブデンやタングステン等の高
融点金属材料を用いて電子ビーム蒸着法等によって形成
してもよい。なお、これらは、前述のエイチ.エフ.グ
レイらの米国特許、及び同じく前述のシー.エー.スピ
ントらの文献等においてそれぞれ公知の方法である。
【0038】さらに、本実施例では、ゲート金属材料に
モリブデンを用いているが、それに限られるものではな
く、クロムやタングステン、または、金、銀、銅、アル
ミニウム等の従来から用いられている電極材料を用いて
もよい。また、本実施例のゲート電極は3分割されてい
るが、目的とする電子放出制御方向や、ゲート電極の配
線方法等にあわせて、2分割でも、あるいは4分割以上
であってもよい。
【0039】次に、本発明の電界放出型電子源装置の第
2実施例を図4および図5を参照して説明する。
【0040】図4は本発明の第2実施例によって構成さ
れた薄型表示装置の部分的な拡大斜視図である。この実
施例は、アレイ状に多数、配列された電界放出型電子源
つまり電子放出部としての冷陰極チップ41,41…
と、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の蛍光体領
域を形成する蛍光部55,56,57を多数個含むアノ
ード電極47とを含んでいる。図5は、図4に示した表
示装置のFで示した蛍光体領域の一部分を示し、透明電
極基板48を透かして蛍光部55〜57および電子源か
ら放出される電子の電子放出領域50を示したものであ
る。
【0041】上記冷陰極チップ41は、基板電極40上
に多数形成されている。上記多数の冷陰極チップ41と
基板電極40がカソード電極を構成している。さらに、
基板電極40上には、絶縁層42を挾んでそれぞれが互
いに絶縁されたゲート電極43,44,45,46が格
子状に配置されている。上記ゲート電極43〜46は、
上記冷陰極チップ41から上記アノード電極47への電
子通過領域と交差する平面に、上記平面が含む電子通過
領域を囲むように配置されている。また、上記アノード
電極47は、透明電極基板48と、透明電極基板48に
形成され、R、G、Bの各々の蛍光体領域をデルタ型配
列で形成するための蛍光部55〜57とを含み、各々の
蛍光体領域は冷陰極チップ41,41…のピッチに等し
い長さの四辺を有する正方形領域を形成している。
【0042】ここで、図4中の1つの冷陰極チップ41
に着目すると、この冷陰極チップ41を取り囲んでいる
ゲート電極43,44,45,46が電子放出および電
子の放出方向の制御に用いるゲート電極となる。
【0043】また、図5に示すように、50は、冷陰極
チップ41からの電子放出領域であり、55,56,5
7は、それぞれR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)
の蛍光体領域を形成する蛍光部である。上記電子放出領
域50は、電子放出方向を変化させていない状態では
R、G、Bの蛍光体領域を形成する蛍光部55,56,
57にほぼ均等に配分されている。
【0044】この実施例においても、前述の実施例と同
様の原理により、ゲート電極43および44により矢印
51および52の方向へ、また、ゲート電極45および
46により矢印53および54の方向へ電子放出方向の
制御を行うことができ、1つの冷陰極チップ41を含む
フルカラー表示に対応できる表示素子が、多数配列され
た薄型表示装置を実現できる。
【0045】また、上記実施例の構造においては、放出
電子の移動に伴う大電流が流れる基板電極40およびア
ノード電極47は、それぞれ単体の電極基板で構成され
ているため、表示装置の高密度化、大面積化が可能であ
る。
【0046】尚、上記実施例では、隣接した冷陰極チッ
プ41間で共通のゲート電極43〜46を利用している
が、それぞれの冷陰極チップ41に独立したゲート電極
を配置してもよい。すなわち、図4における各ゲート電
極43〜46を、夫々、2本の電極で構成すれば、隣接
した冷陰極チップ41,41に異なるゲート電圧を印加
することができるようになる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の電界放出型電子源装置は、電子放出部からアノード電
極への電子通過領域と交差する平面に、上記平面が含む
電子通過領域を囲むように配置され、かつ、互いに絶縁
された複数のゲート電極に、それぞれ独立した値のゲー
ト電圧を印加することにより、上記電子放出部からの電
子放出量だけでなく、電子放出方向を制御することがで
きる。
【0048】したがって、本発明によれば、従来例と異
なり、電極配線を複雑化することなく、単体で電子放出
方向の制御が可能である。
【0049】したがって、上記アノード電極に複数の蛍
光部を形成した場合には、複数の蛍光部へ選択的に電子
を照射することができ、1つの電子源でフルカラー表示
を可能とする1ビームフルカラー表示素子を構成でき、
放出電子の移動に伴う大電流を流す必要のあるカソード
電極、およびアノード電極の配線を微細化することな
く、表示装置の高密度化、高性能化に対応できる電界放
出型電子源装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電界放出型電子源装置の第1実施例
が構成する表示素子の斜視図である。
【図2】 上記実施例が構成する表示素子の上面図であ
る。
【図3】 図1のX−X線断面図および電子源からの電
子放出範囲を示す模式図を含む図である。
【図4】 本発明の第2実施例が構成する表示装置の部
分拡大斜視図である。
【図5】 上記表示装置の部分上面図である。
【図6】 従来の電界放出型電子源装置が構成する表示
素子の斜視図である。
【符号の説明】
10,40 基板電極 11,41 冷陰極チップ 12,42 絶縁層 13,14,15,43,44,45,46 ゲート電
極 16,47 アノード電極 17,48 透明電極基板 18,19,20 蛍光部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの電子放出部を有するカ
    ソード電極と、 上記電子放出部から放出された電子が照射されるアノー
    ド電極と、 上記アノード電極と上記電子放出部との間に、上記電子
    放出部から上記アノード電極への電子が通過する電子通
    過領域と交差する平面に、上記平面が含む電子通過領域
    を囲むように配置され、かつ、互いに絶縁された複数の
    ゲート電極とを備えたことを特徴とする電界放出型電子
    源装置。
  2. 【請求項2】 上記アノード電極は、上記電子放出部か
    ら放出された電子が照射する領域に、電子が照射される
    ことによって発光する複数の蛍光部が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電界放出型電子源装
    置。
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