JP3240710B2 - 電界放出型ディスプレイ装置 - Google Patents

電界放出型ディスプレイ装置

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JP3240710B2
JP3240710B2 JP30058692A JP30058692A JP3240710B2 JP 3240710 B2 JP3240710 B2 JP 3240710B2 JP 30058692 A JP30058692 A JP 30058692A JP 30058692 A JP30058692 A JP 30058692A JP 3240710 B2 JP3240710 B2 JP 3240710B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性のカソードライ
ン上に形成された円錐形状のカソード素子から電子を放
出させて、対向配置された蛍光面に当てることにより、
蛍光面を発光させるようにした電界放出型ディスプレイ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、電子放出源としては、熱陰極型電
子放出素子が多く用いられてきたが、熱電極を利用した
電子放出は、加熱によるエネルギーロスが大きく、この
熱陰極型電子放出素子を用いたディスプレイ装置におい
ては、予備加熱が必要であるなどの欠点があった。
【0003】上記欠点を解決するものとして、冷陰極型
の電子放出素子がある。この冷陰極型電子放出素子は、
従来から数多く提案されており、その中で、局部的に高
電界を発生させ、電界放出により、電子の放出を行う電
界放出型の電子放出素子が提案されている。
【0004】従来の上記電界放出型の電子放出素子を用
いたディスプレイ装置、即ち電界放出型ディスプレイ装
置は、図11に示すように、電子放出部101と発光部
102を有する。電子放出部101は、1枚のガラス基
板103上に形成された導電性のカソードライン104
上に、それぞれ円錐形状を有する多数のカソード素子1
05がマトリクス状に配列・形成され、これら個々のカ
ソード素子105を囲むように絶縁層106が形成さ
れ、更にこの絶縁層106上に、カソード素子1105
と対応する箇所に電子引出し用の開口107aを有する
ゲート電極107が形成されて構成されている。
【0005】発光部102は、1枚の透明ガラス基板1
08の内面に、ストライプ状のカーボン膜109と積層
膜110とがそれぞれ内面の一方向に向かって互い違い
に形成されて構成された蛍光面を有する。積層膜110
は、透明ガラス基板108の内面上に形成された透明電
極111とこの透明電極111上に形成された蛍光体層
112とから構成されている。
【0006】そして、電子放射部101と発光部102
とがそれぞれ対向するように配されて電界放出型ディス
プレイ装置が構成される。なお、上記電子放出面と蛍光
面間の間隙は、真空に保持されている。
【0007】この電界放出型ディスプレイ装置は、図示
するように、カソード素子105を横方向にm個、縦方
向にn個、マトリクス状に配列させたものを1画素と
し、1行に関して例えばM個の画素を等ピッチに配し、
更に縦方向に例えばN個の行を等ピッチに配して、上記
画素をマトリクス状に配列させて構成される。そして、
例えば行単位に共通のカソードライン104を配線し、
列単位に共通のゲート電極107を配線することによ
り、各行と各列との交点に関する画素をそれぞれ独立に
輝度変調させるようにしたものである。
【0008】このディスプレイ装置の動作時において
は、水平走査に関する画像信号に応じて各行のカソード
ライン104に印加される電圧が変化し、水平走査周波
数に応じて各列のゲート電極に固定電位が印加される。
即ち、ゲート電極107に印加される固定電位は、画素
を選択する一種の選択信号の役割を果たし、画像信号に
応じた電位が印加されているカソードライン104にお
けるM個の画素中、固定電位が供給されたゲート電極1
07に関する列の画素が選択され、選択された画素の各
カソード素子105から蛍光面に電子が放出され、その
画素に対応する部分が発光することになる。
【0009】そして、画像信号に応じて連続的に行及び
列を順次選択することによって、透明ガラス基板に画像
信号に応じた画像が表示されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電界放出型ディスプレイ装置においては、その製造
ばらつきにより、カソード素子105の寸法精度にばら
つきが生じ、それにともなって、カソード素子の電子放
出特性がばらつくため、色純度が劣化する不都合が生じ
る。また、そのばらつきに応じてディスプレイ装置間で
ゲート電極107に印加する電圧値を変えなければなら
ない。
【0011】一般に、上記電界放出型ディスプレイ装置
においては、その回路構成の簡略化のためには、カット
オフ時のドライブ電圧、即ちゲート電極に印加する電位
とカソードラインに印加する電位との差を一定にするこ
とが望ましい。
【0012】上記従来のディスプレイ装置においては、
上記ばらつきにより、上記ドライブ電圧を一定にするこ
とができず、そのため、ゲート電極に電圧を供給するた
めの回路構成が複雑になり、電界放出型ディスプレイ装
置の製造コストがどうしても高くなってしまうという不
都合が生じていた。
【0013】また、通常のCRTと同様に、この電界放
出型ディスプレイ装置においても、外部からブライトネ
ス(輝度)の調節を行いたいという使用者からの要請が
あり、従来の電界放出型ディスプレイ装置では、その要
請に対応できないという問題があった。
【0014】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、カットオフ電圧の調節
を簡単な回路構成で行うことができ、製造コストの低廉
化を図ることができると共に、外部からブライトネス調
節を行うことができる電界放出型ディスプレイ装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電界放出型
ディスプレイ装置は、上述した課題を解決するために、
基板上に形成された導電性のカソードライン上に、それ
ぞれ円錐形を有する多数のカソード素子がマトリクス状
に配列・形成され、上記カソード素子と対応する箇所に
電子引出し用の開口部を有するゲート電極が形成されて
なる電子放出部と、透明基板の内面に、アノード電位が
印加される透明電極とストライプ状の蛍光体層とからな
る蛍光面が形成された発光部とを有し、上記カソード素
子と上記発光部とは、上記ゲート電極を介してそれぞれ
対向するように配され、上記カソード素子と対応する箇
所に、上記カソード素子毎に上記蛍光面のストライプ方
向を長軸とし、幅方向を短軸とする異径形状に開口され
た開口部を有する制御電極が、上記ゲート電極よりも上
記蛍光面側に形成されている。また、本発明に係る電界
放出型ディスプレイ装置は、基板上に形成された導電性
のカソードライン上に、それぞれ円錐形を有する多数の
カソード素子がマトリクス状に配列・形成され、上記カ
ソード素子と対応する箇所に電子引出し用の開口部を有
するゲート電極が形成されてなる電子放出部と、透明基
板の内面に、アノード電位が印加される透明電極とスト
ライプ状の蛍光体層とからなる蛍光面が形成された発光
部とを有し、上記カソード素子と上記発光部とは、上記
ゲート電極を介してそれぞれ対向するように配され、上
記カソード素子と対応する箇所に、上記カソード素子毎
に上記蛍光面のストライプ方向に連続して形成された開
口部を有する制御電極が、上記ゲート電極よりも上記蛍
光面側に形成されている。
【0016】この場合、上記制御電極の開口部の大きさ
を、ゲート電極の開口部より大にするようにしてもよ
い。
【0017】
【作用】本発明に係る電界放出型ディスプレイ装置にお
いて、カットオフ電圧の調節を行う場合、まず、カソー
ドラインにブラックレベルに相当する電圧を印加し、ゲ
ート電極に固定電圧を印加する。この固定電圧は、カソ
ード素子の製造ばらつき等を勘案して、カソード素子の
先端から電子が放出されるだいたいの電圧に設定してお
く。この場合、ゲート電極に固定電圧を印加することか
ら、カットオフ時におけるドライブ電圧、即ちゲート電
極に印加する電位とカソードラインに印加する電位との
差を一定にすることができ、ゲート電極に電圧を供給す
るための回路構成が非常に簡単になる。
【0018】その後、制御電極に印加する電圧を調整し
て、そのディスプレイ装置におけるカットオフ電圧を求
める。即ち、制御電極に印加する電圧のレベルを徐々に
上げることによって、カソード素子の先端部分の電界強
度が強くなり、カソード素子の先端から電子が放出し始
めるようになるため、このときの電圧をカットオフ電圧
とする。この制御電極に印加する電圧の供給系は、回路
上、透明電極に印加するアノード電圧、ゲート電極7に
印加する電圧及びカソードラインに印加する電圧の電圧
供給系とは独立にすることができるため、その調整回路
は、非常に簡単なもので済む。
【0019】また、この制御電極に印加する電圧を調節
する調節手段を例えば調節つまみとしてディスプレイ装
置の外部に設置することにより、外部からブライトネス
調節を行いたいという使用者の要請に対応させることが
できる。さらに、電子ビームが蛍光体層のストライプ方
向と垂直な方向へ拡がるのを抑えることができ、電子ビ
ームが隣の色の蛍光体層を発光させて色純度を劣化させ
るという不都合がなくなる。その結果、カソード素子の
形成密度を高めても、上記色純度の問題がなくなるた
め、カソード素子の高密度化を図ることができ、発光効
率の向上を図ることができる。また、走査線の切れ目を
隠すことが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明が適用された電界放出型ディス
プレイ装置の実施例を図1〜図11を参照しながら説明
する。
【0021】先ず、本発明が適用された電界放出型ディ
スプレイ装置の前提となるディスプレイ装置について説
明すると、この実施例に係るディスプレイ装置は、図1
に示すように、電子放出部1と発光部2を有する。
【0022】電子放出部1は、1枚のガラス基板3上に
形成された導電性のカソードライン4上に、それぞれ円
錐形状を有する多数のカソード素子5がマトリクス状に
配列・形成されており、更に、図2に示すように、これ
ら個々のカソード素子5を囲むように絶縁層6が形成さ
れ、この絶縁層6上に、カソード素子5と対応する箇所
に、電子引出し用の円形の開口7aを有するゲート電極
7が形成されて構成されている。そして、この実施例に
おいては、図示するように、このゲート電極7上に、絶
縁層8を介して第2の電極9が形成されている。上記絶
縁層8及び第2の電極9には、ゲート電極7に形成され
た開口7aと同じ大きさの開口8a及び9aが同心円状
に形成されている。
【0023】一方、発光部2は、1枚の透明ガラス基板
10の内面に、ストライプ状のカーボン膜11と積層膜
12とがそれぞれ内面の一方向に向かって互い違いに形
成されて構成された蛍光面を有する。積層膜12は、透
明ガラス基板10の内面上に形成された透明電極13と
この透明電極13上に形成された蛍光体層(蛍光体スト
ライプ)14とから構成されている。
【0024】そして、電子放射部1と発光部2とがそれ
ぞれ対向するように配されて本実施例に係るディスプレ
イ装置が構成される。なお、上記電子放出面と蛍光面間
の間隙は、真空に保持されている。
【0025】また、このディスプレイ装置は、図示する
ように、カソード素子5を横方向にm個、縦方向にn
個、マトリクス状に配列させたものを1画素とし、1行
に関して例えばM個の画素を等ピッチに配し、更に縦方
向に例えばN個の行を等ピッチに配して、上記画素をマ
トリクス状に配列させて構成される。そして、例えば行
単位に共通のカソードライン4を配線し、列単位に共通
のゲート電極7を配線することにより、各行と各列との
交点に関する画素をそれぞれ独立に輝度変調させるよう
にしたものである。
【0026】このディスプレイ装置の動作時において
は、水平走査に関する画像信号に応じて各行のカソード
ライン4に印加される電圧が変化し、水平走査周波数に
応じて各列のゲート電極7に固定電位が印加される。即
ち、ゲート電極7に印加される固定電位は、画素を選択
する一種の選択信号の役割を果たし、画像信号に応じた
電位が印加されているカソードライン4におけるM個の
画素中、固定電位が供給されたゲート電極7に関する列
の画素が選択され、選択された画素の各カソード素子5
から蛍光面に電子が放出され、その画素に対応する部分
が発光することになる。
【0027】そして、画像信号に応じて連続的に行及び
列を順次選択することによって、透明ガラス基板10に
画像信号に応じた画像が表示されることになる。
【0028】ここで、本実施例に係る第2の電極9は、
全画素上に連続形成するようにしてもよいし、ストライ
プ(ライン)状に形成するようにしてもよい。ライン状
に形成する場合、カソードライン4に沿って形成するよ
うにしてもよいし、ゲート電極7に沿って形成するよう
にしてもよい。図1の例は、第2の電極9をゲート電極
7に沿って形成した例を示す。
【0029】次に、上記本実施例に係るディスプレイ装
置において、カットオフ電圧の調節を行う場合について
説明する。
【0030】まず、透明電極にアノード電位(例えば2
00〜500Vの範囲で決定される固定電位)を印加
し、カソードライン4にブラックレベルに相当する電圧
(例えば50V)を印加し、ゲート電極7に固定電圧
(例えば50〜100Vの範囲で決定される固定電位)
を印加する。この固定電圧は、カソード素子5の製造ば
らつき等を勘案して、カソード素子5の先端から電子が
放出されるだいたいの電圧に設定しておく。この場合、
ゲート電極7に固定電圧を印加することから、カットオ
フ時におけるドライブ電圧、即ちゲート電極に印加する
電位とカソードラインに印加する電位との差を一定にす
ることができ、ゲート電極7に電圧を供給するための回
路構成が非常に簡単になる。
【0031】その後、第2の電極9に印加する電圧(例
えば100〜200Vの範囲の電圧)を調整して、その
ディスプレイ装置におけるカットオフ電圧を求める。即
ち、図3に示すように、第2の電極9に印加する電圧の
レベルを徐々に上げることによって、カソード素子5の
先端部分の電界強度が強くなり(図の等電位線参照)、
カソード素子5の先端から電子eが放出し始めるように
なるため、このときの電圧をカットオフ電圧とする。こ
の第2の電極9に印加する電圧の供給系は、回路上、透
明電極13に印加するアノード電圧、ゲート電極7に印
加する電圧及びカソードライン4に印加する電圧の電圧
供給系とは独立にすることができるため、その調整回路
は、非常に簡単なもので済む。
【0032】なお、カソードライン4に供給される電圧
が画像信号の供給にともなって、マイナス方向(即ち、
0V方向)に振れた場合、そのマイナスに振れた分に相
当する電子eがカソード素子5の先端から放出されるこ
とになる。従って、カソードライン4に供給される信号
がマイナス方向に振れるほど蛍光面から発光する光の量
が増加し、輝度が高くなる。
【0033】また、この第2の電極9に印加する電圧を
高くするほど、カソード素子5の先端における電界強度
が高くなって、電子eの放出量が多くなるため、発光輝
度が高くなる。従って、調節する調節手段を例えば調節
つまみとしてディスプレイ装置の外部に設置することに
より、外部からブライトネス調節を行いたいという使用
者の要請に対応させることができる。
【0034】上記実施例でのカットオフ電圧の調整は、
ゲート電極7に固定電位を供給し、その後、第2の電極
9に印加する電圧を調整してカットオフ電圧を求めるよ
うにしたが、その他、通常の電界放出型ディスプレイ装
置に、本実施例に係る第2の電極9を絶縁層8を介して
形成し、ゲート電極7に供給される電圧及び第2の電極
9に供給される電圧を調整して、カットオフ電圧を求め
るようにしてもよい。
【0035】また、第2の電極9をライン単位に独立に
配線し、カットオフ電圧をライン毎に求めるようにして
もよい。この場合、カソード素子5の製造ばらつきによ
るライン毎のカットオフ電圧のばらつきを吸収すること
ができる。
【0036】次に、上記実施例に係るカソード素子5の
形成方法を図4及び図5の製造工程図に基づいて説明す
る。
【0037】まず、図4Aに示すように、ガラス基板3
上に導電性のカソードライン4を形成する。その後、カ
ソードライン4を含む全面に例えばSiO2等からなる
絶縁層6を形成し、この絶縁層6上に電子ビーム蒸着等
によって、薄膜のMo層7(後にゲート電極となる)を
形成する。その後、全面に上記絶縁層6とエッチング特
性の異なる絶縁層8を形成する。この場合、例えば上記
絶縁層6がSiO2膜であれば、例えばSiON(又は
SixOy)膜を形成する。そして、この絶縁層8上全
面に例えば電子ビーム蒸着等によって、薄膜のMo層9
(後に第2の電極となる)を形成する。
【0038】次に、図4Bに示すように、PMMA(Po
ly-Methyl-Methacrylate)等の電子線レジスト膜21を
例えばスピンコート法を用いて塗布する。その後、露光
・現像処理を施して、電子線レジスト膜21に開口21
aを形成する。その後、開口21下の積層膜(Mo層9
−絶縁層8−Mo層7)をそれぞれ反応ガスを変えなが
らドライエッチングして下層の絶縁層6まで達する開口
22(9a,8a,7a)を形成する。
【0039】次に、図4Cに示すように、開口22から
露出する絶縁層6を等方性エッチング、例えばフッ化水
素酸溶液等の湿式エッチングにて除去して絶縁層6に開
口23を形成する。
【0040】次に、図5Aに示すように、回転軸Xを中
心としてガラス基板3を回転させながら、一定の傾斜角
θにてAlを蒸着させる。このとき、上層のMo層9上
にAl層24が蒸着される。このとき、Mo層9の開口
内縁にもAl層24が蒸着されるため、この蒸着量を制
御することにより、Mo層9の開口9aの径を任意に小
さくすることができる。なお、傾斜角θは、本例では、
θ=20〜30°とした。
【0041】次に、図5Bに示すように、回転軸Xを中
心としてガラス基板3を回転させながら、ガラス基板3
に対して垂直にMoを電子ビーム蒸着等によって蒸着す
る。このとき、Moは、Al層24上及び下層のカソー
ドライン4上だけでなく、Al層24の側面にも堆積さ
れるため、Mo層9における開口9aの径は、Mo層2
5の堆積に伴って徐々に小さくなる。この開口9aの径
の減少に従って、カソードライン4上に堆積されるMo
層25の蒸着範囲も小さくなっていくため、カソードラ
イン4上には、ほぼ円錐形状のカソード素子5が形成さ
れる。
【0042】次に、図2に示すように、上記Al層24
を例えばNaOH水溶液による湿式エッチングにて除去
することにより、Al層24の上面及びAl層24の側
面に形成されていたMo層25がAl層24と共に除去
され(リフトオフ)、図示するように、絶縁層6で囲ま
れた円錐形状のカソード素子5と、この絶縁層5上に順
次積層されたMo層からなるゲート電極7及び第2の電
極9を得る。
【0043】そして、発光部2を位置決め対向させて真
空引きすることにより、本実施例に係るディスプレイ装
置が完成する。
【0044】次に、この実施例に係るディスプレイ装置
のいくつかの変形例を説明する。
【0045】図6及び図7に示すディスプレイ装置は、
第1の変形例を示すもので、上記実施例に係るディスプ
レイ装置とほぼ同じ構成を有するが、第2の電極9に形
成する開口9aを矩形状とした点で異なる。図示の例で
は、第2の電極9の開口9aの形状をほぼ正方形状と
し、その辺の長さをゲート電極7の開口7aの径よりも
大にした例を示す。
【0046】この第1の変形例によれば、上記実施例の
場合と同様に、カットオフ電圧の調節を簡単な回路構成
で行うことができ、製造コストの低廉化を図ることがで
きると共に、外部からブライトネス調節を行うことがで
きる。
【0047】次に、本発明が適用されたディスプレイ装
置について説明する。図8及び図9に示す用に、本発明
が適用されたディスプレイ装置は、上記実施例に係るデ
ィスプレイ装置とほぼ同じ構成を有するが、第2の電極
9に形成する開口9aを楕円状とした点で異なる。図示
の例では、蛍光面のストライプの方向を長軸とする楕円
形状であり、その長軸の長さは、ゲート電極7の開口7
aの径のほぼ2倍とされ、短軸の長さは、ゲート電極7
の開口7aの径とほぼ同等とされている。
【0048】この第2の変形例によれば、第2の電極9
の非点開口9aがつくりだす電界によって、電子ビーム
が蛍光体層14のストライプ方向と垂直な方向へ拡がる
のを抑えることができ、電子ビームが隣の色の蛍光体層
14を発光させて色純度を劣化させるという不都合がな
くなる。その結果、カソード素子5の形成密度を高めて
も、上記色純度の問題がなくなるため、カソード素子5
の高密度化を図ることができ、発光効率の向上を図るこ
とができる。また、走査線の切れ目を隠すことが可能と
なる。
【0049】また、電子ビームの蛍光体ストライプ方向
と垂直な方向への拡がりを抑えることができるため、カ
ーボン層11への電子ビームの照射を少なくすることが
でき、カーボン層11への電荷のチャージアップを抑制
することができ、ディスプレイ装置自体の信頼性を図る
ことができる。
【0050】上記第2の変形例においては、第2の電極
9の開口9aの形状を楕円状としたが、その他、図10
に示すように、長方形状としても同じ効果を得ることが
できる。図示の例では、蛍光面のストライプの方向を長
辺とする長方形状であり、その長辺の長さは、ゲート電
極7の開口7aの径のほぼ3倍とされ、短辺の長さは、
ゲート電極7の開口7aの径とほぼ同等とされている。
【0051】また、上記図8〜図10で示す例では、上
記第2の電極9における非点開口9aを、ゲート電極7
の開口7a1つに対して1つ設けた例を示したが、その
他、図11に示すように、第2の電極9の開口9aを、
蛍光体層14のストライプ方向に沿った1列のゲート電
極7の開口7aの並びに対してスリット状に形成しても
同じ効果を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る電界放出型
ディスプレイ装置によれば、カソード素子と対応する箇
所に開口部を有する制御電極を、ゲート電極よりも蛍光
面側に、絶縁層を介して形成するとともに、該制御電極
の開口部が蛍光面のストライプ方向を長軸とし幅方向を
短軸とする異径形状又は蛍光面のストライプ方向に連続
して形成するようにしたので、カットオフ電圧の調節を
簡単な回路構成で行うことができ、製造コストの低廉化
を図ることができると共に、外部からブライトネス調節
を行うことができる。また、電子ビームが蛍光体層のス
トライプ方向と垂直な方向へ拡がるのを抑えることがで
き、電子ビームが隣の色の蛍光体層を発光させて色純度
を劣化させる不都合を防止することができる。その結
果、カソード素子の形成密度を高めても色純度の問題が
無くなるため、カソード素子の高密度化を図ることがで
き、発光効率の向上を図ることができる。また、走査線
の切れ目を隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる電界放出型ディスプレイ装
置の実施例(以下、単に実施例に係るディスプレイ装置
と記す)の要部を示す斜視図である。
【図2】本実施例に係るディスプレイ装置の要部を示す
断面図である。
【図3】本実施例に係る第2の電極への電圧印加による
電子の放出を等電位線と共に示す断面図である。
【図4】本実施例に係るカソード素子の形成方法を示す
製造工程図である(その1)。
【図5】本実施例に係るカソード素子の形成方法を示す
製造工程図である(その2)。
【図6】本実施例の第1の変形例に係るディスプレイ装
置の要部を示す斜視図である。
【図7】本実施例の第1の変形例に係るディスプレイ装
置の要部を示すもので、同図Aは断面図、同図Bは平面
図である。
【図8】本発明に係るディスプレイ装置の要部を示す斜
視図である。
【図9】本発明に係るディスプレイ装置の要部を示すも
ので、同図Aは断面図、同図Bは平面図である。
【図10】本発明に係るディスプレイ装置の他の構成を
示すもので、同図Aは断面図、同図Bは平面図である。
【図11】本発明に係るディスプレイ装置の他の構成を
示すもので、同図Aは断面図、同図Bは平面図である。
【図12】従来例に係るディスプレイ装置の要部を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 電子放射部 2 発光部 3 ガラス基板 4 カソードライン 5 カソード素子 6,8 絶縁層 7 ゲート電極 7a ゲート電極の開口 9 第2の電極 9a 第2の電極の開口 10 透明ガラス基板 11 カーボン膜 12 積層膜 13 透明電極 14 蛍光体層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された導電性のカソードラ
    イン上に、それぞれ円錐形を有する多数のカソード素子
    がマトリクス状に配列・形成され、上記カソード素子と
    対応する箇所に電子引出し用の開口部を有するゲート電
    極が形成されてなる電子放出部と、 透明基板の内面に、アノード電位が印加される透明電極
    とストライプ状の蛍光体層とからなる蛍光面が形成され
    た発光部とを有し、 上記カソード素子と上記発光部とは、上記ゲート電極を
    介してそれぞれ対向するように配され、 上記カソード素子と対応する箇所に、上記カソード素子
    毎に上記蛍光面のストライプ方向を長軸とし、幅方向を
    短軸とする異径形状に開口された開口部を有する制御電
    極が、上記ゲート電極よりも上記蛍光面側に形成されて
    いる電界放出型ディスプレイ装置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された導電性のカソードラ
    イン上に、それぞれ円錐形を有する多数のカソード素子
    がマトリクス状に配列・形成され、上記カソード素子と
    対応する箇所に電子引出し用の開口部を有するゲート電
    極が形成されてなる電子放出部と、 透明基板の内面に、アノード電位が印加される透明電極
    とストライプ状の蛍光体層とからなる蛍光面が形成され
    た発光部とを有し、 上記カソード素子と上記発光部とは、上記ゲート電極を
    介してそれぞれ対向するように配され、 上記カソード素子と対応する箇所に、上記カソード素子
    毎に上記蛍光面のストライプ方向に連続して形成された
    開口部を有する制御電極が、上記ゲート電極よりも上記
    蛍光面側に形成されている電界放出型ディスプレイ装
    置。
  3. 【請求項3】 上記制御電極に印加する電圧を調整する
    ことにより輝度調節が行われることを特徴とする請求項
    1又は2いずれか一項記載の電界放出型ディスプレイ装
    置。
  4. 【請求項4】 上記制御電極の開口部の大きさが、上記
    ゲート電極の開口部より大であることを特徴とする請求
    項1記載の電界放出型ディスプレイ装置。
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