JP2859484B2 - 酸化物分散強化白金と白金との複合材料の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、異種金属の複合材料特
に酸化物分散強化白金と白金との複合材料の製造方法の
改良に関するものである。

【０００２】

【従来技術と課題】従来の技術は、接合すべき２枚の板
をバーナーで加熱し、赤熱状態のものをハンマーでたた
き接合していた。

【０００３】ところで、上記方法においては、ハンマー
ひとたたきで接合できる面積が小さい為、板全体を接合
するのに非常に時間がかかった。またハンマーでたたい
た所が塑性変形し板厚が薄くなり、従って強度が低下し
たり、均一な板厚が得られなかったものである。更に、
ハンマーで 100％たたけないので、たたき残しの部分に
エアが溜まりガラス溶解装置として使用した場合、中の
残留エアが膨張し、複合材料に亀裂が入ることがあっ
た。

【０００４】

【発明の目的】本発明の目的は、均一な厚みで未接合の
部分がなくまた短時間で接合できる酸化物分散強化白金
と白金との複合材料の製造方法を提供するものである。

【０００５】

【発明の構成】上記課題を解決する為の本発明は、酸化
物分散強化白金と白金とを焼鈍し、その後２枚の板を重
ね合わせ、端面を溶接止めし、次いで、冷間圧延し、そ
の後熱間圧延し、しかる後冷間圧延にて仕上げることを
特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記のように構成された本発明によれば、ハン
マーを用いることなく圧延による加工なので均一な厚み
となり、未接合の部分がなく、また短時間でできるもの
である。ここで、接合すべき板を接合前に焼鈍するのは
以降の冷間圧延時の割れを防ぎ、加工し易くする為で、
また重ね合わせ後端面溶接止めするのは、位置ずれを防
止する為で２〜４ケ所の点溶接で十分である。次いで、
冷間圧延するのは、接合面の密着を良くするもので、以
降の熱間圧延時熱伝導を良くし、加熱効率を良くする為
や熱間加工時の異物の進入を防ぐ為である。従って１回
３〜20％の加工率で十分である。また、その後熱間圧延
を行うのは熱拡散により複合材の接合面を均一強固に接
合する為で、次いで十分接合後は、冷間圧延にて所定の
板厚に仕上げることができる。

【０００７】

【実施例】以下に実施例について述べる。まず、実施例
として材質Ｐｔ中にＺｒＯ₂ 0.32％を分散させた強化白
金で厚さ３mm、寸法50mm×50mm及び材質Ｐｔで厚さ７m
m、寸法50mm×50mmを温度1100℃、時間30分、大気中に
て焼鈍した。その後前記２枚の板を重ね合わせた後、四
隅にて溶接止めした。次いで１回の冷間圧延にて板厚
9.5mmし、その後、バーナーで赤熱状態にし、熱間圧延
し板厚を２mmとした。次いで冷間圧延にて板厚１mm、寸
法 120mm× 210mmの酸化物分散強化白金と白金の複合材
料を得た。然して、品質検査を行った結果、均一な厚み
で、未接合の部分が全くない事が確認されまた短時間で
接合できたものであった。

【０００８】

【発明の効果】以上のように本発明の酸化物分散強化白
金と白金との複合材料の製造方法によれば、焼鈍後２枚
の板を重ね合わせ、端面を溶接止めし、次いで冷間圧延
し、その後熱間圧延し、しかる後冷間圧延にて仕上げる
ので、均一な厚みで未接合部の無い品質良好の複合材が
短時間で効率良く得られるという優れた効果を有するも
のである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 酸化物分散強化白金と白金とを焼鈍し、
   その後２枚の板を重ね合わせ端面を溶接止めし、次いで
   冷間圧延し、その後熱間圧延し、しかる後冷間圧延にて
   仕上げることを特徴とする酸化物分散強化白金と白金と
   の複合材料の製造方法。