JP2857651B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2857651B2
JP2857651B2 JP2150403A JP15040390A JP2857651B2 JP 2857651 B2 JP2857651 B2 JP 2857651B2 JP 2150403 A JP2150403 A JP 2150403A JP 15040390 A JP15040390 A JP 15040390A JP 2857651 B2 JP2857651 B2 JP 2857651B2
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正 花岡
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、軽量且つコンパクトな自動変速機に関す
る。
(従来の技術) 従来、車両用自動変速機としては、エンジンに接続さ
れるトルクコンバータから成るメインクラッチと、該メ
インクラッチに接続されたメインシャフト、該メインシ
ャフトに平行に延びるカウンタシャフトと、前記メイン
シャフト及びカウンタシャフト上に軸方向の異なる位置
にて配列された複数の変速クラッチと、前記カウンタシ
ャフト上に設けられた出力ギヤとを備えているいわゆる
二軸並列歯車式のものがある(例えば特公昭58−24657
号)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来技術では、メインクラッチと
してトルクコンバータを用いているため、エンジントル
クの増幅作用により変速クラッチへの最大入力トルクが
大きい。これに対応するため、変速クラッチをトルク容
量が大となるように比較的大きいサイズに設計する必要
があった。このため、メインシャフト上の変速クラッチ
とカウンタシャフト上の変速ギヤ等との干渉を避けるた
め、両者は互いに異なる軸方向位置に配設していた。そ
の結果、変速機全体の軸方向の寸法が大きくなってい
た。
更に、トルクコンバータは、クラッチオフ時にエンジ
ントルクの伝達が完全に遮断せずメインシャフトに若干
のエンジントルクが伝達されるいわゆる引きずりがあ
り、この引きずりに因りギヤが噛合しにくいことを避け
るためにリバースギヤは常時噛合式のものを用いている
が、この方式のものは高回転時の相対回転差が大きいの
で、近年のエンジンの高回転化への対応には不利であ
る。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたも
ので、コンパクト且つ軽量で、しかもエンジンの高回転
化に対応可能な自動変速機を提供することである。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するために、本発明の請求項1は、
エンジンに接続されるメインクラッチと、該メインクラ
ッチに接続されたメインシャフトと、該メインシャフト
に平行に延びるカウンタシャフトと、前記メインシャフ
ト及びカウンタシャフト上に軸方向の異なる位置にて配
列された複数の変速クラッチと、前記カウンタシャフト
上に設けられた出力ギヤとを備える自動変速機におい
て、前記複数の変速クラッチのうち前記エンジンに最も
近い第1の変速クラッチを前記カウンタシャフト上の出
力ギヤと同一軸方向位置で前記メインシャフト上に配置
すると共に、第2の変速クラッチを前記第1の変速クラ
ッチに次いでエンジンに近い軸方向位置で前記カウンタ
シャフト上に配置し、該第2の変速クラッチは縮径され
て該第2の変速クラッチと前記メインシャフト及びハウ
ジングとの間に空間が画成され、該空間内において前記
第2の変速クラッチの外周に前記第1の変速クラッチに
係合する第1の変速ギヤを配置したことを特徴とする自
動変速機を提供するものである。
本発明の請求項2に依る自動変速機は、リバースアイ
ドラギヤを前記空間内に摺動可能に配置すると共に前記
第2の変速クラッチの外周にリバースドリブンギヤを配
置したことを特徴とする。
(作用) メインクラッチがオンの状態で、第1の変速クラッチ
のオン時エンジン出力は第1の変速クラッチから第2の
変速クラッチ上の第1の変速ギヤを介して出力ギヤに伝
達される。シフトレバーが後退位置にあるときのみリバ
ースギヤは接続される。
(実施例) 以下、図面に基いて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の自動変速機の全体を示す縦断面図で
あり、自動変速機は、メインクラッチ1、変速機2、及
び作動装置3から成る。
メインクラッチ1は乾式単板クラッチであり、エンジ
ンのクランク軸2に連結されたフライホイール3、クラ
ッチ4、及び油圧アクチュエータ5により構成される。
クラッチ4は、後述するメインシャフト6の一端部にス
プライン係合したスプラインボス7と、該スプラインボ
スの外周に圧入された基板8a及びその両面にリテーナ8c
により固定保持された2枚のプレート8bから成るディス
ク8と、該ディスク8の外周に取付けられたクッション
プレート9と、該クッションプレート9の両面にリベッ
ト10で固着された2枚のクラッチフェーシング10,11と
から成る。ディスク8にはクラッチ接続時の衝撃を防止
するための複数個の弾性ゴム体12(1個のみ図示)が周
方向に等間隔に装着されている。クラッチフェーシング
10,11はフライホイール3とプレッシャプレート13に夫
々固着されている。
フライホイール3の外周部にはカバー14がボルト15に
より固着され協働してクラッチハウジングを形成する。
該カバー14の外周部には前記プレッシャプレート13がボ
ルト16により固定されている。
更に、プレッシャプレート13は油圧アクチュエータ5
のピストン17に止めネジ18により固定され、該ピストン
17はカバー14にボルト19により固定された複数個のシリ
ンダ20内に夫々摺動可能に嵌装されている。
該シリンダ20はメインシャフト6にニードルベアリン
グ22を介して回転自在に嵌装された中空軸21にボールベ
アリング23を介して回転自在に嵌装されている。シリン
ダ20内には油路40,41が形成されると共に、シリンダ20
と中空軸21間の空間はオイルシール43により密封された
油室41となっており、作動油が油路40,41及び油室41を
通ってピストン17の作動室44に供給される。
上述のようなピストン17とシリンダ20とから成る油圧
アクチュエータ5をメインクラッチ1のクラッチハウジ
ング内に配置したので自動変速機の軸方向の寸法の短縮
化が図れる。
更に、ピストン17にはカバー14に固定された支軸24に
回転可能に装着され周方向に等間隔に配された複数個の
バランサウエイト25(1個のみ図示)が係合し、クラッ
チハウジングの回転に伴ってバランサウエイト25が支軸
24を中心に半径方向外方に変位したときピストン17を反
プレッシャプレート13側に押圧するようになっている。
即ち、このバランサウエイト25は、油圧アクチュエー
タ5をクラッチハウジング内に内蔵したことにより、ク
ラッチハウジングの回転に伴うピストン・シリンダの回
転により生じる遠心力がピストン17に作用する作動油圧
に及ぼす影響をキャンセルするために設けられたもので
ある。
上記遠心力はピストン17の作動油圧を実質的に増大さ
せる遠心油圧を形成するが、バランサウエイト25による
遠心油圧のキャンセル作用を第2図を参照して説明す
る。
クラッチハウジング回転時に実際にピストン17にかか
る作動油圧はピストン・シリンダを従来のように非回転
とした場合に得られるべき元圧分(静圧)と回転により
加わる遠心油圧分とにより形成され、遠心油圧分はピス
トン17の半径方向外方部分に近づくにつれて増大する。
バランサウエイト25に発生する遠心力Fcは下記式によ
り表わされる。
Fc=mrω 但し、m=バランサウエイトの質量 r=メインシャフトの軸心からバランサウエイ
トの中心までの距離 ω=角速度 従って、バランサウエイトの作用点荷重FTは下記式に
より表わすことができる。
但し、a=バランサウエイトの支点から作用点までの
距離 b=バランサウエイトの支点から質量中心まで
の距離 一方、遠心油圧分によりピストンに加わる荷重FHは下
記式により表わされる。
但し、r0=メインシャフトの軸心からシリンダのメイ
ンシャフト側外周面までの距離 r1=メインシャフトの軸心からシリンダのメイ
ンシャフト側内周面までの距離 r2=メインシャフトの軸心からシリンダの反メ
インシャフト側内周面までの距離 g=重力加速度 γ=油の比重量 FT=FHとなるように上記各諸元が決定されている。
従って、クラッチハウジングの回転時、第2図におい
て左方向に発生するピストン荷重FHは、バランサウエイ
ト25により反対方向に発生するFHと等しい荷重FTにより
相殺されるので、ピストン17には元圧分のみが作用す
る。
第1図に戻り、ピストン17の反クラッチ4側端の外周
に設けられた歯車30にはオイルポンプ31の入力歯車32が
係合し、エンジンクランク軸2の回転がフライホイール
3、カバー14、シリンダ20を介してオイルポンプ31に伝
達され、クランク軸の回転に対して減速してこれを回転
駆動するようになっている。
変速機2は、第1速−第4速ギヤ列G1−G4、リバース
ギヤ列GR、及び第2速−第4速クラッチC2−C4から成
る。
変速機2を収容するケース50はエンジン側ケース51に
ボルト52により固定され、該ケース51から反エンジン側
端部にかけて略テーパ状又はすりばち状の形状を呈して
いる。その結果、ケースの剛性が向上してエンジン作動
時の騒音の低下が図れると共に、エンジンルームへの組
付性が向上する。
ケース50にはメインシャフト6及びカウンタシャフト
53が互いに平行に延び、各一端が夫々ボールベアリング
54,55を介して回転可能に装着されている。カウンタシ
ャフト53の他端はコロ軸受90により回転可能に支持され
ている。
メインシャフト6上には第3速クラッチC3と第4速ク
ラッチC4が、カウンタシャフト53上には第2速クラッチ
C2が夫々装着されている。各変速クラッチC2−C4は公知
の油圧式多板クラッチから成り、夫々のシャフト6,53に
一体回転可能にスプライン嵌合したクラッチドラム、ク
ラッチドラム及び対応する変速ギヤにスプライン係合し
たクラッチプレート、クラッチプレートを押圧しこれら
を摩擦係合させるピストン、及びピストンを反クラッチ
プレート側に押圧する戻しばねから成る。
第3速クラッチC3はエンジンに最も近い位置で且つカ
ウンタシャフト53上の出力ギヤ53aと同一軸方向位置に
配置されている。これにより変速機の軸方向寸法の縮少
化を図ることが出来る。これは、前述の従来の自動変速
機ではトルクコンバータと変速機との間のメインシャフ
ト上にオイルポンプを配していたのを、本発明では前述
したようにオイルポンプ31をメインシャフトの側方に配
したためである。
一方、カウンタシャフト53上の第2速クラッチC2は従
来のものに比して縮径されている。即ち、そのクラッチ
ドラム56の外径は従来のものより小さく設計され、該ク
ラッチドラム56とメインシャフト6及びケース50との間
に第3速ギヤ列G3、リバースギヤ列GR、及びパーキング
ギヤGPを収容し得る空間が画成されている。具体的に
は、第3速ギヤ列G3は、3速ドライブギヤG3aがメイン
シャフト6上にニードルベアリング57により回転可能に
嵌装されると共に、該3速ドライブギヤG3aに係合する
3速ドリブンギヤG3bは第2速クラッチC2のクラッチド
ラム56の外周面の一端部に一体に形成されている。更
に、該外周面の中間部にはパーキングGPが一体に形成さ
れている。
更に又、クラッチドラム56の外周面の他端部にはリバ
ースギヤ列GRのリバースドリブンギヤGRbが一体に形成
されている。リバースギヤ列GRは摺動噛合式のものであ
り、リバースドリブンギヤGRbはケース50に固定された
シャフト58上に摺動可能に嵌装されたリバースアイドラ
ギヤGRcと噛合可能に配され、該リバースアイドラギヤG
Rcはメインシャフト6上に一体回転可能にスプライン嵌
合されたリバースドライブギヤGRaと噛合可能に配され
ている。
このように、第2速クラッチC2の外周に第3速ギヤ、
パーキングギヤ及びリバースギヤを配置したので、変速
機の軸方向寸法を更に縮少することが出来る。
この実施例ではメインクラッチ1としてトルクコンバ
ータに代えて乾式単板クラッチを採用したため変速クラ
ッチへの最大入力トルクが小さく、従って第2速クラッ
チC2の外径を小さく設計することが可能となった。しか
しながら、第2速クラッチC2はカウンタシャフト53上に
配置されるために比較的大きいトルク容量を必要とし、
このため必要トルク容量を確保するために他の変速クラ
ッチC3,C4よりもクラッチプレートの数が多くなってい
るが、その反面、リバースアイドラギヤGRcの摺動スペ
ースが確保できると共に、第3速ギヤG3b、リバースギ
ヤGRbを第2速クラッチC2上にオーバラップして配置す
ることができる。
更に、ケース50のすりばち形状を考慮して外径の大き
いリバースギヤ列GRを上述のように第3速ギヤ列G3の次
にエンジンに近い位置に配置した。
リバースギヤ列G2の反エンジン側に隣接して、メイン
シャフト6上に一体回転可能にスプライン嵌装された第
2速ドライブギヤG2aと、カウンタシャフト53上にニー
ドルベアリング59を介して回転可能に嵌装され2速ドラ
イブギヤG2aと噛合う第2速ドリブンギヤG2bとから成る
第2速ギヤ列G2が配置されている。
更に、前記2速ギヤ列G2の反エンジン側に隣接して、
メインシャフト6上に一体回転可能にスプライン嵌装さ
れた第1速ドライブギヤG1aと、カウンタシャフト53上
にニードルベアリング60を介して回転可能に嵌装され第
1速ドライブギヤG1aと噛合う第1速ドリブンギヤG1bと
から成る第1速(LOW)ギヤ列G1が配置されている。
前述した従来の自動変速機では第1速ギヤ列はエンジ
ンから最も遠い位置に配置していたが、本発明の自動変
速機ではケース50のすりばち形状を考慮して外径の大き
い第1速ギヤ列G1は比較的エンジンに近い位置に配置し
ている。
第1速ドリブンギヤG1bにはワンウェイクラッチC0
噛合し、該ワンウェイクラッチC0はカウンタシャフト53
にニードルベアリング61を介して回転可能に嵌合された
インナハブ62に噛合している。該インナハブ62に隣接し
てセレクタハブ63がカウンタシャフト53上に一体回転可
能にスプライン嵌装され、セレクタハブ63の外周のチャ
ンファに係合しインナハブ62の外周のチャンファと係合
可能なセレクタスリーブ64によりインナハブ62と一体回
転可能に係合するようになっている。即ち、セレクタス
リーブ64を第1図において左方の第1速位置Lにシフト
するとインナハブ62とセレクタハブ63とが噛合係合し、
中間のニュートラル位置Nにシフトすると両者間の係合
が外れる。尚、セレクタスリーブ64を右方の後退位置R
にシフトすると、インナハブ62とセレクタハブ63間は非
係合のままであるが、後述するように、車室内のマニュ
アルシフトレバー(図示せず)を後退位置にシフトする
と、リバースアイドラギヤGRcを摺動駆動するシフトロ
ッド67(第3図)が該リバースアイドラギヤGRcを後退
位置にするように油圧駆動されると共に、このときのシ
フトロッド67の移動に連動してセレクタスリーブ64が後
退位置Rにシフトされる。
ワンウェイクラッチC0はメインシャフト6からカウン
タシャフト53への駆動トルクのみを伝達し、反対方向の
トルクは伝達しない。
メインシャフト6上には第1速ドライブギヤG1aの反
エンジン側に隣接して第4速クラッチC4が配置され、そ
のクラッチドラムはメインシャフトと一体回転可能にス
プライン嵌装され、この第4速クラッチC4のクラッチプ
レートにスプライン係合して第4速ギヤ列G4のドライブ
ギヤG4aがニードルベアリング65を介してメインシャフ
ト6に対し回転可能に嵌装されている。第4速ドライブ
ギヤG4aに噛合する第4速ドリブンギヤG4bがカウンタシ
ャフト53上に一体回転可能にスプライン嵌合している。
このように、すりばち状のケース50の頂部となる最も
エンジンから遠い個所には外径が最も小さい第4速ギヤ
列G4が配置されている。これに応じて上述したように、
エンジンに最も近い個所に第3速クラッチC3及び第3速
ギヤ列G3を配置したのである。
カウンタシャフト53の出力ギヤ53aは差動装置3に連
結されたファイナルシャフト91上の出力ギヤ(ファイナ
ルドライブギヤ)92と噛合している。
各変速クラッチC2−C4には互いに独立した差動油供給
経路100,101,102が接続され、図示しない制御装置から
の制御信号により応動する図示しない油圧切換機構から
各変換クラッチに作動油が供給される。
第3図は上述した第1図の自動変速機におけるリバー
スギヤ列GR及びセレクタスリーブ64の駆動機構を示す一
部断面図である。
前述したようにリバースギヤ列GRは摺動噛合式である
が、これはメインクラッチ1が乾式単板クラッチから成
るので、クラッチオフ時の引きずりがなく、摺動噛合式
でも後退位置へのシフトが円滑に行われるためであり、
常時噛合式のように高回転時の相対回転差が大きいこと
による不具合がなく、且つ構造も簡略化できると云う利
点もある。
セレクタスリーブ64は連結レバー66を介してシフトロ
ッド67に連結されている。該シフトロッド67の一端には
油圧アクチュエータ68が接続され、他端には爪部69aが
リバースアイドラギヤGRcに係合するリバースフォーク6
9が連結されている。
油圧アクチュエータ68は、第1、第2の作動油圧供給
ポート70,71が形成されたハウジング72と、該ハウジン
グ72の開口端を閉塞するばね座部材73と、シフトロッド
67の前記一端に一体に形成されハウジング72内のシリン
ダ74に摺動可能に嵌装されたピストン75と、該ピストン
75とばね座部材72間でシリンダ74に摺動自在に嵌装され
た自動ピストン76と、シリンダ72の一端壁とピストン75
間に介在された第1のばね77と、自由ピストン76とばね
座部材73間に介在された第2、第3のばね78,79とから
成る。
この油圧アクチュエータ68は、図示しない油圧切換機
構に接続され、該機構は図示しないマニュアルシフトレ
バーのシフト位置に応じて油圧切換信号を供給する図示
しない制御装置に接続されている。
一方、リバースフォーク69は、ケース50に固定された
支軸80に回動可能に装着されると共に、シフトロッド67
の前記他端に植設されたピン81が係合した屈曲スロット
82が形成されている。従って、シフトロッド67が油圧ア
クチュエータ68により第3図中左又は右方向に移動する
につれて支軸80を中心に回動し、その際ピン81が屈曲ス
ロット82に沿って移動して該スロット82の両端に一方に
至るとリバースフォーク69は安定状態になる。
上述した駆動機構の作動を説明すると、先ずマニュア
ルシフトレバーがニュートラル位置にあるときは油圧切
換機構からは第1、第2の油圧供給ポート70,71のいず
れにも作動油が供給されない。従って、ピストン75は第
3図(a)において第1のばね77により右方に変位す
る。第1、第2、第3のばね77,78,79の夫々のばね力を
A,B,Cとすると、これらの間の関係はA<B+Cであ
り、従って、ニュートラル位置ではピストン75が右方に
変位して自由ピストン76に当接しても後者は第2、第3
のばね78,79により左方に押圧変位されてそのフランジ
部76aがハウジング72の肩部72aに当接する左方極端位置
に至る。従って、ピストン75は第3図(a)において二
点鎖線で示すように左方に偏倚した自由ピストン76に当
接した状態のニュートラル位置に安定保持される。この
とき、シフトロッド67のピン81はリバースフォーク69の
屈曲スロット82の中間位置(二点鎖線)にあるのでリバ
ースアイドラギヤGRcはリバースドライブギヤGRa及びリ
バースドリブンギヤGRcと噛合しない位置にある。
上述のピストン75の変位はシフトロッド67、連結部材
66を介してセレクタスリーブ64に伝達され、該セレクタ
スリーブ64は第3図(a)に二点鎖線で示すニュートラ
ル位置Nを執り、インナハブ62とセレクタハブ63とは非
係合の状態におかれる。
次に、マニュアルシフトレバーがDレンジ、Lレンジ
等の前進位置にシフトされると、油圧切換機構から第2
の油圧供給ポート71にのみ油圧が供給される。この油圧
をPとすると、 A<P の関係が成立する。このとき自由ピストン76は第2、第
3のばね78,79によりニュートラル位置と同じ左方極端
位置に保持されたままであるが、自由ピストン76に穿設
したオイル通過孔76bを介して作動油圧がピストン75に
作用するので、上記関係によりピストン75は第3図
(a)に実線で示す左方極端位置に変位し保持される。
このピストン75の変位はシフトロッド67、連結部材66を
介してセレクタスリーブ64に伝達され該スリーブ64は第
3図(a)に実線で示す左方、即ち前進位置Lに変位し
てインナハブ62とセレクタハブ63とを係合させる。この
ときシフトロッド67の変位に伴ってそのピン81が屈曲ス
ロット82の左側辺に沿って移動してその左端に係合保持
されるが、該左側辺はシフトロッド67の軸に平行なため
シフトフォーク69は回動せずニュートラル位置に保持さ
れたままである。
一方、マニュアルシフトレバーが後退位置にシフトさ
れると、油圧切換機構から第1の油圧供給ポート70にの
み油圧Pが供給される。この油圧Pと第1のばね77の力
との和と第2、第3のばね78,79の和との関係は A+P>B+C が成立する。従って、ピストン75は自由ピストン76を第
2、第3のばね78,79の合成ばね力に抗して第3図
(b)に示すようにばね座部材73に当接する位置まで押
圧変位する。この結果、セレクタハブ64は同図(b)に
示すように右方位置に変位しインナハブ62とセレクタハ
ブ63とが非係合になる。同時にシフトロッド67の変位に
伴ってそのピン81が屈曲スロット82の図において右側辺
に沿って移動して該スロット82の右端に係合保持され、
これに応じてシフトフォーク69は第3図(b)の後退位
置に回動する。従って、リバースアイドラギヤGRcがリ
バースドライブギヤGRc及びリバースドリブンギヤGRbに
噛合う状態に至る。
次に上述した構成の本発明の自動変速機の作動を述べ
る。
車両の発進時や走行時等に油圧アクチュエータ5の作
動室44に作動油圧を供給すると、該作動油圧によりピス
トン17は摺動変位してプレッシャプレート13を押圧し、
クラッチフェーシング10,11を摩擦係合せしめ、メイン
クラッチ1が接続される。一方、車両の停止時等に作動
室44の油圧を解除すればピストン17は反クラッチフェー
シング10,11側に後退するので、メインクラッチ1は解
離される。メインクラッチの接続状態において、エンジ
ン回転数が上昇すると遠心力によりバランサウエイト25
が半径方向外方に変位してピストン17に反クラッチフェ
ーシング10,11側の作用力を及ぼし、遠心油圧をキャン
セルする。
油圧アクチュエータ68によりセルクタスリーブ64が前
進位置Lに保持されているときは、第1速ギヤ列G1が確
立し、メインシャフト6から第1速ギヤ列G1、ワンウェ
イクラッチC0、インナハブ62、及びセレクタハブ63を介
してトルクがカウンタシャフト53に伝達される。
次に、セレクタスリーブ64を前進位置Lに保持したま
まで、第2速クラッチC2に作動油圧を供給しこれを接続
すると、第2速ドリブンギヤG2bがカウンタギヤ53に連
結されて第2速ギヤ列G2が確立し、この第2速ギヤ列G2
を介してメインシャフト6からカウンタシャフト53にト
ルクが伝達される。この際、第1速ギヤG1のドライブギ
ヤG1aからドリブンギヤG1bにトルクが伝達されるが、ワ
ンウェイクラッチC0の働きによって第1速とはならず第
2速ギヤ列G2が確立し、これは第3速、第4速のときも
同様である。第2速クラッチC2を解除して第3クラッチ
C3を接続すれば、第3速ドライブギヤG3aがメインシャ
フト6に連結されて第3速ギヤ列G3が確立し、メインシ
ャフト6から第3速ギヤ列G3及び第2速クラッチC2のク
ラッチドラム56を介してカウンタシャフト53にトルクが
伝達される。また、第3速クラッチC3を解除して第4速
クラッチC4を接続すれば、第4速ドライブギヤG4aがメ
インシャフト6に連結された第4速ギヤ列G4が確立す
る。
また、油圧アクチュエータ68によりリバースアイドラ
ギヤGRcを後退位置にシフトすると、該ギヤGRcはリバー
スドライブギヤGRa、リバースドリブンギヤGRbに噛合し
てリバースギヤ列GRが確立しメインシャフト6からカウ
ンタシャフト53に後退トルクが伝達される。
カウンタシャフト53に伝達されたトルクは該シャフト
53の端部に設けた出力ギヤ51から差動装置3の大径の出
力ギヤ92に伝達される。
次に、図示の実施例の各変速クラッチC2−C4の作動室
内の作動油を排出させる排出弁について説明する。
先ず、従来の排出弁は第5図(a),(b)に示すよ
うに構成されている。
第5図(a),(b)において、変速クラッチのピス
トン103には、クラッチプレートを収容する低圧室104と
ピストン103を駆動するための油圧が導入されるべき高
圧室105との間を連通する通孔106が穿設されており、該
通孔106の高圧室105側の開口部を開閉し得るようにリー
ド弁107がリベット108によりピストン103の一端面に取
付けられている。リード弁107は外力を受けない状態に
あってはそれ自身の弾性力により反通孔106側に反って
通孔106を開くが、高圧室105の内圧がクラッチ係合圧以
上のとき、該内圧により通孔106を閉じるように構成さ
れている。2個のリベット109によりピストン103の前記
端面に固着されているストッパ板110は、通孔103の開度
を必要最小限に保つべくリード弁107の開度を制限する
ためのものである。リード弁107の上端部にはリード弁
の動作を安定にするための重り111が設けてある。
変速クラッチ解除時に前記高圧室105内への油圧の供
給が断たれると、リード弁107が開口して低圧室104の残
圧が通孔106を介して排出される。
しかしながら、近年のエンジンの高回転化により変速
クラッチの回転により生じる遠心力により低圧室104の
半径方向外側部分内の油圧、即ち第5図(b)にlで示
す部分の残留油が迅やかに排出されず、残圧として作用
して変速クラッチが完全に遮断しないことがあると云う
問題点があった。
第4図(a),(b)は、本発明の自動変速機の変速
クラッチに設けられた排出弁の構造を示す。同図におい
て第5図(a),(b)と対応する要素及び部分には同
一符号を付して示す。
本発明の排出弁に依れば、通孔106は重り111に略対応
する半径方向位置、即ち、上述した従来の排出弁に比し
てより半径方向外方の位置に形成されている。ピストン
103の高圧室105側端面に通孔106と同心に形成された凹
部112にカラー113が嵌合され、該カラー113の一部は凹
部112から突出し、その通孔114が通孔106に整合してい
る。カラー113の外端面はテーパ状になっており、リー
ド弁107は外力を受けない状態ではその弾発力により重
り111がカラー113の前記外端面と若干の間隔をおいた状
態にあって通孔114を開口している。高圧室105内の圧力
がクラッチ係合圧以上になるとリード弁107の変形によ
り重り111がカラー113の前記外端面に面接触してその通
孔114を閉じるようになっている。ストッパ110はリード
弁107の止着手段を兼ねる2個のリベット108によりピス
トン103に固着されている。
このように、排出用通孔106を半径方向外方位置に配
したことにより低圧室104内の残留油が残る領域は第4
図(b)にl′で示すように、従来の排出弁に比して大
幅に減少し、従って変速クラッチ解除時に低圧室104内
の作動油が迅やかに効率良く排出できる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の請求項1によれば、エ
ンジンに接続されるメインクラッチと、該メインクラッ
チに接続されたメインシャフトと、該メインシャフトに
平行に延びるカウンタシャフトと、前記メインシャフト
及びカウンタシャフト上に軸方向の異なる位置にて配列
された複数の変速クラッチと、前記カウンタシャフト上
に設けられた出力ギヤとを備える自動変速機において、
前記複数の変速クラッチのうち前記エンジンに最も近い
第1の変速クラッチを前記カウンタシャフト上の出力ギ
ヤと同一軸方向位置で前記メインシャフト上に配置する
と共に、第2の変速クラッチを前記第1の変速クラッチ
に次いでエンジンに近い軸方向位置で前記カウンタシャ
フト上に配置し、該第2の変速クラッチは縮径されて該
第2の変速クラッチと前記メインシャフト及びハウジン
グとの間に空間が画成され、該空間内において前記第2
の変速クラッチの外周に前記第1の変速クラッチに係合
する第1の変速ギヤを配置したので、自動変速機の軸方
向寸法が従来のものに比して大幅に減少し、小型軽量化
を図ることが出来ると共に、エンジンの高回転化に対応
することが可能である。
また、本発明の請求項2に依れば、リバースアイドラ
ギヤを前記空間内に摺動可能に配置すると共に前記第2
の変速クラッチの外周にリバースドリブンギヤを配置し
たので、更にエンジンの高回転化により良く対応するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る自動変速機の全体構成
を示す縦断面図、第2図はメインクラッチの油圧アクチ
ュエータの拡大部分断面図、第3図(a),(b)はリ
バースギヤ列及びセレクタスリーブの駆動機構を示す断
面図、第4図(a),(b)は本発明の自動変速機の変
速クラッチの排出弁の端面図及び断面図、第5図
(a),(b)は従来の排出弁の端面図及び断面図であ
る。 1……メインクラッチ、2……変速機、6……メインシ
ャフト、53a……出力ギヤ、53……カウンタシャフト、C
2−C4……第2−第4速クラッチ(変速クラッチ)、G1
−G4……第1−第4速ギヤ列、GR……リバースギヤ列、
GRb……リバースドリブンギヤ、GRc……リバースアイド
ラギヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井口 晃 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−90456(JP,A) 実開 昭52−110276(JP,U) 実開 昭58−20753(JP,U) 実開 昭53−149184(JP,U) 特公 昭58−24657(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 3/00 - 3/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに接続されるメインクラッチと、
    該メインクラッチに接続されたメインシャフトと、該メ
    インシャフトに平行に延びるカウンタシャフトと、前記
    メインシャフト及びカウンタシャフト上に軸方向の異な
    る位置にて配列された複数の変速クラッチと、前記カウ
    ンタシャフト上に設けられた出力ギヤとを備える自動変
    速機において、前記複数の変速クラッチのうち前記エン
    ジンに最も近い第1の変速クラッチを前記カウンタシャ
    フト上の出力ギヤと同一軸方向位置で前記メインシャフ
    ト上に配置すると共に、第2の変速クラッチを前記第1
    の変速クラッチに次いでエンジンに近い軸方向位置で前
    記カウンタシャフト上に配置し、該第2の変速クラッチ
    は縮径されて該第2の変速クラッチと前記メインシャフ
    ト及びハウジングとの間に空間が画成され、該空間内に
    おいて前記第2の変速クラッチの外周に前記第1の変速
    クラッチに係合する第1の変速ギヤを配置したことを特
    徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】リバースアイドラギヤを前記空間内に摺動
    可能に配置すると共に前記第2の変速クラッチの外周に
    リバースドリブンギヤを配置したことを特徴とする請求
    項1記載の自動変速機。
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