JP2857645B2 - 防錆被覆pc鋼材 - Google Patents

防錆被覆pc鋼材

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JP2857645B2
JP2857645B2 JP4867396A JP4867396A JP2857645B2 JP 2857645 B2 JP2857645 B2 JP 2857645B2 JP 4867396 A JP4867396 A JP 4867396A JP 4867396 A JP4867396 A JP 4867396A JP 2857645 B2 JP2857645 B2 JP 2857645B2
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保男 田口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボンドタイプのプ
レストレストコンクリート構造に使用されるPC鋼棒、
PCストランド等のPC鋼材であって、合成樹脂製の防
錆被膜を有する防錆被覆PC鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】プレストレストコンクリート構造におい
ては、近年、合成樹脂製の防錆被膜を有する防錆被覆P
C鋼材が使用されている。この防錆被覆PC鋼材をボン
ドタイプに使用する場合には、コンクリート又は硬化性
グラウトとの付着性を向上する必要があり、そのため、
特開平7−238482号公報には、防錆被膜の表面に
多数の小凹部を成形した防錆被覆PCストランドが開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の防錆被
覆PCストランドにあっては、防錆被膜を構成する合成
樹脂が長年月により劣化した場合や火災等の高温度によ
り軟化した場合、防錆被膜の表面の小凹部が破壊され
て、コンクリート又は硬化性グラウトとの付着性が低下
する可能性があるという問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
コンクリート又は硬化性グラウトとの付着力が大きく、
かつ、付着力が低下しない防錆被覆PC鋼材の提供を目
的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
PC鋼材の外周表面に合成樹脂製の防錆被膜が設けられ
た防錆被覆PC鋼材において、付着用線材が外周に螺旋
状に巻き付けられ、該付着用線材は、前記防錆被膜を貫
通して前記PC鋼材の外周表面に圧着し、かつ、前記防
錆被膜から外部に突出したことにある。
【0006】なお、PC鋼材が複数の単素線からなるP
Cストランド等の場合には、該単素線間の凹状部分にお
いて付着用線材が防錆被膜から外部に突出していること
が好ましい。
【0007】また、PC鋼材がPC鋼棒の場合には、付
着用線材の高さが防錆被膜の厚さに比して大きく、該付
着用線材の外周側部分が防錆被膜から外部に突出してい
ることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
ついて説明する。図1〜図3は本発明の実施の形態の第
1例を示している。図において、10はPC鋼棒、17
はPC鋼棒10の外周表面に形成された合成樹脂製の防
錆被膜、19,19,19は防錆被覆PC鋼棒の外周に
螺旋状に巻き付けられた付着用線材である。
【0009】付着用線材19の高さ(外径)は防錆被膜
17の厚さより大きく、付着用線材19,19,19
は、内周側部分が防錆被膜17の内部に入り込んで防錆
被膜17を貫通してPC鋼棒10の外周表面(地肌)に
圧着し、外周側部分が防錆被膜17から外部に突出した
状態になっている。
【0010】付着用線材19,19,19をこのような
状態に巻き付けるには、防錆被膜17を構成する合成樹
脂を押出成形機を介して加熱溶融してPC鋼棒10の外
周表面に付着させた後、この合成樹脂を冷却装置により
冷却硬化させる前に、付着用線材19,19,19を撚
り合せ装置を介して合成樹脂に喰い込ませるように巻き
付けることによって、行うことができる。
【0011】なお、付着用線材19としては、細径
(0.2〜1.0mm)のメッキ加工した鋼線、ステン
レス鋼線、FRP線等が好ましい。また、付着用線材1
9の断面形状は、円形でも多角形でもよい。
【0012】このように構成される防錆被覆PC鋼棒
は、ボンドタイプのプレストレストコンクリート構造に
使用した場合、防錆被膜17から外周側へ突出した付着
用線材19,19,19の外周側部分がコンクリート又
は硬化性グラウトと機械的に噛み合うのでコンクリート
又は硬化性グラウトとの付着性が向上する。
【0013】そして、PC鋼棒10とコンクリート又は
硬化性グラウトとの両者に直接係合した付着用線材1
9,19,19により、防錆被膜17を介さずにPC鋼
棒10とコンクリート又は硬化性グラウトとの付着力を
得ることができるので、防錆被膜17を構成する合成樹
脂が劣化、軟化しても、コンクリート又は硬化性グラウ
トとの付着力の低下を防止することができる。
【0014】図4〜図6は本発明の実施の形態の第2例
を示している。図において、20はPCストランドであ
り、PCストランド20は、1本の単素線21(PC鋼
線)を中心にして6本の単素線21,21……を螺旋状
に巻き付けて構成されている。そして、PCストランド
20の外周表面には防錆被膜17がPCストランド20
の外形と略相似形に形成され、防錆被覆PCストランド
の外周には付着用線材19,19,19が螺旋状に巻き
付けられている。なお、第1例と同一部分については、
同一符号を付して説明を省略する。
【0015】付着用線材19,19,19は、PCスト
ランド20の単素線(側線)21,21……の撚り方向
とは逆向きに巻き付けられており、PCストランド20
の単素線(側線)21,21間の螺旋形凹状(谷状)部
分においては、全体(外周側部分及び内周側部分)が防
錆被膜17から外部に突出し、単素線(側線)21,2
1間に橋を架けたような状態になっている。
【0016】なお、付着用線材19,19,19は、P
Cストランド20の螺旋形凸状(山状)部分において、
内周側部分が防錆被膜17の内部に入り込んで防錆被膜
17を貫通して単素線21,21……の外周表面(地
肌)に圧着し、外周側部分が防錆被膜17から外部に突
出した状態になっている。
【0017】このように構成される防錆被覆PCストラ
ンドは、ボンドタイプのプレストレストコンクリート構
造に使用した場合、付着用線材19,19,19の橋架
部分(PCストランド20の螺旋形凹状部分に対応する
部分)がコンクリート又は硬化性グラウト中に埋め込ま
れ、コンクリート又は硬化性グラウトとの付着性が更に
向上する。
【0018】図7は本発明の実施の形態の第3例を示し
ている。なお、第1例、第2例と同一部分については、
同一符号を付して説明を省略する。
【0019】付着用線材19の高さ(外径)は防錆被膜
17の厚さより小さく、付着用線材19,19,19
は、PCストランド20の螺旋形凸状部分においては防
錆被膜17の内部に入り込み、PCストランド20の螺
旋形凹状部分において防錆被膜17から外部に突出した
状態となっている。即ち、付着用線材19は防錆被膜1
7の外径内に収まっている。
【0020】このように構成される防錆被覆PCストラ
ンドは、ボンドタイプのプレストレストコンクリート構
造に使用した場合、付着用線材19,19,19の橋架
部分がコンクリート又は硬化性グラウト中に埋め込ま
れ、コンクリート又は硬化性グラウトとの十分な付着性
が得られる。また、緊張作業に際して、付着用線材1
9,19,19がシース内面と接触しないので、摩擦力
が小さく、作業性が向上する。
【0021】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る防錆被覆P
C鋼材は、付着用線材を外周に巻き付けて、この付着用
線材を、防錆被膜を貫通してPC鋼材の外周表面に圧着
し、かつ、防錆被膜から外部に突出させることによっ
て、付着用線材がPC鋼材とコンクリート又は硬化性グ
ラウトとの両者に直接係合するので、防錆被膜を介さず
にコンクリート又は硬化性グラウトに対して十分な付着
力を得ることができ、防錆被膜を構成する合成樹脂が劣
化、軟化しても付着力が低下しない。
【0022】また、PCストランド等の複数の単素線か
らなるPC鋼材の場合、単素線間の凹状部分において付
着用線材を防錆被膜から外部に突出させることができ、
これによって、更に大きな付着力を得ることができる。
【0023】また、PC鋼棒の場合、付着用線材の高さ
を防錆被膜の厚さに比して大きくして、付着用線材の外
周側部分を防錆被膜から外部に突出させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防錆被覆PC鋼材の実施の形態の
第1例を示す側面図である。
【図2】図1の拡大横断面図である。
【図3】図1の拡大縦断面図である。
【図4】本発明に係る防錆被覆PC鋼材の実施の形態の
第2例を示す側面図である。
【図5】図4の拡大横断面図である。
【図6】図4の拡大縦断面図である。
【図7】本発明に係る防錆被覆PC鋼材の実施の形態の
第3例を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 PC鋼棒 17 防錆被膜 19 付着用線材 20 PCストランド 21 単素線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−238482(JP,A) 特開 平5−302403(JP,A) 特開 平4−92047(JP,A) 特開 平4−89950(JP,A) 特開 昭60−203761(JP,A) 特開 平4−89949(JP,A) 実開 平3−105513(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 5/03 D07B 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PC鋼材の外周表面に合成樹脂製の防錆
    被膜が設けられた防錆被覆PC鋼材において、 付着用線材が外周に螺旋状に巻き付けられ、該付着用線
    材は、前記防錆被膜を貫通して前記PC鋼材の外周表面
    に圧着し、かつ、前記防錆被膜から外部に突出したこと
    を特徴としてなる防錆被覆PC鋼材。
  2. 【請求項2】 PC鋼材は複数の単素線からなり、該単
    素線間の凹状部分において付着用線材が防錆被膜から外
    部に突出してなる請求項1に記載の防錆被覆PC鋼材。
  3. 【請求項3】 PC鋼材はPC鋼棒であり、付着用線材
    の高さが防錆被膜の厚さに比して大きく、該付着用線材
    の外周側部分が防錆被膜から外部に突出してなる請求項
    1に記載の防錆被覆PC鋼材。
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