JP2510232B2 - 構造用引張材 - Google Patents
構造用引張材Info
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- JP2510232B2 JP2510232B2 JP1662288A JP1662288A JP2510232B2 JP 2510232 B2 JP2510232 B2 JP 2510232B2 JP 1662288 A JP1662288 A JP 1662288A JP 1662288 A JP1662288 A JP 1662288A JP 2510232 B2 JP2510232 B2 JP 2510232B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、斜張橋等の構造物のケーブル部に使用され
る構造用引張材に係るものである。
る構造用引張材に係るものである。
(従来の技術) 本発明に係る構造用引張材は、斜張橋、吊屋根等の吊
構造物のケーブル部に使用されるが、例えば、第6図の
概念図に示すように塔Aと桁Bとの間にアンカーCで定
着され、架設されている。
構造物のケーブル部に使用されるが、例えば、第6図の
概念図に示すように塔Aと桁Bとの間にアンカーCで定
着され、架設されている。
そして、この構造用引張材(以下、単に引張材とす
る。)は、140〜250 kg/mm2の引張強度を有する鋼線か
らなる素線(1)を複数本平行に束ねた素線束(2)を
構成し、これを熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で被
覆し、その全体断面は第7図及び第8図の断面図にある
通り、概ね円形に構成するか、概ね六角形に構成してい
る。
る。)は、140〜250 kg/mm2の引張強度を有する鋼線か
らなる素線(1)を複数本平行に束ねた素線束(2)を
構成し、これを熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で被
覆し、その全体断面は第7図及び第8図の断面図にある
通り、概ね円形に構成するか、概ね六角形に構成してい
る。
更に、素線束(2)にパイプを被せ、それらの間にセ
メントミルクやセメントモルタル等の防食材を注入充填
した構成の引張材も利用されている。
メントミルクやセメントモルタル等の防食材を注入充填
した構成の引張材も利用されている。
ところが、前記引張材にあっては、パイプ等の可撓性
が充分でなく巻き取り作業に支障が生じていた。
が充分でなく巻き取り作業に支障が生じていた。
(発明が解決しようとする課題) 前掲の通り、従来の引張材では次の問題点を抱えてい
る。即ち、 素線束(2)にパイプを被せ、それらの間にセメント
ミルクやセメントモルタル等の防食材を注入充填した構
成の引張材においては、防食材として用いられているセ
メントミルクやセメントモルタル等は、時間経過によっ
て完全に硬化する性質をもった材料であるから、素線束
(2)やパイプの可撓性が殺されてしまい引張材全体が
一体の剛体物となって折り曲げることが困難となり、工
場で生産し、コイル状に巻いて現地輸送する事ができな
かった。
る。即ち、 素線束(2)にパイプを被せ、それらの間にセメント
ミルクやセメントモルタル等の防食材を注入充填した構
成の引張材においては、防食材として用いられているセ
メントミルクやセメントモルタル等は、時間経過によっ
て完全に硬化する性質をもった材料であるから、素線束
(2)やパイプの可撓性が殺されてしまい引張材全体が
一体の剛体物となって折り曲げることが困難となり、工
場で生産し、コイル状に巻いて現地輸送する事ができな
かった。
従って、常に現地でケーブル架設後、防食材を注入充
填作業をせざるを得なかった。
填作業をせざるを得なかった。
素線(1)を複数本傾向に束ねた素線束(2)を構成
し、これを熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で被覆し
た構成の引張材においては、素線束(2)の外周は全体
から見て凹凸になっており、これに直接被覆材(3)を
被覆するので、被覆材(3)は各素線(1)と直接接着
し、その結果、各素線(1)相互間の移動が阻害され、
引張材全体が一体の剛体物となって折り曲げることが困
難となり、当該引張材を巻き取る際に各素線(1)相互
間の移動が拘束される。
し、これを熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で被覆し
た構成の引張材においては、素線束(2)の外周は全体
から見て凹凸になっており、これに直接被覆材(3)を
被覆するので、被覆材(3)は各素線(1)と直接接着
し、その結果、各素線(1)相互間の移動が阻害され、
引張材全体が一体の剛体物となって折り曲げることが困
難となり、当該引張材を巻き取る際に各素線(1)相互
間の移動が拘束される。
このため、工場で生産し、コイル状に巻取る事が極め
て困難となり、また、一旦巻取った引張材を伸長する場
合には引張材自体に巻き癖が残っているので、現場での
使用に供し得ない。
て困難となり、また、一旦巻取った引張材を伸長する場
合には引張材自体に巻き癖が残っているので、現場での
使用に供し得ない。
また、この点について素線束(2)の外周に油等の潤
滑剤を塗布して解決するようにした例があるが、この潤
滑剤が被覆材(3)の素線束(2)への接着力を弱めた
り、潤滑剤それ自体によって被覆層へ内圧を与え、その
上、被覆材(3)の縦継目から漏れだし、耐久性が劣下
するとの問題点がある。
滑剤を塗布して解決するようにした例があるが、この潤
滑剤が被覆材(3)の素線束(2)への接着力を弱めた
り、潤滑剤それ自体によって被覆層へ内圧を与え、その
上、被覆材(3)の縦継目から漏れだし、耐久性が劣下
するとの問題点がある。
他方、外観形状の観点から観れば、被覆材(3)の外
周が凹凸となるので、円形にすることが不可能となり、
斜張橋、吊屋根等の吊構造物のケーブル部に架設した場
合には、風の影響を受け易く、一般にギャロッピング振
動と言われている振動が生じ、安全上好ましくない。
周が凹凸となるので、円形にすることが不可能となり、
斜張橋、吊屋根等の吊構造物のケーブル部に架設した場
合には、風の影響を受け易く、一般にギャロッピング振
動と言われている振動が生じ、安全上好ましくない。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述の諸点に鑑み成されたものであって、
引張材を巻き取る際に各素線(1)相互間の移動を拘束
せず、コイル状に巻取る巻き取り作業が円滑に行う事が
でき、且つ架設時に風の影響による振動を最小限とする
と共に防錆潤滑剤の漏洩がない実用的な引張材を提供す
ることを目的とし、その引張材の構成を、複数本の素線
を束ねて構成される素線束の外周に熱可塑性樹脂材等の
高分子材料からなる被覆材で被覆されてなる構造用引張
材において、前記素線束を構成する素線間に防錆潤滑剤
を充填し、素線束の外周と被覆材との間に、当該素線束
間の相互移動を許容する分離材が配設し、更に、素線束
の外周と分離材との間に、当該素線束を概ね円形に成形
する整形部材が配設してなる構成を採用した。
引張材を巻き取る際に各素線(1)相互間の移動を拘束
せず、コイル状に巻取る巻き取り作業が円滑に行う事が
でき、且つ架設時に風の影響による振動を最小限とする
と共に防錆潤滑剤の漏洩がない実用的な引張材を提供す
ることを目的とし、その引張材の構成を、複数本の素線
を束ねて構成される素線束の外周に熱可塑性樹脂材等の
高分子材料からなる被覆材で被覆されてなる構造用引張
材において、前記素線束を構成する素線間に防錆潤滑剤
を充填し、素線束の外周と被覆材との間に、当該素線束
間の相互移動を許容する分離材が配設し、更に、素線束
の外周と分離材との間に、当該素線束を概ね円形に成形
する整形部材が配設してなる構成を採用した。
(作用) 本発明に係る引張材の構成を前掲の通りにした理由
は、以下の通りである。
は、以下の通りである。
素線束を構成する素線間に防錆潤滑剤を充填した構成
を採用したのは、防錆潤滑剤が被覆材(3)の素線束
(2)への接着力を弱めたり、防錆潤滑剤それ自体が被
覆層に内圧を与えず、加えて、被覆材(3)の縦継目か
ら防錆潤滑剤が洩れることがないようにし、引張材の耐
久性を劣下させない様にするためである。
を採用したのは、防錆潤滑剤が被覆材(3)の素線束
(2)への接着力を弱めたり、防錆潤滑剤それ自体が被
覆層に内圧を与えず、加えて、被覆材(3)の縦継目か
ら防錆潤滑剤が洩れることがないようにし、引張材の耐
久性を劣下させない様にするためである。
そして、本発明の防錆潤滑剤は、素線束を防錆する特
性を有し、高温においても滴下しない油、所謂、無滴点
油(300℃においても滴下せず、むしろ、炭化する油を
言う)を使用している。
性を有し、高温においても滴下しない油、所謂、無滴点
油(300℃においても滴下せず、むしろ、炭化する油を
言う)を使用している。
この無滴点油は、材質;グリース、滴点;無敵点(JI
SK2220)、稠度(硬さ);100/1000(JISK2220)の無滴
点グリースが好ましい。
SK2220)、稠度(硬さ);100/1000(JISK2220)の無滴
点グリースが好ましい。
何故ならば、上記のグリースは、常温でグリース状の
堅さを有し、高温でも軟化しない物性があるので、防錆
潤滑剤それ自体によって被覆層への内圧を与える事が無
く、加えて、被覆材(3)の縦継目から防錆潤滑剤が洩
れださないようにするためである。
堅さを有し、高温でも軟化しない物性があるので、防錆
潤滑剤それ自体によって被覆層への内圧を与える事が無
く、加えて、被覆材(3)の縦継目から防錆潤滑剤が洩
れださないようにするためである。
次に、素線束(2)の外周と被覆材(3)との間に、
当該素線束の相互移動を許容する分離材が配設された構
成を採用したのは、素線束(2)の外周は全体から見て
凹凸になっており、これに直接被覆材(3)を被覆する
と被覆材(3)と各素線(1)とは直接強固に接着し、
その結果、各素線(1)相互間の移動が阻害され、引張
材全体が一体の剛体物となって折り曲げることが困難と
なり、当該引張材を巻き取る際に各素線(1)相互間の
移動が拘束され、巻き取り作業が困難となることを避け
るためである。
当該素線束の相互移動を許容する分離材が配設された構
成を採用したのは、素線束(2)の外周は全体から見て
凹凸になっており、これに直接被覆材(3)を被覆する
と被覆材(3)と各素線(1)とは直接強固に接着し、
その結果、各素線(1)相互間の移動が阻害され、引張
材全体が一体の剛体物となって折り曲げることが困難と
なり、当該引張材を巻き取る際に各素線(1)相互間の
移動が拘束され、巻き取り作業が困難となることを避け
るためである。
上記分離材としては、材質;合成繊維布又はコットン
布、寸法;幅100mm・厚さ0.1mm〜1mm、引張強度;50〜20
0kgのテープを使用している。
布、寸法;幅100mm・厚さ0.1mm〜1mm、引張強度;50〜20
0kgのテープを使用している。
そして、素線束の外周と分離材との間に、当該素線束
を概ね円形に成形する整形部材を配設した構成を採用し
たのは、被覆材(3)の外周が凹凸となり、円形にする
ことが困難となるので、斜張橋、吊屋根等の吊構造物の
ケーブル部に架設した場合に、風の影響を最小限にする
ために、素線束の外周を概ね円形に整形する必要性から
である。
を概ね円形に成形する整形部材を配設した構成を採用し
たのは、被覆材(3)の外周が凹凸となり、円形にする
ことが困難となるので、斜張橋、吊屋根等の吊構造物の
ケーブル部に架設した場合に、風の影響を最小限にする
ために、素線束の外周を概ね円形に整形する必要性から
である。
この整形部材は、径の異なるロープを充填材(フィラ
ー)として素線束の外周に囲撓させ、当該素線束を概ね
円径に予め整形する。
ー)として素線束の外周に囲撓させ、当該素線束を概ね
円径に予め整形する。
この整形部材としては、材質;ポリプロピレン等の合
成繊維、寸法;3〜20mm径、引張強度;5〜700kg/mm2を数
本撚り合わせたロープを使用する。
成繊維、寸法;3〜20mm径、引張強度;5〜700kg/mm2を数
本撚り合わせたロープを使用する。
(実施例) 以下本発明に係る引張材の実施例を第1図乃至第4図
に基ずき詳述する。
に基ずき詳述する。
第1図の斜視断面図における引張材は、繊維材或いは
鋼材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料
からなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本
軸方向に平行に束ね、これら素線(1)相互間に防錆潤
滑材となる無滴点グリース(4)を封入充填して素線束
(2)を構成し、熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で
被覆してなる構成である。
鋼材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料
からなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本
軸方向に平行に束ね、これら素線(1)相互間に防錆潤
滑材となる無滴点グリース(4)を封入充填して素線束
(2)を構成し、熱可塑性樹脂からなる被覆材(3)で
被覆してなる構成である。
尚、上記無滴点グリース(4)は、材質;グリース、
滴点;無滴点(JISK220)、稠度(硬さ);100/1000(JI
SK2220)の無滴点グリースを使用している。
滴点;無滴点(JISK220)、稠度(硬さ);100/1000(JI
SK2220)の無滴点グリースを使用している。
第2図の斜視断面図における引張材は、繊維材或いは
鋼材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料
からなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本
軸方向に平行に束ね、これら素線(1)相互間に防錆潤
滑剤となる無滴点グリース(4)を封入充填して素線束
(2)を構成し、その外周に前記被覆材(3)と素線束
(2)との強い接合を妨げる繊維テープからなる分離材
(5)を囲撓すると共にそれを熱可塑性樹脂からなる被
覆材(3)で被覆してなる構成である。
鋼材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料
からなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本
軸方向に平行に束ね、これら素線(1)相互間に防錆潤
滑剤となる無滴点グリース(4)を封入充填して素線束
(2)を構成し、その外周に前記被覆材(3)と素線束
(2)との強い接合を妨げる繊維テープからなる分離材
(5)を囲撓すると共にそれを熱可塑性樹脂からなる被
覆材(3)で被覆してなる構成である。
尚、上記分離材(5)は、材質;テトロン或いはコッ
トン布、寸法;幅100mm・厚さ1mm、引張強度;50〜200kg
/mm2のテープを使用している。
トン布、寸法;幅100mm・厚さ1mm、引張強度;50〜200kg
/mm2のテープを使用している。
第3図の斜視断面図及び第4図の斜視図における引張
材は、繊維材或いは鋼材からなる芯線の廻りにステンレ
ス鋼等の耐蝕性材料からなる側線を数本撚り合わせた素
線(1)を、複数本軸方向に平行に束ね、これら素線
(1)相互間に棒錆潤滑剤となる無滴点グリース(4)
を封入充填して素線束(2)を構成し、その外周に当該
素線束(2)の外周に径の異なる繊維ロープからなる整
形部材(6)数本を周設し、後述する整形ダイスで概ね
円形となるように整形し、更に、その外周に、前期被覆
材(3)と素線束(2)との強い接合を妨げる繊維テー
プからなる分離材(5)を囲撓すると共にそれを熱可塑
性樹脂からなる被覆材(3)で被覆してなる構成であ
る。
材は、繊維材或いは鋼材からなる芯線の廻りにステンレ
ス鋼等の耐蝕性材料からなる側線を数本撚り合わせた素
線(1)を、複数本軸方向に平行に束ね、これら素線
(1)相互間に棒錆潤滑剤となる無滴点グリース(4)
を封入充填して素線束(2)を構成し、その外周に当該
素線束(2)の外周に径の異なる繊維ロープからなる整
形部材(6)数本を周設し、後述する整形ダイスで概ね
円形となるように整形し、更に、その外周に、前期被覆
材(3)と素線束(2)との強い接合を妨げる繊維テー
プからなる分離材(5)を囲撓すると共にそれを熱可塑
性樹脂からなる被覆材(3)で被覆してなる構成であ
る。
尚、上記整形部材(6)は、材質;ポリプロピレン、
寸法;3〜20mm径、引張強度;5〜700kg/mm2を数本撚り合
わせたロープを使用している。本発明の引張材の構成は
以上の通りであるが、成形手段を第5図の概念図に基ず
き説明する。
寸法;3〜20mm径、引張強度;5〜700kg/mm2を数本撚り合
わせたロープを使用している。本発明の引張材の構成は
以上の通りであるが、成形手段を第5図の概念図に基ず
き説明する。
同図は、前述の第3図及び第4図における引張材の成
形手段の概念を模式的に示しているが、繊維材或いは鋼
材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料か
らなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本軸
方向に平行に束ねた素線束(2)をダイス(7)へ通過
せしめ、その間において当該ダイス(7)に設けた防錆
潤滑剤注入口(8)から防錆潤滑剤(4)(無滴点グリ
ース)を前記素線束(2)を構成する素線(1)間にそ
の芯部まで浸透するように注入充填し、各素線(1)間
の相互移動を容易にする。
形手段の概念を模式的に示しているが、繊維材或いは鋼
材からなる芯線の廻りにステンレス鋼等の耐蝕性材料か
らなる側線を数本撚り合わせた素線(1)を、複数本軸
方向に平行に束ねた素線束(2)をダイス(7)へ通過
せしめ、その間において当該ダイス(7)に設けた防錆
潤滑剤注入口(8)から防錆潤滑剤(4)(無滴点グリ
ース)を前記素線束(2)を構成する素線(1)間にそ
の芯部まで浸透するように注入充填し、各素線(1)間
の相互移動を容易にする。
このようにして素線(1)相互間に防錆潤滑剤となる
無滴点グリース(4)を封入充填して素線束(2)を構
成し、次いで、その外周に、系外に設けた繊維ロープ繰
り出しリール(9)から供給される素線束外周整形用の
異径ロープ(6)数本を巻装し、次位の整形ダイス(1
0)で素線束(2)及び外周整形用の異径ロープ(6)
共々概ね円形となるように整形する。
無滴点グリース(4)を封入充填して素線束(2)を構
成し、次いで、その外周に、系外に設けた繊維ロープ繰
り出しリール(9)から供給される素線束外周整形用の
異径ロープ(6)数本を巻装し、次位の整形ダイス(1
0)で素線束(2)及び外周整形用の異径ロープ(6)
共々概ね円形となるように整形する。
この時、素線束(2)を構成する素線(1)間に注入
充填した無滴点グリース(4)が整形時に浸出し、異径
ロープ(6)に含浸する。
充填した無滴点グリース(4)が整形時に浸出し、異径
ロープ(6)に含浸する。
無滴点グリース(4)が異径ロープ(6)に含浸した
状態で前記整形ダイス(10)通過直後に別設した繊維テ
ープ繰り出しリール(11)から被覆材(3)との接合を
妨げる分離材としての繊維テープ(5)を重合して巻装
するので、前記無滴点グリース(4)は当該繊維テープ
(5)内に封入され、繊維テープ(5)外への浸出は阻
止される。
状態で前記整形ダイス(10)通過直後に別設した繊維テ
ープ繰り出しリール(11)から被覆材(3)との接合を
妨げる分離材としての繊維テープ(5)を重合して巻装
するので、前記無滴点グリース(4)は当該繊維テープ
(5)内に封入され、繊維テープ(5)外への浸出は阻
止される。
繊維テープ(5)の巻装終了した素線束(2)は、図
外の押出機に設置した押出ダイス(12)を通過し、その
外周を200〜300℃に加熱されたプラスチック(本例では
ポリエチレン)で被覆され、その後空冷或いは冷却水で
冷却され、巻取機に巻取られる。
外の押出機に設置した押出ダイス(12)を通過し、その
外周を200〜300℃に加熱されたプラスチック(本例では
ポリエチレン)で被覆され、その後空冷或いは冷却水で
冷却され、巻取機に巻取られる。
以上のようにして成形された引張材は、第6図で説明
した様に斜張橋のケーブル部に架設使用される。
した様に斜張橋のケーブル部に架設使用される。
(発明の効果) 本発明の引張材によれば、素線束を構成する素線間に
防錆潤滑剤を充填した構成を採用したので、素線束
(2)が防錆されるのみならず、この防錆潤滑剤が被覆
材(3)の素線束(2)への接着力を強めたり、斜張橋
等に架設後、太陽熱で加熱されても防錆潤滑剤それ自体
が被覆層への内圧を与えないので、被覆材(3)の縦継
目から洩れだす事がない。
防錆潤滑剤を充填した構成を採用したので、素線束
(2)が防錆されるのみならず、この防錆潤滑剤が被覆
材(3)の素線束(2)への接着力を強めたり、斜張橋
等に架設後、太陽熱で加熱されても防錆潤滑剤それ自体
が被覆層への内圧を与えないので、被覆材(3)の縦継
目から洩れだす事がない。
次に、素線束(2)の外周と被覆材(3)との間に、
当該線束間の相互移動を許容する分離材が配設された構
成を採用したので、素線束(2)の外周は被覆材(3)
と各素線(1)とは直接接着することがないので、各素
線(1)相互間の移動は阻害されず、整形終了後引張材
を巻き取る際には、各素線(1)相互間の移動が拘束さ
れないので、巻き取り作業が円滑に行える利点がある。
当該線束間の相互移動を許容する分離材が配設された構
成を採用したので、素線束(2)の外周は被覆材(3)
と各素線(1)とは直接接着することがないので、各素
線(1)相互間の移動は阻害されず、整形終了後引張材
を巻き取る際には、各素線(1)相互間の移動が拘束さ
れないので、巻き取り作業が円滑に行える利点がある。
更に、素線束の外周と分離材との間に、当該素線束を
概ね円形に成形する整形部材を配設した構成を採用した
ので、被覆材(3)の外周は概ね円形にすることがで
き、斜張橋、吊屋根等の吊構造物のケーブル部に架設し
た場合には、風の影響を最小限とすることができ、引張
材自体を防振性を向上させることができる等の効果を有
する。
概ね円形に成形する整形部材を配設した構成を採用した
ので、被覆材(3)の外周は概ね円形にすることがで
き、斜張橋、吊屋根等の吊構造物のケーブル部に架設し
た場合には、風の影響を最小限とすることができ、引張
材自体を防振性を向上させることができる等の効果を有
する。
第1図は本発明の実施例に係る構造用引張材を示す斜視
断面図、第2図及び第3図は本発明の他の実施例に係る
構造用引張材を示す斜視断面図、第4図は第3図はの実
施例に係る構造用引張材を示す斜視図、第5図は本発明
に係る構造用引張材の製造手段を示す概念図、第6図は
構造用引張材を斜張橋に架設した場合の説明図、第7図
及び第8図は従来の構造用引張材を示す斜視断面図であ
る。 符号の名称は以下の通りである。 (1)……素線、(2)……素線束、(3)……被覆
材、(4)……防錆潤滑材、(5)……分離材、(6)
……整形部材、(7)……ダイス、(8)……防錆潤滑
剤注入口、(9)……繊維ロープ繰り出しリール、(1
0)……整形ダイス、(10)……繊維テープ繰り出しリ
ール、(12)……押し出しダイス。
断面図、第2図及び第3図は本発明の他の実施例に係る
構造用引張材を示す斜視断面図、第4図は第3図はの実
施例に係る構造用引張材を示す斜視図、第5図は本発明
に係る構造用引張材の製造手段を示す概念図、第6図は
構造用引張材を斜張橋に架設した場合の説明図、第7図
及び第8図は従来の構造用引張材を示す斜視断面図であ
る。 符号の名称は以下の通りである。 (1)……素線、(2)……素線束、(3)……被覆
材、(4)……防錆潤滑材、(5)……分離材、(6)
……整形部材、(7)……ダイス、(8)……防錆潤滑
剤注入口、(9)……繊維ロープ繰り出しリール、(1
0)……整形ダイス、(10)……繊維テープ繰り出しリ
ール、(12)……押し出しダイス。
Claims (3)
- 【請求項1】複数本の素線を束ねて構成される素線束の
外周に熱可塑性樹脂材等の高分子材料からなる被覆材で
被覆されてなる構造用引張材において、前記素線束を構
成する素線間に防錆潤滑剤を充填してなることを特徴と
する構造用引張剤。 - 【請求項2】素線束の外周と被覆材との間に、当該素線
束間の相互移動を許容する分離材が配設されている請求
項(1)記載の構造用引張材。 - 【請求項3】素線束の外周と分離材との間に、当該素線
束を概ね円形に成形する整形部材が配設されている請求
項(1)及び(2)記載の構造用引張材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1662288A JP2510232B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | 構造用引張材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1662288A JP2510232B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | 構造用引張材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01190803A JPH01190803A (ja) | 1989-07-31 |
JP2510232B2 true JP2510232B2 (ja) | 1996-06-26 |
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ID=11921440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1662288A Expired - Lifetime JP2510232B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | 構造用引張材 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2510232B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105088839B (zh) * | 2014-05-13 | 2018-03-16 | 柳州欧维姆机械股份有限公司 | 一种填充或涂覆有聚脲材料的钢绞线及其制作方法 |
-
1988
- 1988-01-26 JP JP1662288A patent/JP2510232B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH01190803A (ja) | 1989-07-31 |
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