JP2857643B2 - 耐食ライニングの施工方法 - Google Patents

耐食ライニングの施工方法

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JP2857643B2 JP7087531A JP8753195A JP2857643B2 JP 2857643 B2 JP2857643 B2 JP 2857643B2 JP 7087531 A JP7087531 A JP 7087531A JP 8753195 A JP8753195 A JP 8753195A JP 2857643 B2 JP2857643 B2 JP 2857643B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L1/00Laying or reclaiming pipes; Repairing or joining pipes on or under water

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sewage (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボックスカルバート等
の既製コンクリート部材の下向き又は横向きの表面に、
合成樹脂シート等の板状の耐食部材を貼着する耐食ライ
ニングの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】管路にはボックスカルバート等のコンク
リート部材を使用する場合が多いが、工場廃液の処理施
設などの特殊排水の管路においては、硫酸等による腐食
を防止するため、コンクリート表面に耐食ライニングを
設ける必要がある。
【0003】従来、耐食ライニングを設ける場合、管路
の新設時においては、ボックスカルバートの型枠の内表
面(コンクリート打設側)に、アンカーが植設された合
成樹脂シートを釘等によって仮止めしておき、コンクリ
ートの打設、固化後、型枠のみを取り外し、合成樹脂シ
ートを残すようにして、コンクリート表面を合成樹脂シ
ートにより被覆している。
【0004】また、管路の補修時においては、合成樹脂
シートが仮止めされた型枠をハツリ面に設置し、モルタ
ルの注入、固化後、型枠のみを取り外すようにして、合
成樹脂シートにより被覆している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の合成樹脂シート
を型枠に仮止めする方法では、仮止め用釘や型枠間のセ
パレーターによる穴が合成樹脂シートに開いてしまうた
め、型枠を取り外して釘やセパレーターを切断した後、
その部分全てに、合成樹脂材を溶着して塞ぐ必要がある
という問題があった。
【0006】また、型枠板の大きさ(通常のコンクリー
トパネルの場合は、最大90×180mm)以上の合成
樹脂シートを使用することが困難なため、合成樹脂シー
ト間のつなぎ目が多く、これら全てに合成樹脂材を溶着
する必要があった。また、仮止め後の温度変化によっ
て、合成樹脂シートがたるむ場合があった。
【0007】更に、ハツリ面と型枠間にモルタルを注入
する方法では、下向き又は横向きの表面の場合、コンク
リート部材とモルタルの界面に空隙が残って合成樹脂シ
ートの付着力が小さくなるという問題があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
施工が容易で、耐食部材の付着力の大きい耐食ライニン
グの施工方法の提供を目的とたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
既製コンクリート部材の下向き又は横向きの表面に、セ
メント質分質組成物を付着させると共に表面を平滑に仕
上げ、該セメント質分質組成物の固化前に、裏面に、根
元部と先端に突出した頭部をもって構成され、前記頭部
の投影面積が前記根元部の2倍を越えないアンカーが突
設された板状の耐食部材を、その裏面の前記アンカーを
前記セメント質分質組成物に埋め込で、前記セメン
ト質分質組成物の表面に押し付けることにより貼着する
ことにある。
【0010】なお、既製コンクリート部材の下向き又は
横向きの表面に、セメント質分質組成物を吹き付け、該
セメント質分質組成物の表面を左官仕上げすることが好
ましい。
【0011】また、セメント質分質組成物の表面に板状
の耐食部材を押し付けた後、該耐食部材表面からバイブ
レータにより振動を与えることがより好ましい。
【0012】また、セメント質分質組成物には、短繊維
が含有されることがより好ましい。
【0013】また、耐食部材の貼着前に、セメント質分
質組成物の表面に急結剤を塗布することがより好まし
い。
【0014】
【作用】本発明においては、既製コンクリート部材の下
向き又は横向きの表面にセメント質分質組成物を付着さ
せた後に、その表面に耐食部材を押し付けて貼着するこ
とによって、既製コンクリート部材とセメント質分質組
成物の界面に空隙が生じることが防止され、また、型枠
への仮止めが不要となり、そして、重力によりセメント
質分質組成物が耐食部材のアンカーの根元までまわり込
み、セメント質分質組成物の表面を平滑に仕上げておく
ことと相俟って、セメント質分質組成物と耐食部材の界
面に空隙が生じることが防止される。
【0015】また、耐食部材のアンカーの頭部の投影面
積を根元部の投影面積の2倍以下とすることによって、
セメント質分質組成物がアンカーの根元まで密実に充填
される。
【0016】また、セメント質分質組成物を吹き付け
て、その表面を左官仕上げすることによって、作業が効
率化される。
【0017】また、バイブレーターによりセメント質分
質組成物に振動を与えることによって、セメント質分質
組成物が密実に充填される。
【0018】また、セメント質分質組成物に短繊維を含
有することによって、既製コンクリート部材の下向きの
表面に付着した際に、だれや空隙が生じることが好適に
防止される。
【0019】更に、セメント質分質組成物の表面に急結
剤を塗布することによって、耐食部材を既製コンクリー
ト部材の下向きの表面に貼着する際に、下側からの支持
が不要となる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例の図面について説明す
る。
【0021】図中100は、ボックスカルバートであ
り、新設管路の場合には、ボックスカ油バート100の
設置後に耐食ライニングの施工を行う。
【0022】まず、ボックカルバート100の下向き及
び横向きの内表面(天井面及び側面等)に、所定の断面
寸法(例えば、30×20mm)の定規材20,20
を、図4に示すように、耐食部材10の幅に対応して、
管路方向に所定の間隔(例えば、104mm)を開け
て、図3に示すように周方向に所定の長さ(例えば、1
5m)に渡って固定する。なお、定規材20は、例え
ば、ガラス繊維強化ウレタンの角材によって形成し、ま
た、エポキシ樹脂系の接着性パテ25を、点状に間隔を
開けて塗布して固定する。
【0023】次に、図5に示すように、ボックスカルバ
ート100の表面の定規板20,20間に、モルタル等
のセメント質分質組成物40を吹き付けて付着し、その
表面を左官仕上げにより、即ちコテを使用して平滑にす
る。この際、型枠を設置してモルタル等を注入する場合
に比して、ボックスカルバート100とセメント質分質
組成物40の界面に空隙が生じることを防止することが
できる。更に、下向きの表面の施工においては、セメン
ト質分質組成物40にプラスチック等の短繊維を含有さ
せることが好ましく、これにより、だれや空隙が生じる
ことがより好適に防止され、セメント質分質組成物40
を好適に付着させることができる。
【0024】そして、セメント質分質組成物40の固化
前に、図6に示すように、板状の耐食部材10を、その
表面に貼着する。耐食部材10は、高密度ポリエチレ
ン、塩化ビニル等の耐薬品性を有する合成樹脂によりシ
ート状に形成されており、その裏面には多数のアンカー
11,11……が一体に突設した状態で植設されてい
る。アンカー11は、図2に示すように、円柱状の根元
部12とその先端に突出した円板状の頭部13をもって
構成されている。なお、耐食部材は種々のものを使用で
きるが、アンカーの頭部の投影面積(シートに垂直に投
影した面積)が、根元部の投影面積の200%を越えな
いものが好ましい。即ち、円柱形アンカーの場合、頭部
の直径D3は根元部の直径D2の約1.4倍以下が好ま
しい。
【0025】従って、耐食部材10を貼着するには、裏
面のアンカー11,11……をセメント質分質組成物4
0に埋め込む形で、セメント質分質組成物40の表面に
耐食部材10を押し付けることによって行う。この際、
重力によりセメント質分質組成物40が耐食部材10の
アンカー11の根元までまわり込み、更に、セメント質
分質組成物40の表面が平滑に仕上げられているので空
気の侵入が防止され、セメント質分質組成物40と耐食
部材10の界面に空隙が生じることを防止することがで
きる。また、アンカー11の頭部13の投影面積が根元
部12の投影面積の200%を越えない場合は、根元部
12の周囲にセメント質分質組成物40を更に密実に充
填することができ、耐食部材10の付着力を大きくする
ことができる。
【0026】また、ボックスカルバート100の下向き
の表面の施工において、セメント質分質組成物40を厚
く付着する場合には、耐食部材10を下側から板等によ
って支持する必要があるが、セメント質分質組成物40
の表面に急結剤(アルミン酸ナトリウムの5%水溶液
等)を予め塗布しておくことによって、下向きの表面に
おいても支持なしで耐食部材10を貼着することができ
る。
【0027】なお、耐食部材10は硬質のものでも、軟
質のものでもよいが、薄く弾力性のある場合は、これを
ロール状にしておき、周方向へ広げて行く形で、耐食部
材10を貼着することができる。また、定規板20,2
0の間隔は、耐食部材10の幅に対応させることができ
るので、従来の型枠に仮止めする場合のように、型枠板
の大きさに制限されることなく、大きな耐食部材10を
使用することができ、作業の能率を向上することができ
る。また、耐食部材10に仮止め用釘等による穴が生じ
ないため、この穴を塞ぐ作業も不要となり、施工が容易
になる。
【0028】次に、耐食部材10の表面から、バイブレ
ーターによってセメント質分質組成物40に振動を与え
て、ボックスカルバート100の表面と耐食部材10間
にセメント質分質組成物40をより密実に充填させて、
耐食部材10の付着力を大きくする。
【0029】このようにして、ボックスカルバート10
0の下向き又は横向きの内表面に、既に貼着されている
耐食部材10に隣接して、耐食部材10を貼着するが、
耐食部材10,10間のつなぎ目19には、耐食部材1
0と同質の材料を溶着する。なお、前述したように、大
きな耐食部材10を使用することができるので、つなぎ
目19の数は従来に比して少なく、施工を容易にするこ
とができる。
【0030】なお、上述のボックスカルバート100
は、側面、天井面等の下向き又は横向きの表面を耐食部
材10によって被覆したが、底面等の上向きの表面につ
いては、常時水が流れているため、耐食ライニングの施
工は必ずしも行わなくてよい。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明の耐食ライニング
の施工方法は、既製コンクリート部材の下向き又は横向
きの表面にセメント質分質組成物を付着させた後に、そ
の表面に耐食部材を押し付けて貼着することによって、
既製コンクリート部材とセメント質分質組成物の界面に
空隙が生じることを防止することができる。また、耐食
部材の型枠への仮止めが不要となり、従って、耐食部材
に仮止め用釘等による穴が生じず、更に、大きな耐食部
材を使用して、つなぎ目を少なくし得るので、施工を容
易にすることができる。そして、耐食部材のアンカーの
頭部の投影面積を根元部の投影面積の2倍以下とするこ
とによって、セメント質分質組成物がアンカーの根元部
まで密実に充填され、耐食部材の付着力をより大きくす
ることができる。また、セメント質分質組成物の表面を
平滑に仕上げることによって、耐食部材とセメント質分
質組成物の界面に空隙が生じることを防止することがで
き、耐食部材の付着力を大きくすることができる。
【0032】また、セメント質分質組成物を吹き付け
て、その表面を左官仕上げすることによって、作業を効
率的に行うことができる。
【0033】また、バイブーターによりセメント質分質
組成物に振動を与えることによって、セメント質分質組
成物が密実に充填され、耐食部材の付着力をより大きく
することができる。
【0034】また、セメント質分質組成物に短繊維を含
有することによって、既製コンクリート部材の下向きの
表面の施工においても、だれや空隙を生じることを好適
に防止することができ、耐食部材の付着力を大きくする
ことができると共に、作業を容易にすることができる。
【0035】更に、セメント質分質組成物の表面に急結
剤を塗布することによって、既製コンクリート部材の下
向きの表面の施工において、耐食部材を下側から支持す
る必要がなく、容易に貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐食ライニングの施工方法の一実
施例を示す横断面図である。
【図2】図1に示す実施例の耐食部材の拡大断面図であ
る。
【図3】図1に示す実施例の施工順序(1番目)を示す
横断面図である。
【図4】図1に示す実施例の施工順序(1番目)を示す
縦断面図である。
【図5】図1に示す実施例の施工順序(2番目)を示す
縦断面図である。
【図6】図1に示す実施例の施工順序(3番目)を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
10 耐食部材 11 アンカー 12 根元部 13 頭部 19 つなぎ目 20 定規材 25 接着性パテ 40 セメント質分質組成物 100 既製コンクリート部材(ボックスカルバート)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既製コンクリート部材の下向き又は横向
    きの表面に、セメント質分質組成物を付着させると共に
    表面を平滑に仕上げ、該セメント質分質組成物の固化前
    に、裏面に、根元部と先端に突出した頭部をもって構成
    され、前記頭部の投影面積が前記根元部の2倍を越えな
    いアンカーが突設された板状の耐食部材を、その裏面の
    前記アンカーを前記セメント質分質組成物に埋め込
    で、前記セメント質分質組成物の表面に押し付けること
    により貼着する耐食ライニングの施工方法。
  2. 【請求項2】 既製コンクリート部材の下向き又は横向
    きの表面に、セメント質分質組成物を吹き付け、該セメ
    ント質分質組成物の表面を左官仕上げする請求項1に記
    載の耐食ライニングの施工方法。
  3. 【請求項3】 セメント質分質組成物の表面に板状の耐
    食部材を押し付けた後、該耐食部材の表面からバイブレ
    ータにより振動を与える請求項1もしくは2に記載の耐
    食ライニングの施工方法。
  4. 【請求項4】 セメント質分質組成物には、短繊維が含
    有される請求項1、2もしくは3に記載の耐食ライニン
    グの施工方法。
  5. 【請求項5】 耐食部材の貼着前に、セメント質分質組
    成物の表面に急結剤を塗布する請求項1乃至3もしくは
    4に記載の耐食ライニングの施工方法。
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