JP2855454B2 - エチレン系樹脂医療用容器 - Google Patents

エチレン系樹脂医療用容器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医療容器に関するものであり、詳しくは、血
液、血液代用液等の輸液を収容する、透明かつ柔軟なエ
チレン系樹脂組成物からなる医療用容器に関するもので
ある。
〔従来の技術〕 輸血用容器は近年、落下時の耐衝撃性に優れることや
軽量で取扱い易い等の利点から急速に樹脂化が進んでい
るが、最近に至っては、その樹脂材料として、内容液量
が透視できる透明性や、一般に後工程で施される高圧蒸
気滅菌に対する耐熱性に加えて、従来の比較的硬質のボ
トル状容器が内容液滴下の為の通気針等による容器内部
への空気導入を要したのに対し、このような空気導入を
必要としない、いわゆる自己排液性のあるバッグ状容器
が内容汚染の観点から好まれるようになり、滴下によっ
て変形しうる柔軟性を持った材料であること、また同時
に容器の大容量化傾向に対応する為、より優れた耐衝撃
性も兼ね備えた材料であることが求められている。
これらの要求品質を満足させる材料に近いものとし
て、従来から高圧ラジカル重合による分岐状低密度ポリ
エチレンや同じく高圧ラジカル重合体の範疇で、エチレ
ンと酢酸ビニルとの共重合体があったが、これらの材料
は耐熱性に乏しく、より適正のある材料として遷移金属
触媒を用いたイオン重合によるエチレンとα−オレフィ
ンとの共重合体である直鎖状超低密度ポリエチレンが注
目されて来ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、一般に現在の直鎖状超低密度ポリエチレン
は、その分子構造に起因して、高せん断速度下で見掛け
の溶融粘度が比較的高く、メルトテンションやダイスウ
ェルが小さいことから、容器形状の自由度及び大容量化
に対応し難いという成形加工性の欠点があり、また、比
較的低分子量成分を多く含むため、容器成形後に表面の
ベタツキやブロッキングを生じ易いという欠点を有して
いる。
これらの欠点の対応策として、この直鎖状超低密度ポ
リエチレンを構成層とした多層容器も考えられるが、成
形機設備を含め製造コストの観点から汎用性があるとは
言えない。従って直鎖状超低密度ポリエチレンの特徴を
生かし、かつ、上記の欠点を改良した輸液容器用樹脂材
料は未だ得られていないのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる現状に鑑み、上記材料を提供すべ
く、鋭意検討の結果、直鎖状超低密度ポリエチレンと特
定のメルトインデックスを有する高圧ラジカル重合法に
よる分岐状低密度ポリエチレンとを特定の割合で配合す
ることによって、直鎖状超低密度ポリエチレンの特性を
保ち、同時に前記の欠点が解決されることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、密度が0.85〜0.915g/cm3のエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの直鎖状エチレ
ン共重合体50〜97重量%及びメルトインデックスが1g/1
0分以下で密度が0.915〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合
法による低密度ポリエチレン3〜50重量%からなり、メ
ルトインデックスが0.5〜5g/10分の組成物により構成さ
れていることを特徴とするエチレン系樹脂医療用容器で
ある。
エチレン・α−オレフィン共重合体 本発明で用いられるエチレンとα−オレフィンとの共
重合体は、遷移金属触媒の存在下、エチレンとα−オレ
フィンとを共重合させることにより得られる、α−オレ
フィン含量が6〜25重量%、好ましくは7.5〜20重量%
の直鎖状超低密度ポリエチレンである。
α−オレフィン含量は、後述の密度と密接に相関して
おり、それと対応して適宜選ばれる。
遷移金属触媒やそれによる重合方法については特に制
約はなく、例えば触媒としてはチーグラー型触媒、フィ
リップ型触媒、カミンスキー型触媒が挙げられ、重合方
法としては、気相流動法(例えば特開昭59−23011号公
報)、溶液法、あるいは圧力200kg/cm2以上、重合温度1
50℃以上の高圧バルク重合法等が挙げられる。
コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、一般
式R−CH=CH2(Rはアルキル基)で示される炭素数3
〜12の1−オレフィンであり、例えばプロピレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペ
ンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1等であり、好ましくはプロピレン、ブテ
ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オク
テン−1が挙げられる。またこの場合のα−オレフィン
としては1種類に限られず、ターポリマーの如く2種類
以上のα−オレフィンをコモノマーとして用いた多元系
共重合体も、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体として含まれる。
本発明で用いられる直鎖状超低密度ポリエチレンは、
密度が0.85〜0.915g/cm3、好ましくは0.88〜0.915g/cm3
の範囲にあるものが用いられる。密度がこの範囲未満の
ものは商業的に入手が困難であり、一方、この範囲を超
えるものは透明性が低下し好ましくない。また、このも
ののメルトインデックスは一般に0.1〜30g/10分、好ま
しくは0.3〜10g/10分、特に好ましくは0.5〜5g/10分で
ある。
低密度ポリエチレン 本発明で用いられる高圧ラジカル重合法による低密度
ポリエチレン、すなわち分岐状低密度ポリエチレンは、
一般には槽型反応器もしくは管状反応器を用いて、ラジ
カル開始剤の存在下、圧力1400〜2500kg/cm2、重合温度
200〜300℃の条件下でエチレンを重合させることによっ
て得られる。メルトインデックスは炭化水素等の連鎖移
動剤の種類や量によって調節され、メルトインデックス
が1g/10分以下、好ましくは0.05〜0.5g/10分であるもの
が用いられる。メルトインデックスがこの範囲を超える
ものは透明性が低下し、また成形加工性の改良効果が乏
しいため好ましくない。
組成物 上記の直鎖状超低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポ
リエチレンの両者を配合してできる本発明の組成物は、
そのメルトインデックスを0.5〜5g/10分、好ましくは0.
5〜3g/10分にする必要がある。メルトインデックスがこ
の範囲未満のものは流動性が劣り、臨界せん断速度が低
くなり、メルトフラクチャーが出やすくなって、シャー
クスキンと呼ばれるサメ肌状の外観上の問題を起こし易
く、透明性を低下させてしまう。逆にメルトインデック
スがこの範囲を超えるものは、耐ドローダウン性が悪く
なり好ましくない。
本発明における直鎖状超低密度ポリエチレンと高圧ラ
ジカル重合法による低密度ポリエチレンとの配合割合
は、前者が97〜50重量%、好ましくは95〜70重量%に対
して、後者が3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%で
ある。直鎖状超低密度ポリエチレンの配合割合がこの範
囲を超えると、分岐状低密度ポリエチレンの配合効果が
十分に現れず、成形加工性の改良や容器成形後の表面ベ
タツキやブロッキングを生じ易い欠点の改良効果に乏し
い。一方、直鎖状超低密度ポリエチレンの配合割合がこ
の範囲未満であると、直鎖状超低密度ポリエチレンが本
来有する高圧蒸気滅菌に対する耐熱性等の特徴が損なわ
れるため不適当なものといえる。
本発明の樹脂組成物は上記成分以外に目的の医療用プ
ラスチック容器に関する法的規格に適合する範囲内で使
用目的に応じて、酸化防止剤、中和剤などを添加するこ
とができる。
本発明の樹脂組成物を製造する際の配合方法は特に制
限はなく、公知の方法が使用できる。すなわち、上記各
成分を所定量配合し、通常使用されている単軸混練機、
FCMやCIM等の二軸混練機等による連続溶融混練方法、あ
るいはロールやバンバリー等のバッチ式溶融混練方法が
一般的である。
このような樹脂組成物から医療用容器を成形する方法
は常法により行なわれる。
医療用容器としては、輸液バッグ、輸液ボトルなどが
ある。
〔実施例〕
以下、本発明の樹脂組成物に関し実施例によって具体
的に説明する。
なお、実施例中に示された物性値の測定法又は定義を
下記に示す。
(1)メルトインデックス(MI): JIS K6760による。
(2)密度: JIS K6760(密度勾配管法)による。
(3)メルトテンション(MT): 東洋精機社製キャピログラフを用い、シリンダー温度
190℃で10mm/分の速度で試料を押出し、その押出された
試料を3.9m/分の速度で巻き取りロールに導き、その際
の引き取り張力を測定する。
(4)スウェリング比(SR): 東洋精機社製キャピログラフを用い、ダイ直径1.1mm
のノズルをセットし、試料7gを充填する。シリンダー温
度190℃で試料を2mm/分(せん断速度24sec-1)で押出
し、この際に押出される溶融ストランドの径をD、ノズ
ル径をDoとしたとき、スウェリング比は次式で表わされ
る。
スウェリング比(SR)=D/Do (5)曲げ弾性率: 160℃で圧縮成形により得られた厚さ2mmのシートを用
いて、ASTM D747に準拠した曲げ弾性率を測定して柔軟
性の目安とした。
また、以下の評価は、石川播磨重工業(株)製IPB10A
(スクリュー径40mmφ、ダイリップ巾1.5mm)を用い
て、成形温度200℃で得られた、医療用容器としての輸
液ボトルを想定した中空成形ボトル(内容積800cc、肉
厚0.5mm)にて実施した。
(6)透明性: JIS K7105に準拠し、露度を測定。
なお、試料については上記の円筒中空ボトルより側部
を切り抜いたものを用いた。
(7)耐熱性: 110℃にセットしたオーブン中に、上記で得られた中
空成形ボトルを1時間投入し、形状の保持状態で以下の
ように判定した。
判定基準 ○:変形なく、形状保持されている △:僅かに変形が見られる ×:著しく変形が見られる (8)引張衝撃強度: ASTM D1822に準拠して23℃にて測定 なお、試料については上記円筒中空ボトルより側部を
切り抜いたものを用いた。
(9)表面ベタツキ: 中空成形ボトルを手で触れることにより以下のように
判定した。
判定基準 ○:ベタツキなし ×:ベタツキが見られる 実施例1〜5及び比較例1〜5 直鎖状超低密度ポリエチレンは全てチーグラー触媒を
用いて、重合温度200℃、重合圧力200kg/cm2の条件でエ
チレンとブテン−1とを共重合させることにより得られ
た同じものを用い、第1表に示す各種の分岐状低密度ポ
リエチレンとブレンドし、単軸のスクリュー押出機にて
溶融混練してペレットとした。これらを用いてポリエチ
レン組成物および中空成形ボトルの評価を行った結果を
第1表に示す。
比較例6 直鎖状超低密度ポリエチレンを用いず、分岐状低密度
ポリエチレンのみを用いて同様の評価を行なった結果を
第1表に示す。
比較例7 エチレンと酢酸ビニルとの共重合体(酢酸ビニル濃度
15wt%)のみを用いた。
評価結果は第1表に示すとおりであった。
第1表の結果から、実施例のものは、直鎖状超低密度
ポリエチレン単体に比べ、成形加工性の目安となるメル
トテンションやスウエリング比が大きく、ドローダウン
性や肉厚均一性が改良されていることが明らかである。
また、同時に透明性、柔軟性、耐熱性といった特徴を
損なわずに、直鎖状超低密度ポリエチレン単体の欠点で
あった容器成形後の表面ベタツキやブロッキングし易い
欠点が解決されている。
〔発明の効果〕 本発明の医療用容器は、これを構成する直鎖状超低密
度ポリエチレンが有する透明性、耐熱性や柔軟性といっ
た特徴を保持しながら、その欠点であった成形加工性の
欠点や容器成形後の表面ベタツキやブロッキングしやす
い欠点が解決されているので、溶出性、ハンドリング
性、自己排液性に優れ、かつ、殺菌時の変形や失透が改
良され、著しい効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−203560(JP,A) 特開 昭61−148250(JP,A) 特開 昭58−216061(JP,A) 特開 昭62−53670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が0.85〜0.915g/cm3のエチレンと炭素
    数3〜12のα−オレフィンとの直鎖状エチレン共重合体
    50〜97重量%及びメルトインデックスが1g/10分以下で
    密度が0.915〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合法による低
    密度ポリエチレン3〜50重量%からなり、メルトインデ
    ックスが0.5〜5g/10分の組成物により構成されているこ
    とを特徴とするエチレン系樹脂医療用容器。
JP1309779A 1989-11-28 1989-11-28 エチレン系樹脂医療用容器 Expired - Fee Related JP2855454B2 (ja)

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