JP2854240B2 - ガス回収循環装置 - Google Patents

ガス回収循環装置

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JP2854240B2
JP2854240B2 JP6095224A JP9522494A JP2854240B2 JP 2854240 B2 JP2854240 B2 JP 2854240B2 JP 6095224 A JP6095224 A JP 6095224A JP 9522494 A JP9522494 A JP 9522494A JP 2854240 B2 JP2854240 B2 JP 2854240B2
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仁 長岡
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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NIIGATA TETSUKOSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマあるいはレー
ザによるラジカル(遊離基)反応を利用した加工装置に
接続され、この加工装置より排出される排出ガス中から
反応性ガスとキャリアガスとを回収再利用するガス回収
循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラズマあるいはレーザによ
るラジカル反応を用いて被加工物に加工を施す加工装置
が知られている。例えば、半導体シリコン基板に、エッ
チングを施す加工装置では、図4に示すように塩素・フ
ッ素等の反応性ガスと、ヘリウム等のキャリアガスを加
工装置1内に供給し、反応性ガスのラジカルをシリコン
に反応させて揮発性のハロゲン化シリコンを生成させ、
シリコン基板をエッチング加工する。
【0003】上記加工装置1内で行われるエッチング加
工では、反応性ガスのラジカルが、被加工物表面に接触
して反応するものであるから、上記加工装置1内に供給
された反応ガスのうち実質的に使われる反応性ガス量は
小さく、このため該加工装置1から排出される排出ガス
中には、上記した未反応の反応性ガスが相当量残存して
いる。また、上記排出ガス中には、この未反応の反応性
ガス(以下、未反応ガスという。)に加え、キャリアガ
ス、さらには上記加工反応によって発生した反応生成
物、水分、酸素、浮遊性微粒子等の不要物質も存在して
いる。この排出ガスは、不要物質除去装置2で不要物質
を分離除去した後、反応系外へ廃棄される。
【0004】しかしながら、上記従来の加工方法にあっ
ては、上記排出ガス中に残存した多量の未反応ガスや不
活性ガスを反応系外に排出しこれを廃棄処分していたた
め、反応性ガス及びキャリアガスの有効利用の観点から
極めて非効率的であり、加工コストの増大につながって
いる。
【0005】そこで、本発明の提案者は、図3に示すガ
ス回収循環装置を開発した。これについて説明すると、
加工装置1の内部には、ワイヤ電極とシリコンなどの被
切断物が配されている。加工装置1のガス供給口1aと
ガス排出口1bにはガス循環管路4が接続されている。
そして、このガス循環管路4の供給側には、反応性ガス
とキャリアガスのガス供給部5が設けられ、排出側に
は、排出ガスを精製するガス精製部6が設けられてい
る。またガス循環管路4のガス精製部6の部分にはガス
を循環させる真空ポンプ7が設けられている。
【0006】ガス供給部5は、ガス循環管路4に設けら
れた供給槽8と、該供給槽8に供給弁9を介して接続さ
れた、塩素・フッ素等の反応性ガスのボンベ10、及び
供給弁11を介して接続されたヘリウム等のキャリアガ
スのボンベ12とから成る。ボンベ10,12の反応性
ガスとキャリアガスは供給槽8内に導入されて混合され
る。供給槽8で混合された両ガスは、加工装置1に導入
され、これにより、加工装置1内は反応性ガスとキャリ
アガスの混合雰囲気となる。
【0007】例えば、反応性ガス(Cl2 )とキャリア
ガス(He)の混合雰囲気である加工装置1内のワイヤ
電極に電圧を印加すると、このワイヤ電極と、上記被切
断物(シリコン)との間に放電が発生し、この放電によ
り反応性ガスが活性化してラジカルを生成する。さらに
このラジカルは、被切断物に接触して反応し、揮発性の
ハロゲン化シリコン(塩化シリコン)を生成させ、これ
により被切断物を切断加工することができる。また、上
記加工装置1内で、切断加工が終了すると、この加工装
置1内ガスはガス排出口1bから排出される構成となっ
ている。
【0008】ガス精製部6は、吸着槽13と、脱水槽1
4、脱酸素槽15及びフィルタ16とから構成されてい
る。
【0009】上記吸着槽13は、上記加工装置1より排
出された排出ガス中の反応生成物、例えばSiF4
2,SOx,HF等を吸着するための槽で、この槽の中
には、アルカリ薬剤あるいは金属酸化物等の吸着剤が封
入されている。
【0010】上記脱水槽14は、上記吸着槽13より排
出された排出ガス中の水分を除去するための槽で、この
槽の中には、活性炭、モレキュラーシーブ、活性アルミ
ナ、シリカゲル等の吸着剤が封入されている。
【0011】上記脱酸素槽15は、上記脱水槽14より
排出された排出ガス中の酸素を除去するための槽で、こ
の槽の中には、還元剤となるMg,Ca,Ba等の金属
あるいは合成ゼオライト等の吸着剤が封入されている。
【0012】上記フィルター16は、上記吸着槽13、
脱水槽14、脱酸素槽15を通過した排出ガス中の微粒
子(吸着剤、金属微粒子)を捕捉することのできる構造
を有するものである。真空ポンプ7は脱酸素槽15とフ
ィルタ16の間に設けられている。
【0013】また、供給槽8には、該供給槽8内の圧力
を測定する圧力計17と、供給槽8内の反応ガス及びキ
ャリアガス成分を定量分析するガス分析装置(ガス分析
手段)18とが設けられている。上記圧力計17とガス
分析装置18、及び前記供給弁9,11は制御装置19
に接続されている。制御装置19は、圧力計17とガス
分析装置18の情報に基づいて、各供給弁9,11の開
度を調節して反応性ガスとキャリアガスの補充量を制御
するものである。
【0014】上記ガス分析装置18としては、反応性ガ
ス及びキャリアガスの種類に応じてこれらのガスを分析
可能な装置が用いられ、例えばガスクロマトグラフ分析
装置、質量分析装置、あるいはこれらを組み合わせたも
のなどが好適に用いられる。
【0015】次に上記ガス回収循環装置の作用を説明す
る。加工装置1内で加工操作が行われると、まず、加工
装置1内部には、被加工物分子と反応性ガスとの反応に
よって生成した反応生成物、未反応ガス、キャリアガ
ス、酸素、水分、浮遊性微粒子等の種々のガス状若しく
は微粒子状組成物の混合物(以下、排出ガスと略記す
る。)が存在する。
【0016】上記排出ガスは、真空ポンプ7の作用によ
り、加工装置1のガス供給口1aからガス循環管路4内
に引き出され、このガス循環管路4に介設されている吸
着槽13、脱水槽14、脱酸素槽15、およびフィルタ
16を通過して精製される。
【0017】すなわち、排出ガスの構成成分の内、上記
吸着槽13でまず反応生成物が分離除去され、次に、脱
水槽14で水分が分離除去され、次に、脱酸素槽15で
酸素が分離除去され、最後にフィルタ16で浮遊性微粒
子が除去される。これにより、上記排出ガスを、最終的
に未反応ガスとキャリアガスの混合ガス(以下、回収ガ
スという。)に精製することができる。
【0018】また、上記回収ガスは、真空ポンプ7によ
り供給槽8に返送され、さらにこの供給槽8内の回収ガ
スに上記反応性ガスボンベ10から反応性ガスが、上記
キャリアガスボンベ12からキャリアガスがそれぞれ不
足分だけ補充されて所定反応ガス濃度に調整され、その
後真空ポンプ7により再度加工装置1内に導入される。
【0019】この際、制御装置19は、圧力計17およ
びガス分析装置18により供給槽8内の反応性ガスおよ
びキャリアガスの各濃度と圧力の情報を得、これらの情
報に基づいて各供給弁9,11を開閉してその開度を調
節し、供給槽8内に補充される反応性ガスとキャリアガ
スの量を制御する。これにより、上記供給槽8内部は、
反応性ガスおよびキャリアガスの各濃度と圧力が常時ほ
ぼ一定の状態に保持される。
【0020】このように、新しいガス回収循環装置によ
れば、加工に働いた反応性ガスとキャリアガスを廃棄す
ることなく回収して有効に再利用し、加工コストを低減
することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、新規開発の
ガス回収循環装置を使って見ると次のような問題点があ
ることが判明した。 (a) 脱酸素槽15には脱酸素薬剤が必要でコストが
かかる。
【0022】(b) 制御装置19の働きにより、理論
上は、反応により消費した分だけ反応性ガス等が随時追
加されるが、圧力計17、ガス分析装置18、供給弁
9,11の応答精度等によっては追加ガスの流量が所定
流量よりも多くなって系内の圧力が上昇することがあ
り、加工条件を定常的に維持することができなくなる。
【0023】(c) ガス循環管路4を流れるガス流量
の調整には、真空ポンプ7を駆動するモータの回転数を
インバータで制御して行っているが、精度よく制御する
ことが難しく、また操作が複雑化するとともにインバー
タの分コストがかかる。
【0024】(d) 真空ポンプ7の潤滑油成分がガス
化して回収ガスと混合する。炭化水素を含んだガスが加
工装置1に入ると、加工物表面への炭化水素の付着、或
いは炭化水素の分解による炭素の付着が生じ、加工速度
や加工物の品質に悪影響が生ずる。
【0025】(e) 真空ポンプ7は吸着槽13と脱水
槽14の下流側にあり、それらに負圧力を作用させて排
出ガスを流通させる構造のため、吸着槽13と脱水槽1
4の性能が十分に生かされない。
【0026】本発明の目的は、脱酸素薬剤が不要で運転
コストを低く抑えることができる上、水分の発生がな
く、しかも空気中の窒素や二酸化炭素等の不要成分も除
去することができるガス回収循環装置を提供することで
ある。
【0027】本発明の他の目的は、加工装置内のガス圧
力を精度よく制御して加工条件を一定に保つことができ
るガス回収循環装置を提供することである。
【0028】本発明の別の目的は、炭化水素を含んだガ
スがガス循環管路から加工装置に入ることがないガス回
収循環装置を提供することである。
【0029】本発明の更に他の目的は、吸着槽と脱水槽
の性能を十分に生かすことができるガス回収循環装置を
提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の手段は、反応性ガスとキャリアガ
スとを含有する気体雰囲気中に配した被加工物近傍で、
放電またはレーザ光励起により選択的に反応性ガスを活
性化させ、生じた化合物を気化させて被加工物を切断加
工する加工装置に、該加工装置から排出された排出ガス
をガス循環手段の作動で加工装置に戻すガス循環管路が
接続され、該ガス循環管路の供給側には、反応性ガスと
キャリアガスのガス供給部が設けられ、また上記ガス循
環管路の排出側には、排出ガス中の少なくとも反応生成
物を吸着除去する吸着槽と、排出ガス中の水分を除去す
る脱水槽と、上記吸着槽と脱水槽を通過した排出ガス中
に浮遊する微粒子を除去するフィルタとを備えたガス精
製部が設けられたガス回収循環装置において、上記加工
装置に圧力調整弁と排気手段とを備えた排気管を接続し
た構成とした。
【0031】また本発明の第2の手段は、反応性ガスと
キャリアガスとを含有する気体雰囲気中に配した被加工
物近傍で、放電またはレーザ光励起により選択的に反応
性ガスを活性化させ、生じた化合物を気化させて被加工
物を切断加工する加工装置に、該加工装置から排出され
た排出ガスをガス循環手段の作動で加工装置に戻すガス
循環管路が接続され、該ガス循環管路の供給側には、反
応性ガスとキャリアガスのガス供給部が設けられ、また
上記ガス循環管路の排出側には、排出ガス中の少なくと
も反応生成物を吸着除去する吸着槽と、排出ガス中の水
分を除去する脱水槽と、上記吸着槽と脱水槽を通過した
排出ガス中に浮遊する微粒子を除去するフィルタとを備
えたガス精製部が設けられたガス回収循環装置におい
て、ガス供給部は、ガス循環管路に設けられた第1流量
制御器と、反応性ガスを第2流量制御器を介してガス循
環管路の供給側に供給する反応性ガス供給源と、キャリ
アガスを第3流量制御器を介してガス循環管路の供給側
に供給するキャリアガス供給源とを備えた構成とした。
【0032】ガス循環管路に、少なくとも上記吸着槽と
脱水槽を通った回収ガスの一部を吸着槽と脱水槽の上流
側に戻すバイパス管を設けた構成とすることが好まし
い。また加工装置内のガス圧力を検出する圧力計の出力
信号と、加工装置に供給される反応性ガス及びキャリア
ガス成分を分析するガス分析手段の出力信号とを受けて
圧力調整弁と各流量制御器とを制御する制御装置を設け
た構成とすることが好ましい。更に、ガス循環手段をダ
イヤフラム式コンプレッサとし、ガス精製部の上流側に
配設した構成とすることが好ましい。
【0033】
【作用】加工の開始に当って反応性ガスとキャリアガス
を加工装置に充填する場合は、圧力調整弁を開き、排気
手段を作動させて加工装置とガス循環管路内の空気を外
部に排気し、反応性ガスとキャリアガスに置換する。ま
た、加工装置内のガス圧力が高くなり過ぎた場合も排気
手段の作動でガスを抜く。脱酸素薬剤の詰替えを必要と
する脱酸素槽が不要なので、運転コストを低く抑えるこ
とができ、また水分が生ずることがなく、しかも空気中
の窒素や二酸化炭素も除去することができる。
【0034】ガス供給部が、ガス循環管路に設けられた
第1流量制御器と、反応性ガスを第2流量制御器を介し
てガス循環管路の供給側に供給する反応性ガス供給源
と、キャリアガスを第3流量制御器を介してガス循環管
路の供給側に供給するキャリアガス供給源とを備えた場
合は、第2流量制御器と第3流量制御器とによって反応
性ガスとキャリアガスの流量を個々に正確に制御し、ま
た回収ガス量を第1流量制御器で正確に制御して加工装
置に供給することができる。
【0035】また、ガス循環管路に、少なくとも上記吸
着槽と脱水槽を通った回収ガスの一部を吸着槽と脱水槽
の上流側に戻すバイパス管を設けた構成とされている
と、第1流量制御器を絞った場合、余剰回収ガスはバイ
パス管を通って吸着槽と脱水槽の上流側に流れるので、
ガス循環手段によるガス流量をインバータ等によって制
御する必要がない。
【0036】加工装置内のガス圧力を検出する圧力計の
出力信号と、加工装置に供給される反応性ガス及びキャ
リアガス成分を分析するガス分析手段の出力信号とを受
けて圧力調整弁と各流量制御器とを制御する制御装置を
設けた構成とすると、自動制御が可能となる。また、ガ
ス循環手段をダイヤフラム式コンプレッサとし、ガス精
製部の上流側に配設した場合は、回収ガスに対する潤滑
油成分の混入を無くすことができ、しかも排出ガスを加
圧状態で吸着槽と脱水槽に流通させてそれらの性能を十
分に生かすことができる。
【0037】
【実施例】図1は本発明に係るガス回収循環装置の一実
施例を示す。なお、図3のガス回収循環装置と同一の部
材等には同一の符号を付してその詳しい説明は省略す
る。
【0038】本発明のガス回収循環装置において、ガス
供給部25は、ガス循環管路4のガス供給口1a近くに
設けられた流量制御器27と、該流量制御器27と加工
装置1との間のガス循環管路4に流量制御器28,29
をそれぞれ個々に介して接続された反応性ガスボンベ
(反応性ガス供給源)10及びキャリアガスボンベ(キ
ャリアガス供給源)12とから成る。また、ガス精製部
26は、吸着槽13と脱水槽14及びフィルタ16をこ
の順に上流から下流に配設して成る。ガス循環手段は、
潤滑油が不要なダイヤフラム式コンプレッサ31とさ
れ、ガス精製部26の上流側に設けられている。各流量
制御器(マスフローコントローラ)は、流量測定器と流
量調整弁から成り、ガス濃度が変化しても流量調整がで
きる機能を持つ。
【0039】また、フィルタ16と流量制御器27の間
のガス循環管路4からバイパス管32が分岐され、加工
装置1のガス排出口1bとコンプレッサ31の間のガス
循環管路4に接続されている。加工装置1には排気口1
cが形成され、その排気口1cには排気管33が接続さ
れている。排気管33には、圧力調整弁34と真空ポン
プ35、及び逆止弁36が設けられている。真空ポンプ
35と逆止弁36とは並列にされて圧力調整弁34の下
流側に配置されている。逆止弁36は加工装置1からの
排気を自由にしてその逆の流れを止める。
【0040】圧力計17は加工装置1に接続され、また
ガス分析装置18は、ボンベ10,12とガス供給口1
aの間のガス循環管路4に接続されている。そして、圧
力計17、ガス分析装置18、流量制御器27,28,
29、及び圧力調整弁34に制御装置37が接続されて
いる。制御装置37は、圧力計17とガス分析装置18
の出力信号に基づいて各流量制御器27,28,29と
圧力調整弁34をそれぞれ個々に制御するものである。
【0041】次に上記の構成とされた本発明に係るガス
回収循環装置の作用を説明する。加工装置1とガス循環
管路4に空気が入っている場合には、加工の開始に先立
って、まず、圧力調整弁34を開き、真空ポンプ35を
作動させて加工装置1とガス循環管路4内の空気を外部
に排出する。この前操作によって、系内の酸素だけでな
く、水分、窒素及び二酸化炭素も排除される。
【0042】次に、圧力調整弁34を閉じ、真空ポンプ
35を停止させるとともに、流量制御器28,29を開
いて反応性ガスとキャリアガスとを所定の比率で加工装
置1に供給する。そして流量制御器27を開き、ダイヤ
フラム式コンプレッサ31を作動させて加工装置1内を
所定の圧力に保ちながら加工装置1内で被加工物を加工
する。
【0043】この際、ダイヤフラム式コンプレッサ31
は、排出ガスを加圧して吸着槽13と脱水槽14に流通
させるので、吸着槽13と脱水槽14の性能が十分に生
かされることとなる。また制御装置37は、圧力計17
とガス分析装置18の検出信号に基づいて各流量制御器
27,28,29と圧力調整弁34の開閉と開度をそれ
ぞれ個々に制御する。
【0044】制御の一例を説明すると、加工装置1内の
圧力が高い場合は、流量制御器27,28,29の一以
上の開度を小さくするか、或いは圧力調整弁34を開き
真空ポンプ35を作動させて加工装置1内のガスを外部
に排出させる。加工装置1内の圧力が低く過ぎる場合
は、流量制御器27,28,29の一以上の開度を大き
くする。流量制御器27,28,29の開度調整は、そ
の時の反応性ガスとキャリアガスの比率、或いは回収ガ
ス量等によって異なる。バイパス管32を通る回収ガス
の量は、流量制御器27の開度を大きくすると少なくな
り、小さくすると多くなる。加工装置1内の圧力が大気
圧よりも高い時は、単に圧力調整弁34を開いてガスを
系外に放出する。
【0045】また、制御装置37は、反応性ガスの比率
が高い場合は、流量制御器28の開度を小さくするか、
流量制御器29の開度を大きくし、キャリアガスの比率
が低いときは、流量制御器29の開度を小さくするか、
流量制御器28の開度を大きくする。この調整は、加工
装置1内の圧力等を考慮して行われる。
【0046】なお、排気管33は、ガス循環管路4を介
して加工装置1に接続されていてもよい。
【0047】反応性ガスとしてSF6(純度99.99
vol%以上)、キャリアガスとしてHe(純度99.
99vol%以上)を用い、加工装置1始動前に加工装
置1とガス循環管路4及び吸着槽13等を、SF6 2v
ol%、He 98vol%の混合ガスで充填し、加工
開始後においてガス供給口1aでのSF6 濃度の経時変
化を調査した。調査では図2に示す好結果が得られた。
本ガス回収循環装置によれば、所定濃度を維持し、かつ
所定流量を循環することが可能であること、さらに加工
速度及び被加工物の品質への悪影響がないことがわかっ
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
回収循環装置は、反応性ガスとキャリアガスとを含有す
る気体雰囲気中に配した被加工物近傍で、放電またはレ
ーザ光励起により選択的に反応性ガスを活性化させ、生
じた化合物を気化させて被加工物を切断加工する加工装
置に、該加工装置から排出された排出ガスをガス循環手
段の作動で加工装置に戻すガス循環管路が接続され、該
ガス循環管路の供給側には、反応性ガスとキャリアガス
のガス供給部が設けられ、また上記ガス循環管路の排出
側には、排出ガス中の少なくとも反応生成物を吸着除去
する吸着槽と、排出ガス中の水分を除去する脱水槽と、
上記吸着槽と脱水槽を通過した排出ガス中に浮遊する微
粒子を除去するフィルタとを備えたガス精製部が設けら
れたガス回収循環装置において、上記加工装置に圧力調
整弁と排気手段とを備えた排気管が接続された構成とさ
れ、経費のかかる脱酸素薬剤の詰替えを必要とする脱酸
素槽を設けないで済むので、運転コストを低く抑えるこ
とができる。
【0049】また回収ガス中に水分が生じないので、加
工の品質が損なわれることがない。空気中の窒素や二酸
化炭素までも除去することができるので、加工を効率的
に行うことができる。
【0050】また、ガス供給部が、ガス循環管路に設け
られた第1流量制御器と、反応性ガスを第2流量制御器
を介してガス循環管路の供給側に供給する反応性ガス供
給源と、キャリアガスを第3流量制御器を介してガス循
環管路の供給側に供給するキャリアガス供給源とを備え
た場合は、第2流量制御器と第3流量制御器とによって
反応性ガスとキャリアガスの流量を個々に制御するとと
もに、た回収ガス量を第1流量制御器で制御し、それら
の総量を正確に制御して加工装置に供給し、加工装置内
のガス圧力を一定に保つことができる。
【0051】また、ガス循環管路に、少なくとも上記吸
着槽と脱水槽を通った回収ガスの一部を吸着槽と脱水槽
の上流側に戻すバイパス管を設けた構成とされている
と、第1流量制御器を絞った場合、余剰回収ガスはバイ
パス管を通って吸着槽と脱水槽の上流側に流れるので、
ガス循環手段によるガス流量を、応答精度がガス圧力の
制御精度に直接関係するインバータ等によって制御する
必要がない。したがって、系内の圧力変化を小さくして
加工条件を定常的に維持することができる。
【0052】加工装置内のガス圧力を検出する圧力計の
出力信号と、加工装置に供給される反応性ガス及びキャ
リアガス成分を分析するガス分析手段の出力信号とを受
けて圧力調整弁と各流量制御器とを制御する制御装置を
設けた構成とすると、自動制御が可能となる。また、ガ
ス循環手段をダイヤフラム式コンプレッサとし、ガス精
製部の上流側に配設した場合は、回収ガスに潤滑油成分
が混入することがないので、加工物表面に炭化水素や炭
素が付着することがなく、したがって、加工速度や加工
物の品質に悪影響が生ずることがない。しかも排出ガス
を加圧状態で吸着槽と脱水槽に流通させてそれらの性能
を十分に生かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガス回収循環装置の一実施例を
示す図である。
【図2】 加工開始後におけるSF6濃度の経時変化を
示す図である。
【図3】 本発明の提案者が本発明に先立って開発した
ガス回収循環装置を示す図である。
【図4】 従来の加工装置の説明図である。
【符号の説明】
1 加工装置 4 ガス循環管路 10 反応性ガスボンベ(反応性ガス供給源) 12 キャリアガスボンベ(キャリアガス供給源) 13 吸着槽 14 脱水槽 16 フィルタ 17 圧力計 18 ガス分析装置(ガス分析手段) 25 ガス供給部 26 ガス精製部 27,28,29 流量制御器 31 ダイヤフラム式コンプレッサ(ガス循環手段) 32 バイパス管 34 圧力調整弁 35 真空ポンプ(排気手段) 37 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 正和 神奈川県横浜市磯子区新磯子町27 株式 会社新潟鉄工所 横浜開発センター材料 構造研究部内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/34 B01D 53/26 B01D 53/81 H01L 21/02 H01L 21/301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応性ガスとキャリアガスとを含有する
    気体雰囲気中に配した被加工物近傍で、放電またはレー
    ザ光励起により選択的に反応性ガスを活性化させ、生じ
    た化合物を気化させて被加工物を切断加工する加工装置
    に、該加工装置から排出された排出ガスをガス循環手段
    の作動で加工装置に戻すガス循環管路が接続され、該ガ
    ス循環管路の供給側には、反応性ガスとキャリアガスの
    ガス供給部が設けられ、また上記ガス循環管路の排出側
    には、排出ガス中の少なくとも反応生成物を吸着除去す
    る吸着槽と、排出ガス中の水分を除去する脱水槽と、上
    記吸着槽と脱水槽を通過した排出ガス中に浮遊する微粒
    子を除去するフィルタとを備えたガス精製部が設けられ
    たガス回収循環装置において、上記加工装置に圧力調整
    弁と排気手段とを備えた排気管が接続されたことを特徴
    とするガス回収循環装置。
  2. 【請求項2】 反応性ガスとキャリアガスとを含有する
    気体雰囲気中に配した被加工物近傍で、放電またはレー
    ザ光励起により選択的に反応性ガスを活性化させ、生じ
    た化合物を気化させて被加工物を切断加工する加工装置
    に、該加工装置から排出された排出ガスをガス循環手段
    の作動で加工装置に戻すガス循環管路が接続され、該ガ
    ス循環管路の供給側には、反応性ガスとキャリアガスの
    ガス供給部が設けられ、また上記ガス循環管路の排出側
    には、排出ガス中の少なくとも反応生成物を吸着除去す
    る吸着槽と、排出ガス中の水分を除去する脱水槽と、上
    記吸着槽と脱水槽を通過した排出ガス中に浮遊する微粒
    子を除去するフィルタとを備えたガス精製部が設けられ
    たガス回収循環装置において、ガス供給部は、ガス循環
    管路に設けられた第1流量制御器と、反応性ガスを第2
    流量制御器を介してガス循環管路の供給側に供給する反
    応性ガス供給源と、キャリアガスを第3流量制御器を介
    してガス循環管路の供給側に供給するキャリアガス供給
    源とを備えたことを特徴とするガス回収循環装置。
  3. 【請求項3】 ガス循環管路には、少なくとも上記吸着
    槽と脱水槽を通った回収ガスの一部を吸着槽と脱水槽の
    上流側に戻すバイパス管が設けられたことを特徴とする
    請求項1又は2記載のガス回収循環装置。
  4. 【請求項4】 加工装置内のガス圧力を検出する圧力計
    の出力信号と、加工装置に供給される反応性ガス及びキ
    ャリアガス成分を分析するガス分析手段の出力信号とを
    受けて圧力調整弁と各流量制御器とを制御する制御装置
    が設けられたことを特徴とする請求項2記載のガス回収
    循環装置。
  5. 【請求項5】 ガス循環手段はダイヤフラム式コンプレ
    ッサとされ、ガス精製部の上流側に配設されたことを特
    徴とする請求項1,2,3又は4記載のガス回収循環装
    置。
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