JP2852953B2 - 流体圧ピストン発動機 - Google Patents

流体圧ピストン発動機

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JP2852953B2 JP2023065A JP2306590A JP2852953B2 JP 2852953 B2 JP2852953 B2 JP 2852953B2 JP 2023065 A JP2023065 A JP 2023065A JP 2306590 A JP2306590 A JP 2306590A JP 2852953 B2 JP2852953 B2 JP 2852953B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、空圧又は油圧などの流体圧でピストンを往
復駆動する形式の発動機に関し、発動機が超微速駆動時
に停止してしまうのを防止する技術である。
《従来の技術》 本発明が対象とする流体圧ピストン発動機は、その基
本的な構造が次のようになっている。
例えば、第3図、又は第4図と第5図に示すように、 シリンダ7に挿入したピストン8の上側に発動室9を
設け、その発動室9に対して圧力流体を供給または排出
する流体圧給排弁13を、上記シリンダ7の上側に配置し
た給排弁箱29と、その給排弁箱29内に上下移動自在に挿
入した給排弁体30とによって構成し、 上記の給排弁体30を、その下側に形成した給圧用作動
室33内の圧力流体によって上側の給圧位置Xへ切換える
とともに、その上側に形成した排圧用作動室35内の圧力
流体によって下側の排圧位置Yへ切り換え可能に構成
し、上記の排圧用作動室35に対面する排圧用作動用受圧
面30cの受圧断面積Fを前記の給圧用作動室33に対面す
る給圧作動用受圧面30aの受圧断面積Dよりも大きい値
に設定し、 上記の排圧用作動室35に対して圧力流体を供給又は排
出するパイロット弁18を、上記の給排弁箱29に支持した
パイロット弁箱71と、そのパイロット弁箱71内に挿入さ
れるとともに前記ピストン8に連結された導圧指令用弁
体46と、その弁体46および上記パイロット弁箱71に封止
接当する導圧指令用弁座48とによって構成したものであ
る。
上述の基本構造の流体圧ピストン発動機2は、次のよ
うに作動する。
第4図に示すように、圧力流体供給弁16を開弁する
と、流体圧源17から圧縮空気又は圧油等の圧力流体が供
給されて発動機2が運転され、弁16を閉弁すると圧力流
体の供給が停止されて発動機2が運転停止される。
運転が停止した状態では、同図中の左半図に示すよう
に、ピストン8および導圧指令用弁体46が復帰バネ11で
上死点に押し戻され、給排弁体30が給圧位置Xへ押し上
げられている。
運転している状態では、左半図に示す下降駆動行程と
右半図に示す上昇復帰行程とを繰り返す。
下降駆動行程では、排圧用作動室35内の圧力流体が排
出されて、給排弁体30が給圧用作動室33の流体圧によっ
て上側の給圧位置Xへ押し上げられる。これにより、上
記の給圧用作動室33の圧力流体が発動室9内へ圧入され
て、ピストン8を下降駆動する。
また、上昇復帰行程では、ピストン8が下死点近くに
ある状態で、右半図に示すように、導圧指令用弁座48が
開かれて排圧用作動室35へ圧力流体が導入され、その圧
力流体が上記の給排弁体30を下側の排圧位置Yへ押し下
げる。このため、前記の発動室9内の圧力流体が外部へ
排出されて、上記ピストン8が上昇復帰される。そし
て、そのピストン8が上死点に達したときに、左半図に
示すように、上記の排圧用作動室35から圧力流体が排出
されて、前記の下降駆動行程に切換わるのである。
上記の基本構造において、パイロット弁18を実用化す
るための構造として、従来では、特開昭63−130904号公
報に記された技術を本発明者が提案した。
これは、同上の第4図に示すように、パイロット弁18
のパイロット弁箱71の上部を給排弁箱29に固設して、上
記パイロット弁箱71から下向きに突設した支持筒31の下
部49によって前記の導圧指令用弁座48を受け止めたもの
である。
《発明が解決しようとする課題》 上記の従来技術は、発動機2が微速駆動時に停止して
しまうのを防止できる点で優れる。
即ち、例えば第3図に示すように、発動機2でプラン
ジャ式油圧ポンプ3を駆動して、油圧シリンダ61を伸長
し終えた後にも加圧し続けているときに、油圧作動室61
aや切換弁60等から圧油がリークすると、そのリークし
た圧油を補充するために、ピストン8が油圧ポンプ3の
プランジャ22を微速駆動させる。
このようにピストン8が微速駆動されて下死点に近付
き、導圧指令用弁体46が導圧指令用弁座48を微速度で通
過してわずかに離間したときに、給圧用作動室33内の圧
力流体が排圧用作動室35内に流入して、排圧作動用受圧
面30cの受圧断面積Fに加わる圧力に対応した力で、給
排弁体30をゆっくりと押し下げていく。そのゆっくりと
した押し下げの途中では、作動用室32が給圧用作動室33
にも排圧室34にも連通するので、発動室9内の圧力流体
が作動用室32から排圧室34へ逃がされる。
このため、仮に、給排弁体30の下降速度が遅い場合に
は、ピストン8の下降行程が終了しないうちに復帰ばね
11の弾圧力で押し上げられて、導圧指令用弁体46が導圧
指令用弁座48を開きかけた途中で閉じ戻してしまう。す
ると、排圧用作動室35内に低圧の圧力流体が閉じ込めら
れてしまうとともに、給圧用作動室33内の圧力流体が作
業用室32から排圧室34へ短絡して排出される。その結
果、給排弁体30は、排圧用作動室35からの押し下げ力と
給圧用作動室33からの押し上げ力との釣り合いにより、
下降途中で停止してしまい、ピストン8を下降駆動でき
なくなり、発動機2が停止してしまう。
しかし、この従来技術によれば、給排弁体30の押し下
げ時の背圧抵抗は、弁押し下げ前には、給圧用受圧面30
aが開いているため、排圧用受圧面30bの受圧断面積Eに
加わる圧力に対応した力であるのに対して、給排弁体30
の押し下げ開始後には、給圧用受圧面30aが閉じられて
いくとともに排圧用受圧面30bが開いていくため、給圧
用受圧面30aの受圧断面積Dの小さな面積に対応する力
に切り換わり、その背圧抵抗が急速に減少する。これに
より、給排弁体30は、下降途中から強力に押し下げられ
て、途中で停止することがなく、発動機2が停止に陥る
のを防止するのである。
上記のように、従来の発動機2は、微速駆動時の停止
を防止できる点で優れるが、油圧シリンダ61は切換弁60
等の圧油リークが超微小量でピストン8が超微速で駆動
される場合には、改善の余地が残されていた。
即ち、ピストン8が下死点の近くに超微速度で下降し
ていくときには、排圧指令用弁体46が排圧指令用弁座48
から離間する速度も極めて遅くなる。このため、給圧用
作動室33から排圧用作動室35に導入される圧力流体は、
弁体46と弁座48との間の狭い離間隙間で減圧されて、排
圧用作動室35内を極微速度でしか加圧していけない。こ
のため、給排弁体30は、下降開始時の押し下げ力が小さ
くて下降の前半期の速度が遅くなる。その結果、給排弁
体30の背圧抵抗が小さい値に切換わる前の段階で発動室
9内の圧力流体が作業用室32から排圧室34へ逃がされて
しまい、前記したように給排弁体30が下降途中で停止し
て、発動機2が運転不能に陥るのである。
本発明は、発動機が超微速駆動時に停止するのを防止
することを目的とする。
《課題を解決するための手段》 本発明は、上記目的を達成するために、前記の基本構
造に次の改良を加えたことを特徴としている。
例えば第1図と第2図に示すように、前記の給排弁箱
29の上部に設けた支持孔70aに前記パイロット弁箱71を
上下方向へ移動自在に挿入すると共に、そのパイロット
弁箱71の下側に前記の排圧用作動室35へ連通する受圧作
動室70bを設けて、その受圧作動室70bの圧力流体によっ
て上記パイロット弁箱71を上向き移動可能に構成し、上
記パイロット弁箱71を下向きに弾圧する復帰ばね73を設
けた。
《作用》 本発明は、例えば第1図に示すように、次のように作
用する。
何らかの原因でピストン8が超微速度で下降駆動され
る場合において、第1図の左半図中の下側の一点鎖線で
示すように導圧指令用弁体46が下死点の近傍へ極微速度
で下降されていくと、導圧指令用弁座48の内周面48aか
ら導圧指令用弁体46の外周面が極微速度で離間してい
く。すると、給圧用作動室33内の圧力流体が、上記の弁
体46と弁座48との開弁隙間から排圧用作動室35および受
圧作動室70bへ導入されて、これら両室35・70bを超微速
度で加圧していく。
上記の受圧作動室70b内が設定圧力にまで加圧される
と、その内圧力により、右半図中の実線で示すように、
パイロット弁箱71が復帰ばね73の弾圧力に抗して上昇駆
動されるとともに、これに同行して導圧指令用弁座48が
押し上げられて導圧指令用弁体46から急速に離間する。
その結果、その大きな開弁隙間から給圧用作動室33の
圧力流体が排圧用作動室35に導入されてその排圧用作動
室35を急速に加圧し、その加圧力によって給排弁体30を
強力に押し下げて高速度で下降させ、その給排弁体30を
右半図の排圧位置Yへ切換える。
これにより、発動室9の圧力流体が外部へ排出され
て、ピストン8の上昇復帰行程が開始される。
《発明の効果》 本発明は、上記のように構成され作用することから次
の効果を奏する。
何らかの原因でピストンが超微速度で下降駆動される
場合において、導圧指令用弁体と導圧指令用弁座とが超
微速度で離間していくときに、給圧用作動室内の圧力流
体が、弁体と弁座との開弁隙間から受圧作動室へ導入さ
れて、排圧用作動室および受圧作動室を超微速度で加圧
していくが、受圧作動室内が設定圧力にまで加圧された
時点で、その内圧でパイロット弁箱が上昇駆動され、こ
れに同行して導圧指令用弁座が押し上げられるので、導
圧指令用弁座が導圧指令用弁体から急速に離間する。す
ると、その大きな開弁隙間から給圧用作動室の圧力流体
が排圧用作動室に導入されて排圧用作動室を急速に加圧
し、その加圧力で給排弁体を強力に押し下げて高速度で
下降させる。
このように、給排弁体は、強力に押し下げられて高速
度で下降するので下降途中の停止が防止される。その結
果、発動機が停止に陥ることが解消される。
《実施例》 以下、本発明の一実施例を、第1図の作動発明図と第
2図の縦断面図とで説明する。
第2図において、符号1はブースタポンプ装置で、こ
れは、圧縮空気を利用して往復直線運動を発生する空圧
(流体圧)ピストン発動機2と、この発動機2で駆動さ
れて高圧油を吐出するプランジャ式油圧ポンプ3とで構
成されている。
上記の発動機2は、圧縮空気の圧力エネルギーを動力
に変換する発動機本体4を有し、この発動機本体4に流
体圧給排手段5を介して圧縮空気が供給・排出される。
これら発動機本体4および流体圧給排手段5が複数のタ
イロッド6で油圧ポンプ3に締結されている。
発動機本体4は、単動ばね復帰式に構成されている。
即ち、シリンダ7にピストン8が上下方向へ気密摺動自
在に挿入される。シリンダ7の上壁7aとピストン8との
間に流体圧発動室9(第1図参照)が形成されるととも
に、シリンダ7の下壁7bとピストン8の下側との間に、
ばね室10が形成される。このばね室10に復帰ばね11が装
着される。上記の発動室9に圧縮空気を供給すると、ピ
ストン8が復帰ばね11の弾圧力に抗して下死点側へ駆動
されるのに対し、発動室9から圧縮空気を排出すると復
帰バネ11の弾圧力で上死点側へ復帰される。
前記の流体圧給排手段5は流体圧給排弁13を有し、発
動室9が流体圧給排弁13を介して給圧口14と排圧口15と
に切換え接続可能とされている。給圧口14は、圧力流体
供給弁16を介して空気圧源(流体圧源)17に接続され、
排圧口15は大気側へ開放されている。また、液体圧給排
弁13はパイロット弁18で流体圧の給圧位置Xと排圧位置
Y(第1図参照)とに切換え作動可能に構成されてい
る。
前記のプランジャ式油圧ポンプ3は、ポンプ室21内に
上下油密摺動自在に挿入したプランジャ22をピストン8
に連結してなる。ピストン8を下降駆動すると、プラン
ジャ22がポンプ室21内に進出してその内圧を高め、吐出
弁体26が開かれて吐出口25がポンプ室21内の作動油が吐
出される。一方、ピストン8が上昇復帰すると、プラン
ジャ22がポンプ室21から後退してその内圧が低下し、吸
込み弁体24が開かれて、作動油が吸込み口23からポンプ
室21内に吸い込まれる。以上の行程を繰り返すことによ
り、高圧の作動油が送り出される。
上記ブースタポンプ装置1において、流体圧給排手段
5の構成を主として第1図で説明する。第1図中の左半
図および第2図はピストン8の下降駆動行程の初期状態
を示し、同第1図中の右半図はピストン8の上昇復帰行
程の初期状態を示している。
まず、流体圧給排弁13について説明すると、これは、
シリンダ7の上側に配置した給排弁箱29内に筒状の給排
弁体30を挿入してなる。給排弁体30は、上側に押し上げ
られると左半図の給圧位置Xに切り換わり、下側に押し
下げられると右半図の排圧位置Yに切換わる。上記の給
排弁箱29内で給排弁体30の下側に給圧用作動室33が形成
される。また、給排弁体30の外周下部に作業用室32が形
成されるとともに、外周上部に排圧室34が形成される。
さらに、給排弁体30の上側に排圧用作動室35が形成され
る。給排弁体30内には排圧用作動室入口孔30dが上下方
向に貫通形成される。
上記の作業用室32が給排気孔36を介して発動室9に連
通される。また、給圧口14には、フィルタ37・給圧用作
動室33・給圧側弁座29a内・作業用室32・排圧側弁座29b
内・及び排圧室34・排圧孔38・出口室39を順に介して排
圧口15が連通される。出口室39には消音器40が内装され
ている。さらに、給圧用作動室33に排圧用作動室入口孔
30dを介して排圧用作動室35が連通される。排圧用作動
室35は、その外側周面35aと給排弁体30外周面との間に
装着したOリング42で排圧室34と区画されている。
上記の給排弁体30は、その本体部分に気密状に外嵌す
る弁体筒41を備えている(第2図参照)。弁体筒41の下
面には給圧用作動室33に臨ませて給圧作動用受圧面30a
が形成され、弁体筒41の上面には排圧室34に臨ませて排
圧側受圧面30bが形成される。さらに、排圧用作動室35
に臨ませて給排弁体30の上面に排圧用作動用受圧面30c
が形成される。給圧作動用受圧面30aの外径寸法Aと排
圧側受圧面30bの外径寸法Bと排圧作動用受圧面30cの外
径寸法は、その順番で大きくなっており、これに伴っ
て、給圧作動用受圧面30aの受圧断面積Dよりも、排圧
側受圧面30bの受圧断面積Eが大きい値になり、この受
圧断面積Eよりも排圧用作動用受圧面30cの受圧断面積
Fが大きい値になっている。
そして、第1図中の左半図に示すように、給排弁体30
を押し上げて給圧位置Xに切換えると、給圧用受圧面30
aが給圧側弁座29aから離間して、給圧用作動室33と作業
用室32とが連通されるとともに、排圧側受圧面30bが排
圧側弁座29bに座着して作業用室32と排圧室34との間が
封止される。これとは逆に、同第1図中の右半図に示す
ように、給排弁体30を押し下げて排圧位置Yに切換える
と、給圧用受圧面30aが給圧側弁座29aに座着して給圧用
作動室33と作業用室32との間が封止されるとともに、排
圧側受圧面30bが排圧側弁座29bから離間して作業用室32
と排圧室34とが連通される。
前記のパイロット弁18は、流体圧給排弁13を流体圧の
給圧位置Xと排圧位置Yとに切換え操作可能に構成して
なり、ピストン式のパイロット弁箱71・導圧指令用弁体
46・導圧指令用弁座48・圧抜き指令用弁53・及び圧抜き
指令用弁座52を備えている。
即ち、給排弁箱29の上部内に、パイロット用流体圧シ
リンダ70のシリンダ室70aが形成される。そのシリンダ
室70aによってパイロット弁箱71の支持孔が構成されて
いる。より詳しくいえば、上記シリンダ室70aにパイロ
ット弁箱71がOリング72を介して上下方向へ気密摺動自
在に挿入される。また、パイロット弁箱71の下面に臨ま
せて形成した受圧作動室70bが排圧用作動室35に連通さ
れる。パイロット弁箱71は、受圧作動室70bの内圧力で
復帰ばね73の弾圧力に抗して上向きに駆動可能となって
いる。
上記のパイロット弁箱71から下向きに突設した支持筒
31が、給排弁体30の排圧用作動室入口孔30d内に隙間47
を空けて挿入される。その支持筒31の下部49に、Oリン
グからなる環状の導圧指令用弁座48が下側から装着され
る。この導圧指令用弁座48の内周面48aが導圧指令用弁
体46の外周面に封止接触可能とされ、外周面48bが排圧
用作動室入口孔30dに封止接触され、上面48cが支持筒31
の下部49で受け止め可能となっている。また、パイロッ
ト弁箱71の上部内には圧抜き指令用弁座52が設けられ、
この弁座52に圧抜き指令用弁体53が閉弁ばね54で下向き
に閉弁弾圧される。圧抜き指令用弁体53の上側の圧抜き
口51は排圧口15に連通されている。導圧指令用弁体46は
ピストン8に固定される。さらに、前記の給圧口14が、
排圧用作動室入口孔30d内で、導圧指令用弁体46と導圧
指令用弁座48との間から、パイロット弁座45・支持筒31
の貫通孔31aを介して排圧用作動室35に連通される。
上記パイロット弁18は次のように作動する。
ピストン8の下降に同行して導圧指令用弁体46が第1
図中の左半図の実線で示す上死点にある状態から、同左
半図中の二点鎖線で示す下死点にある状態に切換えられ
る場合には、まず、上側の一点鎖線で示すように、圧抜
き指令用弁体53が圧抜き指令用弁座52に座着して圧抜き
口51が閉じられ、次いで、下側の一点鎖線で示すよう
に、導圧指令用弁体46の外周面と導圧指令用弁座48の内
周面48aとが離間する。すると、給圧用作動室33内の圧
力流体が、上記の弁体46と弁座48との開弁隙間・パイロ
ット弁室45・貫通孔31aを通って排圧用作動室35および
受圧作動室70bへ導入される。
その受圧作動室70bの内圧力により、右半図中の実線
で示すように、パイロット弁箱71が両ばね73・54の弾圧
力に抗して上昇駆動され、給圧用作動室33の圧力で導圧
指令用弁座48を押し上げて導圧指令用弁体46から急速に
離間させ、排圧用作動室35を急速に加圧して、給排弁体
30を強力に押し下げて右半図の排圧位置Yに切換える。
これにより、発動室9は、給排気孔36・作動用室32・排
圧室34・排圧孔38を介して排圧口15に連通され、ピスト
ン8の上昇復帰行程が開始される。なお、上記の給排弁
体30の押し下げ時には、従来例と同様に、その下降途中
で、背圧抵抗が、排圧側受圧面30bの受圧断面積Eに加
わる力から給圧作動用受圧面30aの受圧断面積Dに加わ
る力に低下する。このため、給排弁体30は、下降途中か
ら下降速度が増加して、排圧位置Yへの切換えが一層確
実になる。
そして、ピストン8の上昇に同行して導圧指令用弁体
46が右半図中の実線で示す下死点位置から同右半図中の
二点鎖線で示す上死点位置に切換えられる場合には、ま
ず、導圧指令用弁体46の外周面が導圧指令用弁座48の内
周面48aに封止接触し、次いで、圧抜き指令用弁体53を
閉弁ばね54に抗して圧抜き指令用弁座52から離間させ、
排圧用作動室35を支持筒31の貫通孔31a・弁座52と弁体5
3との間の間弁隙間・圧抜き口51の経路で排圧口15に連
通させる。これにより、給排弁体30が上下の差圧力で押
し上げられ左半図の給圧位置Xに切換わる。すると、発
動室9は、給排気孔36・作業用室32・給圧用作動室33を
介して給圧口14に連通され、ピストン8の下降駆動行程
が開始されるのである。
なお、パイロット弁18の排圧指令用弁座48は、支持筒
31の下部49の下面に装着することに代えて、下部49の内
周面に装着することも可能であり、Oリングに代えて他
の種類のパッキンであってもよい。
また、発動機2は、空圧作動式に構成することに代え
て、窒素などの他の種類のガスで作動させたり、油圧で
作動させたりすることもできる。また、発動機2で油圧
ポンプ3を駆動するとしたが、この被駆動機は、往復直
線運動を機械的仕事に変換する機器であればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は本発明の一実施例を示し、 第1図は、作動説明用の模式図で、 第2図は、本発明にかかわる発動機を適用したブースタ
ポンプ装置の縦断面図である。 第3図は、本発明の前提となる基本構造を示すシステム
図である。 第4図と第5図は従来例を示し、 第4図は、第1図に相当する図で、 第5図は、給排弁体の切換時の受圧断面積の変化を示す
図である。 2……流体圧ピストン発動機、4……発動機本体、7…
…シリンダ、7a……上壁、8……ピストン、9……発動
室、11……復帰バネ、13……流体圧給排弁、14……給圧
口、15……排圧口、18……パイロット弁、29……給排弁
箱、29a……給圧側弁座、29b……排圧側弁座、30……給
排弁体、30a……給圧作動用受圧面、30c……排圧作動用
受圧面、30d……排圧用作動室入口孔、32……作業用
室、33……給圧用作動室、34……排圧室、35……排圧用
作動室、45……パイロット弁室、46……導圧指令用弁
体、48……導圧指令用弁座、49……パイロット弁箱71の
下部、52……圧抜き指令用弁座、53……圧抜き指令用弁
体、54……閉弁ばね、70a……シリンダ室、70b……受圧
作動室、71……パイロット弁箱、73……復帰ばね、D・
F……受圧断面積、X……給圧位置、Y……排圧位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F15B 11/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ(7)に挿入したピストン(8)
    の上側に発動室(9)を設け、その発動室(9)に対し
    て圧力流体を供給または排出する流体圧給排弁(13)
    を、上記シリンダ(7)の上側に配置した給排弁箱(2
    9)と、その給排弁箱(29)内に上下移動自在に挿入し
    た給排弁体(30)とによって構成し、 上記の給排弁体(30)を、その下側に形成した給圧用作
    動室(33)内の圧力流体によって上側の給圧位置(X)
    へ切換えるとともに、その上側に形成した排圧用作動室
    (35)内の圧力流体によって下側の排圧位置(Y)へ切
    換え可能に構成し、上記の排圧用作動室(35)に対面す
    る排圧作動用受圧面(30c)の受圧断面積(F)を前記
    の給圧用作動室(33)に対面する給圧作動用受圧面(30
    a)の受圧断面積(D)よりも大きい値に設定し、 上記の排圧用作動室(35)に対して圧力流体を供給又は
    排出するパイロット弁(18)を、上記の給排弁箱(29)
    に支持したパイロット弁箱(71)と、そのパイロット弁
    箱(71)内に挿入されるとともに前記ピストン(8)に
    連結された導圧指令用弁体(46)と、その弁体(46)お
    よび上記パイロット弁箱(71)に封止接当する導圧指令
    用弁座(48)とによって構成した、流体圧ピストン発動
    機において、 上記の給排弁箱(29)の上部に設けた支持孔(70a)に
    前記パイロット弁箱(71)を上下方向へ移動自在に挿入
    すると共に、そのパイロット弁箱(71)の下側に前記の
    排圧用作動室(35)へ連通する受圧作動室(70b)を設
    けて、その受圧作動室(70b)の圧力流体によって上記
    パイロット弁箱(71)を上向き移動可能に構成し、上記
    パイロット弁箱(71)を下向きに弾圧する復帰ばね(7
    3)を設けた、ことを特徴とする流体圧ピストン発動
    機。
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