JP2852811B2 - バランスのとれた特性を有する磁気記録媒体 - Google Patents

バランスのとれた特性を有する磁気記録媒体

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JP2852811B2 JP50180590A JP50180590A JP2852811B2 JP 2852811 B2 JP2852811 B2 JP 2852811B2 JP 50180590 A JP50180590 A JP 50180590A JP 50180590 A JP50180590 A JP 50180590A JP 2852811 B2 JP2852811 B2 JP 2852811B2
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飛沢  誠一
▲しょう▼ 小山
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は磁気記録媒体に関し、詳しくは、良くバラン
スがとれた特性を有する磁気記録媒体に関する。
背景技術 近年、磁気テープ等の磁気記録媒体の品質向上に伴
い、磁性体の高密度化が要求され、支持体上に上層およ
び下層からなる二層構造あるいは三層以上の多層構造の
磁性層を設けたものが種々提案されている。
しかしながら、従来の多層構造の磁気記録媒体は、例
えば電磁変換特性と磁気テープの走行性およびドロップ
・アウト等の特性がいずれもバランスよく高水準を有し
ていない。
本発明の目的は、このような特性がいずれも高い水準
においてバランスがとれている磁気記録媒体を提供する
ことである。
具体的には、本発明の目的は、第1に、電磁変換特性
が優れた磁気記録媒体、特にクロマ出力とRF出力のバラ
ンスのとれた磁性記録媒体を提供することである。
第2に、走行耐久性の良好な磁気記録媒体、特に磁性
層のヤング率が高く、テープエッジダメージを受けにく
い磁気記録媒体を提供することである。
第3に、ドロップアウトの発生が少ない磁気記録媒体
を提供することである。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、第1磁
性層及び、その上に第2磁性層を有する。各層は以下の
条件を満たす。
第1磁性層は、BET法による比表面積が25〜40m2/g
で、抗持力(Hc)が600−750エルステッド(Oe)のCo含
有γ酸化鉄磁性体が使用され、そして該磁性体が、該磁
性体に対して0.05−0.3重量%のケイ素で表面処理され
ており、かつ該磁性体に対して7−13重量%のカーボン
ブラックが含有される。
第2磁性層において、BET法による比表面積が25−70m
2/gで、抗持力(Hc)が750−950エルステッド(Oe)のC
o含有γ酸化鉄磁性体が使用され、そして該磁性体に対
し1重量%以下のカーボンブラックが含有される。
本発明をより詳細に説明する。本発明の磁気記録媒体
に使用される磁性体は、針状酸化鉄微粒子の表面層に結
晶磁気異方性の大きいCo2+を被着させた複合材量(Co含
有γ酸化鉄という)である。
本発明の磁気記録媒体の第1磁性層は、磁性体として
Co含有γ−酸化鉄をケイ素化合物で表面処理をした磁性
体が用いられる。このケイ素化合物は磁気記録媒体中で
はケイ素の酸化物の形で存在する。
ケイ素の磁性体に対する含有量は、分散性の向上と磁
性塗布液の停滞安定性の点からケイ素原子に換算して0.
05−0.3重量%である。
Co−γ−酸化鉄は、Co−γ−FeOx(x=1.33−1.50)
で表される。
本発明の磁気記録媒体の第1磁性層のみからなる磁性
記録媒体は磁性体の保磁力が小さいためRF出力が低く、
一方、第2磁性層のみからなる磁気記録媒体(単層)に
おいては、磁性体の保磁力が大きいためクロマ出力が低
い。
ところが第1磁性層の上に第2磁性層を設けて成る磁
気記録媒体においてはRF出力およびクロマ出力の両方を
バランス良く高い水準に維持させることができる。
また、例えば第1磁性層単層のみからなる磁気記録媒
体はカーボンブラックを多量に含有していて、相対的に
バインダーの含有量が少ないため磁性層のヤング率が低
く、このため、磁性記録媒体がテープ状の場合は、エッ
ジ部と中心部が不均一に延び波状に変形してしまった
り、走行中にテープエッジがダメージを受け易い。
ところがこの第1磁性層の上に、カーボンブラックを
殆ど含有せず相対的にバインダーの含有量が多い第2磁
性層を設けた場合にはこのような欠点が効果的に改善さ
れる。
更にまた、例えば、第2磁性層は殆どカーボンブラッ
クを含有していないので表面比抵抗が高く、このため静
電気が発生し易く、塵埃等を吸引してドロップアウトを
増加させるが、この第2磁性層とカーボンブラックの含
有量が多い第1磁性層とを組み合わせることにより、か
かる欠点が克服される。
本発明の磁気記録媒体に好適に用いられるバインダー
の例は、陰性官能基を有する塩化ビニル系樹脂(以下、
樹脂Aと言う)である。さらに好ましくは樹脂Aとガラ
ス転移温度が−30−10℃の範囲内にあるポリウレタン
(以下、樹脂Bと言う)を併用することである。
前記樹脂Aは、本発明の磁気記録媒体の前記磁性体粉
末のバインダー中における分散状態を良好なものにする
作用を有する。
前記樹脂Aにおける前記陰性官能基の例は、たとえ
ば、−SO3M、−CSO2M、−OSO3M、−COOMおよび である。
ここで、式中、Mは水素原子、リチウムおよびナトリ
ウムのいずれかであり、M1およびM2は、それぞれ水素原
子、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびアルキル基
のいずれかである。またM1とM2とは、互いに異なってい
ても良いし、同じであっても良い。
特に好ましい例は−SO3M、−COOMおよび である。
樹脂Aは、たとえば、塩化ビニル系樹脂を変性して、
前記陰性官能基を導入することにより得ることができ
る。
具体的には、塩化ビニル系樹脂と、たとえば Cl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH2OSO2M、Cl−CH2COOM、 ここで、M、M1およびM2はそれぞれ前と同じ意味であ
る、 のように分子中に陰性官能基および塩素を含有する化合
物とを脱塩酸反応により縮合させて得ることができる。
塩化ビニル系樹脂の例は、たとえば塩化ビニル−酢酸
ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−プロ
ピオン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−マレイン酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル−マレイン
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ア
リルグリシジルエーテル−アクリル酸エステル共重合体
である。
たとえば、塩化ビニル系樹脂にスルホン酸金属塩基を
導入して樹脂Aとする場合には、共重合体に含まれてい
るビニルアルコールのOH基と、Cl−CH2CH2SO3M、Cl−CH
2CHOSO2M等の塩素を含むスルホン酸金属塩の塩素とを、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性
溶媒中で、たとえばピリジン、ピコリン、トリエチルア
ミンのアミン塩、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド等のエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下で、脱
塩酸反応させればよい。
樹脂Aの中で、好ましいのは塩化ビニルと他の共重合
可能な化合物が少くとも1種共重合している塩化ビニル
系共重合体である。
塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニルモノマー、スル
ホン酸もしくはリン酸のアルカリ塩を含有した共重合性
モノマーおよび必要に応じ他の共重合性モノマーを共重
合することによって得ることができる。この共重合体
は、ビニル合成によるものであるので合成が容易であ
り、かつ共重合成分を種々選ぶことができ、共重合体の
特性を最適に調整することができる。
スルホン酸もしくはリン酸の塩の金属はアルカリ金属
(特にナトリウム、カリウム、リチウム)であり、特に
カリウムが溶解性、反応性、収率等の点で好ましい。
スルホン酸塩を含有する共重合性モノマーの例は、 CH2=CHSO3M CH2=CHCH2SO3M CH2=C(CH3)CH2SO3M CH2=CHCH2OCOCH(CH2COOR)SO3M CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2SO3M CH2=C(CH3)COOC2H4SO3M CH2=CHCOOC4H8SO3M CH2=CHCONHC(CH32CH2SO3M である。
また、リン酸塩の例は、 ここで、Mはアルカリ金属、Rは炭素原子数1−20個
のアルキル基、Y1は水素原子、M、およびCH2=CHCH2OC
H2CH(OH)CH2−のいずれか、Y2は水素原子、M、およ
びCH2CH=CONHC(CH32CH2−のいずれか、X1OHおよびOMのいずれか、X2はCH2=CHCH2O(CH2CH2O)
m、OHおよびOMのいずれかを表わす。また、mおよびn
は1−100の正数である。
また、必要に応じ、種々のビニルエステル、塩化ビニ
リデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチ
レン、アクリル酸、メタクリル酸、種々のアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、エチレン、プロピレ
ン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルエー
テル、アリルエーテル、アリルエステル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸エステ
ルを例とする共重合性モノマーを共重合させてよい。
本発明に用いられる結合剤は、乳化重合、溶液重合、
懸濁重合、塊状重合等の重合法により重合される。いず
れの方法においても、必要に応じて分子量調節剤、重合
開始剤、モノマーの分割添加あるいは連続添加などの公
知の技術を応用することができる。
結合剤中の酸性基の塩含有モノマー量は0.01−30モル
%であるのが好ましい。塩含有モノマー量が多すぎると
溶剤への溶解性が悪く、またゲル化が起こり易くなるこ
とがある。一方、塩含有モノマー量が少なすぎると、所
望の特性が得られないことがある。
塩化ビニル系共重合体は、さらにエポキシ基または水
酸基を含有していることが好ましい。
好ましいエポキシ基の例は、 である。
具体的には、次のようなユニットの組合せの樹脂が例
示される。
ここで、qは200−800、rは1−100、sは0−100、
tは0−100の整数である。ただしsとtがともに0に
なることはない。また、Zはスルホ基またはホスホ基の
アルカリ金属塩を含んだモノマーユニット部分である。
樹脂Aの分子量は、通常5000−80000、好ましくは100
00−30000である。この分子量が80000を超えると、磁性
塗料の粘度が許容範囲を超えて大きくなり、磁気記録媒
体にしたときの磁性層の摩擦係数の上昇を招いたり、生
産時の作業性の悪化を招いたりすることがある。一方、
分子量が5000未満であると、磁性塗料を前記非磁性支持
体上に塗布してから硬化剤を用いて硬化させる段階で、
未反応部分が生じ、低分子量成分が残存することになっ
て塗膜の物性を劣化させることがある。
樹脂Aの配合割合は、前記磁性粉末100重量部に対し
て、通常5−30重量部、好ましくは5−20重量部であ
る。この配合割合5重量部未満であると、磁性層におけ
る前記磁性粉末の分散状態の悪化を招き、この発明の磁
気記録媒体の電磁変換特性、走行性および耐久性が劣化
することがある。一方、30重量部より多くしても、配合
量の増加に見合う効果は奏されないことがある。
樹脂Bのポリウレタンは、この発明の磁気記録媒体に
おける磁性層の機械的強度を向上させて耐久性を改善す
る作用や樹脂Aと併用することにより実現される平滑な
磁性層表面の摩擦係数の上昇を防止する作用を有する。
樹脂Bのガラス転移温度Tgは、通常、−30℃−50℃の
範囲内にある。このガラス転移温度Tgが−30℃未満であ
ると、磁性層自身の剛性が低下し、走行耐久性の向上が
充分に図れないことがある。
一方、50℃を超えると、所謂、カレンダビリティ、カ
レンダーのかかり易さ、が低下して、表面平滑化処理が
困難になることがある。
樹脂Bは、たとえば、イソシアネートとジオールとの
反応により得ることができる。
ここで使用されるイソシアネートの例は、たとえば2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビ
フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネー
ト−ジフェニルエーテル、1,3−ナフタレンジイソシア
ネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシレ
リンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチル
シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートトメチルシク
ロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキサ
ン、4,4′−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタ
ン、イソホロンジイソシアネートである。
樹脂Bを得るために使用されるジオールの例は、たと
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールである。また、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなど
のトリおよびテトラオールを使用することもできる。
樹脂Bの配合割合は、前記磁性粉末100重量部に対し
て、通常、1−20重量部、好ましくは3−15重量部であ
る。この配合割合が1重量部未満であると、磁性層の表
面粗さを小さくする効果が充分に奏されず、カレンダビ
リティの向上が不充分なものとなって、この発明の磁気
記録媒体の電磁変換特性および走行耐久性の向上が充分
ではないことがある。一方、20重量部より多いと、磁性
層における前記磁性粉末の分散性の向上が充分でないこ
とがある。
本発明における磁性層を形成するための塗布液には分
散剤が使用される。また必要に応じ潤滑剤、研磨剤、マ
ット剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
本発明に使用される分散剤としては、燐酸エステル、
アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪酸アミド、
高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、スルホ琥珀
酸、スルホ琥珀酸エステル、公知の界面活性剤等および
これらの塩があり、また、陰性有機基(例えば−COOH)
を有する高分子分散剤の塩を使用することもできる。こ
れら分散剤のうち、リン酸エステルを使用するのが望ま
しい。この場合のリン酸エステルの使用料は磁性体100
重量部に対して対して通常、0.5−5重量部であり、好
ましくは1−3重量部である。本発明においては、リン
酸エステルを第1磁性層中に含有させることが特に好ま
しい。
なお、上記の分散剤は、1種類のみならず、2種類以
上併用してもよい。
なお、本発明に好適に用いられるリン酸エステルの例
は式Iで表わされる化合物である。
ここで、AはOH基またはR−O−(CH2CH2O)n−
を、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基もしく
はアルキルアリール基を表わし、好ましくは炭素原子数
4−30個である。またアルケニル基或は芳香環を含んで
いることが好ましい。nは2−50の正数である。
次に一般式〔I〕で表わされるリン酸エステルの具体
例を掲げる。
また、潤滑剤としては、シリコーンオイル、グラファ
ライト、カーボンブラックグラフトポリマ、二硫化モリ
ブテン、二硫化タングステン、ラウリル酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、炭素原子数12−16の
一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素原子数と合計して炭素
原子数が15−40個の一価のアルコールから成る脂肪酸エ
ステル、いわゆるロウ等も使用できる。これらの潤滑剤
はバインダー100重量部に対して0.2−20重量部の範囲で
添加される。
研磨剤の例は、一般に使用される材料で鎔融アルミ
ナ、炭化珪素、酸化クロム、べんがら、コランダム、人
造コランダム、人造ダイヤモンド、ざくろ石、エメリ
(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用される。これ
らの研磨剤は平均粒子径0.05−5μmの大きさのものが
使用され、特に好ましくは0.1−2μmである。これら
の研磨剤は結合剤100重量部に対して1−20重量部の範
囲で添加される。
マット剤はとしては、有機質粉末或は無機質粉末を夫
々に或は混合して用いられる。
本発明に用いられる有機質粉末としては、アクリルス
チレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン
系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が好ましいが、ポリ
オレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリ
アミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリ弗化エ
チレン樹脂粉末等も使用でき、無機質粉末としては酸化
珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、炭化珪素、炭化カルシウム、α−Fe2O
3、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、窒化硼素、弗
化亜鉛、二酸化モリブデンが挙げられる。
一般に、磁気記録媒体の使用中に静電気が蓄積された
場合に磁気ヘッドとの間で放電が生じてノイズを発生し
易く、またゴミ等が吸着されてドロップアウトの原因と
なることがある。
このようなことから、一般に、磁性層の表面電気抵抗
を下げることが必要とされていて、このため通常は磁性
層にカーボンブラック粒子が添加される。
本発明の磁気記録媒体の第1磁性層中に添加するカー
ボンブラックは、主として、磁性層の表面比抵抗の低減
と遮光性の賦与を目的とするものであって、通常平均一
次粒子サイズが10−40mμのものが用いられるが、好適
に用いられるものとして、たとえばコロンビアンカーボ
ン社製のコンダクテックス(Conductex)C−975、(平
均粒子24mμ)、C−SC(平均粒子20mμ)、CF−9(平
均粒径40mμ)、ラーベン(Raven)R−1255、R−200
0;キャボット社製バルカン(Vulcan)V−P(平均粒径
22mμ)、BP−2000、BP−1000等が挙げられる。
第2磁性層中に添加するカーボンブラックは、主とし
て動摩擦係数の軽減を目的とするものであって、通常平
均一次粒子サイズが40−100mμのものが用いられるが、
好適に用いられるものとしてコロンビアンカーボン社製
R−420(平均粒径68mμ),R−450(平均粒径62mμ)、
キャボット社製Sterling−V(平均粒径50mμ)、旭カ
ーボン社製デンカブラックHS−100(平均粒径53mμ)、
HS−500(平均粒径76mμ)等が挙げられる。
本発明においては、第1磁性層に添加するカーボンブ
ラックの量は、上述のごとく表面比抵抗の低減と遮光性
賦与の見地から、通常、磁性体に対して3−20重量%で
あり、特に、7−13重量%とするのが好ましい。
また、第2磁性層に添加するカーボンブラックの量
は、上述のごとく摩擦係数低減の見地から通常、0.1−
3重量%であり、特に、0.1−1重量%とするのが好ま
しい。
帯電防止剤として他に、グラファイト、酸化錫−酸化
アンチモン系化合物、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチ
モン系化合物などの導電性粉末;サポニンなどの天然界
面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系などのノニオン界面活性剤;高級アルキル
アミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジン、その他
の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類などの
カチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、
硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニ
オン界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、ア
ミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類等の両性活
性剤などがあげられる。
上記塗料に配合される溶媒或はこの塗料の塗布時の希
釈溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、チレングリコールモノアセテート等の
エステル類;グリコールジメチルエーテル、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロルベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素等のものが使用できる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の耐久性を向上させる
ために磁性塗料に各種硬化剤を含有させることができ、
例えばイソシアナートを含有させることができる。芳香
族イソシアナートとしては、例えばトリレンジイソシア
ナート(TDI)等及びこれらイソシアナート活性水素化
合物との付加体などがあり、平均分子量としては100−
3,000の範囲のものが好適である。
また、支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセル
ロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネートなどのプ
ラスチックが挙げられるが、Cu,Al,Zn等の金属,ガラ
ス,窒化硼素,Siカーバイド等のセラミックなども使用
できる。
これらの支持体の厚みはフィルム、シート状の場合は
約3−100μm程度、好ましくは5−50μmであり、デ
ィスク、カード状の場合は30μm−10mm程度であり、ド
ラム状の場合は円筒状で用いられ、使用するレコーダに
応じてその型は決められる。
上記支持体と磁性層の中間には接着性を向上させる中
間層を設けても良い。また第1磁性層と第2磁性層の間
に中間層を、あるいは第2磁性層の上に保護層を設けて
も良い。
支持体上に上記磁性層を形成するための塗布方法とし
ては、エアードクタコート、ブレードコート、エアーナ
イフコート、スクィズコート、含浸コート、リバースロ
ールコート、トランスファロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キャストコート、スプレイコート、エ
キストルージョンコート等が利用できる。
これらのコート法によって支持体上に磁性層を構成さ
せる場合、一層づつ塗布乾燥工程を積み重ねる方法、い
わゆるウエット・オン・ドライ塗布方式、乾燥されてい
ない湿潤状態にある層の上に次の層を同時または逐次重
ねて塗布する方式、いわゆるウエット・オン・ウエット
方式とがあるが、本発明の磁気記録媒体の製造に当たっ
ては、いずれの方法を採ることもできる。電磁気特性の
向上のためにはウエット・オン・ウェット方式が好まし
い。
本発明においてはいずれのコート法を選択するにせ
よ、第1磁性層の厚みは通常、1.0−4.0μm、好ましく
は1.0−3.0μm、第2磁性層の厚みは通常0.1−4.0μ
m、好ましくは0.1−2.0μm、特に好ましくは0.1−1.0
μmに設定することが望ましい。
このような方法により、支持体上塗布された磁性層は
必要により層中の強磁性金属酸化物粉末を配向させる処
理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。
この場合、配向磁場は交または直流で約500−5000Oe
程度であり、乾燥温度は約50−120℃程度、乾燥時間は
約0.5−10分間程度である。
また、必要に応じて表面平滑化処理を施したり、所望
の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造
する。
発明を実施するための最良の形態 次に実施例により本発明を説明する。
本発明の試料1−4は本発明を実施するための最良の
形態の例である。
実施例1 第1表に記載した組成の磁性塗料(第1磁性層用)お
よび第2表に記載した組成の磁性塗料(第2磁性層用)
のそれぞれをを混練し、磁性粉末を塗料中によく分散さ
せた。
ついで各塗料をメチルエチルケトンおよびトルエンか
らなる溶剤で1−30ポイズの粘度に調整したのち、硬化
剤としてポリイソシアネートを5部添加した。
次に、走行する非磁性支持体上に第1層および第2層
の膜厚を種々変化させて重層塗布した後、乾燥して磁気
記録テープを製造した。
なお別途、比較のために、上記各磁性塗料の各々を単
層塗布して上記と同様にして磁気記録テープを製造し
た。
各列における塗布層の膜厚およびそれぞれの場合に得
られた磁気テープについて物性を測定した結果を第3表
および第4表に示した。
実施例2 実施例1が繰り返された。各層の組成と厚みは次のよ
うに変更された。
得られた結果を示す。
実施例に記される値の測定法を示す。
RF出力 100%ホワイト信号(4MHz)における再生時の出力を
求めた。
クロマ出力 500kHz、RF信号における再生時の出力を求めた。これ
らのRF出力、クロマ出力はそれぞれ第4表では試料1
を、第8表では試料3を0dBとする相対値で示した。
ヤング率 試料長さ20cm、引張強度100mm/分の条件でテープ全体
の弾性率(ヤング率)を測定する一方、支持体だけの弾
性率を測定し、両測定値から下式にしたがって磁性層だ
けの弾性率も求める。
表面比抵抗 スリットした各テープを2分の1インチ(約1.25cm)
幅の電極に挟み、両端に加重をかけ500Vの電圧をかけた
時の電気抵抗を測定した。
テープエッジダメージ 200回走行後のテープを目視で評価した。
A:エッジの変形が認められない。
B:エッジに弱い変形が認められる。
C:エッジに強度の変形およびキ裂が認められる。
D/O=ドロップ・アウト カラービデオノイズメーター「シバソクVH0 1BZ」を
用いて10μm、−14dの1分間に何個生じるかをもって
表す。
産業上の利用可能性 本発明の磁気記録媒体は電磁変換特性、特にクロマ出
力とRF出力がともに高い水準にあり、また、磁性層のヤ
ング率が高くて、テープエッヂダメージを受けにくいの
で走行耐久性が良好で、しかもドロップアウトの発生が
少なく、記録媒体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/716 G11B 5/708 G11B 5/706

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、 BET法による比表面積が25−40m2/gで、抗磁力(Hc)が6
    00−750エルステッド(Oe)であり、且つ、磁性体に対
    して0.05−0.3重量%のケイ素を含有するCo含有γ−酸
    化鉄磁性体および磁性体に対して7−13重量%のカーボ
    ンブラックを含有する第1磁性層、およびその上に、 BET法による比表面積が25−70m2/gで、抗磁力(Hc)が7
    50−950エルステッド(Oe)のCo含有γ−酸化鉄磁性
    体、磁性体に対し1重量%以下のカーボンブラックを含
    有する第2磁性層を有する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】第1磁性層がリン酸エステルを含有する請
    求の範囲第(1)項記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】第1磁性層および第2磁性層が陰性官能基
    含有ポリ塩化ビニルを含有する請求の範囲第(1)項ま
    たは第(2)項記載の磁気記録媒体。
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