JP2852632B2 - 推進工法に使用される管体 - Google Patents

推進工法に使用される管体

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JP2852632B2
JP2852632B2 JP7195425A JP19542595A JP2852632B2 JP 2852632 B2 JP2852632 B2 JP 2852632B2 JP 7195425 A JP7195425 A JP 7195425A JP 19542595 A JP19542595 A JP 19542595A JP 2852632 B2 JP2852632 B2 JP 2852632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地中を水平に掘削し
つつ下水道管等として使用される管部材を埋設していく
推進工法に使用される管体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、地中に掘削した二つの縦孔間を掘削機により水平に
掘削しつつ該掘削機に後続させて管部材(下水道管等と
して使用される。)を継ぎ足し、地中に複数の管部材を
連設状態で埋設していく推進工法が提案されている。
【0003】この推進工法においては、管部材とその周
囲の地山との摩擦抵抗の低減が課題であり、例えば、管
部材と地山との間に適宜な滑材を充填する手段も提案さ
れているが、このような手段は、地山が透水性に富む場
合、該滑材が地山に浸透し、滑材の本来の効果、即ち、
地山と管部材との摩擦抵抗の低減という効果が十分に奏
されないという問題がある。
【0004】更に、上記手段は、地山が地下水が豊富な
場合、管部材の継ぎ足し箇所から地下水が内部に浸水し
てしまうという問題もある。
【0005】そこで、本発明者は上記の欠点を解決した
特願平7−133197号に係る推進工法(以下、従来
例という。)を開発した。
【0006】この従来例は図1,2に図示したように、
掘削機21に管体27を連設し、この管体27付の掘削機21を
縦孔内に配設し、押圧ジャッキにより推進させ、掘削機
21に後続させて順次管部材22を継ぎ足し、地中に該管部
材22を埋設させる方法である。
【0007】この管体27には改質材23を導出する改質材
導出部25としての孔25と滑材24を導出する滑材導出部26
としての孔26とが管体27の外周面に開口状態で設けら
れ、該孔25から導出される改質材23により地山が不透水
性に改質され、この不透水性に改質された改質済地山A
と管部材22との間に孔26から滑材24が導出される。従っ
て、該改質材23により該滑材24の地山への浸透は確実に
防止される、というものである。
【0008】しかしながら種々実験したところ、従来例
には次の欠点があることを確認した。
【0009】管体27に穿設した孔25(開口部が管体27の
外周面に露出している。)から改質材23を導出せしめる
構成の場合には、該孔25に地山が当接したりすると、改
質材23の導出は直ちに阻害される。確かに従来例は管体
27の先端にテーパー部27aを形成して地山を押し広げる
ように構成してはいるものの、地山が緩い場合には該地
山が崩れ、改質材23を導出せしめる孔25を塞いでしま
い、改質材23の導出が阻害されてしまうという欠点であ
る。
【0010】本発明はこの従来例の改質材を導出する改
質材導出部を改良した発明を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0012】地中に掘削した二つの縦孔10間を掘削機1
により水平に掘削推進し、掘削機1に後続させて管部材
2を継ぎ足し、地中に複数の管部材2を連設状態で埋設
して行く推進工法に使用される管体7であって、該管体
7は掘削機1に連設され、また、該管体7には掘削推進
途時に周囲の地山を不透水性の地山に改質する改質材3
を導出する改質材導出部5を設けるとともに該改質材3
を地山に浸透させて該地山を改質した後、該改質済地山
Aと管部材2との間に滑材4を充填する滑材導出部6と
が設けられ、この改質材導出部5と滑材導出部6とは改
質材導出部5が滑材導出部6より前側に位置するように
設定され、この改質材導出部5は、該管体7の外周面に
対して突設され且つ改質材3を後方に向かって導出せし
めることができる構造に設定されていることを特徴とす
る推進工法に使用される管体に係るものである。
【0013】請求項1記載の推進工法に使用される管体
において、改質材導出部5の前側を周囲の地山との抵抗
を低減せしめるべく先鋭に形成し、後側を管体7の外周
面に対して垂直となる垂直面5bに形成し、この垂直面
5bに改質材3を導出する導出口5cを形成したことを
特徴とする推進工法に使用される管体に係るものであ
る。
【0014】請求項1,2いずれか1項に記載の推進工
法に使用される管体において、改質材導出部5を該管体
7の外周面に対して突没自在に構成したことを特徴とす
る推進工法に使用される管体に係るものである。
【0015】
【発明の作用及び効果】改質材導出部5は管体7の外周
面から突出しているため、この突出している改質材導出
部5により地山は掘削され、この掘削により該改質材導
出部5の後方には空隙が形成される。
【0016】本発明はこの突出している改質材導出部5
により掘削形成される空隙(改質材導出部5のすぐ後に
形成される空隙)に改質材3を導出する為、即ち、改質
材3を導出する開口部が地山の掘削孔内面に向いていな
い為、崩れた地山の土砂等で該開口部が塞がれたりする
ことは減少し、よって、改質材3の導出は良好に行われ
ることになる。
【0017】本発明は上述のように改質材3が良好に導
出され、従って、それだけ滑材4も確実に充填されるこ
とになり、よって、該改質材3の後に充填される滑材4
が接触する地山は確実に不透水性に改質され、該滑材4
が地山に浸透消失することはなく、従って、滑材4の本
来の効果、即ち、地山と管部材2との摩擦抵抗の低減と
いう効果が確実に発揮され、よって、良好に管部材2の
埋設を行い得ることになる。
【0018】
【実施例】図3,4,5,6,7,8は本発明の実施例
を図示したもので、以下に説明する。
【0019】管体7の前側及び中央に改質材3を導出す
る改質材導出部5を所定間隔をおいて環状に設け、管体
7の後側に滑材4を導出する滑材導出部6(孔)を環状
に設け、この管体7の先端に掘削機1を連設し、これを
予め掘削してある縦孔10内に配設し、管体7に順次管部
材2を継ぎ足しながら公知の常法手段である例えば油圧
ジャッキ11により該縦孔10側壁から掘削を開始する。
【0020】管体7に設けた改質材導出部5は前側を先
鋭な傾斜縁5aに形成し、後端を垂直面5bに形成した
形状で、この垂直面5bに改質材3を導出する導出口5
cが穿設されている。導出口5cがこの管体7の外周面
に対して垂直な垂直面5bに穿設されている為、崩れた
地山の土砂等により該導出口5cが塞がれることは可及
的に防止される。
【0021】この改質材導出部5は、図5に図示したタ
イプが突没可能に構成したタイプ、図6,7に図示した
タイプがネジ12により突没可能に構成したタイプであ
る。
【0022】図6,7に図示したタイプの場合には縦孔
10内に掘削機1付の管体7を配設し、掘削を開始させる
際には該改質材導出部5を管体7の外表面と面一にして
おき、パッキン13を通過したら再び改質材導出部5を突
出せさることが出来る(図8参照)。従って、この改質
材導出部5の突没によりパッキン13の損傷が防止される
ことになる。この点は出口側の縦孔に設けられたパッキ
ンについても同様である。
【0023】尚、ネジ12の突没は作業者が管体7中に入
って手作業で行っても良いし、適宜な手段により自動式
にしても良い。
【0024】符号8は改質材3を導出する導出管、7a
は地山を押し広げる為のテーパー部(図8に図示した管
体7のみがこのテーパー部7aを有している。)、9は
パッキンである。
【0025】この掘削に際してはまず改質材導出部5か
ら改質材3(例えば溶液型の水ガラス系注入剤)が導出
されて周囲の地山が不透水性の地山に改質され、続い
て、この改質済地山Aと管部材2との間に滑材4(例え
ばベントナイト)が導出される。
【0026】尚、改質材3は地山の土粒子の間隙に浸透
した後、一定時間(数分程度)経過して地下水に溶けて
固まるものであればどのようなものでも良く、固まるま
でに所定時間を要することで管部材2の沈下現象を抑制
できるとともに非常に扱い易くなる。
【0027】滑材4は、周囲の地山が不透水性に改質さ
れている為、浸透消失することはなく、管部材2は滑材
4中に浮いた状態となり、滑材4の本来の効果、即ち地
山と管部材2との摩擦抵抗の低減という効果は確実に発
揮される。
【0028】また、改質材3により周囲の地山は不透水
性に改質されている為、地下水がにじみ出し、管部材2
の継ぎ足し箇所から内部に浸水することはない。
【0029】尚、改質材3,滑材4の導出量は、複数設
けられている各改質材導出部5,滑材導出部6のバルブ
を独立に制御可能に構成し、その地山の土質,管部材2
の推進速度等を考慮して各改質材導出部5,滑材導出部
6からの改質材3,滑材4の導出量を制御できるように
構成する。
【0030】本実施例は上述のように充填された滑材が
接触する地山を不透水性に改質するから滑材が地山に浸
透消失することはなく、従って、滑材の本来の効果、即
ち、地山と管部材との摩擦抵抗の低減という効果が確実
に発揮され、よって、良好に管部材の埋設を行い得る推
進工法となる。
【0031】尚、滑材導出部6も本実施例の改質材導出
部5と同構造にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の説明断面図である。
【図2】従来例の説明断面図である。
【図3】本実施例の正面図である。
【図4】本実施例の説明断面図である。
【図5】本実施例の改質材導出部5(突没不能タイプ)
の正断面図である。
【図6】本実施例の改質材導出部5(突没可能タイプ)
の拡大正断面図である。
【図7】本実施例の改質材導出部5(突没可能タイプ)
の拡大側断面図である。
【図8】本実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【符号の説明】
A 改質済地山 1 掘削機 2 管部材 3 改質材 4 滑材 5 改質材導出部 5b 垂直面 5c 導出口 6 滑材導出部 7 管体 10 縦孔

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に掘削した二つの縦孔間を掘削機に
    より水平に掘削推進し、掘削機に後続させて管部材を継
    ぎ足し、地中に複数の管部材を連設状態で埋設して行く
    推進工法に使用される管体であって、該管体は掘削機に
    連設され、また、該管体には掘削推進途時に周囲の地山
    を不透水性の地山に改質する改質材を導出する改質材導
    出部を設けるとともに該改質材を地山に浸透させて該地
    山を改質した後、該改質済地山Aと管部材との間に滑材
    を充填する滑材導出部とが設けられ、この改質材導出部
    と滑材導出部とは改質材導出部が滑材導出部より前側に
    位置するように設定され、この改質材導出部は、該管体
    の外周面に対して突設され且つ改質材を後方に向かって
    導出せしめることができる構造に設定されていることを
    特徴とする推進工法に使用される管体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の推進工法に使用される管
    体において、改質材導出部の前側を周囲の地山との抵抗
    を低減せしめるべく先鋭に形成し、後側を管体の外周面
    に対して垂直となる垂直面に形成し、この垂直面に改質
    材を導出する導出口を形成したことを特徴とする推進工
    法に使用される管体。
  3. 【請求項3】 請求項1,2いずれか1項に記載の推進
    工法に使用される管体において、改質材導出部を該管体
    の外周面に対して突没自在に構成したことを特徴とする
    推進工法に使用される管体。
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