JP2851456B2 - クレーンの自動運転操作方法 - Google Patents

クレーンの自動運転操作方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーンの自動運転操
作の簡略化、安全性の向上、作業効率の向上、オペレー
タの疲労軽減等を図る場合に用いて好適なクレーンの自
動運転操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般産業用クレーン、高層建築用
クライミングクレーン、コンクリート打設用ジブクレー
ン等の自動運転操作を行う場合には、切換スイッチ等に
より自動運転条件を設定すると共に、押釦スイッチ等に
より自動運転を開始させる操作方法が一般的となってい
る。また、前記クレーンの位置決めを行う場合には、制
御装置に付設したデジタルスイッチやキーボード等によ
り位置決めデータの番地を設定する方法が一般的となっ
ている。また、前記クレーンの自動運転状態の監視は、
一般的には実施されていない場合が多いが、例えば制御
装置のCRT画面上にクレーンが自動運転中である旨の
表示を行う場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
技術においては下記の如くの問題があった。 クレーンの自動運転操作を行う場合には、切換スイッ
チや押釦スイッチ等の複数の操作用スイッチが必要とな
るため、オペレータの操作が煩雑化するという問題があ
る。 クレーンの位置決めを行う場合には、位置決めデータ
の番地設定用のデジタルスイッチやキーボード等の機器
類が必要となるため、オペレータの操作が煩雑化すると
いう問題がある。 クレーンが自動運転中である旨を例えばCRT画面上
へ表示することは可能であるが、自動運転開始前に運転
経路の表示を行うことはできないため、自動運転の安全
性という面で問題がある。 上記により、自動運転及び自動運転監視を行うために
は、CRTの他に各スイッチ類、キーボード等の各種部
品や機器類が必要となるため、機器構成が煩雑化すると
いう問題がある。
【0004】本発明は前記課題を解決するもので、自動
運転操作の簡略化、自動運転時における安全性の向上、
クレーンの作業効率の向上、オペレータの疲労の軽減等
を達成したクレーンの自動運転操作方法の提供を目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、クレーンの現在位置データ、クレーンの
目標位置データ、クレーンの目標位置の指定を指示する
メッセージ、クレーンの自動運転開始指令を表示する文
字表示部と、クレーン、障害物、クレーンの現在位置、
クレーンの目標位置、クレーンの自動運転範囲を表示す
る図形表示部とを備え、クレーンの自動運転開始前、自
動運転中、自動運転終了後の各時点で表示状態が切換わ
る表示装置を使用し、該表示装置の文字表示部、図形表
示部の所定箇所を押下操作することにより、クレーンの
自動運転操作を行うようにしたクレーンの自動運転操作
方法であり、クレーンの自動運転開始前においては、前
記表示装置の文字表示部へ表示されたクレーンの現在位
置データ、文字表示部へ表示されたクレーンの目標位置
の指定を指示するメッセージ、図形表示部へ表示された
クレーンの現在位置に基づき、前記表示装置の図形表示
部の目標位置を押下してクレーンの目標位置を指定する
ことにより、前記表示装置の文字表示部へクレーンの目
標位置データを、図形表示部へクレーンの目標位置、ク
レーンの自動運転範囲を表示させ、該表示の確認に基づ
き前記表示装置の文字表示部の自動運転開始指令を押下
することにより、クレーンの自動運転を開始させ、クレ
ーンの自動運転中においては、前記表示装置の文字表示
部へクレーンの自動運転に伴い逐次表示されるクレーン
の現在位置データ、文字表示部へ表示されたクレーンの
目標位置データ、図形表示部へ表示されるクレーンの運
転状態に基づきクレーンの自動運転を監視し、クレーン
の自動運転終了後においては、前記表示装置の図形表示
部へ表示されるクレーンが到達した目標位置、文字表示
部へ表示されるクレーンの次の目標位置の指定を指示す
るメッセージに基づき、クレーンを次の目標位置へ自動
運転する場合は上記一連の操作を繰り返すことを特徴と
する。
【0006】
【作用】本発明によれば、クレーンの自動運転操作を行
う場合には、表示装置の文字表示部、図形表示部の所定
箇所を押下することにより、クレーンの自動運転開始時
から自動運転中及び自動運転終了時までの間に渡って表
示装置へ各種データ、クレーンの運転状態等を逐次表示
させると共に、該表示を目視してクレーンの自動運転状
態を監視しながらクレーンの自動運転操作を行うため、
自動運転状態の予測や自動運転中の監視を的確に行うこ
とが可能となる。これにより、クレーンの自動運転操作
の簡略化、自動運転時における安全性の向上、作業効率
の向上、オペレータの疲労の軽減等を達成することがで
きる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本実施例のクレーン自動運転操作に使用す
るシステムの構成図であり、該システムは各部を制御す
るCPU(中央処理装置)1と、該CPU1へケーブル
2を介して接続されたCRTディスプレイ装置(以下C
RTと略称)3と、該CPU1の拡張ボード4へケーブ
ル5を介して接続されたタッチスクリーン6とから大略
構成されている。
【0008】前記CRT3は例えば図2に示す如くの外
観とされており、該CRT3を本システムに組込む場合
は、該CRT3の表示面7に取付けられているフィルタ
8を取外し、例えば図3に示す如くCRT3の表示面7
に対しタッチスクリーン6を取付具9、9により取付固
定するようになっている。前記CRT3の表示面7は図
4〜図7に示す如く、キャラクタ表示部10と、グラフ
ィック表示部11とから大別構成されており、自動運転
対象クレーンの自動運転時には、オペレータがタッチス
クリーン6の上からCRT3のキャラクタ表示部10、
グラフィック表示部11の所定箇所を指先で押下するこ
とにより、クレーンの自動運転操作及び自動運転の監視
を行うことができるようになっている。
【0009】前記タッチスクリーン6を介して目視した
CRT3の表示面7は図4〜図7に示す如く、自動運転
指令や各種データを表示するキャラクタ表示部10と、
クレーンや建屋等を表示するグラフィック表示部11と
から構成されている。前記キャラクタ表示部10は更
に、クレーンの運転状態(自動運転停止中、自動運転
中)を表示する表示領域12、現在位置データ(揚程、
旋回角度、起伏半径、作業半径、荷重)を表示する表示
領域13、目標ポイント(揚程、旋回角度、作業半径)
を表示する表示領域14、目標ポイント(行先)の指定
や各種データ(旋回方向、起伏方向、所用時間、運転時
間)を表示する表示領域15、建屋とクレーンの揚程現
在値(m)を表示する表示領域16から構成されてい
る。また、前記グラフィック表示部11には、クレーン
C、建屋T、現在時間G、自動運転開始ポイントP1、
自動運転目標ポイントP2、自動運転終了ポイントP
3、自動運転範囲H等が表示されるようになっている。
この場合、前記キャラクタ表示部10の表示領域13の
現在位置データは、クレーンの自動運転中は運転に伴い
リアルタイムにその表示が変化するようになっている。
また、前記キャラクタ表示部10の表示領域14の目標
ポイント(揚程、旋回角度、作業半径)は、オペレータ
がグラフィック表示部11の自動運転目標ポイント(図
5の符号P2)をタッチスクリーン6を介して指先で押
下した時、表示されるようになっている。
【0010】次に、上記構成による本実施例のクレーン
自動運転操作方法を図4〜図7に基づき説明する。自動
運転対象クレーンの運転開始前は、CRT3の表示面7
のキャラクタ表示部10及びグラフィック表示部11に
タッチスクリーン6を介して図4に示す如くのデータ・
図形が表示される。即ち、キャラクタ表示部10の表示
領域12には自動運転対象クレーンが「自動運転停止
中」である旨が表示され、該表示部10の表示領域13
には自動運転対象クレーンの現在位置データ(揚程、旋
回角度、起伏角度、作業半径、荷重)が表示され、該表
示部10の表示領域14には該運転開始前の時点では何
も表示されず、該表示部10の表示領域15には自動運
転対象クレーンの行先の指定を要求するメッセージ「目
標ポイントを指定して下さい」が表示され、該表示部1
0の表示領域16には自動運転対象クレーンの揚程現在
値M1が表示され、同時に該当建屋の高さをM3にて表
示する。また、グラフィック表示部11には自動運転対
象クレーンC、建屋T、自動運転対象クレーンCの自動
運転開始ポイントP1、現在時間Gが表示される。この
場合、自動運転対象クレーンと建屋との衝突を防止すべ
く、グラフィック表示部11には建屋Tを表示してい
る。
【0011】前記CRT3の表示面7のキャラクタ表示
部10の表示領域15へ表示されたメッセージ「目標ポ
イントを指定して下さい」を目視確認したオペレータ
が、図5に示す如く、グラフィック表示部11における
自動運転目標ポイントP2をタッチスクリーン6を介し
て押下することにより、自動運転対象クレーンの自動運
転目標ポイントを決定する。前記自動運転目標ポイント
の決定に伴い、グラフィック表示部11には自動運転対
象クレーンCの自動運転範囲Hが表示されると共に、キ
ャラクタ表示部10の表示領域14には目標ポイント
(揚程、旋回角度、作業半径)が表示され、該表示部1
0の表示領域15には自動運転対象クレーンの運転方向
(本実施例では、旋回方向:左旋回、起伏方向:起こ
し)とメッセージ「よろしいですか」「確認」が表示さ
れる。
【0012】オペレータがCRT3の表示面7のキャラ
クタ表示部10の表示領域14の目標ポイント(揚程、
旋回角度、作業半径)と、該表示部10の表示領域15
の自動運転対象クレーンの運転方向と、グラフィック表
示部11の自動運転目標ポイントP2、自動運転範囲H
とを目視確認し、キャラクタ表示部10の表示領域15
の「確認」をタッチスクリーン6を介して押下すると、
自動運転開始ポイントP1に位置する自動運転対象クレ
ーンCの自動運転が開始される共に、CRT3の表示面
7は図5の表示から図6の表示へ切換わる。即ち、CR
T3の表示面7のキャラクタ表示部10の表示領域12
には自動運転対象クレーンが「自動運転中」である旨が
表示され、該表示部10の表示領域13にはクレーンの
自動運転に伴い変化する現在位置データ(揚程、旋回角
度、起伏角度、作業半径、荷重)がリアルタイムで表示
され、該表示部10の表示領域15にはクレーンの運転
方向(本実施例では、旋回方向:左旋回、起伏方向:起
こし)と所用時間(巻上、起伏、旋回)と運転時間とが
表示され、該表示部10の表示領域16にはクレーンの
揚程現在値M2が表示される。また、グラフィック表示
部11には自動運転中のクレーンCの現在位置が表示さ
れる。
【0013】自動運転対象クレーンCが自動運転終了ポ
イントP3へ到達し自動運転が終了すると、CRT3の
表示面7は図6の表示から図7の表示へ切換わる。即
ち、CRT3の表示面7のキャラクタ表示部10の表示
領域12には自動運転対象クレーンが「自動運転停止
中」である旨が表示され、該表示部10の表示領域13
にはクレーンの自動運転終了に伴う現在位置データ(揚
程、旋回角度、起伏角度、作業半径、荷重)が表示さ
れ、該表示部10の表示領域14に表示中だった目標ポ
イント(上記図6参照)は表示消去され、該表示部10
の表示領域15には自動運転対象クレーンの次の行先の
指定を要求するメッセージ「目標ポイントを指定して下
さい」が表示される。また、グラフィック表示部11に
はクレーンCの自動運転終了ポイントP3が表示され
る。この後、オペレータは自動運転対象クレーンを次の
行先へ自動運転する場合は、CRT3の表示面7に表示
される表示内容に基づき上記と同様の手順で自動運転操
作を行う。
【0014】即ち、上記実施例によれば、CRT3のキ
ャラクタ表示部10、グラフィック表示部11の所定箇
所をタッチスクリーン6を介して押下するだけの簡単な
操作を行うだけで、クレーンの自動運転操作を行うこと
ができる。即ち、同一場所において同一機器(CRT)
によりクレーンを自動運転開始時から自動運転中及び自
動運転終了時まで監視しながら、的確な自動運転を行う
ことができる。これにより、従来と比較しクレーンの自
動運転操作の簡略化、自動運転の安全性、クレーンの作
業効率の向上、オペレータの疲労の軽減等を図ることが
できる。
【0015】尚、上記実施例において、自動運転対象ク
レーンの行先(自動運転目標ポイント)の指定時に、タ
ッチスクリーン6を介してCRT3の表示面を押下操作
した際、グラフィック表示部11における表示精度が出
ない場合には、グラフィック表示部11における所望の
画面をズームアップし、再度タッチスクリーン6を介し
てズームアップ画面を押下操作することにより、表示精
度を向上させることも可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、下
記各項の効果を奏することができる。 高層建築用クライミングクレーン、コンクリート打設
用ジブクレーン、その他の一般産業用クレーンの自動運
転操作を簡略化することができる。 前記各種クレーンの自動運転に要する操作機器を従来
と比較し大幅に削減することができると共に、クレーン
の自動運転状態の監視を同一場所で、同一機器により行
うことができる。 前記各種クレーンの自動運転時における運転状態を、
自動運転開始時から自動運転中及び自動運転終了時まで
の間に渡って画面上へ逐次表示するため、クレーンの自
動運転状態の予測や自動運転中の監視を的確に行うこと
ができる。 前記各種クレーンの自動運転時における安全性の向
上、クレーンの作業効率の向上、オペレータの疲労の軽
減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるクレーン自動運転操作シ
ステムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施例のCRTディスプレイ装置の外観図で
ある。
【図3】本実施例のタッチスクリーンが装着されるCR
Tディスプレイ装置の外観図である。
【図4】本実施例のCRTディスプレイ装置の表示例を
示す図である。
【図5】本実施例のCRTディスプレイ装置の表示例を
示す図である。
【図6】本実施例のCRTディスプレイ装置の表示例を
示す図である。
【図7】本実施例のCRTディスプレイ装置の表示例を
示す図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 ケーブル 3 CRTディスプレイ装置(表示装置) 4 拡張ボード 5 ケーブル 6 タッチスクリーン 10 キャラクタ表示部(文字表示部) 11 グラフィック表示部(図形表示部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 茂 東京都千代田区神田小川町1丁目1番地 石川島輸送機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−60595(JP,A) 特開 昭62−60797(JP,A) 特開 昭61−254494(JP,A) 実開 昭60−165064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 13/00 - 15/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンの現在位置データ、クレーンの
    目標位置データ、クレーンの目標位置の指定を指示する
    メッセージ、クレーンの自動運転開始指令を表示する文
    字表示部と、クレーン、障害物、クレーンの現在位置、
    クレーンの目標位置、クレーンの自動運転範囲を表示す
    る図形表示部とを備え、クレーンの自動運転開始前、自
    動運転中、自動運転終了後の各時点で表示状態が切換わ
    る表示装置を使用し、該表示装置の文字表示部、図形表
    示部の所定箇所を押下操作することにより、クレーンの
    自動運転操作を行うようにしたクレーンの自動運転操作
    方法であり、 クレーンの自動運転開始前においては、前記表示装置の
    文字表示部へ表示されたクレーンの現在位置データ、文
    字表示部へ表示されたクレーンの目標位置の指定を指示
    するメッセージ、図形表示部へ表示されたクレーンの現
    在位置に基づき、前記表示装置の図形表示部の目標位置
    を押下してクレーンの目標位置を指定することにより、
    前記表示装置の文字表示部へクレーンの目標位置データ
    を、図形表示部へクレーンの目標位置、クレーンの自動
    運転範囲を表示させ、該表示の確認に基づき前記表示装
    置の文字表示部の自動運転開始指令を押下することによ
    り、クレーンの自動運転を開始させ、 クレーンの自動運転中においては、前記表示装置の文字
    表示部へクレーンの自動運転に伴い逐次表示されるクレ
    ーンの現在位置データ、文字表示部へ表示されたクレー
    ンの目標位置データ、図形表示部へ表示されるクレーン
    の運転状態に基づきクレーンの自動運転を監視し、 クレーンの自動運転終了後においては、前記表示装置の
    図形表示部へ表示されるクレーンが到達した目標位置、
    文字表示部へ表示されるクレーンの次の目標位置の指定
    を指示するメッセージに基づき、クレーンを次の目標位
    置へ自動運転する場合は上記一連の操作を繰り返すこと
    を特徴とするクレーンの自動運転操作方法。
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DE10107048A1 (de) 2001-02-13 2002-08-29 Siemens Ag Betriebsverfahren und Bedienungseinrichtung für automatisierte Containerkaikrane
JP6966935B2 (ja) * 2017-12-22 2021-11-17 戸田建設株式会社 タワークレーンの自動運転システム
CN109319663B (zh) * 2018-12-06 2020-09-15 中联重科股份有限公司 用于起重机的控制方法、设备及起重机

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