JP2851012B2 - 感熱及び磁気記録併用可能な二重隠蔽情報媒体 - Google Patents

感熱及び磁気記録併用可能な二重隠蔽情報媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は少なくとも磁気記録層、少なくとも第1隠蔽
層及び第2隠蔽層並びに感熱記録の為の感熱発色層と共
に磁気バーコードを不可視状態で有する感熱及び磁気記
録併用可能な二重隠蔽情報媒体に関する。
本発明は例えば、登録商標等のプリペイド磁気カード
の磁気記録内容に対応した数字等を使用の都度に感熱印
字して該磁気記録内容を視認可能とし、しかも記録情報
の偽造、変造又は改竄防止の為の感熱記録を行なう為に
活用できる。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 磁気記録カードは携帯に便利で且つ有用な情報媒体と
して広く利用されている。該カードは適宜の厚さのカー
ド基材表面の所望の領域に磁気記録層を形成したもので
ある。
処で、現在の磁気記録カードからは、使用経過又は残
高等の磁気記録情報を目視することができない。この不
便を補う為にプリペイド方式の磁気記録カードでは、そ
の目安としてパンチ穴等により残高を表示していた。し
かし、明確な残高が表示されないことから、残高不足時
に現金または磁気記録カードを至急追加せねば使用中断
という事態に到る。この様な事態を避けるための方策と
して、磁気記録カード表面に使用経過及び残高等を目視
可能に印字する場合がある。
この様な磁気記録カード表面の印字は例えば、該カー
ドの磁気記録層に対して反対側に位置する面に感熱記録
層を設け、該感熱記録層に対しサーマルヘッドを走査し
て行なうことができる。しかし、磁気記録カードの磁気
記録層側と反対側の表面には所望のデザインを印刷する
のが一般的であるから、上記印字の為に広い領域を確保
することはデザインをも制約する。
そこで、上記磁気記録カード表面の印字を磁気記録層
側に行なう方式も行なわれている。この場合に、磁気記
録層を部分的に形成させ、磁気記録層の存在しない部分
に感熱発色層を形成させておいて、この部分に感熱記録
を行なう方式もある。残念ながら、この方式では近年の
要望である益々多くの情報を磁気記録カードに記録した
いという要請には十分に対処できなくなる恐れがある。
従って、最近では磁気記録層上に感熱発色層を形成さ
せておいて、該感熱発色層に感熱記録を行なう方式が採
用されている。
処が、磁気記録層上の感熱発色層に対しサーマルヘッ
ド走査による感熱記録を行なうと、該感熱発色層の発色
状態が経時的に劣化する場合がある。これはサーマルヘ
ッドの発熱による影響が磁気記録層にまで及び、該磁気
記録層を構成する材料の一部たとえば分散剤、可塑剤及
び潤滑剤等の各種の添加剤が感熱発色層へと移行するこ
とも一因であると考えられる。
また、一般に磁気記録層は黒色又は茶色等の暗色であ
るから、感熱記録とのコントラストが十分でない(視認
性不十分)という難点も残されている。
そこで、本発明の目的は上記従来技術の問題点に鑑み
て、磁気記録特性に悪影響を及ぼすことなく、耐久性良
好な感熱記録を行なうことができる感熱及び磁気記録併
用可能な二重隠蔽情報媒体を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、上記の如き目的を達成するには、磁
気記録層と感熱発色層との間に、磁気記録層を視覚的に
隠蔽する第1隠蔽層並びに隠蔽性及び不可視性と共に感
熱記録時の加熱に対する耐久性を備えた第2隠蔽層が介
在することを特徴とする感熱及び磁気記録併用可能な二
重隠蔽情報媒体を用いる。
更に本発明に対しては、次の各種用件の1以上を付加
することが好ましい: 少なくとも第2隠蔽層を熱硬化性樹脂を含有する明色
層とする、 各隠蔽層を非磁性金属又は該金属の酸化物からなる層
とする、 感熱発色層をロイコ染料と酸性顕色剤とバインダー樹
脂とを少なくとも含有する組成物から形成させる、 磁気記録層を基材上に該基材に接して形成されている
ものとする、 両隠蔽層、感熱発色層及び該感熱発色層の上に存在す
る各層の厚さの合計を10μm以下とする。
<好適な実施態様> 以下に、図面を参照しながら本発明の好適な実施態様
を具体的に説明する。
第1図は本発明の感熱及び磁気記録併用可能な二重隠
蔽情報媒体の第1の実施例を示す概略部分断面図であ
る。
第1図においては、2は基材、4は磁気記録層、6a及
び6bはそれぞれ第1隠蔽層及び第2隠蔽層、8は感熱発
色層、10は保護層である。第1図の情報媒体に限らず、
本発明の情報媒体では、両隠蔽層は互いに隣接している
ことが好ましい。
第2図においては、磁気記録層4と第1隠蔽層6aとの
間にアンカー層12が設けられている。該層は磁気記録層
4と第1隠蔽層との間の接着性を高める機能を果たす。
第3図においては、第2隠蔽層6bと感熱発色層8との
間にアンカー層14が設けられている。外装の機能はその
両側に接する2層の間の接着性を高める。
第4図においては、磁気記録層4と第1隠蔽層6aとの
間にアンカー層12が設けられていると共に、第2隠蔽層
6bと感熱発色層8との間にもアンカー層14が設けられて
いる。
この層構成では、層間剥離が最も起こりにくい。
上記基材層2の素材としては例えば、下記のものを用
いることができる: ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルア
セテート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)及び
ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂からなるシート状
物又はこれらの合成樹脂からなる合成紙等。該基材2は
例えば、カード状その他の適宜の形状を有することがで
きる。
上記磁気記録層4の素材としては、従来磁気記録媒体
において磁気記録層として一般に用いられているものを
用いることができる。
例えば、磁性材料として用いることがでるものは以下
の通りである: Ba−フェライト、Sr−フェライト、Co被着γ−フェラ
イト、γ−Fe2O3、針状鉄粉、板状鉄粉、CrO2等。
粒径10μm以下好ましくは0.01〜5μm。
バインダー樹脂として用いることができるものは以下
の通りである: 一般に用いられるポリエステル系樹脂、アルキッド系
樹脂、ビニル系樹脂もしくはポリウレタン系樹脂又はそ
れらの混合樹脂を用いることができる。
バインダー樹脂と磁性材料との混合比は基材との接着
性、塗膜強度及び磁気ヘッドによる検出電圧等を考慮し
て適宜設定され、たとえば重量比で前者/後者=1/1〜1
/10、好ましくは1/2〜1/8の範囲である。
尚、磁気記録層4はの他の種々の添加剤例えば界面活
性剤、分散剤、可塑剤及び潤滑剤等を更に含有すること
ができる。該磁気記録層4の厚さは通常10〜15μm程度
である。
上記第1隠蔽層6a及び第2隠蔽層6bは磁気記録層4の
色彩を視覚的に隠蔽し、しかも上記感熱発色層8が発色
する色彩に対して十分なコントラストを付与する様な色
彩のものであることが好ましい。また、該隠蔽層6の素
材としては、感熱記録条件下において安定で、薄くても
十分な耐久性を有し、磁気記録層4の構成材料が感熱発
色層8へ移行することを阻止し得る材料であることが好
ましい。この様な耐熱性材料としては下記のものを用い
ることができる: ・熱可塑性樹脂例えば、ばポリアミド樹脂、アクリル樹
脂、 ・熱硬化性樹脂例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、グリ
シジル(メタ)アクリレート樹脂、ジアリルフタレート
樹脂等。
これに隠蔽性付与の為の顔料例えば、Al、Sn、Zn、C
u、Ag、Cu−Zn等の非磁性金属又はAl2O3、TiO2等の非磁
性金属酸化物を適量添加する。
また、本発明の情報媒体を構成する各隠蔽層の1以上
は金属等の蒸着層であってもよい。
上記素材から形成される第1隠蔽層6a及び第2隠蔽層
6bの配列順序を磁気記録層に対して交換することは殆ど
無意味である。両層はそれぞれに独自の役割を負ってい
るから、両層を交換すると、多くの場合に本発明が期待
する程の隠蔽効果を達成し難くなる。
各隠蔽層の一般的厚さ及びそれらの一般的組成につい
て説明する。
膜厚:通常0.5〜2μm程度(蒸着層として形成され
たものは300〜2000Å、好ましくは300〜500Å以下)。
組成:樹脂/顔料=1/0.3〜1/5(重量) 以下に、第1隠蔽層及び第2隠蔽層の好適な組合わせ
及び好適な組成(数値は重量部)の例を示す。
第1隠蔽層(6a) 第2隠蔽層(6b) (A)Al粉ペースト 100 (A)TiO2 200 アクリル樹脂 150 アクリル樹脂 100 硬化剤 10 硬化剤 10 トルエン 600 トルエン 600 MEK 100 MEK 100 (B)Cu−Znペースト 100 (B)BaSO4 200 ウレタン樹脂 120 ウレタン樹脂 110 硬化剤 20 硬化剤 5 トルエン 300 トルエン 600 MIBK 200 MEK 100 シクロヘキサ 100 ノン (C)Sn(蒸着層)1000Å(C)CaCO3 200 フェノール樹脂 150 硬化剤 100 トルエン 600 MEK 100 上記感熱発色層8としては、ロイコ染料、酸性顕色剤
及びバインダー樹脂を含むものを用いることができる。
上記感熱発色層8におけるロイコ染料としては、下記
のものを用いることができる: トリフェニルメタン系: ・クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリー
ンラクトン等、 ・フルオラン系: 1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン等、 ・オーラミン系: N−ベンゾイルオーラミン等、 ・フェノチアジン系、 ・スピロピラン系のもの等。
上記感熱発色層8における酸性顕色剤としては、フェ
ノール性水酸化基を有する化合物即ちフェノール性化合
物を用いることができる。この様なものとして例えば、
次のものを用いることができる: ・フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、p−
エチルフェノール、t−ブチルフェノール、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ドデシルフェノール、スチレン化フェノール、2,
2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、α−ナフトール、β−ナフトール、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、グアヤコール、オイゲノ
ール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、
o−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、2,4,6
−トリクロロフェノール、o−フェニルフェノール、p
−フェニルフェノール、p−(p−クロロフェニル)フ
ェノール、o−(o−クロロフェニル)フェノール、 ・サリチル酸、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ
安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸オクチル、p−
オキシ安息香酸ドデシル、 カテコール、ヒドロキノン、レゾルシン、3−メチルカ
テコール、3−イソプロピルカテコール、p−t−ブチ
ルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,
4′−メチレンジフェノール、ビスフェノールA、 1,2−ジオキシナフタレン、2,3−ジオキシナフタレン、 ・クロロカテコール、ブロモカテコール、 ・2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、フェノールフタ
レイン、o−クレゾールフタレイン、 ・プロトカテキュー酸メチル、プロトカテキュー酸エチ
ル、プロトカテキュー酸プロピル、プロトカテキュー酸
オクチル、プロトカテキュー酸ドデシル、 ・ピロガロール、オキシヒドロキノン、フロログルシ
ン、2,4,6−オキシメチルベンゼン、2,3,4−オキシエチ
ルベンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子
酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸ヘキシル、没食
子酸オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸セチル、没
食子酸ステアリル、2,3,5−トリオキシナフタレン、タ
ンニン酸、 ・フェノール樹脂等。
上記感熱発色層8におけるバインダー樹脂としては、
下記の各種樹脂を用いることができる: ・油溶性樹脂: アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、キ
シレン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ビニルト
ルエン樹脂、テルペン樹脂、ビニルトルエン/ブタジエ
ン共重合体樹脂、ビニルトルエン−アクリレート共重合
体樹脂等、 ・水溶性樹脂: ポリビニルアルコール樹脂、メチルセルロース樹脂、
ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセ
ルロース樹脂、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸
共重合体樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ゼラチン、アラビ
アゴム等。
感熱発色層中における各成分間の比率は次の通りであ
る: ・ロイコ染料と酸性顕色剤との比: 通常、前者/後者=1/0.5〜1/3(当量)、 ・バインダー樹脂と(ロイコ染料+酸性顕色剤)との
比: 通常、前者/後者=1/0.1〜1/3(重量)。
上記の感熱発色層8の厚さは通常、2〜10μm程度で
十分である。
上記保護層10としては例えば、従来の磁気記録媒体等
で保護層又は耐摩耗層として使用されている下記のもの
を用いることができる。
セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリル系樹脂等。
これらの樹脂には、滑性付与剤としてオレオアマイ
ド、ステアロアマイド又はシリコーン等を添加すること
ができる。なお、塗工液を作成する為に用いる溶剤の量
を少なくするには、溶剤に代えて液状の紫外線硬化型樹
脂や電子線硬化型樹脂を用いることができる。該紫外線
硬化型樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、ポリエ
ステル系等のものを使用することができる。
以上の様な保護層10の厚さは通常、10μm以下、好ま
しくは1〜5μm程度である。
なお、本発明の実施例における感熱及び磁気記録併用
可能な二重隠蔽情報媒体の磁気記録情報を再生する際に
は、保護層10に磁気ヘッドを接触させる。この際に該磁
気ヘッドと磁気記録層4との間隔を所定値以下に保つ為
には、第1隠蔽層6aから保護層10までの各層の厚さの合
計を10μm以下とするのが好ましい。
第2図〜第4図はそれぞれ本発明の感熱及び磁気記録
併用可能な二重隠蔽情報媒体の第2実施態様〜第4実施
態様を示す概略部分断面図である。これらの図において
は、上記第1図におけると同様の部材には同一の符号を
付した。
これらの実施態様において、符号12及び14はアンカー
層を示す。該アンカー層は磁気記録層4から感熱発色層
8に到る何れの2層の間にも介在し得る。例えば、第2
図においては磁気記録層4と第1隠蔽層6aとの間に12が
介在し、また第3図においては第2隠蔽層6bと感熱発色
層8との間に14が介在する。第4図においては、磁気記
録層4と第1隠蔽層6aとの間に12が介在すると共に、第
2隠蔽層6bと感熱発色層8との間にも14が介在する。な
お、アンカー層は感熱発色層8と保護層10との間にも介
在することができる。何れの場合においても、アンカー
層は隣接両層相互の密着性を向上させる為に極めて有用
である。
アンカー層のバインダー樹脂としては例えば、以下の
樹脂を用いることができる。
ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、セル
ロース樹脂等。
該アンカー層の材料を選択するには、上記両隠蔽層に
用いられるバインダー樹脂及び上記感熱発色層に用いら
れるバインダー樹脂の特性を考慮すると共に、上記保護
層に用いられるバインダー樹脂の特性をも考慮すること
が望ましい。
上記第2図〜第4図の実施態様における各アンカー層
は周知の各種塗工法によって形成することができる。
次に、本発明による感熱及び磁気記録併用可能な二重
隠蔽情報媒体を製造する具体例を以下に示す。ここで
は、上記第3図の感熱及び磁気記録併用可能な二重隠蔽
情報媒体を作成した。
基材2として、白色ポリエチレンテレフタレートシー
ト(厚さ188μm)の片面上に、下記組成の磁性塗布し
乾燥させて厚さ10μmの磁気記録層4を形成させた。
磁性塗料: Ba−フェライト磁性粉末を塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びイソシアネート系硬
化剤からなるバインダー溶液中に分散させた液状物。
<第1好適実施態様> 第1隠蔽層形成: 該磁気記録層4上に下記の組成の塗料を塗布し乾燥さ
せて第1隠蔽層6a(厚さ1.5μm)を形成させた。該塗
料は塗布前に高速プロペラ撹拌機で十分に撹拌した。
(A−1) Al粉ペースト ……100重量部 [商品名:MR−9000(旭化成社製)] アクリル樹脂 ……150重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 メチルエチルケトン(MEK) ……100重量部 第2隠蔽層形成: 第1隠蔽層6aの上に下記の組成の塗料を塗布し、乾燥
させて第2隠蔽層6b(厚さ2μm)を形成させた。該塗
料も塗布前に高速プロペラ撹拌機で十分に撹拌した。
(A−2) 酸化チタン(TiO2) ……200重量部 アクリル樹脂 ……100重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 メチルエチルケトン(MEK) ……100重量部 隠蔽性及び不可視性の判定: 両隠蔽層を透過して、なお磁気バーが目視できるか
(隠蔽性)及び直接には目視できなくても、色の濃淡等
による存否が判るか(不可視性)を判定した。結果を第
1表に示す。
感熱発色層の形成: 第2隠蔽層6bの上に下記の組成の塗料a及びbをそれ
ぞれ十分に分散させた後に混合した塗料を塗布し、乾燥
させて感熱発色層8(厚さ3μm)を形成した。該塗料
は塗布前に高速プロペラ撹拌機で十分撹拌した。
(a) ロイコ染料 ……100重量部 [商品名:パピロールSD−120(昭和電工社製)] ポリメチルメタクリレート ……50重量部 トルエン ……500重量部 (b) 酸性顕色剤 ……100重量部 [商品名:パピロールCD−180(昭和電工社製)] ポリメチルメタクリレート ……50重量部 トルエン ……500重量部 保護層形成: 感熱発色層8の上に、紫外線硬化型塗料を塗布し、乾
燥させて保護層10(厚さ1μm)を形成させた。
以上の一連の操作により、感熱及び磁気記録併用可能
な二重隠蔽情報媒体を得た。
得られた情報媒体の表面に印字し、印字濃度、表面の
コントラスト及び磁気特性を測定した。結果を第1表に
併せて示す。
<第2好適実施態様> 上記両隠蔽層6a及び6bの形成に際して、下記の組成の
塗料を用いて同様にして感熱及び磁気記録併用可能な二
重隠蔽情報媒体を得た。
第1隠蔽層形成: (B−1) Cu−Zn粉ペースト ……100重量部 ウレタン樹脂 ……120重量部 硬化剤 ……20重量部 メチルイソブチルケトン ……200重量部 トルエン ……300重量部 シクロヘキサノン ……100重量部 第1隠蔽層の厚さは1.5μmであった。
第2隠蔽層形成: (B−2) BaSO4 ……200重量部 ウレタン樹脂 ……110重量部 硬化剤 ……5重量部 トルエン ……600重量部 メチルエチルケトン(MEK) ……100重量部 第2隠蔽層の厚さは2μmであった。
隠蔽性及び不可視性の判定: 両隠蔽層と透過して、なお磁気バーが目視できるか
(隠蔽性)及び直接には目視できなくても、色の濃淡等
による存否が判るか(不可視性)を判定した。結果を第
1表に示す。
得られた情報媒体の表面に印字し、印字濃度、表面の
コントラスト及び磁気特性を測定した。結果を第1表に
併せて示す。
<第3好適実施態様> 上記両隠蔽層6a及び6bの形成に際して、6aは下記の非
磁性金属の蒸着により、6bは下記の組成の塗料を用いた
塗工により、前記と同様にして感熱及び磁気記録併用可
能な二重隠蔽情報媒体を得た。
第1隠蔽層形成: 金属Snを真空蒸着法によって磁気記録層4の上に積層
した。金属蒸着の装置及び条件は次の通り: (C−1) Sn 膜厚: 1000Å 真空度: 1×10-5Torr. ライン速度:20m/min 第2隠蔽層形成: (C−2) CaCO3 ……200重量部 フェノール樹脂 ……150重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 メチルエチルケトン ……100重量部 第2隠蔽層の厚さは2μmであった。
隠蔽性及び不可視性の判定: 両隠蔽層と透過して、なお磁気バーが目視できるか
(隠蔽性)及び直接には目視できなくても、色の濃淡等
による存否が判るか(不可視性)を判定した。結果を第
1表に示す。
得られた情報媒体の表面に印字し、印字濃度、表面の
コントラスト及び磁気特性を測定した。結果を第1表に
併せて示す。
<比較例> 上記隠蔽層6の形成に際し、下記の組成の塗料を用い
て、同様にしてカード状感熱磁気記録媒体を得た。この
記録媒体は本発明の範囲外である。
(D)第1隠蔽層 TiO2 ……200重量部 アクリル樹脂 ……100重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 MEK ……100重量部 第2隠蔽層 Al粉ペースト 200重量部 アクリル樹脂 ……100重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 MEK ……100重量部 (E)第1隠蔽層 Al粉ペースト 200重量部 アクリル樹脂 ……100重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 MEK ……100重量部 第2隠蔽層 無し (F)第1隠蔽層 TiO2 ……200重量部 アクリル樹脂 ……100重量部 硬化剤 ……10重量部 トルエン ……600重量部 MEK ……100重量部 第2隠蔽層 BaSO4 ……200重量部 ウレタン樹脂 110重量部 硬化剤 5重量部 トルエン ……600重量部 MEK ……100重量部 <隠蔽性及び不可視性の判定> 両隠蔽層を透過してなお磁気パーが目視できるか(隠
蔽性)及び直接には目視できなくても色の濃淡等によっ
て磁気バーの存否が判るか(不可視性)を判定した。そ
の結果を以下の第1表に示す。
以上の様にして製造した本発明の実施例(A)〜
(C)及び比較例(D)〜(F)の記録媒体について、
高抗磁力磁気カード発券装置を用いて磁気特性を測定し
た結果、全て問題無く良好であった。
また、発色特性について測定した結果を第1表に示
す。なお、発色特性の測定方法は下記の通りである。
130℃に加熱したブロックを200g/cm2で5秒間押し当
てて感熱発色層を発色させ、その黒ベタ領域及び地肌領
域をマクベス濃度計RD−514で測定した。
第1表の結果から、実施例(A)〜(C)及び比較例
(D)〜(E)について発色特性が良好であることが判
かる。
一方、比較例(F)の場合には、発色特性は良好であ
るが、地肌領域濃度が高い点に実用上の問題がある。こ
の原因は次にあると解釈される: 第1隠蔽層と第2隠蔽層との両層の厚みの和が4μm
程度に過ぎない層厚では、磁性層の色が完全には隠蔽さ
れ得ない。即ち、隠蔽力の大きな白色顔料を両層に共に
用いても、依然として隠蔽力不足を解消できない。
更に、磁気バーコードの隠蔽能力について測定した結
果を第1表に示す。なお、隠蔽能力の測定方法は下記の
通りである: 隠蔽性・・・磁気バーコードが形成された領域(前述
の地肌領域)及びそれ以外の領域の濃度をマクベス濃度
RD−514で測定した。
不可視性・・如何なる色及びその濃淡の場合に、目視
による磁気バーコードの存否判定が困難となるかを確
認。
第1表から、下記の事柄が読み取れる: <隠蔽力> ・第1隠蔽層の材料として、金属粉末を分散させた塗料
又は真空蒸着法等による金属薄膜を用いて形成された記
録媒体では、磁気バーコードの隠蔽性が良好である。
・一方、特に比較例(F)では第1隠蔽層の材料として
白色顔料を用いていることから、層厚2μmでは、磁気
バーコードを十分には隠蔽できない。
<不可視性> ・実施例(A)〜(C)では、良好である(磁気バーコ
ードの存在が目視では判らない)。それに対して、比較
例(D)〜(F)では、何れも磁気バーコードの存在位
置が明確に認識できる(不可視性不良)。
この原因を追求した処、次の事実が判った: 比較例(F)においては、上述の様に両隠蔽層の材料
として用いている白色顔料の層厚が不足している。即
ち、白色顔料による隠蔽力はその塗膜厚数μm程度では
不十分である。
次の両比較例では、目視する角度次第で磁気バーコー
ドの存在位置が探知される結果となることが判る: ・比較例(D)では、第2隠蔽層6bとして金属粉末を分
散させた顔料を用いている、 ・比較例(E)では、唯一隠蔽層6として金属粉末を分
散させた顔料を用いている、 ことから、何れの場合にも、ある程度の隠蔽力は示すも
のの、隠蔽層表面で光が乱反射されないことが隠蔽力を
低下させている。
以上の結果から、本発明の記録媒体は感熱特性、磁気
特性及び磁気バーコードの不可視性に優れた特性を備え
ていることが了解される。
[発明の効果] 以上の様な本発明の感熱及び磁気記録併用可能な二重
隠蔽情報媒体によれば、磁気記録層と感熱発色層との間
に耐熱性の良好な二重隠蔽層の寄与によって、磁気記録
層構成材料が感熱発色層へは移行せず、感熱記録に際し
て磁気記録特性に悪影響を与えることなく、しかも良好
な発色が得られ、記録のコントラストも良好である。
また、磁気記録層の感熱発色層との間に、視覚的に隠
蔽する第1隠蔽層と、隠蔽能力と共に感熱記録時の加熱
に対する耐久性を備えた第2隠蔽層とが存在することに
よって、各新蔽層が薄くても十分な隠蔽性及び不可視性
を備えた隠蔽層が形成され、しかも得られる情報媒体の
感熱特性も磁気特性も実質的に損なわれることは無い。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はそれぞれ本発明の感熱及び磁気記録併
用可能な二重隠蔽情報媒体を示す概略部分断面図であ
る。 2……基材層、 4……磁気記録層、 6a……第1隠蔽層、 6b……第2隠蔽層、 8……感熱発色層、 10……保護層、 12,14……アンカー層、 16……磁気バー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 忠英 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共 同印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−194991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42D 15/10 551 B41M 5/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録層と感熱発色層との間に、磁気記
    録層を視覚的に隠蔽する第1隠蔽層並びに隠蔽性及び不
    可視性と共に感熱記録時の加熱に対する耐久性を備えた
    第2隠蔽層が介在することを特徴とする感熱及び磁気記
    録併用可能な二重隠蔽情報媒体。
  2. 【請求項2】第2隠蔽層が熱硬化性樹脂を含有する明色
    層からなる、請求項1に記載の感熱及び磁気記録併用可
    能な二重隠蔽情報媒体。
  3. 【請求項3】各隠蔽層が非磁性金属又は該金属の酸化物
    からなることを特徴とする請求項1に記載の感熱及び磁
    気記録併用可能な二重隠蔽情報媒体。
  4. 【請求項4】感熱発色層がロイコ染料と酸性顕色剤とバ
    インダー樹脂とを含有することを特徴とする請求項1に
    記載の感熱及び磁気記録併用可能な二重隠蔽情報媒体。
  5. 【請求項5】磁気記録層が基板上に該基材に接して存在
    することを特徴とする請求項1に記載の感熱及び磁気記
    録併用可能な二重隠蔽情報媒体。
  6. 【請求項6】両隠蔽層、感熱発色層及び該感熱発色層上
    に存在する各層の厚さの合計が10μm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の感熱記録媒体。
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