JP2850300B2 - プッシュアップ工法用リンク式フレーム - Google Patents
プッシュアップ工法用リンク式フレームInfo
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Description
構造物を、地上面に近い低い高さで組み上げてから押し
上げて所定高さに据え付けるようにするプッシュアップ
工法に用いるリンク式フレームに関するものである。
い低い高さで組み上げてから押し上げて所定高さに据え
付けるようにするプッシュアップ工法の一つとして、本
出願人も含む提案による特開平7−113332号公報
に開示されるものがある。この特開平7−113332
号公報に開示のプッシュアップ工法は、ドーム屋根鉄骨
を所謂パンタドーム工法と呼ばれる3ヒンジ構造に予め
設計し、折り畳んだ状態で地上面に近い低い高さにおい
て組み立てを行った後、センターリング部にプッシュア
ップタワーとベアロックジャッキ(商品名)を配置し、
ベアロックジャッキによるプッシュアップタワーの押し
上げとプッシュアップタワーの継ぎ足しを繰り返して、
ドーム屋根鉄骨を所定の高さまで押し上げるものであ
る。この時、プッシュアップタワーは、上下端ともピン
構造で所謂ブランコ状態にあり、風・地震等の水平力に
対しては無抵抗であるが、前記パンタドーム工法による
3ヒンジ構造のドーム屋根鉄骨により、屋根全体が水平
力に抵抗できる強度を有しているため、ドーム屋根鉄骨
を安全に押し上げることができる。
るためには構造的条件があり、ドーム形状並びに屋根骨
組構成を選択する必要もあり、かなり限定されたものと
なってしまう。そこで、ドーム本体の形状並びに骨組構
成に関係なく、例えば、前記ベアロックジャッキを用い
たプッシュアップ工法を行うためには、仮設設備により
水平力を支持する必要がある。その仮設設備により水平
力を支持する方法としては、仮設ガイド柱による支持方
法が一般的である。
た仮設ガイド柱による水平力の支持方法を採用すると、
大規模ドームの場合は、仮設ガイド柱に沿って屋根鉄骨
を上昇させるためのガイドローラー等の機械設備を必要
とし、しかも、仮設ガイド柱が大がかりな構造となり、
また、屋根本体の補強も必要となってしまう。従って、
仮設コストが大幅に上がってしまい、これが大きな問題
となっている。また、その他に、テンションロープの張
力バランスの確保が非常に困難であるといった問題があ
る。即ち、特に水平力作用時にはロープが伸び、水平変
移が大きく発生するため、危険が伴うものとなってしま
う。
間構造物を押し上げるプッシュアップ設備に付随して設
ける仮設フレームであって、押し上げに同調させて水平
力に対して抵抗できるようにしたプッシュアップ工法用
リンク式フレームを提供することにある。
本発明は、地上面に近い低い高さで組み上げられた大屋
根等の大空間構造物を押し上げて所定高さに据え付ける
プッシュアップ工法に用いるリンク式フレームであっ
て、前記大空間構造物に対し上端部で回動自在に連結す
ると共に、地上面において十字方向等の放射状に敷設さ
れた軌条に沿って下端部がそれぞれ移動することによ
り、それぞれの高さが同じだけ変化する複数の移動フレ
ームと、これら複数の移動フレームのそれぞれの中間部
と地上との間にそれぞれ介設され、前記移動フレームの
高さの変化に追従して揺動する複数の揺動フレームとか
らなる構成を特徴としている。ここで、移動フレームと
しては、例えば、中間部に関節があって、その関節より
下方部分を継ぎ足しフレームや伸縮フレーム或いは引張
力が作用するワイヤとしたものや、所定長さによる一直
線状フレームが挙げられる。また、揺動フレームは、上
端部を移動フレームの中間部の関節に接続したものや、
一直線状フレームの中央部に接続したものが挙げられ
る。
上げられた大空間構造物に対し上端部で回動自在に連結
し、地上面において放射状に敷設された軌条に沿って下
端部がそれぞれ移動する複数の移動フレームと、そのそ
れぞれの中間部と地上との間にそれぞれ介設される複数
の揺動フレームとからなるプッシュアップ工法用リンク
式フレームなので、複数の移動フレームの下端部が放射
状の軌条に沿って互いに離れる方向へ移動した状態か
ら、大空間構造物を押し上げるための駆動源によるプッ
シュアップ力の作用により、複数の移動フレームの下端
部が放射状の軌条に沿って互いに近付く方向へそれぞれ
移動すると共に、これに追従して揺動フレームがそれぞ
れ揺動して、複数の移動フレームのそれぞれの高さが同
じだけ高くなる。そして、大空間構造物の押し上げの際
に、放射状の軌条に沿って近付く方向へそれぞれ移動し
て高さが同じだけそれぞれ立ち上がっていく複数の移動
フレームと、そのそれぞれに追従してそれぞれ立ち上が
っていく複数の揺動フレームとによって、水平力に対し
て抵抗できるものとなる。
ップ工法用リンク式フレームの実施の各形態例を図1か
ら図4に基づいて説明する。
明を適用した一例としての大空間構造物のプッシュアッ
プ工法を示すもので、本発明に係るプッシュアップ工法
用リンク式フレームの第1の実施の形態例を示したプッ
シュアップ前の状態の概略側面図であり、図2はその状
態からプッシュアップ後の状態を示した概略側面図であ
る。これらの図1及び図2において、1は屋根トラス
(大空間構造物)、2はプッシュアップ架台、3はベア
ロックジャッキ(プッシュアップ駆動源)、4はカンザ
シ桁、5はプッシュアップタワー、6は天板、7はスラ
イド軌条、10は仮設パンタフレーム(リンク式フレー
ム)、11は移動フレーム、12は上部フレーム、13
は下部フレーム、14はテンションケーブル、15は揺
動フレーム、16は回転ヒンジ、17は水平移動ジャッ
キである。
間構造物としての大屋根の屋根トラス1を地上で組み上
げた後、数カ所に設置したプッシュアップ設備により5
0m程度の高さまで押し上げて図示しない躯体に据え付
ける際に、水平力に対抗するための仮設のリンク式フレ
ーム10を用いている。即ち、プッシュアップ設備は、
地上に設置したプッシュアップ架台2と、このプッシュ
アップ架台2の四隅部に対応してジャッキ本体を組み付
けた垂直方向のプッシュアップ駆動源としての4本のベ
アロックジャッキ3,3,3,3と、その各々のベアロ
ックジャッキ3,3,3,3の昇降ロッド下端部に固定
したカンザシ桁4と、このカンザシ桁4に下端部を貫通
してその側面に着脱自在なボルト結合により連結される
と共に、プッシュアップ架台2の中央部を貫通して上方
に伸びる垂直方向のプッシュアップタワー5とからな
る。なお、図示のように、プッシュアップタワー5の上
端部には天板6が備えられ、この天板6上に屋根トラス
1の下面が固定される。また、プッシュアップ架台2の
周囲の地上面には、プッシュアップタワー5を中心とし
て十字方向へ放射状に伸びる4本のスライド軌条7,
7,7,7が敷設されている。
開平7−113332号公報に開示のように、プッシュ
アップ架台2に固定したジャッキ本体(シリンダー)内
にラムを嵌合して、そのラム内に昇降ロッドを挿通する
と共に、その昇降ロッドをラム内及びジャッキ本体下部
でそれぞれ保持するためのロックスリーブ(上部クラン
プ及び下部クランプ)と呼ばれる特殊なリングが昇降ロ
ッドに対して締り嵌めの状態になるものである。即ち、
弾性変形を受けたロックスリーブがその弾性による締め
付け力により常に昇降ロッドを拘束し、メカニカルロッ
ク状態を持続するものであり、また、ベアロックジャッ
キ3の作動時には、ロックスリーブと昇降ロッドとの間
に高い圧力の作動油を送り込んでロックスリーブを膨ら
ませることで、メカニカルロック状態を開放する。
ックスリーブが昇降ロッドを同時にロックするダブルク
ランプ状態でラムがジャッキ本体内を下降位置となるラ
ム戻り限、下方のロックスリーブのみが昇降ロッドのロ
ックを開放する下部クランプ開状態でラムがジャッキ本
体内を上昇するラム上昇中、再びダブルクランプ状態で
ラムがジャッキ本体内を上昇位置となるラム上昇限、上
方のロックスリーブのみが昇降ロッドのロックを開放す
る上部クランプ開状態でラムがジャッキ本体内を下降す
るラム戻し中、同じく上部クランプ開状態でラムがジャ
ッキ本体内を下降位置となるラム戻り限、といった作動
態様がある。また、プッシュアップタワー5は、以上の
ようなベアロックジャッキ3によるカンザシ桁4を介し
て所定ストローク上昇される度に、その下端部にタワー
部材を継ぎ足して、その継ぎ足したタワー部材の側面に
ボルト結合によりカンザシ桁4が連結される。
しての仮設パンタフレーム10は、プッシュアップタワ
ー5上端部の天板6に上端部が回動自在に連結されて、
十字方向のスライド軌条7,7,7,7上に沿って下端
部がそれぞれ移動する4本の移動フレーム11,11,
11,11と、その各々の移動フレーム11,11,1
1,11の中間部と地上との間にそれぞれ架設した揺動
フレーム15,15,15,15とから構成されてい
る。即ち、移動フレーム11は、プッシュアップタワー
5上端部の天板6に上端部を回動自在に連結した上部フ
レーム12の下端部と、スライド軌条7上に沿って下端
部が移動する下部フレーム13の上端部とを、関節のよ
うに互いに回動自在に連結してなるものである。なお、
図示例では、上部フレーム12の長さよりも下部フレー
ム13の長さが短いものとなっている。
11を構成する上部フレーム12と下部フレーム13と
の回動自在な関節部に上端部を回動自在に連結して、プ
ッシュアップ架台2の周囲の地上面に下端部で回転ヒン
ジ16により揺動自在に連結したものである。さらに、
移動フレーム11の下部フレーム13の下端部には水平
移動ジャッキ17の一端部がボルト結合により着脱自在
に連結されており、この水平移動ジャッキ17はスライ
ド軌条7に沿って配設されていて、その他端部がプッシ
ュアップ架台2の周囲の地上面に固定されている。
で移動フレーム11の下部フレーム13の継ぎ足し作業
を行うため、移動フレーム11(下部フレーム13)の
盛り替え用のテンションケーブル14が、図2に示した
ように、上部フレーム12と下部フレーム13との回動
自在な関節部と地上面との間に垂直に張られる。以上の
構成による仮設パンタフレーム10において、地上で組
み上げた大屋根の屋根トラス1を数カ所に設置したプッ
シュアップ設備により前述した如く50m程度の高さま
で押し上げて躯体に据え付ける際の剛性及び長さを十分
に確保したH形鋼等のフレーム材料を採用するものとす
る。
と仮設パンタフレーム10を用いたプッシュアップ作業
について説明する。先ず、図1に示したように、十字方
向に4本の移動フレーム11,11,11,11(下部
フレーム13,13,13,13)の下端部が各々のス
ライド軌条7,7,7,7に沿って互いに離れる方向へ
それぞれ移動して、各移動フレーム11,11,11,
11が開いた状態において、プッシュアップ架台2に組
み付けた4本のベアロックジャッキ3,3,3,3を同
期作動して、その各々の昇降ロッドをそれぞれ同時に上
昇させる。この時、各スライド軌条7,7,7,7にそ
れぞれ沿って下部フレーム13,13,13,13の各
下端部とプッシュアップ架台2周囲の地上面との間にそ
れぞれ架設した4本の水平移動ジャッキ17,17,1
7,17も同時に同期作動して、下部フレーム13,1
3,13,13の下端部を各々のスライド軌条7,7,
7,7に沿って互いに近付く方向へそれぞれ同時に移動
させる。
3,3,3,3の同期作動による各々の昇降ロッドの同
時上昇によって、その各昇降ロッド下端部に架設したカ
ンザシ桁4を介してプッシュアップタワー5が所定スト
ローク上昇される。そして、前述した4本の水平移動ジ
ャッキ17,17,17,17の同期作動による下部フ
レーム13,13,13,13下端部を各々のスライド
軌条7,7,7,7に沿った互いに近付く方向への同時
移動と同調して、4本の移動フレーム11,11,1
1,11を構成する上部フレーム12,12,12,1
2と下部フレーム13,13,13,13との回動自在
な関節部に上端部を回動自在にそれぞれ連結した揺動フ
レーム15,15,15,15が、プッシュアップ架台
2周囲の地上面の回転ヒンジ16,16,16,16を
支点として同時に起き上がるようにそれぞれ揺動する。
トローク上昇によって、地上で組み上げられた大屋根の
屋根トラス1が押し上げられ、この時、水平力に対して
は、仮設パンタフレーム10を構成する十字方向に配設
した移動フレーム11,11,11,11(上部フレー
ム12,12,12,12及び下部フレーム13,1
3,13,13)と揺動フレーム15,15,15,1
5並びに水平移動ジャッキ17,17,17,17によ
って十分に抵抗することができる。このような仮設パン
タフレーム10により水平力に対する十分な抵抗力を具
備した状態で、4本のベアロックジャッキ3,3,3,
3によりカンザシ桁4を介して所定ストローク上昇され
たプッシュアップタワー5の下端部に、新たにタワー部
材をボルト結合により継ぎ足す。
側面とカンザシ桁4とのボルト結合を一旦外しておい
て、4本のベアロックジャッキ3,3,3,3を同期作
動して、その各々の昇降ロッドをそれぞれ同時に下降さ
せてから、その下端部に架設したカンザシ桁4を、プッ
シュアップタワー5の下端部に継ぎ足したタワー部材の
側面にボルト結合により連結する。以上のようなプッシ
ュアップタワー5の継ぎ足し作業を押し上げの度に行い
ながら、プッシュアップ設備によるプッシュアップ動作
を繰り返していく。
を用いた大屋根トラス1のプッシュアップ過程におい
て、スライド軌条7に沿って移動する移動フレーム11
(下部フレーム13)の長さが揺動アーム15の揺動に
つれて短くなることから、下部フレーム13の下端部に
フレーム部材を継ぎ足していくため、移動フレーム11
の盛り替え作業を行う。即ち、下部フレーム13の長さ
が足りなくなる前に、図2に示すように、上部フレーム
12と下部フレーム13との回動自在な関節部と地上面
との間に、予めテンションケーブル14を張った状態に
しておく。そして、次のプッシュアップ動作で、テンシ
ョンテーブル14が垂直に張られた状態において、下部
フレーム13の下端部と水平移動ジャッキ17とのボル
ト結合を一旦外してから、その下部フレーム13の下端
部に、新たにフレーム部材をボルト結合により継ぎ足
す。その後、こうして長くなった下部フレーム13の下
端部に水平移動ジャッキ17を再びボルト結合して連結
する。
作業(下部フレーム13の継ぎ足し作業)と、前述した
ようなプッシュアップタワー5の継ぎ足し作業を押し上
げの度に行いながら、仮設パンタフレーム10を用いた
プッシュアップ設備によって大屋根トラス1のプッシュ
アップ動作を繰り返していくことで、最終的には、図2
に示されるように、50m程度の高さまで大屋根トラス
1を押し上げて躯体に据え付ける。
ッシュアップ工法用のリンク式フレーム10によれば、
以下に列挙する効果が得られる。 (1)フレーム構成がシンプルで水平力に対して抵抗し
やすい構造である。 (2)屋根骨組に対してプッシュアップタワー5の支持
部分(天板6)を併用しているため、補強が少ない。 (3)屋根下面に配置でき、同調操作は地上で安全に行
うことができる。
ーム11の下部フレーム13については、継ぎ足しフレ
ームとしたが、伸縮フレームを用いたり、引張力が作用
するワイヤを用いてもよい。
るプッシュアップ工法用リンク式フレームの第2の実施
の形態例を示したプッシュアップ前の状態の概略側面図
で、図4はその状態からプッシュアップ後の状態を示し
た概略側面図である。これらの図3及び図4において、
前述した第1の実施の形態例と同様に、2はプッシュア
ップ架台、3はベアロックジャッキ(プッシュアップ駆
動源)、4はカンザシ桁、5はプッシュアップタワー、
6は天板、7はスライド軌条であり、19は屋根トラス
(大空間構造物)、20は仮設パンタフレーム(リンク
式フレーム)、21は移動フレーム、22は揺動フレー
ム、23は回転ヒンジ、24は水平移動ジャッキであ
る。
プッシュアップ架台2、ベアロックジャッキ(プッシュ
アップ駆動源)3、カンザシ桁4、プッシュアップタワ
ー5、天板6、スライド軌条7については、前述した第
1の実施の形態例と同様のため、その説明を省略し、以
下では異なる点について説明する。即ち、この第2の実
施の形態例では、図示のような大空間構造物として大規
模ドームの屋根トラス19を地上で組み上げた後、数カ
所に設置したプッシュアップ設備により50m程度の高
さまで押し上げて図示しない躯体に据え付ける際に、水
平力に対抗するための仮設のリンク式フレーム20を用
いている。この実施の形態例において、本発明に係るリ
ンク式フレームとしての仮設パンタフレーム20は、プ
ッシュアップタワー5上端部の天板6に上端部が回動自
在に連結されて、十字方向のスライド軌条7,7,7,
7上に沿って下端部がそれぞれ移動する4本の移動フレ
ーム21,21,21,21と、その各々の移動フレー
ム21,21,21,21の中点部と地上との間にそれ
ぞれ架設した揺動フレーム22,22,22,22とか
ら構成されている。
1の実施の形態例の如く2本のフレーム部材から構成さ
れるものではなく、1本の直線状フレーム部材からなる
もので、この一直線状の移動フレーム21の下端部がス
ライド軌条7上に沿って移動するようになっている。ま
た、揺動フレーム22は、一直線状の移動フレーム21
の長さの丁度半分の長さを有するもので、一直線状の移
動フレーム11の中点部に上端部を回動自在に連結し
て、プッシュアップ架台2の周囲の地上面に下端部で回
転ヒンジ23により揺動自在に連結したものである。さ
らに、一直線状の移動フレーム11の下端部には、スラ
イド軌条7に沿って配設した水平移動ジャッキ24の一
端部がボルト結合により着脱自在に連結されていて、そ
の他端部がプッシュアップ架台2の周囲の地上面に固定
されている。
ンジ23の位置は、図示したように、プッシュアップタ
ワー5上端部の天板6に対する移動フレーム21上端部
の連結点の鉛直方向直下に位置している。そして、この
ような仮設パンタフレーム20においては、移動フレー
ム21と揺動フレーム22の長さの比が2:1で、揺動
フレーム22とその揺動フレーム22が回動自在に連結
された移動フレーム21の中点部を境に上下の長さの比
が1:1:1となっている。以上の構成による仮設パン
タフレーム20においても、前述した第1の実施の形態
例と同様に、地上で組み上げた大規模ドームの屋根トラ
ス19を数カ所に設置したプッシュアップ設備により前
述した如く50m程度の高さまで押し上げて躯体に据え
付ける際の剛性及び長さを十分に確保したH形鋼等のフ
レーム材料を採用するものとする。
フレーム22が回動自在に連結された移動フレーム21
の中点部を境に上下の長さの比を1:1:1とした仮設
パンタフレーム20としたので、プッシュアップ設備に
よる大規模ドームの屋根トラス19のプッシュアップ工
程において、移動フレーム21の下端部がスライド軌条
7に沿って常に移動するため、前述した第1の実施の形
態例でのような移動フレームの盛り替え作業(下部フレ
ームの継ぎ足し作業)を必要としない。即ち、十字方向
に4本の移動フレーム21,21,21,21は、図3
に示したように、その下端部を各々のスライド軌条7,
7,7,7に沿って互いに離れる方向へそれぞれ移動さ
せて開いた状態から、プッシュアップ設備によるプッシ
ュアップ動作の繰り返しの過程においても、図4に示さ
れるように、その下端部が常に各々のスライド軌条7,
7,7,7に沿って互いに近付く方向へそれぞれ移動し
ていく。
様にしてプッシュアップタワー5の継ぎ足し作業を押し
上げの度に行いながらも、移動フレームの盛り替え作業
が不要な仮設パンタフレーム20を用いたプッシュアッ
プ設備によって大屋根トラス19のプッシュアップ動作
を繰り返していくことで、最終的には、図4に示される
ように、50m程度の高さまで大屋根トラス19を押し
上げて躯体に据え付ける。
ッシュアップ工法用のリンク式フレーム20によれば、
前述した第1の実施の形態例により得られる(1)から
(3)の効果に加えて、以下に挙げる(4)の効果が得
られる。 (4)移動フレーム21の盛り替え作業が不要であり、
移動フレーム21下端部と水平移動ジャッキ24との着
脱作業も不要である。
プッシュアップタワーとベアロックジャッキとを組み合
わせたプッシュアップ設備としたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、他のプッシュアップ設備を用い
てもよい。即ち、他のジャッキ装置やウインチにより巻
き取られるワイヤをプッシュアップタワー及び仮設パン
タフレームと組み合わせたりしてもよい。また、実施の
各形態例では、スライド軌条に沿って移動する移動フレ
ームの下端部に水平移動ジャッキを連結したが、ウイン
チにより巻き取られるワイヤを移動フレームの下端部に
接続するようにしてもよい。さらに、大空間構造物とし
ては屋根鉄骨に限らず任意であり、その他、具体的な細
部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論で
ある。
ップ工法用リンク式フレームによれば、大空間構造物を
押し上げるための駆動源によるプッシュアップ力の作用
により、複数の移動フレームの下端部が放射状の軌条に
沿って互いに近付く方向へそれぞれ移動すると共に、こ
れに追従して揺動フレームがそれぞれ揺動して、複数の
移動フレームのそれぞれの高さが同じだけ高くなるた
め、大空間構造物の押し上げの際に、放射状の軌条に沿
って近付く方向へそれぞれ移動して高さが同じだけそれ
ぞれ立ち上がっていく複数の移動フレームと、そのそれ
ぞれに追従してそれぞれ立ち上がっていく複数の揺動フ
レームとによって、水平力に対して抵抗できるものとな
るといった利点が得られる。
プッシュアップ工法を示すもので、本発明に係るプッシ
ュアップ工法用リンク式フレームの第1の実施の形態例
を示したプッシュアップ前の状態の概略側面図である。
た概略側面図である。
レームの第2の実施の形態例を示したプッシュアップ前
の状態の概略側面図である。
た概略側面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 地上面に近い低い高さで組み上げられた
大空間構造物を押し上げて所定高さに据え付けるプッシ
ュアップ工法に用いるリンク式フレームであって、 前記大空間構造物に対し上端部で回動自在に連結すると
共に、地上面において放射状に敷設された軌条に沿って
下端部がそれぞれ移動することにより、それぞれの高さ
が同じだけ変化する複数の移動フレームと、 これら複数の移動フレームのそれぞれの中間部と地上と
の間にそれぞれ介設され、前記移動フレームの高さの変
化に追従して揺動する複数の揺動フレームとからなるこ
とを特徴とするプッシュアップ工法用リンク式フレー
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12485496A JP2850300B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | プッシュアップ工法用リンク式フレーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12485496A JP2850300B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | プッシュアップ工法用リンク式フレーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09302940A JPH09302940A (ja) | 1997-11-25 |
JP2850300B2 true JP2850300B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=14895746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12485496A Expired - Fee Related JP2850300B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | プッシュアップ工法用リンク式フレーム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2850300B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6837178B1 (ja) * | 2020-10-12 | 2021-03-03 | 犬飼 八重子 | 基礎工上の構造体を持上げて下部工とする下部工の構築方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115405110B (zh) * | 2022-11-01 | 2023-02-28 | 北京城建集团有限责任公司 | 一种适用于大型钢结构屋盖的提升滑移系统及其施工方法 |
-
1996
- 1996-05-20 JP JP12485496A patent/JP2850300B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6837178B1 (ja) * | 2020-10-12 | 2021-03-03 | 犬飼 八重子 | 基礎工上の構造体を持上げて下部工とする下部工の構築方法 |
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---|---|
JPH09302940A (ja) | 1997-11-25 |
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