JP2850249B2 - 表皮一体成形品の製造方法 - Google Patents
表皮一体成形品の製造方法Info
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- JP2850249B2 JP2850249B2 JP1135823A JP13582389A JP2850249B2 JP 2850249 B2 JP2850249 B2 JP 2850249B2 JP 1135823 A JP1135823 A JP 1135823A JP 13582389 A JP13582389 A JP 13582389A JP 2850249 B2 JP2850249 B2 JP 2850249B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、表皮一体成形品の製造方法に係り、特に表
皮材とスラブ層とをラミネートした表皮部材に、ソフト
樹脂層を一体に成形してなる表皮一体成形品について、
表皮部のスラブ層を良好な状態に保ちながら、表皮一体
成形品を製造する方法に関する。
皮材とスラブ層とをラミネートした表皮部材に、ソフト
樹脂層を一体に成形してなる表皮一体成形品について、
表皮部のスラブ層を良好な状態に保ちながら、表皮一体
成形品を製造する方法に関する。
[従来の技術] 従来から、車両用内装材として表皮部材と樹脂とを接
合させたものが広く用いられているが、これらは予め成
形しておいた表皮部材、例えばトリムカバーと、別途予
め射出成形或は発泡成形しておいたソフト樹脂層とを後
加工である接着加工によって接合して製造したり、或は
成形型のキャビテイ内に、予め表皮部材としてのトリム
カバー等をインサートしておき、次に型内に樹脂を注入
し、発泡させて表皮部材と樹脂層とを一体成形してい
た。
合させたものが広く用いられているが、これらは予め成
形しておいた表皮部材、例えばトリムカバーと、別途予
め射出成形或は発泡成形しておいたソフト樹脂層とを後
加工である接着加工によって接合して製造したり、或は
成形型のキャビテイ内に、予め表皮部材としてのトリム
カバー等をインサートしておき、次に型内に樹脂を注入
し、発泡させて表皮部材と樹脂層とを一体成形してい
た。
[発明が解決しようとする課題] 上記第1の従来技術によれば、表皮部材と、ソフト樹
脂層とを別途製作後、後工程で表皮部材とソフト樹脂層
とを接着するという製造工程を要し、部品点数と組立工
数とにおいて不利であり、しかもこのようにして製造し
た場合、製品の均一化という点において問題があった。
脂層とを別途製作後、後工程で表皮部材とソフト樹脂層
とを接着するという製造工程を要し、部品点数と組立工
数とにおいて不利であり、しかもこのようにして製造し
た場合、製品の均一化という点において問題があった。
また上記第2の従来技術である、成形型のキャビテイ
内に、予め表皮部材をインサートしておき、次に原料と
なる樹脂を型内に注入して発泡成形すると、発泡樹脂液
が表皮部材に含浸してしまうという問題があった。この
ように表皮部材に発泡樹脂液が含浸してしまうと、表皮
部材を構成するスラブ層の弾性部分を有効に活用できな
いと共に、表皮層下に硬化層を有し、使用に当たって、
当該製品の浅層フィーリングや人体の接触に伴う形状追
従性などに悪い影響を及ぼすなどの問題があった。その
ため表皮部材、或は表皮部材にラミネートされたソフト
樹脂層の裏面にフィルムをさらにラミネートし、このフ
ィルムによって含浸を防ぐなどの技術が多く用いられて
来た。
内に、予め表皮部材をインサートしておき、次に原料と
なる樹脂を型内に注入して発泡成形すると、発泡樹脂液
が表皮部材に含浸してしまうという問題があった。この
ように表皮部材に発泡樹脂液が含浸してしまうと、表皮
部材を構成するスラブ層の弾性部分を有効に活用できな
いと共に、表皮層下に硬化層を有し、使用に当たって、
当該製品の浅層フィーリングや人体の接触に伴う形状追
従性などに悪い影響を及ぼすなどの問題があった。その
ため表皮部材、或は表皮部材にラミネートされたソフト
樹脂層の裏面にフィルムをさらにラミネートし、このフ
ィルムによって含浸を防ぐなどの技術が多く用いられて
来た。
本発明の目的は、表皮材とスラブ層とをラミネートし
た表皮部材に、ソフト樹脂層を一体に成形してなる表皮
一体成形品について、発泡原液の発泡過程における泡沫
含浸を抑制防止しながら表皮一体成形品を製造する方法
の提供にある。
た表皮部材に、ソフト樹脂層を一体に成形してなる表皮
一体成形品について、発泡原液の発泡過程における泡沫
含浸を抑制防止しながら表皮一体成形品を製造する方法
の提供にある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために成されたもの
で、本発明の表皮一体成形品の製造方法は、表皮材とス
ラブ層を一体成形して成る表皮部材と、該表皮部材とソ
フト樹脂層とを重合して形成される表皮一体成形品の製
造方法であって、前記表皮部材を成形型内に装着すると
共に一部或は全部を各種吸水性樹脂などにより前処理さ
れたスラブ層に含水させる工程と、反応調整された水成
分とプレポリマーを混合撹拌したウレタン原液を前記表
皮部材の配設された型内に注入する工程と、該注入液を
発泡,ゲル化,キュアーさせる工程と、該キュアーした
製品を脱型して乾燥させる工程と、から構成されてい
る。
で、本発明の表皮一体成形品の製造方法は、表皮材とス
ラブ層を一体成形して成る表皮部材と、該表皮部材とソ
フト樹脂層とを重合して形成される表皮一体成形品の製
造方法であって、前記表皮部材を成形型内に装着すると
共に一部或は全部を各種吸水性樹脂などにより前処理さ
れたスラブ層に含水させる工程と、反応調整された水成
分とプレポリマーを混合撹拌したウレタン原液を前記表
皮部材の配設された型内に注入する工程と、該注入液を
発泡,ゲル化,キュアーさせる工程と、該キュアーした
製品を脱型して乾燥させる工程と、から構成されてい
る。
また上記プレポリマーは、末端イソシアネート基を有
するエチレンオキサイド高含有のポリオールから製造さ
れたプレポリマーとする。
するエチレンオキサイド高含有のポリオールから製造さ
れたプレポリマーとする。
さらに上記表皮部材の構成として、表皮材とスラブ層
との間にフィルム層を配設した表皮部材を用いると水分
による表皮部材、例えば植物性繊維による織,編物など
の収縮や表面フィーリングの変化を防止するのに好適で
ある。
との間にフィルム層を配設した表皮部材を用いると水分
による表皮部材、例えば植物性繊維による織,編物など
の収縮や表面フィーリングの変化を防止するのに好適で
ある。
[作用] 上記のように、本発明の表皮一体成形品は、表皮部材
の構成材である表皮と接合されている各種吸水性樹脂な
どにより前処理されたスラブ層の空間の全部又は一部に
含水或は吸水させた状態で、型内に装着し、これに予め
反応調整された水成分と、プレポリマー,例えば実施例
で示すような、末端イソシアネート基を有するエチレン
オキサイド高含有のポリオールから製造されたプレポリ
マーを混合撹拌したウレタン原液を注入し、発泡,ゲル
化,キュアーした後、脱型する。即ち、保水(吸水,吸
湿,含水)により吸水性樹脂は自己重量の数十倍から千
倍に及ぶ水を保持し、膨潤しスラブの空隙が満たされ
(即ち閉塞され)たスラブ層上で、含水ウレタン泡沫を
浮かせた状態とすることができ、さらにゲル化させるこ
とが出来るので、ウレタン原液及び発泡過程でのスラブ
層への泡沫の含浸を防止できる。なお、吸水率は吸水性
樹脂のスラブへの保持量や、吸水させる水量等を予めテ
ストにより調整し、所望の水準とすれば良い。しかも型
から脱型後に、水分を飛散させて乾燥させると、スラブ
層と発泡によって得られたウレタンフォーム層の境界に
存在し、泡沫の含浸を防止していた水分は、飛散する。
このように水分を保持して含浸を防止していたスラブ層
の境界面及びスラブ層の水分が乾燥で飛散するので、ス
ラブ層と発泡によって得られたウレタンフォーム層との
境界には、反膜の形成はなく、ポーラスな状態で一体的
に成形された製品を得ることができる。
の構成材である表皮と接合されている各種吸水性樹脂な
どにより前処理されたスラブ層の空間の全部又は一部に
含水或は吸水させた状態で、型内に装着し、これに予め
反応調整された水成分と、プレポリマー,例えば実施例
で示すような、末端イソシアネート基を有するエチレン
オキサイド高含有のポリオールから製造されたプレポリ
マーを混合撹拌したウレタン原液を注入し、発泡,ゲル
化,キュアーした後、脱型する。即ち、保水(吸水,吸
湿,含水)により吸水性樹脂は自己重量の数十倍から千
倍に及ぶ水を保持し、膨潤しスラブの空隙が満たされ
(即ち閉塞され)たスラブ層上で、含水ウレタン泡沫を
浮かせた状態とすることができ、さらにゲル化させるこ
とが出来るので、ウレタン原液及び発泡過程でのスラブ
層への泡沫の含浸を防止できる。なお、吸水率は吸水性
樹脂のスラブへの保持量や、吸水させる水量等を予めテ
ストにより調整し、所望の水準とすれば良い。しかも型
から脱型後に、水分を飛散させて乾燥させると、スラブ
層と発泡によって得られたウレタンフォーム層の境界に
存在し、泡沫の含浸を防止していた水分は、飛散する。
このように水分を保持して含浸を防止していたスラブ層
の境界面及びスラブ層の水分が乾燥で飛散するので、ス
ラブ層と発泡によって得られたウレタンフォーム層との
境界には、反膜の形成はなく、ポーラスな状態で一体的
に成形された製品を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。な
お、以下に説明する方法は本発明を限定するものでな
く、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができる
ものである。
お、以下に説明する方法は本発明を限定するものでな
く、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができる
ものである。
第1A図及び第1B図は本発明に用いられる表皮部材とし
てのトリムカバーを示すものであり、本例のトリムカバ
ー10は、PVCレザー,編織物等の表皮用生地からなる表
皮材11と、ワディング材としてのウレタンスラブ層12等
とをラミネートして構成されたトリムカバーであり、通
気性を持たせたものである。本例では、スラブ層12とし
て軟質ウレタンのスライス品1mm〜30mmと、上記表皮材1
1を、例えばホットメルトタイプ等の接着剤やフレーム
ラミネートによるウレタンスラブの軟化融解層13によっ
て接合したものである。
てのトリムカバーを示すものであり、本例のトリムカバ
ー10は、PVCレザー,編織物等の表皮用生地からなる表
皮材11と、ワディング材としてのウレタンスラブ層12等
とをラミネートして構成されたトリムカバーであり、通
気性を持たせたものである。本例では、スラブ層12とし
て軟質ウレタンのスライス品1mm〜30mmと、上記表皮材1
1を、例えばホットメルトタイプ等の接着剤やフレーム
ラミネートによるウレタンスラブの軟化融解層13によっ
て接合したものである。
上記トリムカバー10は、ウレタン原液の注入などのた
めに、開口部(図示せず)を形成し、予め高周波ウエル
ダ加工,超音波ウエルダー加工,縫製等によって所望の
デザイン形状に予備加工しておく。
めに、開口部(図示せず)を形成し、予め高周波ウエル
ダ加工,超音波ウエルダー加工,縫製等によって所望の
デザイン形状に予備加工しておく。
そしてトリムカバー10を成形型(下型)21内に配設す
るが、このとき吸水性樹脂により前処理されたスラブに
吸水処理して保水させたスラブ層12を上側にして配設
し、所定のウレタン成分20を型内に注入して、一体発泡
成形をする。
るが、このとき吸水性樹脂により前処理されたスラブに
吸水処理して保水させたスラブ層12を上側にして配設
し、所定のウレタン成分20を型内に注入して、一体発泡
成形をする。
本発明で用いられる吸水性樹脂としては、アクリル酸
ビニルアルコール共重合体、アクリル酸ソーダ重合体、
ポリエチレンオキサイド変性物などによるもので、いわ
ゆる水膨張性、親水性、保水性、バリア性などの機能を
有するものである。これは樹脂自体の三次元構造を有す
る高分子電解質により、その構造内に存在する官能基に
基因する浸透圧に基づき、或はポリマーの三次元網目構
造によって水を速やかに吸収する特性を有するものであ
り、市販品では住友化学工業(株)のSP−520,NP−101
0,R−30L、(株)クラレのKIゲル201K−F2などがある。
ビニルアルコール共重合体、アクリル酸ソーダ重合体、
ポリエチレンオキサイド変性物などによるもので、いわ
ゆる水膨張性、親水性、保水性、バリア性などの機能を
有するものである。これは樹脂自体の三次元構造を有す
る高分子電解質により、その構造内に存在する官能基に
基因する浸透圧に基づき、或はポリマーの三次元網目構
造によって水を速やかに吸収する特性を有するものであ
り、市販品では住友化学工業(株)のSP−520,NP−101
0,R−30L、(株)クラレのKIゲル201K−F2などがある。
またウレタン成分20としては、配向A液として、エチ
レンオキサイドの付加重合量が高い、エチレンオキサイ
ドを高含有するポリオールと、このポリオールに対して
化学当量以上のイソシアネート基を有する量のイソシア
ネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネー
トプレポリマーを主剤としたものを用いる。また配合B
液として、発泡からゲル化時の泡沫を安定させる整泡剤
(例えばシリコーン系ウレタン用整泡剤)と、水と反応
調整するための、三級アミン類,金属石鹸類等が配合さ
れたものを用いる。そして配合A液と配合B液を撹拌混
合する。より具体的にはウレタン成分(配合A液及び配
合B液)としては、次のものが用いられる。
レンオキサイドの付加重合量が高い、エチレンオキサイ
ドを高含有するポリオールと、このポリオールに対して
化学当量以上のイソシアネート基を有する量のイソシア
ネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネー
トプレポリマーを主剤としたものを用いる。また配合B
液として、発泡からゲル化時の泡沫を安定させる整泡剤
(例えばシリコーン系ウレタン用整泡剤)と、水と反応
調整するための、三級アミン類,金属石鹸類等が配合さ
れたものを用いる。そして配合A液と配合B液を撹拌混
合する。より具体的にはウレタン成分(配合A液及び配
合B液)としては、次のものが用いられる。
配合A(重量部) ウレタンプレポリマーEGH401(遊離NCO3.2%) 100部 配合B(重量部) 水 30部 シリコンオイル 1部 第2A図乃至第2D図は上記トリムカバー10を用いて、表
皮一体成形品Hを製造する方法を示したものである。
皮一体成形品Hを製造する方法を示したものである。
先ず、上記のように予備加工されたトリムカバー10を
発泡型(下型)21内に装着する。このとき、吸水性樹脂
により一部或は全部を前処理されたスラブ層12を上面に
して装着する。次に第2A図で示すように、トリムカバー
10の軟質ウレタンフォームからなるスラブ層12に、吸水
或は含水状態となるように、スプレー等(図示せず)そ
の他公知の手段によって、含水〜湿潤させる。含水率
は、20%〜700%で、好ましくは70%〜80%が好適であ
る。次に、上記ウレタン成分20である配合A液と配合B
液を、通常の方法で計量後、混合撹拌して、直ちに上記
トリムカバー10が装着された下型21内に注入する。そし
て、上型(蓋)22を閉めて1〜10分程度で、発泡,ゲル
化,キュアーさせる(第2C図参照)。次に、キュアーし
た製品を脱型して乾燥させ製品Hとする(第2D図)。な
お、型の加圧は通常のウレタンフォーム成形と同様で良
く、加温としては表皮部材が型内に配設されるため、20
℃〜60℃の範囲が好ましく、30℃〜55℃が好適である。
また含水させるみずの温度は特に限定されないが、20℃
〜25℃が好ましい。
発泡型(下型)21内に装着する。このとき、吸水性樹脂
により一部或は全部を前処理されたスラブ層12を上面に
して装着する。次に第2A図で示すように、トリムカバー
10の軟質ウレタンフォームからなるスラブ層12に、吸水
或は含水状態となるように、スプレー等(図示せず)そ
の他公知の手段によって、含水〜湿潤させる。含水率
は、20%〜700%で、好ましくは70%〜80%が好適であ
る。次に、上記ウレタン成分20である配合A液と配合B
液を、通常の方法で計量後、混合撹拌して、直ちに上記
トリムカバー10が装着された下型21内に注入する。そし
て、上型(蓋)22を閉めて1〜10分程度で、発泡,ゲル
化,キュアーさせる(第2C図参照)。次に、キュアーし
た製品を脱型して乾燥させ製品Hとする(第2D図)。な
お、型の加圧は通常のウレタンフォーム成形と同様で良
く、加温としては表皮部材が型内に配設されるため、20
℃〜60℃の範囲が好ましく、30℃〜55℃が好適である。
また含水させるみずの温度は特に限定されないが、20℃
〜25℃が好ましい。
次に上記実施例をより理解するための具体的例につい
て述べる。
て述べる。
[例1] 予め所望の製品形状に縫製処理された軟質ウレタンシ
ートを表皮生地にラミネートした表皮部材を形成し、こ
の表皮部材を型内にセットし、次に粘着付与剤#55(住
友スリーエム(株)製)を内面であるウレタン面に塗布
した。これに吸水性樹脂SP−520(住友化学工業(株)
製)を100cm2当たり1〜1.5gの割合で保持させ、さらに
水を100cm2当たり10〜30g塗布し、吸水性樹脂が吸水膨
潤し、ウレタンシートの表面空隙がほぼ閉塞する様に処
理した。その後、配合A液と配合B液を均一に撹拌混合
し、直ちに型内に注入し、そして室温にて発泡硬化さ
せ、10分後に脱型し、70℃のオーブン中で1時間乾燥処
理した。このようにして得られた製品を切断したとこ
ろ、ウレタンシートと注入発泡硬化させたウレタンフー
ムとの境界は、通常の一体発泡による発泡樹脂の含浸に
よる硬化層とは異なったポーラスな柔軟性に富んだ違和
感のない表皮一体成形品を得た。
ートを表皮生地にラミネートした表皮部材を形成し、こ
の表皮部材を型内にセットし、次に粘着付与剤#55(住
友スリーエム(株)製)を内面であるウレタン面に塗布
した。これに吸水性樹脂SP−520(住友化学工業(株)
製)を100cm2当たり1〜1.5gの割合で保持させ、さらに
水を100cm2当たり10〜30g塗布し、吸水性樹脂が吸水膨
潤し、ウレタンシートの表面空隙がほぼ閉塞する様に処
理した。その後、配合A液と配合B液を均一に撹拌混合
し、直ちに型内に注入し、そして室温にて発泡硬化さ
せ、10分後に脱型し、70℃のオーブン中で1時間乾燥処
理した。このようにして得られた製品を切断したとこ
ろ、ウレタンシートと注入発泡硬化させたウレタンフー
ムとの境界は、通常の一体発泡による発泡樹脂の含浸に
よる硬化層とは異なったポーラスな柔軟性に富んだ違和
感のない表皮一体成形品を得た。
[例2] 表皮部材として、表皮生地にウェーブ状ホットメルト
を用いて軟質ウレタンシートをラミネートした。使用す
る軟質ウレタンシート用のスラブブロックの製造は次の
ように行なった。即ち、スラブフォーム1000m3当たり吸
水性樹脂NP−1010(住友化学工業(株)製)を3〜6g含
有する様にするため、予めポリオールに均質混合した独
立成分を設けて通常のスラブブロックの製造と同様の方
法にて各成分が撹拌機部分で混合し撹拌される様にして
製造した。そして、これを通常のスライスカッターで15
mm厚さにスライスし、これを上記のラミネート用軟質ウ
レタンシートとして用いた。次いで表皮生地とウェーブ
状ホットメルトを用いてラミネート処理し、裁断し縫製
により所望の製品形状に加工して、表皮部材を形成し
た。この表皮部材を型内にセットし、内面であるウレタ
ン面に、ウレタンシートの表皮層の空隙が閉塞されるま
で水分をスプレー塗布し、例1に示す配合A液及び配合
B液を例1と同様の方法により、型内に注入し、室温に
て発泡硬化させ10分後に脱型し、例1と同様に乾燥処理
した。このようにして得られた製品を切断したところ例
1と同等以上の柔軟な違和感のない境界層を持つ表皮一
体成形品を得た。
を用いて軟質ウレタンシートをラミネートした。使用す
る軟質ウレタンシート用のスラブブロックの製造は次の
ように行なった。即ち、スラブフォーム1000m3当たり吸
水性樹脂NP−1010(住友化学工業(株)製)を3〜6g含
有する様にするため、予めポリオールに均質混合した独
立成分を設けて通常のスラブブロックの製造と同様の方
法にて各成分が撹拌機部分で混合し撹拌される様にして
製造した。そして、これを通常のスライスカッターで15
mm厚さにスライスし、これを上記のラミネート用軟質ウ
レタンシートとして用いた。次いで表皮生地とウェーブ
状ホットメルトを用いてラミネート処理し、裁断し縫製
により所望の製品形状に加工して、表皮部材を形成し
た。この表皮部材を型内にセットし、内面であるウレタ
ン面に、ウレタンシートの表皮層の空隙が閉塞されるま
で水分をスプレー塗布し、例1に示す配合A液及び配合
B液を例1と同様の方法により、型内に注入し、室温に
て発泡硬化させ10分後に脱型し、例1と同様に乾燥処理
した。このようにして得られた製品を切断したところ例
1と同等以上の柔軟な違和感のない境界層を持つ表皮一
体成形品を得た。
第3図は本発明の他の実施例に用いられるトリムカバ
ーを示すものである。なお本例では上記第1図と同一材
質等には同一符号を付してその説明を省略する。本例の
トリムカバー30は、表皮材11とスラブ層12との間に非通
気性のフィルム31を配設してラミネートしたものであ
る。
ーを示すものである。なお本例では上記第1図と同一材
質等には同一符号を付してその説明を省略する。本例の
トリムカバー30は、表皮材11とスラブ層12との間に非通
気性のフィルム31を配設してラミネートしたものであ
る。
本例のトリムカバー30を用いると、吸水〜湿潤状態と
なるように、スラブ層12側からスプレー等で水を含ませ
ても、フィルム31によって表皮材11側への水の影響を防
止出来るため、予め含水させて放置しても表皮材11には
影響を与えず、このため、吸水〜湿潤状態の調節が容易
となる。また、成形においても、水がトリムカバー30の
表皮表面へ影響することがなく、良好となる。
なるように、スラブ層12側からスプレー等で水を含ませ
ても、フィルム31によって表皮材11側への水の影響を防
止出来るため、予め含水させて放置しても表皮材11には
影響を与えず、このため、吸水〜湿潤状態の調節が容易
となる。また、成形においても、水がトリムカバー30の
表皮表面へ影響することがなく、良好となる。
[発明の効果] 本発明は上記のように構成されているので、保水(吸
水,吸湿,含水)されたスラブ層上で、含水ウレタン泡
沫を浮かせた状態とすることができ、さらにゲル化させ
ることが出来るので、ウレタン原液及び発泡過程でのス
ラブ層への泡沫の含浸を防止できる。しかも型から脱型
後に、水分を飛散させるために乾燥させると、スラブ層
と発泡によって得られたウレタンフォーム層の境界に存
在し、泡沫の含浸を防止していた水分は、飛散する。こ
のように水分を保持して含浸を防止していたスラブ層の
境界面及びスラブ層の水分が乾燥で飛散するので、スラ
ブ層と、発泡によって得られたウレタンフォーム層の境
界には、反膜の形成はなくポーラスな状態で一体的に成
形された製品を得ることができる。
水,吸湿,含水)されたスラブ層上で、含水ウレタン泡
沫を浮かせた状態とすることができ、さらにゲル化させ
ることが出来るので、ウレタン原液及び発泡過程でのス
ラブ層への泡沫の含浸を防止できる。しかも型から脱型
後に、水分を飛散させるために乾燥させると、スラブ層
と発泡によって得られたウレタンフォーム層の境界に存
在し、泡沫の含浸を防止していた水分は、飛散する。こ
のように水分を保持して含浸を防止していたスラブ層の
境界面及びスラブ層の水分が乾燥で飛散するので、スラ
ブ層と、発泡によって得られたウレタンフォーム層の境
界には、反膜の形成はなくポーラスな状態で一体的に成
形された製品を得ることができる。
第1図はトリムカバーを説明する部分断面図、第1B図は
トリムカバーに含水させた状態を説明する部分断面図、
第2A図,第2B図,第2C図,第2D図はそれぞれ製造工程を
示す概略工程図、第3図は他のトリムカバーの部分断面
図である。 10,30……表皮部材(トリムカバー)、 11……表皮材、12……スラブ層、 31……フィルム層、H……表皮一体成形品。
トリムカバーに含水させた状態を説明する部分断面図、
第2A図,第2B図,第2C図,第2D図はそれぞれ製造工程を
示す概略工程図、第3図は他のトリムカバーの部分断面
図である。 10,30……表皮部材(トリムカバー)、 11……表皮材、12……スラブ層、 31……フィルム層、H……表皮一体成形品。
Claims (3)
- 【請求項1】表皮材とスラブ層を接合して成る表皮部材
と、該表皮部材とソフト樹脂層とを一体成形して形成さ
れる表皮一体成形品の製造方法であって、前記表皮部材
を成形型内に装着すると共に一部或は全部を各種吸水性
樹脂などにより前処理されたスラブ層に含水される工程
と、反応調整された水成分とプレポリマーとを混合撹拌
したウレタン原液を前記表皮部材の配設された型内に注
入する工程と、該注入液を発泡,ゲル化,キュアーさせ
る工程と、該キュアーした製品を脱型して乾燥させる工
程と、から成る表皮一体成形品の製造方法。 - 【請求項2】前記プレポリマーが、末端イソシアネート
基を有するエチレンオキサイド高含有のポリオールから
製造されたプレポリマーであることを特徴とする請求項
1記載の表皮一体成形品の製造方法。 - 【請求項3】前記表皮部材が表皮材とスラブ層との間に
フィルム層を配設した表皮部材であることを特徴とする
請求項1または2記載の表皮一体成形品を製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1135823A JP2850249B2 (ja) | 1989-05-31 | 1989-05-31 | 表皮一体成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1135823A JP2850249B2 (ja) | 1989-05-31 | 1989-05-31 | 表皮一体成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH031911A JPH031911A (ja) | 1991-01-08 |
JP2850249B2 true JP2850249B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=15160630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1135823A Expired - Lifetime JP2850249B2 (ja) | 1989-05-31 | 1989-05-31 | 表皮一体成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2850249B2 (ja) |
-
1989
- 1989-05-31 JP JP1135823A patent/JP2850249B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH031911A (ja) | 1991-01-08 |
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