JP2849666B2 - 新規なレジスト材料 - Google Patents

新規なレジスト材料

Info

Publication number
JP2849666B2
JP2849666B2 JP2204560A JP20456090A JP2849666B2 JP 2849666 B2 JP2849666 B2 JP 2849666B2 JP 2204560 A JP2204560 A JP 2204560A JP 20456090 A JP20456090 A JP 20456090A JP 2849666 B2 JP2849666 B2 JP 2849666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
branched
linear
haloalkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2204560A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0488348A (ja
Inventor
文良 浦野
正明 中畑
啓利 藤江
桂二 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP2204560A priority Critical patent/JP2849666B2/ja
Publication of JPH0488348A publication Critical patent/JPH0488348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2849666B2 publication Critical patent/JP2849666B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は半導体素子等の製造に於て用いられるレジス
ト材料に関する。詳しくは露光エネルギー源として400n
m以下の光源、例えば365nmのi線光、300nm以下の遠紫
外光、例えば248.4nmのKrFエキシマレーザー光等を用い
てポジ型のパターンを形成する際のレジスト材料に関す
る。
[従来の技術] 近年、半導体デバイスの高密度集積化に伴い、微細加
工、中でもフォトリソグラフィに用いられる露光装置の
光源は益々、短波長化し、今ではKrFエキシマレーザ(2
48.4nm)光が検討されるまでになってきている。しかし
ながらこの波長に適したレジスト材料は未だ適当なもの
が見出されていない。
例えば、KrFエキシマレーザ光に対してかなり感光性
が高く、光透過率も良いと言われているMP2400(シプレ
イ社製)を用いた場合、ベースポリマーのノボラック樹
脂自身の露光光に対する大きな表面吸収や感光剤のナフ
トキノンジアジド系化合物の光反応性が良くない為、現
像後のパターン形状は非常に悪く使用出来ない。また、
KrFエキシマレーザ光や遠紫外光を光源とするレジスト
材料として248.4nm付近の光に対する透過性が高い樹脂
と分子内に を有する感光性化合物より成るレジスト材料が開発され
ている。(例えば、特開昭64−80944号公報;特開平1
−154048号公報;特開平1−155339号公報等)。
さらに分子内に と−SO2Cl基を有する感光性化合物と248.4nm付近で高い
光透過性を有する樹脂より成るパターン形成材料も開発
されている。(例えば、特開平1−188852号公報;Y.Tan
iら、SPIE'S 1989 Sympo.,1086−03等)。第2図を用い
て、このレジスト材料によるパターン形成方法を示す。
半導体基板1上にレジスト材料5を回転塗布し、1.0μ
mのレジスト材料膜を得る(第2図(a))。なお、基
板1上には酸化膜、導電膜、絶縁膜が形成されている場
合が多い。次に248.4nmのKrFエキシマレーザ光3でマス
ク4を介し選択的に露光する(第2図(b))。そして
最後に通常のアルカリ現像液(0.24%テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液)を用いて現像を行うこと
によりレジスト材料5の露光部を溶解除去しパターン5a
を得る(第2図(c))。このレジスト材料膜(1μ
m)の露光前後の紫外線分光曲線を第3図に示す。使用
樹脂が1μm厚で70%であるのに対し、このレジスト材
料の露光後の透過率は40%と低く、十分な光褪色性が得
られていないことがわかる。また、パターン形成実験の
結果、パターンのアスペクト比は約70度と十分なパター
ン形状は得られていない。更にこのレジスト材料膜(1
μm)のγ特性を第4図に示すが、このレジスト材料の
感度は約140〜150mJ/cm2であった。
を有する感光性化合物を含むレジスト材料を使用する場
合、一般的にその感度は100〜300mJ/cm2程度であり、高
出力の割にエネルギー効率が良くないKrFエキシマレー
ザ光(248.4nm)を用いての実用化は困難な状況にあ
る。また、近年、露光エネルギー量を低減させる手段と
して露光により発生した酸を媒体とする化学増幅型のレ
ジスト材料が提案され[H.Itoら、Polym.Eng.Sci.,23
巻,1012頁(1983年)]、これに関して種々の報告がな
されている。(例えば、W.R.Brunsvoldら,SPIE's 1989
Sympo.,1086−40;T.Neenanら,SPIE's 1989Sympo.,1086
−01)。しかしながら、これ等化学増幅型レジスト材料
に使用される樹脂は芳香環を比較的多く有することに起
因して248.4nm付近の光透過性が不十分であったり、樹
脂の耐熱性が乏しい等の問題がある。
また、感光性化合物に関しては、例えばトリフェニル
スルホニウムテトラフルオロボレイトのようなオニウム
塩の場合は溶液安定性が乏しくレジスト材料を調製した
直後ではその本来の性能を発揮するが、半導体製造ライ
ンに於て実用化することは困難であると言われている
し、2,6−ジニトロベンジルのスルホン酸エステルの場
合は化合物としての安定性は認められるが露光により生
成する2−ニトロ−6−ニトロソベンズアルデヒドが一
般に使われている現像液(テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液)に溶解しないため、現像処理後、露
光部にスカムが残存したり、パターン形状が悪くなる等
の問題が生ずる。また、トリス(メタンスルホニルオキ
シ)ベンゼンは前記感光性化合物と比べて感度が低いた
め化学増幅型レジストの感光性化合物としては適さな
い。
[発明が解決しようとする問題点] このように を有する感光性化合物を含むレジスト材料の場合には、
感光性化合物の光褪色性が悪いことと を光反応させなければならないことから、良好なパター
ン形状が得られ難く、且つ露光エネルギー量を多く必要
とする。また、化学増幅型レジスト材料については樹脂
の248.4nm付近の光透過性を改善するか、樹脂の耐熱性
を向上させない限り使用に供し得ないし、また同時に感
光性化合物に関してはより低い露光エネルギー量で酸を
発生し、且つ溶液安定性があり、しかも生成物が現像液
に溶解するという特性が求められている。
[発明の目的] 本発明は上記した如き状況に鑑みなされたもので、i
線光や、遠紫外光、例えばKrFエキシマレーザ光等によ
り高感度(低露光エネルギー量)で効率良く酸を発生
し、且つ溶液中で安定で、しかも光反応による生成物が
現状用いられている現像液に溶解可能な感光性化合物を
含んで成るレジスト材料を提供することを目的とする。
[発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明は下記の構成より成
る。
露光により酸を発生する感光性化合物と、フェノール
性OH基を有し、そのフェノール性OH基が、tert−ブチル
基、tert−ブトキシカルボニル基、シクロアルキル基、
アルキル置換シリル基、ハロアルキル基及び直鎖状又は
分枝状アルキルオキシカルボニル基から選ばれた基で保
護された、生成した酸で化学変化を受けてアルカリ可溶
性になる溶解阻害化合物と、アルカリ可溶性樹脂及びこ
れら三者を溶解可能な溶剤とから成るレジスト材料に於
いて、露光により酸を発生する感光性化合物として下記
一般式[III]、[IV]又は[VI]で示される化合物の
いずれかを用いることを特徴とするレジスト材料。
[式中、R18〜R21は夫々独立して水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル
基、炭素数1〜10のハロアルキル基、−OR28(但し、R
28は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭
素数1〜10のアルキル置換シリル基、テトラヒドロピラ
ニル基、テトラヒドロフラニル基、炭素数1〜10のハロ
アルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭
素数2〜11の直鎖状又は分枝状のアルキルオキシカルボ
ニル基を表す。)、ニトロ基、ニトリル基、アミド基又
は−COOR29基(但し、R29は炭素数1〜10の直鎖状又は
分枝状のアルキル基を表す。)を表し、R22〜R27は夫々
独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖
状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
アルキル基、−OR30(但し、R30は炭素数1〜10の直鎖
状又は分枝状のアルキル基を表す。)、ニトロ基又はニ
トリル基を表し、Yは単結合、酸素原子、−CH=N−
基、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10の置換
アルキレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を
表し、k、lは夫々独立して1〜4の整数を表す。] [式中、R31、R32は夫々独立して炭素数1〜10の直鎖
状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
アルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル
基、置換フェニル基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数
1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数
1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素数1〜
10のハロアルキル基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド
基)、炭素数7〜10のアラルキル基又は置換アラルキル
基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、
分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又
は分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロアルキル
基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド基)を表す。] [式中、R37、R40は夫々独立して炭素数1〜10の直鎖
状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルコ
キシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基、置
換フェニル基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10
の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10
の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜10のハ
ロアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアル
キルチオ基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド基)、炭
素数7〜10のアラルキル基又は置換アラルキル基(置換
基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又
は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状
のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素
数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキルチオ基、ニトロ
基、ニトリル基又はアミド基)を表わし、R38、R39は夫
々独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状
のアルキル基又はハロゲン原子を表し、A、Bは夫々独
立してカルボニル基、スルホニル基又はスルフィニル基
を表す。] 本発明者らは露光により酸を発生する感光性化合物に
ついて鋭意研究を重ねた結果、溶液中で安定で、しかも
光反応による生成物が現状用いられている現像液に溶解
可能な上記一般式[III][IV]又は[VI]で示される
感光性化合物を見出し、更に、一般式[III]で示され
る感光性化合物の如くベンゼンスルホン酸エステルに電
子吸引基であるニトロ基を導入したもの、より好ましく
はスルホニル基のオルト位にニトロ基を導入したもの
は、露光によりニトロ基の効果でスルホニル基が励起さ
れてスルホン酸エステルが解離しやすくなり、レジスト
膜に存在する水の影響で低露光量でニトロベンゼンスル
ホン酸が効率良く生成すること、一般式[IV]で示され
る化合物の如く、露光によりブリーチする感光性化合物
を用いた場合には、その内部セル効果により、従来の感
光性化合物を用いた場合よりも露光後の透過性が著しく
改善され、解像度が大幅に向上すること、及び一般式
[VI]で示される化合物を用いた場合には、露光による
酸の発生効率が高く、解像度が大幅に向上することを見
出し、本発明を完成するに至った。
本発明で用いられる一般式[III]で示される感光性
化合物に於て、R18,R19,R20,R21で示されるハロゲン原
子及びハロアルキル基のハロゲンとしては、塩素,臭
素,弗素,沃素が挙げられ、直鎖状,分枝状又は環状の
アルキル基のアルキル基、ハロアルキル基のアルキル
基、R28で示される直鎖状又は分枝状のアルキル基のア
ルキル基、同じくR28で示されるアルキル置換シリル基
のアルキル基、同ハロアルキル基のアルキル基、同アル
コキシアルキル基のアルキル基及びアルコキシ基のアル
キル基、同直鎖状又は分枝状のアルキルオキシカルボニ
ル基のアルキル基及びR29で示される直鎖状又は分枝状
のアルキル基のアルキル基としては、例えばメチル基,
エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル
基,オクチル基,デシル基等炭素数1〜10のアルキル基
が挙げられる。また、R22,R23,R24,R25,R26,R27で示さ
れるハロゲン原子及びハロアルキル基のハロゲンとして
は塩素,臭素,弗素,沃素が挙げられ、直鎖状,分枝状
又は環状のアルキル基のアルキル基、ハロアルキル基の
アルキル基及びR30で示される直鎖状又は分枝状のアル
キル基のアルキル基としては、例えばメチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル基,オ
クチル基,デシル基等炭素数1〜10のアルキル基が挙げ
られる。Yで示されるアルキレン基及び置換アルキレン
基のアルキレン基としては、例えばメチレン基,エチレ
ン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキ
シレン基,オクチレン基,デシレン基等炭素数1〜10の
アルキレン基が挙げられ、シクロアルキレン基として
は、例えばシクロプロピレン基,シクロペンチレン基,
シクロヘキシレン基,シクロオクチレン基,シクロデシ
レン基等炭素数3〜10のシクロアルキレン基が挙げら
れ、置換アルキレン基の置換基としては、例えば塩素,
臭素,弗素,沃素等のハロゲン原子、例えばメチル基,
エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル
基,オクチル基,デシル基等炭素数1〜10のアルキル基
等が挙げられる。
本発明で用いられる一般式[IV]で示される感光性化
合物に於て、R31,R32で示される直鎖状,分枝状又は環
状のアルキル基のアルキル基及びハロアルキル基のアル
キル基としては、例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,アミル基,ヘキシル基,オクチル基,デ
シル基等炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、ハロア
ルキル基のハロゲンとしては、塩素,臭素,弗素,沃素
が挙げられ、アルケニル基としては、例えばビニル基,1
−プロペニル基,2−プロペニル基(アリル基),2−ブテ
ニル基,イソプロペニル基,1,3−ブタジエニル基,2−ペ
ンテニル基,1−ヘキセニル基等炭素数2〜10のアルケニ
ル基が挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジ
ル基,フェネチル基,フェニルプロピル基,フェニルブ
チル基等炭素数7〜10のアラルキル基が挙げられる。ま
た、置換フェニル基及び置換アラルキル基の置換基であ
る直鎖状,分枝状又は環状のアルキル基のアルキル基、
直鎖状又は分枝状のアルコキシ基のアルキル基及びハロ
アルキル基のアルキル基としては、例えばメチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル
基,オクチル基,デシル基等炭素数1〜10のアルキル基
が挙げられ、ハロゲン原子及びハロアルキル基のハロゲ
ンとしては塩素,臭素,弗素,沃素が挙げられる。
本発明で用いられる一般式[VI]で示される感光性化
合物に於て、R37,R40で示される直鎖状,分枝状又は環
状のアルキル基のアルキル基、ハロアルキル基のアルキ
ル基及び直鎖状又は分枝状のアルコキシ基のアルキル基
としては、例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブ
チル基,アミル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基
等炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、ハロアルキル
基のハロゲンとしては、塩素,臭素,弗素,沃素が挙げ
られ、アルケニル基としては、例えばビニル基,1−プロ
ペニル基,2−プロペニル基(アリル基),2−ブテニル
基,イソプロペニル基,1,3−ブタジエニル基,2−ペンテ
ニル基,1−ヘキセニル基等炭素数2〜10のアルケニル基
が挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジル
基,フェネチル基,フェニルプロピル基,フェニルブチ
ル基等炭素数7〜10のアラルキル基が挙げられる。ま
た、置換フェニル基及び置換アラルキル基の置換基であ
る直鎖状,分枝状又は環状のアルキル基のアルキル基、
直鎖状又は分枝状のアルコキシ基のアルキル基、ハロア
ルキル基のアルキル基及び直鎖状又は分枝状のアルキル
チオ基のアルキル基としては、例えばメチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘキシル基,オ
クチル基,デシル基等炭素数1〜10のアルキル基が挙げ
られ、ハロゲン原子及びハロアルキル基のハロゲンとし
ては塩素,臭素,弗素,沃素が挙げられる。また、R38,
R39で示される直鎖状又は分枝状のアルキル基として
は、例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,アミル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基等炭
素数1〜10のアルキル基が挙げられ、ハロゲン原子とし
ては塩素,臭素,弗素,沃素が挙げられる。
本発明で用いられる溶解阻害化合物としては、例え
ば、ビスフェノールA、ポリヒドロキシスチレンオリゴ
マー、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂等
フェノール性OH基を有するもので、そのフェノール性OH
基が酸により脱離しやすい、例えばtert−ブチル基、te
rt−ブトキシカルボニル基、シクロアルキル基、アルキ
ル置換シリル基、ハロアルキル基、直鎖状又は分枝状ア
ルキルオキシカルボニル基で保護された、化学変化を受
けてアルカリ可溶性になる官能基を有する化合物が挙げ
られるが特にこれらに限定されるものではない。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、例
えば、ノボラック樹脂、ポリp−ヒドロキシスチレン樹
脂、スチレンマレイン酸ハーフエステル樹脂及びp−ヒ
ドロキシスチレン−p−アルコキシスチレン共重合体
(但し、アルコキシ基のアルキル基は炭素数1〜10で、
直鎖状、分枝状いずれかにても可。)等が代表的なもの
として挙げられるが特にこれらに限定されるものではな
く、通常この種の分野でこの種の目的に使用されるアル
カリ可溶性樹脂であれば何れかにても良い。
本発明で用いられる溶剤としては感光性化合物、溶解
阻害化合物及び樹脂の三者を溶解可能なものであれば何
れにても良いが通常は365nm及び248nm付近に吸収を有さ
ないものがより好ましく用いられる。より具体的にはエ
チルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールジメチルエーテル、乳酸エチ
ル、乳酸メチル、ジオキサン又はエチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル等が挙げられるが勿論これ等に
限定されるものではない。
本発明のレジスト材料はKrFエキシマレーザ光はもと
より、i線光でも酸が発生し、化学増幅作用することが
確認されている。従って本発明のレジスト材料は化学増
幅方法を利用して低露光量の遠紫外光、KrFエキシマレ
ーザ光(248.4nm)やi線光(365nm)を用いてパターン
形成可能なレジスト材料である。
[作用] 本発明の作用について説明すると、先ず、KrFエキシ
マレーザ光、遠紫外光やi線光等で露光された部位は例
えば下記(A)、(B)又は(C)で示される光反応に
従って酸が発生する。
露光行程に続いて加熱処理を行うと下記(D)の反応
式に従って溶解阻害化合物の官能基が酸により化学変化
を受け、アルカリ可溶性となり、現像の際、現像液に溶
出してくる。
他方、未露光部は酸が発生しない為、加熱処理しても
化学変化は起らず、溶解阻害化合物は変化せず、アルカ
リ可溶性基の発現はない。
このように本発明のレジスト材料を用いてパターン形
成を行なった場合には露光部と未露光部との間でアルカ
リ現像液に対して大きな溶解度差が生じ、その結果、良
好なコントラストを有したポジ型パターンが形成され
る。尚、前記反応式(D)で示されるように露光で発生
した酸は触媒的に作用する為、露光は必要な酸を発生さ
せるだけで良く、露光エネルギー量の低減が可能とな
る。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれ等により何等制約を受けるものではな
い。
実施例 1. 下記の組成から成るレジスト材料を調製した。
第1図を用いて上記レジスト材料を使用したパターン
形成方法を説明する。半導体等の基板1上に上記レジス
ト材料2を回転塗布し、90℃、90秒間ホットプレートで
ソフトベーク後、1.0μmの膜厚のレジスト材料膜を得
た(第1図(a))。次に365nmのi線光3をマスク4
を介して選択的に露光した(第1図(b))。そして12
0℃、90秒間ホットプレートでプレベーク後、アルカリ
現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
水溶液)で60秒間現像することによりレジスト材料2の
露光部のみを溶解除去し、ポジ型パターン2aを得た(第
1図(c))。
その結果、このレジスト材料を用いて得たポジ型パタ
ーンは約70mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形成が
可能であった。
実施例 2. 下記の組成から成るレジスト材料を調製した。
上記レジスト材料を用い、光源として、365nmのi線
光に代えて248.4nmのKrFエキシマレーザ光を使用して実
施例1と同様の実験を行った。
その結果、このレジスト材料を用いて得たポジ型パタ
ーンは約17mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形成が
可能であった。
実施例 3. 実施例2に於て感光性化合物を に代えて同様の実験を行なったところ、得られたポジ型
パターンは約20mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形
成が可能であった。
実施例 4. 実施例2に於て感光性化合物を に代えて同様の実験を行なったところ、得られたポジ型
パターンは約30mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形
成が可能であった。
実施例 5. 下記の組成から成るレジスト材料を調製した。
上記レジスト材料を用いて実施例2と同様の実験を行
なった。
その結果、このレジスト材料を用いて得たポジ型パタ
ーンは約16mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形成が
可能であった。
実施例 6. 下記の組成から成るレジスト材料を調製した。
上記レジスト材料を用いて実施例と同様に、i線光を
用いて実験を行なった。
その結果、このレジスト材料を用いて得たポジ型パタ
ーンは約62mJ/cm2の露光エネルギー量でパターン形成が
可能であった。
[発明の効果] 本発明に係るレジスト材料を400nm以下の光源例えば3
65nmのi線光、300nm以下の遠紫外光(Deep UV)、例
えばKrFエキシマレーザ光(248.4nm)等の露光用レジス
ト材料として用いた場合には、サブミクロンオーダーの
形状の良い微細なパターンが容易に得られる。従って本
発明は、半導体産業等に於ける超微細パターンの形成に
とって大きな価値を有するものである。
尚、本レジスト材料はi線光や遠紫外光、KrFエキシ
マレーザ光で特に効果を発揮するが、電子線やX線でも
充分使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた本発明のレジスト材料を
用いたパターン形成方法の行程断面図を示す。また第2
図は従来のレジスト材料を用いたパターン形成方法の工
程断面図、第3図は従来のレジスト材料の紫外線分光曲
線図(但し、実線は露光前、破線は露光後)、第4図は
従来のレジスト材料のγ特性図である。 1……基板、2……本発明のレジスト材料膜、3……Kr
Fエキシマレーザ光、4……マスク、5……従来のレジ
スト材料膜、2a……本発明のレジスト材料膜で得られた
パターン、5a……従来のレジスト材料膜で得られたパタ
ーン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 桂二 埼玉県川越市大字的場1633番地 和光純 薬工業株式会社東京研究所内 (56)参考文献 特開 平3−103854(JP,A) 特開 平2−84648(JP,A) 特開 平2−187764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/00 - 7/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】露光により酸を発生する感光性化合物と、
    フェノール性OH基を有し、そのフェノール性OH基が、te
    rt−ブチル基、tert−ブトキシカルボニル基、シクロア
    ルキル基、アルキル置換シリル基、ハロアルキル基及び
    直鎖状又は分枝状アルキルオキシカルボニル基から選ば
    れた基で保護された、生成した酸で化学変化を受けてア
    ルカリ可溶性になる溶解阻害化合物と、アルカリ可溶性
    樹脂及びこれら三者を溶解可能な溶剤とから成るレジス
    ト材料に於いて、露光により酸を発生する感光性化合物
    として下記一般式[III]、[IV]又は[VI]で示され
    る化合物のいずれかを用いることを特徴とするレジスト
    材料。 [式中、R18〜R21は夫々独立して水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル
    基、炭素数1〜10のハロアルキル基、−OR28(但し、R
    28は炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭
    素数1〜10のアルキル置換シリル基、テトラヒドロピラ
    ニル基、テトラヒドロフラニル基、炭素数1〜10のハロ
    アルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭
    素数2〜11の直鎖状又は分枝状のアルキルオキシカルボ
    ニル基を表す。)、ニトロ基、ニトリル基、アミド基又
    は−COOR29基(但し、R29は炭素数1〜10の直鎖状又は
    分枝状のアルキル基を表す。)を表し、R22〜R27は夫々
    独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖
    状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
    アルキル基、−OR30(但し、R30は炭素数1〜10の直鎖
    状又は分枝状のアルキル基を表す。)、ニトロ基又はニ
    トリル基を表し、Yは単結合、酸素原子、−CH=N−
    基、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10の置換
    アルキレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基を
    表し、k、lは夫々独立して1〜4の整数を表す。] [式中、R31、R32は夫々独立して炭素数1〜10の直鎖
    状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
    アルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル
    基、置換フェニル基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数
    1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数
    1〜10の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜
    10のハロアルキル基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド
    基)、炭素数7〜10のアラルキル基又は置換アラルキル
    基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、
    分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又
    は分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロアルキル
    基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド基)を表す。] [式中、R37、R40は夫々独立して炭素数1〜10の直鎖
    状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10のハロ
    アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルコ
    キシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基、置
    換フェニル基(置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10
    の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基、炭素数1〜10のハ
    ロアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアル
    キルチオ基、ニトロ基、ニトリル基又はアミド基)、炭
    素数7〜10のアラルキル基又は置換アラルキル基(置換
    基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又
    は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状
    のアルコキシ基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素
    数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキルチオ基、ニトロ
    基、ニトリル基又はアミド基)を表わし、R38、R39は夫
    々独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状
    のアルキル基又はハロゲン原子を表し、A、Bは夫々独
    立してカルボニル基、スルホニル基又はスルフィニル基
    を表す。]
JP2204560A 1990-08-01 1990-08-01 新規なレジスト材料 Expired - Lifetime JP2849666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2204560A JP2849666B2 (ja) 1990-08-01 1990-08-01 新規なレジスト材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2204560A JP2849666B2 (ja) 1990-08-01 1990-08-01 新規なレジスト材料

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9362836A Division JP2861992B2 (ja) 1997-12-12 1997-12-12 新規なレジスト材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0488348A JPH0488348A (ja) 1992-03-23
JP2849666B2 true JP2849666B2 (ja) 1999-01-20

Family

ID=16492500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2204560A Expired - Lifetime JP2849666B2 (ja) 1990-08-01 1990-08-01 新規なレジスト材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2849666B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04149445A (ja) * 1990-10-12 1992-05-22 Mitsubishi Electric Corp ポジ型感光性組成物
EP0588544A3 (en) * 1992-09-14 1994-09-28 Wako Pure Chem Ind Ltd Fine pattern forming material and pattern formation process
US6528240B1 (en) 1999-03-12 2003-03-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Pattern formation method

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2719640B2 (ja) * 1988-06-30 1998-02-25 日本合成ゴム株式会社 ポジ型感放射線樹脂組成物
JPH02187764A (ja) * 1989-01-13 1990-07-23 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 感遠紫外線樹脂組成物
DE3930086A1 (de) * 1989-09-09 1991-03-21 Hoechst Ag Positiv arbeitendes strahlungsempfindliches gemisch und daraus hergestelltes strahlungsempfindliches aufzeichnungsmaterial
JP2747735B2 (ja) * 1990-01-30 1998-05-06 和光純薬工業株式会社 レジスト材料
JP2847413B2 (ja) * 1990-01-30 1999-01-20 和光純薬工業株式会社 レジスト材料
JP2847414B2 (ja) * 1990-01-30 1999-01-20 和光純薬工業株式会社 レジスト材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0488348A (ja) 1992-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2632066B2 (ja) ポジ画像の形成方法
JP2770740B2 (ja) 橋かけ環式アルキル基を有するスルホニウム塩化合物および光酸発生剤
JP4410977B2 (ja) 化学増幅レジスト材料及びそれを用いたパターニング方法
JPH11271977A (ja) フォトレジスト組成物
JPH05262874A (ja) 酸に対して不安定な保護基を有するオリゴマー化合物、およびこの化合物を用いて製造したポジ型放射線感応性混合物
JPH04199152A (ja) 感光性組成物
JPH09235326A (ja) アセタール基を含有するアルコキシ−スチレン重合体とその製造方法及びアルコキシ−スチレン重合体を主要成分とする化学増幅型フォトレジスト材料
JP2861253B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2964990B2 (ja) 橋かけ環式アルキル基を有する光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物、およびそれを用いたパターン形成方法
JP2849666B2 (ja) 新規なレジスト材料
JP2935306B2 (ja) 酸分解性化合物及びそれを含有するポジ型感放射線性レジスト組成物
JPH07219216A (ja) ポジ型感放射線性樹脂組成物及びそれを用いるパターン形成法
JP3024621B2 (ja) レジスト材料用酸発生剤
JP2847414B2 (ja) レジスト材料
JP2965016B2 (ja) 遠紫外線露光用感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法
JP2847413B2 (ja) レジスト材料
JP2747735B2 (ja) レジスト材料
JP2861992B2 (ja) 新規なレジスト材料
JP2662141B2 (ja) デバイスの製造方法
JP2975315B2 (ja) 3成分系化学増幅型フォトレジスト組成物
JP2991149B2 (ja) 感光性樹脂組成物およびパターン形成方法
JPH1130856A (ja) 感放射線性樹脂組成物
JPH03223863A (ja) レジスト材料
KR19990006907A (ko) 포지티브형 포토레지스트 조성물
JP3735572B2 (ja) 化学増幅レジスト及び組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081113

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101113

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101113

Year of fee payment: 12