JP2846633B2 - 屈折力検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は被検者の眼屈折力を測定するための検眼装
置に係る。 ［従来技術］ 検眼に関する研究は深化し、眼鏡やコンタクトレンズ
を的確に処方するには、多くの情報が必要であることが
認識されてきた。 その間に行われてきた検者の負担を減少させる数々の
改良を考慮に入れても全体として検眼は複雑化してきて
いることは否めない。 そこで、CRTディスプレイ上に検眼結果と検眼手順を
映し出す検眼装置が提案されている。 しかしながらCRTディスプレイ上に表示される情報は
極めて限定されたものであった。 そのため、SPH、CYL、AXIS、PDの各値等の基礎データ
が得られたとしても、眼位異常があるときの処方値は、
換算表を引いたり手計算で計算していた。 また、検眼の目的は、被検者に最適な視力を与える眼
鏡やコンタクトレンズ等の屈折矯正具を選定するととも
に、快適な視生活を維持、向上させるように指導提案す
ることにある。この様な目的からすると、被検者が理解
納得しやすい補助手段が必要となる。 このように今日における検眼装置は検眼自体の機能は
勿論のことその他にも多くの付加的機能をもつことが要
請されている。 これらの多くの機能を実現するのに集中操作、集中管
理が必要であることについては疑問の余地がない。 従来の検眼装置はその有する各機能を実現するについ
ては専用の操作スイッチを設け、それを操作することに
よって実行するものであった。 しかしながらディスプレイ１つをとってみても、多数
の情報をディスプレイ上に表示するについて、各専用の
操作キーを設けるとなると、操作部を広くしなければな
らない不都合がある。 ［本発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は、多機能型であって、しかもコンパク
トの操作部を有する検眼装置を提供することにある。 ［発明の構成］ 本発明は上記目的を達成するために、被検眼に視標を
提示する視標提示手段と被検眼に屈折力を付与する屈折
力付与手段とを備える屈折力検査装置において、被検眼
の検査結果を記憶する記憶手段と、検査後に検査結果に
基づいて被検者に対してコンサルティングを行うための
説明情報であって、矯正手段の選択、処方情報、啓蒙情
報の少なくても１つを含む説明情報を与えるコンサルテ
ィングプログラムを記憶するプログラム記憶手段と、該
プログラム記憶手段のコンサルティングプログラムを実
行するプログラム開始手段と、前記コンサルティングプ
ログラムにしたがって前記記憶手段に記憶された検査結
果に基づいて取り出された説明情報を表示するディスプ
レイユニットと、を備えることを特徴とする。 ［実施例］ 以下、本発明の一実施例である検眼システム装置を図
面に基づいて説明する。 第１図は検眼に必要な各種の装置を合理的に配置した
検眼システム装置の外観略図である。 この検眼システム装置の検眼テーブル（１）側には、
検眼を進めるための操作スイッチを配したコントロール
ユニット（２）、被検者側にも移動可能な、検眼情報を
表示するCRTディスプレイユニット（３）、レンズ交換
式電動化検眼器（４）、コントロールユニット（２）及
びレンズ交換式電動化検眼器（４）と図示なき自動眼屈
折力計、自動レンズメーターとの間の信号を中継および
制御するためのリレーユニット（６）から成る。 レンズ交換式電動化検眼器（４）の上方には視力検査
装置（７）と赤外線信号を送受信するリモコンユニット
（５）がある。 視力検査装置（７）はコントロールユニット内の操作
スイッチにより操作できるフィルム走行式の視力検査装
置であり、被検者に検眼に必要な各種の視標を呈示す
る。 第２図はコントロールユニット（２）の外観図であ
る。 コントロールユニット上の操作スイッチは、レンズ交
換式電動化検眼器（４）の光学系を駆動する補助レンズ
スイッチ群（８）と検眼モード切換スイッチ群（９）、
視力検査装置（７）を駆動する視標スイッチ群（10）、
その他の機能選択スイッチ群（11）に分けられる。 機能選択スイッチ群（11）中の左上方の（12）（13）
（14）の３個のスイッチが不特定機能スイッチである。
（12）（13）はいわゆるカーソル移動キーと呼ばれるも
ので、これら２つのスイッチで上下左右にカーソルを移
動させてプログラムメニューのなかから１つを選択す
る。本実施例では２個のカーソル移動キーで構成してい
るが、４個で構成しても構わないこと勿論である。（1
4）は実行キーである。 第３図は装置全体のブロック図である。 コントロールユニット （20）はキーマトリクス構成となったキーボード回路
であり、検者によって押されているスイッチを判別し、
マイクロコンピューター回路（21）に送信する。マイク
ロコンピューター回路において、文字列コードに変換さ
れた信号はRS-232Cインターフェース（29），（30）を
介してそれぞれレンズ交換式電動化検眼器（４）、リレ
ーユニット（６）CRTディスプレイ（３）に送られる。
（24）はロータリーエンコーダーでレンズ交換式電動化
検眼器（４）の光学系の度数を変える。（25）は被検者
がスイッチにて応答できるための被検者応答スイッチ、
（26）はブザー、（27）はディップスイッチであり、入
出力回路（28）を介してマイクロコンピューター回路に
入力される。（31）はバックアップ用電池である。 レンズ交換式電動化検眼器ユニット マイクロコンピューター回路（21）においてコードに
変換された信号はRS-232Cインターフェース（32）を介
し、マイクロコンピューター回路（33）に入力され、入
出力回路（34）、パルスモータードライバー（35）を経
てモーター（36）を駆動し、弱球面レンズディスク（3
7）、強球面レンズディスク（38）、補助レンズディス
ク（39）、クロスシリンダーディスク（40）等を回転さ
せ所定の光学系を検眼窓に配置する。 リレーユニット マイクロコンピューター回路（21）に入力された視標
スイッチのコード信号は、RS-232Cインターフェース（4
1）を介してマイクロコンピューター回路（42）に入力
され、入出力回路（47）を通り赤外線リモコン回路（4
6）にて赤外線信号に変調される。視力検査装置に送ら
れる。 また、RS-232Cインターフェース（48）、通信ポート
（49）を介してCRTディスプレイユニット（３）に送ら
れる。 RS-232Cインターフェース（48）、通信ポート（49）
はオートレフ（自動眼屈折計）、オートレンズメーター
と接続可能であり、これらの測定データをマイクロコン
ピューター回路（42）（21）を介してレンズ交換式電動
化検眼器（４）に送り、測定データに基づく光学系を初
期値として検眼器をセットすることができる。 プリンタ（43）、プリンタ回路（44）、入出力回路
（45）は測定結果をプリントするためのものである。 CRTディスプレイユニット RS-232Cインターフェース（50）を通しCRTディスプレ
イユニット（３）に伝送された信号はマイクロコンピュ
ーター回路（51）で解釈され、グラフィックコントロー
ラー（52）キャラクターコントローラー（54）によりグ
ラフィックRAM（53）漢字ROM（55）を読み出し、ディス
プレイインターフェース（56）を介しCRT上にグラフィ
ックパターン及び文字を表示する。 （58）はフロッピーインターフェース、（59）はフロ
ッピーディスクドライブである。本実施例では主記憶メ
モリーの容量が少ないため、全てのプログラムを常駐で
きないので、フロッピディスクに記憶させておき必要に
応じて、該当プログラムを転送し実行させるという方法
を採用している。 以上のような構成の実施例において、以下その動作を
説明する。便宜上、自覚式検眼器ユニット、視力検査装
置、ディスプレイユニットの３つに分けて説明するが、
本発明と関係が薄い部分については簡単な説明にとどめ
る。 自覚式検眼ユニット 検眼モード切換スイッチ群（９）中のスイッチ、殊に
ロータリエンコーダー（24）を操作することにより発生
する信号は、マイクロコンピューター回路（21）を介し
てレンズ交換式電動化検眼器（４）に送られ、パルスモ
ータードライバー（35）にてモーター（36）を駆動さ
せ、弱球面レンズディスク（37）、強球面レンズディス
ク（38）、補助レンズディスク（39）等を回転させ所定
の光学系を左右検眼窓に配置する。 また、オートレフからのデータをマイクロコンピュー
ター回路（42）（21）を介して取り入れ、その左右眼の
SPH、CYL、AXIS、PDの各値に相当する光学系を検眼窓に
配置し、これを初期値として検眼することもできる。 このようにして初期値を設定した後、被検者の応答を
参考にして、ロータリエンコーダー（24）等を操作して
最適な視力が得られるまで検眼を行う。 視力検査装置 視標スイッチ群（10）中のスイッチ操作による信号は
リレーユニット（６）のマイクロコンピューター回路
（42）入出力回路（47）を介し、赤外線リモコン回路
（46）赤外線LEDに送られ、文字列コードを赤外光の長
短パルス光列に変調し背面照光式フィルム走行式視力検
査装置（７）に向けて発信する。背面照光式視力検査装
置はこの光パルス列を受光し、視力表コード信号に再構
成する。図示なきフィルム走行用モーターと位置検出用
光電スイッチの作用により操作したスイッチに対応する
視標が呈示される。 また、本実施例では検眼手順が予めプログラムされて
おり、そのプログラムに従って行うときは視標スイッチ
を操作しなくてもその検眼段階で必要な視標が呈示され
るようになっている。例えばオートレフの測定結果に基
づいて検眼器の初期値が設定されるときは、最初の視標
として1.0のかな視標が呈示されるようにプログラムさ
れている。 ディスプレイユニット 本実施例においてはCRT上には種々の情報が呈示され
る。即ち、自覚式電動化検眼器の操作・表示に関するプ
ログラム、矯正手段の選択プログラム、啓蒙プログラム
等である。 まず、主要なプログラムの内容を説明する。 第４図は自覚式電動化検眼器の操作・表示に関するプ
ログラムの表示例である。 （60）のエリア内は検眼器による測定値が表示され、
リバース表示された部分がロータリーエンコーダーによ
って操作可能であることを示している。（61）には１つ
前の検眼手順の結果（他覚値又は前眼鏡値）、（62）は
現在使用中の補助レンズの種類、（63）は被検者に呈示
されている視標の種類をそれぞれ表示する。（64）は自
覚式検眼の進行手順を視標によって示したもので、（6
5）の表示がある部分が現在の進行段階である。 矯正手段の選択プログラムとは、検者又は被検者が矯
正手段を選択するに際して必要な情報を提供するもので
ある。例えば、何種類かの屈折率と比重を予めインプッ
トしておき、検眼結果のSPH、CYL値から処方レンズのこ
ば厚、重さを求めることができる。 また、眼位異常があるときの眼鏡処方において、被検
者の瞳孔間距離（PD値）と左右眼鏡レンズ光学中心間距
離を変える場合があるが、PD値、プリズム値、SPH値か
らいわゆるプレンティスの公式に基づいて左右レンズ間
距離を算出することで眼位異常を補正する。また、角膜
頂点と眼鏡レンズ後面との距離、即ち装用距離によりレ
ンズ度数を微調整することがあるが、検眼値近傍での補
正量のみを示すことができる。 コンタクトレンズの処方においては、水平方向及び垂
直方向の角膜曲率半径の平均値に基きベースカーブとサ
イズの選択ができ、眼鏡処方のSPH値、CYL値からコンタ
クトレンズ換算したSE値を求めることでその理論的パワ
ーを決定できる。市販されているコンタクトレンズの種
類には限りがあるが、その近傍でのデータだけを示すこ
とにより選択を容易にすることができる。 啓蒙プログラムとは被検者に対する啓蒙のためのプロ
グラムであり、人眼の断面図、屈折異常の結像光路図の
一覧、測定結果に基づく私生活上のアドバイス（第５
図）が表示される。 この他にも顧客管理や統計処理のためのプログラム等
がある。 複数のプログラムは第６図に示すようにループ状に閉
じた構成になっており、特にメニュープログラムは共通
の飛び先プログラムとなっている。ここでメニューとは
実行可能なプログラムリストである。 本実施例では電源スイッチを入れたときにはａのルー
トで検眼器の操作・表示に関する検眼プログラムが実行
可能な状態になっている。b₂のルートでメニュープログ
ラムに移り、b₁のルートで検眼プログラムその他のプロ
グラムに移る。c,dはメニューを介さないルートを示
す。 コントロールユニットの スイッチを押したときのキーボード回路のコード化信号
をマイクロコンピューター回路（21）はアルファベット
のASC11コード列に変換し、RS-232Cインターフェース
（30）、リレーユニット（６）、RS-232Cインターフェ
ース（50）を経由させてマイクロコンピューター回路
（51）に入力する。マイクロコンピューター回路（51）
にてコード列を解釈し、CRT（57）画面では、カーソル
（指示マーク）を下方又は左右に移動処理する。 操作者はこの移動を眼で確認して、さらに移動する必
要があるときは、 スイッチを押し、選択したプログラムを実行するには スイッチ（14）を押す。 第７図は不特定機能選択スイッチ（カーソル移動キ
ー、実行キー）の動作を示すフローチャートである。 （100）はカーソルキーの移動と表示であり、（101）
ではこのカーソルキーに対応するプログラムメニュー又
は機能に対応したプログラムアドレスを設定する処理で
ある。 （102）はコントロールユニットから実行スイッチが
押されたかどうかを判断し、押されたと判断するときは
（101）で決定したプログラムアドレスに実行を移すこ
とになる（103）。 以上説明した本実施例は１つの実施例にすぎず、当業
者にとり変形可能であることは明らかでありこれらも本
発明に含まれる。 ［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、単に被検眼の屈
折力を検査するだけでなく、検査結果に基づいて矯正手
段を選択する等、屈折力検査の最終目的にしたがった利
用が可能となる。また、屈折力検査後の面倒な作業から
検査者を解放し、作業を迅速かつ正確に遂行することが
できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は検眼に必要な各種の装置を合理的に配置した検
眼システム装置の外観略図、第２図はコントロールユニ
ット（２）の外観図、第３図は装置全体のブロック図、
第４図第５図はCRT上に表示されるプログラム例、第６
図は各プログラム間の構成を説明する図、第７図は不特
定機能選択スイッチ（カーソル移動キー、実行キー）の
動作を示すフローチャートである。 ２……コントロールユニット ３……CRTディスプレイユニット 12.13……カーソル移動キー 14……実行キー 53……グラフィックRAM 54……キャラクタコントローラ 55……漢字ROM 56……ディスプレイインターフェース 58……フロッピーインターフェース 59……フロッピーディスクドライブ

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．被検眼に視標を提示する視標提示手段と被検眼に屈
   折力を付与する屈折力付与手段とを備える屈折力検査装
   置において、 被検眼の検査結果を記憶する記憶手段と、 検査後に検査結果に基づいて被検者に対してコンサルテ
   ィングを行うための説明情報であって、矯正手段の選
   択、処方情報、啓蒙情報の少なくても１つを含む説明情
   報を与えるコンサルティングプログラムを記憶するプロ
   グラム記憶手段と、 該プログラム記憶手段のコンサルティングプログラムを
   実行するプログラム開始手段と、 前記コンサルティングプログラムにしたがって前記記憶
   手段に記憶された検査結果に基づいて取り出された説明
   情報を表示するディスプレイユニットと、 を備えることを特徴とする屈折力検査装置。