JP2846431B2 - 剥離コーティングの剥離力を調節する方法 - Google Patents

剥離コーティングの剥離力を調節する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 感圧性接着ラミネート構造体における剥離力の調節は
剥離コーティングに導入される反応性酸素の量を調節す
ることにより得られる。本発明は、チャンバー内に直接
導入される還元ガスにより電子ビームチャンバー内の酸
素含量を調節する方法に関する。
すなわち、本発明は、輻射線硬化性剥離コーティング
の剥離力を調節する方法であり、この方法は、前記コー
ティングと酸素が反応性である条件において、前記コー
ティングに導入される酸素の量を調節することを含み、
この酸素の量の調節が電子ビーム機へ還元ガスを導入す
ることにより行われ、前記コーティングが電子ビームの
存在下において硬化されるものでありかつアクリル官能
基を有するものであり、前記酸素が電子ビーム機に導入
される不活性ガス中に存在しており、前記還元ガスが、
電子ビームへ導入した際に、酸素をこの電子ビームへ導
入した際に形成される酸素、酸素のラジカルフラグメン
トもしくは励起した酸素分子と化合することのできる活
性化された分子もしくは分子のフラグメントを与えるあ
らゆるガスを含み、前記電子ビームが1〜10メガラドの
エネルギーレベルを有することを特徴とする。
また、本発明は、感圧性接着剤の製造方法に関し、こ
の方法は A)基材シートに輻射線硬化性剥離コーティングを塗布
すること、ここでこの剥離コーティングはアクリル官能
基を含み、 B)前記コーティングと反応性である酸素及び電子ビー
ムの存在下において、前記コーティングを硬化させるこ
と、ここで電子ビーム機へ還元ガスを導入することによ
り前記コーティングに導入される酸素の量が調節され、
前記還元ガスが、電子ビームへ導入した際に、酸素をこ
の電子ビームへ導入した際に形成される酸素、酸素のラ
ジカルフラグメントもしく励起した酸素分子と化合する
ことのできる活性化された分子もしくは分子のフラグメ
ントを与えるあらゆるガスを含む、 C)B)の硬化したフィルムに接着剤を塗布すること、 D)前記接着剤を硬化させること、及び E)D)の接着剤に表面シートを貼付すること、 を含み、B)における硬化が上記の輻射線硬化性剥離コ
ーティングの剥離力を調節する方法により行われること
を特徴とする。
さらに、本発明は、不活性ガス中の酸素の量を減少さ
せる方法に関し、この方法はイオン化輻射場に不活性ガ
ス及び還元ガスを導入することを含み、前記還元ガス
が、イオン化輻射場へ導入した際に、酸素をこのイオン
化輻射場へ導入した際に形成される酸素、酸素のラジカ
ルフラグメントもしくは励起した酸素分子と化合するこ
とのできる活性化された分子もしくは分子のフラグメン
トを与えるあらゆるガスを含み、前記イオン化輻射場が
1〜10メガラドのエネルギーレベルを有することを特徴
とする。
酸素は、適当な触媒を与えた場合剥離コーティングと
反応性になる。特に電子ビームはそのような触媒の1つ
である。他のイオン化輻射源も酸素と剥離コーティング
の間の反応を引起す。
本明細書において還元ガスとは、電子ビームへ導入し
た際に、酸素をこの電子ビームへ導入した際に形成され
る酸素、酸素のラジカルフラグメントもしくは励起した
酸素分子と化合することのできる活性化された分子もし
くは分子のフラグメントを与えるあらゆるガスを意味す
る。本発明の還元ガスの例は、水素、メタン、プロパ
ン、又は少なくとも1mmHg、室温において揮発性を有
し、大気中燃焼を持続できるあらゆる炭化水素又は組成
物である。本発明の好ましいガスは水素である。メタン
も本発明において作用することがわかったが、副生成物
としてオゾンを形成し、取扱いが不適当な場合電子ビー
ム機の部位に危険な作業環境をもたらす。
本発明の還元ガスは通常の条件下で酸素に対し不活性
であるが、電子ビーム内において酸素及び/又は還元ガ
スは高エネルギー高反応性種に励起及び/又は分断さ
れ、酸化/還元反応の活性化エネルギーを超え、不活性
ガスから酸素が消失する。高温により燃焼を保つ種に分
断された気体は電子ビーム機内の酸素レベルを低下させ
る。
本発明は、電子ビーム機に入る不活性ガス流中の酸素
を測定すること及び所望の酸素レベルを得るため不活性
ガス流への還元ガスの流速を調節することにより有効で
ある。不活性ガス流中の酸素含量は、電子ビーム機に入
る前に公知の方法又は装置を用いて測定されるか、又は
電子ビームチャンバー内で直接測定される。必要な理論
量の1.5〜10倍過剰が好ましい。酸素は還元ガスにより
電子ビーム機内で除去又は減少されるので、剥離コーテ
ィングと反応するよう存在する量も低下する。これは輻
射暴露後コーティング内に形成されるヒドロキシル又は
カルボキシル物質の量を除去又は低下させる。これによ
り剥離力は硬化の間形成する組成物及び副生成物による
のではなく、コーティングの組成物により支配される。
その他に、ヒドロキシル又はカルボキシル物質のレベル
を調節し、所望の剥離力を達成するため一部調節した還
元及び酸素レベルを用いてよい。
剥離力に対する酸素の効果は硬化したコーティングに
おいて並びに硬化の間おこる。
酸素及び好適な触媒、例えばイオン化輻射の存在はコ
ーティング中の高剥離力となるが、コーティングは低酸
素含有環境中で硬化した。また硬化した剥離コーティン
グを最終ラミネートに形成する前に一定期間放置すると
最初の剥離力は低下する。これは反応性化合物がコーテ
ィングの表面から移動するためであると考えられてい
る。従って、反応性化合物は接着剤と反応するコーティ
ング表面に最初は存在しない。
本発明の感圧性接着ラミネート構造体は、典型的には
基材シート上でシリコーン剥離コーティングを硬化する
ことにより製造される。このコートしたシートに溶剤ベ
ース、乳濁液ベース又は熱溶融型感圧性接着剤を塗布
し、硬化させ続いてラベル表面シートを貼る。
本発明において有効な剥離コーティングはアクリル官
能基を有する。その例はアクリルオキシ、メタクリルオ
キシ、アクリルアミド、チオールアクリルオキシ、及び
他のアクリル官能基を含む。それはポリマー、コポリマ
ー、オリゴマー、又はシリコーン含有物質を含む種々の
成分の混合物であってよい。剥離コーティングの性能を
変える又は高める公知の添加剤を、基材に剥離コーティ
ングを塗布し硬化させる前に混合してよい。
基材シート、接着剤及びラベル表面シートは市販入手
可能な又は公知の方法により製造される当該分野におい
て公知の物質であってよい。しかし、アクリル接着剤が
電子ビーム機内の酸素含量を変えることによる剥離力の
変化に最も効果を示すことがわかった。接着剤の塗布及
び硬化並びに表面シートの塗布は当該分野において公知
の方法により達成される。
全くエネルギーを有しない還元ガスの存在はコーティ
ングに効果がない。多量のエネルギーが還元ガスをより
有効にし、従って少量のガスを用いてよい。1〜10メガ
ラド(MR)のエネルギーレベルが本発明に適用可能であ
る。それより高いエネルギーレベルを用いてよいが、ベ
ースフィルム又は剥離コーティングにダメージがおこ
る。
不活性ガス中の酸素を低下又は排除するための電子ビ
ームの存在下での還元ガスの使用は、不活性ガスを必要
とし及び少量の酸素に敏感な剥離コーティング以外の用
途に用いてよい。また高品質気体を製造するためビンに
入れるもしくは販売する前に不活性ガスの製造者が用い
てもよく、又は不活性ガスを必要とし、酸素に敏感な工
程用の不活性ガス供給ラインに用いてよい。不活性ガス
は酸素が低いことが必要であり、本発明はそのような気
体を得る手段である。
当業者は知っているであろうが、以下の例は本発明の
範囲を限定するものではない。
例1 この例は、異なる剥離コーティングを用いる異なる酸
素及びエネルギーレベルの効果を示す。
下式、 (上式中、Meはメチル基を表わし、Rは基YNHCH2CH2NYC
H2CH(CH3)CH2−を表わし、Yは基H2C=CH−CD−を表
わす) のアクリルアミド官能性シロキサンをオフセットグラビ
アロール法により処理した厚さ2ミル(50μm)のポリ
エチレンフィルムに塗布し、1〜4MRの量及び20〜250pp
mの酸素レベルにおいてEnergy Sciences Electocurtain
(TM)電子ビーム機内で100フィート/分で硬化した。
電子ビームチャンバー内の酸素含量はDelta F(TM)電
解タイプ酸素分析機を用いて測定した。
硬化2日以内に、剥離フィルムを3ミルBird棒を用い
て溶剤ベース接着剤、NS−80−1068(National Starch
製)でコートした。溶剤を室温において1分間蒸発さ
せ、次いで接着フィルムを75℃の熱風中2分間硬化させ
た。これを最後に3ポンドローラー下で2ミルのマイラ
ー表面フィルムと貼合せた。
このラミネートを60℃で14日間エージングさせた。目
盛付オシロスコープを取付けたFinat高速剥離テスター
で180゜の角度で10m/分の速度でラベルからライナーを
引くことにより室温において剥離力を測定した。剥離力
はg/インチで示した。
アクリルコーティング、RC−450(西独Goldschmidt
製)を用いて他のラミネートを製造し、前記方法により
テストした。
アクリルアミド及びアクリレート剥離コーティングの
剥離力の結果を表Iに示す。両方ともある程度効果があ
るようであるが、アクリルアミドは酸素レベル及び硬化
エネルギーレベルにより敏感なようである。
例2 この例は異なる接着剤を用いる酸素の効果を示す。
例1で用いたアクリルアミド剥離コーティング(I)
にオクチル及びデシルアクリレートの10重量%混合物を
稀釈剤として加えた。例1のようにして1ミルのマイラ
ーベースフィルムに剥離コーティングを塗布して硬化し
た。例1のようにして接着剤、NS 36−6045(ゴム)及
びNS 80−1068(アクリル)を塗布し、硬化し、2ミル
のマイラー表面材を貼った。
日数エージング及び温度エージングの変化を調べた。
テスト結果を表IIに示す。ゴム接着剤を用いた場合剥離
力にいくらか変化がみられるが、この変化はアクリル接
着剤ではより顕著である。剥離力はg/インチで示す。
例3 この例は、酸素の存在により硬化したコーティングが
いかに影響されるかを示す。
10重量%のオクチル/デシルアクリレートで稀釈した
アクリルアミド(I)及びGoldschmidtのRC−450アクリ
レートベース剥離コーティングを用いて例1のようにし
てラミネートを製造した。これをポリプロピレンフィル
ム上20ppm酸素中2MRで硬化した。前記のようにして接着
剤NS 80−1068を塗布し硬化した。ラミネート60℃でエ
ージングした。
接着剤を塗布する前に2MR及び200ppm酸素において2
回電子ビーム機に通することを除きアクリルアミド及び
アクリレート剥離コーティングより上記のようにして第
2のラミネートを製造した。
結果を表IIIに示す。硬化した剥離コーティングを酸
素及び電子に暴露した場合、剥離力の明確な増加がみら
れ、これは剥離コーティングが硬化後も酸素に対し反応
性であることを示している。剥離力の結果はg/インチで
示す。
例4 この例は剥離力に対するライナーエージングの効果を
示す。
例3の稀釈したアクリルアミド(I)及びアクリレー
ト剥離コーティング並びにNS 80−1068アクリル接着剤
(National Starch製)、NS 80−1085Z45アクリル接着
剤(National Starch製)及びGMS−263接着剤(Goldsch
midt製)を用いて2つのラミネートを製造した。ラミネ
ートの1つは20ppm酸素及び2MRで硬化させ、一方他方は
同じ条件下で硬化させ、さらに200ppm,2MRで電子ビーム
機に通した。
硬化したライナーをすぐにラミネートにし、又はラミ
ネートにする前に7日間にエージングした。ラミネート
は60℃でエージングした。
結果を表IVに示す。ラミネートにする前に7日間エー
ジングしたライナーは最初の剥離力の低下を示した。し
かし、ラミネートをエージングするとその値はエージン
グしていないライナーより製造したラミネートの値に近
づき、これはコーティング内の反応性物質の移動を示し
ている。剥離力の結果はg/インチで示す。
例5 この例は不活性ガス中の酸素含量に対する還元ガス及
び電子ビームの効果を示す。
酸素レベル対電子ビーム電流に対するメタン及び水素
の効果を、酸素アナライザーを用いて260ppm酸素を含む
と測定された窒素源で測定開始した。窒素は4.6ft3(13
0)/分で電子ビームチャンバーに流れた。還元ガス
の量を変えた。結果を表Vに示す。メタンは水素より有
効のようであるが、メタンを用いた場合オゾンが形成し
たことが検出された。
例6 この例は、感圧性接着剤を製造する際、酸素を調節す
るため電子ビームの存在下還元ガスの使用を示す。
例1のアクリルアミド剥離コーティング(I)を6.6
重量%のオクチル/デシルアクリレート及び4.4重量%
のトリプロピレングリコールジアクリレートと混合し、
12ポンド/平方インチにセットしたブレード塗布器を用
いクラフトベース紙上に塗布し約1lb/平方連量のコード
重量を得た。サンプルを3MR,165kVの3ミリアンペア電
流及び68.7ft/分ベルト速度で硬化した。サンプルAは2
25ppm酸素(4.6ft3/分)を含む窒素中で硬化し、一方サ
ンプルBは225ppm酸素(4.6ft3/分)及び1000cc/分メタ
ン(0.77体積パーセント)含む窒素源からの窒素を用い
て硬化した。酸素アナライザーは電子ビームを操作した
際20ppm酸素を示した。
National Starch NC 80−1068アクリル接着剤を塗布
し、硬化し(例1)次いで艶消リト紙ラベル材(マイラ
ーより強い剥離力を生ずる)を貼った。3日及び10日
間、60℃でエージングし、このラミネートを剥離力につ
いてテストした。結果を表VIにg/インチで示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 7/00 - 7/04 C08J 7/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輻射線硬化性剥離コーティングの剥離力を
    調節する方法であって、前記コーティングと酸素が反応
    性である条件において、前記コーティングに導入される
    酸素の量を調節することを含み、この酸素の量の調節が
    電子ビーム機へ還元ガスを導入することにより行われ、
    前記コーティングが電子ビームの存在下において硬化さ
    れるものでありかつアクリル官能基を有するものであ
    り、前記酸素が電子ビーム機に導入される不活性ガス中
    に存在しており、前記還元ガスが、電子ビームへ導入し
    た際に、酸素をこの電子ビームへ導入した際に形成され
    る酸素、酸素のラジカルフラグメントもしくは励起した
    酸素分子と化合することのできる活性化された分子もし
    くは分子のフラグメントを与えるあらゆるガスを含み、
    前記電子ビームが1〜10メガラドのエネルギーレベルを
    有する方法。
  2. 【請求項2】感圧性接着剤の製造方法であって、 A)基材シートに輻射線硬化性剥離コーティングを塗布
    すること、ここでこの剥離コーティングはアクリル官能
    基を含み、 B)前記コーティングと反応性である酸素及び電子ビー
    ムの存在下において、前記コーティングを硬化させるこ
    と、ここで電子ビーム機へ還元ガスを導入することによ
    り前記コーティングに導入される酸素の量が調節され、
    前記還元ガスが、電子ビームへ導入した際に、酸素をこ
    の電子ビームへ導入した際に形成される酸素、酸素のラ
    ジカルフラグメントもしくは励起した酸素分子と化合す
    ることのできる活性化された分子もしくは分子のフラグ
    メントを与えるあらゆるガスを含む、 C)B)の硬化したフィルムに接着剤を塗布すること、 D)前記接着剤を硬化させること、及び E)D)の接着剤に表面シートを貼付すること、 を含み、B)における硬化が請求項1記載の方法により
    行われる方法。
  3. 【請求項3】不活性ガス中の酸素の量を減少させる方法
    であって、イオン化輻射場に不活性ガス及び還元ガスを
    導入することを含み、前記還元ガスが、イオン化輻射場
    へ導入した際に、酸素をこのイオン化輻射場へ導入した
    際に形成される酸素、酸素のラジカルフラグメントもし
    くは励起した酸素分子と化合することのできる活性化さ
    れた分子もしくは分子のフラグメントを与えるあらゆる
    ガスを含み、前記イオン化輻射場が1〜10メガラドのエ
    ネルギーレベルを有する方法。
JP2205280A 1989-08-09 1990-08-03 剥離コーティングの剥離力を調節する方法 Expired - Lifetime JP2846431B2 (ja)

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