JP2846255B2 - 犬の嗅覚機能向上用飼料 - Google Patents
犬の嗅覚機能向上用飼料Info
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- JP2846255B2 JP2846255B2 JP6245783A JP24578394A JP2846255B2 JP 2846255 B2 JP2846255 B2 JP 2846255B2 JP 6245783 A JP6245783 A JP 6245783A JP 24578394 A JP24578394 A JP 24578394A JP 2846255 B2 JP2846255 B2 JP 2846255B2
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、経口投与によって犬の
嗅覚機能を向上させる有効成分を含有する犬の嗅覚機能
向上用飼料に関する。
嗅覚機能を向上させる有効成分を含有する犬の嗅覚機能
向上用飼料に関する。
【０００２】
【従来の技術】特開平２−４９７２３号公報にはＤＨＡ
（Ｄｏｃｏｓａ ＨｅｘａｅｎｏｉｃＡｃｉｄ）をラッ
トに経口投与することにより、ラットの学習能が向上す
るという報告がある。ＤＨＡはマグロやカツオ等の魚類
の脂質に多く含まれている脂肪酸であり、近年、魚を食
べると頭が良くなるという情報の根拠物質としで知られ
ているが、ラット以外の動物ではまだ確証されていな
い。このＤＨＡは動物の脳や目（眼窩）に多く存在して
おり、それらの機能に重要な働きを担っている可能性が
ある。一方、近年の犬猫の栄養状態向上により人と類似
の疾病が多発し、ペットフードの改善・改良が進められ
ている。例えば、特開平６−２１７７１０号公報にはγ
−リノレン酸、α−リノレン酸およびＤＨＡなどの高度
不飽和脂肪酸と、ビオチンとビフイズス菌などの整腸剤
とを含有したペットフードが記載されている。ところ
が、このペットフードはペットの皮膚疾患の予防、治療
に用いるものであり、動物の学習能の向上には無関係の
ものであると共に、皮膚疾患という医療上の観点からＤ
ＨＡ以外の他の物質を含有している。
（Ｄｏｃｏｓａ ＨｅｘａｅｎｏｉｃＡｃｉｄ）をラッ
トに経口投与することにより、ラットの学習能が向上す
るという報告がある。ＤＨＡはマグロやカツオ等の魚類
の脂質に多く含まれている脂肪酸であり、近年、魚を食
べると頭が良くなるという情報の根拠物質としで知られ
ているが、ラット以外の動物ではまだ確証されていな
い。このＤＨＡは動物の脳や目（眼窩）に多く存在して
おり、それらの機能に重要な働きを担っている可能性が
ある。一方、近年の犬猫の栄養状態向上により人と類似
の疾病が多発し、ペットフードの改善・改良が進められ
ている。例えば、特開平６−２１７７１０号公報にはγ
−リノレン酸、α−リノレン酸およびＤＨＡなどの高度
不飽和脂肪酸と、ビオチンとビフイズス菌などの整腸剤
とを含有したペットフードが記載されている。ところ
が、このペットフードはペットの皮膚疾患の予防、治療
に用いるものであり、動物の学習能の向上には無関係の
ものであると共に、皮膚疾患という医療上の観点からＤ
ＨＡ以外の他の物質を含有している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、飼育動物で
は訓練や調教などによりその知能が向上することが知ら
れているが、動物の種類に応じて特定の機能を増強する
必要がある。対象動物が犬、特に警察犬の場合には、犯
人逮捕の一翼を担うことから嗅覚機能の向上が強く求め
られている。また麻薬探知犬は、麻薬類の国内流入を防
止するために、港や空港で活躍しているがその嗅覚機能
の向上が重要となっている。このような事情に鑑み、本
発明は、犬の嗅覚機能を向上せしめ、ひいてはその存在
価値を高めるのに有効な成分を含有する飼料を提供する
ことを目的とする。
は訓練や調教などによりその知能が向上することが知ら
れているが、動物の種類に応じて特定の機能を増強する
必要がある。対象動物が犬、特に警察犬の場合には、犯
人逮捕の一翼を担うことから嗅覚機能の向上が強く求め
られている。また麻薬探知犬は、麻薬類の国内流入を防
止するために、港や空港で活躍しているがその嗅覚機能
の向上が重要となっている。このような事情に鑑み、本
発明は、犬の嗅覚機能を向上せしめ、ひいてはその存在
価値を高めるのに有効な成分を含有する飼料を提供する
ことを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、犬に対し
所定量をＤＨＡのトリグリセリドを経口投与することに
より、嗅覚機能増強効果が発揮されることを見出し、さ
らに実験および考察を重ね本発明を完成するに至った。
所定量をＤＨＡのトリグリセリドを経口投与することに
より、嗅覚機能増強効果が発揮されることを見出し、さ
らに実験および考察を重ね本発明を完成するに至った。
【０００５】すなわち、本発明は犬の嗅覚機能向上用飼
料に関するものであり、所定量のＤＨＡのトリグリセリ
ドを有効成分として含むことを特徴とするものである。
この発明の飼料が好適に適用し得る対象犬としては、警
察犬、盲導犬、聴導犬、救助犬、麻薬探知犬、介護犬、
一般愛護犬などが挙げられる。
料に関するものであり、所定量のＤＨＡのトリグリセリ
ドを有効成分として含むことを特徴とするものである。
この発明の飼料が好適に適用し得る対象犬としては、警
察犬、盲導犬、聴導犬、救助犬、麻薬探知犬、介護犬、
一般愛護犬などが挙げられる。
【０００６】本発明に用いられるＤＨＡは、単素数２
２、二重結合６を有する直鎖状高度不飽和脂肪酸であ
り、カツオ、マグロ、イワシなどの魚類の魚油を精製す
ることによって得ることができる。本発明では、体内吸
収効率、取扱の容易性等を考慮して、このＤＨＡのトリ
グリセリドを用いるものである。
２、二重結合６を有する直鎖状高度不飽和脂肪酸であ
り、カツオ、マグロ、イワシなどの魚類の魚油を精製す
ることによって得ることができる。本発明では、体内吸
収効率、取扱の容易性等を考慮して、このＤＨＡのトリ
グリセリドを用いるものである。
【０００７】
【作用】本発明の嗅覚機能成分は、経口により投与され
るものであり、対象犬の体重に応じた所定量が飼料に混
合されて投与される。本発明の機能向上成分、ＤＨＡの
トリグリセリドを包含するカプセルを混合した飼料を対
象犬に与え、経時的に観察したところ、正確な嗅気判別
能が向上し、かつ鋭敏になるとともに指令に対する応答
性も敏速かつ正確なものとなっていることが確かめられ
た。
るものであり、対象犬の体重に応じた所定量が飼料に混
合されて投与される。本発明の機能向上成分、ＤＨＡの
トリグリセリドを包含するカプセルを混合した飼料を対
象犬に与え、経時的に観察したところ、正確な嗅気判別
能が向上し、かつ鋭敏になるとともに指令に対する応答
性も敏速かつ正確なものとなっていることが確かめられ
た。
【０００８】
【実施例】実験動物として、体重約３０ｋｇのシェパー
ド犬（雄４頭、雌４頭）を用い、このシェパード犬をペ
ット用飼料（商品名「シェフプロ」、マルハペットフー
ド（株）販売）で１７日間飼育した後、通常の嗅気選別
試験の結果、正解率の低い４頭の低能力群を実験群、正
解率の高い４頭の高能力群を対照群として分けた。表１
はこの実験に用いた犬の特徴を示す。
ド犬（雄４頭、雌４頭）を用い、このシェパード犬をペ
ット用飼料（商品名「シェフプロ」、マルハペットフー
ド（株）販売）で１７日間飼育した後、通常の嗅気選別
試験の結果、正解率の低い４頭の低能力群を実験群、正
解率の高い４頭の高能力群を対照群として分けた。表１
はこの実験に用いた犬の特徴を示す。
【０００９】
【表１】
【００１０】次に対照群の犬には上述したペット用飼料
だけを与え、実験群の犬にはこのペット用飼料にカプセ
ル状のＤＨＡトリグリセライドを１ｇ／日／頭の割合で
混合した飼料を２８日間投与した。表２はこの投与のプ
ロトコールを示す。
だけを与え、実験群の犬にはこのペット用飼料にカプセ
ル状のＤＨＡトリグリセライドを１ｇ／日／頭の割合で
混合した飼料を２８日間投与した。表２はこの投与のプ
ロトコールを示す。
【００１１】
【表２】
【００１２】犬は、温度２３±２℃、湿度５５±１０％
そしで照明１２時間サイクルの飼料室において個別ケー
ジで飼育した。飼料・飲料（蒸留水）は自由摂取とし
た。表３は投与した飼料の成分表である。
そしで照明１２時間サイクルの飼料室において個別ケー
ジで飼育した。飼料・飲料（蒸留水）は自由摂取とし
た。表３は投与した飼料の成分表である。
【００１３】
【表３】
【００１４】（実験方法） ＤＨＡトリグリセリドの投与開始１４日目から嗅気選別
訓練を毎日４回実施した。この嗅気選別試験法は（財）
警察犬協会の指定する日本チャンピオン大会と同様のテ
ストであり、原臭と誘惑臭との識別試験である。試験は
埼玉県入間郡大井町亀久保所在の（株）オールドックセ
ンターで行った。嗅気選別試験はポイント制で評価し
た。すなわち、確固たる自信での正解の場合は３ポイン
ト、迷いながらの正解の場合は１ポイント、不正解の場
合は０ポイントとし一日の得点を集計し、その平均を一
日のポイントとした。
訓練を毎日４回実施した。この嗅気選別試験法は（財）
警察犬協会の指定する日本チャンピオン大会と同様のテ
ストであり、原臭と誘惑臭との識別試験である。試験は
埼玉県入間郡大井町亀久保所在の（株）オールドックセ
ンターで行った。嗅気選別試験はポイント制で評価し
た。すなわち、確固たる自信での正解の場合は３ポイン
ト、迷いながらの正解の場合は１ポイント、不正解の場
合は０ポイントとし一日の得点を集計し、その平均を一
日のポイントとした。
【００１５】（実験結果）表４は実験結果を示し、表中
の数値は、平均値±標準偏差値を示すものである。当初
のＤＨＡトリグリセリド無投与期間の平均ポイントは、
対象群に比べ、実験群の能力が半分以下であった。嗅気
選別試験開始後、対象群は投与２８日目で僅かな向上が
みられただけであったのに対して、実験群では投与１４
日目で約１．５倍、２８日目で約２倍のように正解率が
顕著に向上しているのが確認された。ＤＨＡトリグリセ
リド投与全期間を通じての正解率は、それぞれ８．９９
±１．４２、７．４２±０．７１であり、いずれの群で
も有意に正解率が高まっていたが、特に実験群の正解率
の向上は顕著であった。そして、ＤＨＡトリグリセリド
投与中止後７日目であっても、実験群の正解率は依然高
いポイントを持続していた。最終的な改善率（ＤＨＡト
リグリセリド投与の場合のポイント／ＤＨＡトリグリセ
リド無投与の場合のポイント）は、対象群が１１１±５
に対し、実験群では１６３±７２であり、ＤＨＡトリグ
リセリドが嗅気選別機能を顕著に向上せしめていること
が確かめられた。このことは犬の嗅覚機能が大幅に改善
されていることの証左であるものと解される。加えてＤ
ＨＡトリグリセリド投与によって、嗅気対象物確認時間
も短縮されている。よって、犬の嗅覚機能はＤＨＡトリ
グリセリド投与期間では、無投与の場合よりも向上して
いる。
の数値は、平均値±標準偏差値を示すものである。当初
のＤＨＡトリグリセリド無投与期間の平均ポイントは、
対象群に比べ、実験群の能力が半分以下であった。嗅気
選別試験開始後、対象群は投与２８日目で僅かな向上が
みられただけであったのに対して、実験群では投与１４
日目で約１．５倍、２８日目で約２倍のように正解率が
顕著に向上しているのが確認された。ＤＨＡトリグリセ
リド投与全期間を通じての正解率は、それぞれ８．９９
±１．４２、７．４２±０．７１であり、いずれの群で
も有意に正解率が高まっていたが、特に実験群の正解率
の向上は顕著であった。そして、ＤＨＡトリグリセリド
投与中止後７日目であっても、実験群の正解率は依然高
いポイントを持続していた。最終的な改善率（ＤＨＡト
リグリセリド投与の場合のポイント／ＤＨＡトリグリセ
リド無投与の場合のポイント）は、対象群が１１１±５
に対し、実験群では１６３±７２であり、ＤＨＡトリグ
リセリドが嗅気選別機能を顕著に向上せしめていること
が確かめられた。このことは犬の嗅覚機能が大幅に改善
されていることの証左であるものと解される。加えてＤ
ＨＡトリグリセリド投与によって、嗅気対象物確認時間
も短縮されている。よって、犬の嗅覚機能はＤＨＡトリ
グリセリド投与期間では、無投与の場合よりも向上して
いる。
【００１６】
【表４】
【００１７】
【発明の効果】本発明にかかる所定量のＤＨＡのトリグ
リセリドを有効成分として含有する犬の嗅覚機能向上用
飼料は、これを犬に与えることによりその嗅覚機能を顕
著に改善することができる。
リセリドを有効成分として含有する犬の嗅覚機能向上用
飼料は、これを犬に与えることによりその嗅覚機能を顕
著に改善することができる。
Claims (2)
- 【請求項１】 ドコサヘキサエン酸のトリグリセリド
を、犬１頭に対して１日当たり１ｇの量となるように含
有せしめたことを特徴とする犬の嗅覚機能向上用飼料。 - 【請求項２】 ドコサヘキサエン酸のトリグリセリドが
カプセル状に形成され、その所定量が添加されたことを
特徴とする請求項１記載の犬の嗅覚機能向上用飼料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6245783A JP2846255B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 犬の嗅覚機能向上用飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6245783A JP2846255B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 犬の嗅覚機能向上用飼料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0870786A JPH0870786A (ja) | 1996-03-19 |
| JP2846255B2 true JP2846255B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=17138768
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6245783A Expired - Fee Related JP2846255B2 (ja) | 1994-09-02 | 1994-09-02 | 犬の嗅覚機能向上用飼料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2846255B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8921422B2 (en) | 2003-10-01 | 2014-12-30 | The Iams Company | Methods and kits for enhancing ability to learn in a puppy or kitten |
| CA2592827C (en) | 2004-12-30 | 2013-08-13 | Hill's Pet Nutrition, Inc. | Methods for enhancing the quality of life of a growing animal |
| EP1928552A2 (en) * | 2005-09-30 | 2008-06-11 | Nestec S.A. | Methods and compositions for improving cognitive function |
| US20090304784A1 (en) * | 2006-07-28 | 2009-12-10 | V. Mane Fils | Seamless capsules containing high amounts of polyunsaturated fatty acids and a flavouring component |
| CN102499107A (zh) * | 2011-10-10 | 2012-06-20 | 公安部南京警犬研究所 | 警犬训练专用气味源制作方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2524217B2 (ja) * | 1988-04-18 | 1996-08-14 | マルハ株式会社 | 脳機能改善組成物、学習能力増強剤、記憶力増強剤、痴呆予防剤または痴呆治療剤 |
| JPH0488963A (ja) * | 1990-08-02 | 1992-03-23 | Sagami Chem Res Center | 機能性健康食品及び飼料 |
-
1994
- 1994-09-02 JP JP6245783A patent/JP2846255B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0870786A (ja) | 1996-03-19 |
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