JP2844478B2 - 懸濁液の濾過方法および装置 - Google Patents

懸濁液の濾過方法および装置

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JP2844478B2 JP1266078A JP26607889A JP2844478B2 JP 2844478 B2 JP2844478 B2 JP 2844478B2 JP 1266078 A JP1266078 A JP 1266078A JP 26607889 A JP26607889 A JP 26607889A JP 2844478 B2 JP2844478 B2 JP 2844478B2
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    • B01D2201/282—Filtering elements with a horizontal rotation or symmetry axis

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は懸濁液、とくにセルロース繊維懸濁液の濾過
または付着および洗滌を行うための濾過手段および装置
に関するものである。
（従来の技術） 繊維懸濁液、特にセルロース繊維懸濁液すなわちパル
プ材の、濾過、付着または洗滌を行うに際し、例えば回
転ドラム、ディスク、その他のフィルタ部材まは無端ワ
イヤ等、常時回転式の濾過部材の表面上で、繊維懸濁液
と濾液とを分離する形式のフィルタが用いられている。
繊維懸濁液は適当な濃度に希釈された状態で、供給部
（供給箱体）、濾液槽またはフィルタに相当する部分へ
と送られる。そして、繊維懸濁液はフィルタ面上に生ず
る圧力差により濾過され、フィルタ面上に付着する。フ
ィルタ面は固定された供給部に対して移動し、付着した
懸濁液を運搬していく。現在のところ、上述した移動す
るフィルタ部材、および固定された供給部の縁部間のシ
ーリングは、シール部材として、フィルタ部材に摺接す
るドラッグ部材によってなされるか、または小ギャップ
によってなされている。
（発明が解決しようとする課題） ところが、ドラッグ部材は、フィルタ部材の摩耗を引
き起こす一方、小ギャップでは即座に目が詰まるため
に、フィルタ部材にダメージを与える。また、漏れが生
じないほどギャップを小さくすることは不可能である。
また、弾性力を有するドラッグ部材が使用された場合、
フィルタ部材の表面に付着したパルプ繊維を、パルプ繊
維取り除き手段で完全に取り除くことができず、その
上、付着したパルプ繊維の一部がフィルタ表面に凹凸層
として残るという問題が生ずる。この状態において、次
の回転で凹凸層がシール材の位置へ達すると、それがシ
ール材を持ち上げて、フィルタ部材から離れさせてしま
う。さらに、パルプ繊維がフィルタ部材の表面に堆積さ
れると、パルプ繊維層がシール材とフィルタ層の間に挟
まって、両者間の摩擦が漸次増大し、やがてフィルタ部
材の動作（回転）を停止させてしまう。そこで、本発明
は上記問題を解決することを目的とする。
（課題を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成するための懸濁液の濾過方
法として、パルプ繊維の取り除き位置17の後かつ供給位
置（供給箱体４）の前に、液体がフィルタ部材（ドラ
ム）５の内表面から外表面へフィルタ部材５を通過して
流れるようにした１つまたは複数の洗浄位置12を設けて
おり、その洗浄位置12を流れる液体の流速を、フィルタ
部材５のその他の部分の内表面側から外表面側へ流れる
液体を流速よりも高くなるように調節したことを特徴と
した構成としている。また、上記目的を達成するための
懸濁液の濾過装置として、取り除き位置17と供給位置と
の間に、液体をフィルタ部材５の内側から外側へ所望の
流速で流すことができる１つまたは複数の洗浄位置12を
設けていることを特徴とした構成としている。
（作用） 本発明は上述のように構成したので、パルプ繊維がフ
ィルタ部材５の表面に付着することによる問題点が、次
の回転で、フィルタ部材５が供給位置に達する前に、フ
ィルタ部材５の洗浄段階を配備することによって解決さ
れる。本発明によれば、制御される液体が、フィルタ部
材５内の液面レベルよりも低い空間部からフィルタ部材
５の外側の分離空間部14へ流入し、この流れによってフ
ィルタ面が洗浄されるのである。
（実施例） 次に、添附の図面を参照しながら、洗浄ドラムに適用
した本発明について詳細に説明する。
第１図において、繊維懸濁液、たとえばパルプ材のス
ラリーは、洗浄フィルタへの供給濃度（たとえば３％）
よりも高い濃度（たとえば５％）でバッファタンク（図
示省略）から送り出される。パルプ材のスラリーは、供
給箱体４に達する前に、位置１および位置２間において
供給管装置で希釈される。パルプ材のスラリーはフィル
タ部材としてのドラム５の内側と外側との間の圧力差、
および供給箱体４からワイヤで表面を形成した濾過用の
ドラム５への供給圧力によって、濾液を洗浄フィルタと
してのドラム５内部に流入させる。すなわち、フード内
にあるドラム５の上部の外側の圧力は、ドラム５の内側
の圧力によりも高くなっている。他方、濾液層６内で
は、ドラム５の底部の外側の圧力は、ドラム５の内側と
同じになっている。第１図および第２図において、ドラ
ム５の回転方向は時計回りで、供給部としての供給箱体
４はドラム５の表面が上向きに移動する位置において、
パルプ材のスラリーがドラム５上に供給されるようにな
っている。分離空間部14は、供給箱体４の下壁部とドラ
ム５との間の隙間の下側に設けられている。供給箱体４
の下壁部とドラム５との間の隙間は、シール材15によっ
てシールされており、分離空間部14の下壁部とドラム５
との間の隙間は、シール材16によってシールされてい
る。
洗浄位置12においては、両シール材15,16間で濾液が
ドラム５の内側から分離空間部14内に流入し、供給箱体
４の下側でありドラム５の表面が濾液槽６から上向きに
上昇する位置に配置されている。また、分離空間部14内
に流入した濾液はさらに、この分離空間部14から管７′
と連通した管７を通って流出する。分離空間部14内の液
面レベルは、濾液が分離空間部14から迅速に流出するよ
うに、常にシール材16による密閉位置よりも下方（少な
くとも洗浄位置12の最上点よりも低いレベル）に維持さ
れている。
濾液槽６内の濾液には、フィルタ面の通過してきたあ
る程度の繊維が必ず含まれており、それらの繊維は濾液
よりも重量が小さいため、浮き上がってドラム５の外表
面に付着する。ドラム５の内側から分離空間部14内へパ
ルプ繊維の洗浄位置12を通って流れる濾液は、供給位置
の直前でドラム５の面から、これらの繊維を効果的に洗
い流す。同時に、供給箱体４からシール材15を越えて流
入する漏れ液も、分離空間部14内に流入し、パルプ繊維
を洗浄する。
ドラム５の内部から濾液槽６内および分離空間部14内
に流入した濾液は、管７および管７′を通ってポンプ８
の吸い込み側へ送られてから、さらに希釈管９を介して
供給中のパルプ材のスラリーを希釈する。繊維を含まな
い濾液は、別の管10に沿ってドラム５の内部から濾液タ
ンク11に送られ、そこからさらに、濾液に繊維が含まれ
ていては不都合な処理位置、たとえば蒸発器や、先行の
洗浄フィルタの洗浄ジェットなどへ送られる。すなわ
ち、濾液を装置から取り除く手段として、管7,7′およ
び管10が設けられている。
ドラム５内部と濾液槽６とは、シールコード材13によ
って公知の手段で互いに隔離されており、濾液はワイヤ
を通って濾液槽６内へ入るとができるが、繊維はドラム
５内に入ることができないようになっている。ドラム５
の面上に集められたパルプ繊維は、パルプ繊維の取り除
き位置17で公知の手段で取り除かれる。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、
請求項の範囲内においてさまざまに変更をすることがで
きる。ドラム５の周囲に複数の分離空間部14を設けて、
これらに流入した成分をさらに所望の目的地へ送るよう
にしてもよく、たとえばある成分は供給箱体４へ送り戻
し、またあるものは完全に取り除くようにする。分離空
間部14は、ドラム５の外周上の取り除き位置17と供給位
置との間であれば、どこに設けてもよい。しかしなが
ら、供給位置の直前に設けた場合が最も効果的である。
作業効率を高めるため、分離空間部をドラム５の軸線方
向に沿って幾つかの部分に、たとえば４つの部分に分割
してもよい。その場合、スライドまたは弁装置などによ
って１つ置きに、または同時にそれらの部分を開閉する
ことができるようにしてもよい。また、分離空間部14は
必ずしもドラム５の全幅に渡って設ける必要はなく、必
要と思われる位置だけに、たとえばドラム５の端部だけ
に設けてもよい。
また、２つ以上の分離空間部14をドラム５の回転方向
に並べて設けることもできる。その場合、本発明の懸濁
液の濾過方法によって濾液を、たとえば空気成分、繊維
成分、または化学薬品濃縮物などに分類することもでき
る。この分類した成分の中から、その性質に基づいて本
懸濁液の濾過方法に再利用するのに適したものを選択す
ることができる。同様に、廃棄する成分を選択すること
もできる。
分離空間部14およびドラム５間のシール材15,16は別
の手段を設けてもよく、またシール材15,16の取付け位
置は所望の位置を任意に選択することができる。すなわ
ち、分離空間部14が供給箱体４および濾液槽６に対して
ドラム５に当接させたシール材15,16によって、完全
に、または部分的にシールするようにしてもよい。さら
にまた、供給箱体４と分離空間部14との間のシール材15
は完全に無くしてしまってもよく、その場合、供給箱体
４から分離空間部14へ漏れた液は、洗浄に使用された洗
浄流と一緒に供給箱体４へ送り戻される。
以上に記載したドラムフィルタでは、ドラム５を包囲
する外被空間部内が正圧状態下にある。本発明は、開放
空間内にある濾液槽６内で回転するドラム５に適用する
こともでき、その場合、吸い込み部分を負圧によってド
ラム５の内側に設ける。循環式無端ワイヤフィルタに用
いることもできる、 （発明の効果） 本発明にれば、ドラムの外表面に付着した繊維をドラ
ムの内側から分離空間部内へ洗浄位置を通って流れる濾
液によって効果的に洗い流すことができるため、ほとん
どの場合、特別にフィルタ面の洗浄を行う必要がなくな
り、かつフィルタ部材にダメージを与えることはない。
これにより、フィルタ部材の保守に係る作業が著しく減
少するので、作業性および操作性が向上し、かつ常時安
定した濾過品質を得ることができ、信頼度が向上する。
【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明による懸濁液の濾過方法の流れを示す
概略図、第２図は、上記懸濁液の濾過方法を濃縮ワォッ
シャにおいて実施するための原理を説明する断面図、第
３図は、第２図のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 ４……供給部 ５……フィルタ部材 ６……濾液槽 12……洗浄位置 15,16……シール材 17……取り除き位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペルチ ハーパメキ カナダ国，ビアコンスフィールド ピー キューエイチ ９ ダブリュー ２ビ ー６，マークハムプレイス259 (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) D21C 9/18 D21F 1/74

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】濾過しようとする懸濁液を供給部（４）か
    ら、その供給部（４）に対して移動するフィルタ部材
    （５）のフィルタ面上に供給することによって、パルプ
    層をフィルタ部材（５）の外表面上に形成しながら、濾
    液をフィルタ部材（５）を通って内部へ流入させ、さら
    に、濾液がフィルタ部材（５）の底部を通って再びフィ
    ルタ部材（５）の内表面側から外表面側へ流れて濾液槽
    （６）へ流入しながら、フィルタ部材（５）が濾液槽
    （６）内に入っている濾液に部分的に沈みながら回転
    し、取り除き位置（17）でそのパルプ層をフィルタ部材
    （５）から取り除くようにして懸濁液を濾過する方法で
    あって、パルプ繊維の取り除き位置（17）での後処理で
    ありかつ供給位置での前処理に、濾液がフィルタ部材
    （５）の内表面側から外表面側へフィルタ部材（５）を
    通過して流れるようにした１つまたは複数の洗浄位置
    （12）を設けており、その洗浄位置（12）を通って流れ
    る濾液の流速を、フィルタ部材（５）のその他の部分の
    内表面側から外表面側へ流れる濾液の流速よりも高くな
    るように調節したことを特徴とする懸濁液の濾過方法。
  2. 【請求項２】フィルタ部材（５）の表面が上向きに移動
    する位置（４）においてパルプ繊維がフィルタ部材
    （５）上に供給されるようになっており、洗浄位置（1
    2）は、供給部（４）の下側で、フィルタ部材（５）の
    表面が濾液槽（６）から上向きに上昇する位置に配置さ
    れていることを特徴とする請求項１に記載の懸濁液の濾
    過方法。
  3. 【請求項３】洗浄位置（12）の外側に設けられた分離空
    間部（14）内の液面高さが、洗浄位置（12）の最上点よ
    りも低いレベルに維持されていることを特徴とする請求
    項２に記載の懸濁液の濾過方法。
  4. 【請求項４】洗浄位置（12）の外側に設けられた分離空
    間部（14）を、フィルタ部材（５）を形成する残りの空
    間部（4,6）に対してフィルタ部材（５）に当接させた
    シール部材（15,16）によって完全に、または部分的に
    密封することを特徴とする請求項２または３のいずれか
    １項に記載の懸濁液の濾過方法。
  5. 【請求項５】濾液槽（６）と、この濾液槽（６）内に移
    動するフィルタ部材（５）と、濾過しようとする懸濁液
    をフィルタ部材（５）の外表面上に供給する供給部
    （４）と、パルプ繊維をフィルタ面から取り除く取り除
    き手段と、パルプ繊維の取り除き位置（17）およびパル
    プ繊維の供給位置との間に設けられて、濾液をフィルタ
    部材（５）の内側からその外側へ通過させて濾液槽
    （６）へ流入させる洗浄位置（12）と、濾液を装置から
    取り除く手段（7,7′,10）とを有している懸濁液濾過装
    置であって、取り除き位置（17）と供給位置との間に、
    濾液をフィルタ部材（５）のその他の部分を流れる流速
    よりも高い所望の流速でフィルタ部材（５）の内部から
    外部へ、流すことができる１つまたは複数の洗浄装置を
    （12）を設けたことを特徴とする装置。
  6. 【請求項６】少なくとも１つの洗浄位置（12）が、供給
    部（４）の下側で、供給位置の直前に配置されているこ
    とを特徴とする請求項５に記載の装置。
  7. 【請求項７】洗浄位置（12）が、フィルタ部材（５）の
    幅の全体またはその一部分に渡って設けられているとを
    特徴とする請求項５または６のいずれか１項に記載の装
    置。
  8. 【請求項８】洗浄位置（12）が、フィルタ部材（５）の
    幅方向において２つまたはそれ以上の部分に分割されて
    いることを特徴とする請求項５ないし７のいずれか１項
    に記載の装置。
  9. 【請求項９】洗浄位置（12）の外側に設けられた分離空
    間部（14）が、フィルタ部材（５）を形成する残りの空
    間部（4,6）に対してフィルタ部材（５）に当接させた
    シール部材（15,16）によって完全に、または部分的に
    密封されていることを特徴とする請求項５ないし８のい
    ずれか１項に記載の装置。
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