JP2844255B2 - トルク管理用ステンレスボルト・ナットとその作製法 - Google Patents
トルク管理用ステンレスボルト・ナットとその作製法Info
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Description
るステンレスボルト・ナットとその作製法に関する。
レス製ボルトおよびナットが数多く使用されてきたが、
トルク管理のための一定トルクをもつステンレスボルト
・ナットを得ることは、加工精度上の困難さ、適当な表
面処理法がなかったことなどから、現在まで必要な一定
トルクが得られるステンレス製ボルト・ナットを製造す
ることは不可能であった。
いて締付けしようとすると、かじりや焼付けが発生し易
いという問題があり、また、加工精度の問題からステン
レスボルト・ナットは一定トルクが得られず、トルク管
理は難しいものとされていた。
たところ、ステンレス製ボルトおよびナットの一方また
は両方の少なくともネジ部表面を特殊加工することによ
り一定なトルクで締付けできるボルト・ナットが得られ
ることを見い出し、本発明を達成することができた。
びナットの一方または両方の少なくともネジ部の表面
に、錫めっきを施した後熱拡散処理によりFe−Sn系金属
間化合物を形成させ、その上に予め定めた所定のトルク
係数を持たせるために必要な厚さのフッ素樹脂コーティ
ングを行うことを特徴とするトルク管理用ステンレスボ
ルト・ナットの作製法;第2に、前記トルク係数が、0.
15〜0.30の範囲内の所定の値となるように予め定めた厚
さのフッ素樹脂コーティングを行うことを特徴とする前
記第1記載のトルク管理用ステンレスボルト・ナットの
作製法;第3に、ボルトおよびナットのうち少なくとも
一方の少なくともネジ部の表面にFe−Sn系金属間化合物
が形成されており、その上にフッ素樹脂がコーティング
されていて、予め定めた所定のトルク係数を有し、締め
付け回数によるトルク係数の変化が小さく安定している
ことを特徴とするステンレスボルト・ナット;第4に、
前記トルク係数が、0.15〜0.30の範囲内にある請求項3
記載のステンレスボルト・ナット;第5に、前記フッ素
樹脂がテフロンである前記第3または4記載のステンレ
スボルト・ナットを提供するものである。
表面にSnめっきを施した後、熱拡散処理により金属間化
合物を形成せしめる理由は以下の通りである。
耗性、耐食性に優れており、Snめっき後得られるFe−Sn
系金属間化合物はステンレス母材に比較して硬さが十分
高く、且つ組織が緻密で潤滑性良好な被膜のため、かじ
り、焼付け防止効果が優れている。従って一定の締付け
トルクが要求されるという特殊事情がない場合は、この
熱拡散処理を行うことのみによって十分満足できる特性
を持つステンレス製ボルト・ナットを得ることができる
ものである。
さえトルク係数は尚かなり高く、要求にあった低いトル
ク値を示すボルト・ナットを得ることはできなかった。
ルト・ナットの一方または両方の少なくともネジ部の表
面にコーティングすることにより、必要な低い一定の締
付けトルクを持つボルト・ナットが得られることを見い
出すと共に、コーティングするフッ素樹脂の被膜厚みを
変化させることによって任意の所望の低い一定のトルク
を示し、要求にあったトルク管理を行うことができるボ
ルト・ナットを得ることができたものである。
40)に所定の前処理を施し、硫酸Snめっき浴中で、約5
μm厚みのSnを電気めっきした。その後、熱拡散処理に
よりFeSn2の金属間化合物を形成させ、最表面にフッ素
樹脂としてテフロンのコーティング処理を施した。この
場合、フッ素樹脂コーティングはフッ素樹脂の懸濁分散
液中にステンレスボルトを浸漬した後、乾燥焼成するこ
とによって行った。このようにして得られたステンレス
ボルトのうち、フッ素樹脂(テフロン)膜の厚みの最も
厚いものを100とし、その半分の厚さを50、さらにその
半分を25とする相対的厚さのフッ素樹脂膜で表面コーテ
ィングされたボルトを供試材としてそれぞれ用い、ボル
ト締付け試験を行い締付け回数とトルク係数の関係を第
1図に示した。
0kg一定とした時の係数を次式により求めた。
Sn系金属間化合物を形成させただけでフッ素樹脂(テフ
ロン)をコーティングしないものは、締付け回数による
トルク係数の変化は小さく安定しているが、トルク係数
の値は約0.4と高いことがわかる。
に、Fe−Sn系金属間化合物を形成させた後、さらにフッ
素樹脂コーティングを施したボルトは、全てトルク係数
が小さく、且つその厚みを25、50、100と相対的に変化
させることにより0.15〜0.30の範囲で任意の値に設定で
き、締付け回数によるトルク係数の変化も小さく安定し
たものを得ることができた。
てコーティング処理した以外は、実施例1と同じ実験を
行った。コーティング処理したナットを用い、ボルトは
未処理のものを用いて締付け試験を行った結果、ナット
をまわして締付ける場合に特に良好な効果が得られるこ
とがわかった。
実施例1に示した手順に従ってコーティング処理した。
締付け試験はボルト、ナットのどちらをまわして締付け
ても良好な結果が得られることがわかった。尚、この場
合、ボルト・ナットは極めて耐食性の良好なものとなる
ことが理解されよう。
合物を形成させ、さらにテフロンからなるフッ素樹脂物
をコーティングすることによって、従来得られなかった
締付けトルクが一定に管理できるステンレスボルト・ナ
ットを簡易な作製方法で提供できる効果を有するもので
ある。
締付け試験によるトルク係数の変化を示した線図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】ステンレス製ボルトおよびナットの一方ま
たは両方の少なくともネジ部の表面に、錫めっきを施し
た後熱拡散処理によりFe−Sn系金属間化合物を形成さ
せ、その上に予め定めた所定のトルク係数を持たせるた
めに必要な厚さのフッ素樹脂コーティングを行うことを
特徴とするトルク管理用ステンレスボルト・ナットの作
製法。 - 【請求項2】前記トルク係数が、0.15〜0.30の範囲内の
所定の値となるように予め定めた厚さのフッ素樹脂コー
ティングを行うことを特徴とする請求項1記載のトルク
管理用ステンレスボルト・ナットの作製法。 - 【請求項3】ボルトおよびナットのうち少なくとも一方
の少なくともネジ部の表面にFe−Sn系金属間化合物が形
成されており、その上にフッ素樹脂がコーティングされ
ていて、予め定めた所定のトルク係数を有し、締め付け
回数によるトルク係数の変化が小さく安定していること
を特徴とするステンレスボルト・ナット。 - 【請求項4】前記トルク係数が、0.15〜0.30の範囲内に
ある請求項3記載のステンレスボルト・ナット。 - 【請求項5】前記フッ素樹脂がテフロンである請求項3
または4記載のステンレスボルト・ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2238308A JP2844255B2 (ja) | 1990-09-07 | 1990-09-07 | トルク管理用ステンレスボルト・ナットとその作製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2238308A JP2844255B2 (ja) | 1990-09-07 | 1990-09-07 | トルク管理用ステンレスボルト・ナットとその作製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04119210A JPH04119210A (ja) | 1992-04-20 |
JP2844255B2 true JP2844255B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=17028277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2238308A Expired - Lifetime JP2844255B2 (ja) | 1990-09-07 | 1990-09-07 | トルク管理用ステンレスボルト・ナットとその作製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2844255B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6452321B2 (ja) * | 2014-05-27 | 2019-01-16 | 株式会社友電舎 | 配管締結用ステンレス鋼製ねじ部材の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS5940008A (ja) * | 1982-08-31 | 1984-03-05 | ダイキン工業株式会社 | 締め付け具 |
JPH0414456Y2 (ja) * | 1987-09-02 | 1992-03-31 | ||
JPH02134407A (ja) * | 1988-11-11 | 1990-05-23 | Nippon Steel Corp | ステンレス鋼製潤滑処理ナットを使用した締結方法 |
JP2974344B2 (ja) * | 1989-11-20 | 1999-11-10 | 同和鉱業株式会社 | ステンレス製ボルト,ナット |
-
1990
- 1990-09-07 JP JP2238308A patent/JP2844255B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04119210A (ja) | 1992-04-20 |
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