JP3099119B2 - ステンレス製ボルト、ナット - Google Patents
ステンレス製ボルト、ナットInfo
- Publication number
- JP3099119B2 JP3099119B2 JP11059889A JP5988999A JP3099119B2 JP 3099119 B2 JP3099119 B2 JP 3099119B2 JP 11059889 A JP11059889 A JP 11059889A JP 5988999 A JP5988999 A JP 5988999A JP 3099119 B2 JP3099119 B2 JP 3099119B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- plating
- fesn
- present
- nuts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Chemically Coating (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
腐食環境下で優れた耐食性を持ち、かつ締結時にかじ
り、焼付き等が生じないステンレス製ボルト,ナットに
関する。
で耐食性を要求されるボルト、ナット、ネジ等として、
ステンレス製のものを使用するケ−スが増えている。前
記ステンレスとしては、一般にオ−ステナイト系のSU
S304が使用されている。
のSUS304は、炭素鋼に比べて摩擦係数が大きく、
かつ熱伝導率が小さいうえに熱膨張係数が大きい等の性
質を有している。したがって、その締結時には発熱、膨
張により、かじり、焼付きが発生し、作業に困難をきた
す場合があった。
面にシュウ酸あるいは弗素系の皮膜形成による方法が提
案されているが、形成される皮膜の硬度が低く、さらに
容易に剥離したりして再使用に耐えられないものであっ
た。
−スト状の潤滑剤を塗布することにより摩擦抵抗を低下
させる方法も提案されているが、該潤滑剤塗布の場合に
は経時変化により油膜等が切れて目的が達成されない場
合があるとともに、食品機械分野の装置の使用には、腐
食問題も絡んで問題が残されていた。
おいては、錆の発生が問題となるため、従来は高価なチ
タンが使用されていた。
能となったり、止め具及び装置の破損を招く等、操作上
大きな問題となっていた。
で、耐食性の向上、かじり、焼付き防止の効果の優れた
ステンレス製ボルト、ナットを提供することを目的とす
るものである。もっとも、本発明は、いわゆるネジを含
むものである。
成するため、第一の手段として、ステンレス表面に直接
Snめっきを施し、熱拡散処理により表面にFeSn2
及びFeSnの金属間化合物を形成させてなるステンレ
ス製ボルト、ナットであって、トルク係数が0.2から
0.4間にしたものである。
に直接SnZn合金めっきを施し、熱拡散処理により表
面にFeSn2 及びFeSnの金属間化合物を形成させ
てなるステンレス製ボルト、ナットであって、トルク係
数を0.2から0.4の間にしたものである。
摩耗性、耐食性に優れている。本発明で使用されるSn
あるいはSnZnは、従来よりブリキに用いられ、耐食
性に優れているとともに、凝着抑制効果をもっているた
め、機械部品、軸 受にも合金として使用されている。
したがって、めっき処理後で得られるFeS2 は、硬さ
がステンレスに対して十分高く、組織が緻密で潤滑性の
良好な皮膜であるため、ステンレス製ボルト、ナットの
かじり、耐焼付き防止効果が優れているものである。
散処理により形成される金属間化合物の緻密化によっ
て、めっき層のピンホ−ルが減少して耐食性を向上させ
るとともに、ステンレスの素地に対して極めて貴になる
ため、良好な性質を示すものと思われる。その他、めっ
き層中のフリ−Sn残存効果で耐食性が向上している場
合や、Zn含有のものはZnのアノ−ド防食効果により
耐食性がさらに向上させられるものである。
前に下地めっきを施した実施例を説明する。
系SUS304材からなるステンレス製ボルトを電解脱
脂(NaOH 50g/1,NaCN10g/1,Na
3 PO4 20g/1,Na2 CO3 10g/1,界面活
性材1g/1,室温)及び硫酸処理(50wt% H2
SO4 ,室温)を行った後、直接Snめっきを施し、さ
らに熱拡散処理を最高430℃で8時間実施した。その
結果、得られためっき層の熱さは、10μmである。
材中のFeと反応し、FeSn2 (一部はFeSn)の
金属間化合物が形成され、硬さは350〜400HVと
高い値を示し、耐焼付き性が向上した。なお、トルク係
数は0.25から0.3であった。
ト系SUS304材からなるステンレス製ボルトを前記
実施例1と同様の電解脱脂及び硫酸処理を行った後、直
接SnZn合金めっきを施し、さらに熱拡散処理を最高
550℃で3時間実施した。その結果、得られためっき
層も前記実施例1とほぼ同様の硬さとなり、耐焼付き性
が向上した。なお、トルク係数は0.2から0.4であ
った。
例であり、オ−ステナイト系SUS304材からなるス
テンレス製ボルトを前記実施例1と同様の電解脱脂及び
硫酸処理を行った後、密着性向上のため、Ni合金めっ
きを施し、Cuめっき、ついで本発明と同様にSnZn
合金めっきを施し、さらに熱拡散処理を最高400℃で
10時間実施した。
250g/1,HCL 100g/1,室温 Cuめっき :NACN 30g/1,CuCN 2
0g/1,NaCO3 20g/1,界面活性剤 2g/
1,45℃ SnZnめっき:NaCN 25g/1,Na2 SnO
3 3H2 O 75g/1,Zn(CN)2 5g/
1,NaOH 15g/1,65℃ 前記処理の結果、得られためっき層の厚さは、Cuめっ
き層5μm,SnZn層10μmであり、Nnの含有量
は25wt%であった。
u,Sn並びにZnの拡散が起こり、η−Cu6 Sn5
(一部はCu3 Sn)の金属間化合物が形成され、硬さ
は350HV〜400HVと高いうえに、潤滑性が良好
であった。
eと反応してFeSn2 を形成し、ステンレスとの密着
性が向上させられた。
実施例であり、オ−ステナイト系SUS304材からな
るステンレス製ボルトを前記実施例1と同様の電解脱脂
及び硫酸処理を行った後、密着性向上のため、Ni下地
めっきを施し、Cuめっき、ついでSnめっきを施し、
さらに熱拡散処理を200℃で20時間実施した。Sn
めっき条件は、前記実施例3と同様である。前記処理の
結果、得られためっき層の厚さは、Cuめっき5μm,
Snが10μmである。
って得られたステンレスボルトのトルク係数の変化が示
されている。
付き性評価のため、締め付け操作を数回(最大10回)
繰り返して行い、軸力1000Kg時のトルクを測定し
て計算によりトルク係数を求めたものである。
トは、締め付け回数につれてトルク係数が次第に上昇し
て焼付きに至るが、本発明を実施した実施例1及び2、
さらに本発明の実施前に下地めっきを施した実施例3及
4ではトルク係数の上昇がほとんど見られず、最大10
回締め付けた場合でも焼付きが発生せず、締め付け回数
にかかわらずトルク係数がほぼ一定であり、0.2から
0.4の間にあり、良好な特性を示すことが判明した。
ルトは、耐焼付き性に優れていることが確認されたもの
である。
いる。ステンレスボルトは、耐食性が良好であるため、
化学プラント、電気、機械、食品機器等に使用されてい
るが、特に海岸地帯ならびに海水に接触する装置、機器
では錆が問題となる。そこで、耐食性評価の複合腐食試
験を行ったものである。該複合腐食試験は、人工海水を
用いて35℃、4時間塩水噴霧を行った後、乾燥60℃
で2時間、湿潤試験50℃で2時間のサイクルを繰り返
し行う方法であり、極めて厳しい腐食試験である。
トは、2日で錆の発生が見られるが、本発明を実施した
実施例1及び2、さらに本発明の実施前に下地めっきを
施した実施例3及び4は未処理のボルトに比べて錆の発
生が遅く、実施例によっては45サイクルの試験後でも
錆の発生が見られないものであった。また、錆の形態も
未処理のボルトの場合と異なっており、耐食性が非常に
高いことが判明したものである。
形成させ、耐食性の向上、かじり、焼付き防止効果の優
れたステンレス製ボルト、ナットを提供することができ
るものである。
数の関係を示した線図、第2図は複合腐食試験結果を示
したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステンレス表面に直接Snメッキを施
し、熱拡散処理により表面にFeSn2 及びFeSnの
金属間化合物を形成させてなるステンレス製ボルト、ナ
ットであって、トルク係数が0.2から0.4の間にあ
ることを特徴とするステンレス製ボルト、ナット。 - 【請求項2】 ステンレス表面に直接SnZn合金めっ
きを施し、熱拡散処理により表面にFeSn2 及びFe
Snの金属間化合物を形成させてなるステンレス製ボル
ト、ナットであって、トルク係数が0.2から0.4の
間にあることを特徴とするステンレス製ボルト、ナッ
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059889A JP3099119B2 (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ステンレス製ボルト、ナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059889A JP3099119B2 (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ステンレス製ボルト、ナット |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1301045A Division JP2974344B2 (ja) | 1989-11-20 | 1989-11-20 | ステンレス製ボルト,ナット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11350151A JPH11350151A (ja) | 1999-12-21 |
JP3099119B2 true JP3099119B2 (ja) | 2000-10-16 |
Family
ID=13126151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11059889A Expired - Lifetime JP3099119B2 (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | ステンレス製ボルト、ナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3099119B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5573039B2 (ja) * | 2009-07-27 | 2014-08-20 | Jfeスチール株式会社 | 固体高分子形燃料電池セパレータ用ステンレス鋼およびその製造方法 |
JP6452321B2 (ja) * | 2014-05-27 | 2019-01-16 | 株式会社友電舎 | 配管締結用ステンレス鋼製ねじ部材の製造方法 |
JP2016035215A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | サンデンホールディングス株式会社 | 圧縮機 |
-
1999
- 1999-03-08 JP JP11059889A patent/JP3099119B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11350151A (ja) | 1999-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0483914A (ja) | すべり軸受材料 | |
WO2020166500A1 (ja) | 管用ねじ継手 | |
US5534358A (en) | Iron-plated aluminum alloy parts | |
JP3099119B2 (ja) | ステンレス製ボルト、ナット | |
JP2974344B2 (ja) | ステンレス製ボルト,ナット | |
JP3340335B2 (ja) | 多層すべり軸受 | |
JP2008001930A (ja) | 金属表面処理方法 | |
JP3122037B2 (ja) | 防食性チェーン用部品 | |
JP5001672B2 (ja) | 締結具とその製造方法 | |
JPWO2007015361A1 (ja) | 締結具 | |
JP2004360842A (ja) | 密封部材およびこの密封部材を備えた転がり軸受 | |
WO2012157758A1 (ja) | 金属表面への微細構造皮膜形成液 | |
JPH11256372A (ja) | 屋内環境における高強度ボルトとステンレス鋼の異種金属接触腐食防止方法 | |
CN113522695A (zh) | 一种紧固件耐蚀润滑复合涂层及其制备方法 | |
JP3497483B2 (ja) | 耐食コーティング材及びその製造方法 | |
JP3249059B2 (ja) | 金属摺動部材用表面処理液および表面処理方法 | |
SE515243C2 (sv) | Förfarande och medel för korrosionsmotverkande ytbehandling av metaller samt ytbehandlade metallobjekt | |
JP4234038B2 (ja) | 防食性チェーン | |
JPH09209189A (ja) | 摺動部材およびその製造方法 | |
JP2018141490A (ja) | ボルト及びナット | |
JP2008214666A (ja) | ネジ部材およびその製造方法 | |
CN220668083U (zh) | 一种连接螺栓 | |
JP2007105752A (ja) | 高強度座金の製造方法 | |
JP2000205226A (ja) | 耐焼付用部材及びその製造方法 | |
JPH03267381A (ja) | 鋳鉄材料の複合表面処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818 Year of fee payment: 8 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818 Year of fee payment: 8 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080818 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818 Year of fee payment: 10 |