JP2842105B2 - 超流動コンクリートの打設方法 - Google Patents

超流動コンクリートの打設方法

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JP2842105B2 JP32068692A JP32068692A JP2842105B2 JP 2842105 B2 JP2842105 B2 JP 2842105B2 JP 32068692 A JP32068692 A JP 32068692A JP 32068692 A JP32068692 A JP 32068692A JP 2842105 B2 JP2842105 B2 JP 2842105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超流動コンクリート
を高所から打設する場合における飛び跳ねによる不具合
を解消できるようにした超流動コンクリートの打設方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】超流動コンクリートは、高い流動性と分
離抵抗性,充填性に富むコンクリート素材であり、配筋
の過密な箇所にも締固めすることなく充填でき、材料分
離がなく均質なコンクリートとなり、ポンプ圧送性に優
れるなどの特徴があるため、過密配筋となるRCまたは
PRC構造物,比較的薄肉のRC構造物,地下空間など
のライニングコンクリート、圧入コンクリート,充填コ
ンクリートなどの種々の用途に好適であるほか、その他
従来のコンクリートでは締固め,充填性などにおいて打
設が難しい,例えばプレキャスト部材の接合部の場所打
ちコンクリートなどに好適な用途がある。
【0003】また、この超流動コンクリートの好ましい
特質としては、分離抵抗性が高いため、高所より自由落
下させた場合であっても、材料分離を起こすことがな
く、落下させて打設できる高さを6〜8mまで高くする
ことが出来る点がある。
【0004】したがって、超流動コンクリートを用いた
場合には、型枠内部に打設のためのホースや配管の設置
が不要となり、型枠の上部にコンクリート圧送管などを
配置し、この圧送管にゲートバルブなどを設け、このバ
ルブの開閉を調整することによって広範囲にコンクリー
トを打設することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には高所
からコンクリートを落下させた場合には、跳ね反りによ
って鉄筋や型枠の内側にコンクリートが付着固化し、こ
の状態で引続きコンクリートが充填されるため、次のよ
うな問題があった。
【0006】まず鉄筋にコンクリートが付着すると予め
この部分が乾燥固化するので、引続き打設されるコンク
リートと鉄筋との付着強度が低下するという欠点が生ず
る。
【0007】また、型枠の内側にコンクリートが付着固
化した場合には型枠脱型時にこのコンクリートが剥落
し、あばた状の凹凸が生じて美観上の問題を生ずるとと
もに、耐久性の面でも問題を生ずる。
【0008】このような跳ね返りによる問題を解決する
ための手段として、従来ではいわゆるちょうちんシュー
トと称する縦シュートを使用してコンクリートを打設底
部までガイドしていたが、打設コンクリートの天端が上
昇するにつれ、シュートを順に取り除きながら引き上げ
る必要があるため、段取り替えに手間取るとともに、そ
の都度打設作業の中断を余儀無くされ、打設作業の自動
化を図る上での障害となっていた。
【0009】この発明は以上の問題を解決するものであ
り、その目的は、高所落下時における飛び跳ねによるコ
ンクリートの鉄筋や型枠への付着を防止するとともに、
段取り替えを不要とした超流動コンクリートの打設方法
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、型枠の内部に建込まれた鉄筋の内側上
部にコンクリート投下口を配置し、該投下口を通じて超
流動コンクリートを前記型枠内部に落下打設する方法に
おいて、前記鉄筋の内側に、前記コンクリート投下口の
真下に上端部を三角錐状のガイドキャップで閉塞した中
空管を予め配置し、該中空管の外周に沿ってコンクリー
トを打設することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】以上の構成によれば、投入口より落下する超流
動コンクリートはガイドキャップを伝って中空管外周に
付着しつつ流下し、その流動性により型枠内の各部にま
わり込んで充填される。
【0012】また、例えば打設作業後はキャップを取り
外し、中空管の内部にコンクリートを充填してもよく、
或いは誘発目地として機能させ、ひびわれの発生後中空
管の内部にコンクリートを充填することもできる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。
【0014】図1,2はこの発明の方法を壁体の構築に
適用した場合を示し、壁体の外郭を形取る型枠1の内側
には、その長手方向に沿って格子状に枠組みされた鉄筋
2が建込まれている。
【0015】型枠1の直上にはその長手方向に沿ってコ
ンクリート圧送管3が配管されている。このコンクリー
ト圧送管3の下部には適宣間隔おいて吐出管4が接続さ
れ、前記鉄筋2の上部開口面にその吐出口を向けてい
る。コンクリート圧送管3内には図示しないコンクリー
ト圧送ポンプによって超流動コンクリートCが供給さ
れ、吐出管4に設けた図示しないゲートバルブ等の開閉
調整によって型枠1の内部に打設される。
【0016】鉄筋2の内側には前記各吐出管4の真下
に、中空管5が鉛直に配置されている。この中空管5は
例えば薄肉鋼管やPCコンクリート管等からなるもの
で、その上端部の開口は三角錐状のガイドキャップ6に
より取り外し可能に閉塞されている。すなわち、このガ
イドキャップ6の頂部は吐出管4の開口中心に対向突出
している。なお中空管5の浮き上がりを防止するため、
例えば中空管5の基部は底面に設けた基礎コンクリート
7などに強固にフランジ結合される。
【0017】図2(a)に示す打設準備完了状態で、コ
ンクリート圧送管3内に超流動コンクリートCを供給
し、ゲートの開閉調整により吐出管4からコンクリート
Cを吐出すると、図2(b)に示すように、コンクリー
トCはキャップ6を斜めに伝って中空管5の外周に付着
しながらこれをガイドとして流下し、飛び跳ねそのもの
を防止するとともに、着底したコンクリートCはその流
動性によるセルフレベリング性によって中空管5の下部
周縁で順次平滑化する結果、型枠1内部のコンクリート
打設天端はコンクリートCの供給速度に応じて型枠1の
内面および鉄筋2を浸漬しつつ順次上昇する。
【0018】計画天端にまでコンクリートCが打設され
ると、図2(c)に示すように打設が完了する。その後
はキャップ6を外し同吐出管4を通じて中空管5の内部
にコンクリートCを充填し、埋め殺すことができる。
【0019】また、前記中空管5は、内部にコンクリー
トCを打設することなく残置し、当該中空管5が埋設さ
れた箇所を誘発目地として用いることができる。すなわ
ち、例えば図3に示すように、誘発目地による断面欠損
率が20%以上の場合がひびわれが生じやすいので、か
かる部分に強制的に応力を集中させ、ひびわれ8を生じ
させた後に中空間5内にコンクリートを充填する。
【0020】なお、実施例では中空管5およびキャップ
6の表面を平滑としたが、コンクリート流下方向に向け
て多数のガイド溝を形成したもので構成することもでき
る。
【0021】また、この実施例では、コンクリート圧送
管3から吐出管4を経て中空管5の上方に超流動コンク
リートCを供給する場合について記載したが、この発明
は、かかる場合に限定されず、その他に、例えば図4に
示すように、中空管5の上方に設けたホッパー9を介し
て、ポンプ車のコンクリート圧送ホース10から送られ
る超流動コンクリートCを中空管5の上方に供給する場
合等についても容易に採用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、この発明による超流動コンクリートの打設方法にあ
っては、投入口より落下する超流動コンクリートはガイ
ドキャップを伝って中空管外周に付着しつつ流下し、そ
の流動性により型枠内の各部にまわり込んで充填される
ため、飛びはねそのものを防止できる。
【0023】また打設作業後はキャップを取り外し、中
空管の内部にコンクリートを充填し埋め殺してしまうた
め、飛び跳ねを防止するための中空管の移動や段取替え
などによる打設作業の中断がなく、したがって超流動コ
ンクリートの打設作業の自動化を容易に図ることができ
る。
【0024】さらにこの発明では、中空管を誘発目地と
して機能させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を壁体の構築に適用した場合における
一実施例を示す側断面である。
【図2】(a),(b),(c)は同打設手順を示す横
断面図である。
【図3】中空管を誘発目地とした場合を示す平断面図で
ある。
【図4】この発明の他の実施例を示す破断側面図であ
る。
【符号の説明】
1 型枠 2 鉄筋 3 コンクリート圧送管 4 吐出管 5 中空管 6 ガイドキャップ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠の内部に建込まれた鉄筋の内側上部
    にコンクリート投下口を配置し、該投下口を通じて超流
    動コンクリートを前記型枠内部に落下打設する方法にお
    いて、 前記鉄筋の内側に、前記コンクリート投下口の真下に上
    端部を三角錐状のガイドキャップで閉塞した中空管を予
    め配置し、該中空管の外周に沿ってコンクリートを打設
    することを特徴とする超流動コンクリートの打設方法。
JP32068692A 1992-11-30 1992-11-30 超流動コンクリートの打設方法 Expired - Fee Related JP2842105B2 (ja)

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