JP2841450B2 - 塗 料 - Google Patents

塗 料

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JP2841450B2
JP2841450B2 JP1089972A JP8997289A JP2841450B2 JP 2841450 B2 JP2841450 B2 JP 2841450B2 JP 1089972 A JP1089972 A JP 1089972A JP 8997289 A JP8997289 A JP 8997289A JP 2841450 B2 JP2841450 B2 JP 2841450B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる塗料に関する。さらに詳
細には、本発明は必須の成分としての、それぞれ、特定
の有機溶剤可溶型フルオロオレフィン共重合体(I)、
つまり、フルオロオレフィン共重合体の有機溶剤溶液
と、特定のビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)と
を、特定の割合で混合せしめて成る、とりわけ、有機顔
料の分散化も可能な、塗装作業性も良好であって、塗膜
の耐候性などにすぐれ、しかも、既設の塗膜(以下、旧
塗膜と略記する。)や下塗り塗膜(プライマー層)を何
ら、膨潤させ溶解させることのない、極めて有用な塗料
に関する。
〔従来の技術〕
近年、溶液型にして高耐候性をもった塗膜を与える、
常温硬化可能なフルオロオレフィン共重合体が開発さ
れ、主として、塗料用に向けられている。
しかし、かかる溶液型のフルオロオレフィン共重合体
に用いられている溶剤としては、芳香族炭化水素系、エ
ステル系および/またはケトン系などの、いわゆる溶解
性の高いものが主体になっている。
ところで、こうした液解性の高い有機溶剤が用いられ
ている塗料は、旧塗膜や下塗り塗膜(プライマー層)の
上に塗装して用いられるような場合には、どうしても、
旧塗膜や下塗り塗膜を膨潤、溶解させ、ひいては、“ち
ぢみ”や“ふくれ”を起こし易いという致命的な欠点を
宿しているし、さらに、この種の溶液型フルオロオレフ
ィン共重合体は、通常の溶液型樹脂と同様に、分子量が
高くなるにつれて、粘度が上昇するという必然的な粘度
特性を有している処から、塗膜物性を上げるべく、高分
子量タイプのフルオロオレフィン共重合体から成る塗料
を用いての塗装にさいしては、塗装可能な粘度のものと
なすべく、多量の溶剤による希釈が必至となり、ひいて
は、塗装時の不揮発分含有率も低くなって、塗装作業性
に劣るなどの問題を抱えている。
そこで、こうした問題を解決するために、フルオロオ
レフィン共重合体を有機溶剤中に分散せしめた形の、い
わゆる有機溶剤分散液(非水ディスパージョン)として
用いるという方法が提案されているが(特開昭62−2510
3号公報)、この方法によって塗装作業性こそ確かに改
善されるものの、得られる分散液は、強度の剪断力下に
さらされると、どうしても、分散状態が悪化して分散破
壊が起こる処から、強度の剪断力を必要とする有機顔料
の分散化が困難であり、そのために、クリヤー塗料とし
て用いるか、あるいは、無機顔料のみの使用による、い
わゆるエナメル塗料が精精であるということが、将来の
解決課題として残されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明者らは上述した如き従来技術における
種々の欠点ないしは問題点を解消し、解決して、溶液型
フルオロオレフィン共重合体に付き物の塗装作業性など
の低下から解放された、しかも、耐候性などの塗膜諸性
能も一段と向上した形のフルオロオレフィン共重合体を
得ることを一つの目的とし、加えて、これまた、上述し
た如き従来技術における、専ら、将来の解決課題として
残されていた有機顔料の分散化の解決をも図かり、併せ
て、旧塗膜や下塗り塗膜(プライマー層)を何ら、膨潤
させたり溶解させたりすることのない、有用なるフルオ
ロオレフィン共重合体を得ることを他の一つの目的と
し、さらに進んで、こうしたそれぞれの課題が見事に解
決された、極めて有用なる塗料を得ることを目的として
鋭意検討を重ねた結果、ここに、特定の含ふっ素共重合
体有機溶剤溶液と、特定のビニル系重合体の有機溶剤分
散液とを、特定の割合で混合せしめることによって、有
機顔料による着色が可能で、塗装作業性も良好で、旧塗
膜や下塗り塗膜(プライマー層)を膨潤し、溶解させる
こともない、しかも、耐候性をはじめとする塗膜諸性能
のすぐれた塗膜を与えることのできる、極めて有用なる
塗料が得られることを見い出すに及んで、本発明を完成
させるに到った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明の必須の成分としての、それぞれ、
ふっ素原子の含有率が5〜60重量%であって、かつ、生
成共重合体の固形分にn−ヘプタンを滴下していって該
共重合体が白濁するまでに要するn−ヘプタン量(ミリ
リットル)を、この測定のために採取した、該共重合体
の固形分量(グラム)で除して100倍した値を以て定義
される“n−ヘプタンに対する溶解度”(以下、これを
n−ヘプタン・トレランスと略記する。)が、25℃にお
いて200以上である有機溶剤溶液型含ふっ素共重合体
(I)と、つまり、含ふっ素共重合体の有機溶剤溶液
(I)と、有機顔料とを混合し、分散させ、次いで、重
合に用いるビニル単量体類は溶解するが、これを重合さ
せて得られるビニル系重合体は溶解しない有機溶剤類中
において、かつ、該有機溶剤類に溶解ないし膨潤しうる
分散安定化剤の存在下において、ビニル単量体類または
その混合物を分散重合反応せしめて得られるビニル系重
合体の有機溶剤分散液(II)を、前者共重合体(I)と
後者有機溶剤分散液(II)との固形分重量比〔(I)/
(II)〕が5/95〜80/20となる割合で混合せしめて成
る、前述した如き極めて有用なる塗料を提供しようとす
るものである。
ここにおいて、上記した有機溶剤溶液型含ふっ素共重
合体(I)としては、たとえば、含ふっ素ビニル単量体
と、この含ふっ素ビニル単量体と共重合可能な他のビニ
ル単量体類とを、常法により、共重合反応せしめて得ら
れるものである。
そのうち、まず、かかる含ふっ素ビニル単量体(以
下、フルオロオレフィンと略記する。)として特に代表
的なもののみを挙げるに止めれば、ふっ化ビニル、ふっ
化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフ
ルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレンもしくは、
ヘキサフルオロプロピレンの如き、ふっ素含有−α−オ
レフィン類;またはトリフルオロメチルトリフルオロビ
ニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニ
ルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピルトリフルオ
ロビニルエーテルの如きパーフルオロアルキル・パーフ
ルオロビニルエーテルなどの、主鎖中に、ふっ素原子を
有する化合物であるが、就中、ふっ化ビニル、テトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、またはアルキル基がC1〜C18なる
パーフルオロアルキル・トリフルオロビニルエーテルの
使用が望ましい。
これら上掲のフルオロオレフィンは単独使用でも、2
種以上の併用でもよいことは、勿論である。
他方、これら上掲のフルオロオレフィンと共重合可能
な他のビニル単量体類として特に代表的なもののみを挙
げるに止めれば、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピル
ビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−
ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテ
ル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシル
ビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、クロロ
エチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルもしく
はフェニルエチルビニルエーテルの如きアルキルビニル
エーテルないしは置換アルキルビニルエーテル類;シク
ロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テルもしくはメチルシクロヘキシルビニルエーテルの如
きシクロアルキルビニルエーテル類;ビニル−2,2−ジ
メチルプロパノエート、ビニル−2,2−ジメチルブタノ
エート、ビニル−2,2−ジメチルペンタノエート、ビニ
ル−2,2−ジメチルヘキサノエート、ビニル−2−エチ
ル−2−メチルブタノエート、ビニル−2−エチル−2
−メチルペンタノエート、ビニル−3−クロロ−2,2−
ジメチルプロパノエート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、C9の分岐脂肪族カルボン酸ビニル、C10の分
岐脂肪族カルボン酸ビニル、C11の分岐脂肪族カルボン
酸ビニルもしくはステアリン酸ビニルの如き脂肪族カル
ボン酸ビニル;シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチ
ルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルも
しくはp−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構
造を有するカルボン酸のビニルエステル類;エチレン、
プロピレンもしくはブテン−1の如きα−オレフィン
類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、フルオ
ロオレフィンを除く各種ハロゲン化オレフィン類;スチ
レン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如
き芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレートもしくはシクロヘキシ
ルアクリレートの如きアクリル酸エステル類;メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレートもしくはベンジ
ルメタクリレートの如きメタクリル酸エステル類;2−ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピ
ルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエー
テル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチル
ビニルエーテルもしくは6−ヒドロキシヘキシルビニル
エーテルの如き水酸基を有するビニルエーテル類;ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチル
ビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエー
テル、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、
トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエト
キシシリルプロピルビニルエーテル、メチルジエトキシ
シリルプロピルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランもしく
はγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメ
トキシシランの如き加水分解性シリル基を含有する単量
体;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもし
くはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドの如きアミノ基含有アミド系不飽和単量体;ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレートもしくはジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートの如きジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリレート類;tert−ブチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メ
タ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリ
レートもしくはピペリジニルエチル(メタ)アクリレー
トの如きアミノ基含有単量体;または(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマ
ル酸の如きカルボキシル基含有単量体などである。
これらの共重合可能な他のビニル単量体類のうち、当
該フルオロオレフィン共重合体(I)成分の重合収率を
高めるという観点や、当該共重合体(I)成分の有機溶
剤に対する溶解性を高めるという観点などからは、アル
キルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル
類およびカルボン酸ビニルエステル類の使用が特に望ま
しい。
さらに、前述した如き定義に従うn−ヘプタン・トレ
ランスが200以上となるようにするためには、C3〜C18
るアルキル基を有するアルキルビニルエーテル類;C4〜C
18なるアルキル基を有するアルキルビニルエステル類;
シクロアルキルビニルエーテル類;ならびに安息香酸ビ
ニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニルおよびシクロヘ
キサンカルボン酸ビニルなどの使用が特に望ましい。
そして、以上に掲げられた各共重合成分のうち、フル
オロオレフィンの使用量としては、得られる含ふっ素共
重合体(I)中の、ふっ素原子の含有率が5〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%なる範囲内に入る量であ
り、このように管理されるべきである。
5重量%未満である場合には、どうしても、得られる
塗膜の耐候性などが低下するようになるし、一方、60重
量%を超える場合には、どうしても、後掲されるような
有機溶剤類に対する溶解性が低下するようになるので、
いずれも好ましくない。
当該含ふっ素共重合体(I)は、前述したように、n
−ヘプタン・トレランスが200以上であることが必要で
あり、好ましくは300以上が好適である。
200未満である場合には、どうしても、後掲する如き
各種の有機溶剤に対する溶解性が低下するようになるの
で好ましくない。
而して、当該含ふっ素共重合体(I)を調製するに
は、ラジカル重合開始剤の存在下に、前掲された如き各
種単量体を、塊状重合、溶液(加圧)重合、懸濁重合ま
たは乳化重合などの公知慣用の重合方法により共重合せ
しめればよいが、溶液ラジカル重合法によるが最も簡便
である。
そのさいに用いられる上記ラジカル重合開始剤として
は、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブチ
ルパーオキシアセテートもしくはtert−ブチルパーオキ
シピバレートの如きパーオキサイド類;またはアゾビス
イソブチロニトリルもしくはアゾビスイソバレロニトリ
ルの如きアゾ系化合物などが代表的なものである。
かかる重合反応時に用いられる有機溶剤類としては、
当該含ふっ素共重合体(I)を溶解するが、前記ビニル
系重合体の有機溶剤分散液(II)を溶解しないものであ
れば、いずれも使用できる。
かかる有機溶剤の代表的なものとしては、ヘキサン、
ヘプタンもしくはオクタンの如き脂肪族炭化水素類;石
油ベンジン、石油エーテル、リグロイン、ミネラルスピ
リット、石油ナフサもしくはケロシンの如き、沸点が30
〜300℃なる範囲の炭化水素混合物類;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンもしくはエチルシクロヘキサ
ンの如き脂環式炭化水素類が挙げられ、これらを単独
で、あるいは、2種以上の混合物の形で用いてもよい。
また、前記ビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)が
溶解しない範囲まで、たとえば、芳香族炭化水素系溶剤
をはじめ、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン
系溶剤またはエーテル系溶剤などを併用することができ
る。
次いで、本発明の塗料のもう一方の必須の成分たる前
記ビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)は、後掲され
る如き各種の単量体類は溶解するが、得られるビニル系
重合体は溶解しない有機溶剤類中において、かつ、こう
した特定の有機溶剤類に溶解ないしは膨潤しうるような
分散安定化剤の存在下において、後掲のビニル単量体類
またはその混合物を分散重合反応せしめて得られるもの
であり、当該有機溶剤分散液として特に好ましいもの
は、フルオロオレフィンに基ずく、ふっ素原子の含有率
が1〜50重量%なる範囲内のビニル系重合体の有機溶剤
分散液である。
ここにおいて、まず、当該有機溶剤分散液(II)を調
製するに当たって用いられる上記分散安定化剤とは、上
述された如き有機溶剤類に溶解ないしは膨潤しうるもの
で、かつ、重合反応時に生成する重合体微粉子を安定に
分散しうるものを指称する。
かかる分散安定化剤の特に代表的なもののみを例示す
るに止めれば、次のようなものである。
−1:前記した如きフルオロオレフィン類と、C4〜C18
なるアルキル基を有する脂肪族モノカルボン酸とのビニ
ルエステル類、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、C3
C18なるアルキル基を有するアルキルビニルエーテル類
およびC1〜C14なるアルキル基を有するシクロアルキル
ビニルエーテル類よりなる群から選ばれる少なくとも1
種を主成分とし、必要に応じて、これらと共重合可能な
他のビニル単量体類をも共重合せしめて得られる共重合
体類; かかる共重合可能な他のビニル単量体類の代表的なも
ののみを挙げるに止めれば、前記した有機溶剤可溶型含
ふっ素共重合体(I)を構成する必須の単量体成分たる
フルオロオレフィンと共重合可能な単量体類にあって、
上記した分散安定化剤−1の主成分の群を構成する各
単量体類を除いた、すべての単量体類;こはく酸モノビ
ニルエステル、アジピン酸モノビニルエステル、セバシ
ン酸モノビニルエステル、(メタ)アクリル酸もしくは
クロトン酸の如きカルボキシル基を有する単量体類;あ
るいは、カルボン酸無水基、エポキシ基、イソシアネー
ト基、アジリジニル基、シリルオキシカルボニル基また
はシリルオキシ基の如き反応性官能基を有するビニル単
量体類などが挙げられる。
−1:ポリブタジエンやポリイソプレンなどの如き不飽
和結合含有ポリオレフィン系重合体類に、フルオロオレ
フィン類および上記したビニル単量体類よりなる群から
選ばれる少なくとも1種を共重合せしめて得られるグラ
フト共重合体類; −1:n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレートまたはステ
アリル(メタ)アクリレートの如きC4以上のアルキルア
ルコールの(メタ)アクリル酸エステル類を主成分と
し、必要に応じて、上記したビニル単量体類をも共重合
せしめて得られる共重合類; :アルキド樹脂で前掲の如き各種溶剤に可溶なるも
の; :C4〜C12なるアルキルアルコールでエーテル化された
アルキルエーテル化メラミン樹脂縮合体であって、か
つ、前掲の如き各種溶剤に可溶なるもの; −1:12−ヒドロキシステアリン酸の如き水酸基含有飽
和脂肪酸の自己縮合ポリエステルの末端位にあるカルボ
キシル基に、アリルグリシジルエーテル、グリシジルビ
ニルエーテルもしくはグリシジル(メタ)アクリレート
の如き不飽和結合含有エポキシ化合物を付加反応せしめ
て得られる如き末端不飽和結合含有ポリエステル類; −1:前記した如きC4〜C17のアルキル基を有するカル
ボン酸ビニルエステル類、シクロヘキサンカルボン酸ビ
ニル、C2〜C18のアルキル基を有するアルキルビニルエ
ーテル類およびシクロアルキルビニルエーテル類よりな
る群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、必要に
応じて、上記したビニル単量体類をも共重合せしめて得
られる共重合体類; −2、−2、−2、−2:上記したそれぞれ−
1、−1、−1、−1の各分散安定化剤のうち、
カルボキシル基を有する共重合体のカルボキシル基に対
して、上記した如き不飽和結合含有エポキシ化合物を付
加反応せしめて得られる各不飽和結合含有共重合体類; −3、−3、−3、−3:上記したそれぞれ−
1、−1、−1、−1の各分散安定化剤のうち、
水酸基を有する共重合体の水酸基に対して、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸もしくは無水トリメリット酸モノ
ビニルエステルの如きカルボン酸無水基を含有する単量
体類を付加反応せしめて得られる各不飽和結合含有共重
合体類; −4、−4、−4、−4:上記したそれぞれ−
2、−2、−2の各不飽和結合含有共重合体類およ
び−1の末端不飽和結合含有ポリエステルに、C1〜C3
のアルキル基を有するカルボン酸ビニルエステル類を共
重合せしめて得られる各グラフト共重合体類; −5、−5、−5:上記したそれぞれ−3、−
3、−3の各不飽和結合含有共重合体類にC1〜C3のア
ルキル基を有するカルボン酸ビニルエステル類を共重合
せしめて得られる各グラフト共重合体類が挙げられる
が、グラフト点として上記したカルボキシル基および水
酸基のほかに、前記した如き反応性官能基を用いること
も可能で、該グラフト点なる反応性官能基に対して、該
反応性官能基と反応し得る反応性官能基を有する不飽和
結合含有単量体類を付加反応せしめることによっても、
不飽和結合含有共重合体を調製することができる。
さらに、前記した各分散安定化剤のうち、不飽和結合
を有するものに対して、前掲された如き有機溶剤可溶型
含ふっ素共重合体(I)を形成するために用いられた各
単量体類の混合物をグララフトせしめて得られるグラフ
ト共重合体類も使用できることは、勿論である。
前記した如き各種の分散安定化剤のうち、グラフト共
重合体を除いた他の分散安定化剤類の溶解性の尺度とし
ては、当該有機溶剤分散液(I)たる、いわゆる非水性
重合体分散液の分散安定性ないしは重合安定性の面か
ら、前記した如き定義に従うn−ヘプタン・トレランス
が、25℃において200以上、好ましくは、300以上である
ことが望ましい。
そして、前掲された各種の分散安定化剤のうちでは、
本発明の目的組成物から形成される塗膜の耐候性の観点
からすれば、、および群の如き共重合体(以下、
これらを分散剤用共重合体ともいう。)の使用が特に望
ましい。
また、前掲の分散安定化剤にグラフト点をもたせるた
めに、カルボキシル基含有単量体類、水酸基含有単量体
類、あるいは前記した如き各種の反応性官能基を有する
単量体類を、各種の有機溶剤に対する分散安定化剤の溶
解性を落さない程度にまで共重合させることもできる。
そして、当該ビニル重合体の有機溶剤分散液(II)を
調製するにさいして、かかる分散安定化剤の使用量とし
ては、固形分を基準として、当該ビニル重合体を形成す
る各種単量体の総量100重量部当たり2〜400重量部、好
ましくは、5〜300重量部なる範囲内が適切である。
当該ビニル重合体の有機溶剤分散液(II)たる非水性
重合体分散液を調製するさいに用いられるビニル単量体
類としては、前記した有機溶剤型含ふっ素共重合体
(I)を調製するにさいして用いられるような、フルオ
ロオレフィンおよびこのフルオロオレフィンと共重合可
能な他のビニル単量体類を用いることができるが、得ら
れる重合体が有機溶剤に分散状態を呈することなく、溶
解してしまうような単量体類または、そのような組み合
わせ系の使用は除外されるべきである。
塗膜の耐候性の観点からは、得られるビニル重合体に
おける、フルオロオレフィンに基ずくふっ素原子含有率
が1〜50重量%なる形の、ビニル重合体の有機溶剤分散
液(II)の使用が望ましい。
当該有機溶剤分散液(II)を調製するに当たって用い
られる重合開始剤としては、特に限定されることなく、
公知慣用のラジカル重合開始剤の中から選ばれる、たと
えば、アゾビスイソブチロニトリルもしくはアゾビスイ
ソバレロニトリルの如きアゾ化合物;またはtert−ブチ
ルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサ
イドもしくはジイソプロピルパーオキシカーボネートの
如き過酸化物などが代表的なものである。
かかるラジカル重合開始剤の使用量は、重合開始剤の
種類、重合温度、共重合体の分子量などに応じて適宜決
定されるが、概ね、共重合せしめる単量体総量の0.01〜
10重量%程度でよい。
また、かかる重合にさいしては、ラウリルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール
またはα−メチルスチレン・ダイマーなどの如き連鎖移
動剤を用いて分子量を調節できる。
各種のビニル単量体から分散重合法により当該ビニル
重合体の有機溶剤分散液(II)を調製するには、有機
溶剤および分散安定化剤を仕込んだ反応容器に、単量体
類および重合開始剤を、それぞれ、連続的に、あるい
は、分割して添加する、有機溶剤、分散安定化剤、単
量体類の一部および重合開始剤の一部を仕込んだ反応器
に、残りの単量体類および重合開始剤をそれぞれ連続的
に、あるいは分割して添加する、有機溶剤および分散
安定化剤の一部を仕込んだ反応器に、単量体類、重合開
始剤および残りの分散安定化剤をそれぞれ連続的に、あ
るいは、分割して添加する、溶剤だけを仕込んだ反応
器に単量体類、重合開始剤および分散安定化剤をそれぞ
れ連続的に、あるいは、分割して添加するなどの方法を
適用することができる。
このさいの分散重合反応における反応温度および反応
圧力は、重合開始剤および有機溶剤の種類や得られるビ
ニル重合体の分子量などに応じて、適宜、選択されるも
のではあるが、反応温度としては0〜140℃、好ましく
は40〜100℃なる範囲内が採用されるし、反応圧力とし
ては、通常、100kg/cm2以下が採用される。
かくして得られる当該ビニル重合体の有機溶剤分散液
(II)と、前記有機溶剤可溶型のフルオロオレフィン共
重合体(I)、つまり、フルオロオレフィン共重合体の
有機溶剤溶液との、それぞれの必須成分の混合割合とし
ては、固形分重量比としての、共重合体(I)/有機溶
剤分散液(II)なる比率が5〜80/20〜95となるような
割合であるのが好適である。
溶剤可溶型フルオロオレフィン共重合体(I)の割合
が5/95未満となり、該共重合体(I)の使用量が余りに
少なくなる場合には、どうしても有機顔料の分散化が困
難となり易く、一方、該共重合体(I)の割合が80/20
を超えて余りに多くなる場合には、どうしても塗装作業
性が低下するようになるので、いずれの場合も好ましく
ない。
かかる顔料として特に代表的なものには、β−ナフト
ール系、β−オキシナフトエ酸系、ナフトールAS系、ピ
ラゾロン系、アセト酢酸アニリド系、アセト酢酸エステ
ル系、フタロシアニン系、アントラキノン系、インジゴ
系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、キナク
リドン系、イソインドリノン系、金属錯塩系、フルオル
ビン系、もしくはキノフタロン系の如き各種有機系顔
料;酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、銅
クロムブラック、銅・鉄・マンガンブラック、黄鉛、カ
ドミウム・イエロー、オーカー、チタンイエロー、ジン
ククロメート、弁柄、亜鉛・鉄ブラウン、カドミウムレ
ッド、クロムバーミリオン、マンカンバイオレット、紺
青、群青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロ
ムグリーン、チタン・コバルト・ニッケル・亜鉛グリー
ン、ピリジアン、コバルトグリーン、エメラルドグリー
ン、カオリン、ベントナイト、シリカホワイト、アルミ
ナホワイト、石膏、白亜、沈降性硫酸バリウム、沈降性
炭酸カルシウムもしくはバライトの如き各種無機系顔
料;または真鍮粉末、銀粉末、金粉末、アルミニウム粉
末もしくは銅粉末の如き各種金属粉末;さらには、鱗片
状雲母に酸化チタン処理を施したものなどがあるが、本
発明では、有機顔料を配合することが必須である。
かかる顔料を用いて、本発明の塗料を着色せしめるに
は、まず、フルオロオレフィン共重合体(I)と顔料と
を混合し、分散させ、次いで、有機溶剤分散液(II)を
混合することによって、容易に行なうことができる。
本発明の塗料には、さらに必要に応じて、樹脂類、各
種の樹脂類または溶剤類をはじめ、硬化促進剤、流動性
調整剤、色分れ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤またはシランカップリング剤などの公知慣用の各
種の添加剤類を加えることもできる。
かかる硬化剤類としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂
またはポリイソシアネート類などの、いわゆる架橋剤が
代表的なものである。
また、上記樹脂類として特に代表的なものには、ニト
ロセルロースもしくはセルロースアセテートブチレート
の如き繊維素系樹脂をはじめ、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、オイルフリーアル
キド樹脂またはエポキシ樹脂などがある。
さらに、上記溶剤類としては、前記したフルオロオレ
フィン共重合体(I)または有機溶剤分散液(II)のそ
れぞれを調製するにさいして用いられるようなもの、あ
るいはそれらの混合物が用いられる。
そして、本発明の目的組成物たる塗料は、スプレー塗
装、刷毛塗り、ロールコーターまたは含浸塗装などの公
知慣用の方法により、たとえば、金属、木材、無機質基
材またはプラスチックスの如き各種素材あるいは加工品
に塗布され、常温から約100℃までの温度範囲で、1分
間から数日間の乾燥により、さらには一層の高温での乾
燥により、すぐれた性能を有する皮膜ないしは塗膜を与
える。
〔発明の効果〕
本発明の塗料は、有機溶剤可溶型フルオロオレフィン
共重合体(I)と、ビニル重合体の有機溶剤分散液(I
I)とを必須の成分として含んで成るものである処か
ら、とりわけ、無機系顔料は勿論のことながら、従来型
フルオロオレフィン共重合体では果たし得なかった有機
系顔料による着色もできるというメリットを有するもの
であり、塗装作業性にもすぐれるし、しかも、耐候性を
はじめとする諸性能にもすぐれる塗膜を与えるものであ
り、さらには、旧塗膜や下塗り塗膜を何ら、溶解ないし
は膨潤させることのない、有用なものである。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
参考例1〔有機溶剤可溶型含ふっ素共重合体(I)の調
製例〕 窒素ガスで充分に置換された1.5のステンレス製オ
ートクレーブに、ジメチルアミノエチルメタクリレート
の2部、エチルビニルエーテルの49部、「ベオバ9」オ
ランダ国シェル社製の、C8なるアルキル基を有する分岐
脂肪酸のビニルエステル)の300部、「アイソパーE」
(アメリカ国エクソン社製の、石油系炭化水素溶剤)の
300部、tert−ブチルパーオキシピバレート(TBPP)の
5部およびtert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキ
ノエート(TBPEH)の5部を仕込んで、ここに、液化採
取したヘキサフルオロプロピレンの150部を圧入し、撹
拌しながら60℃に18時間保持して重合反応を行なってか
ら、「アイソパーE」の160部を加えて、不揮発分(N
V)が60%で、かつ、25℃におけるn−ヘプタン・トレ
ランスが2,000以上なる目的共重合体の溶液を得た。以
下、これを共重合体(I−1)と略記するが、このもの
の固形分当たりの、ふっ素原子の含有率は21%であっ
た。
参考例2(同上) 参考例1と同様の反応容器に、「サノールLS−765」
〔三共(株)製の、ヒンダード・アミン化合物〕の1.5
部、ジメチルアミノエチルメタクリレートの2部、n−
ブチルビニルエーテルの50部、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテルの25部、ラウリル酸ビニルの275部、「LAW
S」(オランダ国シェル社製のホワイト・スピリット)
の300部、トルエンの50部、TBPEHの5部およびTBPPの2.
5部を仕込み、次いで、液化採取したクロロトリフルオ
ロエチレンの150部を圧入するというように変更した以
外は、参考例1と同様にして重合反応を行なったのち、
「LAWS」の100部を加えて、NVが49%で、かつ、25℃に
おけるn−ヘプタン・トレランスが500なる目的共重合
体の溶液を得た。以下、これを共重合体(I−2)と略
記するが、このものの固形分当たりの、ふっ素原子の含
有率は13%であった。
参考例3〔ビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)の調
製用分散安定化剤の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、アジピン酸モノビニル
の1.0部、ラウリン酸ビニルの250部、エチルビニルエー
テルの99部、「アイソパーE」の300部、トルエンの50
部、TBPPの5部およびTBPEHの5部を仕込んで、ここ
に、液化採取したヘキサフルオロプロピレンの250部を
圧入し、撹拌しながら60℃に15時間保持して重合反応を
行なってから、85℃に昇温して、同温度に4時間保持し
て反応を続行せしめた。
次いで、かくして得られた共重合樹脂溶液の500部
を、参考例1と同様の反応容器に、アリルグリシジルエ
ーテルの0.6部およびトリフェニルホスフィンの0.05部
と共に仕込んで115℃まで昇温し、同温度に3時間保持
して反応を行なって、このアリルグリシジルエーテルを
付加せしめた処、NVが60%で、かつ、25℃におけるn−
ヘプタン・トレランスが1,400なる樹脂溶液が得られ
た。以下、これを分散安定化剤(DS−1)と略記する。
参考例4(同上) 参考例1と同様の反応容器に、「アイソパーE」の17
0部およびトルエンの67.5部を仕込んで、窒素ガス雰囲
気下に、撹拌しながら110℃に昇温し、2−エチルヘキ
シルアクリレートの300部、n−ブチルメタクリレート
の190部、アクリル酸の10部、TBPEHの5部、tert−ブチ
ルパーオキシベンゾエートの2.5部および「アイソパー
E」の100部よりなる混合物を4時間かけて滴下し、滴
下終了後も同温度に10時間保持して重合反応を続行さ
せ、次いで、グリシジルメタクリレートの2.5部、ハイ
ドロキノンの0.2およびトリエチルアミンの0.1部を添加
して、同温度に更に10時間保持して、NVが60%で、か
つ、25℃におけるn−ヘプタン・トレランスが1,500な
る樹脂溶液を得た。以下、これを分散安定化剤(DS−
2)と略記する。
参考例5〔ビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)の調
製例〕 窒素ガスで充分に置換された3のステンレス製オー
トクレーブに、「アイソパーE」の600部、トルエンの1
70部および参考例3で得られた分散安定化剤(DS−1)
の508部を仕込んで、撹拌しながら60℃に昇温し、さら
にここへ、エチルビニルエーテルの190部、酢酸ビニル
の140部、プロピオン酸ビニルの70部およびアゾビスイ
ソバレロニトリル(AIVN)の7部よりなる混合物を3時
間かけて滴下する一方で、ヘキサフルオロプロピレンの
300部をも液化採取して3時間に亘って圧入せしめた。
その後も、同温度に10時間保持して重合反応を続行せ
しめて、NVが50%で、かつ、25℃におけるガードナー粘
度(以下同様)がM−Nなる、何ら、ブロック生成のな
い、分散良好な目的有機溶剤分散液を得た。以下、これ
をNAD−1と略記するが、このものの固形分当たりの、
ふっ素原子の含有率は32%であった。
参考例6(同上) 参考例5と同様の反応容器に、エチルシクロヘキサン
の800部および参考例4で得られた分散安定化剤(DS−
2)の417部を仕込んで、撹拌しながら80℃に昇温し、
さらにここへ、エチルビニルエーテルの180部、「ベオ
バ9」の120部、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
の75部、「サノールLS−765」の3部およびAIVNの8部
よりなる混合物を3時間かけて滴下する一方で、クロロ
トリフルオロエチレンの375部を液化採取して3時間に
亘って圧入せしめた。
その後も、同温度に10時間保持して重合反応を続行せ
しめて、NVが50%で、かつ、粘度がJ−Kなる、何ら、
ブロック生成のない、分散良好な目的有機溶剤分散液を
得た。以下、これをNAD−2と略記するが、このものの
固形分当たりの、ふっ素原子の含有率は18%であった。
参考例7(同上) 参考例5と同様の反応容器に、エチルシクロヘキサン
の830部および参考例4で得られた分散安定化剤(DS−
2)の417部を仕込んで、撹拌しながら80℃に昇温し、
さらにここへ、エチルメタクリレートの700部、n−ブ
チルアクリレートの50部およびTBPEHの8部よりなる混
合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後も同温度に10時
間保持して重合反応を続行せしめ、NVが50%で、かつ、
粘度がP−Qなる、何ら、ブロックの生成のない、分散
良好な目的有機溶剤分散液を得た。以下、これをNAD−
3と略記する。
実施例1 参考例1で得られた共重合体(I−1)の120部、
「アイソパーE」の73部および「ファーストゲン・ブル
ーNK」〔大日本インキ化学工業(株)製のシアニン系青
色顔料〕の15部を混合して、サンドミルで90分間分散せ
しめて青色ミルベースを得た。
さらに、ここへNAD−1の160部を混合したのち、「ア
イソパーE/セロソルブアセテート=90/10(重量比)な
る混合溶剤でスプレー可能な粘度にまで希釈せしめて青
色塗料を調製した。
実施例2 参考例2で得られた共重合体(I−2)の120部、
「アイソパーE」の73部および「ファーストゲン・スー
パーレッドYE」(同上社製のキナクリドン系赤色顔料)
の15部を混合して、サンドミルで90分間分散せしめて赤
色ミルベースを得た。
さらに、ここへNAD−2の160部および「バーノックDN
−990」〔大日本インキ化学工業(株)製のイソシアネ
ート化合物〕の25部を混合したのち、「アイソパーE」
/セロソルブアセテート=90/10(重量比)なる混合溶
剤でスプレー可能な粘度にまで希釈せしめて赤色塗料を
調製した。
実施例3 NAD−1の120部に替えて、NAD−3の80部を用いるよ
うに変更した以外は、実施例1と同様にして混合分散を
行ない、次いで混合溶剤によりスプレー可能な粘度にま
で希釈せしめて、青色塗料を調製した。
比較例1 参考例5で得られたNAD−1の120部、「アイソパー
E」の73部および「ファーストゲン・ブルーNK」の15部
よりなる混合物をサンドミルで分散せしめた処、程なく
増粘しはじめる処となり、実用には供し得ないものとな
った。
比較例2 「フルオネートK−701」〔大日本インキ化学工業
(株)製の、有機溶剤可溶型含ふっ素共重合体〕の120
部、キシレンの70部および「ファーストゲン・スーパー
レッドYE」の15部よりなる混合物をサンドミルで90分間
分散せしめて、対照用の赤色ミルベースを得た。
さらに、ここへ「バーノックDN−980」(同上)の15
部を加えてから、「アイソパーE」/セロソルブアセテ
ート=80/20(重量比)なる混合溶剤でスプレー可能な
粘度にまで希釈せしめて、対照用の赤色塗料を調製し
た。
しかるのち、下塗りとして、中油アルキド樹脂とルチ
ル型酸化チタンとから調製されたアルキド樹脂系の白色
塗料が塗装された、厚さが0.8mmなる燐酸亜鉛処理鋼板
上に、各実施例および比較例で得られたそれぞれの着色
塗料を、各別に、エアースプレー塗装せしめ、室温に7
日間放置して乾燥せしめて、各種の塗膜を得た。
次いで、これらのそれぞれの塗膜について“ちぢみ”
や“ふくれ”などの、いわゆる塗面の状態を目視により
評価判定すると共に、こうした塗面状態に何らの異状も
が認められなかった塗膜については、さらに、サンシャ
インウェザオメーターにより、3,000時間の曝露を行な
って、塗面の光沢の変化、つまり、光沢保持率をも比較
検討した。
それらの結果は、まとめて、次の第1表に示される通
りであった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ふっ素原子の含有率が5〜60重量%であっ
    て、かつ、生成共重合体の固形分にn−ヘプタンを滴下
    していって該共重合体が白濁するまでに要するn−ヘプ
    タン量(ミリリットル)を、この測定のために採取し
    た、該共重合体の固形分量(グラム)で除して100倍し
    た値を以て定義される“n−ヘプタンに対する溶解度”
    が、25℃において200以上である有機溶剤溶液型含ふっ
    素共重合体(I)と、有機顔料とを混合し、分散させ、
    次いで、重合に用いるビニル単量体類は溶解するが、こ
    れを重合させて得られるビニル系重合体は溶解しない有
    機溶剤類中において、かつ、該有機溶剤類に溶解ないし
    膨潤しうる分散安定化剤の存在下において、ビニル単量
    体類またはその混合物を分散重合反応せしめて得られる
    ビニル系重合体の有機溶剤分散液(II)を、前者共重合
    体(I)と後者有機溶剤分散液(II)との固形分重量比
    〔(I)/(II)〕が5/95〜80/20となる割合で混合せ
    しめて成る、塗料。
  2. 【請求項2】前記したビニル系重合体の有機溶剤分散液
    (II)が、1〜50重量%なる範囲内の、該有機溶剤分散
    液(II)の固形分当たりの、ふっ素原子含有率を有する
    ものである、請求項1に記載の塗料。
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