JP2841007B2 - 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

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JP2841007B2
JP2841007B2 JP5080794A JP8079493A JP2841007B2 JP 2841007 B2 JP2841007 B2 JP 2841007B2 JP 5080794 A JP5080794 A JP 5080794A JP 8079493 A JP8079493 A JP 8079493A JP 2841007 B2 JP2841007 B2 JP 2841007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料供給装置
における自己診断装置に関し、詳しくは、空燃比学習補
正機能を有した燃料供給装置において、前記空燃比学習
の結果を用いて燃料供給系の異常を診断する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の燃料供給装置における
自己診断装置としては、例えば特開平4−318244
号公報等に開示されるようなものがある。このものは、
酸素センサで検出される排気中の酸素濃度を介して機関
吸入混合気の空燃比を検出し、該検出された空燃比と目
標空燃比とを比較して、目標空燃比に近づけるための空
燃比フィードバック補正係数を設定する一方、該空燃比
フィードバック補正係数による要求補正量を機関負荷と
回転とをパラメータとする学習領域別に学習する空燃比
学習機能を有した燃料供給装置において、前記学習値に
基づいて燃料供給装置の自己診断を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料タンク
内の蒸発燃料を一旦キャニスタに吸着(チャージ)した
後、前記キャニスタから脱離(パージ)させた蒸発燃料
を機関の吸気系に供給する構成の燃料蒸発ガス抑止装置
を備えた機関では、キャニスタから脱離された蒸発燃料
が機関に供給されると、該蒸発燃料が余分な燃料供給と
なって空燃比をリッチ化させることになる。そして、か
かるキャニスタからの蒸発燃料の脱離に伴う空燃比のリ
ッチ化を解消する方向に空燃比学習がなされ、然も、前
記学習された領域を用いて自己診断がなされると、燃料
供給系の部品故障による空燃比の乱れと前記キャニスタ
からの蒸発燃料の供給に伴う空燃比の乱れとが区別でき
ないために、誤診断を引き起こす可能性があった。
【0004】ここで、キャニスタからのパージ通路に介
装されたパージコントロールバルブの開状態で学習され
た空燃比学習値に基づく自己診断を禁止するようにすれ
ば、蒸発燃料の供給(キャニスタパージ)によってリッ
チ化した状態での学習値に基づいて誤診断されることが
回避される。しかしながら、かかる構成では、実際には
蒸発燃料の供給が行われないときにも自己診断が行われ
ないことになって、自己診断の禁止領域が広くなり過
ぎ、自己診断に用いる学習領域の設定によっては自己診
断の機会が失われてしまうという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、運転領域別の空燃比学習結果を用いた燃料供給系
の自己診断において、自己診断の機会を確保しつつ、キ
ャニスタパージに伴う誤診断を回避できる自己診断装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置は、図1
に示すように構成される。図1において、空燃比検出手
段は、機関吸入混合気の空燃比を検出し、空燃比学習手
段は、空燃比検出手段で検出される空燃比に基づいて目
標空燃比を得るための空燃比学習補正値を運転領域別に
学習する。
【0007】そして、空燃比制御手段は、前記空燃比学
習手段で学習された運転領域別の空燃比学習補正値に基
づいて機関への燃料供給量を補正する。一方、キャニス
タは、燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集すると共に、
該吸着捕集した蒸発燃料を脱離し、運転条件に応じて開
閉されるパージ通路を介して内燃機関の吸気通路に供給
する手段である。ここで、自己診断手段は、前記空燃比
学習手段で学習された空燃比学習値に基づいて燃料供給
装置の自己診断を行う。
【0008】また、脱離状態判定手段は、キャニスタ温
度検出手段で検出されたキャニスタ内の温度と、キャニ
スタ周囲温度検出手段で検出されたキャニスタの周囲温
度との偏差に基づいて前記キャニスタにおける蒸発燃料
の脱離状態を判定する。そして、自己診断禁止手段は、
脱離状態判定手段で脱離状態が判定され、かつ、前記パ
ージ通路が開いているときに、前記自己診断手段におけ
る自己診断を禁止する。
【0009】
【作用】かかる構成によると、運転領域別の空燃比学習
の結果を用いて自己診断がなされるが、キャニスタ内の
温度及びキャニスタの周囲温度が検出され、キャニスタ
内の温度とキャニスタの周囲温度との偏差に基づいて
ャニスタにおける脱離状態(パージ状態)が判定され
る。そして、脱離状態が判定され、かつ、前記パージ通
路が開いているときに、前記空燃比学習結果を用いる自
己診断が禁止される。
【0010】即ち、キャニスタ内の温度と周囲温度との
偏差によって脱離状態が判定され、かつ、パージ通路が
開いていることを条件として、実際に脱離が行われてい
るか否かを判定し、脱離された蒸発燃料が機関に供給さ
れることによって空燃比をリッチ化させる状態での学習
結果に用いて誤った自己診断がなされることを回避す
る。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1には、スロットルチャ
ンバー2及び吸気マニホールド3を介して空気が吸入さ
れる。前記スロットルチャンバー2には、図示しないア
クセルペダルと連動するスロットル弁4が設けられてい
て、機関1の吸入空気流量Qを制御する。吸気マニホー
ルド3には、各気筒毎に電磁式燃料噴射弁5が設けられ
ていて、図示しない燃料ポンプから圧送されプレッシャ
レギュレータにより所定の圧力に制御される燃料を吸気
マニホールド3内に噴射供給する。前記燃料噴射弁5に
よる燃料噴射量の制御は、マイクロコンピュータ内蔵の
コントロールユニット6で行われるようになっている。
【0012】また、内燃機関1の各気筒には、それぞれ
点火栓7が設けられていて、これらには点火コイル8に
て発生する高電圧がディストリビュータ9を介して順次
印加され、これにより、火花点火して混合気を着火燃焼
させる。ここで、点火コイル8は、付設されたパワート
ランジスタ10を介して高電圧の発生時期が制御されるよ
うになっている。
【0013】前記スロットル弁4には、その開度TVO
をポテンショメータによって検出するスロットルセンサ
11が付設されており、また、前記ディストリビュータ9
に内蔵されたクランク角センサ12からは、所定クランク
角度毎に検出信号が出力されるようになっている。ま
た、機関1の冷却水ジャケットには、機関温度を代表す
る冷却水温度Twを検出する水温センサ13が設けられて
おり、また、排気マニホールド14には、機関1の吸入混
合気の空燃比と密接な関係にある排気中の酸素濃度を検
出する空燃比検出手段としての酸素センサ15が設けられ
ている。
【0014】更に、前記機関1には、燃料タンク20の蒸
発ガス処理装置21が備えられている。前記蒸発ガス処理
装置21は、キャニスタ22内に充填された活性炭などの吸
着剤23に、燃料タンク20内で発生した燃料の蒸発ガスを
吸着捕集させ、該吸着剤23に吸着された燃料を、パージ
通路24を介してスロットル弁4下流側の吸気通路に供給
するものである。
【0015】前記キャニスタ22には、燃料タンク20内の
正圧が所定以上になったときに開くチェックバルブ25が
介装された蒸発ガス通路26を介して燃料タンク20内の蒸
発ガスが導入されるようになっており、また、前記パー
ジ通路24には、スロットル負圧又は大気圧が基準圧導入
路27を介して導入される圧力室を備えたダイヤフラムバ
ルブ28が介装されている。
【0016】前記ダイヤフラムバルブ28は、圧力室にス
ロットル負圧が与えられるとスプリング28aの閉弁付勢
力に抗してパージ通路24を開き、圧力室が大気圧になっ
たときには前記スプリング28aの閉弁付勢力によって閉
弁してパージ通路24を閉じるものである。ここで、前記
ダイヤフラムバルブ28の圧力室に対して選択的にスロッ
トル負圧を与えるために、前記基準圧導入路27にコント
ロールユニット6によって通電制御される常開型のパー
ジコントロールソレノイド29が介装されている。
【0017】前記パージコントロールソレノイド29は、
オフ状態では、スロットル負圧を導入する負圧導入路30
と前記基準圧導入路27とを連通させ、また、オン状態で
は、スロットル弁4上流側から大気圧を導入する大気圧
導入路31と前記基準圧導入路27とを連通させる構成とな
っている。従って、このパージコントロールソレノイド
29のオン・オフによってダイヤフラムバルブ28の圧力室
にスロットル負圧と大気圧とを切り換えて導入させるこ
とができ、これにより、パージ通路24の開閉がコントロ
ールユニット6によって電子制御できるようになってい
る。
【0018】コントロールユニット6は、冷却水温度T
wや車速のなどの運転条件に応じて前記パージコントロ
ールソレノイド29をオン・オフし、キャニスタパージを
制御する。また、本実施例では、更に、前記キャニスタ
22内の温度(吸着剤23の温度) Tcを検出するキャニス
タ温度検出手段としてのキャニスタ内温度センサ32と、
前記キャニスタ内温度Tcの吸着・脱離による変化を判
定するために、キャニスタ22の周囲温度Taを検出する
キャニスタ周囲温度検出手段としてのキャニスタ周囲温
度センサ33とが設けられている。
【0019】ここにおいて、コントロールユニット6に
内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図3〜図
5のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプログラ
ムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック補正
制御及び運転領域毎の空燃比学習補正制御を実行しつつ
燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制御す
る一方、前記燃料噴射弁6や燃料ポンプ,プレッシャレ
ギュレータ等で構成される燃料供給系の自己診断を前記
空燃比学習の結果を用いて行う。
【0020】尚、本実施例において、空燃比学習手段,
空燃比制御手段,自己診断手段,脱離状態判定手段,自
己診断禁止手段としての機能は、前記図3〜図5のフロ
ーチャートに示すようにコントロールユニット12がソフ
トウェア的に備えている。図3のフローチャートに示す
プログラムは、基本燃料噴射量(基本燃料供給量)Tp
に乗算される空燃比フィードバック補正係数LMDを、
比例・積分制御により設定するプログラムである。
【0021】まず、ステップ1(図中ではS1としてあ
る。以下同様)では、酸素センサ15から排気中の酸素濃
度に応じて出力される電圧信号を読み込む。そして、次
のステップ2では、ステップ1で読み込んだ酸素センサ
15からの電圧信号と、目標空燃比である理論空燃比相当
のスライスレベル(例えば500mV)とを比較する。
【0022】酸素センサ15からの電圧信号がスライスレ
ベルよりも大きく空燃比が理論空燃比よりもリッチであ
ると判別されたときには、ステップ3へ進み、今回のリ
ッチ判別が初回であるか否かを判別する。リッチ判別が
初回であるときには、ステップ4へ進んで前回までに設
定されている空燃比フィードバック補正係数LMDを最
大値aにセットする。
【0023】次のステップ5では、前回までの補正係数
LMDから所定の比例定数Pだけ減算して補正係数LM
Dの減少制御を図る。また、ステップ6では、比例制御
を実行したことを示すフラグFPに1をセットする。一
方、ステップ3で、リッチ判別が初回でないと判別され
たときには、ステップ7へ進み、積分定数Iに最新の燃
料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係数LM
Dから減算して補正係数LMDを更新する。
【0024】また、ステップ2で空燃比が目標に対して
リーンであると判別されたときには、リッチ判別のとき
と同様にして、まず、ステップ8で今回のリーン判別が
初回であるか否かを判別し、初回であるときには、ステ
ップ9へ進んで前回までの補正係数LMDを最小値bに
セットする。次のステップ10では、前回までの補正係数
LMDに比例定数Pを加算して更新し、ステップ11で
は、前記フラグFPに1をセットする。
【0025】ステップ8でリーン判別が初回でないと判
別されたときには、ステップ12へ進み、積分定数Iに最
新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回までの補正係
数LMDに加算する。図4のフローチャートに示すプロ
グラムは、運転領域別の空燃比学習プログラムである。
【0026】ステップ21では、前記フラグFPの判別を
行い、FPが1であるときには、ステップ22へ進みFP
をゼロリセットした後、本プログラムによる各種処理を
行い、ゼロであるときにはそのまま本プログラムを終了
させる。ステップ22でFPをゼロリセットすると、次の
ステップ23では、機関負荷を代表する基本燃料噴射量T
p(=K×Q/Ne;Kは定数)と機関回転速度Neと
をパラメータとして複数に区分される運転領域別に空燃
比学習補正係数 KBLRCを書き換え可能に記憶する空燃比
学習マップ上で、現在の運転条件が該当する領域を特定
するために、最新の基本燃料噴射量Tpと機関回転速度
Neとをそれぞれに読み込む。
【0027】そして、次のステップ24では、ステップ23
で読み込んだ基本燃料噴射量Tpと機関回転速度Neと
に対応する空燃比学習マップ上の領域に記憶されている
空燃比学習補正係数 KBLRCを読み出して、これを KBLRC
OLD にセットする。ステップ25では、前記空燃比フィー
ドバック補正係数LMDの最大最小値a,bの平均値
(=(a+b)/2)と収束目標値(補正係数LMDの
初期値であり、本実施例では1.0 )との偏差の所定割合
Xを、前記空燃比学習補正係数 KBLRC OLD に加算した値
を、該当領域の新たな空燃比学習補正係数 KBLRC
NEW (← KBLRCOLD +X・{(a+b)/2−1.0 })
としてセットする。
【0028】かかる学習によって、空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDによる補正分が運転領域別の空燃比学
習補正係数 KBLRCに転化され、空燃比フィードバック補
正係数LMDと収束目標値との偏差を減少させることが
でき、空燃比フィードバック補正係数LMDを目標収束
値付近に安定させつつ、運転領域によって異なる補正要
求に対応することができるようになる。
【0029】ステップ26では、前記空燃比学習補正係数
KBLRCNEW を、空燃比学習マップ上の該当領域に対応す
る更新データとして、マップデータの書き換えを行う。
尚、最終的な燃料噴射量Ti(燃料供給量)は、吸入空
気流量Qと機関回転速度Neとから基本燃料噴射量Tp
を演算する一方、冷却水温度Tw等の運転条件によって
各種補正係数COを設定し、また、バッテリ電圧に応じ
た補正分Tsを設定し、更に、前記空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDと、学習マップ上で該当する運転領域
に記憶されている空燃比学習補正係数 KBLRCとを読み込
んで、Ti=Tp×CO×LMD× KBLRC+Tsとして
演算されるようになっている。
【0030】そして、機関回転に同期した所定噴射タイ
ミングにおいて、最新に演算された前記燃料噴射量Ti
に相当するパルス幅の噴射パルス信号が燃料噴射弁6に
出力されることで、機関への燃料供給が制御される。ス
テップ27では、前記空燃比学習マップに記憶される運転
領域別の空燃比学習補正係数 KBLRC(空燃比学習補正
値)に基づいて燃料供給系の自己診断を行う。
【0031】このステップ27における自己診断の詳細
は、図5のフローチャートに示してある。この図5のフ
ローチャートにおいて、まず、ステップ31では、キャニ
スタ周囲温度センサ33で検出されたキャニスタ22の周囲
温度Taを読み込む。また、ステップ32では、キャニス
タ内温度センサ32で検出されたキャニスタ内温度Tcを
読み込む。
【0032】そして、ステップ33では、前記周囲温度T
aとキャニスタ内温度Tcとの偏差ΔT(←Ta−T
c)を演算する。ステップ34では、前記温度偏差ΔTと
所定温度とを比較し、キャニスタ内温度Tcが周囲温度
Taに比して所定以上に低い状態であるか否かを判別す
る。前記キャニスタ22に用いられる吸着剤23において
は、蒸発燃料を吸着(チャージ)しているときには温度
が上昇し、また、吸着した蒸発燃料を脱離(パージ)す
るときには温度が下降する性質を有することが一般に知
られている。
【0033】従って、脱離状態であれば、キャニスタ内
温度Tcは周囲温度Taよりも低くなるはずであり、前
記偏差ΔTが所定温度を越えると判別されたときには、
キャニスタ22における脱離状態が推定され、逆に、前記
偏差ΔTが所定温度以下であると判別されたときには、
キャニスタ22の非脱離状態が推定される。ここで、キャ
ニスタ22が脱離状態にあり、脱離された蒸発燃料がパー
ジ通路24を介して機関に供給されると、機関要求量に応
じて燃料噴射弁5から噴射供給される燃料に対して、前
記パージ通路24を介して供給される燃料が余分に付加さ
れることにより空燃比がリッチ化する。そして、該空燃
比のリッチ化を解消すべく空燃比フィードバック補正が
なされ、かかるフィードバック補正の結果が学習される
ことになる。
【0034】一方、本実施例においては、後述するよう
に、空燃比学習マップ上の学習値に基づいて燃料供給系
の自己診断を行うため、上記のように燃料供給系の故障
ではない要因によって大きな空燃比ずれが生じ、かかる
空燃比ずれが学習されると、誤診断を招く惧れがある。
そこで、ステップ34で前記偏差ΔTが所定温度以下であ
ると判別されたときには、ステップ36へ進んで自己診断
を行わせるが、前記偏差ΔTが所定温度を越えキャニス
タ22における脱離状態が推定されるときには、ステップ
35へ進み、脱離された蒸発燃料が実際にパージ通路24を
介して機関1に供給されている状態であるか否かを、前
記パージコントロールソレノイド29のオン・オフ(開
閉)状態に基づいて判定する。
【0035】即ち、キャニスタ22内では脱離が生じてい
る状態であっても、前記パージコントロールソレノイド
29が閉じられていれば、脱離された燃料はキャニスタ22
内に滞留し、機関1に供給されることはないので、脱離
燃料による空燃比への影響はなく、非脱離状態と同様に
して通常に自己診断をおこなわせることができる。従っ
て、ステップ35でパージコントロールソレノイド29のオ
ン状態(閉状態)が判定されたときには、自己診断を行
わせるべくステップ36へ進むが、オフ状態(開状態)が
判定されたときには、キャニスタパージに伴う誤診断を
回避すべく、自己診断を行うことなく、本ルーチンを終
了させる。
【0036】キャニスタ22における非脱離状態若しくは
脱離状態であってもソレノイド29の閉状態によって脱離
燃料が供給されない状態のときには、ステップ36以降へ
進んで燃料供給系の自己診断を行う。従って、本実施例
によれば、キャニスタパージに伴う空燃比ずれが学習さ
れた結果に基づいて自己診断されることを回避でき、自
己診断の精度を維持できる一方、キャニスタ内温度Tc
に基づいて判定される実際に脱離燃料が機関に供給され
るときにのみ診断をキャンセルする構成であるから、診
断の機会を必要充分に確保するできることになる。
【0037】ステップ36では、空燃比学習マップ上の予
め設定された診断領域A,Bにおける空燃比学習値を読
み込む。尚、前記診断領域A,Bは、学習マップ上の1
領域であっても良いが、隣接する複数領域の代表値を求
める構成であっても良い。次のステップ37では、前記読
み込んだ2つの診断領域A,Bにおける空燃比学習値の
偏差の絶対値ΔMRを演算する。
【0038】そして、次のステップ38では、前記偏差Δ
MRと所定値とを比較し、偏差ΔMRが所定以上である
場合、即ち、診断領域A,Bそれぞれにおける空燃比学
習値に所定以上の偏差がある場合には、ステップ39へ進
んで燃料系の異常を診断する。一方、前記偏差ΔMRが
所定未満である場合には、通常の部品ばらつき分の学習
がなされている正常状態であると見做し、本ルーチンを
そのまま終了させる。
【0039】尚、上記実施例に示した空燃比学習方法及
び学習結果を用いた診断方法に限定されるものではな
く、運転領域別の空燃比学習の結果を用いて燃料系の診
断を行う構成のものであれば、同様にして、診断機会を
確保しつつ誤診断を回避できる。
【0040】更に、脱離状態から非脱離状態に移行した
直後においても、自己診断を禁止させるようにすると良
い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、空
燃比学習の結果を用いて燃料供給系の自己診断を行うシ
ステムにおいて、キャニスタから脱離された蒸発燃料に
影響された空燃比学習結果に基づき誤診断されることを
回避できると共に、キャニスタ内温度に基づいてキャニ
スタの脱離状態を判定して自己診断を禁止することで、
診断機会を確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】同上実施例の空燃比フィードバック制御を示す
フローチャート。
【図4】同上実施例の空燃比学習制御を示すフローチャ
ート。
【図5】同上実施例の燃料供給系の自己診断を示すフロ
ーチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関 4 スロットル弁 5 燃料噴射弁 6 コントロールユニット 15 酸素センサ 20 燃料タンク 21 蒸発ガス処理装置 22 キャニスタ 23 吸着剤 24 パージ通路 28 ダイヤフラムバルブ 29 パージコントロールソレノイド 32 キャニスタ内温度センサ 33 キャニスタ周囲温度センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/14 310 F02D 41/02 325 F02D 45/00 345 F02M 25/08 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、 該空燃比検出手段で検出される空燃比に基づいて目標空
    燃比を得るための空燃比学習補正値を運転領域別に学習
    する空燃比学習手段と、 該空燃比学習手段で学習された運転領域別の空燃比学習
    補正値に基づいて機関への燃料供給量を補正する空燃比
    制御手段と、 を含んで構成される一方、 燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集すると共に、該吸着
    捕集した蒸発燃料を脱離し、運転条件に応じて開閉され
    るパージ通路を介して内燃機関の吸気通路に供給するキ
    ャニスタと、 前記空燃比学習手段で学習された空燃比学習値に基づい
    て燃料供給装置の自己診断を行う自己診断手段と、 前記キャニスタ内の温度を検出するキャニスタ温度検出
    手段と、前記キャニスタの周囲温度を検出するキャニスタ周囲温
    度検出手段と、 前記キャニスタ内の温度と前記キャニスタの周囲温度と
    の偏差に基づいて 前記キャニスタにおける蒸発燃料の脱
    離状態を判定する脱離状態判定手段と、該脱離状態判定手段で脱離状態が判定され、かつ、前記
    パージ通路が開いているときに、 前記自己診断手段にお
    ける自己診断を禁止する自己診断禁止手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料供
    給装置における自己診断装置。
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