JP2665837B2 - 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

Info

Publication number
JP2665837B2
JP2665837B2 JP3085419A JP8541991A JP2665837B2 JP 2665837 B2 JP2665837 B2 JP 2665837B2 JP 3085419 A JP3085419 A JP 3085419A JP 8541991 A JP8541991 A JP 8541991A JP 2665837 B2 JP2665837 B2 JP 2665837B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel ratio
learning
fuel
fuel supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3085419A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04318244A (ja
Inventor
伸平 中庭
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP3085419A priority Critical patent/JP2665837B2/ja
Publication of JPH04318244A publication Critical patent/JPH04318244A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2665837B2 publication Critical patent/JP2665837B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料供給装置
における自己診断装置に関し、詳しくは、自動車用内燃
機関における吸入混合気の空燃比が目標空燃比に一致す
るように燃料供給量を補正するよう構成された燃料供給
装置の自己診断に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空燃比フィードバック補正制御機
能をもつ内燃機関の電子制御燃料噴射装置においては、
特開昭60−90944号公報,特開昭61−1901
42号公報等に開示されるように、空燃比の学習制御が
採用されているものがある。空燃比フィードバック補正
制御は、目標空燃比(例えば理論空燃比)に対する実際
の空燃比のリッチ・リーンを機関排気系に設けた酸素セ
ンサにより判別し、該判別結果に基づき空燃比フィード
バック補正係数LMDを比例・積分制御などにより設定
し、機関に吸入される空気量に関与する機関運転状態の
パラメータ(例えば吸入空気流量Qと機関回転速度N)
から算出される基本燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィ
ードバック補正係数LMDで補正することで、実際の空
燃比を目標空燃比にフィードバック制御するものであ
る。
【0003】ここで、前記空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値(目標収束値)からの偏差を、複数に
区分された運転領域毎に学習して学習補正係数KBLRC(空
燃比学習補正値)を定め、基本燃料噴射量Tpを前記学
習補正係数KBLRC により補正して、補正係数LMDなし
で得られるベース空燃比が略目標空燃比に一致するよう
にし、空燃比フィードバック制御中は更に前記補正係数
LMDで補正して燃料噴射量Tiを演算するものであ
る。
【0004】これにより、運転条件毎に異なる補正要求
に対応した燃料補正が行え、実際の空燃比を理論空燃比
付近に安定させて、三元触媒装置における転換効率を良
好に維持し、排気中の有害成分濃度を低レベルに制御で
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸入空気量
を検出するエアフローメータ,燃料噴射弁,燃料ポンプ
などの燃料供給制御系の構成部品に故障や劣化が発生
し、ベース空燃比が目標空燃比から大きくずれた場合に
は、たとえ空燃比学習が進行して平均的には空燃比フィ
ードバック補正係数LMDが目標に収束するようになっ
ても、実際には、排気性状の悪化(排気有害成分の濃度
増大)を招くことがある。そのため、かかるベース空燃
比の変化を自己診断させ、この診断結果に基づいて故障
・劣化個所の部品交換やメンテナンスを促すことによ
り、目標空燃比への制御性(排気性状)が悪化している
状況での運転を回避させたいという要求があった。
【0006】ここで、前記診断方法として、前述のよう
な空燃比学習補正機能を有した燃料供給装置において、
目標空燃比を得るための要求補正値が運転領域毎に学習
された前記学習補正係数KBLRC の平均値が、初期値に対
して所定以上の偏差を有しているときに、燃料供給系の
部品の故障や劣化などを原因としてベース空燃比の大き
な変化が発生したものと推定する方法を勘案した。
【0007】しかしながら、各運転領域別の前記学習補
正係数KBLRC (空燃比学習補正値)それぞれが変化後の
ベース空燃比に対応して学習されるまでの学習過渡状態
では、未学習領域の学習補正係数KBLRC はベース空燃比
の変化を精度良く示すものではないから、学習が充分に
進行するまでの間は、学習補正係数KBLRC の平均値に基
づいて大きなベース空燃比の変化を診断することができ
ず、ベース空燃比の変化に見合った学習結果の更新が各
運転領域でなされるまでの間は、空燃比制御性が悪化し
た状態で運転が行われてしまうという問題があった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、部品故障や劣化によりベース空燃比が大きく変化
した状況を、各運転領域での学習の進行を待たずに応答
性良く診断できる診断装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置は、図1
に示すように構成される。図1において、機関運転条件
検出手段は、機関の吸入空気量と機関回転速度とを少な
くとも含む機関運転条件を検出し、基本燃料供給量設定
手段は、前記検出された機関運転条件に基づいて基本燃
料供給量を設定する。
【0010】また、空燃比フィードバック補正値設定手
段は、空燃比検出手段で検出された機関吸入混合気の空
燃比と目標空燃比とを比較して実際の空燃比を前記目標
空燃比に近づけるように前記基本燃料供給量を補正する
ための空燃比フィードバック補正値を設定する。また、
記憶手段は、機関負荷と機関回転速度とに基づき複数に
区分された運転領域毎に前記基本燃料供給量を補正する
ための空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶してお
り、空燃比学習手段は、前記空燃比フィードバック補正
値の目標収束値からの偏差を学習し、前記記憶手段の該
当領運転領域に対応して記憶されている前記空燃比学習
補正値を前記偏差を減少させる方向に修正して書き換え
る。
【0011】そして、燃料供給量設定手段は、前記基本
燃料供給量,空燃比フィードバック補正値及び前記記憶
手段において該当運転領域に記憶されている空燃比学習
補正値に基づいて最終的な燃料供給量を設定し、燃料供
給制御手段は、前記設定された燃料供給量に基づいて燃
料供給手段を駆動制御する。ここで、更新段差演算手段
は、前記記憶手段の機関負荷が同じレベルであって機関
回転速度のレベルが異なる複数領域、及び/又は、機関
回転速度のレベルが同じであって機関負荷が異なる複数
領域において、学習済の空燃比学習補正値の平均値を求
め、該平均値の最新値と前回値との差として更新段差を
演算し、更新段差による診断手段は、更新段差演算手段
で演算された更新段差に基づいて前記燃料供給装置の不
良を診断する。
【0012】また、図1中に点線で示すように、前記記
憶手段の全領域での空燃比学習補正値の平均値を演算す
る平均学習補正値演算手段を備え、前記更新段差による
診断手段が、前記更新段差演算手段で演算された更新段
差と共に、前記平均学習補正値演算手段で演算された空
燃比学習補正値の平均値に基づいて前記燃料供給装置の
不良を診断する構成としても良い。
【0013】
【作用】前記空燃比学習は、運転領域別に目標空燃比
得るための要求補正レベルが学習されるものであるか
ら、それぞれの運転領域で要求補正レベルに学習されて
いれば、学習結果を更新する必要性が減少し、学習結果
の更新段差は充分に小さなレベルとなる。これに対し、
運転領域別の補正要求に見合った学習結果が得られてい
ない場合には、空燃比フィードバック補正値を目標収束
値から大きく変化させて実際の空燃比を目標空燃比に近
づけようとするから、学習結果の更新段差が大きくな
る。
【0014】従って、更新段差が大きいときには、運転
領域別の補正要求に見合った空燃比学習補正が行われて
おらず、目標空燃比に安定させる制御が行えていないこ
とを示すことになる。そこで、同じ機関負荷レベル毎及
び/又は同じ機関回転速度レベル毎に空燃比学習補正値
の平均値を求めると共に、該平均値の最新値と前回値と
の差として更新段差と求めて、該更新段差に基づいて不
良診断を行わせる構成としたものである。
【0015】ここで、部品故障・劣化によってベース空
燃比の変化があっても、かかる変化後のベース空燃比特
性に見合った学習が行われば、空燃比学習補正値の更新
段差は小さくなり、また、劣化がゆっくり進行する場合
には小さな更新段差で空燃比学習補正値の学習が徐々に
進行することになり、燃料供給系の部品故障・劣化を更
新段差に基づき診断させることができない。そこで、前
記更新段差と共に、空燃比学習補正値の全領域での平均
値を組み合わせて自己診断させるようにすることで、部
品故障・劣化によってベース空燃比が変化した場合に、
学習進行中の排気性状の悪化のみならず、学習が収束し
た段階での潜在的な空燃比制御性の悪化を診断できるよ
うにした。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、内燃機関1にはエアクリーナ2か
ら吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホールド
5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の各
ブランチ部には、各気筒別に燃料供給手段としての燃料
噴射弁6が設けられている。この燃料噴射弁6は、ソレ
ノイドに通電されて開弁し、通電停止されて閉弁する電
磁式燃料噴射弁であって、後述するコントロールユニッ
ト12からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図
示しない燃料ポンプから圧送されてプレッシャレギュレ
ータにより所定の圧力に調整された燃料を、機関1に間
欠的に噴射供給する。
【0017】機関1の各燃焼室には点火栓7が設けられ
ていて、これにより火花点火して混合気を着火燃焼させ
る。そして、機関1からは、排気マニホールド8,排気
ダクト9,三元触媒10及びマフラー11を介して排気が排
出される。コントロールユニット12は、CPU,RO
M,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイス等
を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種
のセンサからの入力信号を受け、後述の如く演算処理し
て、燃料噴射弁6の作動を制御する。
【0018】前記各種のセンサとしては、吸気ダクト3
中にエアフローメータ13が設けられていて、機関1の吸
入空気流量Qに応じた信号を出力する。また、クランク
角センサ14が設けられていて、本実施例の4気筒の場
合、クランク角180 °毎の基準信号REFと、クランク
角1°又は2°毎の単位信号POSとを出力する。ここ
で、基準信号REFの周期、或いは、所定時間内におけ
る単位信号POSの発生数を計測することにより機関回
転速度Nを算出できる。
【0019】また、機関1のウォータジャケットの冷却
水温度Twを検出する水温センサ15が設けられている。
ここで、上記エアフローメータ13,クランク角センサ1
4,水温センサ15等が本実施例における機関運転条件検
出手段に相当する。
【0020】また、排気マニホールド8の集合部に空燃
比検出手段としての酸素センサ16が設けられ、排気中の
酸素濃度を介して吸入混合気の空燃比を検出する。前記
酸素センサ16は、排気中の酸素濃度が理論空燃比(本実
施例における目標空燃比)を境に急変することを利用し
て、実際の空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーン
を検出する公知のものであり、本実施例では、理論空燃
比よりもリッチ空燃比であるときには比較的高い電圧信
号を出力し、逆にリーン空燃比であるときには0V付近
の低い電圧信号を出力するものとする。
【0021】ここにおいて、コントロールユニット12に
内蔵されたマイクロコンピュータのCPUは、図3〜図
13のフローチャートにそれぞれ示すROM上のプログラ
ムに従って演算処理を行い、空燃比フィードバック補正
制御及び運転領域毎の空燃比学習補正制御を実行しつつ
燃料噴射量Tiを設定し、機関1への燃料供給を制御す
る一方、燃料供給系の自己診断を行う。
【0022】尚、本実施例において、基本燃料供給量設
定手段,燃料供給量設定手段,燃料供給制御手段,空燃
比フィードバック補正値設定手段,空燃比学習手段,更
新段差演算手段,更新段差による診断手段,平均学習補
正値演算手段としての機能は、前記図3〜図13のフロー
チャートに示すようにコントロールユニット12がソフト
ウェア的に備えており、また、記憶手段としてはコント
ロールユニット12に内蔵された図示しないマイクロコン
ピュータのバックアップ機能付のRAMが相当するもの
とする。
【0023】図3及び図4のフローチャートに示すプロ
グラムは、基本燃料噴射量(基本燃料供給量)Tpに乗
算される空燃比フィードバック補正係数LMD(空燃比
フィードバック補正値)を、比例・積分制御により設定
するプログラムであり、機関1の1回転(1rev)毎に実
行される。まず、ステップ1(図中ではS1としてあ
る。以下同様)では、酸素センサ16から排気中の酸素濃
度に応じて出力される電圧信号を読み込む。
【0024】そして、次のステップ2では、ステップ1
で読み込んだ酸素センサ16からの電圧信号と、理論空燃
比(目標空燃比)相当のスライスレベル(例えば500mV)
とを比較する。酸素センサ16からの電圧信号がスライス
レベルよりも大きく空燃比が理論空燃比よりもリッチで
あると判別されたときには、ステップ3へ進み、今回の
リッチ判別が初回であるか否かを判別する。
【0025】リッチ判別が初回であるときには、ステッ
プ4へ進んで前回までに設定されている空燃比フィード
バック補正係数LMDを最大値aにセットする。次のス
テップ5では、前回までの補正係数LMDから所定の比
例定数Pだけ減算して補正係数LMDの減少制御を図
る。また、ステップ6では、比例制御を実行したことを
示すフラグFPに1をセットする。
【0026】一方、ステップ3で、リッチ判別が初回で
ないと判別されたときには、ステップ7へ進み、積分定
数Iに最新の燃料噴射量Tiを乗算した値を、前回まで
の補正係数LMDから減算して補正係数LMDを更新す
る。また、ステップ2で空燃比が目標に対してリーンで
あると判別されたときには、リッチ判別のときと同様に
して、まず、ステップ8で今回のリーン判別が初回であ
るか否かを判別し、初回であるときには、ステップ9へ
進んで前回までの補正係数LMDを最小値bにセットす
る。
【0027】次のステップ10では、前回までの補正係数
LMDに比例定数Pを加算して更新し、ステップ11で
は、前記フラグFPに1をセットする。ステップ8でリ
ーン判別が初回でないと判別されたときには、ステップ
12へ進み、積分定数Iに最新の燃料噴射量Tiを乗算し
た値を、前回までの補正係数LMDに加算する。
【0028】リッチ・リーン判別の初回で補正係数LM
Dの比例制御を実行したときには、更に、空燃比学習補
正制御に関わる後述するような各種処理を行う。尚、本
実施例では、図14に示すように、全運転領域を16の単位
運転領域に区分してそれぞれの単位運転領域別に学習補
正係数KBLRC1を書き換え可能に記憶した16領域学習マッ
プと、全運転領域を256 の単位運転領域に区分してそれ
ぞれの単位運転領域別に学習補正係数KBLRC2を更新可能
に記憶する256 領域学習マップとを備えて、空燃比学習
制御装置が構成される。また、運転領域を区分しないで
全運転条件で適用され、全運転領域における平均的な補
正要求を示す学習補正係数KBLRCφが別途学習設定され
るようになっている。
【0029】空燃比フィードバック補正係数LMDの比
例制御が行われたときには、まず、ステップ13で、16領
域学習マップ上の1つの運転領域に安定して止まってい
る状態か否かを判別するためのカウント値cntの判別
を行う。後述する図5〜図8のフローチャートに示すプ
ログラムにおいて、16領域学習マップ上で該当する運転
領域が所定微小時間毎に変化しているときに、前記カウ
ント値cntには所定値(例えば4)がセットされるよ
うになっており、ステップ13でカウント値cntがゼロ
でないと判別されると、ステップ14へ進んでカウント値
cntを1ダウンさせる処理を行う。
【0030】ステップ15では、前記16領域学習マップ上
で殆どの運転領域が学習済であるか否かを、後述するよ
うに16領域別に設定される学習済フラグF〔B,A〕に
基づいて判断する。16領域学習マップ上の16領域の殆ど
が学習済であるときには、ステップ16へ進み、256 領域
学習マップ上での該当運転領域が前回と同じであるか否
かを判別する。そして、該当運転領域の変化があった場
合にのみステップ17へ進む。
【0031】ステップ17では、最新の補正係数LMD平
均値(a+b)/2の目標収束値Target(=1.0)に対す
る偏差の絶対値に基づいて、学習値の不適切度合いを示
すΔストレスのマップを参照し、補正係数LMDの目標
収束値Targetに対する偏差の増大に応じてΔストレスを
増大設定する。そして、前記Δストレスの積算値がセッ
トされる「ストレス」に今回求めたΔストレスを加算す
る。
【0032】後述するように、前記ストレスが所定以上
になると、既に学習済の空燃比学習補正係数KBLRC が不
適切であるものと判断し、学習を最初からやり直させる
ようになっている。図5〜図8のフローチャートに示す
プログラムは、運転領域別の空燃比学習プログラムであ
り、所定微小時間(例えば10ms) 毎に実行される。
【0033】ステップ21では、前記フラグFPの判別を
行い、FPが1であるときには、ステップ22へ進みFP
をゼロリセットした後、本プログラムによる各種処理を
行い、ゼロであるときにはそのまま本プログラムを終了
させる。ステップ22でFPをゼロリセットすると、次の
ステップ23では、全運転領域に共通の空燃比学習補正値
である学習補正係数KBLRC φ(初期値1.0 )が学習済で
あるか否かを示すフラグFφの判別を行う。
【0034】ここで、フラグFφがゼロであって学習補
正係数 KBLRCφの学習が済んでいないときには、ステッ
プ24へ進み、前記補正係数LMDの最大・最小値a,b
の平均値(←(a+b)/2)が略1.0 であるか否かを
判別する。(a+b)/2が略1.0 でないときには、ス
テップ26へ進み、(a+b)/2から補正係数LMDの
目標収束値Target(本実施例では1.0 )を減算した値に
所定係数Xを掛けた値を前回までの学習補正係数KBLRC
φに加算し、該加算結果を新たな学習補正係数KBLRC φ
←KBLRC φ+X{(a+b)/2−Target}として設定
する。
【0035】また、ステップ26では、16領域学習マップ
及び256 領域学習マップそれぞれの運転領域毎に記憶さ
れている学習補正係数KBLRC1,学習補正係数KBLRC2を全
て初期値である1.0 にリセットする。前記ステップ24で
(a+b)/2が略1であると判別されると、ステップ
25で前記フラグFφに1をセットして、全運転領域に対
応する学習補正係数 KBLRCφの学習が済んでいることが
判別されるようにする。
【0036】一方、ステップ23で前記フラグFφが1で
あると判別された場合には、今度は運転領域を基本燃料
噴射量Tpと機関回転速度Nとに基づいて複数に区分し
た運転領域別の空燃比学習を行う。まず、ステップ27で
は、256 領域学習マップ上で、現在の運転条件が該当す
る領域〔K,I〕を、予め運転領域を256 領域に区切る
ために設定されている基本燃料噴射量Tp及び機関回転
速度Nの閾値Tp〔i〕,N〔i〕に基づいて判別す
る。ここで、図14に示すように、Kは機関回転速度Nを
パラメータとして区切られる16領域における該当領域の
位置を示し、Iは基本燃料噴射量Tpをパラメータとし
て区切られる16領域における該当領域の位置を示す。
【0037】次のステップ28では、前記該当領域〔K,
I〕が含まれる16領域学習マップ上の領域として、16領
域学習マップ上での該当領域〔B,A〕を検出する。そ
して、次のステップ29では、16領域学習マップ上での該
当領域が前回と同一であるか否かを判別する。そして、
16領域学習マップ上で該当運転領域が変化したときに
は、ステップ30へ進んで、前記ステップ14で1ダウンさ
れるカウント値cnt に所定値(例えば4)をセットす
る。
【0038】ステップ31では、16領域学習マップにおい
て領域〔B,A〕における学習が終了しているか否かを
示すフラグF〔B,A〕を判別し、このフラグF〔B,
A〕がゼロであって領域〔B,A〕での学習が終了して
いないときには、ステップ32へ進む。ステップ32では前
記カウント値cnt がゼロであるか否かを判別し、カウン
ト値cnt がゼロでなく16領域学習マップにおける該当領
域の変動があるときには、そのまま本プログラムを終了
させ、カウント値cnt がゼロであって16領域学習マップ
上で該当する運転領域が安定しているときにのみステッ
プ33へ進む。
【0039】ステップ33では、空燃比フィードバック補
正係数LMDの平均値(a+b)/2が、目標収束値Ta
rgetである初期値(=1.0)付近であるか否かによって学
習の進行を判別する。ここで、補正係数LMDの平均値
が略1.0 であると認められず学習が済んでいないときに
はそのままステップ35へ進み、補正係数LMDの平均値
が略1.0 であって学習済であると認められるときには、
ステップ34でフラグF〔B,A〕に1をセットしてから
ステップ35へ進む。
【0040】ステップ35では、16領域学習マップ上の領
域〔B,A〕に対応して記憶されている学習補正係数KB
LRC1に対して、最大・最小値a,bの平均値から目標収
束値Targetを減算した値に所定係数X1を掛けた値を加
算し、その結果を16領域学習マップ上の今回の運転領域
〔B,A〕に対応する学習補正係数KBLRC1〔B,A〕←
KBLRC1〔B,A〕+X1 {(a+b)/2−Target}と
して新たに設定し、マップデータの更新を行う。
【0041】このような16領域学習マップ上の〔B,
A〕領域の学習中においては、256 領域学習マップにお
いてこの〔B,A〕領域に含まれる16領域の学習補正係
数KBLRC2については、ステップ36でこれを全て初期値1.
0 にリセットする。一方、ステップ31で、フラグF
〔B,A〕が1であると判別されたときには、ステップ
37へ進み、16領域学習マップ上の運転領域〔B,A〕
を、更に16領域に細分する256 領域学習マップの学習へ
移行する。
【0042】ステップ37では、補正係数LMDの平均値
である(a+b)/2が、目標収束値Targetの1.0 に略
一致しているか否かの判別を行い、(a+b)/2が略
1.0でなく空燃比フィードバック補正係数LMDによる
補正を必要としている未学習状態であるときには、ステ
ップ38へ進む。ステップ38では、(a+b)/2から目
標収束値Target(本実施例では1.0 )を減算した値に所
定係数X2を掛けた値を、256 領域学習マップの現在の
運転条件が含まれる運転領域〔K,I〕に対応して記憶
されていた学習補正係数KBLRC2〔K,I〕に加算し、こ
の加算結果を当該運転領域〔K,I〕における新たな補
正係数KBLRC2〔K,I〕←KBLRC2〔K, I〕+X2 {(a
+b)/2−Target}として設定し、マップデータの更
新を行う。
【0043】一方、ステップ37で、補正係数LMDの平
均値である(a+b)/2が目標収束値Targetの1.0 に
略一致していると判別されたときには、ステップ39へ進
み、256 領域学習マップの現在の運転条件が含まれる運
転領域〔K,I〕の学習が終了したことが判別されるよ
うにフラグFF〔K,I〕に1をセットする。そして、ス
テップ40以降では、今回学習が終了したと判別された25
6 領域学習マップ上の所定運転領域〔K,I〕に対して
同一マップ上で隣接する運転条件の近い複数の運転領域
それぞれに対して、該当領域〔K,I〕における学習補
正係数KBLRC2に基づき推定される適正な学習補正係数KB
LRC2を設定する制御を行う。
【0044】ステップ40では、256 領域学習マップにお
いて現在の運転条件が含まれる領域位置を示すK,Iか
らそれぞれ1を減算した値をm,nにセットし、次のス
テップ41ではm=K+2であるか否かを判別する。ステ
ップ40からステップ41へ進んだときにはステップ41でN
Oの判別が下されるから、ステップ42に進んで〔m,
n〕で示される256 領域学習マップ上の運転領域の学習
が終了しているか否かを、フラグFF〔m,n〕が1であ
るかゼロであるかによって判別する。
【0045】ここで、フラグFF〔m,n〕がゼロであっ
て学習が終了していないときには、ステップ43へ進む。
このステップ43では、前記256 領域学習マップ上におけ
る領域位置〔m,n〕を16領域学習マップ上の領域位置
〔m/4,n/4〕に変換することで、領域〔m,n〕
が16領域学習マップ上で含まれる領域を特定する。そし
て、256 領域学習マップ上での該当領域である〔K,
I〕に隣接する領域〔m,n〕が、16領域学習マップ上
で〔K,I〕と同じ〔B,A〕領域に含まれるか否かを
判別する。
【0046】即ち、〔K,I〕は〔B,A〕に含まれる
領域であるが、〔K,I〕の隣接領域は、16領域学習マ
ップ上で〔B,A〕に隣接する別の領域に含まれる場合
があるためであり、該当領域〔K,I〕と隣接領域
〔m,n〕とが同じ〔B,A〕に含まれるときには
(〔m/4,n/4〕=〔B,A〕)、ステップ44へ進
み、今回学習済であると判別された〔K,I〕領域に対
応する学習補正係数KBLRC2をそのまま隣接領域〔m,
n〕の学習値として記憶させる。
【0047】一方、ステップ43で該当領域〔K,I〕の
隣接領域〔m,n〕が、16領域学習マップ上で異なる領
域に含まれると判別されたときには(〔m/4,n/
4〕≠〔B,A〕)、ステップ45へ進み、隣接領域
〔m,n〕に以下の式で算出される学習補正係数KBLRC2
を格納させる。 KBLRC2〔m,n〕←KBLRC1〔B,A〕+KBLRC2〔K,I〕−KBLRC1〔m/4,n/4〕 上記のようにしてKBLRC2〔m,n〕を更新設定すると、
ステップ46では、前記mを1アップさせて再びステップ
41に戻り、m=K+2となるまで各運転領域毎に学習済
・未学習を判別する。
【0048】そして、ステップ46におけるmの1アップ
処理の結果ステップ41でm=K+2であると判別される
と、今度はステップ47へ進みn=I+2であるか否かを
判別し、n≠I+2であるときには、ステップ48で再び
mをK−1にセットし、次のステップ49ではnを1アッ
プさせた後、ステップ42へ進む。ステップ47でn=I+
2であると判別されたときには、〔K,I〕を囲む8つ
の運転領域全ての判別処理が終わったことになるので、
このときには、ステップ38へ進んで、今回の領域〔K,
I〕において既に学習済であると判断されている学習補
正係数KBLRC2の学習更新を行わせる。
【0049】上記のようにして学習された結果は、図9
のフローチャートに示すプログラムに従って修正を受け
ると共に、学習結果の中から実際の運転条件に対応する
学習補正係数KBLRC が読み出される。図9のフローチャ
ートに示されるプログラムの処理内容を簡単に述べる
と、学習補正係数KBLRC1の目標収束値Targetに対する偏
差分を、学習補正係数KBLRC1が適用される運転領域に含
まれる16領域それぞれの学習補正係数KBLRC2にそれぞれ
加算することにより、学習補正係数KBLRC1による補正負
担分を学習補正係数KBLRC2側に転嫁するものであり、か
かる補正分の転嫁が行われた後は学習補正係数KBLRC1を
全て目標収束値Targetにリセットして、2重の空燃比補
正を回避する。即ち、16領域学習マップと256 領域学習
マップとでそれぞれに行われた学習結果を、256 領域学
習マップ上の256 領域別の学習補正係数KBLRC2に纏めて
しまうものである。
【0050】図9のフローチャートに示すプログラム
は、バックグラウンド処理されるものであり、まず、ス
テップ51において256 領域学習マップ上の各領域を指示
するためのカウンタi,jをそれぞれゼロリセットし、
次に、ステップ52でカウンタiが15を越えたか否かを判
別する。そして、カウンタiが15以下であるときには、
ステップ53へ進み、〔j,i〕で指示される256 領域学
習マップ上の領域に対応する学習補正係数KBLRC2〔j,
i〕をK2にセットし、また、〔j,i〕が含まれる16
領域学習マップ上の領域〔j/4,i/4〕に対応する
学習補正係数KBLRC1〔j/4,i/4〕をK1にセット
する。
【0051】次にステップ54では、以下の式に従って学
習補正係数KBLRC2〔j,i〕の更新を行う。 KBLRC2〔j,i〕←K2+(K1−Target) 上記の式で256 領域学習マップ上の学習補正係数KBLRC2
〔j,i〕を更新すれば、学習補正係数KBLRC1による補
正負担分が、学習補正係数KBLRC2側に転嫁されることに
なる。
【0052】学習補正係数KBLRC2の更新をステップ54で
行うと、ステップ55でカウンタiを1アップさせてステ
ップ52へ戻る。ここで、カウンタiが15を越えるように
なると、今度はステップ52からステップ56へ進み、カウ
ンタjが15を越えたか否かを判別する。そして、カウン
タjが15以下であるときには、ステップ57でカウンタi
をゼロリセットすると共に、カウンタjを1アップさせ
てから再びステップ52へ戻ることにより、256 領域の全
てについてステップ54における更新を行わせる。
【0053】256 領域学習マップ上の学習補正係数KBLR
C2の更新が終了して、ステップ56でカウンタjが15を越
えたことが判別されると、学習補正係数KBLRC1による補
正負担分を全て学習補正係数KBLRC2側に転嫁したので、
二重の補正が行われないように、ステップ58において16
領域学習マップ上の16領域それぞれに対応する学習補正
係数KBLRC1を全て目標収束値Target(=1.0)、即ち、
初期値にリセットする処理を行う。
【0054】学習補正係数KBLRC1による補正負担分を、
学習補正係数KBLRC2側に転嫁させ、学習補正係数KBLRC1
を全て初期値にリセットする処理が終了し、各学習マッ
プ別に行われ運転領域別の学習結果を256 領域学習マッ
プ上の学習補正係数KBLRC2に纏めると、次のステップ59
では、かかる256 領域学習マップから現在の運転条件に
対応する学習補正係数KBLRC2を直線補間を行って読み出
す。
【0055】実際の運転条件に対応する学習補正係数KB
LRC2をマップから直線補間を行って読み出すと、次のス
テップ60では、以下のようにして最終的な学習補正係数
KBLRC を設定する。 KBLRC ←KBLRC φ+KBLRC2−Target 学習補正係数KBLRC は基本燃料噴射量Tpに対して乗算
される補正項であり、各学習補正係数KBLRC φ,KBLRC2
は初期値を空燃比フィードバック補正係数LMDの目標
収束値Target(=1.0 )として学習されるので、全運転
条件に対応する学習補正係数KBLRC φと256 領域学習マ
ップ上の該当領域に対応する学習補正係数KBLRC2との加
算値から、目標収束値Target(=1.0 )を減算してあ
る。
【0056】上記図9のフローチャートに示すプログラ
ムで最終設定された学習補正係数KBLRC は、図10のフロ
ーチャートに示す燃料噴射量設定プログラムにおいて用
いられる。図10のフローチャートに示す燃料噴射量設定
プログラムは、所定微小時間(例えば10ms) 毎に実行さ
れるものであり、まず、ステップ81では、エアフローメ
ータ13で検出された吸入空気流量Q及びクランク角セン
サ14からの検出信号に基づき算出した機関回転速度Nを
入力する。
【0057】そして、次のステップ82では、ステップ81
で入力した吸入空気流量Qと機関回転速度Nとに基づい
て単位回転当たりの吸入空気流量Qに対応する基本燃料
噴射量Tp(←K×Q/N;Kは定数)を演算する。次
のステップ83では、前記ステップ82で演算した基本燃料
噴射量Tpに各種の補正を施して最終的な燃料噴射量
(燃料供給量)Tiを演算する。ここで、基本燃料噴射
量Tpの補正に用いられる補正値は、前記学習補正係数
KBLRC 、空燃比フィードバック補正係数LMD、及び、
水温センサ15で検出される冷却水温度Twに基づく基本
補正係数や始動後増量補正係数等を含んで設定される各
種補正係数COEF、更に、バッテリ電圧の変化による
燃料噴射弁6の有効噴射時間の変化を補正するための補
正分Tsであり、Ti←Tp×LMD×KBLRC ×COE
F+Tsを演算して最終的な燃料噴射量Tiが所定時間
毎に更新される。
【0058】コントロールユニット12は所定の燃料噴射
タイミングになると、最新に演算された燃料噴射量Ti
に相当するパルス巾の駆動パルス信号を燃料噴射弁6に
対して出力し、機関1への燃料供給量を制御する。ま
た、図11のフローチャートに示すプログラムは、前記図
3及び図4のフローチャートに示すプログラムに従って
サンプリングされる「ストレス」(空燃比フィードバッ
ク補正係数LMDの目標収束値に対する偏差を積算した
値)に基づく処理を行うプログラムであり、バックグラ
ウンドジョブ(BGJ)として実行される。
【0059】ステップ91では、空燃比学習補正値の不適
切度合いを示すパラメータとして、前記図3及び図4の
フローチャートに示すプログラムで設定されるストレス
と、所定値(例えば0.8)とを比較して、学習が殆ど終了
しているときの空燃比フィードバック補正係数LMDの
変動度合い(ベース空燃比の変動度合い)が所定以上で
あるか否かを判別する。
【0060】ここで、前記ストレスが所定値を越えると
きには、学習が殆ど終了しているものの、その学習結果
が不適切で空燃比ずれが発生しているものと判断し、学
習補正係数KBLRC φからの学習を再度行わせるためにス
テップ92へ進む。ステップ92では、各運転領域の空燃比
学習が終了しているか否かを判別するためのフラグF
φ,F〔0,0〕〜F〔3,3〕,FF〔0,0〕〜FF
〔16,16〕を全てゼロリセットすると共に、上記のよう
にして学習が最初からやり直されることになるから、ス
トレスについてもこれをゼロリセットする。
【0061】このように、空燃比フィードバック補正係
数LMDの基準値に対する偏差の度合いが所定以上に大
きくなったときに、学習をやり直すようにすれば、例え
ば吸気系に穴が開くなどの事故によって空燃比が急激に
変化したときに、大きな運転領域毎の学習が再度行われ
ることになるから、空燃比を速やかに目標空燃比に収束
させることができる。
【0062】次に、図12及び図13のフローチャートに示
すプログラムに従って、燃料供給系の自己診断制御を説
明する。図12及び図13のフローチャートに示すプログラ
ムは、バックグラウンドジョブ(BGJ)として処理さ
れるものであり、まず、ステップ101 では、256 領域学
習マップ上での領域それぞれにおける学習結果の更新段
差が積算されるSIGをゼロリセットする。
【0063】また、次のステップ102 ,103 では、256
領域学習マップ上での領域位置を指示するためのカウン
タp,qをそれぞれゼロリセットする。そして、ステッ
プ104 では、前記カウンタpが16以上にカウントアップ
されたか否かによって、基本燃料噴射量Tpで区分され
る16領域それぞれにおける処理が終了したか否かを判別
する。
【0064】カウンタpが16未満であるときには、ステ
ップ105 へ進み、今度は、機関回転速度Nによって区分
される16領域を指示するカウンタqが、16以上にカウン
トアップされたか否かを判別する。ステップ105 でカウ
ンタqが16未満であると判別されると、ステップ106 へ
進む。ここで、〔q,p〕で指示される256 領域学習マ
ップ上の領域における学習状態を示すフラグFF〔q,
p〕を判別し、フラグFF〔q,p〕が1であって領域
〔q,p〕が学習済である場合には、ステップ107 でか
かる学習済領域の学習補正係数KBLRC2の積算値Sigm
(←Sigm +KBLRC2〔q,p〕)を演算し、次のステッ
プ108 では、積算数をカウントするカウンタzを1アッ
プさせて、ステップ109 へ進む。
【0065】一方、ステップ106 でフラグFF〔q,p〕
がゼロであると判別され領域〔q,p〕が学習済でない
ときには、ステップ107 ,108 をジャンプしてステップ
109へ進む。ステップ109 ではカウンタqを1アップ
し、再びステップ105 へ戻る。かかる演算処理により、
カウンタpを固定した状態でカウンタqをゼロから15ま
でカウントアップして、基本燃料噴射量Tpが同じ16領
域において学習済の学習補正係数KBLRC2の積算値Sigm
を求めるものである。
【0066】ステップ105 でカウンタqが16を越えたこ
とが判別されたときには、ステップ110 へ進む。ステッ
プ110 では、前記積算値Sigm をサンプル数zで除算す
ることで、学習済の補正係数KBLRC2の平均値を求め、か
かる最新の平均値と、同じTp領域において前回求めら
れた平均値Sigmoldとの偏差(前回までの学習結果と最
新の学習結果との偏差)を学習結果の更新段差とすると
共に、この学習結果の更新段差を積算して、その該積算
結果をSIG(←SIG+(Sigm /z−Sigmold))
にセットする。
【0067】そして、次のステップ111 〜114 では、カ
ウンタqをゼロリセットする一方、カウンタpを1アッ
プさせ、また、積算値Sigm 及び積算数zをゼロリセッ
トすることにより、次のTp領域において改めて前記積
算値Sigm 及び積算数zが求められるようにする。ま
た、ステップ114 では、最新に求められた積算値Sigm
の平均(Sigm /z)をSigmoldにセットし、次に同じ
Tp領域の学習済学習補正係数KBLRC2の平均値が求めら
れたときに、前記Sigmoldを元に更新段差が求められる
ようにする。
【0068】ステップ115 での処理の後は、再びステッ
プ104 へ戻り、基本燃料噴射量Tpで区切られる16領域
それぞれでの更新段差を全て積算して、ステップ104 で
カウンタpが16以上であると判別されるようになると、
ステップ116 へ進む。ステップ116 では、基本燃料噴射
量Tpで区切られる16領域それぞれでの更新段差の積算
値であるSIGを16で除算することで、基本燃料噴射量
Tpで区切られる運転領域毎の更新段差の平均値AVT
pを求める。そして、今度は、機関回転速度Nで区切ら
れる16領域における更新段差の平均値AVNを求めるべ
くステップ117 以降へ進む。
【0069】ステップ117 〜ステップ132 では、カウン
タqを固定させておいてカウンタpを1アップさせてい
き、機関回転速度Nが同じ16領域内における学習済の学
習補正係数KBLRC2を積算し、機関回転速度Nで区切られ
る16領域それぞれでの更新段差を求め、更に、かかる更
新段差の平均AVNを求める処理を前記ステップ101〜
ステップ116と同様にして行う。
【0070】ステップ133 では、基本燃料噴射量Tpで
運転領域を区分したときの平均的な更新段差であるAV
Tpと、全運転条件における平均的な補正要求を示す学
習補正係数KBLRC φ(運転領域別の空燃比学習補正値の
平均値)とに基づいて、図15に示す燃料供給系の不良判
定領域(図15中の斜線部)に含まれるか否かを判別す
る。図15において、更新段差が所定レベル以下でかつ平
均的な補正要求(学習補正係数KBLRC φ)が所定レベル
以下であるときを、燃料供給系の正常領域としてあり、
それ以外の更新段差が大きい領域及び平均的な補正要求
が大きい領域を、燃料供給系の不良領域としてある。
【0071】ステップ133 で、更新段差AVTpと学習
補正係数KBLRC φとに基づいて燃料供給系の不良が判別
されたときには、ステップ136 へ進んで、ベース空燃比
の変化により空燃比制御性が悪化していることを、例え
ば車両の運転席付近に設けたワーニングランプなどによ
って警告する。一方、ステップ133 で、燃料供給系の不
良が判別されなかったときには、ステップ134 へ進み、
今度は機関回転速度Nで区分された運転領域における平
均的な更新段差AVNと学習補正係数KBLRC φとに基づ
いて燃料供給系の不良を判別する。ここでも、不良が判
別されれば、ステップ136 へ進んで空燃比制御性の悪化
を警告させるが、ステップ133 及びステップ134 の両方
で燃料供給系の不良が判別されなかったときには、空燃
比制御が所期通りに行われているものと見做し、ステッ
プ135 へ進んで、空燃比制御性の悪化警告を行わない処
理を選択する。
【0072】上記のように学習補正係数KBLRC2の学習結
果の段差に基づいて燃料供給系の不良(空燃比制御性の
悪化)を診断させるようにすれば、燃料供給系の部品の
故障・劣化によってベース空燃比の変化が発生し、かか
るベース空燃比の変化を吸収すべく学習補正係数KBLRC
の学習更新が行われているときに、全ての運転領域で前
記ベース空燃比の変化が学習補正係数KBLRC2に吸収され
る前に、前記ベース空燃比の変化を診断させることがで
きる。
【0073】即ち、ベース空燃比の変化があった場合
に、それぞれの運転領域での学習が全て進行するまで
は、変化後のベース空燃比に対応した学習済領域と変化
前のベース空燃比に対応した未学習領域とが混在するこ
とになるから、学習補正係数KBLRC2の平均値に基づき、
ベース空燃比の変化を精度良く捉えることができない。
しかしながら、本実施例では、学習済の学習補正係数KB
LRC2の更新段差(学習結果の段差)に基づきベース空燃
比の変化を捉えるから、変化後のベース空燃比に対応す
る学習が少なくとも一部の領域でなされ、かかる領域で
学習補正係数KBLRC2の更新段差がベース空燃比の変化分
に対応して発生することで、ベース空燃比の変化を応答
良く診断でき、部品故障・劣化により空燃比制御性が悪
化していることをいち早く警告させることができる。
【0074】更に、ベース空燃比の変化が全ての運転領
域で学習され、空燃比フィードバック補正係数LMDが
目標に安定して学習補正係数KBLRC の大きな更新段差が
発生しないようになっても、前記全運転条件に適用され
る学習補正係数KBLRC φは、前記ベース空燃比の変化分
に見合った変化を示すから、今度は学習補正係数KBLRC
φに基づいて燃料供給系の不良を診断させることができ
る。また、前記学習補正係数KBLRC φに基づく診断で
は、燃料供給系の部品劣化がゆっくりした速度で進行
し、ベース空燃比の変化が緩やかであるために学習結果
の更新段差に基づき不良診断が行えない場合でも、ベー
ス空燃比の変化が大きくなったときに不良を診断できる
ことになる。従って、空燃比フィードバック補正係数L
MDが平均的に目標に収束している状態であっても、燃
料供給系の不良により排気性状が悪化している状態を診
断させることができる。
【0075】また、図15及び図16に示すように、更新段
差AVTp,AVNと学習補正係数KBLRC φとに基づい
て、ベース空燃比の変化方向を判別でき、これに応じて
ベース空燃比の変化による排気性状の悪化特性を推定す
ることも可能である。このように、本実施例によると、
燃料供給系の部品の故障・劣化が発生し、これに伴って
ベース空燃比が変化したときに、かかるベース空燃比の
変化が学習マップ上の各運転領域全てで学習される前か
ら、前記ベース空燃比の変化(目標空燃比への制御性悪
化)を検知して警告することができ、目標空燃比への制
御性が悪化した状態の運転の継続を回避することが可能
となる。
【0076】尚、本実施例では、2つの学習マップそれ
ぞれにおける学習補正係数KBLRC1,KBLRC2の他、全運転
条件に適用される学習補正係数KBLRC φを学習させるよ
うにしたが、例えば運転領域を16領域に区分した学習マ
ップのみを備え、該学習マップ上の運転領域それぞれで
の更新段差を求めると共に、前記マップ上の各運転領域
別の学習補正係数KBLRC の平均値を演算させ、これらに
基づいて燃料供給系の自己診断を行わせるようにしても
良い。
【0077】
【0078】更に、本実施例では、更新段差と共に、空
燃比学習補正値の平均値(該平均値に相当する学習補正
係数KBLRC φ)を用いて診断させるようにしたが、更新
段差のみの情報に基づいて自己診断させるようにしても
良い。更新段差のみを用いる場合には、学習が収束した
場合に不良判断を下すことができなくなる場合がある
が、例えば、更新段差に基づき不良を判別した後は、か
かる不良判別がメンテナンスを受けるまでキャンセルさ
れないようにすれば、燃料供給系の部品が故障・劣化し
空燃比制御性が悪化したままで運転されることを回避で
きる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、空
燃比の学習補正機能を有した燃料供給装置において、か
かる燃料供給系の部品の故障・劣化によってベース空燃
比が変化し、空燃比制御性が悪化している状態を、同一
機関負荷領域毎、及び/又は、同一機関回転速度領域毎
の空燃比学習補正値の更新段差に基づいて判断させるこ
とで、燃料供給装置の不良を応答良くかつ高精度に診断
することができるようになり、排気性状が悪化した状態
での運転を早期に警告することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図4】空燃比フィードバック制御を示すフローチャー
ト。
【図5】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図6】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図7】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図8】空燃比学習制御を示すフローチャート。
【図9】学習結果の修正及び読み出し制御を示すフロー
チャート。
【図10】燃料噴射量の設定を示すフローチャート。
【図11】学習の反復制御に関わる内容を示すフローチャ
ート。
【図12】燃料供給系の自己診断を示すフローチャート。
【図13】燃料供給系の自己診断を示すフローチャート。
【図14】実施例における学習マップの様子を示す線図。
【図15】本実施例における不良診断領域を示す線図。
【図16】不良診断領域における排気性状の悪化状態を示
す線図。
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 12 コントロールユニット 13 エアフローメータ 14 クランク角センサ 15 水温センサ 16 酸素センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の吸入空気量と機関回転速度とを少な
    くとも含む機関運転条件を検出する機関運転条件検出手
    段と、 該機関運転条件検出手段で検出された機関運転条件に基
    づいて基本燃料供給量を設定する基本燃料供給量設定手
    段と、 機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 該空燃比検出手段で検出された空燃比と目標空燃比とを
    比較して実際の空燃比を前記目標空燃比に近づけるよう
    に前記基本燃料供給量を補正するための空燃比フィード
    バック補正値を設定する空燃比フィードバック補正値設
    定手段と、機関負荷と機関回転速度と に基づき複数に区分された運
    転領域毎に前記基本燃料供給量を補正するための空燃比
    学習補正値を書き換え可能に記憶する記憶手段と、 前記空燃比フィードバック補正値の目標収束値からの偏
    差を学習し、前記記憶手段の該当領運転領域に対応して
    記憶されている前記空燃比学習補正値を前記偏差を減少
    させる方向に修正して書き換える空燃比学習手段と、 前記基本燃料供給量,空燃比フィードバック補正値及び
    前記記憶手段において該当運転領域に記憶されている空
    燃比学習補正値に基づいて最終的な燃料供給量を設定す
    る燃料供給量設定手段と、 該燃料供給量設定手段で設定された燃料供給量に基づい
    て燃料供給手段を駆動制御する燃料供給制御手段と、 を含んで構成された内燃機関の燃料供給装置において、 前記記憶手段の機関負荷が同じレベルであって機関回転
    速度のレベルが異なる複数領域、及び/又は、機関回転
    速度のレベルが同じであって機関負荷が異なる複数領域
    において、学習済の空燃比学習補正値の平均値を求め、
    該平均値の最新値と前回値との差として更新段差を演算
    する更新段差演算手段と、 該更新段差演算手段で演算された更新段差に基づいて前
    記燃料供給装置の不良を診断する更新段差による診断手
    段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の燃料供
    給装置における自己診断装置。
  2. 【請求項2】前記記憶手段の全領域での空燃比学習補正
    値の平均値を演算する平均学習補正値演算手段を備え、 前記更新段差による診断手段が、前記更新段差演算手段
    で演算された更新段差と共に、前記平均学習補正値演算
    手段で演算された空燃比学習補正値の平均値に基づいて
    前記燃料供給装置の不良を診断する ことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の燃料供給装置における自己診断
    装置。
JP3085419A 1991-04-17 1991-04-17 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置 Expired - Lifetime JP2665837B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3085419A JP2665837B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3085419A JP2665837B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04318244A JPH04318244A (ja) 1992-11-09
JP2665837B2 true JP2665837B2 (ja) 1997-10-22

Family

ID=13858297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3085419A Expired - Lifetime JP2665837B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2665837B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2841007B2 (ja) * 1993-04-07 1998-12-24 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0694822B2 (ja) * 1988-09-22 1994-11-24 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関の混合燃料供給装置における診断装置
JPH066217Y2 (ja) * 1988-10-19 1994-02-16 株式会社ユニシアジェックス 内燃機関におけるアルコールセンサ故障診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04318244A (ja) 1992-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2858288B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置における自己診断装置
JP2893308B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0826805B2 (ja) 内燃機関の空燃比学習制御装置
US20040003804A1 (en) Air-fuel ratio control apparatus for internal combustion engine
JPH0758054B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置における学習補正装置及び自己診断装置
US5224461A (en) Self-diagnosing apparatus and method for fuel supply control system applicable to internal combustion engine
JPH0472438A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置における空燃比センサ劣化診断装置
US20030100989A1 (en) Electronic control device for internal combustion engine
JP2665837B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置
JP2532205B2 (ja) エンジンの空燃比学習制御方法
JP2884469B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2681566B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置における自己診断装置
JP2715208B2 (ja) 内燃機関の空燃比学習制御装置
JPH0933478A (ja) 内燃機関における酸素センサの応答診断装置
JPH0979072A (ja) 内燃機関の空燃比学習制御装置
JPH04318250A (ja) 内燃機関の燃料供給装置における自己診断装置
JP2000205032A (ja) 内燃機関の異常診断装置
JPH041439A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH066218Y2 (ja) 内燃機関におけるアルコールセンサ診断装置
JP2008144655A (ja) 内燃機関の制御装置及び方法
JPH04204047A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置における空燃比センサ劣化診断装置
JP2631579B2 (ja) 内燃機関の空燃比学習制御装置
JPH0830437B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置のフェイルセイフ装置
JP2627825B2 (ja) 内燃機関の空燃比学習制御装置
JPH01106949A (ja) 内燃機関の学習制御装置