JP2839999B2 - スロットマシンの表示パネル照明装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スロットマシンに組み
付けられる表示パネルを背面側から照明する照明装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】よく知られるように、スロットマシンは
本体内に組み込まれている３〜５個程度のリールを回転
させ、これらが停止したときに表示窓に現れている絵柄
の組み合わせによって入賞やハズレが決められる。ゲー
ムを開始するときには遊技者は手持ちのメダルを適数枚
投入するが、入賞が得られた場合にはその入賞役に応じ
た枚数のメダルが払い出され、こうして得たメダルの獲
得枚数によってゲームが競われる。

【０００３】図４に示したように、スロットマシンは本
体部２とその前面に開閉自在に取り付けられたフロント
ドア３とからなり、フロントドア３は通常は本体部２に
ロックされる。本体部２には周知のリール機構が組み込
まれており、フロントドア３に設けた素通しの表示窓４
を通し、リールの外周に配列された絵柄を観察すること
ができる。表示窓４には入賞ライン５が記されている。
そして、リール停止時に、入賞ライン５の上で特定の絵
柄の組み合わせができたときに入賞となる。

【０００４】本体部２の上方にはパネル体６が取り付け
られる。パネル体６は、本体部２にビス止めされるフレ
ーム７と、このフレーム７に組みつけた表示パネル８と
からなる。表示パネル８は光半透過性の樹脂製プレート
からなり、その表面には入賞を構成する絵柄の組み合わ
せ表示９ａと、各々の入賞役に応じたメダルの払い出し
枚数表示９ｂとがプリントされている。

【０００５】このスロットマシンでは、ゲーム開始時に
遊技者が投入したメダルの枚数に応じ、同じ入賞に対し
て払い出されるメダルの枚数が増えるようになってい
る。すなわち、図示した表示パネル８に表示されている
ように、メダル１枚の投入で「７−７−７」の入賞が得
られたときには１０００枚、メダル２枚投入では２００
０枚、メダル３枚投入では４０００枚のメダルが払い出
される。このようなメダル払い出し枚数を遊技者に示す
ために、表示パネル８には前記払い出し枚数表示９ｂに
合わせ、投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃもプリン
トされている。

【０００６】表示パネル８の各表示部を裏面側から照明
するために、本体部２の上部には２本の蛍光灯１１と３
個のランプ１２ａ，１２ｂ，１２ｃを含む照明装置が組
み込まれている。蛍光灯１１は本体部２に固定されたソ
ケットに嵌め込まれ、表示パネル８を全体的に常時照明
する。ランプ１２ａ，１２ｂ，１２ｃは基板１３に取り
付けられ、この基板１３が本体部２に固定されたブラケ
ット１４にビス止めされている。そして、ブラケット１
４に形成した矩形の開口を通してランプ１２ａ，１２
ｂ，１２ｃが表示パネル８の裏面に向けられている。こ
れらのランプ１２ａ，１２ｂ，１２ｃは、遊技者が投入
したメダルの枚数に対応していずれか１個が点灯し、投
入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃのいずれかを照明す
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スロットマシンに組み込まれている照明装置では、表示
パネル８の表示デザインが異なると、そのままでは使用
することができないという欠点がある。というのは、ラ
ンプ１２ａ，１２ｂ，１２ｃがブラケット１４を介して
本体部２に固定されているため、投入枚数表示１０ａ，
１０ｂ，１０ｃの位置が異なると、これらの表示に対し
て適切な照明ができなくなるからである。このため従来
では、表示パネル８の投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１
０ｃがどの位置にデザインされているのかが決定されな
い限りランプ１２ａ，１２ｂ，１２ｃの組み込み位置を
決めることができなかった。したがって、機種ごとに本
体部２の設計，製造を行わなくてはならず、スロットマ
シンの製造コストを上げる一因となっていた。

【０００８】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めになされたもので、表示パネルの表示デザインが変わ
ったとしても、これに対応して適切な照明を行うことが
できるようにした表示パネル照明装置を提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、表示パネルの所定部位を背面側から照明す
るために本体部に組み込まれる光源を、表示パネルの裏
面に沿って移動自在にしたものである。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の表示パネル照明装置を用いた
スロットマシンの要部を示す。本体部２０の前面上部に
は、パネル体２１がビス止めされる。パネル体２１は、
図４に示したパネル体６と同様に、金属製のフレーム２
２に半透明で乳白色をした樹脂製の表示パネル８を取り
付けたもので、表示パネル８の表面には入賞を構成する
絵柄の組み合わせ表示９ａと、各々の入賞役に応じたメ
ダルの払い出し枚数表示９ｂと、遊技者が投入したメダ
ルの枚数を表示するための投入枚数表示１０ａ，１０
ｂ，１０ｃがプリントされている。

【００１１】上記表示パネル８を背面側から照明するた
めに、本体部２０には照明装置が組み込まれている。照
明装置は、図２にも示したように本体部２０に固定され
る金属製の取り付け枠２４と、この取り付け枠２４に固
定された２本の蛍光灯１１と、取り付け枠２４の左右に
掛け渡して固定した透明な樹脂製のブラケット３２と、
ブラケット３２に固定された３個のランプ２６ａ，２６
ｂ，２６ｃとを含む。蛍光灯１１は、取り付け枠２４に
固定されたソケット２７で保持されており、表示パネル
８を背面側から全体的に照明する。

【００１２】図２にも示したように、取り付け枠２４の
左右には縦長の折り曲げ片２９が設けられ、その各々に
スロット（長穴）３０が形成されている。折り曲げ片２
９の前面側に左右に掛け渡すように、透明な樹脂製のブ
ラケット３２が取り付けられている。ブラケット３２の
取り付けのためにブラケット３２の両端にはボルト３３
の挿通穴が設けられ、この挿通穴にワッシャ３４を介し
てボルト３３を挿通し、さらにスロット３０を貫通させ
てから折り曲げ片２９の背面側の緊締金具３５に螺合さ
せている。そして、ボルト３３を弛めることによってブ
ラケット３２をスロット３０に沿って上下方向に移動さ
せることができ、任意の位置で固定することができる。
なお、ブラケット３２に前記挿通穴の代わりにボルト３
３が螺合する雌ネジを設けておけば、緊締金具３５を省
略することもできる。

【００１３】ブラケット３２には横長の開口３６が形成
されている。開口３６の縦幅はランプ２６ａ，２６ｂ，
２６ｃの外径よりも広く、開口３６を通してランプ２６
ａ，２６ｂ，２６ｃが突出している。これらのランプ２
６ａ，２６ｂ，２６ｃは基板３８に装着され、この基板
３８がブラケット３２に取り付けられている。基板３８
は、図３（Ａ）に示したように、前面取り付け板４０と
背面取り付け板４１とをビス４２，ナット４３で螺着す
ることによってブラケット３２に固定されている。そし
て、ビス４２を弛めることによって基板３８をブラケッ
ト３２の開口３６に沿って左右に移動させることがで
き、再びビス４２を締めつけることにより任意の位置に
基板３８を固定することができる。

【００１４】図３（Ｂ）に示したように、ランプ２６
ａ，２６ｂ，２６ｃは各々樹脂製のソケット４４に保持
されている。ソケット４４には一対の係止片４４ａが一
体に設けられ、基板３８に設けた取り付け穴４５に背面
側から各ランプをソケット４４ごと挿入した後にソケッ
ト４４を回転させることによってソケット４４が基板３
８に固定される。なお、係止片４４ａは弾性を有してい
るので、上記のようにソケット４４を回転させると、ソ
ケット４４は基板３８を前後から挟みつけるように固定
される。したがって、ソケット４４と基板３８との接触
面間で電気的接続を図るとともに、基板３８に所要のプ
リント配線を設けておけば、ソケット４４の個々からリ
ード線を引き出さずに済むようになる。

【００１５】上記構成による作用について説明する。本
体部２０の前面上部にパネル体２１を装着すると、ラン
プ２６ａ，２６ｂ，２６ｃは表示パネル８にプリントさ
れている投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃの背後に
各々位置する。そして、遊技者がメダルを投入する前の
状態では、蛍光灯１１だけが点灯して表示パネル８を背
面側から全体的に照明している。これにより遊技者は、
入賞を構成する絵柄の組み合わせ表示９ａと、各々の入
賞役に応じたメダルの払い出し枚数表示９ｂと、投入枚
数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃとを明瞭に観察すること
ができる。なお、ブラケット３２は透明な樹脂で作られ
ているから、ブラケット３２と重なった部分で蛍光灯１
１による照明が暗くなるようなことがない。

【００１６】ゲームを開始するために、遊技者がまず１
枚のメダルを投入するとさらにランプ２６ａが点灯し、
投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃのうち１枚の投入
枚数表示１０ａだけがさらに明るく照明される。そして
遊技者は、１枚のメダルを投入したこと及びそのときの
配当枚数を確認することができる。さらに２枚目，３枚
目のメダルを投入すると、これに対応してランプ２６
ｂ，２６ｃがその都度１個ずつ点灯してゆき、投入枚数
表示１０ｂ，１０ｃが明るく表示される。

【００１７】ところで、すでに説明したように本発明を
用いた表示パネル照明装置では、ランプ２６ａ，２６
ｂ，２６ｃを取り付けた基板３８がブラケット３２に対
して水平方向に移動自在であり、さらにブラケット３２
が取り付け枠２４に対して上下方向に移動自在となって
おり、結果的にランプ２６ａ，２６ｂ，２６ｃを１ユニ
ットとして表示パネル８の裏面に沿って移動調節するこ
とができる。例えば投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０
ｃが表示パネル８の上方にプリントされている場合に
は、ボルト３３を弛めてからそのプリント位置に対応し
位置までブラケット３２を上に移動し、その後ボルト３
３を緊締すればよい。また、投入枚数表示１０ａ，１０
ｂ，１０ｃが水平方向にずれた位置にプリントされてい
る場合には、ビス４２を弛めてからそのプリント位置に
対応した位置まで基板３８を横方向に移動し、その後に
ビス４２を緊締すればよい。

【００１８】上記のような調節を適宜組み合わせて行う
ことによって、投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃが
表示パネル８のどの位置にあっても、これに応じてラン
プ２６ａ，２６ｂ，２６ｃの位置を調節することが可能
となる。このため、表示パネル８の表示デザインが変わ
って投入枚数表示１０ａ，１０ｂ，１０ｃがどの位置に
プリントされることになったとしても、本体部２０側に
組み込まれた照明装置をそのまま用いることができる。
したがって、照明装置を含む本体部２０の筐体部構造に
ついては、例えば機種ごとに表示パネル８のデザインが
異なっていたとしても予め製造しておくことができ、製
造効率が向上してコストダウンを図ることが可能とな
る。さらに、表示パネル８を部分的に照明する部位が増
えた場合であっても、スロット３０に別のブラケットを
追加することもできるため、その位置に対応して簡単に
ランプを増設することができる。

【００１９】以上、図示した実施例にしたがって説明し
てきたが、取り付け枠２４の上下にスロット付きの折り
曲げ片を設け、ブラケットを左右方向に移動調節自在と
し、かつランプを保持した基板をブラケットに対して上
下方向に移動自在にしても同様の効果が得られるのはも
ちろんである。また、ランプ２６ａ，２６ｂ，２６ｃを
各々個別の基板に保持させ、これらの基板を個々に移動
調節できるようにしてもよい。さらに、ランプにより部
分的に照明する表示としても前述した投入枚数表示だけ
に限られず、例えばボーナス入賞などの特定の入賞が得
られたときにその旨を表示する表示部等であってもよ
い。なお、表示パネルの所要部位を部分的に照明する光
源としては、ランプの外にＬＥＤ等を用いることもでき
る。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の表示パ
ネル照明装置によれば、表示パネルの裏面側から所定部
位のみを照明するために用いられるランプの位置を、自
在に調節することができるようにしてあるから、表示パ
ネルの表示デザインが異なるスロットマシンであって
も、必要な部位に適切な照明を与えることができるよう
になる。したがって、表示パネルの表示デザインに係わ
らずスロットマシンの本体側筐体を製造することが可能
となり、製造を効率化してコストダウンを図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を用いたスロットマシンの要部分解斜視
図である。

【図２】図１に示した表示パネル照明装置の正面図であ
る。

【図３】図２のＸ−Ｘ断面図及び同Ｙ−Ｙ断面図であ
る。

【図４】従来のスロットマシンの外観図である。

【符号の説明】

８ 表示パネル １０ａ 投入枚数表示部 １１ 蛍光灯 ２０ 本体部 ２４ 取り付け枠 ２６ａ，２６ｂ，２６ｃ ランプ ３０ スロット ３２ ブラケット ３６ 開口 ３８ 基板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入賞となる絵柄の組み合わせや入賞時の
   払出しメダル枚数などの表示が施された表示パネルの奥
   に光源を設け、この光源の点灯により表示パネルの所定
   部位を背面側から照明するスロットマシンの表示パネル
   照明装置において、 前記光源を表示パネルの裏面に沿って移動自在に組み込
   んだことを特徴とするスロットマシンの表示パネル照明
   装置。