JP2838840B2 - 外部注水システムおよびその注水方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は浴槽内の残り湯を外部、特に全自動式の洗濯
機に適した外部注水システムおよびその注水方法に関す
るものである。

（従来の技術） 従来から、風呂装置の浴槽内の残り湯は洗濯用として
活用されてきており、そのために、注水機構を風呂装置
に設けて注水を行なうようにしてきた。そのようなもの
として、例えば、強制循環手段を内蔵した給湯器と浴槽
間とを接続した湯循環パイプに、流路切り換え手段を介
在させると共に、この流路切り換え手段を切り換え操作
するための注水リモコンを設けたものがある。

かかる装置は、注水リモコンを操作して流路を切り換
えると共に注水時間を設定し、給湯器の強制循環手段を
作動させて、洗濯機に注水を行なうようにしたものであ
る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、前記した装置では、浴槽内の残り湯を
そのまま洗濯機に注水するだけであり、しかも、洗濯機
への注水量はタイマ等の時間設定で行なっており、ま
た、配管条件やポンプに加わる電圧変動等で流量が変化
するため、その洗濯機の許容注水量と合致しないことが
あり、例えば、残り湯が溢れてしまったり、逆に、足ら
なかったりする。

従って、水位スイッチ等によって、十分な量の洗濯水
が注水されたとして、洗濯、すすぎ、脱水等の動作手順
を自動的に実行する全自動式の洗濯機には不向きであ
る。

しかも、残り湯がそのまま洗濯機に注水されるだけで
あるから、残り湯が冷めてしまった場合、洗濯効果が減
少し、また、注水量が不十分な場合は、新たに、給水を
する必要がある。さらに、注水量が溢れる場合もあるた
め、監視する必要があり、特に全自動式の洗濯機におい
ては注水機構を設けたことによる効果が希薄なものとな
る。

本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、操作性
がよく、洗濯機、特に、全自動式のものに適した外部注
水システムおよびその注水方法を提供することを目的と
する。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するために、本発明は強制循環手段を
備えた給湯器と浴槽とを往き管および戻り管からなる湯
循環パイプにより連絡接続構成した風呂装置において、
前記往き管に外部注水機構を介在させ、この外部注水機
構は、外部注水箇所に供給可能な温水量に対応した量を
１単位として単位設定することで、予め外部注水箇所へ
注湯すべき回数を設定する注湯回数設定手段と、異種の
注水手順選択手段と、給湯器からの温水を温度検出手段
を介して浴槽へ供給する流路と温度検出手段および流量
検出手段を介して外部注水箇所へ供給する流路とを選択
的に切り換え形成してなる流路切り換えバルブと、を具
備し、前記温度検出手段は給湯器からの温水の湯温を検
出して、この湯温に基づいて、前記流路切り換えバルブ
を切り換え作動させるものであり、前記流量検出手段
は、外部注水箇所に対応した注湯量を１単位としてカウ
ントするものであり、流量検出手段によるカウント値が
注湯回数設定手段の設定値に達するまで注湯を行なうよ
うにしたものである。

また、本発明における外部注水システムは全自動式の
洗濯機に適用するものである。

また、本発明における外部注水機構は、浴槽の残り湯
をそのまま外部注水箇所に注湯する手順と、前記残り湯
を加熱して注湯する手順と、冷水をそのまま注湯する手
順と、冷水を加熱して注湯する手順とを選択実行するも
のである。

さらに、本発明は、冷水または残り湯を加熱して注湯
する手順を選択した場合において、運転開始後、注湯さ
れる温水の湯温を監視して冷水状態または低温であれ
ば、浴槽に還流させ、所望の湯温の温水となれば、流量
検出手段を介して外部注水箇所へ供給し、この際、流量
検出手段によって、温水の量を外部注水箇所に対応した
量を１単位としてカウントすると共に、このカウント値
が予め設定された注湯回数と一致するまで注湯を行なう
ようにしたものである。

（作用） 本発明における外部注水機構は、 残り湯をそのまま注湯、残り湯を加熱して注湯、
冷水をそのまま注湯、冷水を加熱して注湯、という異
種の注湯手順を選択して切り換え運転することができる
ため、外部注水箇所が洗濯機にあっては、洗濯物の状況
に応じて選択することができるため、洗濯効果を発揮さ
せるに十分な湯温の残り湯、冷水等を洗濯機に供給する
ことができる。

例えば、残り湯を加熱して注湯、および冷水を加
熱して注湯の選択運転指令がなされた場合、残り湯また
は冷水は給湯器によって加熱されて強制循環手段の作動
下に給湯器から往き管を介して外部注水機構の温度検出
手段を介し、流路切り換えバルブに流入される際、温度
検出手段により、その際の湯温が検出される。その際の
湯温が低くいまだ冷水の状態である場合は、流路切り換
えバルブにおける流路は浴槽へ通ずるように切り換えら
れて浴槽内に還流され、所定の湯温の温水となると、再
び、流路切り換えバルブは、流量検出手段を介して洗濯
機へ供給するように流路が切り換え形成される。

前記洗濯機へ供給される温水の量は、流量検出手段に
より、洗濯機に対応した量を１単位としてカウントさ
れ、このカウント値が予め設定された注湯回数に至るま
で注湯がなされる。なお、この注湯回数とは、洗濯機の
動作手順のうち、何回か実行される「洗濯」の際、温水
にて洗う回数のことであり、その注湯回数を越えた後に
実行される「洗濯」の際には、残り湯そのまま、または
冷水が供給され、洗濯されることになる。

このように、流量検出手段によって、洗濯機へ供給さ
れる温水の量を所定の温水量を１単位としてカウントす
ると共に、このカウント値が予め設定された注湯回数と
一致するまで、注湯がなされるため、全自動式の洗濯機
にあっては、洗濯機の動作手順の「洗濯」に対応して確
実に注湯を行なうことが出来るので、本発明にかかる外
部注水システムは全自動式の洗濯機に適用可能となる。

（実施例） 次に、本発明にかかる外部注水システムおよびその注
水方法を実施するための洗濯注湯システムについての１
実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下説明す
る。

第１図において、参照符号１は外部注水システムたる
洗濯注湯システムを示し、この洗濯注湯システム１は風
呂装置２に外部注水機構である注水リモコン３を付設し
たものである。

前記風呂装置２は、浴槽４と循環ポンプを有する給湯
器５とを湯循環パイプ６により接続構成し、前記湯循環
パイプ６は往き管７および戻り管８からなる。

前記注水リモコン３は前記往き管７に介在されたもの
で、温水供給先である洗濯機９近傍に設置される。すな
わち、注水リモコン３は、第２図に示すように、前記洗
濯機９に対応した量を１単位として単位設定すること
で、予め洗濯機９へ温水を注湯すべき回数（１〜３）を
設定する注湯回数設定ボタン10と、種々の注水手順洗濯
ボタン11とを有している。また、前記注水リモコン３は
第１図に示すように、流路切り換えバルブ12を内蔵し、
給湯器５からの温水を温度検出手段、すなわち、サーミ
スタ13を介して浴槽４へ供給する流路と、前記サーミス
タ13および流量検出手段である流量センサ14を介して前
記洗濯機９へ供給する流路とを選択的に切り換え形成し
たり、前記サーミスタ13により給湯器５からの温水の湯
温を検出して、この湯温に基づいて、前記流路切り換え
バルブ12を切り換え作動させたり、さらに、前記流量セ
ンサ14により所定の温水量（例えば15）を１単位とし
てカウントすると共に、そのカウント値が前記注湯回数
設定ボタン10によって予め設定される注湯回数に達する
まで、注湯するようにしたものである。なお、前記所定
の温水量とは洗濯機９に供給可能な温水量に対応する温
水量をいう。

かかる注水リモコン３と給水器５とは、給湯器５に内
蔵されるコントローラ15と電気的に接続され、注水リモ
コン３の注水手順選択ボタン11の操作により、種々の運
転がなされるようになっている。すなわち、前記注水手
順の内容は、残り湯をそのまま注水、残り湯を加熱
して注湯、冷水をそのまま注水、冷水を加熱して注
湯、があり、さらに、加熱の度合い、すなわち、「あつ
め」、「ぬるめ」、を選択できるようになっている。

前記洗濯機９は全自動式のもので、注湯口に電磁弁16
と、注湯される水または温水の水位を検出する水位スイ
ッチ17が設けられたものである。全自動式は、注湯か
ら、洗濯、すすぎ、脱水等の動作手順を自動的に実行す
る他、如何なる動作手順を有するものでもよい。

本発明にかかる外部注水システムおよびその注水方法
を実施するための洗濯注湯システム１は、以上のように
構成されるものであり、次にその作用について説明す
る。

先ず、洗濯注湯システム１の起動後、注水手順選択ボ
タン11により、残り湯をそのまま注水、残り湯を加
熱して注湯（あつめ、ぬるめ）、冷水をそのまま注
水、冷水を加熱して注湯（あつめ、ぬるめ）なる注水
手順を選択することができる。そのため、洗濯物の状
況、洗濯機の動作手順に応じて選択することができるの
で、洗濯効果を発揮させることができる。なお、注湯運
転前に、注湯回数設定ボタン10により、注湯回数（１〜
３）が指定される。

例えば、残り湯を加熱して注湯（あつめ、ぬる
め）、および冷水を加熱して注湯（あつめ、ぬるめ）
の選択運転指令がなされた場合、次のように動作を行な
う。

残り湯を加熱して注湯（あつめ、ぬるめ）の選択指
令においては、残り湯は給湯機５の循環ポンプＰの作動
下に戻り管８から追焚用熱交換器に至り、加熱されて往
き管７を介して注水リモコン３のサーミスタ13を介し、
流路切り換えバルブ12に流入される。

一方、冷水を加熱して注湯（あつめ、ぬるめ）の選
択指令においては、冷水は給湯用熱交換器により加熱さ
れ、大気開放型ホッパ、往き管７を介して注水リモコン
３のサーミスタ13を介し、流路切り換えバルブ12に流入
される。なお、残り湯を加熱して注湯（あつめ、ぬる
め）においても、浴槽４中の残り湯がなくなった場合に
は、循環ポンプ中の流水スイッチがOFFすることで検出
され、給湯用熱交換器から温水が自動的に補給される。

このようにして、温水がサーミスタ13を介して流路切
り換えバルブ12に流入される際、サーミスタ13により湯
温が検出される。その際の湯温が低くいまだ冷水の状態
である場合は、流路切り換えバルブ12における流路は浴
槽４へ通ずるように切り換えられて浴槽４内に還流さ
れ、所定の湯温の温水となると、再び、流路切り換えバ
ルブ12は、流量センサ14を介して温水を洗濯機９へ供給
するように流路を切り換え形成することになる。

前記洗濯機９へ供給される温水は、流量センサ14によ
り、温水量が洗濯機９に対応した量を１単位としてカウ
ントされ、このカウント値が予め設定された注湯回数と
一致するまで注湯がなされる。そして、その注湯回数を
越えた後に実行される「洗濯」の際には、残り湯そのま
ま、または冷水が供給され、洗濯機９は洗濯を実行する
ことになる。

このように、流量センサ14によって、洗濯機９へ供給
される温水の量を所定の温水量を１単位としてカウント
すると共に、このカウント値が予め設定された注湯回数
と一致するまで、注湯がなされ、洗濯機９の動作手順の
「洗濯」に対応して温水による洗濯回数を指定して注湯
を行なうことが出来、しかも、従来のように、注入時間
が設定されたタイマー動作による注水手順ではないの
で、全自動式の洗濯機に適したものとなる。

また、流路切り換えバルブ12は低電圧型であるため、
電気工事専門家による配線工事は不要で、施工も簡略化
され、安全性も高い。

次に、第３図に本発明にかかる外部注水システムおよ
びその注水方法を実施するための洗濯注湯システムにつ
いての別の実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以
下説明する。なお、前述の実施例を構成するものと実質
的に同一のものは同符号を付して、その詳細な説明は省
略する。

図に示すように、この洗濯注湯システム20における外
部注水機構21は、洗濯機９近傍に配設されるリモコン操
作ユニット22と、給湯器５近傍において往き管７に介在
された洗濯注湯ユニット23に分離構成されたものであ
る。前記リモコン操作ユニット22は、注湯回数設定ボタ
ン10と、種々の注水手順選択ボタン11とが設けられると
共に、給湯器５におけるコントローラ15と電気的に接続
され、一方、洗濯注湯ユニット23は、流路切り換えバル
ブ12、サーミスタ13および流量センサ14を内蔵したもの
である。また、前記洗濯注湯ユニット23から洗濯機９へ
至水／温水供給管24が配管されている。

かかる構成の洗濯注湯システム20によっても、前述し
た洗濯注湯システム１と同様の注水がなされ、洗濯効果
を発揮させることができ、全自動式の洗濯機に適したも
のとなる。

以上、本発明にかかる外部注水システムおよびその注
水方法を全自動式の洗濯機に注湯を行なう洗濯注湯シス
テム１を挙げ説明したが、本発明にかかる外部注水シス
テムは他の外部注湯先にも適用可能である。

（発明の効果） 以上、本発明によれば、残り湯をそのまま注水、
残り湯を加熱して注湯、冷水をそのまま注水、冷水
を加熱して注湯なる手順を切り換え運転することができ
るため、様々な状況に応じて注水することが出来る。

また、従来のような注水時間が設定されたタイマー動
作による注水手順ではなく、注水される温水の湯温を監
視して低温であれば、浴槽に還流させ、所望の湯温の温
水となれば、流量検出手段を介して外部注水箇所へ供給
させ、この際、流量検出手段によって、外部注水箇所に
対応した注湯量を１単位としてカウントし、そのカウン
ト値が注湯回数設定手段の設定値に達するまで注湯を行
なうようにする注水手順を採用したため、過不足なく確
実に注水または注湯を行なうことが出来るので、様々な
動作手順の全自動式の洗濯機に適したものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にかかる外部注水システムおよびその
注水方法を実施するための洗濯注湯システムの１実施例
を示す系統図、 第２図は、第１図に示す洗濯注湯システムの要部平面
図、 第３図は本発明にかかる外部注水システムおよびその注
水方法を実施するための洗濯注湯システムの別の実施例
を示す系統図である。 １、20……洗濯注湯システム、２……風呂装置、３……
注水リモコン、４……浴槽、５……給湯器、６……湯循
環パイプ、７……往き管、８……戻り管、９……洗濯
機、10……注湯回数設定ボタン、11……注水手順選択ボ
タン、12……流路切り換えバルブ、13……サーミスタ、
14……流量センサ、15……コントローラ、16……電磁
弁、17……水位スイッチ、21……外部注水機構、22……
リモコン操作ユニット、23……洗濯注湯ユニット、24…
…水／温水供給管

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】強制循環手段を備えた給湯器と浴槽とを往
   き管および戻り管からなる湯循環パイプにより連絡接続
   構成した風呂装置において、前記往き管に外部注水機構
   を介在させ、この外部注水機構は、外部注水箇所に供給
   可能な温水量に対応した量を１単位として単位設定する
   ことで、予め外部注水箇所へ注湯すべき回数を設定する
   注湯回数設定手段と、異種の注水手順選択手段と、給湯
   器からの温水を温度検出手段を介して浴槽へ供給する流
   路と温度検出手段および流量検出手段を介して外部注水
   箇所へ供給する流路とを選択的に切り換え形成してなる
   流路切り換えバルブと、を具備し、前記温度検出手段は
   給湯器からの温水の湯温を検出して、この湯温に基づい
   て、前記流路切り換えバルブを切り換え作動させるもの
   であり、前記流量検出手段は、外部注水箇所に対応した
   注湯量を１単位としてカウントするものであり、流量検
   出手段によるカウント値が注湯回数設定手段の設定値に
   達するまで注湯を行なうようにすることを特徴とする外
   部注水システム。
2. 【請求項２】請求項１記載の外部注水システムは全自動
   式の洗濯機に適用するものであることを特徴とする外部
   注水システム。
3. 【請求項３】請求項１記載の外部注水機構は、浴槽の残
   り湯をそのまま外部注水箇所に注湯する手順と、前記残
   り湯を加熱して注湯する手順と、冷水をそのまま注湯す
   る手順と、冷水を加熱して注湯する手順とを選択実行す
   るものであることを特徴とする外部注水システムの注水
   方法。
4. 【請求項４】冷水または残り湯を加熱して注湯する手順
   を選択した場合において、運転開始後、注湯される温水
   の湯温を監視して冷水状態または低温であれば、浴槽に
   還流させ、所望の湯温の温水となれば、流量検出手段を
   介して外部注水箇所へ供給し、この際、流量検出手段に
   よって、温水の量を外部注水箇所に対応した量を１単位
   としてカウントすると共に、このカウント値が予め設定
   された注湯回数と一致するまで注湯を行なうようにした
   ことを特徴とする外部注水システムの注水方法。