JP2837911B2 - 混合弁ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷水および熱水を供給するために、互いに
或る間隔をおいて配置されている、少なくとも二つのパ
イプ・ジョイントと、一つの弁本体とを備えていて、か
つこの弁本体の中に、冷水用および熱水用のそれぞれ一
つの締切り弁、あるいは一つの混合兼締切り弁と、混合
温水を送出するための少なくとも一つの送出口とが設け
られているような、一つの混合弁ユニットに関するもの
である。

発明の背景と在来技術の問題点 この種の混合弁ユニットはすでに西独特許公告第21 0
2 402号によって公知となっているが、この場合には弁
本体が一体型に作られており、しかも種々異なる設置目
的に使用し得るように設計されている。しかしながら、
この弁本体ないしハウジングはコストの高い鋳造工程に
よって製作する必要があるのである。

本発明の目的 そこで本発明は、特許請求の範囲第１項の前文に記載
されているような混合弁ユニットを改良して、弁本体を
幾つかのエレメント部品を色々組換えることによって作
り上げ得るようにする、ことを目的とするものである。

目的達成のための手段と問題点の解決方法 この目的は、本発明によりその特許請求の範囲第１項
の特徴を記した部分に挙げられている特徴によって解決
されるのである。更に本発明の幾つかの実施形態が、特
許請求の範囲第２項ないし第10項に示されているのであ
る。

本発明によって実現し得る利点はとりわけ、弁本体が
本質的には回転対称に作られていて、かつ付加されるべ
きエレメント部品がその表面にねじ込みによって容易に
取り付け得るようになっており、かつその際、これらの
エレメント部品は本質的には切削工程によって製作し得
るものであって、鋳造工程を必要としない、という点に
ある。この場合この混合弁ユニットは、都合のよいこと
に、ワンタッチ式温水混合弁として構成することができ
るのである。またこれとは反対に、この混合弁ユニット
を二点操作式混合弁として構成しておき、かつその際、
冷水および熱水の供給用としてそれぞれ一つの締切り兼
流量調節弁を設けておくこともできるのである。

この他更に本発明の実施形態として、短管のねじ込み
部分に面取りを施しておき、そこに回り止めのための止
めねじをねじ込んで当てるようにすることができる。そ
の際、この止めねじは、ワンタッチ式混合弁の中核部を
取り外した後に混合部のボディーにねじ込むようにして
おくと好都合である。

これらの短管にはそれぞれ一つの同心のポケット状の
孔を開けておくことができ、その孔に半径方向から前述
のパイプ・ジョイントを経て新鮮な冷水および熱水がそ
れぞれ供給されるのであるが、その際、突き出ている方
の端面には一つの化粧キャップもしくはシャワー・ヘッ
ド用ハンガーを取り付けておいてもよい。また個々のエ
レメント部品には組立て前にそれぞれ適当な塗装を施し
ておくことができるので、弁ユニットをねじ込み式にす
ることによって至極簡単に種々様々な彩りをもったラッ
カー仕上げの弁類を作り出すことができるのである。

図面による本発明の特徴と利点の詳しい説明 以下、本発明の一つの実施例について、図面を参照し
ながらその特徴と利点について更に詳しく説明しよう。

第１図および第２図に示されている温水混合弁は基本
的には一つの弁本体１によって構成されているが、それ
は中央に置かれている一つの混合部２、ならびにこの混
合部２に互いに向き合ってねじ込まれていて、かつ冷水
用および熱水用供給配管のためのパイプ・ジョイント４
をそれぞれ備えた二つの短管３からなっている。その
際、このパイプ・ジョイント４は極く普通の袋ナット式
ジョイント41として構成されており、これによっていわ
ゆるＳ字連絡管43を介して配管の連結が完成するのであ
る。更に壁面の接続部を覆い隠すために、第２図で特に
よく判るように、化粧カバー42がそれぞれ一つずつ設け
られている。

混合部２には、その上面側に設けられた一つの受入れ
孔27の中に一つのワンタッチ式温水混合弁10が収められ
ている。特に第３図、第４図および第５図からよく判る
ように、円筒形の混合部２の外壁面にはそれぞれ一つの
ねじ孔22が設けられており、その中にそれぞれ一つの短
管３がねじ込まれている。これら二つのねじ孔22とワン
タッチ式温水混合弁10とを連絡するために、前述の受け
入れ孔27から弁の中心軸に平行に二つの孔25が開けられ
ており、それらが二つのねじ孔22とそれぞれ交差して、
充分な流通路を作り上げるようになっている。ワンタッ
チ式温水混合弁10の中で作られた混合温水は、特に第４
図および第５からよく判るように、同じく互いに交差し
ている二つの孔で構成されている一つの流出孔21を経て
混合部２を貫流し、その下端面に設けられている一つの
ジョイント・ニップル26に到るのである。

ねじ孔22には、特に第１図、第６図および第７図に示
されているように、短管３が一つずつねじ込まれてい
る。二つの短管３はいずれも同じ寸法に作られている
が、その際、それらの一方の端部にはそれぞれ一つの細
目ねじ37が切られていて、それにより短管３がねじ孔22
にねじ込まれている。この細目ねじ37の奥の部分には、
一つのシール・リング23をはめ込むために、短管３に一
つの溝231が設けられている。更に細目ねじ37が切られ
ている方の端面から、管中心軸31と同心に一つの段付き
のポケット孔38が設けられており、かつその孔の一番奥
の部分には管中心軸31に対して半径方向に向いて一つの
ねじ孔33が開けられており、特に第２図からよく判るよ
うに、そこにパイプ・ジョイント４がシールされながら
ねじ込まれるようになっている。細目ねじ37と反対側の
端部には一つのリング溝34が設けられていて、そこに内
側に膨らみ61のついた一つの半球型の化粧キャップ６を
ぱちんとはめ込み得るようになっている。更にその上、
管中心軸31上に一つのねじ孔35が設けられていて、第１
図、第９図ないし第11図に示されている一つのシャワー
・ヘッド用ハンガー７が止めねじ71によって固着される
ようになっている。シャワー・ヘットを外す際に、この
シャワー・ヘッド用ハンガー７が管中心軸31に対して回
転することがないように、短管には更に面取り36が施さ
れており、その上に一つのカラー部72を備えたシャワー
・ヘッド用ハンガー７が被さってはまっているが、その
際このカラー部72には上述の面取りに見合った当たり面
73が設けられている。

二つの短管３は、混合部２にねじ込まれた後に複数の
止めねじ24によって回り止めが施される。これらの止め
ねじ24は第１図に示すように、受入れ孔27の中からねじ
込まれるようになっており、従って、ワンタッチ式温水
混合弁10を混合部２に取り付けてしまうと、もはや外か
らは見えなくなるのである。しかし、当選のことなが
ら、これらの止めねじ24は、例えば混合部２の下端面側
から、ねじ孔28の中にセットすることもできる。その
際、これらの止めねじ24が（第６図の）面32に当たり合
って働くので、短管が思いもかけず回転する、といった
ことは全くあり得ないのである。このように面32を一
つ、あるいは幾つか設けておく代わりに、刻み目ないし
は波型溝のようなものを設けておいて、短管３を混合部
２の中で任意の位置に固定できるようにすることも可能
である。

混合部２の下端面側に設けられているジョイント・ニ
ップル26には、シャワー用のホースを接続することがで
きるが、その際、このホース付きシャワー・ヘッドは、
手持ちのシャワーとして使う他に、シャワー・ヘッド用
ハンガー７に掛けたままで、浴槽に連続して湯を張るた
めに用いることも可能である。しかしまた代案として、
前述のジョイント・ニップル26に、第１図および第２図
に示されている一つの放水管８を接続しておくこともで
きる。その際、この放水管８には、浴槽への放水口81の
他に、一つの切換え弁83によって切り換えられるように
なっている。シャワー・ホース用の流出口82も備えられ
ている。

この混合弁ユニットの水の流通する部分、特に圧力の
掛かった水の流通する部分は、全てむくの円筒形の黄銅
材から切削加工によって製作されている。この場合、個
々のエレメント部品には色々のラッカー塗装を施してお
くことができ、かつその際、エレメント部品には弁本体
に組込む前にラッカーを塗っておくことができるので、
最終組立ての際に至極簡単に色彩豊かな弁ユニットを作
り出すことができるのである。また化粧キャップ６、シ
ャワー・ヘッド用ハンガー７、あるいはワンタッチ式温
水混合弁10の操作ハンドル11といったような、水が流通
しない部分については、任意の色彩や形状をもったもの
を弁本体１に取り付けられるようにすることもできる。
化粧キャップ６やシャワー・ヘッド用ハンガー７の製作
コストを安くするためには、合成樹脂の射出成形法で製
作するのが好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による一つの混合弁ユニットを、部分
的に断面にして示した正面図であり、 第２図は、第１図に示した混合弁ユニットを、部分的に
断面にして示した側面図であり、 第３図は、第１図に示されている混合部の縦断面図であ
り、 第４図は、第３図に示されている混合部を90°回転した
状態における縦断面図であり、 第５図は、第３図に示されている混合部を上から見た平
面図であり、 第６図は、第１図に示されている短管の縦断面図であ
り、 第７図は、第６図に示されている短管を上から見た平面
図であり、 第８図は、第１図に示されている化粧キャップの図であ
り、 第９図は、第１図に示されているシャワー・ヘッド・ハ
ンガーの正面図であり、 第10図は、第９図に示されているシャワー・ヘッド・ハ
ンガーを背面から見た図であり、 第11図は、第９図に示されているシャワー・ヘッド・ハ
ンガーを上から見た平面図である。 １……弁本体、10……ワンタッチ式温水混合弁 11……操作ハンドル、２……混合部 21……流出孔、22……ねじ孔 23……シール・リング、231……溝 24……止めねじ、25……孔 26……ジョイント・ニップル、27……受入れ孔 28……ねじ孔、３……短管 31……管中心軸、32……面 33……ねじ孔、34……リング溝 35……ねじ孔、36……面取り 37……細目ねじ、38……ポケット孔 ４……パイプ・ジョイント、41……袋ナット式ジョイン
ト 42……化粧カバー、42……Ｓ字連絡管 ６……化粧キャップ、61……膨らみ ７……シャワー・ヘッド用ハンガー、71……止めねじ 72……カラー部、73……当たり面 ８……放水管、81……放水口 82……流出口、83……切換え弁。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−15125（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−133172（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−45476（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−45776（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭51−6762（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F16K 11/00 - 11/24

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】間隔をおかれた複数のパイプジョイント
   （４）と、弁本体とを有する、熱水及び冷水を供給する
   配管用混合弁ユニットであり、弁本体には熱水と冷水の
   各々用の締切り弁或いは混合兼締切り弁を備えられ、弁
   本体は混合部（２）と相互に対角に向き合い混合部
   （２）に接続可能な二つの短管（３）とにより構成さ
   れ、パイプジョイント（４）は管軸線（31）に直角に短
   管（３）上に配置される、混合弁ユニットに於いて、 混合部（２）はほぼ円筒形であり、短管（３）の各々は
   混合部（２）内のねじ孔（22）内にシールリング（23）
   を伴ってシールされてねじ込まれ且つ回り止めによりパ
   イプジョイント（４）にとって必要とされる回転位置に
   固定され、回り止めは、混合部（２）内のねじ孔（22）
   に対して直角に配置され短管（３）の外周の面（32）に
   突き当たる止めねじ（24）であることを特徴とする、混
   合弁ユニット。
2. 【請求項２】該混合部（２）の内部に単一レバー温水混
   合弁（10）が収められていると共に、冷水用および熱水
   用の流入部が、該混合部（２）の中に該短管（３）に対
   して直角になるように設けられている二つの孔（25）に
   よって形成されており、かつその際、それぞれ一つの孔
   （25）が一つのねじ孔（22）と交差していて、それによ
   り両者が確実に連通するようになっている、ことを特徴
   とする、請求項１に記載された混合弁ユニット。
3. 【請求項３】流入してくる冷水および熱水のために、そ
   れぞれ一つの締切り兼流量調節弁が、前述のパイプ・ジ
   ョイント（４）に対して対角的に向き合う形で、設けら
   れており、かつ冷水と熱水とを混合するために、該混合
   部（２）の中に一つの混合室が設けられている、ことを
   特徴とする、請求項１に記載された混合弁ユニット。
4. 【請求項４】該短管（３）の、該混合部（２）と向き合
   う反対側の端部が塞がれていると共に、この部分に化粧
   キャップ（６）および／あるいはシャワー・ヘッド用ハ
   ンガー（７）が設けられており、かつその際、前述のパ
   イプ・ジョイント（４）が管軸線（31）に対して直角に
   開けられているねじ孔（33）の中にそれぞれねじ込まれ
   て固定されている、ことを特徴とする、請求項１から３
   までのいずれか一つの項に記載された混合弁ユニット。
5. 【請求項５】該混合部（２）の下端面に、シャワーのた
   めの、一つの送水用ホースを接続するためのジョイント
   ・ニップル（26）が設けられている、ことを特徴とす
   る、請求項１から４までのいずれか一つの項に記載され
   てた混合弁ユニット。
6. 【請求項６】該混合部（２）の下端面に一つの放水管
   （８）が取り付けられている、ことを特徴とする、請求
   項１から４までのいずれか一つの項に記載された混合弁
   ユニット。
7. 【請求項７】該短管（３）の各々の端部にリング溝（3
   4）が設けられていて、そこに前述の化粧キャップ
   （６）がはめ込まれて保持されるようになっている、こ
   とを特徴とする、請求項４に記載された混合弁ユニッ
   ト。
8. 【請求項８】前述のシャワー・ヘッド用ハンガー（７）
   を固着するために、該短管（３）の端部に一つのねじ孔
   （35）が設けられていると共に、このハンガーが回転す
   ることがないように、一つあるいは幾つかの面取り（3
   6）が施されている、ことを特徴とする、請求項４また
   は７に記載された混合弁ユニット。