JP2837718B2 - 歯間清掃具およびその製造方法 - Google Patents

歯間清掃具およびその製造方法

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JP2837718B2 JP1321824A JP32182489A JP2837718B2 JP 2837718 B2 JP2837718 B2 JP 2837718B2 JP 1321824 A JP1321824 A JP 1321824A JP 32182489 A JP32182489 A JP 32182489A JP 2837718 B2 JP2837718 B2 JP 2837718B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、歯間清掃具およびその製造方法に関し、さ
らに詳しくは、超高分子量ポリオレフィンのマルチフィ
ラメントからなるデンタルフロスを強固に張設する歯間
清掃具の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 歯間に挟まった食物残渣などを除去するための器具と
してフフィラメント状のデンタルフロスが知られてい
る。このデンタルフロスは、当該デンタルフロスを歯間
部に挿入し指で強く張って歯間を通過させることによ
り、歯間部におる食物残渣を除去することができるよう
になっている。
また近年においては、取手部を有する樹脂製の歯間清
掃具本体に一体に形成した突出部間に、デンタルフロス
を張設し、この取手部を把持した状態でデンタルフロス
を歯間部に挿入し、歯間を通過させることにより、歯間
部にある食物残渣を除去するようにして、使用性を改良
した歯間清掃具が広く用いられている。
従来のデンタルフロスには、ナイロン捲縮系のマルチ
フィラメントが用いられていたが、このナイロン製デン
タルフロスは、引張り強度および耐衝撃強度に劣るた
め、使用中に切断してしまうという欠点があった。さら
に、ナイロン製デンタルフロスは、歯との滑り性に乏し
いことから、使用時に狭い歯間への挿入性が悪いという
欠点があった。
従来のナイロン製デンタルフロスが有していたこのよ
うな欠点をすべて解消し得るものとして、超高分子量ポ
リオレフィンのマルチフィラメントからなるデンタルフ
ロスが開発されつつある。
超高分子量ポリエチレンを繊維、テープなどに成形
し、これを延伸することにより、高弾性率、高引張り強
度を有する分子配向成形体が得られることが既に知られ
ている。例えば、特開昭56−15308号公報には、超高分
子量ポリエチレンの稀薄溶液を紡糸し、得られるフィラ
メントを延伸することが記載されている。また、特開昭
59−130313号公報には、超高分子量ポリエチレンとワッ
クスとを溶融混練し、この混練物を押し出し、冷却固化
後延伸することが記載され、さらに特開昭59−187614号
公報には、上記溶融混練物を押し出し、ドラフトをかけ
た後冷却固化し、次いで延伸することが記載されてい
る。
ところが、樹脂製の取手部を備え、超高分子量ポリオ
レフィンのマルチフィラメントからなるデンタルフロス
を装着した従来の歯間清掃具は、清掃具本体を成形した
後に、突出部とデンタルフロスとを接着するか、あるい
は、突出部にスリットなどを形成して、このスリットに
デンタルフロスを係合することにより、突出部間にデン
タルフロスを張設した状態で固定していたため、突出部
とデンタルフロスの固定力が充分でなく、デンタルフロ
スが使用中に抜けてしまうという問題点があった。
また、従来デンタルフロスに用いられていたナイロン
製のフィラメントからなるデンタルフロスにあっては、
ポリアミドフィラメントが使用されていたため、その不
要部分を加熱溶融により切断すると、加熱部分が炭化し
て黒色化してしまい、外観がきたなくなり、使用者に不
潔感をあたえるので口内において使用される歯間清掃具
にこのような加熱溶融切断を用いることできなかった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、引張り強度および耐衝撃製
に優れ、しかも耐クリープ性、耐水性、自己潤滑性に優
れたデンタルフロスが強固に固定され、しかも清潔な歯
間清掃具を提供することを目的とする。
発明の概要 本発明に係る歯間清掃具は、極限粘度[η]が少なく
とも5dl/gである超高分子量ポリオレフィン[A]の延
伸マルチフィラメントよりなるデンタルフロスが所定間
隔離隔している突出部間に張設していると共に、前記突
出部に連設している取手部とを有しており、かつデンタ
ルフロスの両端部が球形状に形成されてなることを特徴
とする。
また本発明に係る歯間清掃具の製造方法は、極限粘度
[η]が少なくとも5dl/gである超高分子量ポリオレフ
ィン[A]の延伸マルチフィラメントよりなるデンタル
フロスが所定間隔離隔している突出部間に張設している
と共に、前記突出部に連設している取手部とを有してな
る歯間清掃具を製造するに際し、前記突出部に前記デン
タルフロスを装着した後に、当該デンタルフロスの不要
部分を加熱溶融により除去することを特徴としている。
また、本発明に係る歯間清掃具の清掃具の製造方法に
おいて、前記デンタルフロスの前記突出部への装着は、
前記突出部および取手部を備えた歯間清掃具本体を合成
樹脂[B]の射出成形によって成形する工程で、同時に
行なうことが好ましい。
このように、本発明に係る歯間清掃具の製造方法は、
引張り強度および耐衝撃性に優れ、しかも耐クリープ
性、耐水性、自己潤滑性に優れたデンタルフロスを突出
部に装着した後に、デンタルフロスの不要部分を加熱溶
融により除去するため、デンタルフロスの端部が膨出し
て突出部に係止されることにより、これによってデンタ
ルフロスと突出部とが強固に固定される。さらに、前記
樹脂[B]が、当該デンタルフロスを形成する超高分子
量ポリオレフィン[A]と同系統のポリオレフィンの場
合にあっては、加熱溶融切断時に溶融したデンタルフロ
スの一部と突出部の表面とが溶融一体化するので、デン
タルフロスがさらに強固に突出部に固定されるので特に
好ましい。
しかも、本発明に係るデンタルフロスは加熱溶融時に
炭化することなく原色を維持し得るため、清潔な歯間清
掃具を提供することができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る歯間清掃具およびその製造方法につ
いて、図面を参照して具体的に説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る製造方法により製造
された歯間清掃具を示す側面図であり、第2図は同実施
例に係る歯間清掃具の製造方法における射出成形工程を
示す平面図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面
図、第4図は第2図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は
同実施例に係る加熱溶融工程を示す概念図である。
まず、第1図に示すように、本実施例の製造方法によ
り製造されると歯間清掃具2は、棒状に形成された取手
部8と、この取手部8に連設され、当該取手部8に対し
てほぼ直角方向および同一平面内に位置するように突出
して形成された2つの突出部4a,4bとを有している。一
方の突出部4aは、前記取手部8の一端8aに形成され、他
方の突出部4bは前記突出部4aから所定間隔離隔して形成
されており、両突出部4a,4bの突出長さは、ほぼ等しく
なっている。両突出部4a,4b間の離隔距離は、一般人の
歯の厚さよりも幅広に設定する必要があり、10〜30mmで
あることが好ましい。また、突出部4a,4bの突出長さ
は、一般人の歯の高さにほぼ等しいか、あるいは僅かに
長く設定し、好ましくは5〜15mmである。
前記取手部8の他端8bは、先端が鋭利に形成されてお
り、つまようじとしての機能を有している。なお、本発
明は取手部8の形状に何ら限定されることなく、本実施
例のように先端8bを鋭利に形成しなくても良い。また、
本実施例においては、取手部8を直線の棒状に形成した
が、使用性を高めるために取手部8の中間部近傍で屈曲
させることも可能である。
本実施例にあっては、上述した突出部4a,4bと取手部
8とからなる歯間清掃具本体3は、合成樹脂[B]を原
料として射出成形により一体的に成形される。
本発明において用いられる歯間清掃具本体3を構成す
る合成樹脂[B]としては、ポリスチレン、ポリエチレ
ンなどが挙げられるが、後述するように、射出成形時に
おける成形温度、特に当該合成樹脂が金型内に射出さ
れ、デンタルフロスと接触する際に、合成樹脂温度がデ
ンタルフロスの高温側融解ピーク温度より低い温度にて
射出成形が可能な合成樹脂であることが好ましい。例え
ば、前記ポリスチレンにあっては、成形温度140〜180
℃、金型温度10〜100℃として射出成形を行ない、また
前記ポリエチレンにあっては、成形温度150〜200℃、金
型温度10〜100℃として射出成形を行なうことが好まし
い。
さらに、第1図および第3図に示すように、前記2つ
の突出部4a,4b間には、マルチフィラメントからなるデ
ンタルフロス6が張設されている。
本発明にて用いられるデンタルフロス6を構成するマ
ルチフィラメントは、超高分子量ポリオレフィンの延伸
フィラメント、あるいは、超高分子量エチレン・α−オ
レフィン共重合体の延伸フィラメントであり、これらを
以下説明する。
本発明にて用いられる延伸フィラメントを構成する超
高分子量ポリオレフィンとして、具体的には、超高分子
量ポリエチレン、超高分子量ポリプロピレン、超高分子
量ポリ−1−ブテンおよび2種以上のα−オレフィンの
超高分子量共重合体などを例示することができる。この
超高分子量ポリオレフィンの延伸フィラメントは、引張
り強度および耐衝撃強度に優れ、しかも耐クリープ性、
耐水性に優れている。
また、本発明にて用いられる延伸フィラメントを構成
する超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体とし
ては、超高分子量エチレン・プロピレン共重合体、超高
分子量エチレン・1−ブテン共重合体、超高分子量エチ
レン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、超高分子量
エチレン・1−ヘキセン共重合体、超高分子量エチレン
・1−オクテン共重合体、超高分子量エチレン・1−デ
セン共重合体などのエチレンと炭素原子数が3〜20、好
ましくは4〜10のα−オレフィンとの共重合体を例示す
ることができる。この超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体では、炭素数3以上のα−オレフィンから
誘導される成分単位は、当該重合体の炭素数1000個当た
り0.1〜20個、好まくは0.5〜10個、さらに好ましくは1
〜7個の量で含有されている。
このような超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体から得られる延伸フィラメントは、超高分子量ポリ
エチレンから得られる延伸フィラメントと比較して特に
耐衝撃性および耐クリープ性に優れている。
本発明で用いられる延伸フィラメントを構成する超高
分子量ポリオレフィンまたは超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体は、その極限粘度[η]が5dl/g以
上好まくは7〜30dl/gの範囲にあり、この共重合体から
得られる延伸フィラメントは機械的特性あるいは耐熱性
が優れている。すなわち、分子端末は繊維強度に寄与し
なく、分子端末の数は分子量(粘度)の逆数であること
から、極限粘度[η]の大きいものが高強度を与える。
本発明で用いられる延伸フィラメントの密度は、0.94
0〜0.990g/cm3好ましくは0.960〜0.985g/cm3である。こ
こで密度は、常法(ASTM D 1505)に従い、密度勾配管
法にて測定した。このときの密度勾配管は四塩化炭素と
トルエンを用いることにより調製し、測定は、常温で
(23℃)で行なった。
本発明で用いられる延伸フィラメントの誘電率(1KH
z、23℃)は、1.4〜3.0好まくは1.8〜2.4であり、正電
正接(1KHz、80℃)は、0.05〜0.008%好ましくは0.040
〜0.010%である。ここで、誘電率および正電正接は、
繊維およびテープ状の分子配向体を一方向に緻密に引き
揃え、フィルム状にした試料を用い、ASTM D 150によっ
て測定した。
本発明で用いられる延伸フィラメントの延伸倍率は、
5〜80倍好ましくは10〜50倍である。
本発明で用いられる延伸フィラメントにおける分子配
向の程度は、X線回折法、複屈折法、螢光偏光法等で知
ることができる。たとえば呉祐吉、久保輝一郎:工業化
学雑誌第39巻、992頁(1939)に詳しく述べられている
半価巾による配向度、すなわち式 (式中、H゜は赤道線上最強のパラトロープ面のデバイ
環に沿っての強度分布曲線の半価幅(゜)である。) で定義される配向度(F)が0.90以上、特に0.95以上と
なるように分子配向されていることが、機械的性質の点
で望ましい。
さらに、本発明で用いられる延伸フィラメントは、機
械的特性にも優れており、20GPa以上、特に30GPa以上の
弾性率と、1.2GPa以上、特に1.5GPa以上の引張強度とを
有している。
本発明で用いられる延伸フィラメントのインパルス電
圧破壊値は、110〜250KV/mm好ましくは150〜220KV/mmで
ある。インパルス電圧破壊値は、誘電率の場合と同様な
試料を用い、銅板上で黄銅(25mmφ)のJIS型電極によ
り、負極性のインパルスを2KV/3回ステップで加えなが
ら昇圧し、測定した。
本発明で用いられ延伸フィラメントが超高分子量エチ
レン・α−オレフィン共重合体の延伸フィラメントであ
る場合には、この延伸フィラメントは耐衝撃性、破断エ
ネルギーおよび耐クリープ性が著しく優れているという
特徴を有している。これらの超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体の延伸フィラメントの特徴は、以下
の物性によって表わされる。
本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体の延伸フィラメントの破断エネルギーは、
8kg・m/g以上、好ましくは10kg・m/g以上である。
また、本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体の延伸フィラメントは、耐クリープ
性に優れている。とくに、常温クリープ性の促進条件に
相当する高温下での耐クリープ特性に際立って優れてお
り、荷重を30%破断荷重として、雰囲気温度を70℃と
し、90秒後の伸び(%)として求めたクリープが7%以
下、特に5%以下であり、さらに90秒から180秒後のク
リープ速度(ε,sec-1)が4×10-4sec-1以下、特に5
×10-5sec-1以下である。
本発明で用いられる延伸フィラメントのうちで、超高
分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の延伸フィラ
メントは、前述の常温物性を有しているが、さらにこれ
らの常温物性に加えて、次の熱的性質を兼備している
と、前述の常温物性がさらに向上し、耐熱性にも優れて
いるので好ましい。
本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体の延伸フィラメントは、該共重合体本来の
結晶溶融温度(Tm)よりも少なくとも20℃高い温度に少
なくとも1個の結晶融解ピーク(Tp)に基づく融解熱量
が15%以上好ましくは20%以上、特に30%以上である。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体本来の
結晶融解温度(Tm)は、この延伸フィラメントを一度完
全に融解した後冷却して、延伸フィラメントにおける分
子配向を緩和させた後、再度昇温させる方法、いわゆる
示差走査型熱量計におけるセカンド・ランで求めること
ができる。
さらに説明すると、本発明で用いられる延伸フィラメ
ントでは、前述した共重合体本来の結晶融解温度域には
結晶融解ピークは全く存在しないか、存在するとしても
極くわずかにテーリングとして存在するにすぎない。結
晶融解ピーク(Tp)は一般に、温度範囲Tm+20℃〜Tm+
150℃、特にTm+20℃〜Tm+100℃の領域に表わされるの
が普通であり、このピーク(Tp)は上記温度範囲内に複
数個のピークとして表われることが多い。すなわち、こ
の結晶融解ピーク(Tp)は、温度範囲Tm+35℃〜Tm+10
0℃における高温側融解ピーク(Tp1)と、温度範囲Tm+
20℃〜Tm+35℃における低温側融解ピーク(Tp2)との
2つに分離して表われることが多く、延伸フィラメント
の製造条件によって、Tp1やTp2がさらに複数個のピーク
から成ることもある。
これらの高い結晶融解ピーク(Tp1,Tp2)は、超高分
子量エチレン・α−オレフィン共重合体の延伸フィラメ
ントの耐熱性を著しく向上させ、かつ高温の熱履歴後で
の強度保持率あるいは弾性率保持率に寄与するものであ
ると思われる。
また温度範囲Tm+35℃〜Tm+100℃の高温側融解ピー
ク(Tp1)に基づく融解熱量の総和は、全融解熱量当
り、1.5%以上、特に3.0%以上にあることが望ましい。
また高温側融解ピーク(Tp1)に基づく融解熱量の総
和が上述の値を満たしている限りにおいては、高温側融
解ピーク(Tp1)が主たるピークとして突出して現われ
ない場合、つまり小ピークの集合体もしくはブロードな
ピークになったとしても、耐熱性は若干失われる場合も
あるが、耐クリープ特性については優れている。
本発明における融点および結晶融解熱量は以下の方法
により測定した。
融点は示差走査熱量計で以下のように行なった。示差
走査熱量計はDSC II型(パーキンエルマー社製)を用い
た。試料約3mgを4mm×4mm、厚さ0.2mmのアルミ板に巻き
つけることにより配向方向にこの試料を拘束した。次い
でアルミ板に巻きつけた試料をアルミパンの中に封入
し、測定用試料とした。また、リファレンスホルダーに
入れる通常、空のアルミパンには、試料に用いたと同じ
アルミ板を封入し、熱バランスを取った。まず試料を30
℃で約1分間保持し、その後10℃/分の昇温速度で250
℃まで昇温し、第1回目昇温時の融点測定を完了した。
引き続き250℃の状態で10分間保持し、次いで20℃/分
の降温速度で降温し、さらに30℃で10分間試料を保持し
た。次いで二回目の昇温を10℃/分の昇温速度で250℃
まで昇温し、この際2回目昇温時(セカンドラン)の融
点測定を完了した。このとき融解ピークの最大値をもっ
て融点とした。ショルダーとして現われる場合は、ショ
ルダーのすぐ低温側の変曲点とすぐ高温側の変曲点で接
線を引き交点を融点とした。
また吸熱曲線の60℃と240℃との点を結び該直線(ベ
ースライン)と二回目昇温時の主融解ピークとして求め
られる超高分子量エチレン共重合体本来の結晶融解温度
(Tm)より20℃高い点に垂線を引き、これらによって囲
まれた低温側の部分を超高分子量エチレン共重合体本来
の結晶融解(Tm)に基づくものとし、また高温側の部分
を延伸フィラメントの機能を発現する結晶融解(Tp)に
基づくものとし、それぞれの結晶融解熱量は、これらの
面積より算出した。また、Tp1およびTp2の融解に基づく
融解熱量も上述の方法に従い、Tm+20℃からの垂線とTm
+35℃からの垂線に囲まれた部分をTp2の融解に基づく
融解熱量のものとし、高温側部分をTp1の融解に基づく
融解熱量のものとして同様に算出した。
本発明の超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体の延伸フィラメントは、170℃で5分間の熱履歴を与
えた後での強度保持率が95%以上で、弾性率保持率が90
%以上、特に95%以上であり、従来のポリエチレンの延
伸フィラメントには全く認められない優れた耐熱性を有
している。
超高分子量ポリオレフィンの分子配向成形体の製造方法 前述の高弾性、高引張強度を有する超高分子量ポリオ
レフィン延伸物を得る方法としては、たとえば、特開昭
56−15408号公報、特開昭58−5228号公報、特開昭59−1
30313号公報、特開昭59−187614号公報等に詳述されて
いるような、超高分子量ポリオレフィンを稀薄溶液にす
るか、あるいは超高分子量ポリオレフィンにパラフィン
系ワックスなどの低分子量化合物を添加して超高分子量
ポリオレフィンの延伸性を改良して高倍率に延伸する方
法を例示することができる。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配
向成形体の製造方法 次に本発明を、その理解が容易なように、原料、製造
方法および目的の順に以下に説明する。
原料 本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフ
ィンとを、チーグラー系触媒を使用し、たとえば有機溶
媒中でスラリー重合させることにより得られる。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが
用いられるが、このうち特にブテン−1、4−メチルペ
ンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などが好まし
い。このようなα−オレフィンは、得られる共重合体の
炭素数1000個当り前述の量で存在するようにエチレンと
共重合される。また、本発明で分子配向体を製造する際
にベースとして用いられる超高分子量エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、前述した極限粘度[η]に対応す
る分子量を有するべきである。
本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体のα−オレフィン成分の定量は、赤外分光
光度計(日本分光工業製)によって行なわれる。具体的
には、エチレン鎖の中に取り込まれたα−オレフィンの
メチル基の変角振動を表わす1378cm-1の吸光度を、赤外
分光光度計により測定し、この値を、あらかじめ13C核
磁気共鳴装置にて、モデル化合物を用いて作成した検量
線にて1000炭素原子当りのメチル分枝数に換算すること
により、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体
中のα−オレフィン量を定量する。
製造方法 本発明では、上記超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体から分子配向体を製造するに際して、該共重
合体に希釈剤を配合する。このような希釈剤としては、
たとば超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体に
対して相溶性を有する各種ワックス状物が用いられる。
また希釈剤としてのワックス類としては、具体的には
脂肪族炭化水素化合物あるいはその誘導体が用いられ
る。
このような脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪
族炭化水素化合物を主体とし、通常、分子量が2000以下
好ましは1000以下さらに好ましくは800以下のパラフィ
ン系ワックスと呼ばれる化合物が用いられる。
このような脂肪族炭化水素化合物としては、具体的に
は、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコン
タン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこれらを
主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油から分
離精製されたいわゆるパラフィンワックス、エチレンあ
るいはエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して得
られる低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワ
ックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合
ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリ
エチレン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低
下させたワックス、それらのワックスの酸化物あるいは
マレイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワッ
クス等が用いられる。
また脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、たとえば
脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基)の末端
もしくは内部に1個またはそれ以上、好ましくは1〜2
個、特に好ましくは1個のカルボキシル基、水酸基、カ
ルバモイル基、エステル基、メルトカプト基、カルボニ
ル基等の官能基を有する化合物である炭素数8以上、好
ましくは炭素数12〜50または分子量130〜2000好ましく
は200〜800の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アル
デヒド、脂肪族ケトン等が用いられる。
このような脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、具
体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、
ラウリンアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族アルコー
ル、カプリンアミド、ラウリンアミド、パルミチンアミ
ド、ステアリルアミドなどの脂肪酸アミド、ステアリル
酢酸エステルなどの脂肪酸エステル等が用いられる。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体と希釈
剤とは、これらの種類によっても相違するが、一般的に
3:97〜80:20、特に15:85〜60:40の重量比で用いられ
る。希釈剤の量が上記範囲よりも低い場合には、溶融粘
度が高くなり過ぎ、溶融混練や溶融成形が困難となると
ともに、得られる成形体の肌荒れが著しく、延伸切れ等
を生じ易い。一方、希釈剤の量が上記範囲よりも多い
と、やはり溶融混練が困難となり、また得られる成形体
の延伸性が劣るようになる。
溶融混練は、一般に150〜300℃、特に170〜270℃の温
度で行なわれる。上記範囲よりも低い温度では、溶融粘
度が高すぎて、溶融成形が困難となり、また上記範囲よ
りも高い場合には、熱減成により超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の分子量が低下し、優れた高弾
性率および高強度を有する成形体を得ることが困難とな
る。なお、配合はヘンシェルミキサー、V型ブレンダー
等による乾式ブレンドで行なってもよいし、あるいは単
軸押出機または多軸押出機を用いて行なってもよい。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体と希釈
剤とからなるドープ(紡糸原液)の溶融成形は、一般に
溶融押出成形により行なわれる。具体的には、ドープを
紡糸口金を通して溶融押出することにより、延伸フィラ
メントが得られる。この際、紡糸口金より押出された溶
融物にドラフト、すなわち溶融状態での引き伸しを加え
ることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフィス内での押
出速度V0と冷却固化した未延伸物の巻き取り速度Vとの
比をドラフト比として次式で定義することができる。
ドラフト比=V/V0 …(2) このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分
子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量等によ
り変化するが、通常は3以上好ましくは6以上とするこ
とができる。
次に、このようにして得られた超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の未延伸成形体を、延伸処理す
る。延伸は、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体から得られた未延伸成形体に少なくとも一軸方向の
分子配向が有効に付与されるように行なわれる。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体から得
られる未延伸成形体の延伸は、一般に40〜160℃、特に8
0〜145℃の温度で行なわれる。未延伸成形体を上記温度
に加熱保持するための熱媒体としては、空気、水蒸気、
液体媒体の何れをも用いることができる。しかしなが
ら、熱媒体として、前述した希釈剤を溶出除去すること
ができる溶媒で、しかもその沸点が成形体組成物の融点
よりも高い液体媒体、具体的には、デカリン、デカン、
灯油等を使用して、延伸操作を行なうと、前述した希釈
剤の除去が可能となるとともに、延伸時の延伸むらが生
ぜずしかも高延伸倍率の達成が可能となるので好まし
い。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体から希
釈剤を除去する手段は、前記方法に限らず、未延伸物を
ヘキサン、ヘプタン、熱エタノール、クロロホルム、ベ
ンゼン等の溶媒で処理後延伸する方法、延伸物をヘキサ
ン、ヘプタン、熱エタノール、クロロホルム、ベンゼン
等の溶剤で処理する方法によっても、成形物中の希釈剤
を除去することによって、高弾性率、高強度の延伸物を
得ることができる。
延伸操作は、一段あるいは二段以上の多段で行なうこ
とができる。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこ
れに伴う融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5
〜80倍好ましくは10〜50倍である。
一般には、二段以上の多段延伸により延伸操作を行な
うことが好ましく、一段目では80〜120℃の比較的低い
温度で押出成形体中の希釈剤を抽出しながら延伸操作を
行ない、二段目以降では120〜160℃の温度でしかも一段
目延伸温度よりも高い温度で成形体の延伸操作を行なう
ことが好ましい。
一軸延伸操作の場合には、周速の異なるローラ間で引
張延伸を行なえばよい。
このようにして得られた延伸フィラメントは、所望に
より拘束条件下に熱処理することができる。この熱処理
は、一般に140〜180℃好ましくは150〜175℃の温度で、
1〜20分間好ましくは3〜10分間行なうことができる。
熱処理により、配向結晶部の結晶化が一層進行し、結晶
融解温度の高温側への移行、強度および弾性率の向上、
さらには高温での耐クリープ性の向上がもたらされる。
本発明では、このような超高分子量ポリオレフィン、
あるいは超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体
の延伸フィラメントを複数本通常5〜1000本束ねて延伸
マルチフィラメントとして、たとえば第1図に示すデン
タルフロス6に用いる。この時、モノフィラメントがバ
ラけるのを防ぐために、撚りをかけることができ、また
撚りをかけた上で潤滑性をさらに良くするためにワック
スを用いることもできる。また使用感をさらに良くする
ために、ミント等の香料も使用できる。
次に、第2図を参照して、本発明に係る歯間清掃具の
製造方法について説明する。
成形用金型 まず、図中「10」は、射出成形金型における下型を示
し、複数のキャビティ11が所定の配置で形成されてい
る。この下型10に形成されるキャビディ11は、前記歯間
清掃具本体3の外形の半分に対応した形状に形成されて
おり、一方図示しない上型にも同様の形状を有するキャ
ビディが形成され、これら上型および下型10をその両キ
ャビディが対応するように型締めすることにより、その
両キャビディによって形成された空間が前記歯間清掃具
本体3の外形形状となり、この空間に前記合成樹脂
[B]を射出することによって、歯間清掃具本体3が成
形されることになる。すなわち、本実施例にあっては、
射出成形の金型における、いわゆるパーティング面を歯
間清掃具2あるいは歯間清掃具本体3の中心位置に設定
している。なお、この型割りを変更することは、本発明
の要旨に何ら影響を及ぼすものではなく、したがって、
前記パーティング面を歯間清掃具(本体)の中心以外の
位置に設定しても良い。
前記下型10に形成された複数のキャビディ11は、2つ
のキャビディ11,11がそれぞれ対向するように対をな
し、歯間清掃具2の突出部4a,4bとデンタルフロス6と
の接触部が一直線上に並ぶように形成されている。そし
て、この一対のキャビディ11,11が、さらに複数並設さ
れ、第2図に示す実施例にあっては、都合12個の歯間清
掃具2が、1ショットで成形されるようになっている。
また、さらに1対のキャビディ同士が、互いに、その突
出部11a(4a),11b(4b)とデンタルフロス6との接触
部が一直線上に並ぶように形成されており、また上型、
下型のキャビディ−以外の部分で、デンタルフロスが位
置する部分には、該デンタルフロスの断面形状よりも僅
かに大きい断面形状を有する溝が直線状に布敷されてお
り、型を締めた際にデンタルフロスを切断することなく
挟持するようにしてあり、同実施例にあっては、下型10
の上下に2本のデンタルフロス6を張設するだけで、2
つの突出部11a(4a),11b(4b)間にデンタルフロス6
をインサート成形することができる。なお、本発明にお
いては、第2図に示すような金型の設定に限定されるこ
となく、これにキャビディの配置は、適宜変更すること
が可能である。
さらに、この金型10の近傍には、デンタルフロス6を
当該金型10に供給する供給装置(不図示)が設けられて
おり、供給側12から供給されたデンタルフロス6が、ロ
ーラ13を介して受取り側14に帰還するようになってい
る。そして、これら供給側12、ローラ13および受取り側
14にてデンタルフロス6が張設されると、その張設され
た2本のデンタルフロス6が各キャビディ11の突出部11
a,11bの接触部に位置するように、前記供給側12、ロー
ラ13および受取り側14の位置および金型外端部に設置し
た複数の系ガイド(不図示)に位置が設定されている。
射出成形工程 このような金型10および一般的な射出成形機を用い
て、歯間清掃具2の射出成形を行なう。
まず、第2図に示すように、上型(第4図に示す「1
5」)と下型10とを開いた状態で、前述した超高分子量
ポリオレフィンあるいは超高分子量エチレン・α−オレ
フィン共重合体のマルチフィラメントからなるデンタル
フロス6を供給装置によって下型10の表面に張設する。
これにより、デンタルフルロス6は、キャビティ11の突
出部11a,11bの所定の位置に適正に配置されることとな
る。
ついで、この状態から、上型15を下型10に近接させ、
両者10,15を所定の圧力にて型締めする。このとき、第
4図に示すように、前記下型10表面に張設したデンタル
フロス6は、両金型10,15によって形成されたキャビテ
ィ内においては、そのキャビティ11の中間位置に設置さ
れた状態となっており、一方、これ以外の部分、すなわ
ち、突出部11a,11b間16および隣接する他の歯間清掃具
との間の部分17については、上型15および下型10に布敷
した溝によって挟持された状態となっている。
このようにしてデンタルフロス6の配置と型締めを終
了した後に、溶融装置(不図示)にて溶融された合成樹
脂[B]を上型15に設けられたゲート(不図示)を介し
てキャビティ11内に射出する。本実施例において、前記
ゲートは、第2図に示す「9」にて示す位置に設定した
が、このゲート位置は歯間清掃具2の形状等により適宜
選択されることはいうまでもない。
本発明に係る製造方法にあっては、前記合成樹脂
[B]の射出を行なう場合に、合成樹脂がキャビティ内
に射出された状態において、デンタルフロスと接触する
ときの合成樹脂温度を、当該デンタルフロスの高温側融
解ピーク温度未満にしている。すなわち、前述した超高
分子量ポリオレフィンにあっては、例えば高温側融解ピ
ーク温度が170℃である場合、合成樹脂が当該超高分子
量ポリオレフィンのマルチフィラメントからなるデンタ
ルフロスと接触するときの合成樹脂の温度が170℃未
満、好ましくは高温側融解ピーク温度より10〜50℃低い
温度になるように、合成樹脂の射出成形温度が設定され
ている。これにより、射出成形時にデンタルフロスが、
熱的影響を受けることなく、突出部間にインサート成形
されることとなる。
加熱溶融工程 このようにして射出成形を終了した歯間清掃具2は、
所定の冷却時間経過後、金型10,15から取り出される。
このとき、各キャビティによって成形された歯間清掃具
2は、デンタルフロス6により互いに連結されているた
め、本工程において不要部分が除去される。この不要部
分、すなわち隣接する他の歯間清掃具との間の部分17の
除去は、第5図、第6図、第7図、第8図あるいは第9
図に示すように、加熱溶融によって行われる。すなわ
ち、デンタルフロス6により連結された成形後の歯間清
掃具2を加熱装置18、20、21あるいは22に設置し、2つ
の突出部4a,4bの外側に位置するデンタルフロス17,17の
一部を加熱溶融することにより、この不要部分17,17は
除去される。
このような加熱溶融(融解)切断法としては、さらに
具体的には、下記(i)〜(v)に例示するような方法
が挙げられる。
(i)第5図に示すように、マイクロ・バーナー18など
の火炎を2つの突出部4a,4bの外側に位置するデンタル
フロス17、17の切断予定部分のみに当てる方法。
(ii)第6図に示すように、ハンダ鏝20などの加熱刃を
デンタルフロス17,17の切断予定部分および突出部の両
者に近接あるいは接触させる方法。
(iii)第7図に示すように、ハンダ鏝21などの加熱刃
を2つの突出部4a,4bに近接あるいは接触させることな
く、デンタルフロス17,17の切断予定部分のみに近接あ
るいは接触させる方法。
(iv)第8図に示すように、遠赤外線などの熱光線をデ
ンタルフロス17,17の切断予定部分に照射する方法。
(v)第9図に示すように、電気放電をデンタルフロス
17,17の切断予定部分に照射する方法。
このように、加熱溶融などにより不要部分17を除去す
ると、本発明に係る超高分子量ポリオレフィンの延伸フ
ィラメント、あるいは超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体の延伸フィラメントからなるデンタルフロ
スにあっては、加熱溶融切断後のデンタルフロス端部が
例えば第5図に示すように、膨出した球形状19となるた
め、デンタルフロスが突出部4a,4bから抜けることなく
このデンタルフロス6は歯間清掃具本体3の突出部4a,4
bに強固に固定されることとなる。さらに、前記樹脂
[B]が、当該デンタルフロスを形成する超高分子量ポ
リオレフィン[A]と同系統のポリオレフィンの場合に
あっては、加熱溶融切断時に溶融したデンタルフロスの
一部と把手部の表面とが溶融一体化するので、デンタル
フロスがさらに強固に突出部に固定されるので特に好ま
しい。しかも、加熱溶融切断によっては、前記デンタル
フロス6は炭化することなく原色を維持するため、清潔
性が要求される歯間清掃具2とにとって好適なものとな
る。
発明の効果 上記のように本発明では、引張り強度および耐衝撃性
に優れ、しかも耐クリープ性、耐水性、自己潤滑性に優
れたデンタルフロスを突出部に装着した後に、加熱溶融
によりその不要部分を除去したため、デンタルフロスと
突出部とが強固に固定される。しかも、本発明に係るデ
ンタルフロスは加熱溶融時に炭化することなく原色を維
持し得るため、清掃な歯間清掃具を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る製造方法により製造さ
れた歯間清掃具を示す側面図、第2図は同実施例に係る
歯間清掃具の製造方法における射出成形工程を示す平面
図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図、第4図
は第2図のIV−IV線に沿う断面図、第5図、第6図、第
7図、第8図および第9図は同実施例に係る加熱溶融工
程を示す概念図である。 2……歯間清掃具、3……歯間清掃具本体、 4a,4b……突出部、6……デンタルフロス、 8……取手部、 17……デンタルフロスの不要部分、 18……加熱装置(火炎型)、 20……加熱装置(加熱刃型)、 21……加熱装置(遠赤外線などの熱光線型)、 22……加熱装置(電気放電型)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61C 15/04 501 A61C 15/04 502

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度[η]が少なくとも5dl/gである
    超高分子量ポリオレフィン[A]の延伸マルチフィラメ
    ントよりなるデンタルフロスが所定間隔離隔している突
    出部間に張設していると共に、前記突出部に連設してい
    る取手部とを有しており、かつデンタルフロスの両端部
    が球形状に形成されてなる歯間清掃具。
  2. 【請求項2】極限粘度[η]が少なくとも5dl/gである
    超高分子量ポリオレフィン[A]の延伸マルチフィラメ
    ントよりなるデンタルフロスが所定間隔離隔している突
    出部間に張設していると共に、前記突出部に連設してい
    る取手部とを有してなる歯間清掃具を製造するに際し、
    前記突出部に前記デンタルフロスを装着した後に、当該
    デンタルフロスの不要部分を加熱溶融により除去するこ
    とを特徴とする歯間清掃具の製造方法。
  3. 【請求項3】前記デンタルフロスの前記突出部への装着
    は、前記突出部および取手部を合成樹脂[B]の射出成
    形によって成形する工程で、同時に行なうことを特徴と
    する請求項第2項に記載の歯間清掃具の製造方法。
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