JP2836188B2 - エチレン―芳香族ビニル化合物交互共重合体及びその製造方法 - Google Patents
エチレン―芳香族ビニル化合物交互共重合体及びその製造方法Info
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Description
体及びその製造方法に関する。
重合し、かつその立体規則性が主にアイソタクチック構
造である重合体及び遷移金属化合物とアルミノオキサン
から成る触媒を用いたその製造方法に関するものであ
る。
触媒による重合で得られることが知られている。例えば
特開昭58−1151号あるいはSogaら、Polymer Bulletin 2
0,237−241(1988)。この方法で得られる共重合体はス
チレン含量が低い共重合体である。一方、1、4−ポリ
(1−フェニルブタジエン)あるいは1、4−ポリ(2
−フェニルブタジエン)の水添によってエチレン−スチ
レン交互共重合体が製造できることが知られている(Ma
cromolecules,13、849−852(1980))。
クチック構造であることが知られている。このように現
在までにエチレン−スチレン共重合体の製造方法とその
ポリマー構造について報告されているが、高度の交互度
を有し、かつアイソタクチック構造を有するエチレン−
スチレン系共重合体が製造された例がない。
交互度を有し、かつアイソタクチック構造を有すること
を特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合物交互共重合
体及びその製造方法を提供することを目的とする。
から12のアルキル基を示し、nは1から3の整数を示
す。) で表される繰り返し単位を主として有する重合体であ
り、かつその立体規則性が主としてアイソタクチック構
造であることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合
物交互共重合体を提供し、さらに、特定の構造を有する
遷移金属化合物とアルミノオキサンからなる触媒系を用
いて高効率でエチレンと芳香族ビニル化合物の交互共重
合体を得る方法、即ち、 触媒成分(A):一般式M(R)l(OR′)mXn-(l+m) (式中、Mは遷移金属原子、R、R′は炭素数1〜20の
炭化水素基、Xはハロゲン原子を表わす。l、m、nは
1≧0、m≧0、n−(l+m)≧0なる数字を表わ
す。nは遷移金属の原子価に対応する。)で表わされる
遷移金属化合物と、 触媒成分(B):トリアルキルアルミニウムと水との反
応によって得られるアルミノオキサン及び、触媒成分
(C):一般式I、II、III、IV、V又はVIに示す少な
くとも2個の水酸基を有する有機化合物 (式中、R″、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Yは
炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−S−、 (R5は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を表わす。)
を表わす。ここにR1、R2、R3およびR4は炭素数1〜20の
炭化水素基、水酸基、ニトロ基、ニトリル基、ヒドロカ
ルビロキシ基又はハロゲン原子を表わす。この場合R1、
R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよい。
n′は0又は1以上の整数であり、単位Yの繰り返し回
数を表わす。又y,y′、y″、y、z、z′、z″お
よびzは芳香族環に結合している置換基の数を表わ
す。y、y′、zおよびz′は0又は1から4までの整
数、y″、z″は0又は1から2までの整数、y、z
は0又は1から3までの整数を表わす。)から成るエ
チレンと芳香族ビニル化合物交互共重合用触媒を使用し
てエチレンと芳香族ビニル化合物の交互共重合体を製造
する方法に係わるものである。
を有する有機化合物及びアルミノオキサンを組み合わせ
た触媒を用いて、エチレンおよび芳香族ビニル化合物を
共重合すると意外にも今まで得られたことのない構造を
有するエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体が得ら
れ、これが高度の交互度とアイソタクチック性を有する
ものであることがわかり、本発明を完成するに至った。
とは、主としてエチレンおよび芳香族ビニルモノマーが
交互の構造を有し、かつその立体規則性が主としてアイ
ソタクチック構造を有するものであり、その交互度およ
び立体規則性は、核磁気共鳴法(NMR法)により決定さ
れる。
る主鎖メチレン、メチン炭素のシグナルの帰属および芳
香族C1炭素のシグナルの帰属によるエチレン−スチレン
交互共重合体の13CNMRスペクトルの解析は、SuzukiらMa
cromolecules 13,849−852(1980)で詳細に報告されて
いる。すなわち交互度100%の場合、主鎖メチレン、メ
チン炭素にかかわるシグナルは、(25.2、25.4)ppmお
よび(36.6、36.7、36.9、37.0)ppmおよび(45.4、45.
5、45.6)ppmの3ケミカルシフト領域に現れる。
は、少なくともこの3ケミカルシフト領域にピークを有
し、この領域に有するピークの面積が、主鎖メチレン、
メチン炭素にかかわる全ピーク面積の7割以上であるこ
とを特徴とする。
共重合体とは、アイソタクチックダイアッド分率mが0.
5以上であり、好ましくは0.7以上のアイソタクチック構
造を有するものである。これは例えば、上記文献851頁
第2図のmおよびr(25.2、25.4ppm)のピーク面積に
おいてm/(m+r)により求められる。
ク構造を有するエチレン−芳香族ビニル交互共重合体
は、必ずしもそれが単一化合物である必要はない。交互
度およびタクティシティーが上記範囲に存する限り、他
のエチレン−芳香族ビニル交互共重合体、との混合物や
共重合体鎖中に組み込まれたものであっても良い。又、
分子量が異なるものの混合物であっても良い。
芳香族ビニル交互共重合体は、重合により、また得られ
た共重合体を原料として、分別、ブレンドもしくは有機
合成的手法を適用することにより、所望の交互度および
規則性を有する態様のものを製造することができる。
(R)l(OR′)mXn-(l+m)で表わされる遷移金属化合
物において、Mの具体例としてはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウムなどがあげられるが、特に
チタン、ジルコニウムが好ましい結果を与える。
中でも炭素数2〜18のアルキル基及び炭素数6〜18のア
リール基が好適に使用できる。
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t
−ブチル、n−アミル、イソアミル、n−ヘキシル、n
−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル
等のアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基、
シクロヘキシル、シクロペンチル等のシクロアルキル
基、プロペニル等のアリル基、ベンジル等のアラルキル
基等が例示される。
ンジル基等が、R′としては、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、t−ブチル等のアルキル基及びフェ
ニル等のアリール基が好適に使用される。
臭素、ヨウ素が例示できる。特に塩素が好適に使用され
る。
ン、四塩化ジルコニウム、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキ
シチタン、ジフェノキシチタンジクロリド、ジナフトキ
シチタンジクロリド、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム又はテトラ−t
−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。
合物の重合体であり、一般式Ra(Al(Ra)O)nAlR
a2(線状化合物)及び/又は(Al(Ra)O)n+1(環状
化合物)として存在する。式中Raは例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル等の炭素数1〜10の
アルキル基であり、特にメチル、エチル基が好ましい。
nは1以上の整数であり、特に1〜20が好ましい。
る。例えば、適当な炭化水素溶媒に溶解させたトリアル
キルアルミニウムを水と接触させて合成することができ
る。この場合水は温和な条件でアルミニウム化合物と接
触させることが好ましい。また、水の蒸気をアルミニウ
ム化合物の溶液と接触させる方法、アルミニウム化合物
の溶液に水を飽和させた有機溶剤を徐徐に滴下する方法
などがある。或いは、硫酸銅水和物(CuSO4・5H2O)も
しくは、硫酸アルミニウム水和物(Al2(SO4)3・18H2
O)とアルミニウム化合物を反応させる方法もある。
オキサンを合成する場合、線状化合物と環状化合物が同
時に得られる。反応モル比は好ましくはアルミニウム化
合物1モルに対して、等モルの水になるように選ばれ
る。
の炭化水素基であり、Yは炭素数1〜20の炭化水素基、
−O−、−S−、−S−S−、 (ここでR5は炭素数1〜6の炭化水素基を表わす。)を
表わす。R″、R及びYで表わされる炭素数1〜20の
炭化水素基としては、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン、ジフェニルメチレン、イソプロピリデ
ン、エチリデン、n−プロピリデン、イソプロピリデ
ン、n−ブチリデン、イソブチリデン基等が例示され
る。この中でもメチレン、エチレン、エチリデン、イソ
プロピリデン、イソブチリデン基が好適に使用される。
り返し回数を表わし、特に0又は1が好ましい結果を与
える。
基、水酸基、ニトロ基、ニトリル基、ヒドロカルビロキ
シ基又はハロゲン原子を表わす。炭素数1〜20の炭化水
素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ア
ミル、イソアミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−
オクチル、n−デシル、n−ドデシル等のアルキル基、
フェニル、ナフチル等のアリール基、シクロヘキシル、
シクロペンチル等のシクロアルキル基、プロペニル等の
アリル基、ベンジル等のアラルキル基が例示される。こ
の中でも炭素数1〜10のアルキル基が好適に使用され
る。
族環に結合している置換基の数を表わし、y、y′、
z、z′は0又は1から4までの整数、y″、z″は0
又は1から2までの整数、y、zは0又は1から3
までの整数を表わす。
ジヒドロキシペンタン、2−(2−ヒドロキシプロピ
ル)フェノール、カテコール、レゾルシノール、4−イ
ソプロピルカテコール、3−メトキシカテコール、1,8
−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロキシナフタ
レン、2,2′−ビフェニルジオール、1,1′−ビ−2−ナ
フトール、2,2′−ジヒドロキシ−6,6′−ジメチルビフ
ェニル、4,4′6,6′−テトラ−t−ブチル−2,2′−メ
チレンジフェノール、4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t
−ブチル−2,2′−メチレンジフェノール、4,4′,6,6′
−テトラメチル−2,2′−イソブチリデンジフェノー
ル、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,
5′−ジメチルジフェニルスルフィド等が例示できる。
この中でも2,4′−ジヒドロキシペンタン、カテコー
ル、2,2′−ビフェニルジオール、1,1′−ビ−2−ナフ
トール、4,4′6,6′−テトラ−t−ブチル−2,2′−メ
チレンジフェノール、4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t
−ブチル−2,2′−メチレンジフェノール、4,4′,6,6′
−テトラメチル−2,2′−イソブチリデンジフェノー
ル、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,
5′−ジメチルジフェニルスルフィドが好適な結果を与
える。
ら触媒系を適用する場合には触媒成分(A)と触媒成分
(C)はそれぞれ独立に添加してもよいが重合に供する
前に、あらかじめ触媒成分(A)とと触媒成分(C)を
反応させた後に用いることが好ましい。
いはハロゲン化炭化水素溶媒、エーテル等の極性溶媒中
で行うことができる。触媒成分(C)は直接反応に用い
てもよいが、触媒成分(A)がハロゲン含有遷移金属化
合物の場合には、反応中に発生するハロゲン化水素を捕
獲する目的で、反応系にアンモニア、ピリジン又はアル
キルアミン等を添加することも可能である。この場合、
析出したハロゲン化水素含有化合物を除去した後、重合
に供することが好ましい。
アルカリ金属、又は水素化リチウム等のアルカリ金属の
水素化物との反応により、金属アルコラート、金属フェ
ノラート、金属ナフトラート等を合成し、本反応に共し
てもよい。この場合、析出したアルカリ金属塩を除去し
た後、重合に共することが好ましい。さらには、触媒成
分(A)がヒドロカルビロキシ基を含有する場合には、
あらかじめ触媒成分(C)を酢酸等のカルボン酸と反応
させ、エステル化合物として本反応に供することも可能
である。
する有機化合物の反応では、該有機化合物の少なくとも
2個の水酸基が同一の遷移金属と結合した形態を有する
化合物が生成していると考えられる。
属原子として10-10〜103mmol/l、好ましくは10-7〜102m
mol/lの範囲で使用できる。触媒成分(B)は触媒成分
(A)に対して、アルミニウム原子/遷移金属原子とし
て1〜100,000、好ましくは10〜10,000で使用できる。
触媒成分(C)は触媒成分(A)の遷移金属原子に対し
て0.01〜4(mol比)で使用できる。
て、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o
−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルス
チレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン、α
−メチルスチレン等があげられるが、本発明は上記化合
物に限定されるべきものではない。
ば、溶媒としてブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素溶媒又はメチレンクロリド等の
ハロゲン化炭化水素溶媒、又はモノマーである芳香族ビ
ニル化合物を溶媒として用いることができる。重合方式
としては、回分式又は連続式重合のどちらも可能であ
る。
に−20℃と100℃の範囲が好ましい。かかる重合法によ
って得られる重合体は、抽出により副生成物を取り除け
ば、ほぼ100%に近い交互度を有する目的の共重合体を
得ることができる。
再度例えばエチレン−スチレン系ランダム共重合体と公
知慣用の手段を用いてブレンドすることにより所望の交
互度および規則性を有する本発明に言う共重合体を得る
こともできる。
合成的手法によりスチレン部に種々の置換基を導入する
ことはよく知られているところであり、かかる手段によ
り本発明のエチレン−芳香族ビニル化合物交互共重合体
を基材として本質的に交互度および規則性を保ちなが
ら、芳香環に種々の置換基を有する本発明に言うエチレ
ン−芳香族ビニル化合物交互共重合体を製造することが
できる。
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
ラフィー(GPC)を用い算出したポリスチレンの重量平
均分子量で示した。GPCはウォーターズ製150C型を用い
た。測定は140℃で、溶媒としてo−ジクロルベンゼン
を用いた。カラムはShod−ex 80M/Sカラムを2本用い
た。検量線作成用ポリスチレンは分子量範囲500から6.8
×106の単分散ポリスチレン14種類を用いた。
トロメーターを用い、50℃で行なった。なおポリマーは
クロロホルムに溶解した。NMRスペクトルの帰属は、マ
クロモレキュルズ(Macromolecules,13,849〜852,(198
0))の帰属を参考に行った。X線回折は島津VD−2型
によって測定した。測定に用いたX線の波長は1.5418Å
で、測定温度は25℃である。
ドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチルジ
フェニルスルフィドを0.9mmol採り、アルゴン置換した
後乾燥したトルエン50mlを加え撹拌、溶解した。この溶
液にテトライソプロポキシチタン0.9mmolを加えた。25
℃で撹拌下、6時間反応を行った。その後静置し、上澄
み液を除き沈澱部を回収、洗浄した。沈澱の一部をトル
エンに溶解し、Tiが0.008mmol/ml含有されている溶液を
調製した。
換した後、トルエン700mlとトリメチルアルミニウム48m
lを採り、内温を5℃に冷却した。撹拌を行いながら、
6時間で8mlの水をアルゴンと共に吹き込んだ。吹き込
み終了後、室温にして30時間撹拌を続けた。その後減圧
下で溶媒を除去し、30gのメチルアルミノオキサンを得
た。
た。
置換した後、トルエン400mlと(2)で得られたメチル
アルミノオキサン5gを加え、次いでこれに(1)で調整
した溶液10mlを加えた。80℃に昇温後、スチレン20mlを
加え、エチレンで0.3kg/cm2Gに加圧した。2時間重合反
応を行った後、ブタノールを注入して重合を停止した。
次に、塩酸とメタノールの混合液を加えて触媒成分を分
解し多量のアセトン中に再沈した。ここで得られたエチ
レン−スチレン共重合体の収量は32gであった。
ロロホルム不溶部0.6gとクロロホルム可溶部2.6gに分別
した。クロロホルム不溶部はNMR分析からエチレン−ス
チレンランダム共重合体であった。クロロホルム可溶部
の13CNMRを第1図及び第2図に示す。またX線回折パタ
ーンを第3図に示す。
ジオタクチックポリスチレンおよびポリエチレンのX線
回折パターンを第4〜6図にそれぞれ示す。
換した後、80℃に昇温し、p−メチルスチレン5mlを含
むトルエン160mlを0.2kg/cm2Gのエチレンで保圧した。
次いで、実施例1(1)で調製した溶液8mlと実施例1
(2)で合成したメチルアルミノオキサン2gを少量のト
ルエンと共に圧入し、重合を開始した。エチレン圧を保
ちながら1時間撹拌を続けた。
た。生成ポリマーは1NHCl/H2Oおよび水で脱灰、更に1NH
Cl/メタノールおよびアセトンで洗浄し、60℃で2時間
減圧乾燥した。得られたポリマーは0.7gであった。
トルを第7図に示す。
びアセトン可溶部が高交互度を有し、かつ高度のアイソ
タクチック構造を有し、特有のX線回折パターンを示す
新規のエチレン−スチレン、p−メチルスチレン共重合
体であることを確認する。
Rスペクトルは上記のごとくSuzukiらによって報告され
ている。13CNMRにおける炭素シグナルの分裂は高分子ミ
クロ構造に対応する。
ーのクロロホルムおよびアセトン可溶部の13CNMR実測値
を整理して第1表に示す。第1表から実施例1のクロロ
ホルム可溶部は、総てアイソタクチック分率(m,mm)の
ケミカルシフト値のみに一致する。
置換メチルの影響から文献値より高磁場シフトするもの
の、C1、C3およびC4が文献値のアイソタクチック分率m
と一致する。従って、これらのポリマーは交互体であ
り、かつアイソタクチック構造をもつ共重合体である。
両共重合体の交互度は第1表で明らかなように主鎖メチ
ン、メチレン炭素にかかわるピークがほとんど上記交互
体の吸収ピーク領域にあることから交互度は9割以上で
あるといえる。
ソタクチックダイアッド分率mがほぼ0.90のアイソタク
チック性を有するものである。同様に実施例2のアセト
ン可溶部の交互度は9割以上で、アイソタクチックダイ
アッド分率mは0.92の アイソタクチック性を有するものであった。両ポリマー
はアイソタクチック交互共重合体であることを確認し
た。
第4図に示す。
合成した。
を第5図に示す。このポリマーは、テトラアルコキシチ
タン−メチルアルミノオキサン系触媒を用いて公知の方
法(例えば特開昭62−104818号公報)で合成した。
のポリマーは、市販のポリエチレン(出光ポリエチレン
210J、出光石油化学(株)製)を用いた。クロロホルム
可溶部のX線回折パターン第3図は、これらの比較例と
は異なり、アイソタクチック構造を有するエチレン−ス
チレン交互共重合体特有のX線回折パターンを示し、結
晶性を有することがわかる。
置換した後、トルエン40mlおよび実施例1(1)で調製
した溶液10mlと実施例1(2)で合成したアルミノオキ
サン1.7gをフラスコに投入し、フラスコ内温を40℃に保
った。次いでスチレン25mlを加え、エチレンで0.3Kg/cm
2Gを保ちながら、1時間撹拌を続けた。その後、イソプ
ロパノール10mlを加え重合を停止した。生成ポリマーは
1NHCl/H2Oおよび水で脱灰、更に1NHCl/メタノールおよ
びメタノールで洗浄し、60℃で2時間減圧乾燥した。得
られたポリマーは2.7gであつた。このポリマーの分子量
は2.0×105であった。
換した後、20℃にてp−メチルスチレン10mlを含むトル
エン80mlを0.3kg/cm2Gのエチレンで保圧した。次いで、
実施例1(1)で合成し調製した溶液5mlと実施例1
(2)で合成したメチルアルミノオキサン1gを少量のト
ルエンと共に圧入し、重合を開始した。エチレン圧を保
ちながら1時間撹拌を続けた。その後、イソプロパノー
ル10mlを加え重合を停止した。生成ポリマーは1NHCl/H2
Oおよび水で脱灰、更に1NHCl/メタノールおよびアセト
ンで洗浄し、60℃で2時間減圧乾燥した。得られたポリ
マーは0.5gであった。このポリマーのアセトン可溶部は
0.3gであった。
ホルムおよびアセトン可溶部が高交互度を有し、かつア
イソタクチック構造を有する新規のエチレン−スチレ
ン、p−メチルスチレン共重合体であることを確認す
る。
に、実施例3のクロロホルム可溶部のスペクトルを第7
図に示す。第2表で明らかなように、この共重合体のケ
ミカルシフトは交互共重合体のケミカルシフトを示す文
献値と完全に一致している(実施例4の場合のC2および
芳香環C1炭素については芳香環置換メチルの影響でシフ
トする)。さらにC4炭素のピークから実施例3および実
施例4の交互共重合体のアイソタクチックダイアッド分
率mは、それぞれ0.65および0.72であった。
換した後、2℃にてスチレン4mlを含むトルエン40mlを
0.15kg/cm2Gのエチレンで保圧した。
施例1(2)で合成したメチルアルミノオキサン2gを少
量のトルエンと共に圧入し、重合を開始した。エチレン
圧を保ちながら2時間撹拌を続けた。その後、イソプロ
パノール10mlを加え重合を停止した。生成ポリマーは1N
HCl/H2Oおよび水で脱灰、更に1NHCl/メタノールおよび
アセトンで洗浄し、60℃で2時間減圧乾燥した。得られ
たポリマーは0.15gであった。得られたポリマーはほと
んどクロロホルムに可溶であった。NMR分析によると第
2表に示したケミカルシフト領域の交互共重合体特有の
ピークを有する。共重合体はエチレン−スチレン交互共
重合体であった。
である遷移金属化合物、アルミノオキサン及び少なくと
も2個の水酸基を有する有機化合物からなる触媒系を用
いてエチレンと芳香族ビニル化合物を共重合することに
より高収率で、エチレン−芳香族ビニル化合物交互共重
合体を製造することができた。本発明のエチレン−芳香
族ビニル化合物共重合体は、高度の交互度を有し、かつ
従来にないアイソタクチック性を有する新規な共重合体
である。
溶部の13CNMRスペクトル図、 第2図は実施例1で得られた共重合体のクロロホルム可
溶部のケミカルシフト25.2ppmの部分の13CNMRスペクト
ル図、 第3図は実施例1で得られた共重合体のクロロホルム可
溶部のX線回折パターン、 第4図はアイソタクチックポリスチレンのX線回折パタ
ーン、 第5図はシンジオクタチックポリスチレンのX線回折パ
ターン、 第6図はポリエチレンのX線回折パターン、 第7図は実施例2で得られた共重合体のアセトン可溶部
13CNMRスペクトル図、 第8図は本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。本フローチャート図は、本発明の実施態様の代
表例であり、本発明は何らこれに限定されるものではな
い。
Claims (9)
- 【請求項1】一般式 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子あるいは炭素数1
から12のアルキル基を示し、nは1から3の整数を示
す。) で表される繰り返し単位を主として有する重合体であ
り、かつその立体規則性が主としてアイソタクチック構
造であることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合
物交互共重合体。 - 【請求項2】立体規則性がアイソタクチックダイアッド
分率mで0.7以上である請求項1記載のエチレン−芳香
族ビニル化合物交互共重合体。 - 【請求項3】芳香族ビニル化合物が、スチレン又はp−
メチルスチレンである請求項1記載のエチレン−芳香族
ビニル化合物交互共重合体。 - 【請求項4】触媒成分(A):一般式M(R)L(O
R′)mXn-(L+m) (式中、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムまたは
バナジウムから選ばれる遷移金属原子、R、R′は炭素
数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子を表わす。
L、m、nはL≧0、m≧0、n−(L+m)≧0なる
数字を表わす。nは遷移金属の原子価に対応する。)で
表わされる遷移金属化合物と、 触媒成分(B):トリアルキルアルミニウムと水との反
応によって得られるアルミノオキサン及び、 触媒成分(C):一般式I、II、III、IV、V又はVIに
示す少なくとも2個の水酸基を有する有機化合物 (式中、R″、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Yは
炭素数1〜20の炭化水素基、 (R5は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を表わす。)
を表わす。ここにR1、R2、R3およびR4は炭素数1〜20の
炭化水素基、水酸基、ニトロ基、ニトリル基、ヒドロカ
ルビロキシ基又はハロゲン原子を表わす。この場合R1、
R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよい。
n′は0又は1以上の整数であり、単位Yの繰り返し回
数を表わす。又y、y′、y″、y,Z、Z′、z″お
よびZは芳香族環に結合している置換基の数を表わ
す。y、y′、ZおよびZ′は0又は1から4までの整
数、y″、z″は0又は1から2までの整数、y1、z
は0又は1から3までの整数を表わす。)から成る触
媒系を用いる、 一般式 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子あるいは炭素数1
から12のアルキル基を示し、nは1から3の整数を示
す。) で表される繰り返し単位を主として有する重合体であ
り、かつその立体規則性が主としてアイソタクチック構
造であるエチレン−芳香族ビニル化合物交互共重合体の
製造方法。 - 【請求項5】触媒成分(A)と触媒成分(B)とをあら
かじめ反応させた後に用いる請求項4に記載のエチレン
−芳香族ビニル化合物交互共重合体の製造方法。 - 【請求項6】触媒成分(A)である一般式M(R)
L(OR′)mXn-(L+m)で表わされる遷移金属化合物にお
いてMがチタン又はジルコニウムである請求項4又は5
に記載のエチレン−芳香族ビニル化合物交互共重合体の
製造方法。 - 【請求項7】触媒成分(B)において、トリアルキルア
ルミニウムがトリメチルアルミニウム又はトリエチルア
ルミニウムである請求項4、5又は6に記載のエチレン
−芳香族ビニル化合物交互共重合体の製造方法。 - 【請求項8】触媒成分(C)として、一般式I、II、II
I又はIVで表わされる化合物を用いる請求項4、5、6
又は7に記載のエチレン−芳香族ビニル化合物交互共重
合体の製造方法。 - 【請求項9】芳香族ビニル化合物として、スチレンを用
いる請求項4、5、6、7又は8に記載のエチレン−芳
香族ビニル化合物交互共重合体の製造方法。
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