JP2003183359A - カルボニルメチレン重合体の製造方法 - Google Patents

カルボニルメチレン重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2003183359A
JP2003183359A JP2001390335A JP2001390335A JP2003183359A JP 2003183359 A JP2003183359 A JP 2003183359A JP 2001390335 A JP2001390335 A JP 2001390335A JP 2001390335 A JP2001390335 A JP 2001390335A JP 2003183359 A JP2003183359 A JP 2003183359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transition metal
group
polymer
formula
carbonylmethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001390335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003183359A5 (ja
JP3819290B2 (ja
Inventor
Eiji Ihara
栄治 井原
Kenzo Inoue
賢三 井上
Toru Tokimitsu
亨 時光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001390335A priority Critical patent/JP3819290B2/ja
Publication of JP2003183359A publication Critical patent/JP2003183359A/ja
Publication of JP2003183359A5 publication Critical patent/JP2003183359A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3819290B2 publication Critical patent/JP3819290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のエステル基を有する様々なジアゾ酢酸
エステル化合物を効率的に重合し、極性基を持つポリメ
チレン重合体であるカルボニルメチレン重合体を製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 特定の遷移金属および/または遷移金属
化合物と、アミン類とが少なくとも添加された系内で、
ジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有するモノ
マーを重合するカルボニルメチレン重合体の製造方法で
ある。遷移金属として3〜8族のものが使用可能で、好
ましくは8族の遷移金属を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボニルメチレ
ン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメタクリル酸メチルを始め、極性基
を側鎖に持つポリメチレン化合物は、その密着性、化学
分解性等から、フォトレジスト材料・塗料等、さまざま
な用途に使用されている。そのため、種々の骨格を有す
る極性ポリメチレン化合物が多数提案されていて、近年
では、新たな骨格を持つ極性ポリメチレン化合物として
フマル酸エステルの重合体が報告されている。例えば、
大津らは、フマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在
下で重合することによる、カルボニルメチレン重合体の
製造方法を報告している(Macromol.Chem.Rapid Commu
n.,2,725(1981).)。
【0003】一方、ポリメチレン化合物の重合例として
Muchaらは、ジアゾメタンを原料モノマーとし、ホウ素
系触媒によりポリメチレンを合成している(J.Polym.Sc
i.,Polym.Chem.Ed.,12,1993(1974).)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大津ら
が報告したラジカル重合法で重合可能なフマル酸エステ
ル類は、t−ブチル基等の嵩高いエステル基を有するも
のに限られており、この方法は自由度が低かった。ま
た、Muchaらの触媒系では、ジアゾ酢酸エステル化合物
のような極性基を有するジアゾメチレン化合物の重合は
できなかった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、種々のエステル基を有する様々なジアゾ酢酸エステ
ル化合物を効率的に重合し、極性基を持つポリメチレン
重合体であるカルボニルメチレン重合体を生産性よく製
造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、ジ
アゾ酢酸エステル化合物を特定の開始剤を使用した系内
で重合することにより、カルボニルメチレン重合体を効
率的に合成できることを見出した。すなわち本発明の要
旨は、少なくとも下記式(1)で示される遷移金属およ
び/または遷移金属化合物と、アミン類とが添加された
系内で、下記式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化
合物を主成分として含有するモノマーを重合することを
特徴とするカルボニルメチレン重合体の製造方法にあ
る。
【化3】 (式(1)中、Mは3〜8族の遷移金属であり;Lは遷
移金属に配位する能力のある配位子であり;Xはハロゲ
ンであり;mは0≦m≦4を満たす整数であり;nは0
≦n≦6を満たす整数である。)
【化4】 (式(2)中、Rは、鎖状炭化水素基、又は環状炭化水
素基である。)また、前記式(1)において、Mは8族
の遷移金属であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカルボニルメチレン重合体の製造方法は、下記
式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物を主成分
として含有するモノマーを重合して、下記式(3)に示
すように、ジアゾ酢酸エステル化合物に由来する繰り返
し単位を主成分とするカルボニルメチレン重合体を製造
するものである。
【0008】
【化5】
【化6】
【0009】ここで、上記式(2)中、Rは、鎖状炭化
水素基、又は環状炭化水素基である。鎖状炭化水素基と
しては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル及びネオペンチル、n−ヘキシル等の
炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基;ビニル、アリル及びイソプロ
ペニル等の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20
の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル及びプ
ロパルギル等の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜
20の直鎖状または分岐状のアルキニル基が挙げられ
る。このような鎖状炭化水素基をRとして有するジアゾ
酢酸エステル化合物であれば、本発明により効率的に重
合することができる。
【0010】環状炭化水素基としては、例えば、シクロ
アルキル基及びアリール基が挙げられ、シクロアルキル
基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル及びアダマンチル等の炭素原子
数が3〜30、好ましくは3〜20の飽和シクロアルキ
ル基の他、シクロペンタジエニル、インデニル及びフル
オレニル等の炭素数5〜30の不飽和シクロアルキル基
が例示できる。アリール基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナント
リル及びアントラセニル等の炭素原子数が6〜30、好
ましくは6〜20のアリール基の他、トリル、iso−
プロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルフェ
ニル及びジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル、4−t−ブチルフェニル等
のアルキル置換アリール基等、好ましくは2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチルフ
ェニル基が挙げられる。このような環状炭化水素基をR
として有するジアゾ酢酸エステル化合物であれば、本発
明により効率的に重合することができる。
【0011】また、これら鎖状炭化水素基及び環状炭化
水素基は、その一部を上記鎖状炭化水素基、環状炭化水
素基、およびハロゲン原子、あるいは水酸基、カルボン
酸基等の官能基などで置換した一部置換炭化水素基であ
ってもよい。さらに、これらのジアゾ酢酸エステル化合
物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0012】また、モノマーは、式(2)で示されるジ
アゾ酢酸エステル化合物を主成分とするものであるが、
必要に応じて、他の共重合成分を40質量%以下の範囲
で含んでいても良い。例えば、他の共重合成分としてジ
アゾメタンを使用すると、最終的に得られるカルボニル
メチレン重合体の成形性が優れる。よって、カルボニル
メチレン重合体の用途がオレフィン用改質剤などの場合
には、共重合成分としてジアゾメタンを使用することも
できる。その他の共重合成分としては、例えば、ジアゾ
エタン、ジアゾプロパン、ジアゾアセトニトリルなどを
例示できる。
【0013】本発明の製造方法においては、式(2)に
記載のジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有す
るモノマーの重合反応を、少なくとも下記式(1)で示
される遷移金属および/または遷移金属化合物と、アミ
ン類とが添加された系内で行う。
【化7】
【0014】上記式(1)中、Mは3〜8族の遷移金属
であり;Lは遷移金属に配位する能力のある配位子であ
り;Xはハロゲンであり;mは0≦m≦4を満たす整数
であり;nは0≦n≦6を満たす整数である。3〜8族
の遷移金属としては、チタン、ジルコニウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロ
ジウム、ニッケル、パラジウム等が挙げられるが、モノ
マーの主成分であるジアゾ酢酸エステル化合物のエステ
ル基による重合阻害を受けにくい点から、鉄、ルテニウ
ム、ロジウム、ニッケル、パラジウム等の8族遷移金属
が好ましい。さらに好ましくは鉄、ニッケル、パラジウ
ムであり、より好ましくはパラジウムである。
【0015】式(1)中Lで示される、遷移金属に配位
する能力のある配位子としては、例えばシクロペンタジ
エン型配位子、インデン型配位子、フルオレン型配位
子、フェノキシ型配位子、ホスフィン型配位子、アミノ
型配位子、ピリジン型配位子、ジイミン型配位子、フェ
ノキシイミン型配位子、ビスホスフィン型配位子、ビス
(イミノ)ピリジン型配位子、πアリル型あるいはこれ
らの置換体等が挙げられる。これらのなかで好ましく
は、アミノ型配位子、ピリジン型配位子、ホスフィン型
配位子である。
【0016】式(1)中Xで示されるハロゲンとして
は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素があるが、その安定
性や、入手が容易であることなどから、好ましくは塩
素、臭素である。
【0017】また、式(1)においてmは、0≦m≦4
を満たす整数であるが、好ましくは、0≦m≦2を満た
す整数である。また、nは、0≦n≦6を満たす整数で
あるが、好ましくは、0≦m≦4を満たす整数である。
mおよびnはどちらか一方または両方が0であってもよ
く、m=0かつn≠0である場合には、式(1)は遷移
金属のハロゲン化物である。また、m≠0かつn=0で
ある場合には、式(1)はXで示されるハロゲンを含ま
ない遷移金属錯体である。さらに、m=0かつn=0で
あれば、式(1)は遷移金属を示す。
【0018】すなわち、式(1)で示される遷移金属お
よび/または遷移金属化合物とは、遷移金属、ハロゲン
を含む遷移金属錯体、ハロゲンを含まない遷移金属錯
体、遷移金属のハロゲン化物からなる群より選ばれる1
種以上であり、これら遷移金属および/または遷移金属
化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。例えば、遷移金属、ハロゲンを含む遷移金属
錯体、ハロゲンを含まない遷移金属錯体、二塩化パラジ
ウムなどの遷移金属のハロゲン化物のうちから1種を選
択して使用しても良いし、これらを2種以上組み合わせ
て使用してもよい。特に好ましくは、ハロゲンを含む遷
移金属錯体、遷移金属のハロゲン化物である。
【0019】遷移金属および/または遷移金属化合物の
使用量は特に限定されないが、ジアゾ酢酸エステルを主
成分として含有するモノマー100モルに対して、0.
001〜50モルの範囲が好ましく、特に好ましくは、
0.01〜20モルの範囲である。
【0020】また、本発明において用いられるアミン類
としては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、ヘテ
ロ環式アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、例
えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチル
アミン、n−オクチルアミン、1−メチルヘプチルアミ
ン、1−アミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミ
ン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、t−オクチ
ルアミン等の脂肪族第一級アミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチ
ルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン
等の脂肪族第二級アミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジ
ブチルエタノールアミン、メタクリル酸ジメチルアミノ
エチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の脂肪族
第三級アミンが挙げられる。これらのなかで好ましく
は、脂肪族第三級アミンであり、さらに好ましくはトリ
エチルアミン、トリ−n−ブチルアミンである。
【0021】脂環式アミンとしては、例えば、シクロヘ
キシルアミン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ジシクロヘキシルアミン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン等が挙げられる。好ましくは、化
合物中の環数が1または2からなる脂環式第3級アミン
である。ヘテロ環式アミンとしては、例えば、1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、キヌクリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウン
デセン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピペラ
ジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチル
ピペラジン、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルア
ミノピリジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール
等が挙げられる。これらのなかで好ましくは、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンで
ある。
【0022】これらアミン類は、単独であるいは2種以
上を併用して用いることもできる。また、アミン類の使
用量は特に限定されないが、ジアゾ酢酸エステルを主成
分として含有するモノマー100モルに対して、0.1
〜500モルの範囲が好ましく、特に好ましくは、1〜
500モルの範囲である。
【0023】本発明の製造方法においては、式(1)で
示される遷移金属および/または遷移金属化合物と、ア
ミン類とが少なくとも添加された系内で、式(2)に記
載のジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有する
モノマーを、公知の重合方法で重合すればよい。このよ
うな重合方法としては、例えば、塊状重合法、適当な溶
媒を使用した溶液重合法等が挙げられる。重合時に溶媒
を使用する場合には、開始剤を失活させないかぎり各種
の溶媒が使用可能であり、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等
の炭化水素;ジクロロメタン、二塩化エチレン等のハロ
ゲン化炭化水素等を使用できる。重合温度については特
に制限はないが、好ましくは0〜150℃、更に好まし
くは20〜100℃の範囲で重合を行う。
【0024】重合反応終了後には常法により、得られた
反応物から目的とするカルボニルメチレン重合体を単
離、精製する。カルボニルメチレン重合体の同定には、
質量分析装置やNMRなどの各種分析装置を適宜使用で
きる。
【0025】このようなカルボニルメチレン重合体の製
造方法によれば、少なくとも式(1)で示される遷移金
属および/または遷移金属化合物と、アミン類とが添加
された系内で、ジアゾ酢酸エステル化合物を主成分とし
て含有するモノマーを重合するので、ジアゾ酢酸エステ
ル化合物の有するエステル基の立体構造によらず、種々
のエステル基を有する様々なジアゾ酢酸エステル化合物
を効率的に重合することができる。このようにして得ら
れたカルボニルメチレン重合体は、密着性、化学分解性
を備えていることから、フォトレジスト材料、塗料、オ
レフィン樹脂用プライマー、ポリプロピレン繊維染色性
改質剤などのさまざまな用途に使用することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例で得られた重合体の同定は1H−NM
R(Brucker製、Avance400)により、分子量はMALDI
−TOF−MASS(PerSeptive Biosystems社製、Voya
ger RP)を用いて決定した。 (実施例1)ジアゾ酢酸エチルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:15.
5mg(0.087mmol)と、ピリジン:0.07
ml(0.87mmol)と、トルエン:10mlとを
加え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、ジアゾ酢
酸エチルのジクロロメタン溶液(0.18g/ml)を
2.78ml(0.5g;4.38mmol)加え、5
5 ℃で17時間加熱・攪拌することにより重合を行っ
た。この反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホ
ルム50mlに再溶解した。ついで1N塩酸50mlで
洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その
後、無水硫酸ナトリウムをろ過により除き、溶媒を減圧
留去して得られた粘性液体から、リサイクル分取GPC
により低分子成分を除去し、粘性液体として得られたポ
リマーをベンゼンにより凍結乾燥して収率40.6%で
重合体を得た。
【0027】得られた重合体をMALDI−TOF−M
ASSにより分析した結果、MW1500から1000
0にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H−NMRで分析したところ1.0−1.
3ppmにメチル基に由来するシグナルが、3.4−
3.9ppmにメチン基に由来するシグナルが、4.0
−4.6ppmにメチレン基に由来するシグナルが観測
され、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合
体であることを確認した。
【0028】(実施例2)ジアゾ酢酸エチルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:4.7
mg(0.027mmol)と、トリエチルアミン:
0.07ml(0.53mmol)と、トルエン:10
mlとを加え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、
ジアゾ酢酸エチルのジクロロメタン溶液(0.18g/
ml)を 1.67ml(0.3g;2.63mmol)
加え、55 ℃で19時間加熱・攪拌することにより重
合を行った。この反応液から溶媒を減圧留去し、残渣を
クロロホルム50mlに再溶解した。ついで1N塩酸5
0mlで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。その後、無水硫酸ナトリウムをろ過により除き、溶
媒を減圧留去して得られた粘性液体から、リサイクル分
取GPCにより低分子成分を除去し、粘性液体として得
られたポリマーをベンゼンにより凍結乾燥して収率5
3.5%で重合体を得た。
【0029】得られた重合体をMALDI−TOF−M
ASSにより分析した結果、MW1200から4000
にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H-NMRで分析したところ1.0−1.3
ppmにメチル基に由来するシグナルが、3.4−3.
9ppmにメチン基に由来するシグナルが、4.0−
4.6ppmにメチレン基に由来するシグナルが観測さ
れ、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合体
であることを確認した。
【0030】(実施例3)ジアゾ酢酸メチルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:17.
7mg(0.10mmol)と、トリエチルアミン:
0.14ml(1.0mmol)と、トルエン10ml
とを加え室温で30分攪拌した。攪拌後、ジアゾ酢酸メ
チルのジクロロメタン溶液(0.18g/ml)を 2.
78ml(0.5g;5mmol)加え、55 ℃で1
4時間加熱・攪拌することにより重合を行った。この反
応液から溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルム50m
lに再溶解した。ついで1N塩酸50mlで洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、無水硫
酸ナトリウムをろ過により除き、溶媒を減圧留去して得
られた粘性液体から、リサイクル分取GPCにより低分
子成分を除去し、粘性液体として得られたポリマーをベ
ンゼンにより凍結乾燥して収率18%で重合体を得た。
【0031】得られた重合体をMALDI−TOF−M
ASSにより分析した結果、MW1500から1000
0にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H−NMRで分析したところ、3.0−
3.8ppmにメチン基に由来するシグナルが、3.5
−4.0ppmにメチル基に由来するシグナルが観測さ
れ、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合体
であることを確認した。
【0032】(実施例4)ジアゾ酢酸2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:15.
4mg(0.087mmol)と、ピリジン:0.33
ml(4.12mmol)と、トルエン10mlとを加
え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、ジアゾ酢酸
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル:0.5
g(1.73mmol)を加え、70 ℃で14時間加
熱・攪拌することにより重合を行った。この反応液から
溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルム50mlに再溶
解した。ついで1N塩酸50mlで洗浄し、有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、無水硫酸ナトリ
ウムをろ過により除き、溶媒を減圧留去して得られた粘
性液体から、リサイクル分取GPCにより低分子成分を
除去し、粘性液体として得られたポリマーをベンゼンに
より凍結乾燥して収率73%で重合体を得た。
【0033】得られた重合体を1H-NMRで分析したと
ころ1.2−1.5ppmにt−ブチル基のメチルに由
来するシグナルが、2.2−2.4ppmに4位のメチ
ル基に由来するシグナルが、7.0−7.3ppmにフ
ェニルプロトンに由来するシグナルが観測され、得られ
た重合体が目的のカルボニルメチレン重合体であること
を確認した。
【0034】(実施例5)ジアゾ酢酸4−t−ブチルフ
ェニルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:20m
g(0.11mmol)と、ピリジン:0.33ml
(4.12mmol)と、トルエン:10 mlと、ジ
アゾ酢酸4−t−ブチルフェニル:0.5g(1.73
mmol)を加え、75 ℃で17時間加熱・攪拌する
ことにより重合を行った。こ の反応液から溶媒を減圧
留去し、残渣をクロロホルム50mlに再溶解した。つ
いで1N塩酸50mlで洗浄し、有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。その後、無水硫酸ナトリウムをろ過
により除き、溶媒を減圧留去して得られた粘性液体か
ら、リサイクル分取GPCにより低分子成分を除去し、
粘性液体として得られたポリマーをベンゼンにより凍結
乾燥して収率53.1%で重合体を得た。
【0035】得られた重合体を1H−NMRで分析した
ところ1.0−1.5ppmにt−ブチル基のメチルに
由来するシグナルが、3.0−4.0ppmにメチン基
に由来するシグナルが、6.7−7.5ppmにフェニ
ルプロトンに由来するシグナルが観測され、得られた重
合体が目的のカルボニルメチレン重合体であることを確
認した。
【0036】(比較例1)遷移金属化合物であるPdC
2を添加しなかった以外は実施例1と同様に反応操作
を行った。しかしながら、重合は進行せず、重合体は得
られなかった。
【0037】(比較例2)アミン類であるピリジンを添
加しなかった以外は実施例1と同様に反応操作を行っ
た。しかしながら、重合は進行せず、重合体は得られな
かった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
よれば、ジアゾ酢酸エステル化合物の有するエステル基
の嵩高さなどの立体構造によらず、所望のカルボニルメ
チレン重合体を効率的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB15 AB16 AB17 AB20 AD03 BG00 4J032 CA61 CB01 CB03 CD02 CE03 CE22 CF06 CG06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記式(1)で示される遷移
    金属および/または遷移金属化合物と、アミン類とが添
    加された系内で、 下記式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物を主
    成分として含有するモノマーを重合することを特徴とす
    るカルボニルメチレン重合体の製造方法。 【化1】 (式(1)中、Mは3〜8族の遷移金属であり;Lは遷
    移金属に配位する能力のある配位子であり;Xはハロゲ
    ンであり;mは0≦m≦4を満たす整数であり;nは0
    ≦n≦6を満たす整数である。) 【化2】 (式(2)中、Rは、鎖状炭化水素基、又は環状炭化水
    素基である。)
  2. 【請求項2】 前記式(1)において、Mが8族の遷移
    金属であることを特徴とする請求項1に記載のカルボニ
    ルメチレン重合体の製造方法。
JP2001390335A 2001-12-21 2001-12-21 カルボニルメチレン重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3819290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390335A JP3819290B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 カルボニルメチレン重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390335A JP3819290B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 カルボニルメチレン重合体の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003183359A true JP2003183359A (ja) 2003-07-03
JP2003183359A5 JP2003183359A5 (ja) 2004-09-09
JP3819290B2 JP3819290B2 (ja) 2006-09-06

Family

ID=27598298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001390335A Expired - Fee Related JP3819290B2 (ja) 2001-12-21 2001-12-21 カルボニルメチレン重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3819290B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014218561A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 株式会社豊田中央研究所 ポリ(メチン)、並びに、金属塩複合体及び2次電池
JP2014237800A (ja) * 2012-12-26 2014-12-18 株式会社豊田中央研究所 高分子化合物、並びに、電解質及び電解質膜
CN104262621A (zh) * 2014-09-22 2015-01-07 武汉大学 一种聚(α-羰基重氮烷烃)及其制备方法和应用
CN107556460A (zh) * 2017-09-05 2018-01-09 齐齐哈尔大学 一种重氮乙酸乙酯聚合物的制备方法
CN113061340A (zh) * 2021-06-04 2021-07-02 武汉柔显科技股份有限公司 显示器件、聚酰亚胺前体组合物、聚酰亚胺膜及层叠体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014237800A (ja) * 2012-12-26 2014-12-18 株式会社豊田中央研究所 高分子化合物、並びに、電解質及び電解質膜
JP2014218561A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 株式会社豊田中央研究所 ポリ(メチン)、並びに、金属塩複合体及び2次電池
CN104262621A (zh) * 2014-09-22 2015-01-07 武汉大学 一种聚(α-羰基重氮烷烃)及其制备方法和应用
CN107556460A (zh) * 2017-09-05 2018-01-09 齐齐哈尔大学 一种重氮乙酸乙酯聚合物的制备方法
CN113061340A (zh) * 2021-06-04 2021-07-02 武汉柔显科技股份有限公司 显示器件、聚酰亚胺前体组合物、聚酰亚胺膜及层叠体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3819290B2 (ja) 2006-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0137403B2 (ja)
JP3148210B2 (ja) 1‐オレフイン‐イソブロック共重合体、その製造方法およびそれに使用される触媒
JPS63172706A (ja) 主としてシンジオタクチック構造を有する結晶性ビニル芳香族重合体の製造法
WO1994029356A1 (fr) Procede de production de polymere olefinique, et catalyseur pour la polymerisation d'une olefine
JP3819290B2 (ja) カルボニルメチレン重合体の製造方法
JPH04323207A (ja) 重合触媒及びそれを用いた重合体の製造方法
JPH10226693A (ja) メタロセン化合物、その製造方法及びその使用
CN111556878B (zh) 负载型茂金属催化剂和使用该催化剂制备聚丙烯的方法
JP2836188B2 (ja) エチレン―芳香族ビニル化合物交互共重合体及びその製造方法
TWI336335B (en) Method of preparing phosphonium compound for cyclic olefin polymerization
JP3362438B2 (ja) ブロック共重合体の取得法
JP5213717B2 (ja) 環状オレフィン重合体製造用触媒
KR102520078B1 (ko) 극성 비닐기를 가진 단량체의 부가중합용 촉매 및 이를 이용한 극성 비닐기를 가진 단량체의 중합체 제조방법
JP2004292556A (ja) カルボニルメチレン重合体、およびその製造方法
JP2003513117A (ja) オレフィンの重合用触媒
US6444766B1 (en) Method for producing carrier-borne catalysts
JPH09157329A (ja) 置換アセチレン重合体の製造法
JP4857475B2 (ja) 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JPH04124191A (ja) 有機ケイ素化合物
JP3273848B2 (ja) 2−シアノビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン重合体およびその製造方法
JP2946035B1 (ja) 極性ビニルモノマー重合用触媒及び極性ビニルポリマーの製造方法
EP1091964B1 (en) Aluminum compounds for producing vinylic polymers
JP2002506894A (ja) 官能基を有するオレフィン性の不飽和のモノマーと非極性のオレフィン性の不飽和の化合物とのコポリマーの製造
Waggie The synthesis, characterization and activation of some multinuclear catalyst precursors for olefin polymerization
JP2001247578A (ja) 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060614

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees