JP2003183359A - カルボニルメチレン重合体の製造方法 - Google Patents
カルボニルメチレン重合体の製造方法Info
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Abstract
エステル化合物を効率的に重合し、極性基を持つポリメ
チレン重合体であるカルボニルメチレン重合体を製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 特定の遷移金属および/または遷移金属
化合物と、アミン類とが少なくとも添加された系内で、
ジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有するモノ
マーを重合するカルボニルメチレン重合体の製造方法で
ある。遷移金属として3〜8族のものが使用可能で、好
ましくは8族の遷移金属を使用する。
Description
ン重合体の製造方法に関する。
を側鎖に持つポリメチレン化合物は、その密着性、化学
分解性等から、フォトレジスト材料・塗料等、さまざま
な用途に使用されている。そのため、種々の骨格を有す
る極性ポリメチレン化合物が多数提案されていて、近年
では、新たな骨格を持つ極性ポリメチレン化合物として
フマル酸エステルの重合体が報告されている。例えば、
大津らは、フマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在
下で重合することによる、カルボニルメチレン重合体の
製造方法を報告している(Macromol.Chem.Rapid Commu
n.,2,725(1981).)。
Muchaらは、ジアゾメタンを原料モノマーとし、ホウ素
系触媒によりポリメチレンを合成している(J.Polym.Sc
i.,Polym.Chem.Ed.,12,1993(1974).)。
が報告したラジカル重合法で重合可能なフマル酸エステ
ル類は、t−ブチル基等の嵩高いエステル基を有するも
のに限られており、この方法は自由度が低かった。ま
た、Muchaらの触媒系では、ジアゾ酢酸エステル化合物
のような極性基を有するジアゾメチレン化合物の重合は
できなかった。
で、種々のエステル基を有する様々なジアゾ酢酸エステ
ル化合物を効率的に重合し、極性基を持つポリメチレン
重合体であるカルボニルメチレン重合体を生産性よく製
造する方法を提供することを課題とする。
従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、ジ
アゾ酢酸エステル化合物を特定の開始剤を使用した系内
で重合することにより、カルボニルメチレン重合体を効
率的に合成できることを見出した。すなわち本発明の要
旨は、少なくとも下記式(1)で示される遷移金属およ
び/または遷移金属化合物と、アミン類とが添加された
系内で、下記式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化
合物を主成分として含有するモノマーを重合することを
特徴とするカルボニルメチレン重合体の製造方法にあ
る。
移金属に配位する能力のある配位子であり;Xはハロゲ
ンであり;mは0≦m≦4を満たす整数であり;nは0
≦n≦6を満たす整数である。)
素基である。)また、前記式(1)において、Mは8族
の遷移金属であることが好ましい。
本発明のカルボニルメチレン重合体の製造方法は、下記
式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物を主成分
として含有するモノマーを重合して、下記式(3)に示
すように、ジアゾ酢酸エステル化合物に由来する繰り返
し単位を主成分とするカルボニルメチレン重合体を製造
するものである。
水素基、又は環状炭化水素基である。鎖状炭化水素基と
しては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル及びネオペンチル、n−ヘキシル等の
炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基;ビニル、アリル及びイソプロ
ペニル等の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20
の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル及びプ
ロパルギル等の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜
20の直鎖状または分岐状のアルキニル基が挙げられ
る。このような鎖状炭化水素基をRとして有するジアゾ
酢酸エステル化合物であれば、本発明により効率的に重
合することができる。
アルキル基及びアリール基が挙げられ、シクロアルキル
基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル及びアダマンチル等の炭素原子
数が3〜30、好ましくは3〜20の飽和シクロアルキ
ル基の他、シクロペンタジエニル、インデニル及びフル
オレニル等の炭素数5〜30の不飽和シクロアルキル基
が例示できる。アリール基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナント
リル及びアントラセニル等の炭素原子数が6〜30、好
ましくは6〜20のアリール基の他、トリル、iso−
プロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルフェ
ニル及びジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル、4−t−ブチルフェニル等
のアルキル置換アリール基等、好ましくは2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチルフ
ェニル基が挙げられる。このような環状炭化水素基をR
として有するジアゾ酢酸エステル化合物であれば、本発
明により効率的に重合することができる。
水素基は、その一部を上記鎖状炭化水素基、環状炭化水
素基、およびハロゲン原子、あるいは水酸基、カルボン
酸基等の官能基などで置換した一部置換炭化水素基であ
ってもよい。さらに、これらのジアゾ酢酸エステル化合
物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用するこ
ともできる。
アゾ酢酸エステル化合物を主成分とするものであるが、
必要に応じて、他の共重合成分を40質量%以下の範囲
で含んでいても良い。例えば、他の共重合成分としてジ
アゾメタンを使用すると、最終的に得られるカルボニル
メチレン重合体の成形性が優れる。よって、カルボニル
メチレン重合体の用途がオレフィン用改質剤などの場合
には、共重合成分としてジアゾメタンを使用することも
できる。その他の共重合成分としては、例えば、ジアゾ
エタン、ジアゾプロパン、ジアゾアセトニトリルなどを
例示できる。
記載のジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有す
るモノマーの重合反応を、少なくとも下記式(1)で示
される遷移金属および/または遷移金属化合物と、アミ
ン類とが添加された系内で行う。
であり;Lは遷移金属に配位する能力のある配位子であ
り;Xはハロゲンであり;mは0≦m≦4を満たす整数
であり;nは0≦n≦6を満たす整数である。3〜8族
の遷移金属としては、チタン、ジルコニウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロ
ジウム、ニッケル、パラジウム等が挙げられるが、モノ
マーの主成分であるジアゾ酢酸エステル化合物のエステ
ル基による重合阻害を受けにくい点から、鉄、ルテニウ
ム、ロジウム、ニッケル、パラジウム等の8族遷移金属
が好ましい。さらに好ましくは鉄、ニッケル、パラジウ
ムであり、より好ましくはパラジウムである。
する能力のある配位子としては、例えばシクロペンタジ
エン型配位子、インデン型配位子、フルオレン型配位
子、フェノキシ型配位子、ホスフィン型配位子、アミノ
型配位子、ピリジン型配位子、ジイミン型配位子、フェ
ノキシイミン型配位子、ビスホスフィン型配位子、ビス
(イミノ)ピリジン型配位子、πアリル型あるいはこれ
らの置換体等が挙げられる。これらのなかで好ましく
は、アミノ型配位子、ピリジン型配位子、ホスフィン型
配位子である。
は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素があるが、その安定
性や、入手が容易であることなどから、好ましくは塩
素、臭素である。
を満たす整数であるが、好ましくは、0≦m≦2を満た
す整数である。また、nは、0≦n≦6を満たす整数で
あるが、好ましくは、0≦m≦4を満たす整数である。
mおよびnはどちらか一方または両方が0であってもよ
く、m=0かつn≠0である場合には、式(1)は遷移
金属のハロゲン化物である。また、m≠0かつn=0で
ある場合には、式(1)はXで示されるハロゲンを含ま
ない遷移金属錯体である。さらに、m=0かつn=0で
あれば、式(1)は遷移金属を示す。
よび/または遷移金属化合物とは、遷移金属、ハロゲン
を含む遷移金属錯体、ハロゲンを含まない遷移金属錯
体、遷移金属のハロゲン化物からなる群より選ばれる1
種以上であり、これら遷移金属および/または遷移金属
化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。例えば、遷移金属、ハロゲンを含む遷移金属
錯体、ハロゲンを含まない遷移金属錯体、二塩化パラジ
ウムなどの遷移金属のハロゲン化物のうちから1種を選
択して使用しても良いし、これらを2種以上組み合わせ
て使用してもよい。特に好ましくは、ハロゲンを含む遷
移金属錯体、遷移金属のハロゲン化物である。
使用量は特に限定されないが、ジアゾ酢酸エステルを主
成分として含有するモノマー100モルに対して、0.
001〜50モルの範囲が好ましく、特に好ましくは、
0.01〜20モルの範囲である。
としては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、ヘテ
ロ環式アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、例
えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチル
アミン、n−オクチルアミン、1−メチルヘプチルアミ
ン、1−アミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミ
ン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、t−オクチ
ルアミン等の脂肪族第一級アミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチ
ルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン
等の脂肪族第二級アミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジ
ブチルエタノールアミン、メタクリル酸ジメチルアミノ
エチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の脂肪族
第三級アミンが挙げられる。これらのなかで好ましく
は、脂肪族第三級アミンであり、さらに好ましくはトリ
エチルアミン、トリ−n−ブチルアミンである。
キシルアミン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ジシクロヘキシルアミン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン等が挙げられる。好ましくは、化
合物中の環数が1または2からなる脂環式第3級アミン
である。ヘテロ環式アミンとしては、例えば、1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、キヌクリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウン
デセン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピペラ
ジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチル
ピペラジン、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルア
ミノピリジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール
等が挙げられる。これらのなかで好ましくは、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデ
セン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンで
ある。
上を併用して用いることもできる。また、アミン類の使
用量は特に限定されないが、ジアゾ酢酸エステルを主成
分として含有するモノマー100モルに対して、0.1
〜500モルの範囲が好ましく、特に好ましくは、1〜
500モルの範囲である。
示される遷移金属および/または遷移金属化合物と、ア
ミン類とが少なくとも添加された系内で、式(2)に記
載のジアゾ酢酸エステル化合物を主成分として含有する
モノマーを、公知の重合方法で重合すればよい。このよ
うな重合方法としては、例えば、塊状重合法、適当な溶
媒を使用した溶液重合法等が挙げられる。重合時に溶媒
を使用する場合には、開始剤を失活させないかぎり各種
の溶媒が使用可能であり、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等
の炭化水素;ジクロロメタン、二塩化エチレン等のハロ
ゲン化炭化水素等を使用できる。重合温度については特
に制限はないが、好ましくは0〜150℃、更に好まし
くは20〜100℃の範囲で重合を行う。
反応物から目的とするカルボニルメチレン重合体を単
離、精製する。カルボニルメチレン重合体の同定には、
質量分析装置やNMRなどの各種分析装置を適宜使用で
きる。
造方法によれば、少なくとも式(1)で示される遷移金
属および/または遷移金属化合物と、アミン類とが添加
された系内で、ジアゾ酢酸エステル化合物を主成分とし
て含有するモノマーを重合するので、ジアゾ酢酸エステ
ル化合物の有するエステル基の立体構造によらず、種々
のエステル基を有する様々なジアゾ酢酸エステル化合物
を効率的に重合することができる。このようにして得ら
れたカルボニルメチレン重合体は、密着性、化学分解性
を備えていることから、フォトレジスト材料、塗料、オ
レフィン樹脂用プライマー、ポリプロピレン繊維染色性
改質剤などのさまざまな用途に使用することができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例で得られた重合体の同定は1H−NM
R(Brucker製、Avance400)により、分子量はMALDI
−TOF−MASS(PerSeptive Biosystems社製、Voya
ger RP)を用いて決定した。 (実施例1)ジアゾ酢酸エチルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:15.
5mg(0.087mmol)と、ピリジン:0.07
ml(0.87mmol)と、トルエン:10mlとを
加え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、ジアゾ酢
酸エチルのジクロロメタン溶液(0.18g/ml)を
2.78ml(0.5g;4.38mmol)加え、5
5 ℃で17時間加熱・攪拌することにより重合を行っ
た。この反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホ
ルム50mlに再溶解した。ついで1N塩酸50mlで
洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その
後、無水硫酸ナトリウムをろ過により除き、溶媒を減圧
留去して得られた粘性液体から、リサイクル分取GPC
により低分子成分を除去し、粘性液体として得られたポ
リマーをベンゼンにより凍結乾燥して収率40.6%で
重合体を得た。
ASSにより分析した結果、MW1500から1000
0にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H−NMRで分析したところ1.0−1.
3ppmにメチル基に由来するシグナルが、3.4−
3.9ppmにメチン基に由来するシグナルが、4.0
−4.6ppmにメチレン基に由来するシグナルが観測
され、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合
体であることを確認した。
mg(0.027mmol)と、トリエチルアミン:
0.07ml(0.53mmol)と、トルエン:10
mlとを加え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、
ジアゾ酢酸エチルのジクロロメタン溶液(0.18g/
ml)を 1.67ml(0.3g;2.63mmol)
加え、55 ℃で19時間加熱・攪拌することにより重
合を行った。この反応液から溶媒を減圧留去し、残渣を
クロロホルム50mlに再溶解した。ついで1N塩酸5
0mlで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。その後、無水硫酸ナトリウムをろ過により除き、溶
媒を減圧留去して得られた粘性液体から、リサイクル分
取GPCにより低分子成分を除去し、粘性液体として得
られたポリマーをベンゼンにより凍結乾燥して収率5
3.5%で重合体を得た。
ASSにより分析した結果、MW1200から4000
にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H-NMRで分析したところ1.0−1.3
ppmにメチル基に由来するシグナルが、3.4−3.
9ppmにメチン基に由来するシグナルが、4.0−
4.6ppmにメチレン基に由来するシグナルが観測さ
れ、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合体
であることを確認した。
7mg(0.10mmol)と、トリエチルアミン:
0.14ml(1.0mmol)と、トルエン10ml
とを加え室温で30分攪拌した。攪拌後、ジアゾ酢酸メ
チルのジクロロメタン溶液(0.18g/ml)を 2.
78ml(0.5g;5mmol)加え、55 ℃で1
4時間加熱・攪拌することにより重合を行った。この反
応液から溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルム50m
lに再溶解した。ついで1N塩酸50mlで洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、無水硫
酸ナトリウムをろ過により除き、溶媒を減圧留去して得
られた粘性液体から、リサイクル分取GPCにより低分
子成分を除去し、粘性液体として得られたポリマーをベ
ンゼンにより凍結乾燥して収率18%で重合体を得た。
ASSにより分析した結果、MW1500から1000
0にモノマーユニットの分子量間隔のシグナルを確認し
た。さらに1H−NMRで分析したところ、3.0−
3.8ppmにメチン基に由来するシグナルが、3.5
−4.0ppmにメチル基に由来するシグナルが観測さ
れ、得られた重合体が目的のカルボニルメチレン重合体
であることを確認した。
ブチル−4−メチルフェニルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:15.
4mg(0.087mmol)と、ピリジン:0.33
ml(4.12mmol)と、トルエン10mlとを加
え室温で30分攪拌した。攪拌後、これに、ジアゾ酢酸
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル:0.5
g(1.73mmol)を加え、70 ℃で14時間加
熱・攪拌することにより重合を行った。この反応液から
溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルム50mlに再溶
解した。ついで1N塩酸50mlで洗浄し、有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、無水硫酸ナトリ
ウムをろ過により除き、溶媒を減圧留去して得られた粘
性液体から、リサイクル分取GPCにより低分子成分を
除去し、粘性液体として得られたポリマーをベンゼンに
より凍結乾燥して収率73%で重合体を得た。
ころ1.2−1.5ppmにt−ブチル基のメチルに由
来するシグナルが、2.2−2.4ppmに4位のメチ
ル基に由来するシグナルが、7.0−7.3ppmにフ
ェニルプロトンに由来するシグナルが観測され、得られ
た重合体が目的のカルボニルメチレン重合体であること
を確認した。
ェニルの重合 窒素置換した50mlフラスコ内にPdCl2:20m
g(0.11mmol)と、ピリジン:0.33ml
(4.12mmol)と、トルエン:10 mlと、ジ
アゾ酢酸4−t−ブチルフェニル:0.5g(1.73
mmol)を加え、75 ℃で17時間加熱・攪拌する
ことにより重合を行った。こ の反応液から溶媒を減圧
留去し、残渣をクロロホルム50mlに再溶解した。つ
いで1N塩酸50mlで洗浄し、有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。その後、無水硫酸ナトリウムをろ過
により除き、溶媒を減圧留去して得られた粘性液体か
ら、リサイクル分取GPCにより低分子成分を除去し、
粘性液体として得られたポリマーをベンゼンにより凍結
乾燥して収率53.1%で重合体を得た。
ところ1.0−1.5ppmにt−ブチル基のメチルに
由来するシグナルが、3.0−4.0ppmにメチン基
に由来するシグナルが、6.7−7.5ppmにフェニ
ルプロトンに由来するシグナルが観測され、得られた重
合体が目的のカルボニルメチレン重合体であることを確
認した。
l2を添加しなかった以外は実施例1と同様に反応操作
を行った。しかしながら、重合は進行せず、重合体は得
られなかった。
加しなかった以外は実施例1と同様に反応操作を行っ
た。しかしながら、重合は進行せず、重合体は得られな
かった。
よれば、ジアゾ酢酸エステル化合物の有するエステル基
の嵩高さなどの立体構造によらず、所望のカルボニルメ
チレン重合体を効率的に製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも下記式(1)で示される遷移
金属および/または遷移金属化合物と、アミン類とが添
加された系内で、 下記式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル化合物を主
成分として含有するモノマーを重合することを特徴とす
るカルボニルメチレン重合体の製造方法。 【化1】 (式(1)中、Mは3〜8族の遷移金属であり;Lは遷
移金属に配位する能力のある配位子であり;Xはハロゲ
ンであり;mは0≦m≦4を満たす整数であり;nは0
≦n≦6を満たす整数である。) 【化2】 (式(2)中、Rは、鎖状炭化水素基、又は環状炭化水
素基である。) - 【請求項2】 前記式(1)において、Mが8族の遷移
金属であることを特徴とする請求項1に記載のカルボニ
ルメチレン重合体の製造方法。
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