JP2014218561A - ポリ(メチン)、並びに、金属塩複合体及び2次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質用のマトリックスポリマーとして用いた時に高いイオン伝導度を示す新規なポリ(メチン)、並びに、このようなポリ(メチン)を用いた金属塩複合体及び2次電池を提供すること。【解決手段】ポリ(メチン)は、側鎖にエチレンオキシド基を有する。ポリ(メチン)は、(1)式で表される構造を備えているものが好ましい。但し、Yは、直接結合又は2価の官能基、Zは、アルキル基、アリール基、置換されたアルキル基、又は、置換されたアリール基、m≧4。金属塩複合体は、このようなポリ(メチン)と金属塩とを備えている。2次電池は、この金属塩複合体を備えている。【化1】【選択図】図3

Description

本発明は、ポリ(メチン)、並びに、金属塩複合体及び2次電池に関し、さらに詳しくは、側鎖にエチレンオキシド基を有するポリ(メチン)、並びに、このようなポリ(メチン)を用いた金属塩複合体及び2次電池に関する。
ポリ(メチン)とは、一般式:−(CH−Y)n−(Yは、側鎖を構成する原子団)で表される繰り返し単位を備えた高分子化合物をいう。ポリ(メチン)は、原子団Yの構造に応じて、電解質、医薬品、農薬、殺虫剤、化学肥料、食品添加物、酸化防止剤、難燃剤、潤滑油の添加剤、界面活性剤などに応用することが可能である。
液系電解質を用いたリチウムイオン電池は、高い伝導度を有し、すでに実用化されている。その電解質は、リチウム塩とそれを溶解することができる有機溶媒(例えば、エチレンカーボネート)で構成されている。しかし、このリチウムイオン電池を使用する際に、有機溶媒が液漏れしたり、発火したりする問題があった。これを解決するために、有機溶媒をポリマーに置き換えたポリマー系の電解質が望まれている。ポリ(メチン)は、このような電解質用ポリマーの候補材料の一つである。
このような電解質用ポリマーに関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、2個のエチレンオキシド基:−(CH2CH2O)m−(但し、m=1、2)を有するビニルモノマー(不飽和二塩基酸ジエステル)をラジカル重合させることにより得られるポリ(メチン)が開示されている。
同文献には、このポリ(メチン)とヨウ化リチウムとからなるフィルムの電気抵抗が5×107〜2×108Ω/cm2である点が記載されている。
非特許文献1には、ポリ(メチン)ではないが、側鎖にエチレンオキシド基:−(CH2CH2O)m−(但し、m=7)を有するビニルモノマーを重合させることにより得られるビニルポリマー(ポリ(アクリル酸)エステル)と、LiClO4との複合体からなる高分子電解質が開示されている。
同文献には、この種の高分子電解質の伝導度は、室温において約10-5Scm-1である点が記載されている。
さらに、非特許文献2には、ポリ(メチン)ではないが、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)と、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiTFSI)との複合体からなる電解質が開示されている。
同文献には、
(1)電解質のイオン伝導度σと、PEO鎖の分子量Mとの間に、σ=σ0+K/Mの関係が成り立つ点、及び、
(2)[EO]/chain(mに相当)が4から15の範囲で、電解質のイオン伝導度が急激に低下する点、
が記載されている。
特許文献1には、ビニルモノマーをラジカル重合して得られたm=1、2のポリ(メチン)のTgが、それぞれ、73℃及び51〜58℃であることが記載されている。また、mが8を超えると、Tgが低下することが記載されている。しかし、これらのTgは高く、リチウム塩複合体のポリマーとして用いた場合、分子の熱運動性が低いため、伝導度が低くなる。また、同文献には、m=1、2のポリ(メチン)とヨウ化リチウムとを複合化した電解質の抵抗値が記載されているだけで、イオン伝導度に関する記載はない。
非特許文献1に記載のビニルポリマー(ポリ(アクリル酸エステル))は、伝導部位のエチレンオキシド基(m=7)が、ポリマー主鎖の繰り返し単位中の炭素2つ当たり1つ導入されたものである。また、同文献には、このポリマーとLiClO4とを複合化したリチウム塩複合体の伝導度が示されている。しかしながら、LiClO4に代えてCF3SO3Li(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)を用いて複合化した電解質の伝導度を測定したところ、その伝導度はポリ(メチン)のリチウム塩複合体より低いことがわかった(後述)。
これは、伝導部位となるエチレンオキシド基の密度が低く、リチウムイオンが移動しにくいためと考えられる。また、Tgが高く、分子の熱運動性が低いためと考えられる。
特開2003−12729号公報
Polym.Adv.Technol. 2010, 21, 797-801 Solid State Ionics. 2011, 203, 18-21
本発明が解決しようとする課題は、電解質用のマトリックスポリマーとして用いた時に高いイオン伝導度を示す新規なポリ(メチン)、並びに、このようなポリ(メチン)を用いた金属塩複合体及び2次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るポリ(メチン)は、側鎖にエチレンオキシド基を有するものからなる。
本発明に係るポリ(メチン)は、(1)式で表される構造を備えているものが好ましい。
Figure 2014218561
但し、
Yは、直接結合又は2価の官能基、
Zは、アルキル基、アリール基、置換されたアルキル基、又は、置換されたアリール基、
m≧4。
本発明に係る金属塩複合体は、
本発明に係るポリ(メチン)と、
金属塩と
を備えていることを要旨とする。
さらに、本発明に係る2次電池は、本発明に係る金属塩複合体を用いたことを要旨とする。
特定の分子構造を有するモノマーを重合させることにより得られるポリ(メチン)の金属塩複合体は、ビニルモノマー(不飽和二塩基酸ジエステル)をラジカル重合させることにより得られるポリ(メチン)の金属塩複合体に比べて、高いイオン伝導度を示す。これは、出発原料として用いるモノマーの分子構造の相違によって、ポリマーの立体規則性が異なるためと考えられる。
ポリ(エチレンオキシド)(PEO)の化学構造(図1(a))、及び、PEOとリチウム塩とを複合化したリチウム塩複合体のイオン伝導機構の模式図(図1(b))である。 ポリマー1〜6の1H−NMRスペクトル(CDCl3、60℃)である。 各種リチウム塩複合体のイオン伝導度を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. ポリ(メチン)]
本発明に係るポリ(メチン)は、側鎖にエチレンオキシド基を有するものからなる。エチレンオキシド基の構造は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の構造を用いることができる。
[1.1. ポリ(メチン)の具体例(1)]
本発明に係るポリ(メチン)は、(1)式で表される構造を備えているものが好ましい。
Figure 2014218561
但し、
Yは、直接結合又は2価の官能基、
Zは、アルキル基、アリール基、置換されたアルキル基、又は、置換されたアリール基、
m≧4。
Yが2価の官能基である場合、Yの構造は、特に限定されないが、極性が高い官能基が好ましい。Yが極性の高い2価の官能基からなる場合、金属塩の解離が促進される。
Yを構成する2価の官能基としては、例えば、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)O−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NHC(=O)−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−SO2−などがある。。
Zは、金属イオンの伝導が阻害されない基であれば良い。例えば、ZがHである場合、−OHからH+が解離する。H+は金属イオンより動きが速いため、金属イオンの伝導が阻害される。従って、Hは、Zとして好ましくない。
金属イオンの伝導を阻害しないZとしては、例えば、
(1)−Me、−Et、−n−Pr、−i−Pr、−n−Bu、−sec−Bu、−iso−Bu、−tert−Buなどのアルキル基、
(2)−Ph、−CH2Ph、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基などのアリール基、
(3)アルキル基のHの全部又は一部がハロゲン(F、Cl、Br、I)、ニトロ基等により置換されたアルキル基、
(4)アリール基のHの全部又は一部がハロゲン(F、Cl、Br、I)、ニトロ基等により置換されたアリール基、
などがある。
(1)式中、「m」は、エチレンオキシド基:−CH2CH2O−の繰り返し数(エチレンオキシド基の鎖長)を表す。mは、1以上であればよい。
一般に、mが大きくなるほど、ポリ(メチン)又はその金属塩複合体のガラス転移温度(Tg)が低くなる。高いイオン伝導度を得るためには、金属塩複合体の熱運動性は高いほど良い。すなわち、金属塩複合体のTgは低いほど良い。
具体的には、金属塩複合体のTgは、−15℃以下が好ましい。また、このようなTgを得るためには、mは4以上が好ましい。mは、さらに好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上である。
一方、mが過度に大きくなると、やがて、ポリ(メチン)又はその金属塩複合体は融点(Tm)を持つようになる。Tmを持つ金属塩複合体は、Tmを持たない金属塩複合体に比べてイオン伝導度が低い。従って、mは、Tmを持たない値以下が好ましい。そのためには、mは、20以下が好ましい。mは、さらに好ましくは、15以下、さらに好ましくは、12以下である。
[1.2. ポリ(メチン)の具体例(2)]
本発明に係るポリ(メチン)は、特に、以下の構成を備えているものが好ましい。
(1)前記ポリ(メチン)は、(1.1)式で表される構造を備えている。
(2)前記ポリ(メチン)は、(2)式で表される構造を備えたモノマーを重合させることにより得られる。
Figure 2014218561
但し、m≧4。
[1.2.1. m]
(1)式中、「m」は、エチレンオキシド基:−CH2CH2O−の繰り返し数(エチレンオキシド基の鎖長)を表す。mの詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[1.2.2. モノマー]
ポリ(メチン)は、(1.1)式で表される構造を備えていることに加えて、(2)式で表される構造を備えたモノマーを重合させることにより得られるものが好ましい。他の構造を備えたモノマーを用いて製造された類似の構造を持つポリ(メチン)の金属塩複合体は、(2)式のモノマーを用いて製造されたポリ(メチン)の金属塩複合体に比べて、イオン伝導度が低い。これは、出発原料として用いるモノマーの分子構造の相違によって、ポリマーの立体規則性が異なるためと考えられる。
(2)式で表されるモノマーは、次の(3)式で表される化合物(アルコキシアルコール)を出発原料に用い、NaHCO3存在下でブロモアセチルブロミドと反応させ、次いでDBU存在下でジトシルヒドラジンと反応させることにより得られる。
HO−(CH2CH2O)m−CH3 ・・・(3)
[1.3. ポリ(メチン)の製造方法]
(2)式で表されるモノマーは、いわゆる鎖式ジアゾ化合物であり、ジアゾ基のN2=部位は活性が高い。そのため、(2)式で表されるモノマーを適当な開始剤の共存下で反応させると、N2=部位が生成エネルギーの大きい窒素分子(N2) として脱離し、ポリマー化する。
開始剤の種類は、特に限定されるものではないが、配位子を含む遷移金属錯体が好ましい。配位子を含む遷移金属錯体の種類は、(2)式で表されるモノマーを重合可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
遷移金属としては、例えば、Pd、Rh、Cu、Fe、Ni、Zn、Ru、Co、Ptなどがある。
また、配位子を含む遷移金属錯体としては、例えば、以下のようなものがある。
Figure 2014218561
[2. 金属塩複合体]
本発明に係る金属塩複合体は、本発明に係るポリ(メチン)と、金属塩とを備えている。
[2.1. ポリ(メチン)]
ポリ(メチン)の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.2. 金属塩]
本発明において、金属塩の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
金属塩に含まれる金属イオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+)、アルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+)などがある。
リチウム塩としては、例えば、CF3SO3Li、LiClO4、CF3SO2NLiSO2CF3(LiTFSI)、LiPF6、LiBF4などがある。
金属塩複合体に含まれる金属塩の量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な量を選択することができる。例えば、Liイオンは、エチレンオキシド基のエーテル酸素に4配位している。そのため、Liイオンの量に対するエーテル酸素の数が多くなるほど、Liイオンが移動しやすくなる。この点は、他の金属イオンも同様である。
高いイオン伝導度を得るためには、エチレンオキシド基/金属イオン比(mol/mol)(=EO/M比)は、4以上が好ましい。EO/M比は、さらに好ましくは、5以上である。
一方、EO/M比が大きくなりすぎると、かえってイオン伝導度が低下する。従って、EO/M比は、20以下が好ましい。EO/M比は、さらに好ましくは、15以下である。
[2.3. 複合化]
ポリ(メチン)と金属塩とを複合化させる方法は、特に限定されるものではなく、両者の均一な混合物が得られる方法であれば良い。
両者を複合化させる方法としては、
(1)ポリ(メチン)及び金属塩を適当な溶媒に溶解させ、溶媒を揮発させる方法、
(2)金属塩の共存下において(2)式で表されるモノマーを重合させる方法、
などがある。
[3. 2次電池]
本発明に係る2次電池は、本発明に係る金属塩複合体を用いたことを特徴とする。2次電池のその他の構成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な構成を選択することができる。
[4. 作用]
図1に、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)の化学構造(図1(a))、及び、PEOとリチウム塩とを複合化したリチウム塩複合体(金属塩複合体)のイオン伝導機構の模式図(図1(b))を示す。
ポリマー系電解質として、ポリエチレンオキシド(PEO)とリチウム塩とを複合化したリチウム塩複合体が知られている。このリチウムイオン伝導は、Liイオンがエチレンオキシド基のエーテル酸素に4配位しながら、近傍の配位していないエーテル酸素にPEO鎖の熱運動によって移動することで発現する(図1(b))。
ポリ(メチン)において、ポリマー主鎖のすべての炭素に1つの側鎖官能基が導入されており、側鎖の数は、ビニルポリマーの2倍と高密度化している。ポリ(メチン)の側鎖に伝導部位であるエチレンオキシド基を導入することで、リチウムイオンに隣接して配位するエチレンオキシドの数が多くなる。その結果、リチウムイオンが移動しやすくなる。
また、エチレンオキシド基は結晶化しやすいが、これを側鎖に導入することで結晶化が抑制される。その結果、分子の熱運動性が高くなり(ガラス転移温度(Tg)が低くなり)、高伝導化する。
また、主鎖のポリ(メチン)と側鎖のエチレンオキシド基の結合は、極性が高いエステル結合である。そのため、リチウム塩のイオン解離が促進され、高伝導化する。
さらに、(2)式で表されるモノマーを重合させることにより得られるポリ(メチン)の金属塩複合体は、ビニルモノマー(不飽和二塩基酸ジエステル)をラジカル重合させることにより得られるポリ(メチン)の金属塩複合体に比べて、高いイオン伝導度を示す。これは、出発原料として用いるモノマーの分子構造の相違によって、ポリマーの立体規則性が異なるためと考えられる。
(実施例1〜6、比較例1)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
[1.1.1. モノマー1(m=1)の合成(実施例1−1)]
フラスコにNaHCO3(5.1g、61mmol)を入れ、窒素置換した。窒素下で、2−メトシキエタノール(1.6mL、20mmol)((3)式でm=1)、アセトニトリル(CaH2で乾燥したもの)30mLを加え、0℃に冷却した。0℃でブロモアセチルブロミド(2.6mL、30mmol)をゆっくりと滴下し、0℃で20min攪拌した。反応物をH2Oとジクロロメタンで抽出し、MgSO4で乾燥した。
溶媒を減圧留去して得られた残渣に窒素雰囲気下でジトシルヒドラジン(13.8g、40mmol)とTHF:90mLを加え、0℃に冷却した。そこにDBU(15.1mL、101mmol)を滴下し、0℃で20min攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液とジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去した後、リサイクルGPCで精製することにより、収率62%でモノマー1を得た。
[1.1.2. ポリマー1(m=1)の合成(実施例1−2)]
窒素雰囲気下でシュレンク管に(π−allylPdCl)2(7.5mg、0.021mmol)とTHF:3.4mLを入れ、−78℃に冷却した。そこにNaBPh4(16.8mg、0.049mmol)を加え、−78℃で攪拌した。−78℃でモノマー1(1.18g、8.2mmol)のTHF(3.4mL)溶液を加えた後、0℃に昇温し、15時間攪拌して重合した。
重合終了後、HCl/MeOH、H2O、クロロホルムで抽出し、有機層をH2Oで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。リサイクルGPCによる精製を行い、収率76%でポリマー1を得た。この操作を実施例1−1も含めて、ポリマー収量が1gになるまで繰り返した。
[1.1.3. リチウム塩複合体の作製(実施例1−3)]
窒素雰囲気下のグローブボックス内で、0.3gのポリマー1(エチレンオキシド基:2.6mmol)をナスフラスコに入れ、エチレンオキシド基/Li+=5/1(mol/mol)となるように、CF3SO3Liのアセトニトリル溶液(0.1mol/L)を加えて、セプタムラバーで蓋をした。空気が混入しないように、エバポレータに接続した注射針をセプタムラバーに刺してアセトニトリルを蒸発させた。その後、60℃で1晩真空乾燥し、リチウム塩複合体とした。サンプルは、窒素雰囲気下で保管した。
[1.2. 実施例2]
2−メトキシエタノールの代わりに、(3)式でm=2のアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして、モノマー2(実施例2−1、収率71%)、ポリマー2(実施例2−2、収率66%)、及びリチウム塩複合体(実施例2−3)を得た。
[1.3. 実施例3]
2−メトキシエタノールの代わりに、(3)式でm=3のアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして、モノマー3(実施例3−1、収率66%)、ポリマー3(実施例3−2、収率55%)、及びリチウム塩複合体(実施例3−3)を得た。
[1.4. 実施例4]
2−メトキシエタノールの代わりに、(3)式でm=4のアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして、モノマー4(実施例4−1、収率79%)、ポリマー4(実施例4−2、収率69%)、及びリチウム塩複合体(実施例4−3)を得た。
[1.5. 実施例5]
2−メトキシエタノールの代わりに、(3)式でm=7のアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして、モノマー5(実施例5−1、収率57%)、ポリマー5(実施例5−2、収率53%)、及びリチウム塩複合体(実施例5−3)を得た。
[1.6. 実施例6]
2−メトキシエタノールの代わりに、(3)式でm=12のアルコールを用いた以外は、実施例1と同様にして、モノマー6(実施例6−1、収率79%)、ポリマー6(実施例6−2、収率44%)、及びリチウム塩複合体(実施例6−3)を得た。
[1.7. 比較例1]
[1.7.1. 側鎖にエチレンオキシド基(m=7)を有するアクリル酸エステルモノマー(モノマー7)の合成(比較例1−1)]
窒素雰囲気下、オリゴエチレングリコールモノメチルエーテル(m=7、2.15g、6.14mmol)とトリエチルアミン(1.4mL、10mmol)のTHF(13mL)溶液を0℃に冷却し、攪拌下、アクリロイルクロリド(0.74mL、9.2mmol)を滴下した。0℃で30min攪拌した後、6h加熱還流した。
冷却後、反応中に析出した固体(トリエチルアミンの塩酸塩)をろ過して除いた後、リサイクルGPCにより精製し、モノマー7を得た。収量1.41g(3.49mmol)、収率57%。
1H−NMR(ppm):6.43[d、J=17Hz、1H、H2C=(Z to ester)]、6.16[dd、J=16Hz and 10Hz、1H=CH(COR)−]、5.84[d、J=4Hz、1H、H2C=(E to ester)]、4.32(m、2H、−CO2CH2−)、3.74(m、2H、−CO2CH2CH2−)、3.6−3.7(broad、−OCH2CH2O−)、3.55(m、2H、−CH2OCH3)、3.38(s、3H、OCH3
[1.7.2. 側鎖にエチレンオキシド基(m=7)を有するポリ(アクリル酸エステル)(ポリマー7)の合成(比較例1−2)]
シュレンク管にモノマー7(0.72g、1.8mmol)とラジカル開始剤VAZO(8.6mg、0.035mmol)を入れ、脱気操作を3回行った。90℃で14h加熱して重合した後、減圧乾燥した。残渣をリサイクルGPCにより精製し、ポリマー7を得た。収量0.62g、収率86%。Mn=10,000、PDI=1.77。
1H NMR(ppm):4.0−4.2(broad、2H、−CO2CH2−)、3.4−3.8(broad、−OCH2CH2O−)、3.37(s、3H、OCH3)、2.2−2.3(broad、2H、main chain CH2)、1.6−2.1(broad、1H、main chain 1H)
[1.7.3. リチウム塩複合体の作製(比較例1−3)]
ポリマー7を用いた以外は実施例1と同様にして、リチウム塩複合体を作製した。
[1.8. 比較例2]
液状ではなく、ポリマー形状を保っているm=44のPEO(ポリマー両末端は、メトキシ基でキャップ)を用い、実施例1−3の操作と同様に、エチレンオキシド基/Li+=5/1(mol/mol)となるようにCF3SO3Liと複合化し、リチウム塩複合体とした。
[2. 試験方法]
[2.1. 1H−NMR]
実施例1〜6で得られたポリマー1〜6の1H−NMRを測定した。
[2.2. 分子量]
実施例1〜6で得られたポリマー1〜6の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(日本分光社製、Jasco-ChromNAV system)により、溶離液にTHFを、検出器にRIを用いて40℃で測定した。分子量内部標準としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を用い、分子量を算出した。
[2.3. Tg及びTm測定]
アルミパンにサンプルを詰め、TA instruments社製DSC Q1000を用いて測定した。
[2.4. イオン伝導度]
得られたリチウム塩複合体を窒素雰囲気下のグローブボックス内で、伝導度測定用セルにセットした。インピーダンスアナライザーにより抵抗値を測定し、イオン伝導度を算出した。
[3. 結果]
[3.1. 1H−NMR]
図2に、ポリマー1〜6の1H−NMRスペクトル(CDCl3、60℃)を示す。図2より、いずれも目的のポリマーが得られていることが確認できた。
[3.2. Tg及びTm]
表1に、得られたポリマーのTg及びTmを示す。すべての実施例において、これらのTgは、非特許文献1のビニルモノマーのラジカル重合で得られたポリマーより低かった。これは、ポリマーの立体規則性による違いだと考えられる。実施例で得られたポリマーの熱運動性は高く、リチウム塩複合体のポリマーとして適していることがわかった。
Figure 2014218561
表2に、得られたリチウム塩複合体のTg及びTmを示す。比較例2はTmを有し、エチレンオキシド基が結晶化していることがわかる。
表1に示すように、実施例6−2(ポリマーのみの場合)は、エチレンオキシド基の結晶化に由来するTmを示した。一方、表2に示すように、リチウム塩複合体とすること(実施例6−3)で、Tmはなくなり、エチレンオキシド基の結晶化はなくなった。
Figure 2014218561
図3に、各種リチウム塩複合体のイオン伝導度を示す。m=7のポリ(メチン)を用いたリチウム塩複合体(実施例5−3)の伝導度は、m=7のビニルポリマーを用いたリチウム塩複合体(比較例1−3)より、高かった。これは、エチレンオキシド基の密度が高く、リチウムイオンに隣接して配位するエチレンオキシドが多く、リチウムイオンが伝導しやすいためである。また、Tgが低く、分子の熱運動性が高いためである。
m≧4である実施例4−3、5−3及び6−3の伝導度は、比較例2より高かった。これは、Tmを有さず、かつTgが低く、すなわち分子の運動性が高く、リチウムイオンが伝導し易いためである。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るポリ(メチン)は、電解質、医薬品、農薬、殺虫剤、化学肥料、食品添加物、酸化防止剤、難燃剤、潤滑油の添加剤、界面活性剤などに使用することができる。

Claims (8)

  1. 側鎖にエチレンオキシド基を有するポリ(メチン)。
  2. (1)式で表される構造を備えた請求項1に記載のポリ(メチン)。
    Figure 2014218561
    但し、
    Yは、直接結合又は2価の官能基、
    Zは、アルキル基、アリール基、置換されたアルキル基、又は、置換されたアリール基、
    m≧4。
  3. 以下の構成を備えた請求項1又は2に記載のポリ(メチン)。
    (1)前記ポリ(メチン)は、(1.1)式で表される構造を備えている。
    (2)前記ポリ(メチン)は、(2)式で表される構造を備えたモノマーを重合させることにより得られる。
    Figure 2014218561
    但し、m≧4。
  4. 4≦m≦12である請求項1から3までのいずれか1項に記載のポリ(メチン)。
  5. 遷移金属錯体を開始剤に用いて前記モノマーを重合することにより得られる請求項3又は4に記載のポリ(メチン)。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリ(メチン)と、
    金属塩と
    を備えた金属塩複合体。
  7. 前記金属塩は、リチウム塩である請求項6に記載の金属塩複合体。
  8. 請求項6又は7に記載の金属塩複合体を用いた2次電池。
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