JP2835626B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2835626B2 JP1323609A JP32360989A JP2835626B2 JP 2835626 B2 JP2835626 B2 JP 2835626B2 JP 1323609 A JP1323609 A JP 1323609A JP 32360989 A JP32360989 A JP 32360989A JP 2835626 B2 JP2835626 B2 JP 2835626B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、特に新規
な造核剤として機能し得る化合物を含有する写真感光材
料に関する。
〔発明の背景〕
造核剤は例えば写真製版プロセスに用いるハロゲン化
銀写真感光材料における硬調化剤として、又、直接ポジ
型のハロゲン化銀写真感光材料におけるカブリ剤として
用いられることが知られている。
写真製版プロセスにおける原稿の連続階調の濃度変化
をこの濃度に比例する面積を有する網点の集合に変換す
る工程においては、一般に、硬調な写真特性を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料が用いられている。
画像に硬調な特性を付与するためには、従来、特開昭
56−106244号,米国特許4,686,167号及びヨーロッパ特
許333,435号に示されたように、ハロゲン化銀写真感光
材料に、いわゆる硬調化剤としてヒドラジンのような化
合物を含有させ、更に、この化合物の硬調特性を有効に
発揮させるハロゲン化銀粒子を用いたり、その他の写真
用添加剤を適宜組み合わせて所望の写真感光材料を得る
ように調整していた。このようなハロゲン化銀写真感光
材料は、確かに感光材料として安定しており、迅速処理
可能な現像液で処理することによっても高コントラスト
な写真画像を得ることができるものである。
しかしながら、連続階調の原稿を網点画像に変換する
際、網点中に砂状、ピン状のカブリ、いわゆる黒ピンが
発生して網点画像の品質を損なうという問題点を生ずる
ことがある。そこで、この問題点を解決するために、従
来ではヘテロ原子を持つ種々の安定剤、抑制剤を加える
などの手段が講じられることがあったが、必ずしも有効
なものとは言い難いものであった。
従って上記のような問題を解決した、有効な硬調化剤
を用いた感光材料が望まれている。
一方、直接ポジ型のハロゲン化銀写真感光材料を用い
てポジ画像を形成する方法の一つとして、カブラされて
いない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を用い、画像露光後
カブリ剤の存在下に表面現像を行い、ポジ画像を得る方
法が知られている。
この技術分野においては種々の技術がこれまでに知ら
れている。例えば、米国特許2,592,250号、同2,456,957
号、同2,497,875号、同2,588,982号、英国特許1,151,36
3号、特公昭43−29405号、特開昭47−9434号、同47−96
77号、同47−32813号、同47−32814号、同48−9727号、
同48−9717号、米国特許3,761,266号、同3,496,577号、
特開昭50−8524号、同50−38525号等がその主なもので
ある。
有用なカブリ剤としては、ヒドラジン化合物が知られ
ている。
例えば、米国特許2,563,785号、同2,588,982号に記載
されているヒドラジン化合物、米国特許2,064,700号に
記載されているナフチルヒドラジンスルホン酸、あるい
は米国特許1403018号に記載されているスルホメチルヒ
ドラジン類がカブリ剤として使用されている。又、特公
昭41−17184号にはヒドラジド又はヒドラゾン化合物を
用いてカラーポジ画像が得られることが記載されてい
る。
しかしながら、これらの化合物を用いた場合は、通常
の潜像銀の現像に比較して現像が開始されるまでの誘導
期が長く、従ってその現像はかなり遅延される。
又、従来技術には、多層カラー写真感光材料に適用し
た場合、層間に特性の不均一を引き起こし易い、最終的
に得られる最大濃度が低い等の問題点があった。
又、好ましいカブリ作用を維持して良好な結果を得る
ために、従来、12以上の高いpH値の下で現像が行われて
いたが、これは現像主薬の劣化を著しく促進したり、写
真感光材料の膜物性を低下させるなど、決して望ましい
ものではない。
従って直接ポジ型のハロゲン化銀写真感光材料につい
ても、上記のような問題点を解決した、有利なカブリ剤
を用いた感光材料が望まれている。
〔発明の目的〕
本発明の第1の目的は、硬調な写真特性を有するとと
もに、網点画像中に発生するカブリを抑制して高コント
ラストな写真特性を発揮することのできるハロゲン化銀
写真感光材料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、直接ポジ型のハロゲン化銀写
真感光材料に適用して、低pHの現像液で現像した時でも
充分高い最高濃度(Dmax)が得られ、又、短時間のカブ
リ現像でも最大濃度が大きく、かつ最小濃度が小さい良
好な画像が得られ、又、経時保存後も最小濃度の上昇を
少なくすることができる写真感光材料を提供することに
ある。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、下
記一般式〔I〕で表される化合物を少なくとも1種含有
するハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
式中、R1は水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はメル
カプト基を含まないヘテロ環基を、R2はアルキレン基又
はアルケニレン基を、R3は水素原子又はアルキル基を、
Rは水素原子又はブロック基を、Arはアリーレン基又は
ヘテロ環基を、A1及びA2は一方が水素原子を、他方が水
素原子、アシル基、スルホニル基又はオキザリル基を表
す。
但し、Rが水素原子を表すときArがアリーレン基を表
し、かつR1が水素原子、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基又はメルカプト基を含まないヘテロ環基を表
す、又はArがヘテロ環基を表す。
一般式〔I〕について更に詳しく説明する。
R1は水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、
i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、t−オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、
シクロヘキシルメチル、ベンジル等の基)、シクロアル
キル基(例えばシクロヘキシル、4−クロルシクロヘキ
シル等の基)、アルケニル基(例えばアリル、i−プロ
ペニル、1,3−ブタジエニル、2−ブテニル、2−ペン
テニル、シンナミル等の基)、アルキニル基(例えばプ
ロパルギル、2−ブチニル等の基)、アリール基(例え
ばフェニル、p−t−ブチルフェニル、ナフチル等の
基)、ヘテロ環基(例えばピリジル、テトラゾリル、オ
キサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、
ベンゾイミダゾリル等の基)の各基を表すが、ヘテロ環
基としてはメルカプト基を含まないものが好ましい。
R2はアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、トリ
メチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、ブチルメ
チレン、ヘキシルメチレン、デシルメチレン等の基)又
はアルケニレン基(例えばプロペニレン、ブテニレン等
の基)を表す。
R3は水素原子又はアルキル基(例えばメチル、エチ
ル、ベンジル等の基)を表す。
Arはアリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレン等
の基)又はヘテロ環基(例えばピリジン、チオフエン、
フラン等の2価基)を表す。Arで表されるアリーレン基
又はヘテロ環基はアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ
ル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、スルホンアミ
ド、ウレイド等の置換基を有するものを含む。
Rとしては水素原子及びブロック基としてのアルキル
基(例えばメチル、エチル、ベンジル、メトキシメチ
ル、トリフルオロメチル、フェノキシメチル、ヒドロキ
シメチル、メチルチオメチル、フェニルチオメチル等の
基)、アリール基(例えばフェニル、クロルフェニル等
の基)、ヘテロ環基(例えばピリジル、チエニル、フリ
ル等の基)、 等の基が好ましい。
R4及びR5は水素原子、アルキル基(例えばメチル、エ
チル、ベンジル等の基)、アルケニル基(例えばアリ
ル、ブテニル等の基)、アルキニル基(例えばプロパル
ギル、ブチニル等の基)、アリール基(例えばフェニ
ル、ナフチル等の基)、ヘテロ環基(例えば2,2,6,6−
テトラメチルピペリジニル、N−エチル−N′−エチル
ピラゾリジニル、ピリジル等の基)、ヒドロキシル基、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等の基)、ア
ミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ等の基)を表し、
R4とR5で窒素原子と共に環(例えばピペリジノ、モルホ
リノ等の環)を形成してもよい。
R6は水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、
メトキシメチル、ヒドロキシエチル等の基)、アルケニ
ル基(例えばアリル、ブテニル等の基)、アルキニル基
(例えばプロパルギル、ブチニル等の基)、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル等の基)、ヘテロ環基(例
えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル,N−メチルピ
ペリジニル、ピリジル等の基)を表す。
A1及びA2は一方が水素原子を、他方が水素原子、アシ
ル基(例えばアセチル、トリフルオロアセチル等の
基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、トルエ
ンスルホニル等の基)、オキザリル基(例えばエトキザ
リル等の基)の各基を表すが、A1及びA2は共に水素原子
であることが最も好ましい。
上記一般式〔I〕で表される代表的な具体的化合物を
以下に示すが、本発明において用い得る化合物は、これ
らに限定されるものではない。
次に本発明の化合物の合成法について述べる。例えば
化合物(1)はヨーロッパ特許330,109号に記載の中間
体より次の合成法に従って合成できる。
化合物(36)は特願昭62−336565号記載の中間体より
次の合成法に従って合成できる。
その他の化合物も同様の合成方法で合成することがで
きる。
次に、本発明のハロゲン化銀写其感光材料を、コント
ラストの高い写真特性を発揮させる感光材料に適用した
場合の好ましい形態について説明する。
本発明を適用した高コントラストな画像を得ることが
できるハロゲン化銀写真感光材料中には、上記一般式
〔I〕で表される化合物の少なくとも1種が硬調化剤と
して機能する物質として含有されるが、該写真感光材料
に含まれる一般式〔I〕の化合物の量は、写真感光材料
中に含有されるハロゲン化銀1モル当たり5×10-7モル
〜5×10-1モルであることが好ましい。
特に5×10-6モル〜1×10-2モルの範囲とすることが
好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層を有する。すなわちハロゲン化
銀乳剤層は、支持体の片面に少なくとも1層設けられて
いることもあるし、支持体の両面に各々少なくとも1層
設けられていることもある。そして、このハロゲン化銀
乳剤は支持体上に直接塗設されるか、あるいは他の層例
えばハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド層を介
して塗設されることができ、更にハロゲン化銀乳剤層の
上には、保護層としての親水性コロイド層を塗設しても
よい。又、ハロゲン化銀乳剤層は、異なる感度、例えば
高感度及び低感度の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設
してもよい。この場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に、
親水性コロイドから成る中間層を段けてもよい。又、ハ
ロゲン化銀乳剤層と保護層との間に、中間層を設けても
よい。すなわち、必要に応じて中間層、保護層、アンチ
ハレーション層、バッキング層などの非感光性親水性コ
ロイド層を設けてもよい。
一般式〔I〕で表される化合物を硬調化剤として機能
させるべく本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有せ
しめるには、感光材料中の親水性コロイド層に含有させ
るのが好ましく、特に好ましくはハロゲン化銀乳剤層及
び/又は該ハロゲン化銀乳剤層に隣接する親水性コロイ
ド層に含有させるのがよい。
次に本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いるハロ
ゲン化銀について説明する。ハロゲン化銀としては、任
意の組成のものを使用できる。例えば塩化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀、純臭化銀、沃臭化銀もしくは塩沃臭化
銀がある。このハロゲン化銀の粒子の平均径は0.05〜0.
5μmの範囲のものが好ましく用いられるが、中でも0.1
0〜0.40μmのものが好適である。
本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒径分布は任意で
あるが、以下に定義する単分散度の値が1〜30のものが
好ましく、更に好ましくは5〜20の範囲となるように調
整する。
ここで単分散度は、下記式で定義する。
即ちこの単分散度は粒径の標準偏差を平均粒径で割っ
た値を100倍した数値として定義されるものである。な
おハロゲン化銀粒子の粒径は、便宜上、立方晶粒子の稜
長で表し、その他の粒子(8面体、14面体等)は、投影
面積の平方根で算出する。
本発明を実施する場合、例えばハロゲン化銀の粒子と
して、その構造が少なくとも2層の多層積層構造を有す
るタイプのものを用いることができ、例えばコア部が塩
化銀又は沃臭化銀、シェル部が臭化銀、逆にコア部が臭
化銀、シェル部が塩化銀である塩臭化銀粒子又は塩沃臭
化銀粒子から成るものを用いることができる。このと
き、沃素を任意の層に含有させることができるが、沃素
は5モル%以内とすることが好ましい。
用いられるハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程
及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジ
ウム塩(錯塩を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から選ば
れる少なくとも1種を用いて金属イオンを添加し、粒子
内部に及び/又は粒子表面にこれらの金属元素を含有さ
せることができ、又、適当な還元的雰囲気におくことに
より、粒子内部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与
できる。
更に又、ハロゲン化銀は種々の化学増感剤によって増
感することができる。その増感剤として、例えば活性ゼ
ラチン、硫黄増感剤(チオ硫酸ナトリウム、アリルチオ
カルバミド、チオ尿素、アリルイソチオシアナート
等)、セレン増感剤(N,N−ジメチルセレノ尿素、セレ
ノ尿素等)、還元増感剤(トリエチレンテトラミン、塩
化銀1錫等)、例えばカリウムクロロオーライト、カリ
ウムオーリチオシアナート、カリウムクロロオーレー
ト、2−オーロスルホベンゾチアゾールメチルクロライ
ド、アンモニウムクロロパラデート、カリウムクロロプ
ラチネート、ナトリウムクロロパラダイト等で代表され
る各種貴金属増感剤等を、それぞれ単独で、あるいは2
種以上併用して用いることができる。なお金増感剤を使
用する場合は助剤的にロダンアンモンを使用することも
できる。
本発明を高コントラスト画像を得ることができる感光
材料に適用する場合、そのハロゲン化銀粒子が、内部の
感度より表面感度の高い粒子、いわゆるネガ画像を与え
るハロゲン化銀粒子である感光材料に好ましく適用する
ことができるので、上記化学増感剤で処理することによ
り性能を高めることができる。
又、用いられるハロゲン化銀乳剤は、メルカプト類
(1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール)、ベンゾトリアゾール類
(5−ブロムベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾト
リアゾール)、ベンツイミダゾール類(6−ニトロベン
ツイミダゾール)などを用いて安定化又はカブリ抑制を
行うことができる。なお本発明に用いられるハロゲン化
銀乳剤には、増感色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性
剤、硬膜剤、現像促進剤などを加えることもできる。
本発明に係る一般式〔I〕の化合物を親水性コロイド
層に添加する場合、該親水性コロイド層のバインダーと
してはゼラチンが好適であるが、ゼラチン以外の親水性
コロイドも用いることができる。
本発明の実施に際し、高コントラスト画像を得る感光
材料に用い得る支持体としては、例えばバライタ紙、ポ
リエチレン被覆紙、ポリプロピレン合成紙、ガラス板、
セルロースアセテート、セルロースナイトレート、例え
ばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィ
ルムを挙げることができる。これらの支持体は、それぞ
れハロゲン化銀写真感光材料の使用目的に応じて適宜選
択される。
高コントラスト画像を得るハロゲン化銀写真感光材料
を現像処理するには、例えば以下の現像主薬が用いられ
る。
HO−(CH=CH)−OH型現像主薬の代表的なものとし
ては、ハイドロキノンがあり、その他にカテコール、ピ
ロガロールなどがある。
又、HO−(CH=CH)−NH2型現像剤としては、オル
ト及びパラのアミノフェノール又はアミノピラゾロンが
代表的なもので、N−メチル−p−アミノフェノール、
N−β−ビドロキシエチル−p−アミノフェノール、p
−ヒドロキシフェニルアミノ酢酸、2−アミノナフトー
ル等がある。ヘテロ環型現像剤としては、1−フェニル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4
−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンの
ような3−ピラゾリドン類等を挙げることができる。
その他、T.H.ジェームス著ザ・セオリィ・オブ・ザ・
フォトグラフィック・プロセス第4版(The Theory of
the Photographic Process,Fourth Edition)291〜334
頁及びジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・
ソサエティ(Journal of the American Chemical Socie
ty)73巻,3100(1951)に記載されている如き現像剤が
本発明に有効に使用し得るものである。これらの現像剤
は単独で使用しても2種以上組み合わせてもよいが、2
種以上を組み合わせて用いる方が好ましい。単独の場合
にはハイドロキノン、組合せの場合にはハイドロキノン
と1−フェニル−3−ピラゾリドン、或いはハイドロキ
ノンとN−メチル−p−アミノフェノールの組合せが好
ましい。
又、現像に使用する現像液には保恒剤として、例えば
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩を用い
ても、本発明の効果が損なわれることはない。又、保恒
剤としてヒドロキシルアミン、ヒドラジド化合物を用い
てもよい。その他一般白黒現像液で用いられるような苛
性アルカリ、炭酸アルカリ又はアミンなどによるpHの調
整とバッファー機能を持たせること、及び臭化カリウム
など無機現像抑制剤及びベンゾトリアゾールなどの有機
現像抑制剤、エチレンジアミン四酢酸等の金属イオン捕
捉剤、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、
ポリアルキレンオキシド等の現像促進剤、アルキルアリ
ールスルホン酸ナトリウム、天然サポニン、糖類又は前
記化合物のアルキルエステル物等の界面活性剤、グルタ
ルアルデヒド、ホルマリン、グリオキザール等の硬膜
剤、硫酸ナトリウム等のイオン強度調整剤等の添加を行
うことは任意である。
本発明において使用される現像液には、有機溶媒とし
てアルカノールアミン類やグリコール類を含有させても
よい。
次に本発明の感光材料を直接ポジ型のハロゲン化銀写
真感光材料として利用する場合の好ましい形態について
説明ずる。
この場合、一般式〔I〕で表される化合物は、カブリ
剤として機能させることができる。以下一般式〔I〕で
表される化合物をカブリ剤として用いる場合、これを
「本発明のカブリ剤」と称する。
本発明のカブリ剤は、それらの少なくとも1種を、画
像露光後、現像処理の際に、直接ポジ型の画像を与える
乳剤である内部潜像型ハロゲン化銀乳剤をカブラせるよ
うに存在せしめればよい。即ち、内部潜像型ハロゲン化
銀乳剤を有する写真感光材料を露光後、本発明のカブリ
剤の存在下に現像処理できるような形で感光材料中に含
有させればよい。
好ましい実施態様としては、本発明のカブリ剤の少な
くとも1種をハロゲン化銀乳剤層又はそれに隣接する層
(例えばハロゲン化銀感光層、中間層、フィルター層、
保護層、ハレーション防止層など)中に含有せしめるも
のである。
本発明のカブリ剤の使用量は、用いられるハロゲン化
銀乳剤の特性、カブリ剤の種類、現像条件によって広い
範囲に変化し得るが、内部潜橡型ハロゲン化銀乳剤を有
する写真材料を画像露光後、表面現像液で現像処理して
ボジ画像が得られるだけのカブラし作用を与える量であ
ればよい。現像処理後充分な最大濃度(例えば2.0以
上)を与える量であることが望ましい。
本発明のカブリ剤をハロゲン化銀乳剤に含有せしめる
には、熟成終了後の適当な時期に、ハロゲン化銀1モル
に対し核カブリ剤を10-5〜10-1モル程度、含有せしめる
ようにするのが好ましい。
本発明の実施に際し、現像処理において使用すること
のできるハロゲン化銀現像剤には、ハイドロキノン類、
カテコール類、アミノフェノール類、3−ピラゾリドン
類、アスコルビン酸とその誘導体、レダクトン類、フェ
ニレンジアミン類等あるいはその混合物が含まれる。こ
れらの現像剤は予め乳剤中に含ませておき、高pH水溶液
浸漬中にハロゲン化銀に作用させるようにすることもで
きる。
本発明の実施に際し、直接ポジ型のハロゲン化銀写真
感光材料の現像処理に使用される現像組成物は、更に特
定のカブリ防止剤及び現像抑制剤を含有することができ
る。あるいはそれらの組成物をハロゲン化銀写真感光材
料の層膜中に任意に組み入れることも可能である。通
常、有用なカブリ防止剤には、例えば、ベンゾトリアゾ
ール類、5−メチルベンゾチアゾールのようなベンゾチ
アゾール類;1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
類、5−メチルベンゾトリアゾール類、1−メチル−2
−テトラゾリン−5−チオン等のような復素環式チオン
類;芳香族及び脂肪族のメルカプト化合物等が含まれ
る。
本発明を直接ポジ型のハロゲン化銀写真感光材料に適
用した場合のハロゲン化銀乳剤は、内部潜像型ハロゲン
化銀乳剤、即ちハロゲン化銀粒子の内部に主として潜像
を形成し、感光核の大部分を粒子の内部に有するハロゲ
ン化銀粒子を有する乳剤である。この乳剤を形成するた
めのハロゲン化銀には、任意のハロゲン化銀、例えば臭
化銀、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等が包
含される。
特に好ましくは、この場合に用いる乳剤は、透明な支
持体に該乳剤を塗布した試料の一部を約1秒までのある
定められた時間に亘って光強度スケールに露光し、実質
的にハロゲン化銀溶剤を含有しない、粒子の表面像のみ
を現像する下記の表面現像液Aを用いて20℃で4分間現
像した場合に、同一の乳剤試料の別の一部を同じく露光
し粒子の内部の像を現像する下記の内部現像液Bで20℃
で4分間現像した場合に得られる最大濃度の1/5より大
きくない最大濃度を示すものである。好ましくは、表面
現像液Aを用いて得られた最大濃度は内部現像液で得ら
れる最大濃度の1/10より大きくないものである。
表面現像液A メトール 2.5g L−アスコルビン酸 10g メタ硼酸ナトリウム(4水塩) 20g 臭化カリウム 1g 水を加えて 1 内部現像液B メトール 2.0g 亜硫酸ソーダ(無水) 90.0g ハイドロキノン 8.0g 炭酸ナトリウム1水塩 52.5g 臭化カリウム 5.0g 沃化カリウム 0.5g 水を加えて 1 又、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、種々の方法で
調製されるものが含まれる。例えば、米国特許2,592,25
0号に記戟されれているコンバージョン型ハロゲン化銀
乳剤、又は、米国特許3,206,316号、同3,317,322号、同
3,367,778号、特公昭43−29405号に記載されている内部
化学増感されたハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀
乳剤、又は、米国特許3,271,157号、同3,447,927号、同
3,531,291号に記載されている多価金属イオンを内蔵し
ているハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、又
は、特開昭50−8524号に記載されている積層構造を有す
る粒子からなるハロゲン化銀乳剤、又は、特願昭51−74
062号に記載されているアンモニア法により調製された
沃化銀を含有するハロゲン化銀乳剤などである。
更に、用いられる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤には、
アザインデン環を持つ化合物及びメルカプト基を有する
含窒素ヘテロ環化合物等をハロゲン化銀1モルに対し好
ましくは1mg〜10g含有させることにより、より低い最小
濃度を持ったより安定な結果を与えることができる。
アザインデン環を持った化合物としては、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンが好ま
しい。メルカプト基を有する含窒素ヘテロ環化合物とし
てはピラゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,2,3−ト
リアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,3−チア
ジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チア
ジアゾール環、1,2,3,4−テトラゾール環、ピリダジン
環、1,2,3−トリアジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,
5−トリアジン環、これらの環が2〜3個縮合した環、
例えばトリアゾロトリアゾール環、ジアザインデン環、
トリアザインデン環、テトラザインデン環、ペンタザイ
ンデン環等、又、フタラジノン環、インダゾール環など
があるが、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
が好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、特にポジ型の
感光材料に適用したものは、黒白写真感光材料でも、
又、単色カラー写真でも多色カラー写真感光材料でもよ
い。フルカラー感光材料とする場合、青感光層、緑感光
層及び赤感光層を有するように構成することが好まし
い。この場合、通常イエローカプラーを含有する青感光
性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラーを含有する緑
感光性ハロゲン化銀乳剤層及びシアンカプラーを含有す
る赤感光性ハロゲン化銀乳剤層から、写真感光材料が形
成される。
一つの好ましい態様にあっては、支持体から遠い側か
ら順に青感光層、緑感光層、赤感光層の層構成とし、青
感光層と緑感光層との間に非感光性層(イエローフィル
ター層)を設ける。
上記イエローカプラーとしては、公知のアシルアセト
アニリド系カプラーを好ましく用いることができ、これ
らの内ベンゾイルアセトアニリド系及びピバロイルアセ
トアニリド系化合物が好適である。
上記マゼンタカプラーとしては、5−ピラゾロン系カ
プラー、ピラゾロアゾール系カぷラー、アシルアセトニ
トリル系カプラーを使用することができる。
上記シアンカプラーとしては、ナフトール系カプラー
及びフェノール系カプラーも好ましく用いることができ
る。
又、支持体上に上記の如き感光性ハロゲン化銀乳剤層
やイエローフィルター層となる非感光性層を有すること
ができる他、中間層、保護層、下引層、裏引層、ハレー
ション防止層等の種々の写真構成層を多数設けることが
可能である。これらの塗布方法としては、ディップ塗布
法、エアドクター塗布法、エクストルージョン塗布法、
スライドホッパー塗布法、カーテンフロー塗布法なとを
適用することができる。
直接ポジハロゲン化銀写真感光材料とする場合、その
支持体としては、例えば必要に応じて下引加工したポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、セルローズアセテートフィルム、ガラス、バライタ
紙、ポリエチレンラミネート紙等が挙げられる。
上記支持体は不透明であっても、透明であってもよ
く、目的とする感光材料によって選択できる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤には、目的に応じて湿潤
剤、膜物性改良剤、塗布助剤等各種の写真用添加剤を加
えることもできる。更にその他の写真用添加剤として、
ゼラチン可塑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、pH調整
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増粘剤、粒状性向上剤、
染料、モルダント、増白剤、現像速度調節剤、マット剤
等を使用することもできる。
又、色素画像の短波長の活性光線による褪色を防止す
るため紫外線吸収剤、例えばチアゾリドン、ベンゾトリ
アゾール、アクリロニトリル、ベソゾフェノン系化合物
を用いることは有用である。
ハロゲン化銀乳剤層には、保護コロイドあるいは結合
剤(バインダー)として、ゼラチンやその他に目的に応
じて適当なゼラチン誘導体を用いることができ、又、目
的に応じて他の親水性結合剤(バインダー)を含ませる
ことができる。上記写真感光材料として乳剤層あるいは
中間層、保護層、フィルター層、裏引層等の写真構成層
に目的に応じて添加することができ、更に上記親水性バ
インダーには目的に応じて適当な可塑剤、湿潤剤等を含
有せしめることができる。
又、各構成層は任意の適当な硬膜剤で硬化されること
ができる。
更に、感光材料にはAS剤(アンチステイン剤)を用い
ることができる。
〔実施例〕 以下に本発明の実施例について説明する。なお、当然
のことながら、本発明は以下の実施例にのみ限定される
ものではない。
実施例1 写真感光材料のハロゲン化銀乳剤層に、一般式〔I〕
で表される例示化合物及び比較化合物(その種類は後掲
の表−1に示す)を次の要領で添加して試料を調製し
た。
(ハロゲン化銀写真感光材料の調製) 両面に厚さ0.1μmの下塗層を施した厚さ100μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの一方の下塗層上
に、下記処方(1)のハロゲン化銀乳剤層をゼラチン量
が1.5g/m2、銀量が3.3g/m2になる様に塗設し、更にその
上に下記処方(2)の保護層をゼラチン量が1.0g/m2
なる様に塗設し、又、反対側のもう一方の下塗層上には
下記処方(3)に従ってバッキング層をゼラチン量が3.
5g/m2になる様に塗設し、更にその上に下記処方(4)
の保護層をゼラチン量が1g/m2になる様に塗設して試料N
o.1〜13を得た。
処方(1)〔ハロゲン化銀乳剤層組成〕 ゼラチン 1.5g/m2 塩臭化銀(AgCl60モル%、ArBr40モル%、単分散度=
12) 3.3g/m2 カブリ防止剤:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデン 0.30g/m2 本発明の化合物又は比較化合物:表−1による界面活
性剤:サポニン 0.1g/m2 ラテックスポリマー:ポリエチルアクリレート 1g/m2 増感色素:下記構造式(イ)〜(ニ)の5種を併用し
た。
現像調節剤: ノニルフェノキシポリエチレングリコール 10mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 7mg/m2 アデニン 3mg/m2 グアニン 2mg/m2 ウラシル 2mg/m2 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg/m2 ハイドロキノン 100mg/m2 1−フェニル−3−ピラゾリドン 10mg/m2 処方(2)〔乳剤保護層組成〕 処方(3)〔バッキング層組成〕 処方(4)〔バッキング保護層組成〕 得られた試料について、下記の方法による網点品質試
験を行った。
(網点品質性試験方法) ステップウェッジに網点面積50%の返し網スクリーン
(150線/インチ)を一部付して、これに試料を密着さ
せてキセノン光源で5秒間露光を与えた後、下記現像
液、下記定着液を投入した迅速処理用自動現像機にて下
記の条件で現像処理を行い、試料の網点品質を100倍の
ルーペで観察し、網点品質の高いものを「5」ランクと
し、以下「4」、「3」、「2」、「1」までの5ラン
クとした。なお、ランク「1」及び「2」は実用上好ま
しくないレベルである。
又、網点中のカブリも同様に評価し、網点中に全く黒
ピンの発生していないものを最高ランク「5」とし、網
点中に発生する黒ピンの発生度に応じてランク「4」、
「3」、「2」、「1」とランクを順次下げて評価する
ものとした。なお、ランク「1」及び「2」では黒ピン
も大きく実用上好ましくないレベルである。
(現像液処方) (組成A) 純水(イオン交換水) 150ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 2g ジエチレングリコール 50g 亜硫酸カリウム(55%w/v水溶液) 100ml 炭酸カリウム 50g ハイドロキノン 15g 5−メチルベンゾトリアゾール 200mg 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 30mg 水酸化カリウム:使用液のpHを10.4にする量 臭化カリウム 3g (組成B) 純水(イオン交換水) 3ml ジエチレングリコール 50g ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール 15g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 25mg 酢酸(90%水溶液) 0.3ml 5−ニトロインダゾール 110mg 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸
ナトリウム 30mg 1−フェニル−3−ピラゾリドン 500mg 現像液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。
(定着液処方) (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%w/v水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 酢酸(90%w/w水溶液) 13.6ml (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%w/w水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含量が8.1%w/wの水溶
液) 26.5g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。この定着液のpHは
約4.3であった。
(現像処理条件) (工 程) (温 度) (時 間) 現 像 38℃ 30秒 定 着 28℃ 20秒 水 洗 常 温 20秒 なお、処方(1)におけるハロゲン化銀乳剤層に添加
した比較化合物としては、以下の(a)〜(c)の化合
物を使用した。
(試験桔果) 表−1に、本発明の試料No.1〜10と上記比較化合物を
用いて調製した試料No.11〜13について、そのハロゲン
化銀乳剤層に添加した化合物と、その添加量を示した。
なお、表−1中の一般式〔I〕の化合物は、前記例示化
合物の番号で示した。
表−2は網点品質性試験の結果を上記各試料に対して
ランク付けして示したものである。
表−2からも明らかなように、網点品質に関しては、
本発明に係る試料No.1〜10がいずれもランク「4」以上
であるが、比較試料No.11〜13はいずれもランク「3」
という結果を示している。ランク「1」、「2」が実用
に耐えないレベルであることに徴すれば、試料No.11〜1
3はいずれも網点品質は良好なものとは言い難い。これ
に対し、本発明に係る試料No.1〜10はいずれも極めて網
点品質が高く、良好なものである。
又、カブリの指標とする黒ピンの発生度に関しても、
本発明に係る試料No.1〜10はいずれもランク「5」又は
「4」に評価され、カブリのない極めて良好な結果を示
しているに対し、比較試料No.11〜13はいずれもランク
「2」であって実用に耐え難い結果を示すことがわかっ
た。
尚、試料No.1の化合物1の代わりに28,32,69を用いた
各試料についても、本発明の効果が認められた。
実施例2 実施例1の試料No.3及び試料No.8において、ハロゲン
化銀粒子の単分散度(粒径の揃い。前記した定義によ
る)を4〜40に変えて試料No.14〜23を作成し、実験し
た。
又、粒子の調製時にロジウムを8×10-7モル/Ag1モル
及びイリジウムを3×10-7モル/Ag1モルを常法に従い含
有させた。ここでのハロゲン化銀組成は、塩化銀98モル
%の塩臭化銀粒子組成で、増感色素((イ)〜(ニ))
を添加する代わりに、下記構造の減感色素を添加した。
減感色素(ポーラログラフの陽極電位と陰極電位の和が
正) 更に保護層中には、次のフィルター染料を50mg/m2
え、 かつ、下記紫外線吸収染料を100mg/m2添加した。
その他は前記試料No.3及び試料No.8と同様にし、例え
ば一般式〔I〕で示される化合物として同じ例示化合物
No.5及びNo.36を用いた。単分散度は、粒子の仕込時のp
H電位、Ag イオンとハライドイオンの供給量を変化さ
せることにより、常法のコントロールダブルジェット法
により調整することができる。
又、露光、現像処理も、実施例1とほぼ同様にして行
って写真性能を評価した。但し、本実施例では、作成し
た試料の露光は、超高圧水銀灯を用い、5mJのエネルギ
ーで照射した。
評価結果を、表−3に示す。試料No.14〜23は、網点
品質4.5〜5、黒ピン4.5〜5といずれも良好であり、網
点品質が高く、かつカブリが極めて少ないことがわかっ
た。
実施例3 ハロゲン化銀乳剤を下記乳剤にすること、増感色素と
して先述のオルソ増感色素(ロ)−1のみを用いるこ
と、処方(2)の硬膜剤として(CH2=CHSO2CH22Oを
0.10g/m2用いること、下記処方の現像液で処理すること
及び表−4に記載の本発明の化合物と比較化合物を用い
ること以外はすべて実施例1と同様に行った。
(ハロゲン化銀乳剤の調製) 同時混合法を用いて沃臭化銀乳剤(銀1モル当たり沃
化銀2モル%)を調製した。この混合時にK2IrCl6を銀
1モル当たり6×10-7モル添加した。得られた乳剤は、
平均粒径0.20μmの立方体粒子からなる乳剤であった。
この乳剤を常法に従って水洗、脱塩後、沃化カリウム水
溶液によって40℃におけるpAgを8.80に調整した。更に
再分散時に下記化合物〔A〕、〔B〕、〔C〕の混合物
を添加した。
現像液処方 ハイドロキノン 45.0g N−メチル−p−アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g 水酸化ナトリウム 18.0g 水酸化カリウム 55.0g 5−スルホサリチル酸 45.0g 硼酸 25.0g 亜硫酸カリウム 110.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 臭化カリウム 6.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.6g ブチルジエタノールアミン 15.0g 水を加えて1 (pH=11.6) 又、得られた試料について実施例1と同様の網点品質
性試験を行い、更にコニカデジタル濃度計PDP−65で測
定し、試料No.29の濃度3.0における感度を100として相
対感度で示し、更に濃度0.3と3.0との正接をもってガン
マを表示した。
得られた結果を表−4に示す。
表−4から明らかなように本発明に係る試料は比較に
対して感度が高く、硬調でかつ網点品質と黒ポツ(黒ピ
ン発生の程度)が良いことがわかる。
実施例4 (乳剤Aの調製) 単分散性の臭化銀乳剤を下記の要領で調製した。
オゼインゼラチンを含む水溶液を70℃に制御し、激し
く撹拌しながら、該溶液に、硝酸銀の水溶液と臭化カリ
ウムの水溶液とをコントロールダブルジェット法で同時
に添加して、平均粒径0.4μmの八面体乳剤を得た。こ
の乳剤に銀1モル当たり5mgのチオ硫酸ナトリウム及び6
mgの塩化金酸(4水塩)を加えて75℃で80分間加熱する
ことにより化学熟成を行って、臭化銀コア乳剤を得た。
このようにして得たコア乳剤に更に硝酸銀の水溶液及び
臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比で50:50)と
を含む水溶液を加えて成長させ、平均粒径0.7μmの八
面体単分散コア/シェル塩臭化銀乳剤を得た。水洗、脱
塩後、この乳剤に銀1モル当たり、それぞれ1.3mgのチ
オ硫酸ナトリウム及び塩化金酸(4水塩)を加え60℃で
70分間加熱し、化学増感処理を行い、内部潜像型ハロゲ
ン化銀乳剤を得た。
(試料の作成) ボリエチレンで両面をラミネートした紙支持体の上
に、下記層構成のカラー写真感光材料を作成し、試料N
o.32とする。
試料No.32(特に記載がない限り各化合物の量は塗布付
き量を数字で示す。単位mg/dm2。但し、乳剤は銀換算。
化合物の構造は後掲) 第7層(保護層) ゼラチン 12.3 第6層(紫外線吸収層) ゼラチン 5.4 紫外線吸収剤(UV−1) 1.0 紫外線吸収剤(UV−2) 2.8 溶媒(SO−3) 1.2 第5層(青色感光層) 乳剤A(増感色素BD−1を含む) 5.0 ゼラチン 13.5 イエローカプラー(YC−1) 8.4 画像安定剤(AO−3) 3.0 溶媒(SO−1) 5.2 化合物(a) 5×10-3モル/モルAg 第4層(イエローフィルター層) ゼラチン 4.2 イエローコロイド銀 1.0 紫外線吸収剤(UV−1) 0.5 紫外線吸収剤(UV−2) 1.4 混色防止剤(AS−1) 0.4 溶媒(SO−3) 0.8 第3層(緑色感光層) 乳剤A(増感色素GD−1を含む) 2.7 ゼラチン 13.0 マゼンタカプラー(MC−1) 2.4 画像安定剤(AO−1) 2.0 溶媒(SO−4) 3.15 化合物(a)5×10-3モル/モルAg 第2層(混色防止層) ゼラチン 7.5 混色防止剤(AS−1) 0.55 溶媒(SO−2) 0.72 第1層(赤色感光層) 乳剤A(増感色素RD−1,RD−2を含む) 4.0 ゼラチン 13.8 シアンカプラー(CC−1) 2.1 シアンカプラー(CC−2) 2.1 画像安定剤(AO−3) 2.2 溶媒(SO−1) 3.3 化合物(a) 5×10-3モル/モルAg なお、塗布助剤としてSA−1,SA−2を用い、また硬膜
剤としてHA−2を用いて塗布を行った。
一方、試料No.32において、各層の化合物(a)を次
の化合物(b)、(c)及び表−5に示す本発明の一般
式〔I〕で表されるカブリ剤に変えた以外は全く同様に
して、試料No.33〜39を作成した。
比較のカブリ剤として用いた上記化合物(a)〜
(c)は、前記実施例1で用いた比較の化合物(a)〜
(c)と同じものである。
得られた各試料について、光学ウエッジを通して感光
計を用いて露光を行い、下記に示す処理工程で処理を行
った。
(処理−1) 処理工程 時 間 温 度 発色現像 2分 33℃ 漂白定着 40秒 33℃ 安 定 20秒を3回 33℃ 乾 燥 30秒 60〜80℃ <発色現像液−1> ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g ベンジルアルコール 12.8g ジエチレングリコール 3.4g 亜硫酸ナトリウム 2.0g 臭化ナトリウム 0.5g 硫酸ヒドロキシルアミン 2.6g 塩化ナトリウム 3.2g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホンアミドエチル)アニリン 4.25g 炭酸カリウム 30.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン
酸誘導体) 1.0g 水を加えて 1 pH 10.5 (pHは水酸化カリウムと硫酸で調整した。) <漂白定着液処方> チオ硫酸アンモニウム(54wt%) 150ml 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム55g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 4g 氷酢酸 8.61g 水を加えて 1 pH 5.4 (pHはアンモニア水又は塩酸で調整した。) <安定液> 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60
%) 1.6ml 塩化ビスマス 0.35g ボリビニルビロリドン 0.25g アンモニア水 2.5ml ニトリロ三酢酸・3ナトリウム 1.0 g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン 50mg 2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン50mg 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン系) 1.0g 水を加えて 1 pH 7.5 (pHは水酸化カリウム又は塩酸で調整した。) (処理−2) 発色現像液のpHを11.0に調整した以外は、処理−1と
同じである。
得られた画像についてセンシトメトリーを行い、マゼ
ンタ画像について最大濃度Dmax、最小濃度Dminを評価
し、表−5にその結果を示す。
表−5から明らかなように、本発明のカブリ剤を含む
試料(試料No.35〜39)は、公知のカブリ剤である比較
化合物を含む試料(試料No.32〜34)に比べ、低pH処理
においても最大濃度が大きく、かつ最小濃度が小さい良
好なポジ画像を与えることがわかった。
実施例5 実施例4において、カブリ剤として表−6に示す化合
物を用いた他は全く同様にして、試料No.40〜47を作成
した。
これらの試料を実施例4と同様に露光し、処理−1で
処理した。得られたマゼンタ画像の最小濃度をDminとす
る。
一方、生試料(露光現像前の試料)を温度50℃、湿度
80%RHの条件下に3日間保存して強制劣化し、前記と同
様に露光し、処理した。この時のマゼンタ画像の最小濃
度を(Dmin)′とする。
表−6にDminと(Dmin)′の値を示す。
表−6から明らかなように、本発明のカブリ剤を含む
試料(試料No.43〜47)は、公知のカブリ剤である比較
化合物を含む試料(試料No.40〜42)に比べ、経時保存
後も最小濃度の上昇が少なく、生試料の経時安定性に優
れていることがわかる。
又、試料No.43の化合物11の代わりに、13、34、68、
を用いた各試料についても本発明の効果が認められた。
〔発明の効果〕 本発明により、硬調で網点品質に優れ、カブリが少な
く、しかも高感度なハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることができた。又、本発明を直接ポジハロゲン化銀写
真感光材料に適用することにより、低いpHの現像液で現
像した時でも充分高い最高濃度が得られ、かつ、比較的
短時間のカブリ現像で最大濃度が大きく、かつ最小濃度
が小さい良好なポジ画像が得られ、経時保存後も最小濃
度の上昇の少ないものを提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/06 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有
    するハロゲン化銀写真感光材料において、下記一般式
    〔I〕で表される化合物を少なくとも1種含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はメル
    カプト基を含まないヘテロ環基を、R2はアルキレン基又
    はアルケニレン基を、R3は水素原子又はアルキル基を、
    Rは水素原子又はブロック基を、Arはアリーレン基又は
    ヘテロ環基を、A1及びA2は一方が水素原子を、他方が水
    素原子、アシル基、スルホニル基又はオキザリル基を表
    す。 但し、Rが水素原子を表すときArがアリーレン基を表
    し、かつR1が水素原子、アルケニル基、アルキニル基、
    アリール基又はメルカプト基を含まないヘテロ環基を表
    す、又はArがヘテロ環基を表す。〕
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