JP2834644B2 - 排水ポンプ - Google Patents

排水ポンプ

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JP2834644B2
JP2834644B2 JP5205947A JP20594793A JP2834644B2 JP 2834644 B2 JP2834644 B2 JP 2834644B2 JP 5205947 A JP5205947 A JP 5205947A JP 20594793 A JP20594793 A JP 20594793A JP 2834644 B2 JP2834644 B2 JP 2834644B2
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亨 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続的もしくはおよ
び間歇的に例えば空調機器から発生するドレンを揚水排
出する自吸式の非容積型回転ポンプに係る。
【0002】
【従来の技術】空調機器などから発生するドレンを揚水
排出する、いわゆるこれらの排水ポンプとしては、例え
ば(イ)実公平3−38476号、(ロ)実公平4−5
754号、(ハ)実開昭62−74187号、(ニ)実
開昭63−42890号、(ホ)実開平5−38385
号各公報等枚挙に暇がないほどの先行技術がある。
【0003】これらの先行技術においては、何れも廉価
であるにもかかわらず、耐久力のある隈取誘導電動機を
その駆動源としたものが図示されている。前記電動機
は、起動トルクが甚だ小さく、ポンプ本体の蓋と駆動軸
ボス部とが滑合される様に図示された前記(イ)の公報
に図示されている構成である軸封状態にあると、組立時
の微小な偏心、外力による衝撃、ポンプの作動時の振動
及び前記軸封部分の経時的な材質の歪みとか塵埃の固着
とかによって電動機の起動不能や滑合の際の滑り摩擦抵
抗による回転数低下の障害を招来するおそれがあるの
で、前記(ロ)〜(ホ)の公報に開示された何れの技術
においても、前記蓋と駆動軸ボス部との間に間隙を設け
てあり、またこの間隙がポンプ本体内部を経てその吸入
口側とその上外部との間を大気と連通する空気流通路と
なっている。また、前記従来技術の(ロ)実公平4−5
754号公報の明細書第4頁第7欄第14行〜第18行
に「もしくはランナ10にすくい角を有する捻じれを設
けてもよい。例えば、吸入口2の方から見てランナ10
の回転方向が時計方向であれば、左捻じれとすれば排出
能力は増大する。」という記載があり、さらに前記従来
技術(ニ)の実開昭63−42890号公報の登録請求
の範囲2にその第3図に示すように、「前記ランナの下
平行部にはすくい角を有する螺旋を設けること」を提案
している。前記従来技術(ロ)、(ニ)は何れも本願出
願人の提案した事項であり、前記従来技術の(ホ)実開
平5−38385号公報および従来技術の(ヘ)実開昭
63−54884号公報に記載の羽根車の下方に湾曲羽
根もしくはインデューサー、すなわちランナの下方に螺
旋羽根を設けることよりも、先行した技術であって、も
ともと公知である。そして(ヘ)のものは弁付き自吸液
還流管18、18a、弁付き排出管24、25等を備え
るなど構成が複雑で高価である。そして揚水作用中のポ
ンプの騒音や振動発生の抑制については全く記載がな
い。したがって、本発明において、ランナ部の下方に螺
旋羽根を設ける際に円筒部に旋回羽根を備えるものは、
逆三角形の羽根を有しない限り螺旋羽根でなければ、揚
水できないことが自明であるから、このことのみをもっ
て本発明の特徴とするものではなく、上位概念の事項で
ある。さらに従来技術としては、(ト)特開昭61−1
04191号公報(チ)実開昭63−36685号公報
にそれぞれ開示されたものがある。上記(ト)の従来技
術は、軸線に垂直な円盤部から下方に軸に続いて放射状
に突設したほぼ三角形の複数の翼と、前記円盤部の下面
に前記翼の回転方向前方にほぼ並行して突設したリブ
と、前記翼より下方に軸を含んで設けられた平板状羽根
とを有するランナとを備えたポンプである。前記円盤部
には上下に貫通する通路を設けてあるが、この通路15
の一部は前記円盤部の外縁まで通ずる切欠き16を形成
している。したがって、前記(ト)の発明の効果に記載
されているような水供給量の増減による衝撃的な排水騒
音や振動を発生しないという点は程度問題であり、実際
には前記切欠き16の揚水時の打撃作用によって相応の
騒音と振動の発生は免れない欠点のあることは、この
(ト)の特許出願人の製作にかかるその発明実施品を市
場から本願出願人が求めて実験した結果を後述するが、
騒音、振動共に、本願発明の実施品に比較して甚だ大き
く、この問題は解決されてない。そしてランナ回転のバ
ランスも悪い。 そこで、前記(ト)の特許出願人は、さ
らに(リ)特開昭61−252892号公報に開示の技
術をその後に提案している。すなわち、ランナ10の円
盤部12に一つの通路15と切欠き部16を備えること
は、それによって揚水時の水打撃音と振動による騒音が
大きくなるばかりではなく、その上にランナの回転バラ
ンスも損なわれるので、回転バランスを確保するためと
して、バランサ18を設ける必要を説明している。した
がって、(ト)の技術では前記問題点は解決されていな
い。そしてこのバランサー18を備えてもなお振動や騒
音防止には不十分なのである。また、前記(チ)の従来
技術のものは、ランナ2の円盤部2bの上下両側を連通
するスリット2dが軸近傍から外周縁まで軸対称に設け
られており、さらに軸近傍の透孔部2eがスリット2d
に形成されている。したがって、この従来技術のもの
も、前記の(ト)の従来技術のものと同様に、揚水時の
騒音が気にならないとは称しているが、実際には二つの
スリット2dの存在によって揚水時の水を打撃する騒音
と振動の発生は甚だ大なるものがある。 そして市場にお
いて、柱状の防振ゴム数個をその据えつけに使用してい
ることを現認しているが、それでもこれらの防止は不十
分である。前記騒音と振動の測定結果も後記するように
甚だ大である。 以上前記(ト)(チ)の何れの従来技術
もバランサを備えたり、防振ゴムの取り付けを必要とす
るなどコストアップになるのみならず、しかもその騒音
や振動の発生は比較的大であり、特に(チ)のものが甚
だしく、(ト)の従来技術のものは吐出揚程と流量が少
量で家庭用の空調機器のドレン排水までの用途にしか適
せず、パーケージ形空調機器のドレン排水には容量不足
で不適であった。(チ)の明細書第6頁第18行に円盤
部の直径31mmのランナを備えたとの記載があり、前
記市場で求めた実施品のランナは円盤部の直径の実測値
は36.5mmである。因みに、(ト)の同じく市場で
求めた実施品の円盤部の直径は30mmであり、後記す
る本願発明の場合、ランナデスクの天板部の直径は35
mmである。 上述の市場で求めた従来技術の(チ)と
(ト)の実施品を、それぞれ以下AおよびBと呼称し、
本願発明の実施品をCとして、それぞれのポンプ作動時
に発生する騒音と振動などの測定比較値を後記実施例の
欄においてこれを開示説明する。さらに、前記(ハ)の
実開昭62−74187号公報に記載の従来技術のもの
は、前記(チ)の従来技術のものと同様な構成の流体ポ
ンプであって、モータの駆動軸と連結する回転羽根のボ
ス部と前記カバーとの間に大気を流入させる隙間を有す
るものにおいて、前記羽根を駆動する駆動用モータの軸
受部と前記カバーとの間に空気流入孔およびオーバーフ
ロー孔を有する遮音ケースを設置したことを特徴とする
流体ポンプである。前記回転羽根は平板状(パドル)で
あるから揚水作用時に水を打つ騒音と振動は免れないの
で、前記した遮音ケースを設置するなどの対策が必要で
あり、構造が複雑になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら該間隙が
あるために、其処から溢流する液体の飛散を防止した
り、この間隙からの塵埃浸入防止や或いはこの間隙を通
して伝達されるポンプ運転中の騒音を遮断しようとし
て、前記(ロ)ならびに(ニ)各公報に記載された防
塵、防滴カバー、或いは前記(ハ)公報に開示の遮音ケ
ースをそれぞれ備えなければならなかった。
【0005】また、前記(ニ)および(ホ)各公報に開
示された従来技術において、ランナもしくは回転羽根の
吸入口に臨んだ円筒部に収まる部分を螺旋羽根とし上部
を複数の翼状のランナ又は回転羽根としたもので、前記
(ニ)の公報に示されるものは、防塵カバーを備えてい
るが、(ホ)の公報のものは、前記駆動軸ボス部と蓋と
の間隙からの溢水の飛散ならびに防塵の配慮および、特
に前記騒音に対する遮断については最小限に抑制すると
要約に記載されているが、実際には翼状の回転羽根が水
を叩くので、振動ならびにそれに伴う騒音発生は避けら
れない。
【0006】以上説明した通り、従来公知の前記技術に
は、溢水の飛散、塵埃の侵入、騒音の発生等およびこれ
らの防止ならびに遮断手段を必要とする不経済性等の種
々の問題点があった。
【0007】更に前記(ロ)の公報に開示の従来技術で
は、ランナの上平行部は本体から排出口へ連通する開口
部の上縁よりも上にあって其処にポンプ作用中に存在す
る旋回水層がポンプ本体上部の空気層を遮断して、ポン
プの内部に発生する騒音や振動を防止するとしている
が、最も遠心作用の大きい前記上平行部からの揚排水性
能を敢えて抑制したものとして、ポンプの能力および効
率を低めているので、損失が大きく不経済的という謗り
は免れない。
【0008】また、更に上述の従来技術の何れにおいて
も、ポンプ運転中にランナ又はインペラーの羽根が水中
の渦を撃つ衝撃音および同時に発生する振動が該ポンプ
を組み込んだ空調機器などに伝導して共鳴して耳ざわり
な振動音となる。
【0009】本発明は、以上詳述した従来技術の問題点
を解決すべくなされたもので、特にポンプの振動および
騒音公害を排除し且つその耐久性を高めると同時に、小
形にして揚排水能力を高めて、より経済性を増大させた
排水ポンプを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明による排水ポンプは、下端の吸入口から上
方に平行に立ち上げた円筒部に連なり、この円筒部より
も大径でかつほぼカップ状に形成され、その外周要部に
吐出口を有する本体ケーシングを備え、この本体ケーシ
ング内に、モータの駆動軸と同軸心の延線上で接続され
たランナ駆動軸ボス部と、ほぼ円盤状のランナデスク部
と、その下方の螺旋羽根とをもって一体的に形成された
ランナを、前記吸入口に前記螺旋羽根の先端を臨ませて
回転自在に収めた、ねじポンプと遠心ポンプとを結合さ
せたものであって、前記ランナデスク部は、外周溝部と
して形成された複数のランナ外周羽根と、この外周羽根
と前記螺旋羽根の基部とをそれぞれ連通させるランナ流
通路とを有し、これらの外周羽根と流通路の上部全体を
覆うように円盤状の天板部を形成するとともに、前記本
体ケーシングの上部に取り付けられる蓋に設けた、前記
ランナ駆動軸ボスとの間隙を有する軸挿入穴に臨み開口
する空気流通路を設け、この空気流通路は前記軸挿入穴
内側およびこれから外れるランナ外周側寄りにわずか
に外れる位置までの間におけるランナ駆動軸ボス部近傍
に開口しておりかつ前記ランナ流通路の基部近傍との間
を連通させたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の上記構成により、モータを起動する
と、ランナは回転し、本体下部の吸入口から液体例えば
ドレンは、該吸入口に臨んでいる螺旋羽根によって掬い
汲上げられるねじポンプ作用で、本体の前記円筒部内を
上昇して螺旋羽根のランナデスクと結合する基部に到
り、そこからランナ流通路を経て、ランナ外周羽根又は
ブレードに到り、このランナデスクを収めたカップ状の
本体ケーシングの外周要部に備えた吐出口から遠心力で
揚水排出されるのである。しかしながら、揚液が空調機
器から出るドレンの様なものの場合には、ドレンパンに
溜るドレンは少量であるために揚水は間歇的となり、空
気の混合したものとなっている。
【0012】また、連続ポンプ作用して揚水する場合で
あっても、ポンプの始動した初期の吸引の時点において
は、揚液中に空気が混入しており、この空気の圧縮と膨
脹の繰り返しのために揚液は吐出口から排出されず、す
なわちポンプの自吸収作用が出来ない。
【0013】そこで、この空気排除のために、前記ラン
ナデスク部の前記螺旋羽根の基部近傍の前記ランナ流通
路からランナデスク天板部のランナ駆動軸ボス部近傍側
との間を連通する空気流通路を設けて、ポンプの吸入口
側内部と前記ランナ駆動軸ボスとの間に間隙を有する蓋
に設けた軸挿入穴とにより外部との大気の平衡をはか
、該空気流通路から、前記円筒部ならびにランナ流通
路の一部の本体ケーシング内の揚液中の溶存空気を前記
軸挿入穴を経てポンプ外に排出し、したがって該混入
気によって妨げられたポンプ作用の障害なくなり、順
調なポンプ作用を営むことができる。
【0014】ポンプの運転中に、ランナが回転する遠心
力によって吐出口から揚水し、かつ吐出する液体は吐出
圧力を有しているのにかかわらず、ランナ外周羽根の上
方はランナデスク天板部で覆われているので、その上部
からランナ駆動軸ボス部と蓋の軸挿入穴との間隙を経て
ポンプの上から溢水することは、通常市場で要求されて
いるドレン排水ポンプにおける性能すなわち揚程500
m/mで、吐出量0.6l/minの2倍以上の揚程の
場合においても皆無であることを確認した。
【0015】しかして、ポンプ作用中は、前記ランナデ
スク天板部の外周および、前記空気流通路からランナの
上部にわずかに浸出した液体が、前記ランナデスク天板
部と蓋の下面裏側との間隙すなわち旋回水層溜で回転す
る水膜を作っている。これは、本体ケーシングを透明な
合成樹脂で製作して実験を行い、透視観察すると容易に
確認できるものである。このことによって、ポンプの本
体ケーシング内でランナが回転してポンプ作用を営む際
の騒音は前記水膜によって外部に対して遮音されてい
る。したがって、この水膜を破断させるような前記
(ト)(チ)の従来技術におけるランナの円盤部にスリ
ットを設けることは避けるべきである。
【0016】このポンプの場合には、ランナデスク部は
複数個(図示せる実施例にあっては6個)の溝部として
のランナ外周羽根とランナ流通路を有しているが、ブレ
ードの場合に比べて元来比較的質量が大であって、これ
がはずみ車の作用をすると共にブレードの場合の様なこ
れへの水の衝撃による振動も少なくなることと相まっ
て、特に前記衝撃による振動を減殺する一方、同時に発
生する騒音も甚だ少なく抑えている。
【0017】また、前記ランナの空気流通路のランナデ
スク天板部上側の開口は、前記蓋の軸挿入穴に臨み、少
なくともその内部から外れるようにランナデスク外周寄
りに設けると、前記ポンプ作用中の騒音遮断効果と防塵
効果が高まるわけであるが、ランナの遠心力によって充
満する前記旋回する水膜層の圧力は外周寄りにゆくほど
強大となり、該空気流通路の開口部を水膜により閉塞し
て空気の流通を妨げるので、前記軸挿入穴に臨み、しか
もその内部側からわずかにランナの外周側寄りに外れる
程度の位置以内の間におけるランナ駆動軸ボス部近傍に
開口することが望ましい。
【0018】ポンプが停止したときは、揚水している液
体は吐出口からポンプ本体ケーシング内に逆流し、ラン
ナ駆動軸ボス部と蓋の軸挿入穴との間隙からポンプ上部
に溢流する。このとき、該溢流液体は、モータの駆動軸
に備えた円板状の水切板と前記蓋の軸挿入穴との間隙か
ら蓋の上部に備えた環状堤の溢水放流口から流出し、例
えばドレンタンクへ流下して戻される。
【0019】このとき、前記水切板に付着した液体が乾
燥する以前にポンプが再起動したときには、該水切板の
回転により遠心力で前記液体は飛散するが、前記環状堤
でこれを受けて前記溢水放流口から流出させてドレンタ
ンクへ戻すので、この飛散する液体によって周辺機器へ
の錆発生や、電気絶縁不良を招くおそれもない。
【0020】また、前記水切板が前記軸挿入穴を覆って
いるので、該軸挿入穴からのポンプ作動に有害な塵埃の
落下浸入を阻止する。
【0021】
【実施例】本発明を、以下図示する実施例によって説明
する。図1は、本発明の一実施例の一部縦断面を示す説
明図、図2は図1のランナの底面図である。
【0022】モータ22の駆動軸23にランナ駆動軸ボ
ス部14をもって同軸に接続されたランナ7は、該駆動
軸ボス部14と、ほぼ円盤状のランナデスク部8および
その下側の基部11′から下方に延びた螺旋羽根11と
から成り、遠心ポンプとねじポンプとの一体的なランナ
を構成している。
【0023】このランナ7を回転自在に収める本体ケー
シング1は、下端の吸入口3から上方に平行に立上げた
円筒部2に連なり、比較的大径でほぼカップ状に形成さ
れかつその外周要部に吐出口5を有する吐出接手部4を
備えている。
【0024】前記ランナ7は、その螺旋羽根11の先端
を前記吸入口3に臨ませ、該螺旋羽根11およびランナ
デスク8と共に前記本体ケーシング1内に回転自在に収
められている。
【0025】本体ケーシング1の上に蓋16を蓋取付ね
じ18をもって螺締結しており、前記モータ22は蓋1
6にさらに螺締着固定されている。蓋16には軸挿入穴
17が設けられていて、そこに挿入されているランナ駆
動軸ボス部14との間に間隙17′を有していて、この
間隙17′は空気口及びポンプ停止時の吐出側配管から
逆流する液体の溢水路を兼ねている。
【0026】また、前記駆動軸23には、円板状の水切
板21を備えて前記軸挿入穴上部との隙間を有してこれ
を覆っており、更にこの水切板21とモータ22の下端
部を囲んだ環状堤20が蓋16の上面に設けられてい
て、この環状堤20の下方側面部に溢水放流口19が設
けられている。
【0027】前記ランナ7の下側の螺旋羽根11は図示
するものは三口ねじの螺旋であり、この螺旋羽根11と
これを囲む前記円筒部2とによって、一種のねじポンプ
を構成する。
【0028】該螺旋羽根11のランナデスク部8との結
合する基部11′からこのランナデク部8の下端面に複
数個の例えば逆さ溝状に穿ったランナ流通路10を設け
てランナデスク部8の、溝部として形成された外周羽根
9とをそれぞれ連通させている。
【0029】この実施例の場合には、前記外周羽根9お
よびランナ流通路10は6ケ処であるが、この数は要求
される流量と揚程によって増減することは差支ない。ま
た、前記螺旋羽根11の螺旋もその数を二口ねじにして
もよく、ねじれの角度すなわちリードの長さも所定の範
囲で加減することができる。
【0030】但し、前述のランナ外周羽根9を一般の回
転ポンプにおける、例えばボリュートポンプと類似のブ
レード15a〜bにしたとき(図3の(a)参照)に、
その数が少ないと吸入作用時に吸込んだ空気が液体に捲
込まれた渦を打つ振動と騒音発生があり、その数を増し
ても(図3の(b)参照)振動とこれに伴う騒音は相当
低下するが、前記外周羽根9の場合よりも比較的やや
である。しかしながら、図3に開示のものは前記従来技
術のものに比較して、何れも切欠きのない天板部を有す
るので、騒音、振動共にはるかに小である。
【0031】そして、ランナデスク部8には、その下側
の螺旋羽根11の基部11′の近傍から上方のランナデ
スク天板部13のランナ駆動軸ボス部14の近傍側に開
口して前記ランナ流通路10と連通する複数個の空気流
通路12が設けられている。
【0032】また、ランナ外周羽根9は、その上部がラ
ンナデスク天板部13によって覆われている。これはラ
ンナ7の回転中にその遠心力によって、上部がほぼカッ
プ状の本体ケーシング1の吐出口から揚水吐出する液体
の圧力により、蓋の軸挿入穴17とランナ駆動軸ボス部
との間隙17′から液体の噴出しようとすることを前記
ランナ外周羽根9の上部を覆うランナデスク天板部13
の存在によって防ぐものであり、同時に、この天板部1
3および前記空気流通路12からわずかにランナデスク
の天板部13の上面に浸出した液体は、前記天板部13
と蓋16の下面裏側との間隙における旋回水層溜6で回
転する水膜を作っていて、このことによってポンプ内部
のポンプ作用による騒音が遮音されることは前述の作用
の欄の説明で述べた通りである。
【0033】図3の(a),(b),(c)に開示した
ものは、本発明の他の実施例であり、同じく(d)はそ
の変形の応用例である。前述した様に、図3の(a)に
示したものは図1の場合のランナ外周羽根9を半径線に
対し角度をもって傾斜したブレード15aとして形成し
たものであり、図3の(b)はブレード15bを前記1
5aの数よりも増加したものであり、図3の(c)はラ
ンナデスク8をその縦軸心上の断面を逆梯形もしくは截
頭逆円錐形として形成し、その外周にランナ外周羽根を
複数のねじれブレード15cとして設けたものであり、
図3の(d)はランナ外周羽根を、翼形のパドル又は羽
根状のブレード15dとして設けたものである。この場
合、ランナデスクの円盤の質量が大きいほどその回転時
にハズミ車として円滑に回転できるので、天板部13の
厚さを大にしてその質量を増大した方がよい。そして何
れも、ランナデスク天板部13は切欠きやスリットを設
けず、ランナ駆動軸ボス部14の近傍に特許請求の範囲
に記載のようにその位置が規制されている複数のこ小孔
のみをもってなる空気流通路を設けている。
【0034】図3の(a)〜(d)において、同一符号
の部分は何れも図1、図2の場合と同様である。これら
の実施例の揚液吐出作用については、前述した図1,2
に示す排水ポンプと同様である。
【0035】このランナ外周溝部9もしくは図3の
(a),(b),(c),(d)に示すブレード15
a,15b,15dの上部を覆う各ランナデスク天板部
13の作用効果は何れも、図1,図2において述べた通
り、これと同様である。
【0036】しかし、揚程が比較的少ない場合には、前
記ランナ外周溝部9もしくは、前記ブレード15a、1
5bおよび図3の(c)および(d)のそれぞれブレー
ド15c,15dの場合に、それぞれこれらの上部を覆
うランナデスク天板部を欠いてもよい。但しその場合に
は、前述した間隙17′からの溢流する液体の分だけ吐
出量が減少すると共に、回転中の水切板21によって飛
散する水滴のために周辺の濡れることは免れない。そし
てこの溢流した液体が放流されてドレンタンクに流下す
るときの水音が耳ざわりな騒音としてさらに加わる。
の場合は、前記した天板部を備えないので、本発明の技
術範囲には属さないものである。
【0037】そして、反対にポンプ運転中に前記間隙1
7′からの溢流液体が殆んど無い場合には、前記した環
状堤20は省いてもよい。なお、上記の実施例のいずれ
もがランナデスク天板部13の上面が平坦な面であるも
のを示しているが、これらの上面に皿形にくぼみを付け
たものであっても差し支えない。先に述べた実開昭63
−36685号(本出願明細書記載の従来技術例
(チ))および特開昭61−104191号(本出願明
細書記載の従来技術例(ト))のそれぞれ出願人により
製造され市販された実施品をそれぞれA、Bとし、本発
明の実施品で市場に提供されている排水ポンプをCと称
して以下実測した騒音、振動等を比較し、これを説明す
る。 何れも、隈取誘導電動機を駆動源としており、電源
は商用交流電圧200V、周波数は50および60H
z,A,B,Cの各ランナの円盤部の直径は前述した
うに、それぞれ36.5mm,30mm,35mmであ
る。以上何れも上記A,B,Cの順に数値を述べる。
取誘導電動機の積層コアの外側の寸法は、それぞれ61
mm,48mm,48mm、厚さはAは25mm,B,
Cは共に20mm、ポンプの吐出量をゼロとしたときの
最大揚程はそれぞれ Aは50Hz;1050mm,60Hz;1450mm Bは50Hz;500mm,60Hz; 600mm Cは50Hz;920mm,60Hz;1100mm したがって、Bは揚程500mmでは吐出流量がゼロで
あるため、大形のパッケージ形空調機のドレン排水は不
可能で家庭用の小形空調機器の揚程300mmのドレン
排水用となる。 A,Cは、大形のパッケージ形空調機の
揚程500mmのドレン排水用に適している。それぞれ
の揚程で吐出流量は、A,B,Cそれぞれ次の通りであ
った。 A50Hzで1200ml/min,60Hzで148
0ml/min, B50Hzで400ml/min,60Hzで440m
l/min, C50Hzで800ml/min,60Hzで920m
l/min, この吐出流量時の電動機の消費電力は、 A,B,Cそれぞれ50Hzと60Hzにおいて、 15.9〜14.3W,8.7〜7.6W,9.5〜
8.8W, ランナの回転数実測値は50Hz、60Hzにおいて、
A,B,Cそれぞれ2800〜3320rpm,277
0〜3280rpm,2480〜2700rpmであっ
た。 これによってみると、B,Cの電動機はほぼ同じ容
量であるにかかわらず、揚程、吐出量においてCの方が
ほぼ倍以上であり、大形の電動機を備えているAに対し
てもCのものは、吐出の効率がはるかに良好で経済的で
あることが分かる。 次に、重要な課題である騒音と振動
の測定値について説明する。 騒音測定は無響室におい
て、ポンプの直上1mで周波数分析により行った。この
場合防振ゴムなどを用いず、検査台に厚さ1mmの合成
ゴムシートを介して載置した。 その結果は、50Hz,
60Hzでそれぞれ A 42〜43, 43〜45 B 37〜39, 42〜43 C 30〜32.5,30〜33.5 dB/(A) であった。 さらに、振動は騒音測定の場合と同様な状態
で振動の上下振幅を測定して次のとおりであった。 A 50Hz;35μ, 60Hz;35 μ B 50Hz; 5μ, 60Hz; 5.5μ C 50Hz; 3μ, 60Hz; 3 μ 以上のように、本発明の実施品Cは前記A,Bすなわち
(ト)(チ)の従来技術の実施品に比較して、その吐出
効率が良好で、特にポンプ作用中の騒音ならびに振動の
発生が顕著に低く、ほとんど聴覚で感じられない程静か
で、これらの公害を防止可能として所期の目的を達した
ものである。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明にかかる排水
ポンプには、つぎに述べる様な効果がある。 (a)ねじポンプに遠心ポンプを結合した構成であるの
で、呼び水を必要としない自汲揚液吐出型であって、ほ
ぼ円盤状のランナデスク部は、その外周羽根と螺旋羽根
の基部とを連通するランナ流通路は、前記螺旋羽根によ
る揚液を充分に通過させるに足る断面積を有すればよい
ので、一般の渦巻ポンプの様に軸心側の吸入側空間を大
きく占める必要がなく、従ってランナデスク部の質量が
比較的大であって、これが回転時に勢車(フライホイー
ル、ハズミグルマ)の役をすると共に、前記軸心側か
ら、その外周羽根の間にある液体が回転時にこれへ衝撃
を与えて振動とそれに伴う騒音を発生する度合が一層少
なく、ポンプ取付機器との共鳴音の発生もない。
【0039】更に前記外周羽根はランナデスク天板に覆
われ且つ一体的であるので、特に外周羽根をブレードと
して形成した場合の強度が増加して前記振動、騒音を減
殺する効果がある。 (b)ランナデスク部の外周羽根の上部を覆う天板部
が、ランナの回転する遠心力によって生ずる吐出圧力の
ために、ランナデスク上部から駆動軸ボス部と蓋に設け
た軸挿入穴との間隙を経て外部に液体が溢流することを
防ぐ一方、わずかに浸出した液体は、該ランナデスク天
板部と、天板部の上方の蓋の下側との間で形成された旋
回水相溜の中で回転する水膜が作られる。この水膜がポ
ンプの本体ケーシング内で発生するポンプ作動音を外部
に対して遮音する効果がある。 (c)ランナデスク部の螺旋羽根の基部近傍のランナ流
通路とランナデスク天板部上部のランナデスク駆動軸ボ
ス部近傍との間を連通させた空気流通路を備えたことに
よって、間歇的に吸入揚液吐出する場合および連続ポン
プ作用させるときでも、その初期始動させる場合に、螺
旋羽根の回転によって汲上げた液体中に混入する空気等
のガスを該空気流通路からポンプ外部に放出させて、そ
のガス閉塞によるポンプ作用の阻害を防止し、自汲作用
を容易にする効果がある。 (d)モータ駆動軸に備えた水切板は、軸挿入穴とその
上部に隙間を有してこれを覆っているので、この軸挿入
穴からポンプケーシング内部への塵埃の落下侵入を阻止
すると共に、特にポンプ停止時に揚液吐出管から逆流落
下してきた液体がポンプ上部へ溢流して付着しているの
で、その液体をポンプ始動時に飛散させると共に、この
飛沫は蓋上面に備えた環状堤により遮ぎられて、前記溢
流液体同様に環状堤の外側下方に備えられた溢れ放流口
からポンプの下方の例えばドレンタンクに流下戻される
から周辺機器に該溢流液体もしくはその飛沫が付着する
ことを防止して、防錆、電気絶縁保護に役立っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水ポンプの実施例の一部断面を示し
た縦断説明図である。
【図2】本発明の図1に示す実施例におけるランナの底
面図である。
【図3】本発明の排水ポンプにおけるランナの他の実施
例の俯瞰斜視図である。
【符号の説明】
1 本体ケーシング 2 円筒部 3 吸入口 5 吐出口 7 ランナ 8 ランナデスク部 9 外周溝部として形成されたランナ外周羽根 10 ランナ流通路 11 螺旋羽根 11′基部 12 空気流通路 13 ランナデスク天板部 14 ランナ駆動軸ボス部 15a〜d ブレードとして形成されたランナ外周羽根 16 蓋 20 環状堤 21 水切板 22 モータ 23 駆動軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端の吸入口から上方に平行に立ち上げ
    た円筒部に連なり、この円筒部よりも大径でかつほぼカ
    ップ状に形成され、その外周要部に吐出口を有する本体
    ケーシングを備え、この本体ケーシング内に、モータの
    駆動軸と同軸心の延線上で接続されたランナ駆動軸ボス
    部と、ほぼ円盤状のランナデスク部と、その下方の螺旋
    羽根とをもって一体的に形成されたランナを、前記吸入
    口に前記螺旋羽根の先端を臨ませて回転自在に収めた、
    ねじポンプと遠心ポンプとを結合させたものであって、 前記ランナデスク部は、外周溝部として形成された複数
    のランナ外周羽根と、この外周羽根と前記螺旋羽根の基
    部とをそれぞれ連通させるランナ流通路とを有し、これ
    らの外周羽根と流通路の上部全体を覆うように円盤状の
    天板部を形成するとともに、前記本体ケーシングの上部
    に取り付けられる蓋に設けた、前記ランナ駆動軸ボスと
    間隙を有する軸挿入穴に臨み開口する空気流通路を設
    、この空気流通路は前記軸挿入穴の内側およびこれか
    らランナ外周側寄りにわずかに外れる位置までの間にお
    けるランナ駆動軸ボス部近傍に開口しておりかつ前記ラ
    ンナ流通路の基部近傍との間を連通させたことを特徴と
    する排水ポンプ。
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