JP2834541B2 - コーヒーエキスの製造方法 - Google Patents

コーヒーエキスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はコーヒーエキスの製造方法に関する。詳しく
は、本発明は、ばい煎コーヒー豆の水抽出液(以下、
「コーヒー豆水抽出液」と記載する)から呈味上好まし
くない酸成分を選択的に低減させることによって、風味
が良く、かつ加熱又は貯蔵による濁り及び/又は沈澱を
生じないコーヒーエキス(以下、「コーヒー豆水抽出液
をアクリル系の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂
と接触させて得られるコーヒー豆水抽出液の処理液を
「コーヒーエキス」と記載する)を製造する方法に関す
る。
技術の背景及び従来技術の説明 コーヒーの風味及び芳香は、使用するコーヒー豆の種
類によって異なり、またばい煎時の加熱条件に応じたコ
ーヒー豆の種々の成分の熱変性によって変化する。従っ
て、コーヒーの味,風味の調節は、コーヒー豆の種類の
選択又はブレンド(組み合わせ,配合)及び,それらと
ばい煎条件の組み合わせによって行われ、喫飲者の好み
に適合した特徴ある味,風味を創出することが一般に行
われている。
しかしながら、インスタントコーヒー及びコーヒー飲
料などの工業的生産規模で製造される抽出液は、しばし
ば濁り及び/又はおりの発生が見られる。濁り,おりの
発生は、高温で瞬間殺菌,レトルト殺菌を行った場合に
発生し易く、この現象は、含まれている酸成分が関与し
ていることが知られている。これらの現象は、前記の条
件を種々調節しても回避できない。
ばい煎したコーヒー豆を家庭で抽出して喫飲するコー
ヒー愛好家にとっては、コーヒーは透明であると言うイ
メージがあり、濁り,沈澱の発生は不快な感じを与え
る。
一般に、コーヒーの味を構成する一成分である酸味
は、クロロゲン酸を主体としており、それに不揮発性の
酸(リンゴ酸,クエン酸等)、揮発性の酸(ギ酸,酢酸
等)、及びその他の酸によって生じ、それらの割合はほ
ぼ73:18:7:2である。クロロゲン酸,リンゴ酸,クエン
酸は、まろやかで、豊かなコクを持った独特の芳醇な酸
味を呈するが、ギ酸,酢酸は刺激的な酸味を与えること
が知られている。
コーヒーエキス中の酸性成分を除去する方法が特開昭
55−141160号公報及び特開昭59−135840号公報に開示さ
れている。特開昭55−141160号公報の発明は、「水性コ
ーヒー抽出物を電気透析し、非陰極抽出物を分割系のキ
トサンと接触させて酸性物質,主としてクロロゲン酸を
除去し、これと陰極抽出物とを組み合わせる」方法であ
る。この方法は、工程が複雑であるばかりでなく、得ら
れたコーヒーエキスもpHが7.40〜9.20と異常に高く、
味,風味が良好であるとは言いがたい。キトサンによる
酸性成分の除去については、米国特許4278696号(1981
年)、英国特許2029688A号(1980年)にも開示されてい
る。特開昭59−135840号公報の発明は、「揮発性カルボ
ン酸型イオン交換樹脂で未ばい煎コーヒー豆抽出液を処
理」する方法である。この方法によって除去されるのは
クロロゲン酸であり、コーヒーの味,風味の上で好まし
くない揮発性カルボン酸(ギ酸,酢酸)は除去されない
ばかりでなく、イオン交換の結果として、逆に増加して
しまう。従って、この発明によって得られるコーヒー
は、クロロゲン酸を含まず、ギ酸,酢酸濃度が通常のコ
ーヒーよりも多く、かかるコーヒーは味,風味において
優れているとは到底考えられない。
未ばい煎コーヒー豆抽出液は、ばい煎コーヒー豆抽出
液に比べてクロロゲン酸含有量が多いが、従来はクロロ
ゲン酸が、胃粘膜に好ましくない影響を与えると考えら
れていたために、従来はそれを除去することが必要であ
ると考えられていた。しかしながら、最近の研究によれ
ば、ばい煎コーヒー豆中に存在する物質の割合によっ
て、胃酸の分泌が増減すること、クロロゲン酸含量の増
加は胃酸の分泌が増加した際の生理的影響(胸焼け等)
をむしろ改善することが明らかとなってきた。このよう
な見地から、クロロゲン酸含量を低下させることはむし
ろ避けることが望ましい。
コーヒーエキスの濁り防止、沈澱物生成の防止に関し
ては、特開昭61−74543号公報、特開昭61−196257号公
報、特開昭62−51971号公報に開示されている。特開昭6
1−74543号公報の発明は、「熱水抽出によって得られた
コーヒー液に炭酸水素ナトリウムを含有させる」方法で
ある。この方法は、コーヒー本来の成分以外の成分が導
入される点で好ましくないことは言うまでもないが、更
に炭酸水素ナトリウムそのものの味、及びその添加によ
って生成する有機酸ナトリウムの味がコーヒーの味、風
味を損ねるおそれも大きい。特開昭61−196257号公報の
発明は「液コーヒーにサイクロデキストリン、水溶性カ
ゼインを含有させる」方法である。この方法も又コーヒ
ーの成分以外の成分を添加する点において好ましくない
ばかりでなく、更にサイクロデキストリン、水溶性カゼ
インの味がコーヒーの味,風味を損ねるおそれも大き
い。特開昭62−51971号公報の発明は、「ポリフェノー
ル類を含有する飲料溶液に蛋白質を分散溶解し、ポリフ
ェノール類と蛋白質とを結合させた後、蛋白質を除去す
る」方法である。この方法では、ポリフェノール類の一
種であるクロロゲン酸が除去される一方、味,風味が好
ましくないギ酸,酢酸が除去されない。
本発明者等は、存在がむしろ好ましいクロロゲン酸を
低減させることなく、味,風味の上から好ましくないギ
酸,酢酸,プロピオン酸等を低減する方法及び高温加熱
あるいは長期保存しても濁り及び/又は沈澱を生成し難
いコーヒーエキスの製造方法について鋭意研究した結
果、アクリル系の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹
脂による処理が、ギ酸,酢酸,プロピオン酸等の低減に
最適であること、更にアクリル系の中塩基性又は弱塩基
性アニオン交換樹脂で処理した後のコーヒーエキスは高
温加熱あるいは長期保存しても、濁り及び/又は沈澱物
を生成し難いことを発見し、その知見に基づいて本発明
を完成した。
尚、一旦生成した濁り及び沈澱物を、濾過等によって
除去した場合には、コーヒーエキスの味,風味が低下す
ることから、濁りや沈澱の原因となる物質は、溶解時に
はコーヒーの味,風味に大きくかかわりあっていること
が本発明者らによって確認された。
発明の目的及び発明の要約 本発明の目的は、味,風味が良好で、しかも高温加熱
及び長期保存中に濁り,沈澱を生じないコーヒーエキ
ス,特にコーヒーエキス濃縮液を得るための処理方法を
提供することにある。
本発明の他の目的は、コーヒーエキスの味,風味にと
って重要なカフェイン,トリゴネリン,クロロゲン酸に
影響を及ぼすことなく、コーヒーエキスの味,風味にと
って好ましくない低級脂肪酸(具体的にはギ酸,酢酸,
プロピオン酸)の濃度を減少せしめた、味,風味が良好
で、しかも製造工程中に高温度で処理されても、また長
期保存されても、濁り及び/又は沈澱を生じないコーヒ
ーエキスを提供することにある。
本発明によれば、ばい煎コーヒー豆の水抽出液を、ク
ロロゲン酸の含量を低減させることなく、ギ酸、酢酸、
プロピオン酸等の低級脂肪酸の含量を低減させる条件
で、アクリル系の中塩基性又は逆塩基性アニオン交換樹
脂と接触させることによってコーヒーエキスを製造す
る。
本発明によれば、上記方法によって得られたコーヒー
エキスに更にオリゴ糖を添加溶解し、あるいは上記イオ
ン交換樹脂による処理に先立ってオリゴ糖を添加するこ
とができる。
発明の具体的な説明 本発明によって処理されるコーヒー豆水抽出液は、ば
い煎したコーヒー豆を水で抽出したものである。抽出方
法は、ドリップ式、サイフォン式、ジェット式、多段式
など、公知のいかなる方式であっても良い。また複数種
類のコーヒー豆を混合しても良いことは言うまでもな
い。抽出の温度は特に限定されない。処理されるコーヒ
ー豆水抽出液の濃度は、最終製品の形態等によって適宜
選択され、本発明の方法を実施するに際して濃度の制限
はない。濃縮方法としては、加熱濃縮,凍結濃縮,膜濃
縮など、公知の濃縮方法が適用できる。Brix.20〜30の
濃縮液にも、本発明方法を適用できる。
本発明において使用するアクリル系の中塩基性または
弱塩基性アニオン交換樹脂は、ゲル形多孔性アニオン交
換樹脂(具体的には、アンバーライトIRA−67あるいは
アンバーライトIRA−68、以上ローム・アンド・ハース
社製、ダイヤイオンWA−10あるいはダイヤイオンWA−1
1、以上三菱化成工業社製等)であって、遊離型,即ちO
H型でコーヒー豆水抽出液と接触させる。スチレン系の
弱塩基性アニオン交換樹脂は、本発明者等の実験による
と、クロロゲン酸等のフェノール性の酸までも除去して
しまうので、本発明の目的から適切ではない。
コーヒー豆水抽出液とアクリル系の中塩基性または弱
塩基性アニオン交換樹脂との接触は、バッチ方式及びカ
ラム方式の何れでもよく、処理の規模その他の条件によ
って適宜選択される。接触させる際の温度は、0℃以上
60℃以下、好ましくは20℃以上約40℃以下である。バッ
チ方式の場合、コーヒー豆水抽出液に対するアクリル系
の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂の量は、コー
ヒーエキスの濃度によって変化するが、例えばBrix.20
の場合は1/10(重量)以上が望ましい。
バッチ方式の一例では、撹拌機つき容器にコーヒー豆
水抽出液を入れ、アクリル系の中塩基性又は弱塩基性ア
ニオン交換樹脂粒子が漏れない程度のメッシュ(例えば
100〜200メッシュ)の布にそれらの樹脂を包んで、前記
コーヒー豆水抽出液中に浸漬し、撹拌し、適当時間後に
処理したコーヒーエキスから布に包んだ交換樹脂を除去
する。あるいは、コーヒー豆水抽出液中にアクリル系の
中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂を加え、撹拌分
散させて適当時間処理した後、コーヒーエキスからアニ
オン交換樹脂を濾過除去してもよい。何れの場合にも、
アクリル系の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂処
理によってコーヒーエキスのpHが約5.3〜6.0、望ましく
は約5.5〜5.7になったところで処理を終了する。
カラム方式の一例においては、上記アニオン交換樹脂
を充填したカラムにコーヒー豆水抽出液を通液し、流出
してきた液のpHが約5.2を下回らない点で通液を止め、
流出液の総てを合わせた液のpHが約5.3〜6.0、望ましく
は約5.5〜5.7となるように調整する。pHを約5.3〜6.0望
ましくは約5.5〜5.7とするのは、酢酸等を完全に除去し
てしまうとコーヒーの味がぼけ、また酢酸等の含量が多
いと味,風味を悪くするためである。カラム通液の流速
はSV20以下,好ましくは5〜15程度が良好な結果を与え
る。
かくて得られたコーヒーエキスは、好ましくないギ
酸,酢酸,プロピオン酸含量が低減し、かつ高温加熱あ
るいは長期保存の後にも濁り,沈澱を生じない。
本発明によれば、かくて得られたコーヒーエキスにオ
リゴ糖を添加するか、あるいは上記イオン交換樹脂の処
理に先立ってオリゴ糖を添加することによって、濁り,
沈澱の防止効果が更に改善される。しかしながら、オリ
ゴ糖を先に添加する場合には増粘によって、イオン交換
樹脂処理に要する時間が増大する傾向があるので、前者
の方法が望ましい。
用いられるオリゴ糖は、単糖がグリコシド結合によっ
て脱水縮合し、糖鎖の長さが2〜10の少糖類の混合物で
ある。オリゴ糖の添加量は、コーヒーエキスの濃度によ
って変化するが、Brix.20〜30のコーヒーエキスの場合
には、Brix・濃度で5〜10上昇させる程度が最適であ
る。オリゴ糖のうち、糖鎖が4以上の少糖を主体とする
オリゴ糖は、甘味が少ないので、上記の添加量範囲にお
いて甘味をもたない製品の製造に適する。
次に、種々のアニオン交換樹脂を使用した比較試験及
び本発明によって処理したコーヒーエキスについての官
能検査、保存試験、加熱試験を例示して、本発明を更に
詳述する。
試験例1.(アニオン交換樹脂の比較) (1)試料の調製 下記のアニオン交換樹脂を用いた以外は、実施例1の
条件でばい煎コーヒー豆の水抽出液を処理して下記の試
料を調製した。
試料1:ばい煎コーヒー豆の水抽出液(対照) 試料2:アンバーライトIRA−68(アクリル系中塩基性
アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)処理
コーヒーエキス 試料3:ダイヤイオンWA−10(アクリル系弱塩基性アニ
オン交換樹脂、三菱化成工業社製)処理コーヒーエキス 試料4:アンバーライトIRA−93ZA(スチレン系弱塩基
性アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)処
理コーヒーエキス 試料5:アンバーライトIRA−411S(アクリル系強塩基
性アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)処
理コーヒーエキス 試料6:アンバーライトIRA−410(スチレン系強塩基性
アニオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製)処理
コーヒーエキス (2)試験方法 次の方法により、各試料中の有機酸含有量を分析し
た。
クロロゲン酸以外の有機酸の分析 分析方法:高速液体クロマトグラフィー カラム:スルホン化ポリマービーズ 移動相:0.1%過塩素酸水溶液 検出及び測定:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩と反応させ、これに2
−ニトロフェニルヒドラジンを反応させてヒドラジッド
とし、強アルカリ性溶液中で加熱して発色、530nmで比
色定量 クロロゲン酸の分析 分析方法:高速液体クロマトグラフィー(逆相分配) カラム:ODS系、ULTRONS−C18(信和化工社製) 移動相:水:アセトニトリル=7:3 検出及び定量:270nmで定量 (3)試験結果 結果は表1の通りであって、アクリル系の中塩基性又
は弱塩基性アニオン交換樹脂で処理した場合には、ギ
酸,酢酸は適度に減少し、クロロゲン酸の減少は見られ
なかった。アクリル系であっても強塩基性アニオン交換
樹脂は全体的に酸成分の減少は認められず、本発明の目
的には適していないことが判る。また、弱塩基性であっ
てもスチレン系アニオン交換樹脂ではギ酸,酢酸ととも
にクロロゲン酸も減少するので、本発明の目的には適合
していない。スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂も、
本発明の目的には適していない。尚、スチレン系アニオ
ン交換樹脂は、何れも処理液にアミン臭がついて、この
点からも使用できない。
試験例2.(官能検査) 実施例1のばい煎コーヒー豆水抽出液(未処理、対
照)及び処理抽出液を、ともに熱水で25倍に希釈した試
料(約70℃)を用い、味の比較を60名のパネラーでシェ
ッフェの一対比較法(日科技連官能検査委員会編「官能
検査ハンドブック」P.356〜P.366、日科技連発行、1976
年)によって官能検査を行った。総合評価の結果を表2
に示す。
表2から、対照と比較して本発明の方法によって処理
されたコーヒーエキスの方が危険率1%で有意に好まれ
たことが明らかである。
次に、評価項目別の評価を行った。実施例1のばい煎
コーヒー豆抽出液(未処理、対照)及び処理抽出液をと
もに熱水で25倍に希釈した試料(約70℃)を用い、味の
比較を60名のパネラーで、下記表3−1に示すように各
評価項目毎に3段階の評価を行い、3段階中の選択肢
に1点、の選択肢に2点、の選択肢に3点を与え
た。パネラー60名の評価点の平均値を表3−2に示す。
表3−2から、本発明の方によってコーヒーエキスを
処理するときは、コーヒー本来の香りや苦味を損なうこ
となく、まろやかさ、酸味、後味が改善されることが判
明した。
試験例3.(保存試験) 実施例1,2,3及び4で得られたコーヒーエキス並びに
実施例1で用いた原料のコーヒー豆水抽出液(ともに希
釈せず)200mlを210ml容のガラス壜に充填し、密封し、
常温で暗所に保存して、濁り,沈澱の発生を試験した。
その結果を表4に示す。尚、実施例2及び4のコーヒー
エキスはオリゴ糖が添加されている。
表4の結果から、本発明の方法で処理した場合、常温
でも長期間にわたって、濁り及び/又は沈澱が生成せ
ず、オリゴ糖の添加は、濁り及び/又は沈澱の生成を防
止する顕著な効果があることが立証された。
試験例4.(加熱試験) 実施例1及び3で得られたコーヒーエキスを高温瞬間
殺菌(140℃、4秒)した試料、並びに加熱しなかった
コーヒーエキス(ともに希釈せず)200mlを210ml容のガ
ラス壜に充填し、常温で暗所に保存し、濁り,沈澱の生
成を観察した。その結果を表5に示す。
表5の結果から、本発明の方法で処理した場合、高温
で加熱しても、長期間にわたって濁り及び/又は沈澱が
生成しないことが確認された。
実施例1. 浅煎りした市販のコロンビア豆300kgを中挽きし、多
段抽出機(ニロアトマイザー社製)で抽出し、Brix.20
の抽出液を5℃で一晩冷却し、上澄液(pH4.87)約100k
gを得た。この上澄液100kgに液量の10%(重量)のアン
バーライトIRA−68(ローム・アンド・ハース社製)を
加え、20℃で15分間緩やかに撹拌し、樹脂を濾過して除
去し、コーヒーエキス約95kgを得た。処理したコーヒー
エキスのpHは5.70であった。
実施例2. 実施例1で得られたコーヒーエキスに30%(重量)の
濃度で糖鎖の長さが4以上の少糖を主体とするオリゴ糖
を添加溶解し、pH5.61のコーヒーエキス約140kgを得
た。オリゴ糖添加によりpHは0.09低下したが、オリゴ糖
添加による甘味は殆ど感じられなかった。
実施例3. 中煎りした市販のブラジル豆120kgを中挽きし、実施
例1と同一の方法で抽出した液を凍結濃縮してBrix.30
の濃縮コーヒー豆抽出エキス(pH4.83)約50kgを得た。
この液50kgを5kgのアンバーライトIRA−68を充填したカ
ラムにSV10で通液した。流出して来る液のpHが5.2にな
ったところで通液を止め、流出液と未流出液との全部を
合わせて濃縮コーヒーエキス(pH5.56)約49kgを得た。
実施例4. 浅煎りした市販のコロンビア豆150kgを中挽きし、実
施例1と同一の方法で抽出し、Brix.20の抽出液を5℃
で一晩冷却し、上澄液(pH4.79)を得た。この液50kgを
5kgのアンバーライトIRA−68を充填したカラムにSV10で
通液した。流出して来る液のpHが5.2になったところで
通液を止め、流出液全部を合わせて濃縮コーヒーエキス
(pH5.58)約49kgを得た。この濃縮コーヒーエキスに対
して30%(重量)の濃度で糖鎖の長さが4以上の少糖を
主体とするオリゴ糖を添加溶解して、pH5.50のコーヒー
エキス約70kgを得た。オリゴ糖添加によりpHは0.08低下
したが、オリゴ糖添加による甘味は殆ど感じられなかっ
た。
実施例5. 実施例1で使用したイオン交換樹脂をダイヤイオンWA
−10(三菱化成工業社製)に変えた以外は、実施例1と
同じ条件で処理し、pH5.50のコーヒーエキス約49kgを得
た。
発明の効果 (1)本発明の処理によって、コーヒー本来の香り、苦
味を損なうことなく、呈味上好ましくない有機酸を低減
したコーヒーエキスを得ることができる。この際、クロ
ロゲン酸は除去されない。
(2)本発明の処理によって、高温加熱及び長期保存に
よるコーヒーエキスの濁り及び/又は沈澱物の生成を防
止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23F 3/00 - 5/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばい煎コーヒー豆の水抽出液を、クロロゲ
    ン酸の含量を低減させることなく、ギ酸、酢酸、プロピ
    オン酸等の低級脂肪酸の含量を低減させる条件で、アク
    リル系の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂と接触
    させることを特徴とするコーヒーエキスの製造方法。
  2. 【請求項2】ばい煎コーヒー豆の水抽出液を、クロロゲ
    ン酸の含量を低減させることなく、ギ酸、酢酸、プロピ
    オン酸等の低級脂肪酸の含量を低減させる条件で、アク
    リル系の中塩基性又は弱塩基性アニオン交換樹脂と接触
    させること、上記イオン交換樹脂接触の後又は前にオリ
    ゴ糖を添加することを特徴とするコーヒーエキスの製造
    方法。
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