JP2833751B2 - 焦電素子用磁器組成物 - Google Patents

焦電素子用磁器組成物

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JP2833751B2 JP62315685A JP31568587A JP2833751B2 JP 2833751 B2 JP2833751 B2 JP 2833751B2 JP 62315685 A JP62315685 A JP 62315685A JP 31568587 A JP31568587 A JP 31568587A JP 2833751 B2 JP2833751 B2 JP 2833751B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は焦電素子用の磁器組成物に関する。 (従来の技術) 焦電型赤外線検出素子は、被検知物体から放射される
赤外線を吸収することによって、その焦電体の温度変化
に起因する自発分極の変化を信号として利用するもので
ある。 焦電体より発生する電荷の処理回路には、大きく分け
て次の2つのタイプがある。 1つは、電界効果トランジスタ(FET)を用いたイン
ピーダンス交換タイプである。もう1つは、発生電流を
直接高入力インピーダンスを持つ演算増幅器に入力して
増幅する電流モード検知タイプである。 前者のインピーダンス変換タイプの場合、出力電圧感
度に対する材料評価指数(Fv)は次の(1)式で表され
る。 Fv=λ/Cp・d・ε ……(1) ここで、λ:焦電係数、Cp:比熱、d:密度 εr:比誘電率 また、ノイズを含めた比検出率(D)に対する材料
評価指数(FD)は次の(2)式で表される。 ここで、tanδ:材料の誘電正接 (1)、(2)式からFv、FDの値が大きい程優れた焦
電体用の材料であると云える。つまり、温度変化に対す
る自発分極の変化が大きい程、云い替えれば、焦電係数
(λ)の値が大きい程、また比誘電率(ε)の値が小
さい程、さらには誘電正接(tanδ)の値が小さい程、
焦電性能が優れていると云える。 インピーダンス変換タイプの赤外線検出器は第1図に
示す等価回路からなる。 第1図において、1は焦電体、2はFET、Rgは抵抗、R
sは抵抗である。このような等価回路において、焦電体
は外部回路の浮遊容量の影響を受けるので、検出器から
発生するノイズを低減する必要から、比誘電率(ε
の値は200以上の大きさを有することが必要である。 一方、後者の電流モード検知タイプの場合、焦電体の
温度変化に対する発生焦電流が大きければ大きいほど高
感度のものである。したがって、検出感度は焦電体の容
量とは無関係で、焦電係数のより大きな材料が高感度の
ものとなる。 この電流モード検知タイプの赤外検出器は第2図に示
す等価回路からなる。 第2図において、10は焦電体、11は高入力インピーダ
ンスを持つ演算増幅器、12は帰還抵抗である。 また、両者のタイプに共通する要件として、焦電性が
消滅する温度、すなわち、キュリー温度が少なくとも15
0℃以上の材料が安価に提供されることが実用の上から
望ましい。 従来、この種の焦電効果を利用した焦電型赤外検出素
子用の材料としては、硝酸グリシン(TGS)、SBN(SrxB
a1-xNb2O8)、チタン酸鉛形磁器、チタン酸ジルコン酸
鉛系磁器などがある。 (従来技術の問題点) 上記した種々の材料のうち、TGS、SBNはキュリー点が
低く、分極が困難で、使用温度範囲が狭いため、実際に
は実用には供しにくい。 また、チタン酸鉛系磁器はその分極温度が200℃前後
と高く、電極材料の選択が難しい。また、薄肉化すると
強度が十分に得られにくく、これまた実用に供すること
が難しい。 これに対して、チタン酸ジルコン酸鉛系磁器あるいは
これに第3成分を含有させた変性チタン酸ジルコン酸鉛
系磁器は分極処理条件、その他焦電特性が実用的である
ため、現在もっとも広く利用されている。 このうち、具体的な組成として、Pb(Sn1/2Sb1/2)O3
−PbTiO3−PbZrO3からなる主成分に、副成分としてMn
O2、CoO、Cr2O3などを添加含有したものがあり、焦電性
能として実用上比較的良好ではあるが、十分な比誘電率
が得られず、誘電正接の値が大きく、あるいはさらに大
きな焦電係数が必要であるなどの点でまだ改善すること
余地が残されている。 (問題を解決しようとする手段) この本発明者は、錫酸アンチモン酸鉛−チタン酸鉛−
ジルコン酸鉛を主成分とする磁器組成物において、鉛の
一部をCa、Sr、Baの少なくとも1種以上で置換するとと
もに、副成分としてMg、Cr、Mnのうち少なくとも1種を
添加含有することにより、誘電率、誘電正接を改善し、
さらにはキュリー温度を150℃以上にすることを見出
し、インピーダンス変換タイプの場合には、出力電圧感
度に対する材料評価指数(Fv)、およびノイズを含めた
比検出率(D)に対する材料評価指数(FD)を改善す
ることができるに至った。また、鉛の一部をアルカリ土
類で置換することにより、焦電係数そのものを増加さ
せ、電流モードの検知方式に有利な材料を見出すことが
できた。 すなわち、この発明にかかる焦電素子用磁器組成物
は、錫酸アンチモン酸鉛−チタン酸鉛−ジルコン酸鉛を
主成分とし、 この主成分を次の一般式で表したとき、 (Pb1−αα)[(SnβSb1−βxTiyZrz]O3 主成分に対して、Mg、Cr、Mnのうち少なくとも1種がそ
れぞれ0.3〜2.5原子%添加含有されていることを特徴と
するものである ただし、式中、AはCa、Ba、Srのうち少なくとも1
種。 0.01≦α≦0.10 0.25≦β≦0.75 0.01≦x≦0.20 0.05≦y≦0.97 0.02≦z≦0.94 上記した組成物において、Pbの一部をA、つまり、C
a、Sr、Baの少なくとも1種以上で置換しているが、そ
の置換量であるαを0.01〜0.10としているのは、0.01未
満では焦電係数の増加効果がみられず、一方、0.10を超
えると反強誘電性(antiferoelectric)となり、焦電体
としての特性を有しなくなるからである。 また、βを0.25〜0.75としたのは、この範囲をはずれ
ると、緻密な焼結体が得られないからである。 また、xの値を0.01〜0.20としたのは、0.01未満にな
ると焼結が困難になり、一方、0.20を越えると、焼結が
困難になるとともに、キュリー点が顕著に低下し実用的
なものにならなくなる。 またyの値を0.05〜0.97としたのは、0.05未満になる
と反強誘電体(antiferroelectric)となり、焦電体と
しての特性が得られなくなる。一方、0.97を越えると、
焼結体が得られにくくなる。 また、zの値を0.02〜0.94としたのは、0.02未満にな
ると焼結が困難になる。一方、0.94を越えると、反強誘
電体(antiferroelectric)となり、焦電体としての特
性が得られなくなる。 上記した主成分に対して、副成分として、Mg、Ca、Mn
のうち少なくとも1種をそれぞれ0.3〜2.5原子%添加含
有されている。 このうち、Mgは粒成長を抑制する効果があり、研磨等
の加工が行いやすくなる。しかしながら、その添加含有
範囲をはずれると、その効果がなくなり、さらにtanδ
の値が大きくなり、材料評価指数(FD)が小さくなる。 またCrは熱エージングを繰返しても分極がれないとい
う効果を有するが、その添加含有範囲をはずれると、添
加効果が顕著に現れなくなる。 また、Mnはtanδを小さくして、材料評価指数(FD
を大きくするが、その添加含有範囲をはずれると、その
添加含有効果がなくなる。 (効果) この発明にかかる焦電素子用磁器組成物によれば、鉛
の一部がCa、Sr、Baの少なくとも1種で置換されるとと
もに、副成分としてMg、Cr、Mnのうち少なくとも1種を
添加含有して共存させることにより、誘電率、誘電正接
を改善し、さらにはキュリー温度を150℃以上にするこ
とができるという効果を有する。 したがって、インピーダンス変換タイプに用いた場
合、出力電圧感度に対する材料評価指数(Fv)、および
ノイズを含めた比検出率(D)に対する材料評価指数
(FD)を改善することができるという効果を奏する。 また、焦電係数の大きさのみが感度を左右する電流モ
ードタイプに用いた場合、アルカリ土類置換により、こ
の発明範囲内の組成のものではいずれも焦電係数を増加
させることができるという効果を奏する。 (実施例) 以下に、この発明を実施例にしたがって詳細に説明す
る。 素原料として、Pb3O4、SnO2、Sb2O3、TiO2、CaCO3、S
rCO3、BaCO3、PbCrO2、MnO2、MgOを用い、第1表に示す
組成の磁器が得られるように秤量し、各原料を約16時間
湿式混合した。混合された原料を乾燥したのち、900℃
で3時間仮焼した。 この各仮焼原料を有機バインダとともに10〜20時間湿
式粉砕し、乾燥させたのち、60メッシュの篩に通して整
粒した。この整粒粉末を用いて750〜1000Kg/cm2の圧力
で、20×30mm、厚み1.2mmの矩形板に成形した。この成
形板を1150〜1250℃の温度で2時間焼成して磁器板を作
成した。 この磁器板を研磨盤にで厚み0.5mmの厚みに研磨し、
両面に焼付型の銀電極を形成した。これを絶縁油の中に
浸漬し、銀電極に3.0〜4.0Kv/mmの直流電圧を印加して
分極処理した。 この分極済の磁器板からダイサーで10×10mmの正方形
板を切り出し、測定用の試料とした。 各試料の測定結果を第2表に示した。 各特性の測定条件は以下の通りである。 比誘電率:25℃、1KHz 誘電正接:25℃、1KHz 焦電係数:−25℃〜+85℃の範囲で1.8℃/minの昇温速
度で試料温度を一定速度で昇温させ、この時に発生する
焦電流をエレクトロメーターで測定し、この電流値を有
効電極面積、昇温速度で除して求めた。表の値は25℃で
の値である。 密度 :25℃、アルキメデス法により求めた。 比熱 :ルビーレーザーのフラッシュ光の短時間照射
により試料の表面に吸収された熱量が内部を貫通し、試
料全体が熱平衡に達するまでの裏面の温度変化を測定
し、その温度変化曲線から算出して求めた。 比較例として、Ca、Ba、SrによるPbサイト置換を行っ
ていない組成について、その焦電特性を第3表に示し
た。 第2表と第3表をから、Ti/Zr/(Sn1/2Sb1/2)の比が
同じ組成の特性を比較する。たとえば、試料番号1と2
1、4、18と24を比較すれば、λ、Fv、FDともこの発明
の組成のものが優れている。また、Ca、Ba、Srのいずれ
で置換しても、少なくとも焦電係数の改善効果が現れて
いる。特に、試料番号15、17と31を比較すると、λ、
Fv、FDとも大幅な改善効果がある。 なお、比較例として、各種の焦電材料とその特性を第
4表に例示した。 第4表において、LiTaO3は高価であり、工業的な利用
の点で難点を有する。また、Pb4.95Ba.05Ge3O11もLiTaO
3ほどではないとしても比較的高価であり、これもまた
工業上の利用の点で難点がある。またPbTiO3は焼結性が
わるく、磁器化が困難なであるという問題点を有する。 以上の実施例から明らかなように、この発明にかかる
焦電素子用磁器組成物によれば、少なくとも焦電係数の
増大をもたらす。したがつて、この点から電流モード検
知タイプの感度を向上させることができる。また、λ、
Fv、FDとも大幅に上昇し、いずれの検知方法の感度も上
昇する。さらにはキュリー温度は150℃以上の値を有す
るものが得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は焦電材料を用いた電流モードタイプの赤外線検
出器の等価回路図である。 第2図は焦電材料を用いたインピーダンス変換タイプの
赤外線検出器の等価回路図である。 1は焦電体、2は高入力インピーダンスを有する演算増
幅器、Rfは帰還抵抗である。 11は焦電体、2はFET、Rgは抵抗、Rsは抵抗である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.錫酸アンチモン酸鉛−チタン酸鉛−ジルコン酸鉛を
    主成分とし、 この主成分を次の一般式で表したとき、 (Pb1−αα)[(SnβSb1−βxTiyZrz]O3 主成分に対して、Mg、Cr、Mnのうち少なくとも1種がそ
    れぞれ0.3〜2.5原子%添加含有されていることを特徴と
    する焦電素子用磁器組成物。 ただし、式中、AはCa、Ba、Srのうち少なくとも1種。 0.01≦α≦0.10 0.25≦β≦0.75 0.01≦x≦0.20 0.05≦y≦0.97 0.02≦z≦0.94
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JPS5131899A (ja) * 1974-09-12 1976-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd
JPS5913803A (ja) * 1982-07-14 1984-01-24 株式会社荏原製作所 ボイラ系における缶水濃縮状態制御装置

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