JP2571658B2 - 焦電性磁器組成物 - Google Patents

焦電性磁器組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電型赤外線センサの
焦電素子として用いられる焦電性磁器組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年では、ある所定の領域に侵入した人
などを検知するシステムの開発や、その設置が盛んにな
っている。これらのシステムには、人が発生する赤外線
を検知することにより、人の有無や移動方向などを知る
ことができる赤外線センサが用いられている。
【0003】従来、赤外線センサとしては、光導電や光
起電力などを利用する量子型のものが知られている。こ
の量子型赤外線センサは検出感度が良く、応答速度がマ
イクロ秒程度と速いが、多くの場合、使用時に液体窒素
温度以下に冷却する必要があり、高価であることなどか
ら汎用性に欠けている。
【0004】このような点を考慮して開発が行われた焦
電型赤外線センサは、量子型赤外線センサと比較して検
出感度や応答速度については劣るが、使用時の冷却を特
に必要とせず、赤外線に対する検出感度に波長依存性が
なく、安価であることなどの点で優れている。
【0005】この焦電型赤外線センサに用いられる焦電
性結晶は、被検知物体より放射される赤外線エネルギー
を吸収すると温度変化を生じ、これに起因して自発分極
が変化する。そのため、この結晶の表面に電極を形成し
ておくことにより、その温度変化は焦電流として取り出
される。この焦電流を測定することにより、赤外線量を
検出することができる。しかし、単に焦電性結晶に電極
を形成した焦電素子では、インピーダンスが高すぎるの
で実用的でない。そのため、焦電素子としては、電界効
果トランジスタにより適当なインピーダンスに変換して
使用するインピーダンス変換タイプが主流である。
【0006】このような焦電型赤外線センサの性能の評
価には、その焦電効果により発生する電圧に対する評価
指数が用いられ、この値が大きいほど焦電性結晶の材料
として優れていると評価される。この評価指数Fv は、
焦電係数をP、比誘電率をεr 、比熱をCp 、密度をρ
として、次に示す式で表される。
【0007】Fv =P/(εr ・Cp ・ρ) 従って、焦電性結晶の材料としては、焦電係数Pが大き
く、比誘電率εr が小さく、また電力損の低減から誘電
正接tanδが小さいことが要求される。しかし、比誘
電率が小さすぎる焦電性結晶を用いる焦電素子では、外
部回路の浮遊容量による影響を受けやすいため、センサ
ノイズが大きくなる。そのため、焦電効果による電圧の
評価指数の増大およびセンサノイズの低減に基づく観点
から、比誘電率は200〜500の範囲にあることが適
当である。
【0008】また、インピーダンス変換タイプの焦電素
子では、焦電性結晶をインピーダンス変換回路にキュア
ー温度の高い導電ペーストを用いて、または半田付けに
て固定する。そのため、焦電性結晶の材料としては、焦
電性が消失する温度であるキュリー温度は180℃以上
であることが望ましい。
【0009】従来、焦電型赤外線センサに用いられる焦
電性結晶の材料としては、TGS(硫酸グリシン)、S
BN(Srx Ba1-x Nb2 6 )、LiTaO3 、L
iNbO3 などがある。しかし、TGSやSBNは製造
上の困難さや、キュリー温度が低いなどの実用上の問題
がある。また、LiTaO3 やLiNbO3 は比誘電率
が50前後と小さいため、焦電効果に基づく電圧の評価
指数に関しては優れているが、センサノイズが大きく、
高価であるなどの問題がある。
【0010】また、従来から圧電材料として盛んに用い
られていたPbTiO3 系磁器やPZT(チタン酸ジリ
コン酸鉛)系磁器を、材料として用いる焦電性結晶の開
発も行われている。PbTiO3 系磁器は安価であり、
比誘電率が200前後と適当である。しかし、分極温度
が150〜200℃の範囲と高いため、結晶構造に起因
して焼結が難しく、かつ、焦電素子として利用するには
薄板に研磨する必要があり、機械的強度が得られ難いと
いう欠点がある。一方、PZT系磁器では製造が容易で
あり、均質な磁器が得られやすいという長所がある。例
えば、特公昭59−13803に記載されている組成を
用いて焼結を行うと、分極温度が低くて焼結性の良い緻
密な磁器が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭59−13803号公報に記載されている従来のP
ZT系磁器では、主成分がPb(Snα Sb1-α )O
3 、PbZrO3 、PbTiO3 で構成されているが、
この主成分の一部であるPb(Snα Sb1-α)O3
の添加量に比例して、キュリー温度が急激に低くなる。
そのため、焦電性赤外線センサの製造方法や、熱等に対
する品質的信頼性に問題が生じることがあった。また最
近は、赤外線センサに高い信頼性が要求されるため、特
に焦電性結晶の急激な温度変化により発生する誘電ノイ
ズや、ポプコンノイズなどを抑制する必要が生じた。以
上のように、上記従来の焦電性磁器組成物では問題が多
かった。
【0012】そこで、本発明は焦電素子としての製造時
に要求される温度より高いキュリー温度を有し、急激な
温度変化により発生する誘電ノイズおよびポプコンノイ
ズを低減することができる焦電性結晶の材料となる焦電
性磁器組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焦電性磁器
組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3 、P
bZrO3 、PbTiO3 で構成され、 Pb{(Nbα Sn1-α x Zry Tiz }O3 、 ただしx+y+z=1 と表したとき、 1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35 を満足する組成を有し、副成分としてMnO2 およびM
gOを主成分に対してそれぞれ0.5〜3.0mol
%、1.0〜15.0mol%の範囲で含有して形成さ
れていることを特徴とする。
【0014】本発明において上記のように主成分の組成
範囲を限定したのは、次の理由による。1/6≦α≦5
/6としたのは、この範囲外では高い焦電特性、Pbの
少ない蒸発、再現性の良い焼結などをもたらすNbとS
nの相互作用が困難になるからである。また、0.01
≦x≦0.15としたのは、0.01未満では高い焦電
効果が得られないからであり、0.15を越えると磁器
化が困難である上に、キュリー温度が急激に低下するか
らである。また、0.65≦y≦0.95としたのは、
0.95を越えると反強誘電性を示して焦電効果が得ら
れなくなるからであり、0.65未満では比誘電率が5
00以上と急激に増加する上に、焦電効果により発生す
る電圧に対する評価指数が著しく悪化するからである。
また、0.05≦z≦0.35としたのは、0.35を
越えると反強誘電性を示して焦電効果が得られなくなる
からであり、0.05未満では比誘電率が500以上と
急激に増加する上に、焦電効果により発生する電圧に対
する評価指数が著しく悪化するからである。
【0015】また、副成分としてMnO2 を添加するの
は、機械的強度が向上するためである。これを0.5〜
3.0mol%の範囲で添加するのは、大きな焦電効果
と良好な分極性を得るためであり、これらの効果はその
範囲外では得られない。また、MgOを添加するのは、
主成分およびMnO2 との相乗効果により室温付近で温
度特性の良い焦電効果を得るためである。これを1.0
〜15.0mol%の範囲で添加するのは、主成分の一
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 と比較して多く
含有することにより、急激な温度変化のために発生する
誘電ノイズやポプコンノイズを低減するからである。
【0016】
【作用】本発明に係る焦電性磁器組成物は、以上の通り
に構成されるので、主成分に含まれるNbとSnの相互
作用により、焦電素子としての製造時に要求される温度
より高いキュリー温度を有することができ、副成分のM
gOにより急激な温度変化のために発生する誘電ノイズ
やポプコンノイズを低減することができるように作用す
る。
【0017】
【実施例】以下、添付図面の図1を参照して、本発明の
一実施例を説明する。図1は、本発明に係る一実施例に
おける主成分の組成を示す組成図である。
【0018】まず、図1を参照して、本発明に係る焦電
性磁器組成物の組成を説明する。本発明に係る焦電性磁
器組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3
PbZrO3 、PbTiO3 で構成され、副成分がMn
2 、MgOで構成される。その主成分はx+y+z=
1として Pb{(Nbα Sn1-α x Zry Tiz }O3 と表したとき、次に示す条件を満足する組成を有するも
のである。その組成範囲は、図1に示す組成図の斜線部
分の通りである。
【0019】1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35。
【0020】また、その副成分はMnO2 およびMgO
を主成分に対して、それぞれ0.5〜3.0mol%、
1.0〜15.0mol%の範囲で含有されるものであ
る。
【0021】次に、図1を参照して、上記実施例の特性
を確認する実験を説明する。ただし、表1ないし表3で
は試料番号は一致している。また、*印の試料は本発明
の特許請求の範囲外の組成を有し、それ以外の試料はす
べて本発明の特許請求の範囲内の組成を有する。
【0022】まず、化学的に純度の高い粉末である出発
原料として、PbO、ZrO2 、TiO2 、Nb
2 5 、SnO2 、MnO2 、MgOを用いて、表1に
示す各試料番号の組成になるように秤量し、各原料をボ
ールミルにより約24時間湿式混合した。各試料におけ
る主成分の組成分布は、図1に示す○印の通りである。
【0023】
【表1】
【0024】混合された原料を十分乾燥した後、緻密質
な蓋付の匣鉢に入れて800〜950℃の温度で約2時
間仮焼成した。仮焼成により反応生成した試料をボール
ミルにより粉砕し、1μm前後の調整粉を作成した。こ
の調整粉に有機バインダーと溶媒を添加してスラリー状
とし、スプレードライヤーなどにより造粒を行って成型
用原料とした。この成型用原料を直径20mm、厚さ
1.5mmの円板上に1t/cm2 の圧力で成型した。
このようにして得られた成型物を密閉度が高くて緻密な
磁器匣鉢に入れて、1000〜1150℃の温度で0.
5〜2.0時間焼成を行った。この焼結体を所定の厚さ
に研磨してその両面に蒸着により銀電極を形成し、80
〜120℃の温度を有するシリコンオイル中で約30K
V/cmの直流電圧を約1時間印加して分極処理を行っ
た。
【0025】次に、これらの各試料の特性を測定し、表
2および表3に示す結果を得た。
【0026】
【表2】
【0027】表2からわかるように、本発明の特許請求
の範囲内の組成を有する試料は、それ以外の試料と比較
して焦電係数および評価指数について優れている。ま
た、キュリー温度に関しても、各試料は焦電素子として
の製造時に要求される温度より高い180℃以上の値を
示している。
【0028】
【表3】
【0029】また、表3からわかるように、主成分の一
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 より多くのMg
Oを副成分として含有する試料は、それ以外の試料と比
較して急激な温度変化に対する誘電ノイズやポプコンノ
イズの発生量が大幅に低減されている。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る焦電性磁器組成物によれば、主成分の一部であるNb
とSnの相互作用により、焦電素子としての製造時に要
求される温度より高いキュリー温度を有することがで
き、副成分のMgOにより急激な温度変化のために発生
する誘電ノイズやポプコンノイズを低減することができ
る。そのため、本発明により焦電型赤外線センサに用い
られる焦電性結晶の材料として、高い工業的利用価値を
もたらす焦電性磁器組成物を提供することができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例における主成分の組成を
示す組成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 徹 静岡県磐田郡竜洋町宮本364−1 浜松 光電株式会社内 (72)発明者 村松 久義 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 澤木 敏仁 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb(Nbα Sn1-α )O3 、PbZ
    rO3 、PbTiO3 で構成され、これを Pb{(Nbα Sn1-α x Zry Tiz }O3 、 ただしx+y+z=1 と表したとき、 1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35 を満足する組成を主成分とし、副成分としてMnO2
    よびMgOを前記主成分に対してそれぞれ0.5〜3.
    0mol%、1.0〜15.0mol%の範囲で含有し
    て形成されていることを特徴とする焦電性磁器組成物。
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