JP2571658B2 - 焦電性磁器組成物 - Google Patents
焦電性磁器組成物Info
- Publication number
- JP2571658B2 JP2571658B2 JP4329478A JP32947892A JP2571658B2 JP 2571658 B2 JP2571658 B2 JP 2571658B2 JP 4329478 A JP4329478 A JP 4329478A JP 32947892 A JP32947892 A JP 32947892A JP 2571658 B2 JP2571658 B2 JP 2571658B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pyroelectric
- temperature
- composition
- main component
- porcelain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000000203 mixture Substances 0.000 title claims description 26
- 229910052573 porcelain Inorganic materials 0.000 title claims description 19
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 14
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 12
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 7
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 7
- 239000000463 material Substances 0.000 description 7
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 4
- 230000010287 polarization Effects 0.000 description 4
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N lead zirconate titanate Chemical compound [O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[Ti+4].[Zr+4].[Pb+2] HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910052451 lead zirconate titanate Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 3
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 3
- 238000005245 sintering Methods 0.000 description 3
- GZXOHHPYODFEGO-UHFFFAOYSA-N triglycine sulfate Chemical compound NCC(O)=O.NCC(O)=O.NCC(O)=O.OS(O)(=O)=O GZXOHHPYODFEGO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000005620 antiferroelectricity Effects 0.000 description 2
- 230000003993 interaction Effects 0.000 description 2
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 2
- 239000002002 slurry Substances 0.000 description 2
- 229910013641 LiNbO 3 Inorganic materials 0.000 description 1
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N Silver Chemical compound [Ag] BQCADISMDOOEFD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910006404 SnO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910010413 TiO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 description 1
- 238000001354 calcination Methods 0.000 description 1
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 1
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 230000005669 field effect Effects 0.000 description 1
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 1
- 229910052738 indium Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 239000012778 molding material Substances 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 1
- 230000005693 optoelectronics Effects 0.000 description 1
- 230000005616 pyroelectricity Effects 0.000 description 1
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 1
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 1
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 1
- 238000005476 soldering Methods 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 230000002269 spontaneous effect Effects 0.000 description 1
- 239000007921 spray Substances 0.000 description 1
- 230000002195 synergetic effect Effects 0.000 description 1
- 229910052718 tin Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000007740 vapor deposition Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電型赤外線センサの
焦電素子として用いられる焦電性磁器組成物に関するも
のである。
焦電素子として用いられる焦電性磁器組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年では、ある所定の領域に侵入した人
などを検知するシステムの開発や、その設置が盛んにな
っている。これらのシステムには、人が発生する赤外線
を検知することにより、人の有無や移動方向などを知る
ことができる赤外線センサが用いられている。
などを検知するシステムの開発や、その設置が盛んにな
っている。これらのシステムには、人が発生する赤外線
を検知することにより、人の有無や移動方向などを知る
ことができる赤外線センサが用いられている。
【0003】従来、赤外線センサとしては、光導電や光
起電力などを利用する量子型のものが知られている。こ
の量子型赤外線センサは検出感度が良く、応答速度がマ
イクロ秒程度と速いが、多くの場合、使用時に液体窒素
温度以下に冷却する必要があり、高価であることなどか
ら汎用性に欠けている。
起電力などを利用する量子型のものが知られている。こ
の量子型赤外線センサは検出感度が良く、応答速度がマ
イクロ秒程度と速いが、多くの場合、使用時に液体窒素
温度以下に冷却する必要があり、高価であることなどか
ら汎用性に欠けている。
【0004】このような点を考慮して開発が行われた焦
電型赤外線センサは、量子型赤外線センサと比較して検
出感度や応答速度については劣るが、使用時の冷却を特
に必要とせず、赤外線に対する検出感度に波長依存性が
なく、安価であることなどの点で優れている。
電型赤外線センサは、量子型赤外線センサと比較して検
出感度や応答速度については劣るが、使用時の冷却を特
に必要とせず、赤外線に対する検出感度に波長依存性が
なく、安価であることなどの点で優れている。
【0005】この焦電型赤外線センサに用いられる焦電
性結晶は、被検知物体より放射される赤外線エネルギー
を吸収すると温度変化を生じ、これに起因して自発分極
が変化する。そのため、この結晶の表面に電極を形成し
ておくことにより、その温度変化は焦電流として取り出
される。この焦電流を測定することにより、赤外線量を
検出することができる。しかし、単に焦電性結晶に電極
を形成した焦電素子では、インピーダンスが高すぎるの
で実用的でない。そのため、焦電素子としては、電界効
果トランジスタにより適当なインピーダンスに変換して
使用するインピーダンス変換タイプが主流である。
性結晶は、被検知物体より放射される赤外線エネルギー
を吸収すると温度変化を生じ、これに起因して自発分極
が変化する。そのため、この結晶の表面に電極を形成し
ておくことにより、その温度変化は焦電流として取り出
される。この焦電流を測定することにより、赤外線量を
検出することができる。しかし、単に焦電性結晶に電極
を形成した焦電素子では、インピーダンスが高すぎるの
で実用的でない。そのため、焦電素子としては、電界効
果トランジスタにより適当なインピーダンスに変換して
使用するインピーダンス変換タイプが主流である。
【0006】このような焦電型赤外線センサの性能の評
価には、その焦電効果により発生する電圧に対する評価
指数が用いられ、この値が大きいほど焦電性結晶の材料
として優れていると評価される。この評価指数Fv は、
焦電係数をP、比誘電率をεr 、比熱をCp 、密度をρ
として、次に示す式で表される。
価には、その焦電効果により発生する電圧に対する評価
指数が用いられ、この値が大きいほど焦電性結晶の材料
として優れていると評価される。この評価指数Fv は、
焦電係数をP、比誘電率をεr 、比熱をCp 、密度をρ
として、次に示す式で表される。
【0007】Fv =P/(εr ・Cp ・ρ) 従って、焦電性結晶の材料としては、焦電係数Pが大き
く、比誘電率εr が小さく、また電力損の低減から誘電
正接tanδが小さいことが要求される。しかし、比誘
電率が小さすぎる焦電性結晶を用いる焦電素子では、外
部回路の浮遊容量による影響を受けやすいため、センサ
ノイズが大きくなる。そのため、焦電効果による電圧の
評価指数の増大およびセンサノイズの低減に基づく観点
から、比誘電率は200〜500の範囲にあることが適
当である。
く、比誘電率εr が小さく、また電力損の低減から誘電
正接tanδが小さいことが要求される。しかし、比誘
電率が小さすぎる焦電性結晶を用いる焦電素子では、外
部回路の浮遊容量による影響を受けやすいため、センサ
ノイズが大きくなる。そのため、焦電効果による電圧の
評価指数の増大およびセンサノイズの低減に基づく観点
から、比誘電率は200〜500の範囲にあることが適
当である。
【0008】また、インピーダンス変換タイプの焦電素
子では、焦電性結晶をインピーダンス変換回路にキュア
ー温度の高い導電ペーストを用いて、または半田付けに
て固定する。そのため、焦電性結晶の材料としては、焦
電性が消失する温度であるキュリー温度は180℃以上
であることが望ましい。
子では、焦電性結晶をインピーダンス変換回路にキュア
ー温度の高い導電ペーストを用いて、または半田付けに
て固定する。そのため、焦電性結晶の材料としては、焦
電性が消失する温度であるキュリー温度は180℃以上
であることが望ましい。
【0009】従来、焦電型赤外線センサに用いられる焦
電性結晶の材料としては、TGS(硫酸グリシン)、S
BN(Srx Ba1-x Nb2 O6 )、LiTaO3 、L
iNbO3 などがある。しかし、TGSやSBNは製造
上の困難さや、キュリー温度が低いなどの実用上の問題
がある。また、LiTaO3 やLiNbO3 は比誘電率
が50前後と小さいため、焦電効果に基づく電圧の評価
指数に関しては優れているが、センサノイズが大きく、
高価であるなどの問題がある。
電性結晶の材料としては、TGS(硫酸グリシン)、S
BN(Srx Ba1-x Nb2 O6 )、LiTaO3 、L
iNbO3 などがある。しかし、TGSやSBNは製造
上の困難さや、キュリー温度が低いなどの実用上の問題
がある。また、LiTaO3 やLiNbO3 は比誘電率
が50前後と小さいため、焦電効果に基づく電圧の評価
指数に関しては優れているが、センサノイズが大きく、
高価であるなどの問題がある。
【0010】また、従来から圧電材料として盛んに用い
られていたPbTiO3 系磁器やPZT(チタン酸ジリ
コン酸鉛)系磁器を、材料として用いる焦電性結晶の開
発も行われている。PbTiO3 系磁器は安価であり、
比誘電率が200前後と適当である。しかし、分極温度
が150〜200℃の範囲と高いため、結晶構造に起因
して焼結が難しく、かつ、焦電素子として利用するには
薄板に研磨する必要があり、機械的強度が得られ難いと
いう欠点がある。一方、PZT系磁器では製造が容易で
あり、均質な磁器が得られやすいという長所がある。例
えば、特公昭59−13803に記載されている組成を
用いて焼結を行うと、分極温度が低くて焼結性の良い緻
密な磁器が得られる。
られていたPbTiO3 系磁器やPZT(チタン酸ジリ
コン酸鉛)系磁器を、材料として用いる焦電性結晶の開
発も行われている。PbTiO3 系磁器は安価であり、
比誘電率が200前後と適当である。しかし、分極温度
が150〜200℃の範囲と高いため、結晶構造に起因
して焼結が難しく、かつ、焦電素子として利用するには
薄板に研磨する必要があり、機械的強度が得られ難いと
いう欠点がある。一方、PZT系磁器では製造が容易で
あり、均質な磁器が得られやすいという長所がある。例
えば、特公昭59−13803に記載されている組成を
用いて焼結を行うと、分極温度が低くて焼結性の良い緻
密な磁器が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭59−13803号公報に記載されている従来のP
ZT系磁器では、主成分がPb(Snα Sb1-α )O
3 、PbZrO3 、PbTiO3 で構成されているが、
この主成分の一部であるPb(Snα Sb1-α)O3
の添加量に比例して、キュリー温度が急激に低くなる。
そのため、焦電性赤外線センサの製造方法や、熱等に対
する品質的信頼性に問題が生じることがあった。また最
近は、赤外線センサに高い信頼性が要求されるため、特
に焦電性結晶の急激な温度変化により発生する誘電ノイ
ズや、ポプコンノイズなどを抑制する必要が生じた。以
上のように、上記従来の焦電性磁器組成物では問題が多
かった。
公昭59−13803号公報に記載されている従来のP
ZT系磁器では、主成分がPb(Snα Sb1-α )O
3 、PbZrO3 、PbTiO3 で構成されているが、
この主成分の一部であるPb(Snα Sb1-α)O3
の添加量に比例して、キュリー温度が急激に低くなる。
そのため、焦電性赤外線センサの製造方法や、熱等に対
する品質的信頼性に問題が生じることがあった。また最
近は、赤外線センサに高い信頼性が要求されるため、特
に焦電性結晶の急激な温度変化により発生する誘電ノイ
ズや、ポプコンノイズなどを抑制する必要が生じた。以
上のように、上記従来の焦電性磁器組成物では問題が多
かった。
【0012】そこで、本発明は焦電素子としての製造時
に要求される温度より高いキュリー温度を有し、急激な
温度変化により発生する誘電ノイズおよびポプコンノイ
ズを低減することができる焦電性結晶の材料となる焦電
性磁器組成物を提供することを目的とする。
に要求される温度より高いキュリー温度を有し、急激な
温度変化により発生する誘電ノイズおよびポプコンノイ
ズを低減することができる焦電性結晶の材料となる焦電
性磁器組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焦電性磁器
組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3 、P
bZrO3 、PbTiO3 で構成され、 Pb{(Nbα Sn1-α )x Zry Tiz }O3 、 ただしx+y+z=1 と表したとき、 1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35 を満足する組成を有し、副成分としてMnO2 およびM
gOを主成分に対してそれぞれ0.5〜3.0mol
%、1.0〜15.0mol%の範囲で含有して形成さ
れていることを特徴とする。
組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3 、P
bZrO3 、PbTiO3 で構成され、 Pb{(Nbα Sn1-α )x Zry Tiz }O3 、 ただしx+y+z=1 と表したとき、 1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35 を満足する組成を有し、副成分としてMnO2 およびM
gOを主成分に対してそれぞれ0.5〜3.0mol
%、1.0〜15.0mol%の範囲で含有して形成さ
れていることを特徴とする。
【0014】本発明において上記のように主成分の組成
範囲を限定したのは、次の理由による。1/6≦α≦5
/6としたのは、この範囲外では高い焦電特性、Pbの
少ない蒸発、再現性の良い焼結などをもたらすNbとS
nの相互作用が困難になるからである。また、0.01
≦x≦0.15としたのは、0.01未満では高い焦電
効果が得られないからであり、0.15を越えると磁器
化が困難である上に、キュリー温度が急激に低下するか
らである。また、0.65≦y≦0.95としたのは、
0.95を越えると反強誘電性を示して焦電効果が得ら
れなくなるからであり、0.65未満では比誘電率が5
00以上と急激に増加する上に、焦電効果により発生す
る電圧に対する評価指数が著しく悪化するからである。
また、0.05≦z≦0.35としたのは、0.35を
越えると反強誘電性を示して焦電効果が得られなくなる
からであり、0.05未満では比誘電率が500以上と
急激に増加する上に、焦電効果により発生する電圧に対
する評価指数が著しく悪化するからである。
範囲を限定したのは、次の理由による。1/6≦α≦5
/6としたのは、この範囲外では高い焦電特性、Pbの
少ない蒸発、再現性の良い焼結などをもたらすNbとS
nの相互作用が困難になるからである。また、0.01
≦x≦0.15としたのは、0.01未満では高い焦電
効果が得られないからであり、0.15を越えると磁器
化が困難である上に、キュリー温度が急激に低下するか
らである。また、0.65≦y≦0.95としたのは、
0.95を越えると反強誘電性を示して焦電効果が得ら
れなくなるからであり、0.65未満では比誘電率が5
00以上と急激に増加する上に、焦電効果により発生す
る電圧に対する評価指数が著しく悪化するからである。
また、0.05≦z≦0.35としたのは、0.35を
越えると反強誘電性を示して焦電効果が得られなくなる
からであり、0.05未満では比誘電率が500以上と
急激に増加する上に、焦電効果により発生する電圧に対
する評価指数が著しく悪化するからである。
【0015】また、副成分としてMnO2 を添加するの
は、機械的強度が向上するためである。これを0.5〜
3.0mol%の範囲で添加するのは、大きな焦電効果
と良好な分極性を得るためであり、これらの効果はその
範囲外では得られない。また、MgOを添加するのは、
主成分およびMnO2 との相乗効果により室温付近で温
度特性の良い焦電効果を得るためである。これを1.0
〜15.0mol%の範囲で添加するのは、主成分の一
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 と比較して多く
含有することにより、急激な温度変化のために発生する
誘電ノイズやポプコンノイズを低減するからである。
は、機械的強度が向上するためである。これを0.5〜
3.0mol%の範囲で添加するのは、大きな焦電効果
と良好な分極性を得るためであり、これらの効果はその
範囲外では得られない。また、MgOを添加するのは、
主成分およびMnO2 との相乗効果により室温付近で温
度特性の良い焦電効果を得るためである。これを1.0
〜15.0mol%の範囲で添加するのは、主成分の一
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 と比較して多く
含有することにより、急激な温度変化のために発生する
誘電ノイズやポプコンノイズを低減するからである。
【0016】
【作用】本発明に係る焦電性磁器組成物は、以上の通り
に構成されるので、主成分に含まれるNbとSnの相互
作用により、焦電素子としての製造時に要求される温度
より高いキュリー温度を有することができ、副成分のM
gOにより急激な温度変化のために発生する誘電ノイズ
やポプコンノイズを低減することができるように作用す
る。
に構成されるので、主成分に含まれるNbとSnの相互
作用により、焦電素子としての製造時に要求される温度
より高いキュリー温度を有することができ、副成分のM
gOにより急激な温度変化のために発生する誘電ノイズ
やポプコンノイズを低減することができるように作用す
る。
【0017】
【実施例】以下、添付図面の図1を参照して、本発明の
一実施例を説明する。図1は、本発明に係る一実施例に
おける主成分の組成を示す組成図である。
一実施例を説明する。図1は、本発明に係る一実施例に
おける主成分の組成を示す組成図である。
【0018】まず、図1を参照して、本発明に係る焦電
性磁器組成物の組成を説明する。本発明に係る焦電性磁
器組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3 、
PbZrO3 、PbTiO3 で構成され、副成分がMn
O2 、MgOで構成される。その主成分はx+y+z=
1として Pb{(Nbα Sn1-α )x Zry Tiz }O3 と表したとき、次に示す条件を満足する組成を有するも
のである。その組成範囲は、図1に示す組成図の斜線部
分の通りである。
性磁器組成物の組成を説明する。本発明に係る焦電性磁
器組成物は、主成分がPb(Nbα Sn1-α )O3 、
PbZrO3 、PbTiO3 で構成され、副成分がMn
O2 、MgOで構成される。その主成分はx+y+z=
1として Pb{(Nbα Sn1-α )x Zry Tiz }O3 と表したとき、次に示す条件を満足する組成を有するも
のである。その組成範囲は、図1に示す組成図の斜線部
分の通りである。
【0019】1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35。
【0020】また、その副成分はMnO2 およびMgO
を主成分に対して、それぞれ0.5〜3.0mol%、
1.0〜15.0mol%の範囲で含有されるものであ
る。
を主成分に対して、それぞれ0.5〜3.0mol%、
1.0〜15.0mol%の範囲で含有されるものであ
る。
【0021】次に、図1を参照して、上記実施例の特性
を確認する実験を説明する。ただし、表1ないし表3で
は試料番号は一致している。また、*印の試料は本発明
の特許請求の範囲外の組成を有し、それ以外の試料はす
べて本発明の特許請求の範囲内の組成を有する。
を確認する実験を説明する。ただし、表1ないし表3で
は試料番号は一致している。また、*印の試料は本発明
の特許請求の範囲外の組成を有し、それ以外の試料はす
べて本発明の特許請求の範囲内の組成を有する。
【0022】まず、化学的に純度の高い粉末である出発
原料として、PbO、ZrO2 、TiO2 、Nb
2 O5 、SnO2 、MnO2 、MgOを用いて、表1に
示す各試料番号の組成になるように秤量し、各原料をボ
ールミルにより約24時間湿式混合した。各試料におけ
る主成分の組成分布は、図1に示す○印の通りである。
原料として、PbO、ZrO2 、TiO2 、Nb
2 O5 、SnO2 、MnO2 、MgOを用いて、表1に
示す各試料番号の組成になるように秤量し、各原料をボ
ールミルにより約24時間湿式混合した。各試料におけ
る主成分の組成分布は、図1に示す○印の通りである。
【0023】
【表1】
【0024】混合された原料を十分乾燥した後、緻密質
な蓋付の匣鉢に入れて800〜950℃の温度で約2時
間仮焼成した。仮焼成により反応生成した試料をボール
ミルにより粉砕し、1μm前後の調整粉を作成した。こ
の調整粉に有機バインダーと溶媒を添加してスラリー状
とし、スプレードライヤーなどにより造粒を行って成型
用原料とした。この成型用原料を直径20mm、厚さ
1.5mmの円板上に1t/cm2 の圧力で成型した。
このようにして得られた成型物を密閉度が高くて緻密な
磁器匣鉢に入れて、1000〜1150℃の温度で0.
5〜2.0時間焼成を行った。この焼結体を所定の厚さ
に研磨してその両面に蒸着により銀電極を形成し、80
〜120℃の温度を有するシリコンオイル中で約30K
V/cmの直流電圧を約1時間印加して分極処理を行っ
た。
な蓋付の匣鉢に入れて800〜950℃の温度で約2時
間仮焼成した。仮焼成により反応生成した試料をボール
ミルにより粉砕し、1μm前後の調整粉を作成した。こ
の調整粉に有機バインダーと溶媒を添加してスラリー状
とし、スプレードライヤーなどにより造粒を行って成型
用原料とした。この成型用原料を直径20mm、厚さ
1.5mmの円板上に1t/cm2 の圧力で成型した。
このようにして得られた成型物を密閉度が高くて緻密な
磁器匣鉢に入れて、1000〜1150℃の温度で0.
5〜2.0時間焼成を行った。この焼結体を所定の厚さ
に研磨してその両面に蒸着により銀電極を形成し、80
〜120℃の温度を有するシリコンオイル中で約30K
V/cmの直流電圧を約1時間印加して分極処理を行っ
た。
【0025】次に、これらの各試料の特性を測定し、表
2および表3に示す結果を得た。
2および表3に示す結果を得た。
【0026】
【表2】
【0027】表2からわかるように、本発明の特許請求
の範囲内の組成を有する試料は、それ以外の試料と比較
して焦電係数および評価指数について優れている。ま
た、キュリー温度に関しても、各試料は焦電素子として
の製造時に要求される温度より高い180℃以上の値を
示している。
の範囲内の組成を有する試料は、それ以外の試料と比較
して焦電係数および評価指数について優れている。ま
た、キュリー温度に関しても、各試料は焦電素子として
の製造時に要求される温度より高い180℃以上の値を
示している。
【0028】
【表3】
【0029】また、表3からわかるように、主成分の一
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 より多くのMg
Oを副成分として含有する試料は、それ以外の試料と比
較して急激な温度変化に対する誘電ノイズやポプコンノ
イズの発生量が大幅に低減されている。
部であるPb(Nbα Sn1-α )O3 より多くのMg
Oを副成分として含有する試料は、それ以外の試料と比
較して急激な温度変化に対する誘電ノイズやポプコンノ
イズの発生量が大幅に低減されている。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る焦電性磁器組成物によれば、主成分の一部であるNb
とSnの相互作用により、焦電素子としての製造時に要
求される温度より高いキュリー温度を有することがで
き、副成分のMgOにより急激な温度変化のために発生
する誘電ノイズやポプコンノイズを低減することができ
る。そのため、本発明により焦電型赤外線センサに用い
られる焦電性結晶の材料として、高い工業的利用価値を
もたらす焦電性磁器組成物を提供することができる効果
がある。
る焦電性磁器組成物によれば、主成分の一部であるNb
とSnの相互作用により、焦電素子としての製造時に要
求される温度より高いキュリー温度を有することがで
き、副成分のMgOにより急激な温度変化のために発生
する誘電ノイズやポプコンノイズを低減することができ
る。そのため、本発明により焦電型赤外線センサに用い
られる焦電性結晶の材料として、高い工業的利用価値を
もたらす焦電性磁器組成物を提供することができる効果
がある。
【図1】本発明に係る一実施例における主成分の組成を
示す組成図である。
示す組成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 徹 静岡県磐田郡竜洋町宮本364−1 浜松 光電株式会社内 (72)発明者 村松 久義 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 澤木 敏仁 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 Pb(Nbα Sn1-α )O3 、PbZ
rO3 、PbTiO3 で構成され、これを Pb{(Nbα Sn1-α )x Zry Tiz }O3 、 ただしx+y+z=1 と表したとき、 1/6≦α≦5/6、 0.01≦x≦0.15、 0.65≦y≦0.95、 0.05≦z≦0.35 を満足する組成を主成分とし、副成分としてMnO2 お
よびMgOを前記主成分に対してそれぞれ0.5〜3.
0mol%、1.0〜15.0mol%の範囲で含有し
て形成されていることを特徴とする焦電性磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4329478A JP2571658B2 (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | 焦電性磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4329478A JP2571658B2 (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | 焦電性磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06176617A JPH06176617A (ja) | 1994-06-24 |
JP2571658B2 true JP2571658B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=18221831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4329478A Expired - Fee Related JP2571658B2 (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | 焦電性磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2571658B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2347416B (en) * | 1999-02-22 | 2001-02-14 | Infrared Integrated Syst Ltd | Ferroelectric ceramics |
-
1992
- 1992-12-09 JP JP4329478A patent/JP2571658B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06176617A (ja) | 1994-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7309450B2 (en) | Piezoelectric porcelain and method for preparation thereof | |
US8791625B2 (en) | Ceramic material, method for producing said ceramic material and component comprising said ceramic material | |
CN101437777B (zh) | 热电性陶瓷组合物、热电元件以及红外线检测器 | |
EP1031545B1 (en) | Ferroelectric ceramics | |
US7510669B2 (en) | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric component | |
JP2000128632A (ja) | 圧電セラミックス | |
JP2571658B2 (ja) | 焦電性磁器組成物 | |
Chen et al. | Promotion of piezoelectric properties of lead zirconate titanate ceramics with (Zr, Ti) partially replaced by Nb2O5 | |
US4761242A (en) | Piezoelectric ceramic composition | |
JP2001048642A (ja) | 圧電セラミックス | |
JP4001366B2 (ja) | 圧電磁器 | |
JPH0648825A (ja) | ビスマス層状化合物 | |
JP2921724B2 (ja) | 強誘電性圧電磁器組成物 | |
JP4001363B2 (ja) | 圧電磁器 | |
JPH01261876A (ja) | 焦電性磁器組成物 | |
JP2833751B2 (ja) | 焦電素子用磁器組成物 | |
KR100328867B1 (ko) | 적외선 센서용 초전성 세라믹스 조성물 | |
JPS60191052A (ja) | 焦電形赤外線検出素子 | |
JPH11209176A (ja) | 圧電磁器組成物およびその製造方法 | |
JP2964787B2 (ja) | ビスマス層状化合物 | |
JP2964788B2 (ja) | ビスマス層状化合物 | |
JPH04170364A (ja) | 圧電性磁器組成物 | |
JPS60191053A (ja) | 焦電形赤外線検出素子 | |
JPH03215357A (ja) | 圧電性磁器組成物 | |
JPS60191054A (ja) | 焦電形赤外線検出素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |