JP4001363B2 - 圧電磁器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物を含有する圧電磁器に係り、特に、アクチュエータなどの振動素子,発音体またはセンサーなどに適した圧電磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電磁器を利用したアクチュエータは、電界を加えると機械的な歪みおよび応力を発生するという圧電現象を利用したものである。このアクチュエータは、微量な変位を高精度に得ることができると共に、発生応力が大きい等の特徴を有し、例えば、精密工作機械や光学装置の位置決めに用いられている。アクチュエータに用いる圧電磁器としては、従来より、優れた圧電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が最も多く利用されている。しかし、チタン酸ジルコン酸鉛は鉛を多く含んでいるので、最近では、酸性雨による鉛の溶出など地球環境におよぼす悪影響が問題となっている。そこで、チタン酸ジルコン酸鉛に代替する、鉛を含有しない圧電磁器の開発が望まれている。
【0003】
鉛を含有しない圧電磁器としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分として含むものが知られている(特開平2−159079号公報参照)。この圧電磁器は、比誘電率εrおよび電気機械結合係数krが優れており、アクチュエータ用の圧電材料として有望である。また、鉛を含有しない他の圧電磁器としては、例えば、ニオブ酸ナトリウムカリウムリチウムを主成分として含むものが知られている(特開昭49−125900号公報または特公昭57−6713号公報参照)。この圧電磁器は、キュリー温度が350℃以上と高く、電気機械結合係数krも優れていることから、圧電材料として期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの鉛を含まない圧電磁器は、鉛系の圧電磁器に比べて圧電特性が低く、十分に大きな発生変位量を得ることができないという問題があった。また、チタン酸バリウムを主成分とする圧電磁器では、チタン酸バリウムのキュリー温度が約120℃と低いので、使用温度範囲が100℃以下に限定されるという問題もあった。更に、ニオブ酸ナトリウムカリウムリチウムを主成分とする圧電磁器では、焼成時にナトリウム,カリウムおよびリチウムが揮発しやすく、焼成が難しいという問題もあった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、使用温度範囲が広く、大きな発生変位量を得ることができ、焼成が容易で、かつ、低公害化、対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧電磁器は、化1に示した組成物を含有し、化1に示した組成物は、化2に示した化合物と、化3に示した化合物とからなり、化2に示した化合物は、ナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム(Li)を含む第1の元素と、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のうちの少なくともニオブを含む第2の元素と、酸素(O)とからなり、化3に示した化合物は、カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1種を含む第3の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む第4の元素と、酸素とからなるものである。
【0007】
本発明による圧電磁器では、化1に示した組成物を含有しているので、キュリー温度が高く、大きな電気機械結合係数kr,比誘電率εrおよび発生変位量が得られ、かつ、焼成が容易となる。
【0010】
更に、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量は0mol%以上50mol%以下の範囲内であることが好ましい。
【0011】
加えて、この組成物を主成分とし、副成分として、マンガン(Mn)を含む酸化物を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明の一実施の形態に係る圧電磁器は、主成分として、ペロブスカイト型酸化物と、パイロクロア型酸化物とを含む組成物を含有している。この組成物において、ペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物とは、固溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。
【0014】
ペロブスカイト型酸化物は、第1の元素と第2の元素と酸素とからなる。第1の元素はナトリウム,カリウムおよびリチウムを含んでいる。第2の元素はニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含み、更にタンタルも含むことが好ましい。このような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性を得ることができるからである。また、キュリー温度を高くすることができ、使用温度範囲を広くすることができるからである。この場合、化学式は例えば化で表される。
【0015】
【化4】
式中、xは0<x<1、yは0<y<1,zは0≦z<1の範囲内の値である。mは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組成は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0016】
なお、第1の元素におけるカリウムの含有量は、10mol%以上90mol%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20mol%以上75mol%以下、さらに好ましくは30mol%以上60mol%以下の範囲内である。すなわち、例えば化1におけるxは、モル比で、0.1≦x≦0.9の範囲内、更には0.2≦x≦0.75の範囲内、更には0.3≦x≦0.6の範囲内であることが好ましい。カリウムの含有量が少なすぎると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることができず、カリウムの含有量が多すぎると、焼成時におけるカリウムの揮発が激しく、焼成が難しいからである。
【0017】
第1の元素におけるリチウムの含有量は20mol%以下であることが好ましく、より好ましくは10mol%以下、さらに好ましくは5mol%以下の範囲内である。すなわち、例えば化1におけるyは、モル比で、0<y≦0.2の範囲内、更には0<y≦0.1の範囲内、更には0<y≦0.05の範囲内であることが好ましい。リチウムの含有量が多すぎると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることができないからである。
【0018】
第2の元素に対する第1の元素の組成比(第1の元素/第2の元素)、例えば化におけるmは、モル比で0.95以上1.05以下の範囲内であることが好ましい。0.95未満であると、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくなり、1.05を超えると、焼結密度が低下することにより分極が難しくなってしまうからである。
【0019】
パイロクロア型酸化物は、第3の元素と第4の元素と酸素とからなる。第3の元素は、例えば、長周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、中でも、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウムおよびバリウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。第4の元素は、例えば、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含むことが好ましく、更にタンタルも含んでいればより好ましい。このような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性を得ることができるからである。この場合、化学式は例えば化で表される。
【0020】
【化
2 (Nb1-w Taw 2 7
式中、Mは第3の元素を表し、wは0≦w<1の範囲内の値である。なお、第3の元素と第4の元素と酸素との組成比は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0021】
なお、第4の元素は第2の元素と同一でもよく、異なっていてもよい。第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量は、50mol%以下であることが好ましい。タンタルの含有量が多くなり過ぎると、キュリー温度が例えば150℃以下と低くなると共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくなってしまうからである。
【0022】
これらのペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物との組成比は、モル比で、化に示した範囲内であることが好ましい。すなわち、組成物におけるパイロクロア型酸化物の含有量は、0mol%よりも大きく4.2mol%未満であることが好ましく、2mol%以下、さらには1mol%以下、さらには0.5mol%以下であればより好ましい。ペロブスカイト型酸化物に加えてパイロクロア型酸化物を含むことにより、焼成を容易とすることができると共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくすることができる一方で、パイロクロア型酸化物の含有量が多すぎると、電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくなってしまうからである。
【0023】
【化
(1−n)A+nB
式中、Aはペロブスカイト型酸化物、Bはパイロクロア型酸化物をそれぞれ表し、nは0<n<0.042の範囲内、より好ましくは0<n≦0.02、さらに好ましくは0<n≦0.01、さらには0<n≦0.005の範囲内の値である。
【0024】
この圧電磁器は、また、主成分である上記組成物に加え、副成分として、長周期型周期表3族〜12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有することが好ましい。焼結性を向上させることにより圧電特性をより向上させることができるからである。中でも、マンガンを含む酸化物が好ましい。この副成分の酸化物は、主成分の組成物の粒界に存在していることもあるが、主成分の組成物の一部に拡散して存在していることもある。
【0025】
なお、この圧電磁器は鉛(Pb)を含んでいてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態学的見地から好ましいからである。
【0026】
この圧電磁器は、例えば、圧電素子であるアクチュエータなどの振動素子,発音体あるいはセンサーなどの材料として好ましく用いられる。
【0027】
図1は本実施の形態に係る圧電磁器を用いた圧電素子の一構成例を表すものである。この圧電素子は、本実施の形態の圧電磁器よりなる圧電基板1と、この圧電基板1の一対の対向面1a,1bにそれぞれ設けられた一対の電極2,3とを備えている。圧電基板1は、例えば、厚さ方向、すなわち電極2,3の対向方向に分極されており、電極2,3を介して電圧が印加されることにより、厚み方向に縦振動および径方向に広がり振動するようになっている。
【0028】
電極2,3は、例えば、金(Au)などの金属によりそれぞれ構成されており、圧電基板1の対向面1a,1bの全面にぞれぞれ設けられている。これら電極2,3には、例えば、図示しないワイヤなどを介して図示しない外部電源が電気的に接続される。
【0029】
このような構成を有する圧電磁器および圧電素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0030】
まず、主成分の原料として、例えば、ナトリウム,カリウム,リチウム,長周期型周期表2族の元素,ニオブおよびタンタルを含む酸化物粉末を必要に応じてそれぞれ用意する。また、副成分の原料として、必要に応じて、例えば長周期型周期表3族〜12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物粉末を用意する。なお、これら主成分および副成分の原料には、酸化物でなく、炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよい。次いで、これら原料を十分に乾燥させたのち、最終組成が上述した範囲となるように秤量する。
【0031】
続いて、例えば、秤量した出発原料をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で十分に混合したのち、乾燥し、プレス成形して、750℃〜1100℃で1時間〜4時間仮焼する。仮焼したのち、例えば、この仮焼物をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で十分に粉砕し、再び乾燥して、バインダーを加えて造粒する。造粒したのち、この造粒粉を一軸プレス成形機あるいは静水圧成形機(CIP)などを用いプレス成形する。
【0032】
成形したのち、例えば、この成形体を加熱して脱バインダを行い、更に950℃〜1350℃で2時間〜4時間焼成する。焼成ののち、得られた焼結体を必要に応じて加工して圧電基板1を形成し、電極2,3を設け、加熱したシリコーンオイル中で電界を印加して分極処理を行う。これにより、上述した圧電磁器および図1に示した圧電素子が得られる。
【0033】
このように本実施の形態によれば、ペロブスカイト型酸化物と4.2mol%未満のパイロクロア型酸化物とを含む組成物を含有し、ペロブスカイト型酸化物がナトリウム,カリウムおよびリチウムを含むようにしたので、キュリー温度を例えば150℃以上と高くすることができ、使用温度範囲を広くすることができると共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくすることができる。また、容易に焼成することもできる。
【0034】
よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器および圧電素子の活用を図ることができる。
【0035】
特に、第1の元素におけるカリウムの含有量が10mol%以上90mol%以下となるようにすれば、より優れた圧電特性を得ることができると共に、焼成をより容易とすることができる。
【0036】
また、第1の元素におけるリチウムの含有量が20mol%以下となるようにすれば、または、第2の元素に対する第1の元素の組成比(第1の元素/第2の元素)がモル比で0.95以上1.05以下の範囲内となるようにすれば、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくすることができる。
【0037】
更に、パイロクロア型酸化物が、長周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含む第3の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む第4の元素と、酸素とからなるようにすれば、特に、第3の元素が、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウムおよびバリウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むようにすれば、より優れた圧電特性を得ることができる。
【0038】
加えて、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が50mol%以下となるようにすれば、キュリー温度を150℃以上と実用上問題ない程度にすることができると共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくすることができる。
【0039】
更にまた、副成分として長周期型周期表3族〜12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有するようにすれば、焼結性を向上させることができ、圧電特性をより向上させることができる。
【0040】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0041】
(実施例1〜4)
に示したペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物を主成分として含有する圧電磁器を用い、図1に示したような圧電素子を作製した。本実施例では図1を参照し、図1に示した符号を用いて説明する。
【0042】
【化7】
【0043】
まず、主成分の原料として、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )粉末、炭酸カリウム(K2 CO3 )粉末、炭酸リチウム(Li2 CO3 )粉末、炭酸バリウム(BaCO3 )粉末、および酸化ニオブ(Nb2 5 )粉末をそれぞれ用意した。また、副成分の原料として、炭酸マンガン(MnCO3 )粉末を用意した。次いで、これら主成分および副成分の原料を十分に乾燥させ秤量したのち、ボールミルにより水中で5時間混合し、乾燥して原料混合粉末を得た。
【0044】
その際、実施例1〜4の原料混合粉末の配合比を調整し、主成分の組成のうちパイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化4におけるnの値を表1に示したように変化させた。また、副成分である酸化マンガンの含有量はMnOを基準とし主成分に対して0.31質量%となるようにした。なお、副成分の含有量は、主成分の原料のうち炭酸塩をCO2 が解離した酸化物に換算し、その換算した主成分の原料の合計質量に対して副成分の原料である炭酸マンガン粉末の混合量が0.5質量%となるようにしたものである。
【0045】
【表1】
【0046】
続いて、この原料混合粉末をプレス成形して、850℃〜1000℃で2時間仮焼した。仮焼したのち、ボールミルを用いて水中で粉砕し、再び乾燥して、ポリビニルアルコールを加えて造粒した。造粒したのち、この造粒粉を一軸プレス成形機により約40MPaの圧力で直径17mmの円柱状に成形し、更に約400MPaの圧力で静水圧成形した。
【0047】
成形したのち、この成形体を650℃で4時間加熱して脱バインダを行い、更に950℃〜1350℃で4時間焼成した。そののち、この焼成体をスライス加工およびラップ加工により厚さ0.6mmの円板状として圧電基板1を作製し、両面に銀ペーストを印刷して650℃で焼き付け、電極2,3を形成した。電極2,3を形成したのち、30℃〜250℃のシリコーンオイル中で3kV/mm〜10kV/mmの電界を1分〜30分間印加して分極処理を行った。これにより、実施例1〜4の圧電磁器を用いた圧電素子を得た。
【0048】
得られた実施例1〜4の圧電素子について、24時間放置したのち、圧電特性として、比誘電率εr、電気機械結合係数kr、および3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。比誘電率εrおよび電気機械結合係数krの測定にはインピーダンスアナライザー(ヒューレット・パッカード社製HP4194A)を用い、比誘電率εrを測定する際の周波数は1kHzとした。発生変位量の測定には、図2に示したような渦電流による変位測定装置を用いた。この変位測定装置は、一対の電極11,12の間に試料13を挟み、直流電流を印加した場合の試料13の変位を変位センサ14により検出し、変位検出器15によりその発生変位量を求めるものである。それらの結果を表1に示す。なお、表1に示した発生変位量は、測定値を試料の厚さで割り100を掛けた値(測定値/試料の厚さ×100)である。
【0049】
また、本実施例に対する比較例1,2として、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化におけるnの値を表1に示したように変化させたことを除き、他は実施例1〜4と同様にして圧電素子を作製した。比較例1はパイロクロア型酸化物を含まないものであり、比較例2はパイロクロア型酸化物の含有量が4.2mol%と多いものである。なお、副成分の含有量は実施例1〜4と同様である。比較例1,2についても、本実施例と同様にして、比誘電率εr、電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果についても表1に合わせて示す。
【0050】
表1に示したように、パイロクロア型酸化物の含有量を4.2mol%未満とした実施例1〜4によれば、パイロクロア型酸化物を含まない比較例1および含有量を4.2mol%とした比較例2よりも、大きな発生変位量が得られた。また、発生変位量は、パイロクロア型酸化物の含有量が多くなるに従い、つまり化におけるnが大きくなるに従い、大きくなり極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。これは、パイロクロア型酸化物の含有量が多くなるに従い、つまり化におけるnが大きくなるに従い、比誘電率εrは大きくなるが、電気機械結合係数krは極大値を示したのち小さくなるためであると考えられる。
【0051】
すなわち、ペロブスカイト酸化物とパイロクロア型酸化物とを含み、組成物におけるパイロクロア型酸化物の含有量を4.2mol%未満とすれば、発生変位量を大きくすることができ、2mol%以下、さらには1mol%以下、さらには0.5mol%以下とすれば、より大きくできることが分かった。
【0052】
(実施例5〜7)
に示した組成物を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例5〜7で、第1の元素におけるカリウムの含有量、すなわち化におけるxの値を表2に示したように変化させた。なお、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化におけるnの値は実施例2と同様に0.003とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主成分に対して0.31質量%とした。また、本実施例に対する比較例3,4として、パイロクロア型酸化物を含まないようにしたことを除き、他は本実施例と同様にして圧電素子を作製した。比較例3は実施例5に対応し、比較例4は実施例7に対応している。
【0053】
【化8】
【0054】
【表2】
【0055】
実施例5〜7および比較例3,4についても、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比較例1の結果と共に表2に示す。
【0056】
表2に示したように、実施例5〜7によれば、実施例2と同様に、比較例よりも比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。また、化5におけるxの値が大きくなるに従い、つまりカリウムの含有量が多くなるに従い、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量は大きくなり、極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。すなわち、第1の元素におけるカリウムの含有量を10mol%以上90mol%以下、更には20mol%以上75mol%以下、さらに好ましくは30mol%以上60mol%以下とすれば、圧電特性を向上させることができ、発生変位量を大きくできることが分かった。
【0057】
(実施例8,9)
に示した組成物を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例8,9で、第1の元素におけるカリウムおよびリチウムの含有量、すなわち化におけるxおよびyの値を表3に示したように変化させた。なお、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化におけるnの値は実施例2と同様に0.003とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主成分に対して0.31質量%とした。また、本実施例に対する比較例5,6として、パイロクロア型酸化物を含まないようにしたことを除き、他は本実施例と同様にして圧電素子を作製した。比較例5は実施例8に対応し、比較例6は実施例9に対応している。
【0058】
【化9】
【0059】
【表3】
【0060】
実施例8,9および比較例5,6についても、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比較例1の結果と共に表3に示す。
【0061】
表3に示したように、実施例8,9によれば、実施例2と同様に、比較例よりも比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。また、化6におけるyの値が大きくなるに従い、つまりリチウムの含有量が多くなるに従い、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量は大きくなり、極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。すなわち、第1の元素におけるリチウムの含有量を20mol%以下、更には10mol%、更に好ましくは5mol%以下とすれば、圧電特性を向上させることができ、発生変位量を大きくできることが分かった。
【0062】
(実施例10〜12)
10に示した組成物を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例10〜12で、第2の元素および第4の元素におけるタンタルの含有量、すなわち化10におけるzおよびwの値を表4に示したように変化させた。タンタルの原料には酸化タンタル(Ta2 5 )粉末を用いた。なお、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化10におけるnの値は実施例2と同様に0.003とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主成分に対して0.31質量%とした。実施例10〜12についても、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果を実施例2の結果と共に表4に示す。また、実施例2および実施例10〜12について、圧電磁器のキュリー温度を測定した。それらの結果も表4に合わせて示す。
【0063】
【化10】
【0064】
【表4】
【0065】
表4に示したように、実施例10〜12によれば、実施例2と同様に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。また、第2の元素および第4の元素にタンタルを含む実施例10〜12の方が、タンタルを含まない実施例2に比べて、大きな発生変位量が得られた。更に、化10におけるzおよびwの値が大きくなるに従い、つまり第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が多くなるに従い、比誘電率εrは大きくなる傾向が見られ、電気機械結合係数krおよび発生変位量は極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。
【0066】
加えて、本実施例によればキュリー温度についても高い値が得られた。キュリー温度は、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が多くなるに従い低くなる傾向が見られたが、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量を50mol%以下とすれば、150℃以上と実用上問題ないレベルを得られることも分かった。
【0067】
なお、本実施例では、第2の元素および第4の元素におけるタンタルの含有量、すなわち化7におけるzおよびwの値が同一である場合について示したが、zとwの値が異なる場合についても、同様の結果を得ることができる。
【0068】
すなわち、第2の元素または第4の元素にタンタルを含み、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が50mol%以下の範囲内になるようにすれば、キュリー温度を高く保持しつつ、発生変位量をより大きくできることが分かった。
【0069】
(実施例13〜15)
11に示した組成物を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例13〜15で、第3の元素の組成、すなわち化11におけるMを表5に示したように変化させ、ストロンチウムの原料には炭酸ストロンチウム(SrCO3 )粉末を用い、カルシウムの原料には炭酸カルシウム(CaCO3 )粉末を用いた。なお、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化11におけるnの値は実施例2と同様に0.003とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主成分に対して0.31質量%とした。実施例13〜15についても、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比較例1と共に表5に示す。
【0070】
【化11】
【0071】
【表5】
【0072】
表5に示したように、実施例13〜15によれば、実施例2と同様に、比較例1よりも比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られた。すなわち、第3の元素に長周期型周期表2族の他の元素を含むようにしても、優れた圧電特性を得られることが分かった。
【0073】
なお、上記実施例では、ペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物の組成についていくつかの例を挙げて具体的に説明したが、上記実施の形態において説明した組成の範囲内であれば、他の組成であっても同様の結果を得ることができる。
【0074】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、上記実施の形態および実施例では、ペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物との組成物を含有する場合について説明したが、この組成物にペロブスカイト型酸化物およびパイロクロア型酸化物以外の他の成分を更に含んでいてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態および実施例では、主成分の組成物が第1の元素としてナトリウム,カリウムおよびリチウムを含み、第2の元素としてニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含み、第3の元素として長周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含み、第4の元素としてニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む場合について説明したが、これら第1の元素,第2の元素,第3の元素および第4の元素は、これら以外の他の元素を更に含んでいてもよい。
【0076】
更に、上記実施の形態および実施例では、主成分の組成物に加えて副成分を含む場合について説明したが、本発明は、主成分の組成物を含んでいれば副成分を含まない場合についても広く適用することができる。また、他の副成分を含む場合についても同様に適用することができる。
【0077】
加えて、上記実施の形態では、単層構造の圧電素子を例に挙げて説明したが、積層構造など他の構造を有する圧電素子についても、本発明を同様に適用することができる。また、圧電素子としてアクチュエータなどの振動素子,発音体およびセンサを例に挙げたが、他の圧電素子についても本発明を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の圧電磁器によれば、化1に示した組成物を含有するようにしたので、キュリー温度を例えば150℃以上と高くすることができ、使用温度範囲を広くすることができると共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくすることができる。また、容易に焼成することもできる。よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器および圧電素子の活用を図ることができる。
【0082】
加えて、請求項ないし請求項のいずれかに記載の圧電磁器によれば、第2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が50mol%以下となるようにしたので、キュリー温度を150℃以上と実用上問題ない程度にすることができると共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくすることができる。
【0083】
更にまた、請求項または請求項記載の圧電磁器によれば、副成分としてマンガンを含む酸化物を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有するようにしたので、焼結性を向上させることができ、圧電特性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器を用いた圧電素子を表す構成図である。
【図2】本発明の実施例において発生変位量の測定に用いた変位測定装置を表す構成図である。
【符号の説明】
1…圧電基板、1a,1b…対向面、2,3…電極、11,12…電極、13…試料、14…変位センサ、15…変位検出器。

Claims (4)

  1. 化1に示した組成物を含有し、
    前記化1に示した組成物は、化2に示した化合物と、化3に示した化合物とからなり、
    前記化2に示した化合物は、ナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム(Li)を含む第1の元素と、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のうちの少なくともニオブを含む第2の元素と、酸素(O)とからなり、
    前記化3に示した化合物は、カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1種を含む第3の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む第4の元素と、酸素とからなる
    ことを特徴とする圧電磁器。
    (式中、Aは化2に示した化合物、Bは化3に示した化合物をそれぞれ表し、nは0<n<0.042の範囲内の値を表す。)
    (式中、xは0.1≦x≦0.9、yは0<y≦0.1、zは0≦z<1の範囲内の値である。mは0.95≦m≦1.05の値である。)
    (式中、Mは第3の元素を表す。wは0≦w<1の範囲内の値である。)
  2. 前記第2の元素と前記第4の元素との合計におけるタンタルの含有量は0mol%以上50mol%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項記載の圧電磁器。
  3. 前記組成物を主成分とし、更に、副成分として、マンガン(Mn)を含む酸化物を、前記主成分に対して0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電磁器。
  4. 前記化1に示したnは、0.02以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電磁器。
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