JP2003306379A - 圧電磁器 - Google Patents

圧電磁器

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JP2003306379A JP2002109666A JP2002109666A JP2003306379A JP 2003306379 A JP2003306379 A JP 2003306379A JP 2002109666 A JP2002109666 A JP 2002109666A JP 2002109666 A JP2002109666 A JP 2002109666A JP 2003306379 A JP2003306379 A JP 2003306379A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用温度範囲が広く、大きな変位量を得るこ
とができ、焼成が容易で、かつ、低公害化、対環境性お
よび生態学的見地からも優れた圧電磁器を提供する。 【解決手段】 圧電基板1は、ペロブスカイト型酸化物
(Na1-x-y x Liy)(Nb1-z Taz )O3 と、
パイロクロア型酸化物M2 (Nb1-w Taw 2
7 (Mは長周期型周期表2族の元素)とを含む組成物を
含有する。組成物におけるパイロクロア型酸化物の含有
量は4.2mol%未満、xおよびyは0.1≦x≦
0.9、0<y≦0.2の範囲内が好ましい。これによ
り、キュリー温度を高く、変位量を大きくすることがで
き、焼成も容易とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペロブスカイト型
酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物を含有す
る圧電磁器に係り、特に、アクチュエータなどの振動素
子,発音体またはセンサーなどに適した圧電磁器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧電磁器を利用したアクチュエータは、
電界を加えると機械的な歪みおよび応力を発生するとい
う圧電現象を利用したものである。このアクチュエータ
は、微量な変位を高精度に得ることができると共に、発
生応力が大きい等の特徴を有し、例えば、精密工作機械
や光学装置の位置決めに用いられている。アクチュエー
タに用いる圧電磁器としては、従来より、優れた圧電性
を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が最も多く利
用されている。しかし、チタン酸ジルコン酸鉛は鉛を多
く含んでいるので、最近では、酸性雨による鉛の溶出な
ど地球環境におよぼす悪影響が問題となっている。そこ
で、チタン酸ジルコン酸鉛に代替する、鉛を含有しない
圧電磁器の開発が望まれている。
【0003】鉛を含有しない圧電磁器としては、例え
ば、チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成分として
含むものが知られている(特開平2−159079号公
報参照)。この圧電磁器は、比誘電率εrおよび電気機
械結合係数krが優れており、アクチュエータ用の圧電
材料として有望である。また、鉛を含有しない他の圧電
磁器としては、例えば、ニオブ酸ナトリウムカリウムリ
チウムを主成分として含むものが知られている(特開昭
49−125900号公報または特公昭57−6713
号公報参照)。この圧電磁器は、キュリー温度が350
℃以上と高く、電気機械結合係数krも優れていること
から、圧電材料として期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の鉛を含まない圧電磁器は、鉛系の圧電磁器に比べて圧
電特性が低く、十分に大きな発生変位量を得ることがで
きないという問題があった。また、チタン酸バリウムを
主成分とする圧電磁器では、チタン酸バリウムのキュリ
ー温度が約120℃と低いので、使用温度範囲が100
℃以下に限定されるという問題もあった。更に、ニオブ
酸ナトリウムカリウムリチウムを主成分とする圧電磁器
では、焼成時にナトリウム,カリウムおよびリチウムが
揮発しやすく、焼成が難しいという問題もあった。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、使用温度範囲が広く、大きな発生変
位量を得ることができ、焼成が容易で、かつ、低公害
化、対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による圧電磁器
は、ペロブスカイト型酸化物と、パイロクロア型酸化物
とを含む組成物を含有し、ペロブスカイト型酸化物は、
ナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム
(Li)を含む第1の元素と、ニオブ(Nb)およびタ
ンタル(Ta)からなる群のうちの少なくともニオブを
含む第2の元素と、酸素(O)とからなり、組成物にお
けるパイロクロア型酸化物の含有量は4.2mol%未
満のものである。
【0007】本発明による圧電磁器では、ペロブスカイ
ト型酸化物と4.2mol%未満のパイロクロア型酸化
物とを含む組成物を含有し、ペロブスカイト型酸化物が
ナトリウム,カリウムおよびリチウムを含んでいるの
で、キュリー温度が高く、大きな電気機械結合係数k
r,比誘電率εrおよび発生変位量が得られ、かつ、焼
成が容易となる。
【0008】なお、ペロブスカイト型酸化物の第1の元
素におけるカリウムの含有量は、10mol%以上90
mol%以下の範囲内であることが好ましく、第1の元
素におけるリチウムの含有量は、20mol%以下であ
ることが好ましい。第2の元素に対する第1の元素の組
成比(第1の元素/第2の元素)は、モル比で0.95
以上1.05以下の範囲内であることが好ましい。
【0009】また、パイロクロア型酸化物は、長周期型
周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含む第3の
元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少な
くともニオブを含む第4の元素と、酸素とからなること
が好ましい。第3の元素は、マグネシウム(Mg),カ
ルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびバリ
ウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1種を含む
ことが好ましい。
【0010】更に、第2の元素と第4の元素との合計に
おけるタンタルの含有量は0mol%以上50mol%
以下の範囲内であることが好ましい。
【0011】加えて、この組成物を主成分とし、副成分
として、長周期型周期表3族〜12族の元素のうちの少
なくとも1種を含む酸化物、特にマンガン(Mn)を含
む酸化物を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下
の範囲内で含有することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0013】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器は、
主成分として、ペロブスカイト型酸化物と、パイロクロ
ア型酸化物とを含む組成物を含有している。この組成物
において、ペロブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸
化物とは、固溶していてもよく、完全に固溶していなく
てもよい。
【0014】ペロブスカイト型酸化物は、第1の元素と
第2の元素と酸素とからなる。第1の元素はナトリウ
ム,カリウムおよびリチウムを含んでいる。第2の元素
はニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくとも
ニオブを含み、更にタンタルも含むことが好ましい。こ
のような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少
なくして、より優れた圧電特性を得ることができるから
である。また、キュリー温度を高くすることができ、使
用温度範囲を広くすることができるからである。この場
合、化学式は例えば化1で表される。
【0015】
【化1】 式中、xは0<x<1、yは0<y<1,zは0≦z<
1の範囲内の値である。mは化学量論組成であれば1で
あるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組
成は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成から
ずれていてもよい。
【0016】なお、第1の元素におけるカリウムの含有
量は、10mol%以上90mol%以下の範囲内であ
ることが好ましく、より好ましくは20mol%以上7
5mol%以下、さらに好ましくは30mol%以上6
0mol%以下の範囲内である。すなわち、例えば化1
におけるxは、モル比で、0.1≦x≦0.9の範囲
内、更には0.2≦x≦0.75の範囲内、更には0.
3≦x≦0.6の範囲内であることが好ましい。カリウ
ムの含有量が少なすぎると、比誘電率εr,電気機械結
合係数krおよび発生変位量を十分に大きくすることが
できず、カリウムの含有量が多すぎると、焼成時におけ
るカリウムの揮発が激しく、焼成が難しいからである。
【0017】第1の元素におけるリチウムの含有量は2
0mol%以下であることが好ましく、より好ましくは
10mol%以下、さらに好ましくは5mol%以下の
範囲内である。すなわち、例えば化1におけるyは、モ
ル比で、0<y≦0.2の範囲内、更には0<y≦0.
1の範囲内、更には0<y≦0.05の範囲内であるこ
とが好ましい。リチウムの含有量が多すぎると、比誘電
率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量を十分
に大きくすることができないからである。
【0018】第2の元素に対する第1の元素の組成比
(第1の元素/第2の元素)、例えば化1におけるm
は、モル比で0.95以上1.05以下の範囲内である
ことが好ましい。0.95未満であると、比誘電率ε
r,電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さくな
り、1.05を超えると、焼結密度が低下することによ
り分極が難しくなってしまうからである。
【0019】パイロクロア型酸化物は、第3の元素と第
4の元素と酸素とからなる。第3の元素は、例えば、長
周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含む
ことが好ましく、中でも、マグネシウム,カルシウム,
ストロンチウムおよびバリウムからなる群のうちの少な
くとも1種を含むことが好ましい。第4の元素は、例え
ば、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくと
もニオブを含むことが好ましく、更にタンタルも含んで
いればより好ましい。このような場合に、鉛を含有せず
あるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性
を得ることができるからである。この場合、化学式は例
えば化2で表される。
【0020】
【化2】M2 (Nb1-w Taw 2 7 式中、Mは第3の元素を表し、wは0≦w<1の範囲内
の値である。なお、第3の元素と第4の元素と酸素との
組成比は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成
からずれていてもよい。
【0021】なお、第4の元素は第2の元素と同一でも
よく、異なっていてもよい。第2の元素と第4の元素と
の合計におけるタンタルの含有量は、50mol%以下
であることが好ましい。タンタルの含有量が多くなり過
ぎると、キュリー温度が例えば150℃以下と低くなる
と共に、電気機械結合係数krおよび発生変位量が小さ
くなってしまうからである。
【0022】これらのペロブスカイト型酸化物とパイロ
クロア型酸化物との組成比は、モル比で、化3に示した
範囲内であることが好ましい。すなわち、組成物におけ
るパイロクロア型酸化物の含有量は、0mol%よりも
大きく4.2mol%未満であることが好ましく、2m
ol%以下、さらには1mol%以下、さらには0.5
mol%以下であればより好ましい。ペロブスカイト型
酸化物に加えてパイロクロア型酸化物を含むことによ
り、焼成を容易とすることができると共に、比誘電率ε
r,電気機械結合係数krおよび発生変位量を大きくす
ることができる一方で、パイロクロア型酸化物の含有量
が多すぎると、電気機械結合係数krおよび発生変位量
が小さくなってしまうからである。
【0023】
【化3】(1−n)A+nB 式中、Aはペロブスカイト型酸化物、Bはパイロクロア
型酸化物をそれぞれ表し、nは0<n<0.042の範
囲内、より好ましくは0<n≦0.02、さらに好まし
くは0<n≦0.01、さらには0<n≦0.005の
範囲内の値である。
【0024】この圧電磁器は、また、主成分である上記
組成物に加え、副成分として、長周期型周期表3族〜1
2族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を、主
成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有
することが好ましい。焼結性を向上させることにより圧
電特性をより向上させることができるからである。中で
も、マンガンを含む酸化物が好ましい。この副成分の酸
化物は、主成分の組成物の粒界に存在していることもあ
るが、主成分の組成物の一部に拡散して存在しているこ
ともある。
【0025】なお、この圧電磁器は鉛(Pb)を含んで
いてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが
好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼
成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流
通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限
に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態
学的見地から好ましいからである。
【0026】この圧電磁器は、例えば、圧電素子である
アクチュエータなどの振動素子,発音体あるいはセンサ
ーなどの材料として好ましく用いられる。
【0027】図1は本実施の形態に係る圧電磁器を用い
た圧電素子の一構成例を表すものである。この圧電素子
は、本実施の形態の圧電磁器よりなる圧電基板1と、こ
の圧電基板1の一対の対向面1a,1bにそれぞれ設け
られた一対の電極2,3とを備えている。圧電基板1
は、例えば、厚さ方向、すなわち電極2,3の対向方向
に分極されており、電極2,3を介して電圧が印加され
ることにより、厚み方向に縦振動および径方向に広がり
振動するようになっている。
【0028】電極2,3は、例えば、金(Au)などの
金属によりそれぞれ構成されており、圧電基板1の対向
面1a,1bの全面にぞれぞれ設けられている。これら
電極2,3には、例えば、図示しないワイヤなどを介し
て図示しない外部電源が電気的に接続される。
【0029】このような構成を有する圧電磁器および圧
電素子は、例えば、次のようにして製造することができ
る。
【0030】まず、主成分の原料として、例えば、ナト
リウム,カリウム,リチウム,長周期型周期表2族の元
素,ニオブおよびタンタルを含む酸化物粉末を必要に応
じてそれぞれ用意する。また、副成分の原料として、必
要に応じて、例えば長周期型周期表3族〜12族の元素
のうちの少なくとも1種を含む酸化物粉末を用意する。
なお、これら主成分および副成分の原料には、酸化物で
なく、炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸
化物となるものを用いてもよい。次いで、これら原料を
十分に乾燥させたのち、最終組成が上述した範囲となる
ように秤量する。
【0031】続いて、例えば、秤量した出発原料をボー
ルミルなどにより有機溶媒中または水中で十分に混合し
たのち、乾燥し、プレス成形して、750℃〜1100
℃で1時間〜4時間仮焼する。仮焼したのち、例えば、
この仮焼物をボールミルなどにより有機溶媒中または水
中で十分に粉砕し、再び乾燥して、バインダーを加えて
造粒する。造粒したのち、この造粒粉を一軸プレス成形
機あるいは静水圧成形機(CIP)などを用いプレス成
形する。
【0032】成形したのち、例えば、この成形体を加熱
して脱バインダを行い、更に950℃〜1350℃で2
時間〜4時間焼成する。焼成ののち、得られた焼結体を
必要に応じて加工して圧電基板1を形成し、電極2,3
を設け、加熱したシリコーンオイル中で電界を印加して
分極処理を行う。これにより、上述した圧電磁器および
図1に示した圧電素子が得られる。
【0033】このように本実施の形態によれば、ペロブ
スカイト型酸化物と4.2mol%未満のパイロクロア
型酸化物とを含む組成物を含有し、ペロブスカイト型酸
化物がナトリウム,カリウムおよびリチウムを含むよう
にしたので、キュリー温度を例えば150℃以上と高く
することができ、使用温度範囲を広くすることができる
と共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発
生変位量を大きくすることができる。また、容易に焼成
することもできる。
【0034】よって、鉛を含有しない、あるいは鉛の含
有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、利用
の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時にお
ける鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後も環
境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対環境
性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器および
圧電素子の活用を図ることができる。
【0035】特に、第1の元素におけるカリウムの含有
量が10mol%以上90mol%以下となるようにす
れば、より優れた圧電特性を得ることができると共に、
焼成をより容易とすることができる。
【0036】また、第1の元素におけるリチウムの含有
量が20mol%以下となるようにすれば、または、第
2の元素に対する第1の元素の組成比(第1の元素/第
2の元素)がモル比で0.95以上1.05以下の範囲
内となるようにすれば、比誘電率εr,電気機械結合係
数krおよび発生変位量をより大きくすることができ
る。
【0037】更に、パイロクロア型酸化物が、長周期型
周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含む第3の
元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少な
くともニオブを含む第4の元素と、酸素とからなるよう
にすれば、特に、第3の元素が、マグネシウム,カルシ
ウム,ストロンチウムおよびバリウムからなる群のうち
の少なくとも1種を含むようにすれば、より優れた圧電
特性を得ることができる。
【0038】加えて、第2の元素と第4の元素との合計
におけるタンタルの含有量が50mol%以下となるよ
うにすれば、キュリー温度を150℃以上と実用上問題
ない程度にすることができると共に、電気機械結合係数
krおよび発生変位量をより大きくすることができる。
【0039】更にまた、副成分として長周期型周期表3
族〜12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物
を、主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内
で含有するようにすれば、焼結性を向上させることがで
き、圧電特性をより向上させることができる。
【0040】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0041】(実施例1〜4)化4に示したペロブスカ
イト型酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物を
主成分として含有する圧電磁器を用い、図1に示したよ
うな圧電素子を作製した。本実施例では図1を参照し、
図1に示した符号を用いて説明する。
【0042】
【化4】
【0043】まず、主成分の原料として、炭酸ナトリウ
ム(Na2 CO3 )粉末、炭酸カリウム(K2 CO3
粉末、炭酸リチウム(Li2 CO3 )粉末、炭酸バリウ
ム(BaCO3 )粉末、および酸化ニオブ(Nb
2 5 )粉末をそれぞれ用意した。また、副成分の原料
として、炭酸マンガン(MnCO3 )粉末を用意した。
次いで、これら主成分および副成分の原料を十分に乾燥
させ秤量したのち、ボールミルにより水中で5時間混合
し、乾燥して原料混合粉末を得た。
【0044】その際、実施例1〜4の原料混合粉末の配
合比を調整し、主成分の組成のうちパイロクロア型酸化
物の含有量、すなわち化4におけるnの値を表1に示し
たように変化させた。また、副成分である酸化マンガン
の含有量はMnOを基準とし主成分に対して0.31質
量%となるようにした。なお、副成分の含有量は、主成
分の原料のうち炭酸塩をCO2 が解離した酸化物に換算
し、その換算した主成分の原料の合計質量に対して副成
分の原料である炭酸マンガン粉末の混合量が0.5質量
%となるようにしたものである。
【0045】
【表1】
【0046】続いて、この原料混合粉末をプレス成形し
て、850℃〜1000℃で2時間仮焼した。仮焼した
のち、ボールミルを用いて水中で粉砕し、再び乾燥し
て、ポリビニルアルコールを加えて造粒した。造粒した
のち、この造粒粉を一軸プレス成形機により約40MP
aの圧力で直径17mmの円柱状に成形し、更に約40
0MPaの圧力で静水圧成形した。
【0047】成形したのち、この成形体を650℃で4
時間加熱して脱バインダを行い、更に950℃〜135
0℃で4時間焼成した。そののち、この焼成体をスライ
ス加工およびラップ加工により厚さ0.6mmの円板状
として圧電基板1を作製し、両面に銀ペーストを印刷し
て650℃で焼き付け、電極2,3を形成した。電極
2,3を形成したのち、30℃〜250℃のシリコーン
オイル中で3kV/mm〜10kV/mmの電界を1分
〜30分間印加して分極処理を行った。これにより、実
施例1〜4の圧電磁器を用いた圧電素子を得た。
【0048】得られた実施例1〜4の圧電素子につい
て、24時間放置したのち、圧電特性として、比誘電率
εr、電気機械結合係数kr、および3kV/mmの電
界を印加した際の発生変位量を測定した。比誘電率εr
および電気機械結合係数krの測定にはインピーダンス
アナライザー(ヒューレット・パッカード社製HP41
94A)を用い、比誘電率εrを測定する際の周波数は
1kHzとした。発生変位量の測定には、図2に示した
ような渦電流による変位測定装置を用いた。この変位測
定装置は、一対の電極11,12の間に試料13を挟
み、直流電流を印加した場合の試料13の変位を変位セ
ンサ14により検出し、変位検出器15によりその発生
変位量を求めるものである。それらの結果を表1に示
す。なお、表1に示した発生変位量は、測定値を試料の
厚さで割り100を掛けた値(測定値/試料の厚さ×1
00)である。
【0049】また、本実施例に対する比較例1,2とし
て、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化4にお
けるnの値を表1に示したように変化させたことを除
き、他は実施例1〜4と同様にして圧電素子を作製し
た。比較例1はパイロクロア型酸化物を含まないもので
あり、比較例2はパイロクロア型酸化物の含有量が4.
2mol%と多いものである。なお、副成分の含有量は
実施例1〜4と同様である。比較例1,2についても、
本実施例と同様にして、比誘電率εr、電気機械結合係
数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変
位量を測定した。それらの結果についても表1に合わせ
て示す。
【0050】表1に示したように、パイロクロア型酸化
物の含有量を4.2mol%未満とした実施例1〜4に
よれば、パイロクロア型酸化物を含まない比較例1およ
び含有量を4.2mol%とした比較例2よりも、大き
な発生変位量が得られた。また、発生変位量は、パイロ
クロア型酸化物の含有量が多くなるに従い、つまり化4
におけるnが大きくなるに従い、大きくなり極大値を示
したのち、小さくなる傾向が見られた。これは、パイロ
クロア型酸化物の含有量が多くなるに従い、つまり化4
におけるnが大きくなるに従い、比誘電率εrは大きく
なるが、電気機械結合係数krは極大値を示したのち小
さくなるためであると考えられる。
【0051】すなわち、ペロブスカイト酸化物とパイロ
クロア型酸化物とを含み、組成物におけるパイロクロア
型酸化物の含有量を4.2mol%未満とすれば、発生
変位量を大きくすることができ、2mol%以下、さら
には1mol%以下、さらには0.5mol%以下とす
れば、より大きくできることが分かった。
【0052】(実施例5〜7)化5に示した組成物を主
成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と
同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例5〜7
で、第1の元素におけるカリウムの含有量、すなわち化
5におけるxの値を表2に示したように変化させた。な
お、パイロクロア型酸化物の含有量、すなわち化5にお
けるnの値は実施例2と同様に0.003とし、副成分
の含有量は実施例2と同様に主成分に対して0.31質
量%とした。また、本実施例に対する比較例3,4とし
て、パイロクロア型酸化物を含まないようにしたことを
除き、他は本実施例と同様にして圧電素子を作製した。
比較例3は実施例5に対応し、比較例4は実施例7に対
応している。
【0053】
【化5】
【0054】
【表2】
【0055】実施例5〜7および比較例3,4について
も、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結
合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発
生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比
較例1の結果と共に表2に示す。
【0056】表2に示したように、実施例5〜7によれ
ば、実施例2と同様に、比較例よりも比誘電率εr,電
気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値
が得られた。また、化5におけるxの値が大きくなるに
従い、つまりカリウムの含有量が多くなるに従い、比誘
電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量は大
きくなり、極大値を示したのち、小さくなる傾向が見ら
れた。すなわち、第1の元素におけるカリウムの含有量
を10mol%以上90mol%以下、更には20mo
l%以上75mol%以下、さらに好ましくは30mo
l%以上60mol%以下とすれば、圧電特性を向上さ
せることができ、発生変位量を大きくできることが分か
った。
【0057】(実施例8,9)化6に示した組成物を主
成分として含むようにしたことを除き、他は実施例2と
同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例8,9
で、第1の元素におけるカリウムおよびリチウムの含有
量、すなわち化6におけるxおよびyの値を表3に示し
たように変化させた。なお、パイロクロア型酸化物の含
有量、すなわち化6におけるnの値は実施例2と同様に
0.003とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主
成分に対して0.31質量%とした。また、本実施例に
対する比較例5,6として、パイロクロア型酸化物を含
まないようにしたことを除き、他は本実施例と同様にし
て圧電素子を作製した。比較例5は実施例8に対応し、
比較例6は実施例9に対応している。
【0058】
【化6】
【0059】
【表3】
【0060】実施例8,9および比較例5,6について
も、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結
合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発
生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比
較例1の結果と共に表3に示す。
【0061】表3に示したように、実施例8,9によれ
ば、実施例2と同様に、比較例よりも比誘電率εr,電
気機械結合係数krおよび発生変位量について大きな値
が得られた。また、化6におけるyの値が大きくなるに
従い、つまりリチウムの含有量が多くなるに従い、比誘
電率εr,電気機械結合係数krおよび発生変位量は大
きくなり、極大値を示したのち、小さくなる傾向が見ら
れた。すなわち、第1の元素におけるリチウムの含有量
を20mol%以下、更には10mol%、更に好まし
くは5mol%以下とすれば、圧電特性を向上させるこ
とができ、発生変位量を大きくできることが分かった。
【0062】(実施例10〜12)化7に示した組成物
を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例
2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例1
0〜12で、第2の元素および第4の元素におけるタン
タルの含有量、すなわち化7におけるzおよびwの値を
表4に示したように変化させた。タンタルの原料には酸
化タンタル(Ta25 )粉末を用いた。なお、パイロ
クロア型酸化物の含有量、すなわち化7におけるnの値
は実施例2と同様に0.003とし、副成分の含有量は
実施例2と同様に主成分に対して0.31質量%とし
た。実施例10〜12についても、実施例2と同様にし
て、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび3kV
/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。そ
れらの結果を実施例2の結果と共に表4に示す。また、
実施例2および実施例10〜12について、圧電磁器の
キュリー温度を測定した。それらの結果も表4に合わせ
て示す。
【0063】
【化7】
【0064】
【表4】
【0065】表4に示したように、実施例10〜12に
よれば、実施例2と同様に、比誘電率εr,電気機械結
合係数krおよび発生変位量について大きな値が得られ
た。また、第2の元素および第4の元素にタンタルを含
む実施例10〜12の方が、タンタルを含まない実施例
2に比べて、大きな発生変位量が得られた。更に、化7
におけるzおよびwの値が大きくなるに従い、つまり第
2の元素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有
量が多くなるに従い、比誘電率εrは大きくなる傾向が
見られ、電気機械結合係数krおよび発生変位量は極大
値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。
【0066】加えて、本実施例によればキュリー温度に
ついても高い値が得られた。キュリー温度は、第2の元
素と第4の元素との合計におけるタンタルの含有量が多
くなるに従い低くなる傾向が見られたが、第2の元素と
第4の元素との合計におけるタンタルの含有量を50m
ol%以下とすれば、150℃以上と実用上問題ないレ
ベルを得られることも分かった。
【0067】なお、本実施例では、第2の元素および第
4の元素におけるタンタルの含有量、すなわち化7にお
けるzおよびwの値が同一である場合について示した
が、zとwの値が異なる場合についても、同様の結果を
得ることができる。
【0068】すなわち、第2の元素または第4の元素に
タンタルを含み、第2の元素と第4の元素との合計にお
けるタンタルの含有量が50mol%以下の範囲内にな
るようにすれば、キュリー温度を高く保持しつつ、発生
変位量をより大きくできることが分かった。
【0069】(実施例13〜15)化8に示した組成物
を主成分として含むようにしたことを除き、他は実施例
2と同様にして圧電素子を作製した。その際、実施例1
3〜15で、第3の元素の組成、すなわち化8における
Mを表5に示したように変化させ、ストロンチウムの原
料には炭酸ストロンチウム(SrCO3 )粉末を用い、
カルシウムの原料には炭酸カルシウム(CaCO3 )粉
末を用いた。なお、パイロクロア型酸化物の含有量、す
なわち化8におけるnの値は実施例2と同様に0.00
3とし、副成分の含有量は実施例2と同様に主成分に対
して0.31質量%とした。実施例13〜15について
も、実施例2と同様にして、比誘電率εr,電気機械結
合係数krおよび3kV/mmの電界を印加した際の発
生変位量を測定した。それらの結果を実施例2および比
較例1と共に表5に示す。
【0070】
【化8】
【0071】
【表5】
【0072】表5に示したように、実施例13〜15に
よれば、実施例2と同様に、比較例1よりも比誘電率ε
r,電気機械結合係数krおよび発生変位量について大
きな値が得られた。すなわち、第3の元素に長周期型周
期表2族の他の元素を含むようにしても、優れた圧電特
性を得られることが分かった。
【0073】なお、上記実施例では、ペロブスカイト型
酸化物とパイロクロア型酸化物とを含む組成物の組成に
ついていくつかの例を挙げて具体的に説明したが、上記
実施の形態において説明した組成の範囲内であれば、他
の組成であっても同様の結果を得ることができる。
【0074】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、種々変形することがで
きる。例えば、上記実施の形態および実施例では、ペロ
ブスカイト型酸化物とパイロクロア型酸化物との組成物
を含有する場合について説明したが、この組成物にペロ
ブスカイト型酸化物およびパイロクロア型酸化物以外の
他の成分を更に含んでいてもよい。
【0075】また、上記実施の形態および実施例では、
主成分の組成物が第1の元素としてナトリウム,カリウ
ムおよびリチウムを含み、第2の元素としてニオブおよ
びタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含
み、第3の元素として長周期型周期表2族の元素のうち
の少なくとも1種を含み、第4の元素としてニオブおよ
びタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む
場合について説明したが、これら第1の元素,第2の元
素,第3の元素および第4の元素は、これら以外の他の
元素を更に含んでいてもよい。
【0076】更に、上記実施の形態および実施例では、
主成分の組成物に加えて副成分を含む場合について説明
したが、本発明は、主成分の組成物を含んでいれば副成
分を含まない場合についても広く適用することができ
る。また、他の副成分を含む場合についても同様に適用
することができる。
【0077】加えて、上記実施の形態では、単層構造の
圧電素子を例に挙げて説明したが、積層構造など他の構
造を有する圧電素子についても、本発明を同様に適用す
ることができる。また、圧電素子としてアクチュエータ
などの振動素子,発音体およびセンサを例に挙げたが、
他の圧電素子についても本発明を適用することができ
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項9のいずれかに記載の圧電磁器によれば、ペロブス
カイト型酸化物と4.2mol%未満のパイロクロア型
酸化物とを含む組成物を含有し、ペロブスカイト型酸化
物がナトリウム,カリウムおよびリチウムを含むように
したので、キュリー温度を例えば150℃以上と高くす
ることができ、使用温度範囲を広くすることができると
共に、比誘電率εr,電気機械結合係数krおよび発生
変位量を大きくすることができる。また、容易に焼成す
ることもできる。よって、鉛を含有しない、あるいは鉛
の含有量が少ない圧電磁器および圧電素子についても、
利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時
における鉛の揮発が少なく、市場に流通し廃棄された後
も環境中に鉛が放出される危険性が低く、低公害化、対
環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器お
よび圧電素子の活用を図ることができる。
【0079】特に、請求項2ないし請求項9のいずれか
に記載の圧電磁器によれば、第1の元素におけるカリウ
ムの含有量が10mol%以上90mol%以下となる
ようにしたので、より優れた圧電特性を得ることができ
ると共に、焼成をより容易とすることができる。
【0080】また、請求項3ないし請求項9のいずれか
に記載の圧電磁器によれば、第1の元素におけるリチウ
ムの含有量が20mol%以下となるようにしたので、
または、第2の元素に対する第1の元素の組成比(第1
の元素/第2の元素)がモル比で0.95以上1.05
以下の範囲内となるようにしたので、比誘電率εr,電
気機械結合係数krおよび発生変位量をより大きくする
ことができる。
【0081】更に、請求項5ないし請求項9のいずれか
に記載の圧電磁器によれば、パイロクロア型酸化物が、
長周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含
む第3の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のう
ちの少なくともニオブを含む第4の元素と、酸素とから
なるようにしたので、より優れた圧電特性を得ることが
できる。
【0082】加えて、請求項7ないし請求項9のいずれ
かに記載の圧電磁器によれば、第2の元素と第4の元素
との合計におけるタンタルの含有量が50mol%以下
となるようにしたので、キュリー温度を150℃以上と
実用上問題ない程度にすることができると共に、電気機
械結合係数krおよび発生変位量をより大きくすること
ができる。
【0083】更にまた、請求項8または請求項9記載の
圧電磁器によれば、副成分として長周期型周期表3族〜
12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物を、
主成分の0.01質量%以上1質量%以下の範囲内で含
有するようにしたので、焼結性を向上させることがで
き、圧電特性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器を用いた
圧電素子を表す構成図である。
【図2】本発明の実施例において発生変位量の測定に用
いた変位測定装置を表す構成図である。
【符号の説明】
1…圧電基板、1a,1b…対向面、2,3…電極、1
1,12…電極、13…試料、14…変位センサ、15
…変位検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室澤 尚吾 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA02 AA03 AA04 AA07 AA08 AA09 AA10 AA20 AA21 AA25 BA10 CA01 GA03 GA04 GA08 GA14 GA22 GA27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペロブスカイト型酸化物と、パイロクロ
    ア型酸化物とを含む組成物を含有し、 前記ペロブスカイト型酸化物は、ナトリウム(Na),
    カリウム(K)およびリチウム(Li)を含む第1の元
    素と、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる
    群のうちの少なくともニオブを含む第2の元素と、酸素
    (O)とからなり、 前記組成物における前記パイロクロア型酸化物の含有量
    は4.2mol%未満であることを特徴とする圧電磁
    器。
  2. 【請求項2】 前記第1の元素におけるカリウムの含有
    量は10mol%以上90mol%以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。
  3. 【請求項3】 前記第1の元素におけるリチウムの含有
    量は20mol%以下であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の圧電磁器。
  4. 【請求項4】 前記ペロブスカイト型酸化物における前
    記第2の元素に対する前記第1の元素の組成比(第1の
    元素/第2の元素)は、モル比で0.95以上1.05
    以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の圧電磁器。
  5. 【請求項5】 前記パイロクロア型酸化物は、 長周期型周期表2族の元素のうちの少なくとも1種を含
    む第3の元素と、 ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニ
    オブを含む第4の元素と、 酸素とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の圧電磁器。
  6. 【請求項6】 前記第3の元素は、マグネシウム(M
    g),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)お
    よびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1
    種を含むことを特徴とする請求項5記載の圧電磁器。
  7. 【請求項7】 前記第2の元素と前記第4の元素との合
    計におけるタンタルの含有量は0mol%以上50mo
    l%以下の範囲内であることを特徴とする請求項5また
    は請求項6に記載の圧電磁器。
  8. 【請求項8】 前記組成物を主成分とし、更に、副成分
    として、長周期型周期表3族〜12族の元素のうちの少
    なくとも1種を含む酸化物を、前記主成分に対して0.
    01質量%以上1質量%以下の範囲内で含有することを
    特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
    圧電磁器。
  9. 【請求項9】 前記副成分はマンガン(Mn)を含む酸
    化物であることを特徴とする請求項8記載の圧電磁器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2012086449A1 (ja) * 2010-12-24 2014-05-22 太陽誘電株式会社 圧電セラミックス、圧電セラミックス部品、及び該圧電セラミックス部品を用いた圧電デバイス

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