JP4108349B2 - 圧電セラミックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾネータ、圧力センサ等の分野に幅広く応用可能な圧電セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電体は、外部から応力を受けることによって電気分極が変化する圧電効果と、電界を印加することにより歪みを発生する逆圧電効果とを有する材料である。圧電体は、圧力や変形を測定するためのセンサ、レゾネータ、アクチュエータなどに応用されている。
【0003】
現在実用化されている圧電材料の大部分は、正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO3−PbTiO3固溶体)系や、正方晶系のPT(PbTiO3)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体が一般的である。そして、これらに様々な副成分を添加することにより、様々な要求特性への対応がはかられている。
【0004】
しかし、PZT系やPT系の圧電材料は、実用的な組成ではキュリー点が300〜350℃程度のものが多い。これに対し現在のはんだ付け工程における処理温度は、通常、230〜250℃なので、キュリー点が300〜350℃程度の圧電材料ははんだ付け工程において特性劣化を生じやすい。しかも、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)が実用化されると、はんだ付け工程における処理温度はさらに高くなる。したがって、圧電材料のキュリー点を高くすることは極めて重要である。
【0005】
また、これら鉛系圧電材料は、低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)を多量(60〜70質量%程度)に含んでいるため、生態学的な見地および公害防止の面からも好ましくない。具体的には、これら鉛系圧電材料をセラミックスや単結晶として製造する際には、焼成、溶融等の熱処理が不可避であり、工業レベルで考えた場合、揮発性成分である酸化鉛の大気中への揮発、拡散量は極めて多量となる。また、製造段階で放出される酸化鉛は回収可能であるが、工業製品として市場に出された圧電材料に含有される酸化鉛は、現状ではその殆どが回収不能であり、これらが広く環境中に放出された場合、公害の原因となることは避けられない。
【0006】
鉛を全く含有しない圧電材料としては、例えば、正方晶系に属するペロブスカイト構造のBaTiO3がよく知られているが、これはキュリー点が120℃と低いため、実用的ではない。また、特開平9−100156号公報には、ペロブスカイト構造の(1−x)(Bi1/2Na1/2)TiO3−xNaNbO3固溶体が記載されているが、同公報にはキュリー点が370℃を超えるものは記載されていない。
【0007】
キュリー点の高い圧電体としては、例えばビスマス層状化合物が知られている。しかし、鉛を全く含有しないビスマス層状化合物は、レゾネータに適用する場合に重要となるQmaxが小さいという問題がある。Qmaxとは、位相角の最大値をθmaxとしたときのtanθmaxである。すなわち、Xをリアクタンス、Rをレジスタンスとしたとき、共振周波数と反共振周波数との間におけるQ(=|X|/R)の最大値である。Qmaxが大きいほど発振が安定し、また、低電圧での発振が可能となる。
【0008】
本発明者らは、特許第3032761号公報において、鉛を含有せず、かつ、Qmaxが大きいビスマス層状化合物として、SrBi4Ti415系組成にランタノイドを添加した圧電セラミックスを提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
圧電セラミックスは焦電性を示すため、分極された圧電セラミックスに対して熱衝撃が加わると、焦電効果に伴う電荷が発生する。SrBi4Ti415系組成の圧電セラミックスは比抵抗が比較的高いため、焦電効果によって発生した電荷が解消されにくい。そのため、この電荷によって生じる電界が自発分極の向きに影響を与えて、圧電特性の劣化、特に電気機械結合係数(kt)の劣化が生じやすい。
【0010】
本発明は、鉛を含まず、かつ、優れた圧電特性を有する圧電セラミックスにおいて、焦電効果による圧電特性の劣化を低減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) MII(MIIはSr、BaおよびCaから選択される元素)、Ln(ランタノイド)、Bi、Ti、OおよびMnを含有するビスマス層状化合物であり、MIIBi4Ti415型結晶を含む圧電セラミックスであって、
II、LnおよびBiの合計含有量をAで表し、Tiの含有量をBで表したとき、原子比A/Bが
1.249≦A/B≦1.260
であり、
Mnの含有量をCで表したとき、原子百分率100C/(A+B)が
0.396≦100C/(A+B)≦1.060
である圧電セラミックス。
(2)
1.250<A/B≦1.260
である上記(1)の圧電セラミックス。
(3) MII中の原子比をSrxBayCazで表したとき、
x+y+z=1、
0≦x≦1、
0≦y≦0.9、
0≦z≦1
である上記(1)または(2)の圧電セラミックス。
(4) 原子比Ln/(Ln+MII)が
0<Ln/(Ln+MII)<0.5
である上記(1)〜(3)のいずれかの圧電セラミックス。
(5) YおよびScから選択される少なくとも1種の元素を、それぞれY23およびSc23に換算して合計で0.3質量%未満含有する上記(1)〜(4)のいずれかの圧電セラミックス。
【0012】
【作用および効果】
本発明では、MIIBi4Ti415系組成に、ランタノイド酸化物およびマンガン酸化物を添加した圧電セラミックスにおいて、金属元素の構成比A/Bおよび100C/(A+B)を上記のように制御する。これにより、圧電セラミックスの比抵抗が減少する。そのため、焦電効果によって発生した電荷が速やかに解消される結果、圧電特性の劣化を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
圧電セラミックス
本発明の圧電セラミックスは、MII(MIIはSr、BaおよびCaから選択される元素)、Ln(ランタノイド)、Bi、Ti、OおよびMnを含有するビスマス層状化合物であり、MIIBi4Ti415型結晶を含む複合酸化物である。
【0014】
II、LnおよびBiの合計含有量をAで表し、Tiの含有量をBで表したとき、本発明の圧電セラミックス中では、原子比A/Bが
1.249≦A/B≦1.260
であり、好ましくは
1.250<A/B≦1.260
であり、より好ましくは
1.251≦A/B≦1.260
である。A/Bが小さすぎると、比抵抗が高くなってしまう。一方、A/Bが大きすぎると、比抵抗が低くなりすぎて分極が困難となる。
【0015】
II中の原子比をSrxBayCazで表したとき、
x+y+z=1、
0≦x≦1、
0≦y≦0.9、
0≦z≦1
であることが好ましい。MIIに占めるBaの比率yが高くなりすぎると、焼成時に圧電セラミックスが溶融しやすくなる。
【0016】
本発明の圧電セラミックスは、Qmaxを向上させるために、ランタノイド酸化物を含有する。ランタノイドは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuであり、これらのうちでは、La、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、ErおよびYbの少なくとも1種が好ましく、Laが最も好ましい。ランタノイドをLnで表したとき、原子比Ln/(Ln+MII)は、
0<Ln/(Ln+MII)<0.5
であり、好ましくは
0.03≦Ln/(Ln+MII)≦0.3
である。Ln/(Ln+MII)が大きすぎると、Qmaxがかえって低くなってしまう。Ln酸化物の添加によるQmaxの向上は、焼結性の向上によると考えられる。
【0017】
また、本発明の圧電セラミックスは、Qmaxを向上させるためにMn酸化物を含有する。Mn酸化物とLn酸化物とを複合添加することにより、Qmaxは著しく向上する。ただし、Mn酸化物の含有量が多すぎると、比抵抗が低くなって分極処理が困難となる。一方、Mn酸化物の含有量が少なすぎると、比抵抗が高くなり本発明の効果が実現しない。そのため、Mnの含有量をCで表したとき、本発明では原子百分率100C/(A+B)を
0.396≦100C/(A+B)≦1.060
とし、好ましくは
0.532≦100C/(A+B)≦0.994
とする。
【0018】
なお、原子比A/Bおよび原子百分率100C/(A+B)は、蛍光X線分析により測定することができる。
【0019】
本発明においてY酸化物および/またはSc酸化物を含有させれば、圧電セラミックスの比抵抗をさらに減少させることができ、焦電効果による圧電特性の劣化をさらに低減できる。Y酸化物をY23に、Sc酸化物をSc23にそれぞれ換算して求めた両酸化物の合計含有量は、好ましくは0.3質量%未満、より好ましくは0.2質量%以下である。この合計含有量が多すぎると、比抵抗が低くなりすぎて分極が困難となる。一方、比抵抗低減効果を十分に発揮させるためには、上記合計含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。
【0020】
なお、Y酸化物をLn酸化物と共に含有することにより、共振周波数の温度特性が向上し、しかも、十分に大きいQmaxが得られる。
【0021】
また、Co酸化物を含有させることによってもQmaxを向上させることができる。Qmax向上効果を十分に発揮させるためには、CoO換算の含有量を0.1質量%以上とすることが好ましい。ただし、Co酸化物の含有量が多すぎると、比抵抗が大きくなって分極が難しくなる。そのため、CoO換算の含有量は、好ましくは0.7質量%未満とし、より好ましくは0.5質量%以下とする。
【0022】
本発明の圧電セラミックスは、ビスマス層状化合物であるMIIBi4Ti415型結晶を含み、実質的にこの結晶から構成されていることが好ましいが、完全に均質でなくても、例えば異相を含んでいてもよい。この圧電セラミックス中において、LnはMIIBi4Ti415型結晶のMIIサイトを主に置換していると考えられるが、一部が他のサイトを置換していてもよく、また、一部が結晶粒界に存在していてもよい。
【0023】
本発明の圧電セラミックスの全体組成は、a≧0として、一般に(MII 1-aLna)Bi4Ti415付近の組成にMnOが付加されたものとすればよく、Co酸化物を含有する場合には、これにさらにCoOが付加されたものとすればよい。ただし、A/Bが前記した限定範囲内にある限り、例えばTiに対するMII+Lnの比率やTiに対するBiの比率が、化学量論組成から±5%程度ずれていてもよい。例えば、Tiに対するBiの比率をより高くすることで、Qmaxをより高くすることが可能である。また、酸素量も、金属元素の価数や酸素欠陥などに応じて変化し得る。
【0024】
また、本発明の圧電セラミックスには、不純物ないし微量添加物としてPb酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物等が含有されていてもよいが、これらの酸化物の含有量は、PbO、Cr23、Fe23などの化学量論組成の酸化物に換算してそれぞれ全体の0.5質量%以下であることが好ましく、これらの酸化物の合計でも0.5質量%以下であることがより好ましい。これらの酸化物の含有量が多すぎると、圧電特性が損なわれることがある。なお、圧電セラミックス中にはPbが含まれないことが最も好ましいが、0.5質量%程度以下の含有量であれば実質的に問題はない。
【0025】
本発明の圧電セラミックスの結晶粒は、紡錘状ないし針状である。その平均結晶粒径は特に限定されないが、長軸方向において、好ましくは1〜10μm、より好ましくは3〜5μmである。
【0026】
上記組成の圧電セラミックスのキュリー点は、少なくとも380℃以上とすることができ、430℃以上とすることも容易である。
【0027】
本発明の圧電セラミックスは、レゾネータ、高温用センサ等に好適である。使用モードは特に限定されず、例えば厚み縦振動や厚みすべり振動等のいずれのモードも利用可能である。
【0028】
製造方法
次に、本発明の圧電セラミックスを製造する方法の一例を説明する。
【0029】
まず、出発原料として、酸化物、または、焼成により酸化物に変わりうる化合物、例えば、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等、具体的にはMIICO3、Bi23、TiO2、La23、MnO2、MnCO3等の粉末を用意し、これらをボールミル等により湿式混合する。
【0030】
次いで仮焼する。なお、通常、仮焼前に仮成形する。仮焼温度は、好ましくは700〜1000℃、より好ましくは750〜850℃である。仮焼温度が低すぎると、化学反応が十分に終了せず、仮焼が不十分となる。一方、仮焼温度が高すぎると、仮成形体が焼結し始めるため、その後の粉砕が困難となる。仮焼時間は特に限定されないが、通常、1〜3時間とすることが好ましい。
【0031】
得られた仮焼物をスラリー化し、ボールミル等を用いて湿式粉砕する。この粉砕により得られる粉末の平均粒径は特に限定されないが、その後の成形のしやすさを考慮すると、1〜5μm程度とすることが好ましい。
【0032】
湿式粉砕後、仮焼物の粉末を乾燥し、乾燥物に水を少量(4〜8質量%程度)添加した後、100〜400MPa程度の圧力でプレス成形して、成形体を得る。この際、ポリビニルアルコール等のバインダを添加してもよい。
【0033】
次いで、成形体を焼成し、圧電セラミックスを得る。焼成温度は好ましくは1100〜1250℃の範囲から選択し、焼成時間は好ましくは1〜5時間程度とする。焼成は大気中で行ってもよく、大気中よりも酸素分圧の低い雰囲気や高い雰囲気、あるいは純酸素雰囲気中で行ってもよい。
【0034】
焼成後、分極処理を施す。分極処理の条件は、圧電セラミックスの組成に応じて適宜決定すればよいが、通常、分極温度は150〜250℃、分極時間は1〜30分間、分極電界は抗電界の1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上とすればよい。
【0035】
【実施例】
参考例1
以下の手順で、表1および表2に示す圧電セラミックスサンプルを作製した。
【0036】
出発原料として、SrCO3、Bi23、TiO2、La23、MnCO3の各粉末を、最終組成が(Sr0.9La0.1)Bi4Ti415付近となり、かつMnOを含有するように配合し、純水中でジルコニアボールを利用したボールミルにより10時間湿式混合した。
【0037】
次いで、混合物を十分に乾燥し、プレス成形した後、800℃で2時間仮焼した。得られた仮焼物をボールミルで粉砕した後、乾燥し、バインダ(ポリビニルアルコール)を加えて造粒した。得られた造粒粉を一軸プレス成形機を用いて294MPaの荷重を加え、厚さ約1.5mmの薄板状に成形した。得られた成形体に熱処理を施してバインダを揮発させた後、1230℃で4時間焼成した。
【0038】
次に、各焼結体の元素含有量を、蛍光X線分析により測定した。この測定結果から、前記したA/Bおよび100C/(A+B)を求めた。結果を表1および表2に示す。
【0039】
次に、焼結体を厚さ500μmとなるまでラップ研磨し、さらに、平面寸法が15mm×15mmとなるように切断した。
【0040】
次に、焼結体の両面にCu電極を蒸着により形成し、比抵抗を測定した。上記焼結体の室温における比抵抗は1012Ωcm程度であるため、測定の際に電流がほとんど流れず、測定精度が低くなる。そのため本参考例では、250℃のシリコーンオイルバス中で比抵抗を測定した。
【0041】
次いで、250℃のシリコーンオイルバス中において、焼結体に1.5×EC(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施し、圧電セラミックスサンプルを得た。なお、上記ECは、250℃における各焼結体の抗電界である。
【0042】
次いで、Cu電極を除去した後、各サンプルをラップ研磨して厚さ435μmの薄板を得た。この薄板の両面にAg電極を蒸着により形成し、ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライザHP4194Aによる測定を行い、共振反共振法を利用して厚み縦方向電気機械結合係数(kt)を求めた。なお、ktは下記式により算出した。
【0043】
【数1】
Figure 0004108349
【0044】
次いで、各サンプルに対し、−40〜85℃の雰囲気に交互にそれぞれ88回ずつ曝す熱衝撃試験を行った。この熱衝撃試験後に、再び電気機械結合係数(kt)を測定した。
【0045】
熱衝撃試験前の電気機械結合係数をkt0、熱衝撃試験後の電気機械結合係数をkt1とし、その変化率△kt
△kt=(kt1−kt0)/kt0
により求めた。結果を表1および表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004108349
【0047】
【表2】
Figure 0004108349
【0048】
表1および表2から本発明の効果が明らかである。すなわち、サンプルの組成を本発明で限定する範囲内とすることにより比抵抗が低くなり、その結果、△ktの絶対値が低く抑えられている。
【0049】
なお、表1および表2に示す各サンプルにおいて、キュリー点は500℃以上であり、厚み縦振動の3次高調波モードでのQmaxは10以上であった。また、熱衝撃試験によってキュリー点は変化しなかった。また、各サンプルを粉末X線回折法により解析したところ、SrBi4Ti415型結晶の単一相となっていることが確認された。
【0050】
参考例2
出発原料として、CaCO3、Bi23、TiO2、La23、MnCO3の各粉末を、最終組成が(Ca0.9La0.1)Bi4Ti415付近となり、かつMnOを含有するように配合した。また、焼成温度は1200℃とした。また、分極条件は、150℃、16kV/mm、1000秒とした。これら以外の条件は参考例1と同様とし、サンプルを作製した。これらのサンプルについて参考例1と同様な測定を行った。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 0004108349
【0052】
表3から、元素MIIがCaである場合にも本発明が有効であることがわかる。
【0053】
表3に示す各サンプルにおいて、キュリー点は500℃以上であり、厚み縦振動の3次高調波モードでのQmaxは15以上であった。また、熱衝撃試験によってキュリー点は変化しなかった。また、各サンプルを粉末X線回折法により解析したところ、CaBi4Ti415型結晶の単一相となっていることが確認された。
【0054】
実施例1
出発原料として、CaCO3、Bi23、TiO2、La23、MnCO3、Y23の各粉末を、最終組成が(Ca0.9La0.1)Bi4Ti415付近となり、かつMnOおよびY23を含有するように配合した。これ以外の条件は参考例2と同様とし、サンプルを作製した。これらのサンプルについて参考例1と同様な測定を行った。結果を表4に示す。なお、表4にはY23含有量も示してある。
【0055】
【表4】
Figure 0004108349
【0056】
表4から、Y23添加により比抵抗がさらに低くなり、その結果、△ktの絶対値がより低く抑えられることがわかる。なお、Y23の少なくとも一部に替えてSc23を用いたところ、比抵抗低減および△ktの絶対値低下が認められた。
【0057】
表4に示す各サンプルにおいて、キュリー点は500℃以上であり、厚み縦振動の3次高調波モードでのQmaxは16以上であった。また、熱衝撃試験によってキュリー点は変化しなかった。また、各サンプルを粉末X線回折法により解析したところ、CaBi4Ti415型結晶の単一相となっていることが確認された。

Claims (3)

  1. II(MIIはSr、BaおよびCaから選択される元素)、Ln(ランタノイド)、Bi、Ti、OおよびMnを含有するビスマス層状化合物であり、MIIBi4Ti415型結晶を含む圧電セラミックスであって、
    II、LnおよびBiの合計含有量をAで表し、Tiの含有量をBで表したとき、原子比A/Bが
    1.250<A/B≦1.260
    であり、
    Mnの含有量をCで表したとき、原子百分率100C/(A+B)が
    0.396≦100C/(A+B)≦1.060
    であり、
    YおよびScから選択される少なくとも1種の元素を、それぞれY 2 3 およびSc 2 3 に換算して合計で0.05質量%以上0.3質量%未満含有する圧電セラミックス。
  2. II中の原子比をSrxBayCazで表したとき、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦0.9、0≦z≦1である請求項1の圧電セラミックス。
  3. 原子比Ln/(Ln+MII)が0<Ln/(Ln+MII)<0.5である請求項1または2の圧電セラミックス。
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