JP2002284573A - 圧電セラミックスの製造方法 - Google Patents

圧電セラミックスの製造方法

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JP2002284573A JP2001087189A JP2001087189A JP2002284573A JP 2002284573 A JP2002284573 A JP 2002284573A JP 2001087189 A JP2001087189 A JP 2001087189A JP 2001087189 A JP2001087189 A JP 2001087189A JP 2002284573 A JP2002284573 A JP 2002284573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を含まず、かつ、優れた圧電特性を有する
圧電セラミックスにおいて、焦電効果による圧電特性の
劣化を低減する。 【解決手段】 MII(MIIはSr、BaおよびCaから
選択される元素)、Bi、TiならびにOを含有するビ
スマス層状化合物であって、MIIBi4Ti415型結晶
を含む圧電セラミックスに対し、酸素を含有する雰囲気
中において620℃以上かつ溶融温度未満で熱処理を施
す熱処理工程を有する圧電セラミックスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レゾネータ、圧力
センサ等の分野に幅広く応用可能な圧電セラミックスを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電体は、外部から応力を受けることに
よって電気分極が変化する圧電効果と、電界を印加する
ことにより歪みを発生する逆圧電効果とを有する材料で
ある。圧電体は、圧力や変形を測定するためのセンサ、
レゾネータ、アクチュエータなどに応用されている。
【0003】現在実用化されている圧電材料の大部分
は、正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO3
−PbTiO3固溶体)系や、正方晶系のPT(PbT
iO3)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体
が一般的である。そして、これらに様々な副成分を添加
することにより、様々な要求特性への対応がはかられて
いる。
【0004】しかし、PZT系やPT系の圧電材料は、
実用的な組成ではキュリー点が300〜350℃程度の
ものが多い。これに対し現在のはんだ付け工程における
処理温度は、通常、230〜250℃なので、キュリー
点が300〜350℃程度の圧電材料ははんだ付け工程
において特性劣化を生じやすい。しかも、鉛を含まない
はんだ(鉛フリーはんだ)が実用化されると、はんだ付
け工程における処理温度はさらに高くなる。したがっ
て、圧電材料のキュリー点を高くすることは極めて重要
である。
【0005】また、これら鉛系圧電材料は、低温でも揮
発性の極めて高い酸化鉛(PbO)を多量(60〜70
質量%程度)に含んでいるため、生態学的な見地および
公害防止の面からも好ましくない。具体的には、これら
鉛系圧電材料をセラミックスや単結晶として製造する際
には、焼成、溶融等の熱処理が不可避であり、工業レベ
ルで考えた場合、揮発性成分である酸化鉛の空気中への
揮発、拡散量は極めて多量となる。また、製造段階で放
出される酸化鉛は回収可能であるが、工業製品として市
場に出された圧電材料に含有される酸化鉛は、現状では
その殆どが回収不能であり、これらが広く環境中に放出
された場合、公害の原因となることは避けられない。
【0006】鉛を全く含有しない圧電材料としては、例
えば、正方晶系に属するペロブスカイト構造のBaTi
3がよく知られているが、これはキュリー点が120
℃と低いため、実用的ではない。また、特開平9−10
0156号公報には、ペロブスカイト構造の(1−x)
(Bi1/2Na1/2)TiO3−xNaNbO3固溶体が記
載されているが、同公報にはキュリー点が370℃を超
えるものは記載されていない。
【0007】キュリー点の高い圧電体としては、例えば
ビスマス層状化合物が知られている。しかし、鉛を全く
含有しないビスマス層状化合物は、レゾネータに適用す
る場合に重要となるQmaxが小さいという問題がある。
Qmaxとは、位相角の最大値をθmaxとしたときのtanθm
axである。すなわち、Xをリアクタンス、Rをレジスタ
ンスとしたとき、共振周波数と反共振周波数との間にお
けるQ(=|X|/R)の最大値である。Qmaxが大き
いほど発振が安定し、また、低電圧での発振が可能とな
る。
【0008】本発明者らは、特許第3032761号公
報において、鉛を含有せず、かつ、Qmaxが大きいビス
マス層状化合物として、SrBi4Ti415系組成にラ
ンタノイドを添加した圧電セラミックスを提案してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】圧電セラミックスは焦
電性を示すため、分極された圧電セラミックスに対して
熱衝撃が加わると、焦電効果に伴う電荷が発生する。S
rBi4Ti415系組成の圧電セラミックスは比抵抗が
比較的高いため、焦電効果によって発生した電荷が解消
されにくい。そのため、この電荷によって生じる電界が
自発分極の向きに影響を与えて、圧電特性の劣化、特に
電気機械結合係数の劣化が生じやすい。
【0010】本発明は、鉛を含まず、かつ、優れた圧電
特性を有する圧電セラミックスにおいて、焦電効果によ
る圧電特性の劣化を低減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(5)の本発明により達成される。 (1) MII(MIIはSr、BaおよびCaから選択さ
れる元素)、Bi、TiならびにOを含有するビスマス
層状化合物であって、MIIBi4Ti415型結晶を含む
圧電セラミックスに対し、酸素を含有する雰囲気中にお
いて620℃以上かつ溶融温度未満で熱処理を施す熱処
理工程を有する圧電セラミックスの製造方法。 (2) 前記熱処理工程における雰囲気中の酸素濃度が
5〜100%である上記(1)の圧電セラミックスの製
造方法。 (3) MII中の原子比をSrxBayCazで表したと
き、 x+y+z=1、 0≦x≦1、 0≦y≦0.9、 0≦z≦1 である圧電セラミックスが製造される上記(1)または
(2)の圧電セラミックスの製造方法。 (4) ランタノイド酸化物を含有し、ランタノイドを
Lnで表したとき、原子比Ln/(Ln+MII)が 0<Ln/(Ln+MII)<0.5 である圧電セラミックスが製造される上記(1)〜
(3)のいずれかの圧電セラミックスの製造方法。 (5) Mn酸化物を含有する圧電セラミックスが製造
される上記(1)〜(4)のいずれかの圧電セラミック
スの製造方法。
【0012】
【作用および効果】本発明では、MIIBi4Ti415
組成の圧電セラミックスに対し、酸素含有雰囲気中で熱
処理を施す。これにより、圧電セラミックスの比抵抗が
減少する。そのため、焦電効果によって発生した電荷が
速やかに解消される結果、圧電特性の劣化を抑制するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】圧電セラミックス 本発明により製造される圧電セラミックスは、MII(M
IIはSr、BaおよびCaから選択される元素)、B
i、TiおよびOを含有するビスマス層状化合物であ
り、MIIBi4Ti415型結晶を含む複合酸化物であ
る。
【0014】MII中の原子比をSrxBayCazで表し
たとき、 x+y+z=1、 0≦x≦1、 0≦y≦0.9、 0≦z≦1 であることが好ましい。MIIに占めるBaの比率yが高
くなりすぎると、焼成時に圧電セラミックスが溶融しや
すくなる。また、MIIに占めるCaの比率が高くなりす
ぎると、抗電界が高くなって分極が困難となる。この点
を考慮すると、 z<1 とすることが好ましく、 z≦0.8 とすることがより好ましい。ただし、後述するランタノ
イド酸化物を含有させた場合には、MIIに占めるCaの
比率が高くても、例えばz=1であっても、分極に関し
て問題は生じない。
【0015】本発明により製造される圧電セラミックス
において、Qmaxをさらに向上させるためには、ランタ
ノイド酸化物を含有させることが好ましい。ランタノイ
ドは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuで
あり、これらのうちでは、La、Nd、Sm、Gd、D
y、Ho、ErおよびYbの少なくとも1種が好まし
く、Laが最も好ましい。ランタノイド(Ln)を含有
する場合、原子比Ln/(Ln+MII)は、 0<Ln/(Ln+MII)<0.5 であり、好ましくは 0.03≦Ln/(Ln+MII)≦0.3 である。Ln/(Ln+MII)が大きすぎると、Qmax
がかえって低くなってしまう。Ln酸化物の添加による
Qmaxの向上は、焼結性の向上によると考えられる。
【0016】また、Mn酸化物を含有させることによっ
てもQmaxを向上させることができる。特に、Mn酸化
物とLn酸化物とを複合添加することにより、Qmax
著しく向上させることができる。ただし、Mn酸化物の
含有量が多すぎると比抵抗が低くなって分極処理が困難
となることから、Mn酸化物の含有量はMnOに換算し
て好ましくは0.62質量%未満、より好ましくは0.
60質量%以下、さらに好ましくは0.43質量%以下
とする。一方、Mn酸化物の添加による効果を十分に発
揮させるためには、Mn酸化物はMnOに換算して0.
02質量%以上含有されることが好ましく、0.03質
量%以上含有される場合、特にQmax向上効果が高くな
る。
【0017】また、Co酸化物を含有させることによっ
てもQmaxを向上させることができる。Qmax向上効果を
十分に発揮させるためには、CoO換算の含有量を0.
1質量%以上とすることが好ましい。ただし、Co酸化
物の含有量が多すぎると、比抵抗が大きくなって分極が
難しくなる。そのため、CoO換算の含有量は、好まし
くは0.7質量%未満とし、より好ましくは0.5質量
%以下とする。
【0018】本発明により製造される圧電セラミックス
は、ビスマス層状化合物であるMIIBi4Ti415型結
晶を含み、実質的にこの結晶から構成されていることが
好ましいが、完全に均質でなくても、例えば異相を含ん
でいてもよい。この圧電セラミックス中において、Ln
はMIIBi4Ti415型結晶のMIIサイトを主に置換し
ていると考えられるが、一部が他のサイトを置換してい
てもよく、また、一部が結晶粒界に存在していてもよ
い。
【0019】本発明により製造される圧電セラミックス
の全体組成は、a≧0として、一般に(MII 1-aLna
Bi4Ti415とすればよく、また、Mn酸化物やCo
酸化物を含有する場合には、これにMnOやCoOが付
加されたものとすればよいが、これらから偏倚していて
もよい。例えば、Tiに対するMII+Lnの比率や、T
iに対するBiの比率が、化学量論組成から±5%程度
ずれていてもよい。例えば、Tiに対するBiの比率を
より高くすることで、Qmaxをより高くすることが可能
である。また、酸素量も、金属元素の価数や酸素欠陥な
どに応じて変化し得る。
【0020】また、本発明により製造される圧電セラミ
ックスには、不純物ないし微量添加物としてPb酸化
物、Cr酸化物、Fe酸化物等が含有されていてもよい
が、これらの酸化物の含有量は、PbO、Cr23、F
23などの化学量論組成の酸化物に換算してそれぞれ
全体の0.5質量%以下であることが好ましく、これら
の酸化物の合計でも0.5質量%以下であることがより
好ましい。これらの酸化物の含有量が多すぎると、圧電
特性が損なわれることがある。なお、圧電セラミックス
中にはPbが含まれないことが最も好ましいが、上記程
度の含有量であれば実質的に問題はない。
【0021】本発明により製造される圧電セラミックス
の結晶粒は、紡錘状ないし針状である。その平均結晶粒
径は特に限定されないが、長軸方向において、好ましく
は1〜10μm、より好ましくは3〜5μmである。
【0022】上記組成の圧電セラミックスのキュリー点
は、少なくとも380℃以上とすることができ、430
℃以上とすることも容易である。
【0023】本発明により製造される圧電セラミックス
は、レゾネータ、高温用センサ等に好適である。使用モ
ードは特に限定されず、例えば厚み縦振動や厚みすべり
振動等のいずれのモードも利用可能である。
【0024】製造方法 次に、本発明の製造方法を説明する。
【0025】まず、出発原料として、酸化物、または、
焼成により酸化物に変わりうる化合物、例えば、炭酸
塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等、具体的にはMII
CO3、Bi23、TiO2、La23、MnO2、Mn
CO3等の粉末を用意し、これらをボールミル等により
湿式混合する。
【0026】次いで仮焼する。なお、通常、仮焼前に仮
成形する。仮焼温度は、好ましくは700〜1000
℃、より好ましくは750〜850℃である。仮焼温度
が低すぎると、化学反応が十分に終了せず、仮焼が不十
分となる。一方、仮焼温度が高すぎると、仮成形体が焼
結し始めるため、その後の粉砕が困難となる。仮焼時間
は特に限定されないが、通常、1〜3時間とすることが
好ましい。仮焼は空気中で行ってもよく、空気中よりも
酸素分圧の低い雰囲気や高い雰囲気、あるいは純酸素雰
囲気中で行ってもよい。
【0027】得られた仮焼物をスラリー化し、ボールミ
ル等を用いて湿式粉砕する。この粉砕により得られる粉
末の平均粒径は特に限定されないが、その後の成形のし
やすさを考慮すると、1〜5μm程度とすることが好ま
しい。
【0028】湿式粉砕後、仮焼物の粉末を乾燥し、乾燥
物に水を少量(4〜8質量%程度)添加した後、100
〜400MPa程度の圧力でプレス成形して、成形体を得
る。この際、ポリビニルアルコール等のバインダを添加
してもよい。
【0029】次いで、成形体を焼成し、圧電セラミック
スを得る。焼成温度は好ましくは1100〜1250℃
の範囲から選択し、焼成時間は好ましくは1〜5時間程
度とする。焼成は空気中で行ってもよく、空気中よりも
酸素分圧の低い雰囲気や高い雰囲気、あるいは純酸素雰
囲気中で行ってもよい。
【0030】焼成後、酸素を含有する雰囲気中で熱処理
を施す。
【0031】熱処理温度は、620℃以上、好ましくは
750℃以上である。熱処理温度が低すぎると、比抵抗
が十分に低くならない。熱処理温度の上限は、処理対象
の圧電セラミックスが溶融しない温度、好ましくは加熱
による変形が生じない温度であり、圧電セラミックスの
組成によっても異なるが、通常、1100℃以下、好ま
しくは1000℃以下で熱処理を施せばよい。
【0032】熱処理時の昇降温パターンは特に限定され
ず、最高温度付近で一定温度(安定温度)に保つパター
ンとしてもよく、昇温過程と降温過程とからなるパター
ンとしてもよい。熱処理時間、すなわち安定時間(安定
温度に保つ時間)または上記温度域内に保つ時間は、好
ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜5時間
である。熱処理時間が短すぎると、比抵抗低減効果が不
十分となりやすい。一方、熱処理時間を長くしても、比
抵抗低減効果は顕著には向上せず、生産性が低くなる。
【0033】熱処理雰囲気中の酸素濃度は、好ましくは
5〜100%、より好ましくは12〜100%、さらに
好ましくは、空気中の酸素濃度を超える21%以上であ
り、特に好ましくは60%以上である。この酸素濃度が
低すぎると、比抵抗が十分に低くならない。
【0034】熱処理後、分極処理を施す。分極処理の条
件は、圧電セラミックスの組成に応じて適宜決定すれば
よいが、通常、分極温度は150〜250℃、分極時間
は1〜30分間、分極電界は抗電界の1.1倍以上とす
ればよい。
【0035】
【実施例】以下の手順で、表1に示す圧電セラミックス
サンプルを作製した。
【0036】出発原料として、SrCO3、Bi23
TiO2、La23、MnCO3の各粉末を、最終組成が
(Sr0.9La0.1)Bi4Ti415+MnO(0.31
質量%)となるように配合し、純水中でジルコニアボー
ルを利用したボールミルにより16時間湿式混合した。
【0037】次いで、混合物を十分に乾燥し、プレス成
形した後、800℃で2時間仮焼した。得られた仮焼物
をボールミルで粉砕した後、乾燥し、バインダ(ポリビ
ニルアルコール)を加えて造粒した。得られた造粒粉を
一軸プレス成形機を用いて294MPaの荷重を加え、厚
さ約1.5mmの薄板状に成形した。得られた成形体に熱
処理を施してバインダを揮発させた後、1200℃で4
時間焼成した。得られた焼結体を厚さ500μmとなる
までラップ研磨し、さらに、平面寸法が15mm×15mm
となるように切断した。
【0038】次に、表1に示す条件で焼結体に熱処理を
施した。表1に示す熱処理温度は安定温度である。熱処
理時間(安定時間)は1時間とした。なお、酸素以外の
雰囲気ガスは窒素である。比較のために、熱処理を施さ
ない焼結体も用意した。
【0039】熱処理後、焼結体の両面にCu電極を蒸着
により形成し、比抵抗を測定した。上記焼結体の室温に
おける比抵抗は1012Ωcm程度であるため、測定の際に
電流がほとんど流れず、測定精度が低くなる。そのため
本実施例では、250℃のシリコーンオイルバス中で比
抵抗を測定した。
【0040】次いで、250℃のシリコーンオイルバス
中において、焼結体に1.1×EC(MV/m)以上の電界
を1分間印加して分極処理を施し、圧電セラミックスサ
ンプルを得た。なお、上記ECは、250℃における各
焼結体の抗電界である。
【0041】次いで、Cu電極を除去した後、各サンプ
ルをラップ研磨して厚さ435μmの薄板を得た。この
薄板の両面にAg電極を蒸着により形成し、ヒューレッ
トパッカード社製インピーダンスアナライザHP419
4Aによる測定を行い、共振反共振法を利用して厚み縦
方向電気機械結合係数(kt)を求めた。なお、ktは下
記式により算出した。
【0042】
【数1】
【0043】次いで、各サンプルに対し、−40〜85
℃の雰囲気に交互にそれぞれ100回ずつ曝す熱衝撃試
験を行った。この熱衝撃試験後に、再び電気機械結合係
数(kt)を測定した。
【0044】熱衝撃試験前の電気機械結合係数をkt0
熱衝撃試験後の電気機械結合係数をkt1とし、その変化
率△ktを △kt=(kt1−kt0)/kt0 により求めた。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から本発明の効果が明らかである。す
なわち、本発明で限定する熱処理を施すことにより比抵
抗が減少し、その結果、△ktの絶対値が低く抑えられ
ている。
【0047】なお、各サンプルにおいて、キュリー点は
510℃であり、厚み縦振動の3次高調波モードでのQ
maxは10であった。また、熱処理および熱衝撃試験に
よってキュリー点およびQmaxは変化しなかった。ま
た、各サンプルを粉末X線回折法により解析したとこ
ろ、SrBi4Ti415型結晶の単一相となっているこ
とが確認された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MII(MIIはSr、BaおよびCaから
    選択される元素)、Bi、TiならびにOを含有するビ
    スマス層状化合物であって、MIIBi4Ti415型結晶
    を含む圧電セラミックスに対し、 酸素を含有する雰囲気中において620℃以上かつ溶融
    温度未満で熱処理を施す熱処理工程を有する圧電セラミ
    ックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理工程における雰囲気中の酸素
    濃度が5〜100%である請求項1の圧電セラミックス
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 MII中の原子比をSrxBayCazで表
    したとき、 x+y+z=1、 0≦x≦1、 0≦y≦0.9、 0≦z≦1 である圧電セラミックスが製造される請求項1または2
    の圧電セラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 ランタノイド酸化物を含有し、ランタノ
    イドをLnで表したとき、原子比Ln/(Ln+MII
    が 0<Ln/(Ln+MII)<0.5 である圧電セラミックスが製造される請求項1〜3のい
    ずれかの圧電セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 Mn酸化物を含有する圧電セラミックス
    が製造される請求項1〜4のいずれかの圧電セラミック
    スの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006100598A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Tdk Corp 積層型圧電素子の製造方法及び酸素供給方法
CN106946563A (zh) * 2017-04-20 2017-07-14 成都新柯力化工科技有限公司 一种低成本无铅压电陶瓷及制备方法

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