JP2001294486A - 圧電セラミックス - Google Patents

圧電セラミックス

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JP2001294486A
JP2001294486A JP2000110644A JP2000110644A JP2001294486A JP 2001294486 A JP2001294486 A JP 2001294486A JP 2000110644 A JP2000110644 A JP 2000110644A JP 2000110644 A JP2000110644 A JP 2000110644A JP 2001294486 A JP2001294486 A JP 2001294486A
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piezoelectric ceramic
piezoelectric
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coupling coefficient
lead
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Gakuo Tsukada
岳夫 塚田
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を含まず、十分に高いキュリー点をもち、
しかも、優れた圧電特性、特に、大きな電気機械結合係
数を有する圧電セラミックスを提供する。 【解決手段】 Sr、La、BiおよびNbを含有する
ビスマス層状化合物であり、SrBi2Nb29型結晶
を含み、原子比La/(Sr+La)が 0<La/(Sr+La)≦0.18 である圧電セラミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レゾネータ、高温
用圧力センサ等の分野に幅広く応用可能な圧電セラミッ
クスに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電体は、外部から応力を受けることに
よって電気分極が変化する圧電効果と、電界を印加する
ことにより歪みを発生する逆圧電効果とを有する材料で
ある。圧電体は、センサ、レゾネータ、アクチュエータ
などに応用されている。
【0003】現在実用化されている圧電材料の大部分
は、正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO3
−PbTiO3固溶体)系や、正方晶系のPT(PbT
iO3)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体
が一般的である。そして、これらに様々な副成分を添加
することにより、様々な要求特性への対応がはかられて
いる。
【0004】しかし、PZT系やPT系の圧電材料は、
実用的な組成ではキュリー点が200〜300℃程度の
ものが多く、それ以上の温度では常誘電体となり圧電性
が消失してしまうため、高温で使用される用途には適用
しにくい。また、これら鉛系圧電材料は、低温でも揮発
性の極めて高い酸化鉛(PbO)を多量(60〜70質
量%程度)に含んでいるため、生態学的な見地および公
害防止の面からも好ましくない。具体的には、これら鉛
系圧電材料をセラミックスや単結晶として製造する際に
は、焼成、溶融等の熱処理が不可避であり、工業レベル
で考えた場合、揮発性成分である酸化鉛の大気中への揮
発、拡散量は極めて多量となる。また、製造段階で放出
される酸化鉛は回収可能であるが、工業製品として市場
に出された圧電材料に含有される酸化鉛は、現状ではそ
の殆どが回収不能であり、これらが広く環境中に放出さ
れた場合、公害の原因となることは避けられない。
【0005】鉛を全く含有しない圧電材料としては、例
えば、正方晶系に属するペロブスカイト構造のBaTi
3がよく知られているが、これはキュリー点が120
℃と低いため、実用的ではない。
【0006】キュリー点が比較的高い圧電材料として
は、例えばビスマス層状化合物が知られている。しか
し、鉛を全く含有しないビスマス層状化合物は、電気機
械結合係数が小さいため、広く実用に供されるには至っ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉛を
含まず、十分に高いキュリー点をもち、しかも、優れた
圧電特性、特に、大きな電気機械結合係数を有する圧電
セラミックスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
の本発明により達成される。 (1) Sr、La、BiおよびNbを含有するビスマ
ス層状化合物であり、SrBi2Nb29型結晶を含
み、原子比La/(Sr+La)が 0<La/(Sr+La)≦0.18 である圧電セラミックス。
【0009】なお、昭和51年3月に電子材料工業会か
ら発行された「圧電セラミック材料の動向調査報告書」
第17ページの表4には、SrBi2Nb29が記載さ
れている。しかし、これにLaを添加することは記載さ
れていない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の圧電セラミックスは、S
r、La、BiおよびNbを含有する複合酸化物であ
る。本発明の圧電セラミックス中において、原子比La
/(Sr+La)は、 0<La/(Sr+La)≦0.18 である。Laが含まれないと、電気機械結合係数を大き
くすることができない。一方、Laの比率が高すぎて
も、電気機械結合係数は低くなってしまう。電気機械結
合係数を十分に大きくするためには、 0.02≦La/(Sr+La)≦0.15 とすることが好ましく、特に、 0.05≦La/(Sr+La)≦0.15 とすることが好ましい。このように本発明では、La量
を適切な値とすることにより、電気機械結合係数を向上
させることができる。
【0011】本発明の圧電セラミックスは、ビスマス層
状化合物であるSrBi2Nb29型結晶を含み、実質
的にこの結晶から構成されていることが好ましいが、完
全に均質でなくても、例えば異相を含んでいてもよい。
この圧電セラミックス中において、LaはSrBi2
29型結晶のSrサイトを主に置換していると考えら
れるが、一部が他のサイトを置換していてもよく、ま
た、一部が結晶粒界に存在していてもよい。
【0012】本発明の圧電セラミックスの全体組成は、
一般に(Sr1-xLax)Bi2Nb29とすればよい
が、これから偏倚していてもよい。例えば、Nbに対す
るSr+Laの比率や、Nbに対するBiの比率が、化
学量論組成から±5%程度ずれていてもよい。また、酸
素量も、金属元素の価数や酸素欠陥などに応じて変化し
得る。
【0013】また、本発明の圧電セラミックスには、不
純物ないし微量添加物として例えばPbなどの他の元素
が含有されていてもよいが、これらの合計含有量は、P
bOなどの酸化物に換算して全体の0.5質量%以下で
あることが好ましい。これらの元素の含有量が多すぎる
と、本発明の効果を損なうことがある。なお、本発明の
圧電セラミックスにはPbが含まれないことが最も好ま
しいが、上記程度の含有量であれば実質的に問題はな
い。
【0014】本発明の圧電セラミックスの結晶粒は、紡
錘状ないし針状である。その平均結晶粒径は特に限定さ
れないが、長軸方向において、好ましくは1〜10μ
m、より好ましくは3〜5μmである。結晶粒径が大きす
ぎる場合、焼結密度が低くなっており、十分に大きな電
気機械結合係数が得られにくい。一方、結晶粒径が小さ
すぎる場合、焼結が不十分であり、同様に焼結密度が低
くなっている。
【0015】本発明では、圧電セラミックスの電気機械
結合係数を、17%以上とすることができ、20%以上
とすることも容易である。
【0016】本発明の圧電セラミックスは、レゾネー
タ、高温用センサ等に好適である。使用モードは特に限
定されず、例えば厚み縦振動や厚みすべり振動等のいず
れのモードも利用可能である。
【0017】次に、本発明の圧電セラミックスを製造す
る方法の一例を説明する。
【0018】まず、出発原料として、酸化物、または、
焼成により酸化物に変わりうる化合物、例えば、炭酸
塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等、具体的にはSr
CO3、La23、La(OH)3、Bi23、Nb25
等の粉末を用意し、これらをボールミル等により湿式混
合する。
【0019】次いで、800〜1000℃程度で1〜3
時間程度仮焼し、得られた仮焼物をスラリー化し、ボー
ルミル等を用いて湿式粉砕する。
【0020】湿式粉砕後、仮焼物の粉末を乾燥し、乾燥
物に水を少量(4〜8質量%程度)添加し、100〜4
00MPa程度の圧力でプレス成形して、成形体を得る。
この際、ポリビニルアルコール等のバインダを添加して
もよい。
【0021】次いで、成形体を焼成し、圧電セラミック
スを得る。焼成温度は、好ましくは1100〜1300
℃の範囲から選択し、焼成時間は、好ましくは1〜5時
間程度とする。焼成は大気中で行ってもよく、大気中よ
りも酸素分圧の低い雰囲気や高い雰囲気、あるいは純酸
素雰囲気中で行ってもよい。
【0022】
【実施例】以下の手順で、表1に示す圧電セラミックス
サンプルを作製した。
【0023】出発原料として、SrCO3、La23
Bi23、Nb25の粉末を、最終組成が(Sr1-x
x)Bi2Nb29となるように配合し、純水中でジル
コニアボールを利用したボールミルにより10時間湿式
混合した。各サンプルにおけるxの値を表1に示す。
【0024】次いで、混合物を十分に乾燥し、プレス成
形した後、800〜900℃で2時間仮焼した。得られ
た仮焼物をボールミルで粉砕した後、乾燥し、バインダ
(ポリビニルアルコール)を加えて造粒した。得られた
造粒粉を一軸プレス成形機を用いて200〜300MPa
の圧力を加え、平面寸法20mm×20mm、厚さ約20mm
の柱状に成形した。得られた成形体に熱処理を施してバ
インダを揮発させた後、1100〜1300℃で2〜4
時間焼成した。得られた焼結体を切断し、さらに厚さ約
0.3mmとなるまで研磨して薄板状とした。その後、両
面の全面に銀電極を塗布し、焼き付けた。次いで、15
0〜250℃のシリコーンオイルバス中で7〜10MV/m
の電界を1〜30分間印加して分極処理を施し、特性測
定用サンプルとした。
【0025】各サンプルについて、ヒューレットパッカ
ード社製LCRメータHP4394Aと電気炉を用いて
キュリー点の測定および容量の測定を行い、容量から誘
電率を算出した。また、ヒューレットパッカード社製イ
ンピーダンスアナライザHP4194Aによる測定を行
い、共振反共振法を利用して厚み縦方向電気機械結合係
数(kt)を求めた。なお、ktは下記式により算出し
た。これらの結果を表1に示す。
【0026】
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】表1から、SrBi2Nb29において、
Srの一部をLaで置換することにより、電気機械結合
係数が向上することがわかる。また、Laの置換量が本
発明で限定する範囲内であれば、十分に高いキュリー点
が得られることがわかる。
【0029】サンプルNo.1(比較例)およびサンプルN
o.4について、断面の走査型電子顕微鏡写真を図1およ
び図2にそれぞれ示す。これらの図から、La添加によ
り空孔が減少し、焼結体が緻密化していることがわか
る。なお、これらの写真において空孔は、黒い斑点とし
て存在している。これらのサンプルについての、拡大率
のより高い走査型電子顕微鏡写真から、結晶粒が紡錘状
ないし針状であることが確認できた。
【0030】図3に、(Sr1-xLax)Bi2Nb29
においてxを変化させたときの粉末X線回折の解析結果
を示す。同図には、ピーク同定結果も示してある。図3
から、SrをLaで置換しても、SrBi2Nb29
結晶の単一相である焼結体が得られることがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、鉛を含まず、かつ、十
分に高いキュリー点をもち、かつ、優れた圧電特性、特
に、大きな電気機械結合係数を有する圧電セラミックス
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子構造を示す図面代用写真であって、比較サ
ンプル断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
サンプル断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】(Sr1-xLax)Bi2Nb29においてxを
変化させたときの粉末X線回折の解析結果を示すチャー
トである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sr、La、BiおよびNbを含有する
    ビスマス層状化合物であり、SrBi2Nb29型結晶
    を含み、原子比La/(Sr+La)が 0<La/(Sr+La)≦0.18 である圧電セラミックス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6764609B2 (en) 2001-10-11 2004-07-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric element using the same
JP2007261847A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Asahi Glass Co Ltd ニオブ酸ビスマス系微粒子の製造方法
KR100924107B1 (ko) 2008-02-18 2009-10-29 창원대학교 산학협력단 비스무스(Bi)계에 3가 양이온이 첨가된 무연세라믹스의 조성물 및 그 제조방법

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