JP2833398B2 - キャスト塗工紙 - Google Patents
キャスト塗工紙Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャスト塗工紙に関す
る。更に詳しく述べれば、本発明は、従来からキャスト
塗工に必須成分として使用されていたカゼインを含有さ
せなくても、キャスト塗工面の光沢度が優れ、しかもそ
の製造の際にキャストドラムからの離型性が良く、カゼ
イン臭の無い、リン化合物を含まないキャスト塗工紙に
関する。
る。更に詳しく述べれば、本発明は、従来からキャスト
塗工に必須成分として使用されていたカゼインを含有さ
せなくても、キャスト塗工面の光沢度が優れ、しかもそ
の製造の際にキャストドラムからの離型性が良く、カゼ
イン臭の無い、リン化合物を含まないキャスト塗工紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗工紙と呼ばれる強光沢塗工紙
の製造方法としては、主成分が顔料、水性接着剤及び助
剤からなる塗工液を原紙の表面に塗工後、直ちに加熱さ
れた鏡面仕上げされているドラムの表面に接触させなが
ら乾燥する直接法(例えば特公昭38-25160号公報参
照)、主成分が顔料、水性接着剤及び助剤からなる塗工
液を原紙表面に塗工して乾燥後、塗工層を湿潤剤溶液に
より再湿潤して可塑化し、その後加熱された鏡面仕上げ
されているドラムの表面に接触させながら乾燥する再湿
法(例えば特公昭32-7604号公報参照)、主成分が顔
料、水性接着剤及び助剤からなる塗工液を原紙表面に塗
工後、凝固液溶液と接触させて塗工層をゲル化させた
後、加熱された鏡面仕上げされているドラムの表面に接
触させながら乾燥する凝固法(例えば特公昭38-15751号
公報、特公昭40-7207号公報、特開昭47-7555号公報参
照)等が知られている。
の製造方法としては、主成分が顔料、水性接着剤及び助
剤からなる塗工液を原紙の表面に塗工後、直ちに加熱さ
れた鏡面仕上げされているドラムの表面に接触させなが
ら乾燥する直接法(例えば特公昭38-25160号公報参
照)、主成分が顔料、水性接着剤及び助剤からなる塗工
液を原紙表面に塗工して乾燥後、塗工層を湿潤剤溶液に
より再湿潤して可塑化し、その後加熱された鏡面仕上げ
されているドラムの表面に接触させながら乾燥する再湿
法(例えば特公昭32-7604号公報参照)、主成分が顔
料、水性接着剤及び助剤からなる塗工液を原紙表面に塗
工後、凝固液溶液と接触させて塗工層をゲル化させた
後、加熱された鏡面仕上げされているドラムの表面に接
触させながら乾燥する凝固法(例えば特公昭38-15751号
公報、特公昭40-7207号公報、特開昭47-7555号公報参
照)等が知られている。
【0003】これらのキャスト仕上げ方法は、いずれも
可塑状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げされてい
るドラムの表面に圧接し、乾燥し、離型させる点で共通
しているが、処理速度が速くでき、従って生産効率の良
いことから、とりわけ再湿法が好まれ広く実施されてい
る。
可塑状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げされてい
るドラムの表面に圧接し、乾燥し、離型させる点で共通
しているが、処理速度が速くでき、従って生産効率の良
いことから、とりわけ再湿法が好まれ広く実施されてい
る。
【0004】又、キャスト塗工紙用の塗工液中の接着剤
は、キャスト塗工法が開発された初期においては殆ど例
外なく各種の澱粉類、カゼインその他の蛋白類等の天然
接着剤であったが、その後実際には何らかの形でカゼイ
ンしか使用されていなかった。
は、キャスト塗工法が開発された初期においては殆ど例
外なく各種の澱粉類、カゼインその他の蛋白類等の天然
接着剤であったが、その後実際には何らかの形でカゼイ
ンしか使用されていなかった。
【0005】近年、スチレン−ブタジエンラテックスが
工業化されると、前記3つのキャスト仕上げ方法のいず
れにおいてもカゼインとラテックスの併用が行われるよ
うになった。
工業化されると、前記3つのキャスト仕上げ方法のいず
れにおいてもカゼインとラテックスの併用が行われるよ
うになった。
【0006】いずれのキャスト仕上げ方法にも共通して
使用されるカゼインは、蛋白質のうち、特にリン蛋白質
に属するものであって、塩膠化や熱によって容易に可変
性ゲルとなるため、乾燥後鏡面仕上げされているドラム
表面からキャスト塗工紙を離型させる際の離型性を良好
にするものである。このような理由から今日までカゼイ
ンがキャスト塗工紙のための必須成分として使用されて
きたものと考えられる。
使用されるカゼインは、蛋白質のうち、特にリン蛋白質
に属するものであって、塩膠化や熱によって容易に可変
性ゲルとなるため、乾燥後鏡面仕上げされているドラム
表面からキャスト塗工紙を離型させる際の離型性を良好
にするものである。このような理由から今日までカゼイ
ンがキャスト塗工紙のための必須成分として使用されて
きたものと考えられる。
【0007】水性ウレタン樹脂をキャスト塗工紙に用い
ることは特開平3-167386号公報に開示されている。しか
しながら、この公報にはその実施例に示されるとおり水
性ウレタン樹脂とともにカゼインを併用することが開示
されている。
ることは特開平3-167386号公報に開示されている。しか
しながら、この公報にはその実施例に示されるとおり水
性ウレタン樹脂とともにカゼインを併用することが開示
されている。
【0008】又、特開平3-252473号公報には水性ウレタ
ン樹脂を使用し、カゼインのような水溶性高分子を使用
しない塗料組成物及びこれを塗工して得られる強光沢紙
が開示されているが、使用する顔料について空隙量の概
念は全く触れられていない。又、この公報では、その実
施例に示されているとおり消泡剤として燐酸トリブチル
を用いているが、リン成分がキャスト塗工紙に含有され
ていると、後述するように、印刷に際して独特の臭気が
発生し、臭気を燃焼によって処理する際に使用する触媒
を傷めてしまうという欠点がある。
ン樹脂を使用し、カゼインのような水溶性高分子を使用
しない塗料組成物及びこれを塗工して得られる強光沢紙
が開示されているが、使用する顔料について空隙量の概
念は全く触れられていない。又、この公報では、その実
施例に示されているとおり消泡剤として燐酸トリブチル
を用いているが、リン成分がキャスト塗工紙に含有され
ていると、後述するように、印刷に際して独特の臭気が
発生し、臭気を燃焼によって処理する際に使用する触媒
を傷めてしまうという欠点がある。
【0009】現在、キャスト塗工紙のための塗工液の成
分として使用されているカゼインは天然接着剤であるた
め供給や価格の面で不安定であるだけでなく、動物性蛋
白質であるため特有の臭気が発生する。特に塗工液を製
造する時のカゼインの腐敗による臭気やオフセット輪転
印刷のような高速印刷の場合にインキの乾燥を行うため
200〜300℃のドライヤー内を通過させて加熱処理を施す
ときの臭気が公害となり問題となっている。
分として使用されているカゼインは天然接着剤であるた
め供給や価格の面で不安定であるだけでなく、動物性蛋
白質であるため特有の臭気が発生する。特に塗工液を製
造する時のカゼインの腐敗による臭気やオフセット輪転
印刷のような高速印刷の場合にインキの乾燥を行うため
200〜300℃のドライヤー内を通過させて加熱処理を施す
ときの臭気が公害となり問題となっている。
【0010】このためカゼインを含有するキャスト塗工
紙を用いてオフセット輪転印刷を行う場合、インキを乾
燥するためのドライヤー内の排気ガスをアフターバーナ
ーによって燃焼し、脱臭処理を行っている。しかしなが
ら、燃焼による脱臭処理に必要となる白金触媒は1g当り
1500円前後と高価である上、カゼイン中に含まれるリン
成分により劣化し易いため触媒の寿命がリン成分を含有
しない場合に比べて1/5以下となってしまい、経済的に
も大きな負担となっている。
紙を用いてオフセット輪転印刷を行う場合、インキを乾
燥するためのドライヤー内の排気ガスをアフターバーナ
ーによって燃焼し、脱臭処理を行っている。しかしなが
ら、燃焼による脱臭処理に必要となる白金触媒は1g当り
1500円前後と高価である上、カゼイン中に含まれるリン
成分により劣化し易いため触媒の寿命がリン成分を含有
しない場合に比べて1/5以下となってしまい、経済的に
も大きな負担となっている。
【0011】このためカゼインを使用せず、且つリン成
分を含まないキャスト塗工紙の開発が強く望まれている
が、カゼイン以外の接着剤をどのように組合わせても、
カゼインを使用した場合に匹敵する光沢度を有する優れ
たキャスト塗工面がこれまで得られていないのが現状で
ある。
分を含まないキャスト塗工紙の開発が強く望まれている
が、カゼイン以外の接着剤をどのように組合わせても、
カゼインを使用した場合に匹敵する光沢度を有する優れ
たキャスト塗工面がこれまで得られていないのが現状で
ある。
【0012】本発明者等は、かかる現状に鑑みキャスト
塗工紙を得るための顔料及び接着剤の組合せについて鋭
意研究した結果、特定な空隙率を有する顔料と水性ウレ
タン樹脂を併用することによりカゼイン及びリン成分を
含有する助剤を一切用いなくても、キャスト塗工面の光
沢度が顕著に優れ、製造に際し鏡面仕上げされているド
ラム表面からのキャスト塗工紙の離型性が良く、臭気の
無いキャスト塗工紙が得られることを見出し本発明を完
成させるに至った。
塗工紙を得るための顔料及び接着剤の組合せについて鋭
意研究した結果、特定な空隙率を有する顔料と水性ウレ
タン樹脂を併用することによりカゼイン及びリン成分を
含有する助剤を一切用いなくても、キャスト塗工面の光
沢度が顕著に優れ、製造に際し鏡面仕上げされているド
ラム表面からのキャスト塗工紙の離型性が良く、臭気の
無いキャスト塗工紙が得られることを見出し本発明を完
成させるに至った。
【0013】従って本発明の目的は、前記した如き従来
技術の欠点を解消し、カゼイン及びリン成分を含有する
助剤を全く使用しないために塗工紙を使用する際に臭気
等の有害成分の発生が無く、キャスト塗工面の光沢度が
顕著に優れ、塗工紙を製造する際にも鏡面仕上げされて
いるドラム表面からの離型性が良好で、前記ドラム表面
の汚れも減少するキャスト塗工紙を提供することであ
る。
技術の欠点を解消し、カゼイン及びリン成分を含有する
助剤を全く使用しないために塗工紙を使用する際に臭気
等の有害成分の発生が無く、キャスト塗工面の光沢度が
顕著に優れ、塗工紙を製造する際にも鏡面仕上げされて
いるドラム表面からの離型性が良好で、前記ドラム表面
の汚れも減少するキャスト塗工紙を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、主成分として
顔料、水性接着剤及び離型剤からなり、且つカゼインを
含まない塗工組成物を塗工してなるキャスト塗工紙にお
いて、空隙量が1.0〜2.6ml/gである顔料の含有率が塗工
組成物の固形分重量当り3〜20%であり、且つ水性ウレ
タン樹脂の含有率が塗工組成物の固形分重量当り1〜30
%の塗工組成物を塗工してなることを特徴とするキャス
ト塗工紙である。
顔料、水性接着剤及び離型剤からなり、且つカゼインを
含まない塗工組成物を塗工してなるキャスト塗工紙にお
いて、空隙量が1.0〜2.6ml/gである顔料の含有率が塗工
組成物の固形分重量当り3〜20%であり、且つ水性ウレ
タン樹脂の含有率が塗工組成物の固形分重量当り1〜30
%の塗工組成物を塗工してなることを特徴とするキャス
ト塗工紙である。
【0015】本発明のキャスト塗工紙は、紙基材(本明
細書中では、原紙及び該原紙上に顔料や接着剤を主成分
とする下塗り層を設けた基紙等を総称して紙基材と称
す)の上に塗工液組成物を塗布してキャスト塗工層を形
成した後、公知の直接法、再湿法、凝固法のいずれか、
好ましくは再湿法によって製造される。
細書中では、原紙及び該原紙上に顔料や接着剤を主成分
とする下塗り層を設けた基紙等を総称して紙基材と称
す)の上に塗工液組成物を塗布してキャスト塗工層を形
成した後、公知の直接法、再湿法、凝固法のいずれか、
好ましくは再湿法によって製造される。
【0016】本発明のキャスト塗工紙は、空隙量が1.0
〜2.6ml/gの顔料を使用するが、ここでいう空隙量と
は、ポロシティとも称し、いわゆる水銀圧入法を原理と
したPorosimeter 2000 Series(CARLO ERBA製)により測
定したものである。ちなみに、測定対象となる顔料の空
隙径は6nmから6μm程度の範囲のものとされている。
〜2.6ml/gの顔料を使用するが、ここでいう空隙量と
は、ポロシティとも称し、いわゆる水銀圧入法を原理と
したPorosimeter 2000 Series(CARLO ERBA製)により測
定したものである。ちなみに、測定対象となる顔料の空
隙径は6nmから6μm程度の範囲のものとされている。
【0017】本発明のための空隙量が1.0〜2.6ml/gの範
囲の顔料は、塗工固形分重量当り3〜20%、好ましくは5
〜15%含有される。
囲の顔料は、塗工固形分重量当り3〜20%、好ましくは5
〜15%含有される。
【0018】前記顔料の含有率が3%未満の時は、キャ
スト塗工面の光沢度が十分得られず、ドラム表面からの
キャスト塗工面の離型性及びドラム表面の汚れが劣り、
逆に含有率が20%を超える時にもキャスト塗工面の光沢
度が劣り、ドラム表面の汚れも劣るので適さない。
スト塗工面の光沢度が十分得られず、ドラム表面からの
キャスト塗工面の離型性及びドラム表面の汚れが劣り、
逆に含有率が20%を超える時にもキャスト塗工面の光沢
度が劣り、ドラム表面の汚れも劣るので適さない。
【0019】又、前記した如く、本発明のための顔料の
空隙量は1.0〜2.6ml/g 、好ましくは1.2〜2.3ml/gのも
のが用いられる。
空隙量は1.0〜2.6ml/g 、好ましくは1.2〜2.3ml/gのも
のが用いられる。
【0020】顔料の空隙量が1.0ml/g未満では、キャス
ト塗工紙の塗工面の光沢度とドラム面からの離型性及び
ドラム表面の汚れを良くする効果が十分でなく、逆に空
隙量が2.6ml/gを超える場合は塗工液の流動性が悪くな
り易く、塗工しづらくなり、塗工面が不均一になるとい
う欠点を有する。
ト塗工紙の塗工面の光沢度とドラム面からの離型性及び
ドラム表面の汚れを良くする効果が十分でなく、逆に空
隙量が2.6ml/gを超える場合は塗工液の流動性が悪くな
り易く、塗工しづらくなり、塗工面が不均一になるとい
う欠点を有する。
【0021】一方本発明のキャスト塗工紙の製造におい
ては、接着剤としてウレタン樹脂のうち特に水性ウレタ
ン樹脂が使用される。ウレタン樹脂は、分子中にウレタ
ン結合(−OOCHN−)を持つポリマーであり、一般
に2個以上のOH基を持つ飽和ポリオール(HO−PE
−OH)とポリシアネート(OCN−Ar−NCO)の
反応によって生成される。
ては、接着剤としてウレタン樹脂のうち特に水性ウレタ
ン樹脂が使用される。ウレタン樹脂は、分子中にウレタ
ン結合(−OOCHN−)を持つポリマーであり、一般
に2個以上のOH基を持つ飽和ポリオール(HO−PE
−OH)とポリシアネート(OCN−Ar−NCO)の
反応によって生成される。
【0022】特に、水性ウレタン樹脂に使用されるポリ
オールとしては、一般的にジオール或いはトリオールが
使用される。ジオールの例としてネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサジオール等の通
常のグリコールの他に、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
に代表されるポリエーテルグリコール、更にポリエステ
ルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。又、
N−メチルジエタノールアミンのような三級アミンを有
するジオールや、ジメチロールプロピオニックアシッド
のようなカルボキシル基を有するジオール等も挙げられ
る。
オールとしては、一般的にジオール或いはトリオールが
使用される。ジオールの例としてネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサジオール等の通
常のグリコールの他に、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
に代表されるポリエーテルグリコール、更にポリエステ
ルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。又、
N−メチルジエタノールアミンのような三級アミンを有
するジオールや、ジメチロールプロピオニックアシッド
のようなカルボキシル基を有するジオール等も挙げられ
る。
【0023】又、水性ウレタン樹脂に使用されるイソシ
アネートは、トルエンジイソシアネート、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、4,4'−シクロヘキシルイソシアネート、メチ
ルシクロヘキサン−2,4(2,6)−ジイソシアネート、1,3
−シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジ
イソシアネート等が挙げられる。
アネートは、トルエンジイソシアネート、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、4,4'−シクロヘキシルイソシアネート、メチ
ルシクロヘキサン−2,4(2,6)−ジイソシアネート、1,3
−シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジ
イソシアネート等が挙げられる。
【0024】更に、特開平3−167386号公報に示されて
いるように、トリエチルアミン、ジメチルエタノールア
ミン等の如きアミン類を用いて高分子化したり、或い
は、メチル化メラミン樹脂のような水溶性アミノ樹脂、
アジリジン、エポキシ樹脂、亜鉛錯体等を使用して架橋
して得られた水性ポリウレタン樹脂を使用することもで
きる。
いるように、トリエチルアミン、ジメチルエタノールア
ミン等の如きアミン類を用いて高分子化したり、或い
は、メチル化メラミン樹脂のような水溶性アミノ樹脂、
アジリジン、エポキシ樹脂、亜鉛錯体等を使用して架橋
して得られた水性ポリウレタン樹脂を使用することもで
きる。
【0025】このようにして得られた水性ウレタン樹脂
は、水溶性の状態或いはエマルジョン乃至コロイダルデ
ィスパージョンの状態で使用される。
は、水溶性の状態或いはエマルジョン乃至コロイダルデ
ィスパージョンの状態で使用される。
【0026】本発明のキャスト塗工紙における水性ウレ
タン樹脂の含有率は、塗工液の固形分量当り1〜30%、
好ましくは3〜20%である。水性ウレタン樹脂の含有率
が1%未満の時は得られたキャスト塗工紙の鏡面仕上げ
した塗工面の十分な光沢度が得られず、逆に30%を超え
る時は前記塗工面の光沢度が或る程度の水準以上に向上
せず、コスト高になるだけなので好ましくない。
タン樹脂の含有率は、塗工液の固形分量当り1〜30%、
好ましくは3〜20%である。水性ウレタン樹脂の含有率
が1%未満の時は得られたキャスト塗工紙の鏡面仕上げ
した塗工面の十分な光沢度が得られず、逆に30%を超え
る時は前記塗工面の光沢度が或る程度の水準以上に向上
せず、コスト高になるだけなので好ましくない。
【0027】本発明のキャスト塗工紙において効果が発
現する作用機構は特に明らかでないが、次のように考え
られる。カゼインは、塩膠化や熱によって容易に可変性
のゲルとなるため塗膜の乾燥後、鏡面仕上げしたドラム
表面から塗工紙が離型する時の離型性を良くしたり前記
塗工面の光沢度を良くしたりする効果がある。
現する作用機構は特に明らかでないが、次のように考え
られる。カゼインは、塩膠化や熱によって容易に可変性
のゲルとなるため塗膜の乾燥後、鏡面仕上げしたドラム
表面から塗工紙が離型する時の離型性を良くしたり前記
塗工面の光沢度を良くしたりする効果がある。
【0028】又、カゼイン自体は親水性であり保水性が
あるため塗工面の乾燥時に顔料、接着剤等の成分の分布
を均一にする効果があり、このことは塗膜の接着強度を
強くするので、微細な塗膜がキャストドラム面にとられ
て徐々に堆積し、結果的には得られたキャスト紙の光沢
度を下げるといったトラブルを防止することにつながっ
ている。
あるため塗工面の乾燥時に顔料、接着剤等の成分の分布
を均一にする効果があり、このことは塗膜の接着強度を
強くするので、微細な塗膜がキャストドラム面にとられ
て徐々に堆積し、結果的には得られたキャスト紙の光沢
度を下げるといったトラブルを防止することにつながっ
ている。
【0029】これに対し、カゼインを用いないで水性ウ
レタン樹脂を用いる場合にはカゼインによる前記の効果
が欠除しているために、離型不良、光沢度低下等の問題
が顕在化し易い。
レタン樹脂を用いる場合にはカゼインによる前記の効果
が欠除しているために、離型不良、光沢度低下等の問題
が顕在化し易い。
【0030】しかしながら、本発明のキャスト塗工紙で
は、製造に際し塗工液中の少なくとも1種の顔料の空隙
量は1.0〜2.6ml/gの範囲にあり、顔料自体が適切な空隙
を有するので、このことが塗工液中の水、接着剤等と顔
料との親和性を増し、保水性と接着強度の向上に寄与す
ると考えられる。又、塗膜の鏡面仕上げする前に塗膜に
付与される凝固液、或いは再湿液との親和性が増し、凝
固液や再湿液の塗膜中への吸収、滞留を良くし、塗膜の
可塑化効果を十分に発揮できるようになるためと思われ
る。
は、製造に際し塗工液中の少なくとも1種の顔料の空隙
量は1.0〜2.6ml/gの範囲にあり、顔料自体が適切な空隙
を有するので、このことが塗工液中の水、接着剤等と顔
料との親和性を増し、保水性と接着強度の向上に寄与す
ると考えられる。又、塗膜の鏡面仕上げする前に塗膜に
付与される凝固液、或いは再湿液との親和性が増し、凝
固液や再湿液の塗膜中への吸収、滞留を良くし、塗膜の
可塑化効果を十分に発揮できるようになるためと思われ
る。
【0031】一方、キャスト塗工紙を製造する際の塗膜
自体には従来から見られるように隣接する顔料同士の隙
間にも、前記の水、接着剤、凝固液、再湿液等が浸入
し、保持されるので、顔料同士の隙間による保持効果は
当然期待されるが、このような顔料の隙間だけの保持効
果では十分でなく、本発明のキャスト塗工紙の如く、顔
料自体が有するPorosimeterで測定可能な6nmから6μmの
範囲の空隙径からなる空隙による効果が相乗的に作用し
て前記保持効果を更に一層大きくするものと考えられ
る。
自体には従来から見られるように隣接する顔料同士の隙
間にも、前記の水、接着剤、凝固液、再湿液等が浸入
し、保持されるので、顔料同士の隙間による保持効果は
当然期待されるが、このような顔料の隙間だけの保持効
果では十分でなく、本発明のキャスト塗工紙の如く、顔
料自体が有するPorosimeterで測定可能な6nmから6μmの
範囲の空隙径からなる空隙による効果が相乗的に作用し
て前記保持効果を更に一層大きくするものと考えられ
る。
【0032】本発明のキャスト塗工紙を製造するための
塗工液組成物は、従来のキャスト塗工液組成物と同様に
顔料、接着剤及び助剤を主成分とするものであるが、顔
料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、サチンホワイト、プラスチックピグメント等
の如き通常の塗工紙用顔料のうちから空隙量が1.0ml/g
未満のものも、1.0ml/g以上のものも適宜選択して併用
することができる。
塗工液組成物は、従来のキャスト塗工液組成物と同様に
顔料、接着剤及び助剤を主成分とするものであるが、顔
料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、サチンホワイト、プラスチックピグメント等
の如き通常の塗工紙用顔料のうちから空隙量が1.0ml/g
未満のものも、1.0ml/g以上のものも適宜選択して併用
することができる。
【0033】前記本発明のキャスト塗工紙のための塗工
液組成物においては、接着剤として水性ウレタン樹脂を
含有させることが必須の条件である。水性ウレタン樹脂
以外の接着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル
及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれ
らの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基
含有単量体で変性したアルカリ溶解性或いはアルカリ非
溶解性の重合体ラテックス、オレフィン無水マレイン酸
樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉の
ような澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体等の如き通常
の塗工紙用接着剤を挙げることができ、これらの接着剤
の1種以上を前記水性ウレタン樹脂と適宜併用して使用
することができる。
液組成物においては、接着剤として水性ウレタン樹脂を
含有させることが必須の条件である。水性ウレタン樹脂
以外の接着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル
及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれ
らの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基
含有単量体で変性したアルカリ溶解性或いはアルカリ非
溶解性の重合体ラテックス、オレフィン無水マレイン酸
樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉の
ような澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体等の如き通常
の塗工紙用接着剤を挙げることができ、これらの接着剤
の1種以上を前記水性ウレタン樹脂と適宜併用して使用
することができる。
【0034】本発明のキャスト塗工紙では、顔料と接着
剤の使用比率は固形分の顔料:接着剤の重量比が95:5〜
40:60、好ましくは90:10〜60:40の範囲内で調節され
ている。
剤の使用比率は固形分の顔料:接着剤の重量比が95:5〜
40:60、好ましくは90:10〜60:40の範囲内で調節され
ている。
【0035】前記した接着剤及び顔料成分の他に、本発
明のキャスト塗工紙のために用いられる塗工液組成物中
には必要に応じて消泡剤、着色剤、耐水化剤、離型剤、
流動変性剤、凝固剤等の各種助剤を適宜配合して用いる
ことができるが、リン成分を含有するものは一切使用さ
れない。
明のキャスト塗工紙のために用いられる塗工液組成物中
には必要に応じて消泡剤、着色剤、耐水化剤、離型剤、
流動変性剤、凝固剤等の各種助剤を適宜配合して用いる
ことができるが、リン成分を含有するものは一切使用さ
れない。
【0036】例えば、凝固剤としては、ギ酸、クロトン
酸、イタコン酸等の有機酸や、ギ酸カルシウム、塩化カ
ルシウム等の電解質等の如き塗膜の接着剤成分を凝固さ
せる如何なる凝固剤でも使用できる。
酸、イタコン酸等の有機酸や、ギ酸カルシウム、塩化カ
ルシウム等の電解質等の如き塗膜の接着剤成分を凝固さ
せる如何なる凝固剤でも使用できる。
【0037】前記塗工液組成物を紙基材上へ塗工するに
際して、一般の塗工紙の製造に慣用されているコータ
ー、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、
ロールコーター、リバースロールコーター、バーコータ
ー、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビ
アコーター、チャンプレックスコーター等の塗工装置を
設けたコーターを用いて、一層或いは多層に分けて塗工
される。その際の塗工液の固形分濃度は、40〜70重量%
の範囲であるが、この濃度はコーターの種類やスピード
によって適宜調節される。
際して、一般の塗工紙の製造に慣用されているコータ
ー、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、
ロールコーター、リバースロールコーター、バーコータ
ー、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビ
アコーター、チャンプレックスコーター等の塗工装置を
設けたコーターを用いて、一層或いは多層に分けて塗工
される。その際の塗工液の固形分濃度は、40〜70重量%
の範囲であるが、この濃度はコーターの種類やスピード
によって適宜調節される。
【0038】紙基材としては、一般の印刷用塗工紙やキ
ャスト塗工紙に用いられる坪量30〜400g/m2の範囲のペ
ーパーベース或いはボードベースの原紙が用いられる
が、抄紙方法については特に限定されず、酸性抄紙、ア
ルカリ性抄紙、又単層抄き、多層抄きのいずれであって
も良く、勿論、高歩留パルプを約10重量%以上含む中質
原紙も使用できる。又、前記紙基材に下塗り塗工したも
のや、キャスト塗工層の裏面に一般の顔料コーティング
を施したような塗工紙或いは片面(裏面)を鏡面仕上げ
法によって光沢度を向上させたキャスト塗工紙等も紙基
材として使用できる。
ャスト塗工紙に用いられる坪量30〜400g/m2の範囲のペ
ーパーベース或いはボードベースの原紙が用いられる
が、抄紙方法については特に限定されず、酸性抄紙、ア
ルカリ性抄紙、又単層抄き、多層抄きのいずれであって
も良く、勿論、高歩留パルプを約10重量%以上含む中質
原紙も使用できる。又、前記紙基材に下塗り塗工したも
のや、キャスト塗工層の裏面に一般の顔料コーティング
を施したような塗工紙或いは片面(裏面)を鏡面仕上げ
法によって光沢度を向上させたキャスト塗工紙等も紙基
材として使用できる。
【0039】紙基材への塗工液組成物の塗工量は、乾燥
重量で10〜50g/m2の範囲であるが、得られるキャスト塗
工紙の白紙品質、生産速度の向上効果等の点で15〜35g/
m2の範囲内で調節されるのが望ましい。
重量で10〜50g/m2の範囲であるが、得られるキャスト塗
工紙の白紙品質、生産速度の向上効果等の点で15〜35g/
m2の範囲内で調節されるのが望ましい。
【0040】塗工紙の乾燥程度は紙基材の種類や塗工液
組成物の種類等によって異なるが、水分含有量として2
〜10%の範囲、好ましくは4〜8%の範囲に乾燥される。
組成物の種類等によって異なるが、水分含有量として2
〜10%の範囲、好ましくは4〜8%の範囲に乾燥される。
【0041】乾燥後の前記塗工紙は、必要に応じて、マ
シンカレンダー、スーパーカレンダー等の平滑化処理が
行われるが、キャスト塗工紙の特徴である嵩高さや剛度
を著しく損なうような過度の処理は当然避ける必要があ
る。
シンカレンダー、スーパーカレンダー等の平滑化処理が
行われるが、キャスト塗工紙の特徴である嵩高さや剛度
を著しく損なうような過度の処理は当然避ける必要があ
る。
【0042】そして、再湿法の場合は、前記塗工層を再
湿潤し、加熱されている鏡面仕上げされたドラム表面に
圧接して光沢性が付与されるが、再湿潤する際の再湿潤
液については特に限定されるものではなく、例えば、清
水、温水、熱水、離型剤を含有した水溶液、クエン酸ソ
ーダ、硫酸亜鉛、或いはジシアンジアミド尿素のような
アミン類を含有した水溶液等公知の再湿潤液が用いられ
る。
湿潤し、加熱されている鏡面仕上げされたドラム表面に
圧接して光沢性が付与されるが、再湿潤する際の再湿潤
液については特に限定されるものではなく、例えば、清
水、温水、熱水、離型剤を含有した水溶液、クエン酸ソ
ーダ、硫酸亜鉛、或いはジシアンジアミド尿素のような
アミン類を含有した水溶液等公知の再湿潤液が用いられ
る。
【0043】本発明のキャスト塗工紙は、カゼイン及び
リン成分を含有しない前記のような塗工組成物を用いて
製造されるので、製造及び印刷に際し、悪臭が発生せ
ず、キャスト塗工面の光沢度が顕著に優れており、製造
に際してもキャスト塗工面のドラム表面からの離型性が
良く、キャストドラム表面の汚れの発生が少ない。
リン成分を含有しない前記のような塗工組成物を用いて
製造されるので、製造及び印刷に際し、悪臭が発生せ
ず、キャスト塗工面の光沢度が顕著に優れており、製造
に際してもキャスト塗工面のドラム表面からの離型性が
良く、キャストドラム表面の汚れの発生が少ない。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、特に断らない限り、実施例及び
比較例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示
す。又、塗工量は、全て絶乾重量%で表示する。
説明するが、勿論本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、特に断らない限り、実施例及び
比較例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示
す。又、塗工量は、全て絶乾重量%で表示する。
【0045】実施例1 まず、次のような配合率で顔料をデリッター(セリエ
製)中で水と共に分散し、固形分濃度65%の顔料スラリ
ー(S1)を調製した。 顔料スラリー(S1) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90、空隙量0.41ml/g) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μm、空隙量0.40ml/g) 12% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT、空隙量1.89ml/g) 8% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部
製)中で水と共に分散し、固形分濃度65%の顔料スラリ
ー(S1)を調製した。 顔料スラリー(S1) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90、空隙量0.41ml/g) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μm、空隙量0.40ml/g) 12% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT、空隙量1.89ml/g) 8% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部
【0046】次いで、この顔料スラリーを用いて次のよ
うな配合でキャスト塗工のための塗工液を調製した。 顔料スラリー(S1)(絶乾) 45% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 20% ラテックス(旭化成製、L-1537) 34% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この塗工液固形分100部当り、ギ酸カルシウム0.5部、蛍
光染料0.2部、非リン酸系消泡剤0.1部、水を順次添加
し、良く撹拌した後、25%アンモニア水を用いてpHをア
ルカリ性にし、固形分濃度40%の水性塗工液を得た。こ
の時、空隙量が1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は3.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
うな配合でキャスト塗工のための塗工液を調製した。 顔料スラリー(S1)(絶乾) 45% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 20% ラテックス(旭化成製、L-1537) 34% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この塗工液固形分100部当り、ギ酸カルシウム0.5部、蛍
光染料0.2部、非リン酸系消泡剤0.1部、水を順次添加
し、良く撹拌した後、25%アンモニア水を用いてpHをア
ルカリ性にし、固形分濃度40%の水性塗工液を得た。こ
の時、空隙量が1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は3.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
【0047】続いて、広葉樹晒クラフトパルプ90%と針
葉樹晒クラフトパルプ10%からなる混合パルプを用いて
公知の抄紙機で坪量90g/m2の紙基材を抄造し、前記塗工
液をこの紙基材の片面に、図1に示したキャストコータ
ーで塗工してキャスト塗工紙を製造した。
葉樹晒クラフトパルプ10%からなる混合パルプを用いて
公知の抄紙機で坪量90g/m2の紙基材を抄造し、前記塗工
液をこの紙基材の片面に、図1に示したキャストコータ
ーで塗工してキャスト塗工紙を製造した。
【0048】即ち、紙基材1にエアーナイフコーター2で
乾燥重量が23g/m2になるように塗工し、乾燥機3で紙水
分が6%となるように乾燥した後、硫酸亜鉛水溶液の噴
霧器4で塗工層へ0.3%濃度の硫酸亜鉛水溶液を噴霧し、
直ちに表面温度が110℃の鏡面仕上げ表面を有するドラ
ム6にプレスロール5で圧接し、乾燥後テークオフロール
7で鏡面仕上げされた表面を有するドラムより剥離し、
キャスト塗工紙8を得た。この時の巻取り速度は、100m/
分であった。この方式は一般に「再湿法」と称されるも
ので、得られたキャスト塗工紙の品質評価は次のように
行った。
乾燥重量が23g/m2になるように塗工し、乾燥機3で紙水
分が6%となるように乾燥した後、硫酸亜鉛水溶液の噴
霧器4で塗工層へ0.3%濃度の硫酸亜鉛水溶液を噴霧し、
直ちに表面温度が110℃の鏡面仕上げ表面を有するドラ
ム6にプレスロール5で圧接し、乾燥後テークオフロール
7で鏡面仕上げされた表面を有するドラムより剥離し、
キャスト塗工紙8を得た。この時の巻取り速度は、100m/
分であった。この方式は一般に「再湿法」と称されるも
ので、得られたキャスト塗工紙の品質評価は次のように
行った。
【0049】(1)キャスト塗工面の光沢度 JIS P 8142(75度法)によって測定した。
【0050】(2)キャスト塗工紙の臭気 10cm×10cmのサイズのキャスト塗工紙5枚を150℃の実験
室用循環式オーブン中に5分間放置し、取り出した直後
の紙の臭気を嗅ぎ、臭気の有無を評価した。
室用循環式オーブン中に5分間放置し、取り出した直後
の紙の臭気を嗅ぎ、臭気の有無を評価した。
【0051】(3)離型性 鏡面仕上げされた表面を有するドラムからキャスト塗工
面が離れる時の状態を目視で評価して次のように示し
た。 ○:キャスト塗工面がドラムから全く抵抗なく離れる。 △:キャスト塗工面がドラムにわずかに付着しており、
やや離れにくい。 □:キャスト塗工面がドラムに付着しており、離れにく
い。 ○〜△、△〜□は、それぞれの中間程度を示す。
面が離れる時の状態を目視で評価して次のように示し
た。 ○:キャスト塗工面がドラムから全く抵抗なく離れる。 △:キャスト塗工面がドラムにわずかに付着しており、
やや離れにくい。 □:キャスト塗工面がドラムに付着しており、離れにく
い。 ○〜△、△〜□は、それぞれの中間程度を示す。
【0052】(4)鏡面仕上げされたドラム表面の汚れ 5000mの連続塗工後のドラム表面を目視で観察し、次の
ように評価した。 ○:清浄であり、さらに連続処理可能。 △:白く薄い汚れが若干付着しているが、もう少し連続
処理は可能。 □:汚れが多く、コーターを止めてドラム表面を拭き直
す必要がある。 ○〜△、△〜□は、それぞれの中間程度を示す。
ように評価した。 ○:清浄であり、さらに連続処理可能。 △:白く薄い汚れが若干付着しているが、もう少し連続
処理は可能。 □:汚れが多く、コーターを止めてドラム表面を拭き直
す必要がある。 ○〜△、△〜□は、それぞれの中間程度を示す。
【0052】実施例2 顔料スラリーを調製するための顔料の配合率を次のよう
に変えて顔料スラリー(S2)を調製した。 顔料スラリー(S2) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 74% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 26% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 次いで、この顔料スラリーを用いて次のような配合でキ
ャスト塗工のための塗工液を調製した。 顔料スラリー(S2) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 20% ラテックス(旭化成製、L-1537) 5% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は19.2%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。この塗工液を用いて実施例1と同様にキャスト
塗工紙を製造し、その品質を評価した。
に変えて顔料スラリー(S2)を調製した。 顔料スラリー(S2) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 74% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 26% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 次いで、この顔料スラリーを用いて次のような配合でキ
ャスト塗工のための塗工液を調製した。 顔料スラリー(S2) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 20% ラテックス(旭化成製、L-1537) 5% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は19.2%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。この塗工液を用いて実施例1と同様にキャスト
塗工紙を製造し、その品質を評価した。
【0053】実施例3 顔料スラリーを調製するための顔料の配合率を次のよう
に変えて顔料スラリー(S3)を調製した以外は実施例
2と同様にキャスト塗工紙を製造し、品質を評価した。 顔料スラリー(S3) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 7% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアント15、空隙量1.27ml/g) 13% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が1.27ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%
であった。
に変えて顔料スラリー(S3)を調製した以外は実施例
2と同様にキャスト塗工紙を製造し、品質を評価した。 顔料スラリー(S3) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 7% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアント15、空隙量1.27ml/g) 13% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が1.27ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%
であった。
【0054】実施例4 軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15)13%を、タルク
(竹原化学製、タルクHE-5、空隙量1.41ml/g)13%に代
えて顔料スラリー(S4)を調製した以外は実施例3と
全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。この時、空隙量が1.41ml/gの顔料の塗工液固形
分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有
率は20%であった。
(竹原化学製、タルクHE-5、空隙量1.41ml/g)13%に代
えて顔料スラリー(S4)を調製した以外は実施例3と
全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。この時、空隙量が1.41ml/gの顔料の塗工液固形
分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有
率は20%であった。
【0055】実施例5 軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15)13%を、焼成ク
レー(米国エンゲルハード製、アンシレックス93、空隙
量2.10ml/g)13%に代えて顔料スラリー(S5)を調製
した以外は実施例3と全く同様にしてキャスト塗工紙を
製造し、その品質を評価した。この時、空隙量が2.10ml
/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は9.6%、水
性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
レー(米国エンゲルハード製、アンシレックス93、空隙
量2.10ml/g)13%に代えて顔料スラリー(S5)を調製
した以外は実施例3と全く同様にしてキャスト塗工紙を
製造し、その品質を評価した。この時、空隙量が2.10ml
/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は9.6%、水
性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
【0056】実施例6 軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15)13%を、尿素系
プラスチックピグメント(三井東圧製、ユーパールC-12
0、空隙量2.49ml/g)13%に代えて顔料スラリー(S6)
を調製した以外は実施例3と全く同様にしてキャスト塗
工紙を製造し、その品質を評価した。この時、空隙量が
2.49ml/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は9.6
%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
プラスチックピグメント(三井東圧製、ユーパールC-12
0、空隙量2.49ml/g)13%に代えて顔料スラリー(S6)
を調製した以外は実施例3と全く同様にしてキャスト塗
工紙を製造し、その品質を評価した。この時、空隙量が
2.49ml/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は9.6
%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
【0057】実施例7 キャスト塗工紙のための塗工液の組成を次のように変え
た以外は実施例5と同様にしてキャスト塗工紙を製造
し、その品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 2% ラテックス(旭化成製、L-1537) 20% 酸化デンプン(王子コーンスターチ製、王子エースA) 2% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 2% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は2%で
あった。
た以外は実施例5と同様にしてキャスト塗工紙を製造
し、その品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、オレスターUD100N) 2% ラテックス(旭化成製、L-1537) 20% 酸化デンプン(王子コーンスターチ製、王子エースA) 2% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 2% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は2%で
あった。
【0058】実施例8 水性ウレタン樹脂をバリヤスターXUD2193(三井東圧
製)とし、キャスト塗工紙のための塗工液の組成を次の
ように変えた以外は実施例5と同様にしてキャスト塗工
紙を製造し、その品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 66% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、バリヤスターXUD2193) 28% ラテックス(旭化成製、L-1537) 5% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は8.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は28%
であった。
製)とし、キャスト塗工紙のための塗工液の組成を次の
ように変えた以外は実施例5と同様にしてキャスト塗工
紙を製造し、その品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 66% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、バリヤスターXUD2193) 28% ラテックス(旭化成製、L-1537) 5% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は8.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は28%
であった。
【0059】実施例9 水性ウレタン樹脂をバリヤスターXUD2193とし、キャス
ト塗工紙のための塗工液の組成を次のように変えた以外
は実施例5と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その
品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、バリヤスターXUD2193) 10% ラテックス(旭化成製、L-1537) 15% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は10%
であった。
ト塗工紙のための塗工液の組成を次のように変えた以外
は実施例5と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その
品質を評価した。 顔料スラリー(S5) 74% 水性ウレタン樹脂(三井東圧製、バリヤスターXUD2193) 10% ラテックス(旭化成製、L-1537) 15% 離型剤(サンノプコ製、ワックスエマルジョン) 1% この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中にお
ける含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は10%
であった。
【0060】実施例10 実施例1の紙基材の両面に下記の水性塗工液を片面当り
8g/m2ずつブレードコーターで塗工して乾燥し、水分6%
に乾燥した後ニップ圧200kg/cmにおいてスーパーカレン
ダー処理してキャスト塗工用の紙基材を製造した。 紙基材用の水性塗工液の組成 カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 26% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径2μ) 60% 酸化デンプン(王子コーンスターチ社製、王子エースA) 2% ラテックス(旭化成製、L-1537) 12% 前記顔料100部当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ
0.3部、潤滑剤としてステアリン酸カルシウム0.5部、蛍
光染料0.2部を順次添加して十分混合分散した後、25%
アンモニア水溶液を用いて、pHをアルカリ性に調節し、
固形分濃度60%の水性塗工液とした。前記下塗りを施し
た紙基材の片面に、実施例9と同じキャスト塗工のため
の塗工液を塗工してキャスト塗工紙を製造し、その品質
を評価した。この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液
固形分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の
含有率は10%であった。
8g/m2ずつブレードコーターで塗工して乾燥し、水分6%
に乾燥した後ニップ圧200kg/cmにおいてスーパーカレン
ダー処理してキャスト塗工用の紙基材を製造した。 紙基材用の水性塗工液の組成 カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 26% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径2μ) 60% 酸化デンプン(王子コーンスターチ社製、王子エースA) 2% ラテックス(旭化成製、L-1537) 12% 前記顔料100部当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ
0.3部、潤滑剤としてステアリン酸カルシウム0.5部、蛍
光染料0.2部を順次添加して十分混合分散した後、25%
アンモニア水溶液を用いて、pHをアルカリ性に調節し、
固形分濃度60%の水性塗工液とした。前記下塗りを施し
た紙基材の片面に、実施例9と同じキャスト塗工のため
の塗工液を塗工してキャスト塗工紙を製造し、その品質
を評価した。この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液
固形分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の
含有率は10%であった。
【0061】実施例11 広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプの比
率が8:2の晒クラフト混合パルプを用いて公知の3層抄き
用抄紙機で中層を坪量40g/m2、この中層の両側に各々坪
量90g/m2の外層を抄き合わせ、合計坪量が220g/m2の紙
基材を製造した。この紙基材を用いて実施例9と同様に
してキャスト塗工紙を製造し、その品質の評価を行っ
た。この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中
における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は1
0%であった。
率が8:2の晒クラフト混合パルプを用いて公知の3層抄き
用抄紙機で中層を坪量40g/m2、この中層の両側に各々坪
量90g/m2の外層を抄き合わせ、合計坪量が220g/m2の紙
基材を製造した。この紙基材を用いて実施例9と同様に
してキャスト塗工紙を製造し、その品質の評価を行っ
た。この時、空隙量が2.10ml/gの顔料の塗工液固形分中
における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有率は1
0%であった。
【0062】実施例12 実施例1と同一の紙基材とキャスト塗工のための塗工液
を用い、図2に示したキャストコーターによって、紙基
材9にロールコーター10で乾燥重量が18g/m2となるよう
に塗工し、乾燥機11で塗膜中の固形分濃度が55〜60%と
なるように予備乾燥し、表面温度110℃の鏡面仕上げさ
れた表面を有するドラム13にプレスロール12で圧接し、
この時プレスニップ14にノズル15より0.5%ギ酸カルシ
ウムの凝固液を供給した。乾燥後テークオフロール16で
前記ドラムより剥離し、キャスト塗工紙17を得た。この
時の巻取り速度は60m/分で行った。このキャスト塗工方
式は、一般に「凝固法」と称されるものである。得られ
たキャスト塗工紙の品質を評価した。この時、空隙量1.
89ml/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は3.6
%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
を用い、図2に示したキャストコーターによって、紙基
材9にロールコーター10で乾燥重量が18g/m2となるよう
に塗工し、乾燥機11で塗膜中の固形分濃度が55〜60%と
なるように予備乾燥し、表面温度110℃の鏡面仕上げさ
れた表面を有するドラム13にプレスロール12で圧接し、
この時プレスニップ14にノズル15より0.5%ギ酸カルシ
ウムの凝固液を供給した。乾燥後テークオフロール16で
前記ドラムより剥離し、キャスト塗工紙17を得た。この
時の巻取り速度は60m/分で行った。このキャスト塗工方
式は、一般に「凝固法」と称されるものである。得られ
たキャスト塗工紙の品質を評価した。この時、空隙量1.
89ml/gの顔料の塗工液固形分中における含有率は3.6
%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
【0063】比較例1 次のような処方で顔料スラリー(S6)を調製した以外
は実施例1と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
品質を評価した。 顔料スラリー(S6) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 84% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 4% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が1.89ml/gの顔料の塗工液中の含有率は
1.8%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
は実施例1と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
品質を評価した。 顔料スラリー(S6) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 84% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 4% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が1.89ml/gの顔料の塗工液中の含有率は
1.8%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であった。
【0064】比較例2 次のような処方で顔料スラリー(S7)を調製した以外
は実施例1と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S7) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 50% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 50% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は22.5%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
は実施例1と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S7) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 50% 軽質炭酸カルシウム(白石工業製、カルライトKT) 50% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量1.89ml/gの顔料の塗工液固形分中におけ
る含有率は22.5%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
【0065】比較例3 次のような処方で顔料スラリー(S8)を調製した以外
は実施例2と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S8) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 76% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% タルク(日本ミストロン製、ミストロンベーパー、空隙量0.84ml/g) 12% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が0.84ml/gである顔料の塗工液固形分中
の含有率は8.9%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
は実施例2と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S8) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 76% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% タルク(日本ミストロン製、ミストロンベーパー、空隙量0.84ml/g) 12% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が0.84ml/gである顔料の塗工液固形分中
の含有率は8.9%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%で
あった。
【0066】比較例4 次のような処方で顔料スラリー(S9)を調製した以外
は実施例2と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S9) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% シリカ(バイエル製、バイシカルAD、空隙量2.88ml/g) 8% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が2.88ml/gの顔料の塗工液固形分中の含
有率は5.9%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であっ
た。
は実施例2と全く同様にしてキャスト塗工紙を製造し、
その品質を評価した。 顔料スラリー(S9) カオリン(米国エンゲルハード製、UW-90) 80% 重質炭酸カルシウム(自社製、平均粒子径1μ) 12% シリカ(バイエル製、バイシカルAD、空隙量2.88ml/g) 8% ポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製、T-40) 顔料100部当り 0.4部 この時、空隙量が2.88ml/gの顔料の塗工液固形分中の含
有率は5.9%、水性ウレタン樹脂の含有率は20%であっ
た。
【0067】比較例5 接着剤として水性ウレタン樹脂を含まず、顔料スラリー
(S3)74%、ラテックス(L-1537)を23%、酸化デンプ
ン(王子コーンスターチ製、王子エースA)を2%、離型
剤(ワックスエマルジョン)を1%とした以外は実施例
3と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。この時、空隙量が1.27ml/gの顔料の塗工液固形
分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有
率は0%であった。しかしながら、この塗工液を用いて
キャスト塗工紙を製造する際に、ドラムからのキャスト
塗工紙の離型性が悪く、正常な光沢を有するキャスト塗
工紙が得られなかった。
(S3)74%、ラテックス(L-1537)を23%、酸化デンプ
ン(王子コーンスターチ製、王子エースA)を2%、離型
剤(ワックスエマルジョン)を1%とした以外は実施例
3と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。この時、空隙量が1.27ml/gの顔料の塗工液固形
分中における含有率は9.6%、水性ウレタン樹脂の含有
率は0%であった。しかしながら、この塗工液を用いて
キャスト塗工紙を製造する際に、ドラムからのキャスト
塗工紙の離型性が悪く、正常な光沢を有するキャスト塗
工紙が得られなかった。
【0068】比較例6 接着剤として水性ウレタン樹脂を含まず、顔料スラリー
(S3)74%、ラテックス(L-1537)を18%、酸化デン
プン(王子エースA)を2%、カゼインを5%、離型剤
(ワックスエマルジョン)を1%とした以外は、実施例
3と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。
(S3)74%、ラテックス(L-1537)を18%、酸化デン
プン(王子エースA)を2%、カゼインを5%、離型剤
(ワックスエマルジョン)を1%とした以外は、実施例
3と同様にしてキャスト塗工紙を製造し、その品質を評
価した。
【0069】実施例1〜12で得られた結果を表1に、
又、比較例1〜6で得られた結果を表2に示した。
又、比較例1〜6で得られた結果を表2に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】表1から分かるように、空隙量が1.0〜2.6
ml/gの範囲内の顔料をその含有率が3〜20%の範囲内で
含み、且つ接着剤として水性ウレタン樹脂の含有率が1
〜30%の範囲内にある塗工組成物をキャスト塗工して得
られる本発明のキャスト塗工紙は、キャスト塗工面の光
沢度が顕著に優れ、臭気がないばかりか、その製造に際
してもキャストドラムからの離型性が良くて、汚れが少
ない(実施例1〜12)が、空隙量が1.0〜2.6ml/gの範
囲内の顔料の含有率が3%未満であったり、空隙量が1.0
ml/g未満の如く小さい顔料のみを用いるとキャスト塗工
紙の光沢が悪くなり、更にドラムからの離型性及び汚れ
とも悪くなり(比較例1及び比較例3)、顔料の空隙量
及び水性ウレタン樹脂の含有率が適正であっても、その
ような顔料の含有量が高いと、キャスト塗工面の光沢度
の低下が目立ち、製造に際してドラムからの離型性は優
れるが、汚れが悪くなり(比較例2)、顔料の空隙量が
高過ぎると、水性ウレタン樹脂の含有量が適正であって
も塗工液の流動性が悪くなるため塗工面が不均一となっ
て使用に耐えなくなり(比較例4)、水性ウレタン樹脂
を用いないと、顔料の空隙量と含有率が適正であって
も、キャスト塗工面の光沢度が顕著に悪くなり、ドラム
からの離型性と汚れとも顕著に悪くなる(比較例5)。
又、キャスト塗工液にカゼインを含有する従来技術法で
はキャスト塗工面の光沢度、ドラムからの離型性、ドラ
ム表面の汚れ共に良好であるが、キャスト塗工紙の臭気
が強く、商品価値が劣る(比較例6)。
ml/gの範囲内の顔料をその含有率が3〜20%の範囲内で
含み、且つ接着剤として水性ウレタン樹脂の含有率が1
〜30%の範囲内にある塗工組成物をキャスト塗工して得
られる本発明のキャスト塗工紙は、キャスト塗工面の光
沢度が顕著に優れ、臭気がないばかりか、その製造に際
してもキャストドラムからの離型性が良くて、汚れが少
ない(実施例1〜12)が、空隙量が1.0〜2.6ml/gの範
囲内の顔料の含有率が3%未満であったり、空隙量が1.0
ml/g未満の如く小さい顔料のみを用いるとキャスト塗工
紙の光沢が悪くなり、更にドラムからの離型性及び汚れ
とも悪くなり(比較例1及び比較例3)、顔料の空隙量
及び水性ウレタン樹脂の含有率が適正であっても、その
ような顔料の含有量が高いと、キャスト塗工面の光沢度
の低下が目立ち、製造に際してドラムからの離型性は優
れるが、汚れが悪くなり(比較例2)、顔料の空隙量が
高過ぎると、水性ウレタン樹脂の含有量が適正であって
も塗工液の流動性が悪くなるため塗工面が不均一となっ
て使用に耐えなくなり(比較例4)、水性ウレタン樹脂
を用いないと、顔料の空隙量と含有率が適正であって
も、キャスト塗工面の光沢度が顕著に悪くなり、ドラム
からの離型性と汚れとも顕著に悪くなる(比較例5)。
又、キャスト塗工液にカゼインを含有する従来技術法で
はキャスト塗工面の光沢度、ドラムからの離型性、ドラ
ム表面の汚れ共に良好であるが、キャスト塗工紙の臭気
が強く、商品価値が劣る(比較例6)。
【0073】
【発明の効果】本発明のキャスト塗工紙は、カゼイン及
びリン成分を含有する化合物を使用していないのでカゼ
イン特有の臭気が無く、乾燥の際に発生する排気ガスは
無害であり、塗工紙のキャスト塗工面の光沢度が顕著に
優れ、製造に際してもキャスト塗工紙のドラム表面から
の離型性が良く、ドラム表面の汚れが顕著に減少すると
いう効果を奏する。
びリン成分を含有する化合物を使用していないのでカゼ
イン特有の臭気が無く、乾燥の際に発生する排気ガスは
無害であり、塗工紙のキャスト塗工面の光沢度が顕著に
優れ、製造に際してもキャスト塗工紙のドラム表面から
の離型性が良く、ドラム表面の汚れが顕著に減少すると
いう効果を奏する。
【図1】再湿法によるキャスト塗工紙の概略製造工程図
である。
である。
【図2】凝固法によるキャスト塗工紙の概略製造工程図
である。
である。
1 ・・紙基材 2 ・・エアーナイフコーター 3 ・・乾燥機 4 ・・噴霧器 5 ・・プレスロール 6 ・・鏡面仕上げされた表面を有するドラム 7 ・・テークオフロール 8 ・・キャスト塗工紙 9 ・・紙基材 10 ・・ロールコーター 11 ・・乾燥機 12 ・・プレスロール 13 ・・鏡面仕上げされた表面を有するドラム 14 ・・プレスニップ 15 ・・ノズル 16 ・・テークオフロール 17 ・・キャスト塗工紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 延夫 鳥取県米子市吉岡373番地 王子製紙株 式会社米子工場内 (72)発明者 楠見 公史 鳥取県米子市吉岡373番地 王子製紙株 式会社米子工場内 審査官 渕野 留香 (56)参考文献 特開 平3−252473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 19/36 - 19/64
Claims (1)
- 【請求項1】 主成分として顔料、水性接着剤及び離型
剤からなり、且つカゼインを含まない塗工組成物を塗工
してなるキャスト塗工紙において、空隙量が1.0〜2.6ml
/gである顔料の含有率が塗工組成物の固形分重量当り3
〜20%であり、且つ水性ウレタン樹脂の含有率が塗工組
成物の固形分重量当り1〜30%の塗工組成物を塗工して
なることを特徴とするキャスト塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3024093A JP2833398B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | キャスト塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3024093A JP2833398B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | キャスト塗工紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06248598A JPH06248598A (ja) | 1994-09-06 |
JP2833398B2 true JP2833398B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=12298191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3024093A Expired - Fee Related JP2833398B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | キャスト塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2833398B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2817643B2 (ja) * | 1995-01-17 | 1998-10-30 | 王子製紙株式会社 | 水性グラビア印刷用キャストコート紙 |
DE19829649C2 (de) * | 1997-07-28 | 2003-05-08 | Omya Ag Oftringen | Slurry, enthaltend ein agglomeriertes carbonathaltiges Pigment |
ITMI20022737A1 (it) * | 2002-12-20 | 2004-06-21 | Gruppo Cordenons Spa | Materiale cartaceo in foglio con aspetto ed effetto al |
JP5357606B2 (ja) * | 2009-04-03 | 2013-12-04 | 大王製紙株式会社 | 多層抄き紙 |
IT202200010112A1 (it) * | 2022-05-16 | 2023-11-16 | Gruppo Cordenons Spa | Materiale cartaceo in foglio con effetto tattile simile alla plastica e relativo metodo di produzione |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP3024093A patent/JP2833398B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06248598A (ja) | 1994-09-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |